JP2011182068A - べき級数型ディジタルプリディストータとその歪補償制御方法 - Google Patents

べき級数型ディジタルプリディストータとその歪補償制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】べき級数型ディジタルプリディストータのベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数の更新において、歪成分を測定する3個の係数の値を従来より適切に設定し、1回の計算で歪成分のレベルを最小にする又は従来の方法より小さくする。
【解決手段】
歪成分の係数依存性を示す新たな二次関数f2(W)を最小二乗法により特定する際に用いる各係数W0,W1,W2を、更新前の歪成分の係数依存性を示す二次関数f1(W)に基づき、f1(W0)=f1(W2)=f1(W1)+Pの関係式を成立させる値として求める。
【選択図】図9

Description

本発明は,べき級数型ディジタルプリディストータとその歪補償制御方法に関する。
電力増幅器で発生する非線形歪成分(以下、歪成分と呼ぶ)を補償する1つの方法として、プリディストーション法がある。プリディストーション法では、電力増幅器で発生する歪成分を打ち消す歪補償成分をプリディストータにて作成し、その成分を電力増幅器入力信号に予め加えることで歪補償を行う。
一般に電力増幅器を飽和領域近傍にて動作させた場合、電力増幅器は高い効率を得られるが、周波数依存性をもつ複雑な歪成分が発生することが知られている。 周波数依存性を持つ歪成分を補償するプリディストータとして、周波数特性補償器を備えたべき級数型ディジタルプリディストータがある(例えば、非特許文献1、非特許文献2)。
図1は、従来技術によるべき級数型ディジタルプリディストータ500に周辺装置である増幅装置10と帰還信号生成装置20を組み合わせた例である。べき級数型ディジタルプリディストータ500にはI相とQ相のディジタル信号が入力される。
べき級数型ディジタルプリディストータ500は,遅延器などにより構成される線形伝達経路110と、3次歪発生器521と3次ベクトル調整器522と3次周波数特性補償器523とを含む3次歪発生経路520と、べき級数型ディジタルプリディストータ500に入力されたI相とQ相のディジタル信号をそれぞれ線形伝達経路110と3次歪発生経路520とに分配する分配器130と、線形伝達経路110からの出力信号と3次歪発生経路520からの出力信号とを合成する合成器140と、合成器140からの出力をディジタルアナログ変換するDA変換器150と、増幅装置10からの出力信号の一部を帰還信号として取り出す帰還信号生成装置20から出力されたI相とQ相のアナログ信号を、それぞれアナログディジタル変換するAD変換器160と、AD変換器160からの出力信号から、べき級数型ディジタルプリディストータ500に入力され電力増幅器13で増幅された信号の電力を測定するとともに、電力増幅器13で発生した歪成分の電力を予め定めた任意の周波数帯域毎に測定する観測器170と、位相値と振幅値とで構成される1個の3次ベクトル調整器係数と、位相値と振幅値とで構成される複数の3次周波数特性補償器係数とをそれぞれ調整する制御器580とを備える。
増幅装置10は、I相とQ相のアナログ信号を直交変調する直交変調器11と、直交変調器11からの出力信号を所定の周波数まで周波数変換するアップコンバータ12と、アップコンバータ12からの出力信号の電力を増幅する電力増幅器13とを備える。増幅された信号は電力増幅器13の出力端から、例えば図示されていないデュプレクサを介してアンテナへ供給される。帰還信号生成装置20は、増幅装置10からの出力信号の一部を取り出す方向性結合器21と、方向性結合器21で取り出された信号を所定の周波数に変換するダウンコンバータ22と、ダウンコンバータ22からの出力信号をI相とQ相のアナログ信号に復調する直交復調器23とを備える。
3次歪発生器521は、分配器130からの出力信号を3乗し、3次歪成分を発生させる。3次ベクトル調整器522は、3次歪発生器521で発生された3次歪成分に制御器580から与えられた3次ベクトル調整器係数を乗算することで、3次歪成分の位相と振幅を調整する。3次周波数特性補償器523は、図2に示すように3次歪成分上側帯域と3次歪成分下側帯域についてM分割した各帯域に対し、それぞれ異なる3次周波数特性補償器係数を乗算する。図2の送信信号帯域には、増幅装置10を経たべき級数型ディジタルプリディストータ500の入力信号が含まれる。3次周波数特性補償器523の構成例を図3に示す。3次周波数特性補償器523は、シリアルパラレル変換部523aとJ点FFT部523bとJ個(J≧M)の複素乗算部523cj(jは1からJまでの整数)とJ点IFFT部523dとパラレルシリアル変換部523eと、を備える。シリアルパラレル変換部523aは、3次ベクトル調整器522からの入力信号をシリアルパラレル変換する。J点FFT部523bは、シリアルパラレル変換部523aからの各入力信号を時間領域から周波数領域へ変換する。M個に分割したいずれかの帯域に対応するJ点FFT部523bの出力は、制御器580により与えられるM個に分割した帯域に応じた3次周波数特性補償器係数が設定された複素乗算部523cjに入力され、複素乗算部523cjは設定された3次周波数特性補償器係数を乗算し、位相と振幅を調整して出力する。なお、M個に分割した帯域に対応しないJ点FFT部523bの出力は、そのままJ点IFFT部523dに入力される。J点IFFT部523dは、前段からの各入力信号をそれぞれ周波数領域から時間領域に変換する。パラレルシリアル変換部523eは、J点IFFT部523dからの各入力信号をパラレルシリアル変換する。
制御器580は、電力増幅器13で発生する歪成分を最小にするように3次ベクトル調整器522に与える3次ベクトル調整器係数と3次周波数特性補償器523に与える3次周波数特性補償器係数を調整することで歪成分を補償する。3次周波数特性補償器係数は以下のように計算する。図4は、帯域mの歪成分を最小にするための3次周波数特性補償器係数を計算する処理フローの例である。なお、周波数特性補償器係数は位相値と振幅値とからなり、図4は位相値の計算処理について示したものであるが、振幅値についても同様な方法で計算することができる。帯域mに対応する複素乗算部523cjへ与える位相値を変数X、異なる位相値にて歪成分を測定する回数をT1、帯域mに対応する複素乗算部523cjへ与える位相値をXm,t1(t1=0,1,・・・,T1−1)とする。なお、T1個のXm,t1はそれぞれ同一の値とならないよう事前に決めておく。T1は3以上である。制御器580は、帯域mの位相値Xm,t1を当該帯域mに対応する複素乗算部523cjに設定し(図4の「位相値の設定」)、観測器170にて当該位相値Xm,t1における帯域mの歪成分電力Dm,t1を測定し(図4の「歪成分の測定」)、位相値Xm,t1と歪成分電力Dm,t1を記録する(図4の「測定値の記録」)。この位相値の設定から測定値の記録までをT1回繰り返す。この繰り返し処理により得られたT1組のXm,t1とDm,t1とを用い、帯域mにおける歪成分の変数がDであるとしてDの周波数特性補償器係数(位相値)依存性を示す二次関数(D=a2,mm 2+a1,mm+a0,m )の係数(a2,m,a1,m,a0,m )を、最小2乗法により特定する(図4の「係数(a2,m,a1,m,a0,m)特定」)。続いて、この特定した二次関数を最小にする位相値Xm,cal(=−a1,m /2a2,m)を計算し(図4の「最小値計算(Xm,cal=−a1,m/2a2,m)」)、これを帯域mの3次周波数特性補償器係数の位相値として当該帯域mに対応する複素乗算部523cに設定して(図4の「計算結果の設定」)、振幅値の計算に遷移する。そして、位相値と同様な方法で計算した振幅値を複素乗算部523cに設定した上で、次の帯域m+1における位相値及び振幅値の計算に遷移する。
なお、ここで説明した歪成分を最小にするための3次周波数特性補償器係数を計算する方法は、歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器係数を計算する方法にも同様に適用可能である。
S. Mizuta, Y. Suzuki, S. Narahashi, and Y. Yamao, "A New Adjustment Method for the Frequency-Dependent IMD Compensator of the Digital Predistortion Linearizer," IEEE Radio and Wireless Symposium 2006, Jan. 2006, pp. 255 - 258 大河原, 鈴木,楢橋,"歪成分の周波数依存性を補償するディジタルプリディストータにおける周波数特性補償器係数の高速計算法,"信学技報,Dec. 2008, MW2008-152
電力増幅器の経年変化、温度変化などにより、電力増幅器で発生する歪成分が変動することから、実際に歪成分を最小にするべき級数型ディジタルプリディストータのベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数も変動する。べき級数型ディジタルプリディストータの制御器は、歪成分を最小に維持するため(あるいは,歪成分を定められた規格値以下に維持するため)に、ベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数を歪成分の変動に対応して更新する必要がある。
一般的な方法であるLMS(Least Mean Square)アルゴリズムを用いてベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数を更新する場合、設定しているベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数にそれぞれ近接したベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数を新たに与え、歪成分のレベルを最小にするベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数を探索する。近接したベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数を用いる1つの利点として、歪成分のレベルが定められた規格値の範囲内にできるだけ収まるように、ベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数を更新できることが挙げられる。
図5を用いて従来の更新方法を簡単に説明する。ここではベクトル調整器係数の更新を例にとって説明する。ベクトル調整器係数をWとし、既に特定した更新前の歪成分のベクトル調整器係数依存性が図5のf1(W)で示す二次関数で表されるとき、歪成分を最小にするベクトル調整器係数の更新に用いる3つの係数を、W1をf1(W)を最小にするベクトル調整器係数として、W0をW1−DWとして、W2をW1+DW(ΔWは所定の位相又は振幅の間隔)としてそれぞれ導出する。これら導出したベクトル調整器係数W0,W1,W2をベクトル調整器に順次設定して各ベクトル調整器係数に対する歪成分のレベルを測定し、得られた3組のベクトル調整器係数と歪成分のレベルとの組を用い、最小二乗法により二次関数f2(W)を特定する。そして、f2(W)を最小にするベクトル調整器係数Wnewを計算し、ベクトル調整器に設定するベクトル調整器係数をWnewに更新する。なお、ここではベクトル調整器係数の更新を例にとって説明したが、周波数特性補償器係数の更新方法についても同様である。
図6に従来の更新方法を用いて周波数特性補償器係数の振幅値を計算した結果の一例を示す。歪成分のレベルを測定する3点の振幅値Ym,0,Ym,1,Ym,2が近接する場合、図6に示すように、従来技術により特定した二次関数(図6の「近似した係数依存性」)は実際の係数依存性を示す二次関数(図6の「実際の係数依存性」)と一致せず、計算により得られた振幅値Ym,calと実際に歪成分を最小にする振幅値Ym,minとの間で差が生じるという問題があった。このような場合、歪成分が所要のレベル以下となるまで位相値および振幅値を繰返し計算することになるため、処理時間が長くなってしまう。
改善方法を探るべく、計算により得た歪成分を最小にする係数Wcalと実際に歪成分を最小にする係数Wminとの間で生じる差について分析した。分析にあたり、WminとWcalの差をe=100*|Wmin−Wcal|/Wminという評価関数により定義した。Wminを与える二次関数として、64サブキャリアのOFDM信号(帯域幅3.84MHz)と2GHz帯1W級増幅器を用いた実験で得られた、変数をWiとするf(Wi)=27.8Wi 2−42.3Wi +22.7を用いた。歪成分を測定する3点の係数をW0,W1,W2と定義し、W1をf1(W)を最小にする係数、W0をW1−DW、W2をW1+DWとし、f(W0)とf(W2)に歪成分の偏差としてそれぞれδ0とδ2を与えた。Wcalは、f(W0)+δ0、f(W1)、f(W2)+δ2の各値に基づき最小二乗法により特定した二次関数を最小にする係数である。図7に、W1=0.96として評価関数eを計算した結果を示す。(a)がDWを0.1とした場合であり、(b)がDWを0.7とした場合である。横軸はf(W0)+δ0をf(W0)で規格化した値であり、縦軸はf(W2)+δ2をf(W2)で規格化した値である。Wcalが得られない範囲については白抜きで示す。図7より、DW=0.1において規格化したf(W0)+δ0とf(W2)+δ2は、DW=0.7におけるそれらに比べeが10%以下となる範囲が狭い。このことより、eを低減するにはΔWを大きくすること、すなわち歪成分を測定する各点の歪成分のレベル差を大きくすることが必要であることがわかる。しかし、ΔWをどの程度の大きさにするかは二次関数の形状により異なるため、適切なΔWを設定することが難しい。
本発明の目的は、前記の更新方法の分析結果を踏まえ、ベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数の更新において、歪成分を測定する3個の係数の値を従来より適切に設定し、1回の計算で歪成分のレベルを最小にする又は従来の方法より小さくするベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数の更新値を計算することが可能なべき級数型ディジタルプリディストータとその歪補償制御方法を提供することにある。
本発明のべき級数型ディジタルプリディストータは、入力信号を遅延伝達する線形伝達経路と、前記入力信号のN次歪成分(Nは3以上の奇数)を発生するN次歪発生器と前記N次歪成分の位相と振幅を調整するN次ベクトル調整器とを含み前記N次ベクトル調整器の出力を歪補償成分として出力する歪発生経路と、前記線形伝達経路から出力された前記入力信号に前記歪発生経路から出力された前記歪補償成分を合成する合成器と、前記合成器の出力に対して電力増幅を行う電力増幅器からの出力に含まれる歪成分を予め定めた周波数帯域毎に測定する観測器と、前記観測器での測定結果に基づき、前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分を打ち消す前記歪補償成分を生成するための前記N次ベクトル調整器におけるN次歪成分の位相と振幅の調整量をそれぞれ計算し、前記N次ベクトル調整器に設定する制御器と、を備えるべき級数型ディジタルプリディストータであって、前記制御器は、ベクトル調整器制御部とベクトル調整器係数導出部とを備える。
ベクトル調整器制御部は、歪成分を測定するための複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ前記N次ベクトル調整器に設定し、得られた前記観測器における複数の測定結果から、前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分の、前記N次ベクトル調整器に設定された位相値と振幅値のそれぞれに対する依存性を特定し、その特定した依存性から前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分を打ち消す位相値と振幅値をそれぞれ計算して、前記N次ベクトル調整器に設定する。
ベクトル調整器係数導出部は、前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分の、前記N次ベクトル調整器に設定された位相値と振幅値のそれぞれに対する依存性を前記ベクトル調整器制御部が特定する際に、既に特定された、歪成分の前記N次ベクトル調整器に設定された位相値と振幅値それぞれに対する依存性から、前記歪成分を測定するための複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ導出して前記ベクトル調整器制御部に与える。
本発明のべき級数型ディジタルプリディストータとその歪補償制御方法によれば、ベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数の更新において、歪成分を測定する3個の係数の値を従来より適切に設定できるため、1回の計算で歪成分のレベルが最小にする又は従来の方法より小さくするベクトル調整器係数および周波数特性補償器係数を計算することができる。これにより、歪成分を所要のレベルに低減するのに要する繰り返し計算回数を減らすことができ、よって更新に要する時間を短縮することができる。
従来のべき級数型ディジタルプリディストータの構成例を示すブロック図。 歪成分の帯域分割のイメージを示す図。 従来の周波数特性補償器の構成例を示すブロック図。 従来のべき級数型ディジタルプリディストータにおいて歪成分を最小化する周波数特性補償器係数(位相値)を計算する処理フロー図。 従来のべき級数型ディジタルプリディストータにより係数を更新する原理を説明する図。 計算により得られた歪成分を最小にする係数と実際に歪成分を最小にする係数との間で差が生じる例を示す図。 従来の係数更新方法においてΔWが異なる場合の評価関数eの計算結果の相違を示す図。 本発明のべき級数型ディジタルプリディストータにより係数を更新する原理を説明する図。 実施例1のべき級数型ディジタルプリディストータの機能ブロック図。 実施例1のべき級数型ディジタルプリディストータの処理フロー図。 3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理フロー1を示す図。 3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理フロー1を示す図。 3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理フロー1を示す図。 3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理フロー1を示す図。 3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理フロー1でオフセット値をa2の大きさに応じて変化させるために利用する参照テーブルの例を示す図。 3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理フロー2を示す図。 3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理フロー2を示す図。 3次ベクトル調整器係数導出処理フロー2でオフセット値をa2またはb2の大きさに応じて変化させるために利用するテーブルの例を示す図。 3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理フロー2を示す図。 3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理フロー2を示す図。 実施例2のべき級数型ディジタルプリディストータの処理フロー図。 3次ベクトル調整器係数(位相値)推定処理フローを示す図。 3次ベクトル調整器係数(振幅値)推定処理フローを示す図。 実施例3のべき級数型ディジタルプリディストータの機能ブロック図。 実施例3のべき級数型ディジタルプリディストータの周波数特性補償器の構成例を示すブロック図。 実施例3のべき級数型ディジタルプリディストータの処理フロー図。 実験結果を示す図。
詳細な実施形態の説明に先立ち、図8を用いて本発明の更新方法の原理を説明する。既に特定した更新前の歪成分のベクトル調整器係数依存性が図8のf1(W)で示す二次関数で表されるとき、歪成分を最小にするベクトル調整器係数の更新に用いる少なくとも3個のベクトル調整器係数を、W1をf1(W)を最小にする位相値(又は振幅値)、W0とW2(W0<W1<W2)をf1(W1)からオフセット値Pだけレベル差が生じる位相値(又は振幅値)として導出する。つまり、f1(W0)=f1(W2)=f1(W1)+PとなるW0、W2を求める。このように導出したW0、W1、W2をベクトル調整器に順次設定して各位相値(又は振幅値)に対する歪成分のレベルを測定し、得られた3組の位相値(又は振幅値)と歪成分のレベルとの組を用い、最小二乗法により二次関数f2(W)を特定する。そして、f2(W)を最小にする位相値(又は振幅値)Wnewを計算し、この位相値(又は振幅値)Wnewによりベクトル調整器係数を更新する。
このように本発明においては、ベクトル調整器係数依存性を示す新たな二次関数f2(W)を最小二乗法により特定する際に用いる各ベクトル調整器係数W0,W1,W2を、f1(W0)=f1(W2)=f1(W1)+Pの関係に基づき求める。このとき、Pを必要十分な大きさに設定することで、ベクトル調整器係数W0,W1,W2にて得られる歪成分のレベル差を大きくすることができる。そのため、従来生じていたΔWの設定の困難性を回避でき、歪成分のレベルをより効果的かつ速やかに低減することができる。以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図9に本発明のべき級数型ディジタルプリディストータ100とその周辺装置を示す。ここでいう周辺装置は、増幅装置10と、増幅装置10の出力の一部を取り込みディジタルプリディストータ100に帰還する信号を生成する帰還信号生成装置20と、I相とQ相のディジタル信号を発生する送信信号発生器31を備える入力信号発生装置30である。増幅装置10と帰還信号生成装置20は従来技術として説明したべき級数型ディジタルプリディストータ500の周辺装置と同じである。また、入力信号発生装置30からの出力信号(以下、「送信信号」という。)は、以下では帯域幅が3.84MHz、各サブキャリアがQPSK変調された64サブキャリアのOFDM信号を用いるものとして説明するが、送信信号の帯域幅、サブキャリア数、変調方式などは任意に設定してよく、QPSK信号などの変調信号を用いても構わない。
べき級数型ディジタルプリディストータ100は、遅延器などにより構成される線形伝達経路110と、N次歪発生器121(Nは3以上の奇数)とN次ベクトル調整器122とを含むN次歪発生経路120と、送信信号発生器31で発生された各相の信号を線形伝達経路110とN次歪発生経路120に分配する分配器130と、線形伝達経路110からの出力信号とN次歪発生経路120からの出力信号とを合成する合成器140と、合成器140からの出力信号をディジタルアナログ変換するDA変換器150と、増幅装置10からの出力信号の一部を帰還信号として取り出す帰還信号生成装置20から出力されたI相とQ相のアナログ信号を、それぞれアナログディジタル変換するAD変換器160と、AD変換器160からの出力信号から、入力信号発生装置30からべき級数型ディジタルプリディストータ100に入力され電力増幅器13で増幅された信号の電力を測定するとともに、電力増幅器13で発生した歪成分の電力を予め定めた任意の周波数帯域毎に測定する観測器170と、位相値と振幅値とで構成されるN次ベクトル調整器係数を計算する制御器180とを備える。N次歪発生経路120と制御部180以外の構成要素は、同じ符号を付した図1に示す従来のべき級数型ディジタルプリディストータ500と各構成要素と同じものであるため、説明は必要に応じた最小限にとどめる。
N次歪発生器121は、分配器130からの出力信号をN乗し、N次歪成分を発生させる。N次ベクトル調整器122は、N次歪発生器121で発生されたN次歪成分に制御器180から与えられたN次ベクトル調整器係数を乗算することで、N次歪成分の位相と振幅を調整する。
制御器180は、ベクトル調整器制御部181とベクトル調整器係数導出部182とを備える。ベクトル調整器制御部181は、歪成分を測定するための複数のN次ベクトル調整器係数と歪成分を最小にするN次ベクトル調整器係数をそれぞれN次ベクトル調整器122に与える機能と、歪成分を測定するための複数のN次ベクトル調整器係数と当該係数をN次ベクトル調整器に適用した際に観測器170から得られた複数の歪成分の測定結果を記録する機能と、記録した複数の測定結果から歪成分のN次ベクトル調整器係数依存性を特定する機能と、特定したN次ベクトル調整器係数依存性から歪成分を最小にするためのN次ベクトル調整器係数を計算する機能と、歪成分の大きさを示す指標が事前に指定した条件(例えば、指標が目標値以下)となるか否かを判定して条件を満たさない場合に、歪成分を最小にするN次ベクトル調整器係数を再度計算する機能と、を含む。ベクトル調整器係数導出部182は、ベクトル調整器制御部181が歪成分を最小にするためのN次ベクトル調整器係数を計算する際に得られた歪成分のN次ベクトル調整器係数依存性に基づき、ベクトル調整器制御部181がN次ベクトル調整器122に設定する、歪成分を測定するための複数のN次ベクトル調整器係数を導出する機能と、導出した歪成分を測定するための複数のN次ベクトル調整器係数をベクトル調整器制御部181に与える機能を含む。
以下、歪成分の大きさを示す指標が事前に指定した条件を再び満たすまでの処理フローを図10を用いて説明する。歪成分の大きさを示す指標としてはここではACLR(Adjacent Channel Leakage power Ratio)を用いる。ACLRは例えば、中心周波数から±5MHz離調点における3次歪成分上側/下側帯域(3.84MHz)内電力と送信信号帯域(3.84MHz)内電力の比とする。もっとも、中心周波数からの離調点および帯域幅はこの限りでなく任意に設定して構わない。なお、以下においては説明の便宜上、N次歪発生経路120がN=3、すなわち3次歪発生経路である場合を例にとって説明する。
まず、歪成分の3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性を特定したことがあるか否かを判定し(S1−1)、3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性を特定したことがある場合、ベクトル調整器係数導出部182は後述する3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理を行い(S1−2)、続いて、歪成分の3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を特定したことがあるか否かを判定する(S1−3)。一方、3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性を特定したことがない場合、3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理は行わず、歪成分の3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を特定したことがあるか否かを判定する(S1−3)。3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を特定したことがある場合、ベクトル調整器係数導出部182は後述する3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理を行う(S1−4)。その後ベクトル調整器制御部181にて、後述する3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理を行う(S2−1)。一方、3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を特定したことがない場合、3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理は行わず、後述する3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理を行う(S2−1)。3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理の後、ベクトル調整器制御部181にて、後述する歪成分の3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を特定し、後述する3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理を行う(S2−2)。3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理の後、観測器170が測定した送信信号帯域内の電力と歪成分帯域の電力とからACLRを計算し、得られたACLRが目標値未満となるかをベクトル調整器制御部181が判定する(S3)。ACLRが目標値未満となる場合、3次ベクトル調整器係数の計算を終了する。目標値以上となる場合は、3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性特定済み判定へ戻る。ただし、S1−1からS3までの処理を所定の回数だけ繰り返してもACLRが目標値未満にならない場合は、ベクトル調整器制御部は3次ベクトル調整器係数計算フローを終了する(S4)。
なお、図10において3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性特定済み判定と3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理は3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理の直前に行ってもよく、3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性特定済み判定と3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理は3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理の直前に行ってもよい。
ベクトル調整器係数導出部182における3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理と3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理はそれぞれ図11と図12に示す処理フローに従う(以下、これらをそれぞれ「3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理フロー1」、「3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理フロー1」という)。また、ベクトル調整器制御部181における3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理と3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理はそれぞれ図13と図14に示す処理フローに従う(以下、これらをそれぞれ「3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理フロー1」、「3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理フロー1」という)。これらの処理において、ベクトル調整器制御部181が3次ベクトル調整器に与える位相値をXvec,t2(t2=0,1,・・・,T2−1)、振幅値をYvec,t3(t3=0,1,・・・,T3−1)とする。ここでT2は、最小二乗法により歪成分Dvec,phaseの3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性を示す二次関数(Dvec,phase=a2vec 2+a1vec+a0)の係数(a2,a1,a0)を特定するために、異なる位相値にて歪成分を測定する回数である。同様にT3は、最小二乗法により歪成分Dvec,ampの3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を示す二次関数(Dvec,amp=b2vec 2+b1vec+b0)の係数(b2,b1,b0)を特定するために異なる振幅値にて歪成分を測定する回数である。T2とT3の最小値はそれぞれ3であり、以下、指定がない限り、T2=3、T3=3である場合について説明する。
≪3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理フロー1≫
3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理フロー1(図10のS1−2−1)を図11に示す。ベクトル調整器係数導出部182は、既に特定した3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性を示す二次関数の係数(a2,a1,a0)から、Xvec,1=−a1/2a2として二次関数の最小値Dmin(=a2vec,1 2+a1vec,1+a0)を計算し、Dminに対するオフセット値Pvec,phase(dB)を用いて、
をそれぞれ計算する(図11の「3次ベクトル調整器係数(位相値)導出」)。Xvec,0とXvec,2を計算した後、Xvec,th=|Xvec,0−Xvec,2|を計算しXvec,thがπを超えていないかを判定する。Xvec,thがπを超えていない場合、Xvec,0、Xvec,1、Xvec,2をそのままベクトル調整器制御部181に与え(図11の「3次ベクトル調整器係数(位相値)更新」)、3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理を終了する。一方、Xvec,thがπを超えている場合、γvec,0とγvec,1をそれぞれ事前に設定したオフセット値として、Xvec,0をXvec,1−γvec,0、Xvec,2をXvec,2=Xvec,1+γvec,1とする(図11の「3次ベクトル調整器係数(位相値)再導出」)。γvec,0とγvec,1はそれぞれ0<γvec,0≦1/2π、0<γvec,1≦1/2πの範囲となる値である。次いで、計算したXvec,0、Xvec,1、Xvec,2をベクトル調整器制御部181に与え、3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理を終了する。
なお、3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理フロー1では、オフセット値Pvec,phaseを共通の値としているが、予め係数a2の大きさに応じて1個以上のオフセット値Pvec,phaseが関連付けられた参照テーブルを用意し、これを参照してa2の大きさに応じてオフセット値Pvec,phaseを変更するようにしても良い。図15に参照テーブルの一例を示す。この参照テーブルではa2の範囲を3分割し、a2≦1の場合Pvec,phase=2.5dB、1<a2≦5の場合Pvec,phase=2.0dB、5<a2の場合Pvec,phase=1.5dBとしている。これは、a2の大きさが小さい場合、Pvec,phaseを大きくすることで、より高精度に歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器係数(位相値)を計算できる可能性があるためである。
≪3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理フロー1≫
3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理フロー1(図10のS1−4−1)を図12に示す。ベクトル調整器係数導出部182は、既に特定した3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を示す二次関数の係数(b2,b1,b0)から、Yvec,1=−b1/2b2として二次関数の最小値Dmin(=b2vec,1 2+b1vec,1+b0)を計算し、Dminに対するオフセット値Pvec,amp(dB)を用いて
をそれぞれ計算する(図12の「3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出」)。Yvec,0とYvec,2を計算した後、Yvec,0>0であるかを判定する。Yvec,0>0である場合、Yvec,0、Yvec,1、Yvec,2をそのままベクトル調整器制御部181に与え(図12の「3次ベクトル調整器係数(振幅値)更新」)、3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理を終了する。一方、Yvec,0が0以下となる場合、λvec,0を事前に指定したオフセット値として、Yvec,0をYvec,0=λvec,0・Yvec,1とする(図12の「3次ベクトル調整器係数(振幅値)再導出」)。λvec,0は0<λvec,0<1の範囲となる値である。次いで、計算したYvec,0、Yvec,1、Yvec,2をベクトル調整器制御部181に与え、3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理を終了する。
なお、3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理においても3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理と同様に、予め参照テーブルを用意し、これを参照してb2の大きさに応じてオフセット値Pvec,ampを変更するようにしてもよい。
≪3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理フロー1≫
3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理フロー1(図10のS2−1)を図13に示す。ベクトル調整器制御部181が位相値Xvec,t2を3次ベクトル調整器122に設定し(図13の「位相値の設定」)、そのときに電力増幅器13から出力される歪成分の電力Dvec,t2を観測器170において測定する(図13の「歪成分の測定」)。位相値Xvec,t2は、3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性を特定したことがない場合には予め用意したものを用い、特定したことがある場合には3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理フロー1にて導出したものを用いる。また、歪成分の測定は図2に示した歪成分の上側又は下側のいずれかの帯域についてのみ電力を測定する。ベクトル調整器制御部181は、測定した歪成分の電力Dvec,t2と3次ベクトル調整器に与えた位相値Xvec,t2との組を記録した上で(図13の「測定値の記録」)、位相値の設定から測定値の記録までの処理をT2回繰り返したか否かを判定する。T2回繰り返していないと判定された場合、位相値の設定に戻り次の位相値Xvec,t2+1を3次ベクトル調整器122に設定して再度位相値の設定から測定値の記録までの処理を行う。一方、T2回繰り返したと判定された場合、最小二乗法により二次関数(Dvec,phase=a2vec 2+a1vec+a0)の係数(a2,a1,a0)を新たに特定し(図13の「係数(a2,a1,a0)特定」)、係数a2がプラスか否かを判定する。a2がプラスである場合、二次関数を最小にする位相値Xvec,cal=−a1/2a2を計算し(図13の「最小値計算(Xvec,cal=−a1/2a2)」)、この位相値を3次ベクトル調整器122に設定する(図13の「位相値の設定」)。a2がプラスでない場合、係数(a2,a1,a0)が特定されていないとして、ここでは、3次ベクトル調整器122に設定した位相値Xvec,0、Xvec,1、Xvec,2の中で歪成分を最も小さくした位相値をXvec,calとして選択し(図13の「位相値の選択」)、この選択した位相値Xvec,calを3次ベクトル調整器122に設定する。なお、a2がプラスでない場合に選択したXvec,calによるACLRが目標値以上となる場合は、再度3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理を行うことになるが(図10参照)、この場合には、αvec,0(0<αvec,0<1)とαvec,2(0<αvec,2<1)をそれぞれ事前に指定したオフセット値とし、X'vec,0、X'vec,2をそれぞれ、X'vec,0=Xvec,1−αvec,0|Xvec,0−Xvec,1|、X'vec,2=Xvec,1+αvec,2|Xvec,2−Xvec,1|により求め、また、3次ベクトル調整器122に設定した位相値Xvec,0、Xvec,1、Xvec,2の中で歪成分を最も小さくした位相値をX'vec,1として求め、これらX'vec,0、X'vec,1、X'vec,2をベクトル調整器122に順次設定してS1−1からの処理を行う。
≪3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理フロー1≫
3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理フロー1(図10のS2−2)を図14に示す。ベクトル調整器制御部181が振幅値Yvec,t3を3次ベクトル調整器122に設定し(図14「振幅値の設定」)、そのときに電力増幅器から出力される歪成分の電力Dvec,t3を観測器170において測定する(図14の「歪成分の測定」)。振幅値Yvec,t3は、3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を特定したことがない場合には予め用意したものを用い、特定したことがある場合には3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理フロー1にて導出したものを用いる。また、歪成分の測定は3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理フローと同じ帯域側における歪成分の電力を測定する。測定した歪成分Dvec,t3と3次ベクトル調整器に与えた振幅値Yvec,t3との組を記録した上で(図14の「測定値の記録」)、振幅値の設定から測定値の記録までの処理をT3回繰り返したか否かを判定する。T3回繰り返していないと判定された場合、振幅値の設定に戻り次の振幅値Yvec,t3+1を3次ベクトル調整器122に設定して再度振幅値の設定から測定値の記録までの処理を行う。一方、T3回繰り返したと判定された場合、最小二乗法により二次関数(Dvec,amp=b2vec 2+b1vec+b0)の係数(b2,b1,b0)を新たに特定し(図14の「係数(b2,b1,b0)特定」)、係数b2がプラスか否かを判定する。b2がプラスである場合、二次関数を最小にする振幅値Yvec,cal=−b1/2b2を計算し(図14の「最小値計算(Yvec,cal=−b1/2b2)」)、この振幅値を3次ベクトル調整器122に設定する(図14の「振幅値の設定」)。b2がプラスでない場合、係数(b2,b1,b0)が特定されていないとして、ここでは、3次ベクトル調整器122に設定した振幅値Yvec,0、Yvec,1、Yvec,2の中で歪成分を最も小さくした振幅値をYvec,calとして選択し(図14の「振幅値の選択」)、この選択した振幅値Yvec,calを3次ベクトル調整器122に設定する。なお、b2がプラスでない場合に選択したYvec,calによるACLRが目標値以上となる場合は、再度3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理を行うことになるが(図10参照)、この場合には、βvec,0(0<βvec,0<1)とβvec,2(0<βvec,2<1)をそれぞれ事前に指定したオフセット値とし、Y'vec,0、Y'vec,2をそれぞれ、Y'vec,0=Yvec,1−βvec,0|Yvec,0−Yvec,1|、Y'vec,2=Yvec,1+βvec,2|Yvec,2−Yvec,1|により求め、また、3次ベクトル調整器122に設定した振幅値Yvec,0、Yvec,1、Yvec,2の中で歪成分を最も小さくした振幅値をY'vec,1として求め、これらY'vec,0、Y'vec,1、Y'vec,2をベクトル調整器122に順次設定してS1からの処理を行う。
以上説明した実施例1では、3次歪成分のみを補償する構成となっているが、Nを5以上とした一つ以上の異なるN次歪発生経路を3次歪発生経路に並列に接続してもよい。N次歪発生経路を並列に構成することで高次の歪成分を補償することが可能となる。また、実施例1では位相値、振幅値の順に計算を行っているが、電力増幅器13の特性上、振幅値が位相値に比べて歪成分の変動に対する感度が高い場合には、振幅値、位相値の順に計算を行う。また、入力信号発生器30に図示していないパイロット信号発生器と切替器を追加してもよい。パイロット信号発生器は、歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器122に設定する位相値と振幅値を計算するために用いるパイロット信号を発生する。パイロット信号としては、2波以上のマルチトーン信号、QPSK信号などの変調信号、又は送信信号発生器31の出力信号と同じ信号を適用することが考えられる。切替器は、歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器122へ与える位相値と振幅値が計算されるまでの間は、パイロット信号発生器からの出力信号を入力信号発生器30からの出力信号とし、歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器122へ与える位相値と振幅値が計算された後は、送信信号発生器31からの出力信号を入力信号発生器30からの出力信号とするように切り替える。
[変形例1]
実施例1において、ベクトル調整器係数導出部182の3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理と3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理は、それぞれ図16と図17に示す処理フローにより行ってもよい(以下、これらをそれぞれ「3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理フロー2」、「3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理フロー2」という)。この変形例では、3次ベクトル調整器係数(位相値)を図18(a)に示す3次ベクトル調整器係数(位相値)テーブルを用いて導出し、3次ベクトル調整器係数(振幅値)を図18(b)に示す3次ベクトル調整器係数(振幅値)テーブルを用いて導出する。図18(a)に示すテーブルは、a2の大きさごとに関連付けられたオフセット値γvec,0(0<γvec,0≦1/2π)とγvec,1(0<γvec,1≦1/2π)とを保持し、図18(b)に示すテーブルは、b2の大きさごとに関連付けられたオフセット値μvec,0(0<μvec,0)とμvec,1(0<μvec,1)とを保持する。図18(a)(b)では、a2及びb2の大きさを4つに、かつ同じ範囲で分割した例を示すが、分割数およびa2及びb2の範囲は任意に指定してよい。分割したそれぞれの範囲に用いるγvec,0およびγvec,1を計算する一例を示す。なお、μvec,0およびμvec,1についても同様な方法で計算できる。また、γvec,0およびγvec,1を計算する関数について、zを変数としてg(z)=c22+c0と定義する。ここで、Lvec,phase(dB)を歪成分c0に対するレベル差とし、
から得られたzをγvec,0およびγvec,1とする。ここで、c2はa2の範囲内となるように指定し、c0とLvec,phaseはそれぞれ任意に指定してよい。以下では、c0=1、Lvec,phase=2dBである場合について述べる。0<a2≦1の範囲ではc2=0.5とし、γvec,0およびγvec,1として1.1が得られる。1<a2≦2の範囲ではc2=1.5とし、γvec,0およびγvec,1として0.6が得られる。2<a2≦3の範囲ではc2=2.5とし、γvec,0およびγvec,1として0.5が得られる。3<a2の範囲ではc2=4とし、γvec,0およびγvec,1として0.4が得られる。なお、γvec,0およびγvec,1を、特定した二次関数の最小値に応じて変化させるために、c0を特定した二次関数の最小値としてもよい。この場合には、二次関数を特定するたびにγvec,0およびγvec,1は更新される。また、上記の計算例を用いずγvec,0およびγvec,1をそれぞれ任意に指定してもよい。
以下、変形例1における各係数導出処理フローを説明する。
≪3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理フロー2≫
3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理フロー2(図10のS1−2−2)を図16に示す。ベクトル調整器係数導出部182は、既に特定したa2の大きさから3次ベクトル調整器係数(位相値)テーブルを参照して得られたγvec,0とγvec,1とを用い、Xvec,1(=−a1/2a2)、Xvec,0(=Xvec,1−γvec,0)、Xvec,2(=Xvec,1+γvec,1)を計算する(図16の「3次ベクトル調整器係数(位相値)テーブル参照」)。そして、計算したXvec,0、Xvec,1、Xvec,2をベクトル調整器制御部181に与え(図16の「3次ベクトル調整器係数(位相値)更新」)、3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理を終了する。
≪3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理フロー2≫
3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理フロー2(図10のS1−4−2)を図17に示す。ベクトル調整器係数導出部182は,既に特定したb2の大きさから3次ベクトル調整器係数(振幅値)テーブルを参照して得られたμvec,0とμvec,1を用いて、Yvec,1(=−b1/2b2)、Yvec,0(=Yvec,1−μvec,0)、Yvec,2(=Yvec,1+μvec,1)を計算する(図17の「3次ベクトル調整器係数(振幅値)テーブル参照」)。Yvec,0とYvec,2を計算した後、Yvec,0>0であるかを判定する。Yvec,0>0である場合、Yvec,0、Yvec,1、Yvec,2をそのままベクトル調整器制御部181に与え(図17の「3次ベクトル調整器係数(振幅値)更新」)、3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理を終了する。一方、Yvec,0が0以下となる場合、λvec,0をオフセット値とし、Yvec,0をYvec,0=λvec,0・Yvec,1とする(図17の「3次ベクトル調整器係数(振幅値)再導出」)。λvec,0は事前に指定した0<λvec,0<1の範囲となる値である。このように求めたYvec,0をYvec,1、Yvec,2とともにベクトル調整器制御部181に与える。
[変形例2]
実施例1において、ベクトル調整器制御部181の3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理と3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理は、それぞれ図19と図20に示す処理フローにより行ってもよい(以下、これらをそれぞれ「3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理フロー2」、「3次ベクトル調整器係数(振幅値) 計算処理フロー2」という)。この変形例では、異なる2点の3次ベクトル調整器係数にて得られた歪成分の測定結果を比較し、3点目に測定する歪成分が小さくなる方向に3次ベクトル調整器係数を変更する。これにより、歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器係数をより精度よく計算できる可能性がある。
≪3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理フロー2≫
3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理フロー2を図19に示す。3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理フロー2は、図13に示す3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理フロー1の位相値の設定から測定値の記録までの処理を行い、この処理をT2回繰り返したと判定された場合、図13と同様に係数特定以降の処理を実行する。一方、まだT2回繰り返していないと判定された場合、ベクトル調整器制御部181は、位相値の設定から測定値の記録までの処理を2回繰り返したか否かを判定する。2回繰り返していないと判定された場合、位相値の設定に戻り位相値Xvec,1を3次ベクトル調整器122に設定して再度測定値の記録までの処理を行う。一方、2回繰り返していると判定された場合、1回目に測定した歪成分のレベルDvec,0と2回目に測定した歪成分のレベルDvec,1との差として定義した比較値Gvec=10log10(Dvec,1/Dvec,0)を計算する(図19の「比較値計算」)。Gvecが事前に指定したしきい値より大きい場合、位相値の設定に戻り位相値Xvec,2を3次ベクトル調整器122に設定して再度測定値の記録までの処理を行う。Gvecがしきい値以下である場合、次に3次ベクトル調整器122に与える位相値X'vec,2をXvec,0−|Xvec,2−Xvec,1|に変更して(図19の「3次ベクトル調整器の位相値更新」)位相値の設定に戻り、X'vec,2を3次ベクトル調整器122に設定して再度測定値の記録までの処理を行う。
≪3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理フロー2≫
3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理フロー2を図20に示す。3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理フロー2は、図14に示す3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理フロー1の振幅値の設定から測定値の記録までの処理を行い、この処理をT3回繰り返したと判定された場合、図14と同様に係数特定以降の処理を実行する。一方、T3回繰り返していないと判定された場合、ベクトル調整器制御部181は、振幅値の設定から測定値の記録までの処理を2回繰り返したか否かを判定する。2回繰り返していないと判定された場合、振幅値の設定に戻り振幅値Yvec,1を3次ベクトル調整器122に設定して再度測定値の記録までの処理を行う。一方、2回繰り返していると判定された場合、1回目に測定した歪成分のレベルDvec,0と2回目に測定した歪成分のレベルDvec,1との差として定義した比較値Jvec=10log10(Dvec,1/Dvec,0)を計算する(図20の「比較値計算」)。Jvecが事前に指定したしきい値より大きい場合、振幅値の設定に戻り振幅値Yvec,2を3次ベクトル調整器122に設定して再度測定値の記録までの処理を行う。Jvecがしきい値以下である場合、次に3次ベクトル調整器122に与える振幅値Y'vec,2をλvec,0・Yvec,0(λvec,0(0<λvec,0<1)は事前に指定したオフセット値)に変更して(図20の「3次ベクトル調整器の振幅値更新」)振幅値の設定に戻り、Y'vec,2を3次ベクトル調整器122に設定して再度測定値の記録までの処理を行う。
実施例1は、歪成分の大きさを示す指標が事前に指定した条件を再び満たすまでの処理を、図10に示す処理フローに従い実行するものであったが、実施例2は図21に示す処理フローに従い実行する。実施例1と実施例2との相違は次の二点である。一点は、3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性特定済判定にて、3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性を特定したことがあると判定された場合には後述する3次ベクトル調整器係数(位相値)推定処理を行い、3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性を特定していないと判定された場合には3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理を行うことにある。もう一点は、実施例1の3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性特定済み判定にて、3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を特定したことがあると判定された場合には後述する3次ベクトル調整器係数(振幅値)推定処理を行い、3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を特定していない場合には実施例1の3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理を行うことにある。以下、これら2点について説明するが、図21の処理フローにおいて、3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理、3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理、及びACLR指標計算・判定処理の各処理内容は実施例1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
まず、歪成分の3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性を特定したことがあるか否かを判定する。3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性を特定したことがある場合、ベクトル調整器係数導出部182は、後述する3次ベクトル調整器係数(位相値)推定処理を行い、続いて、歪成分の3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を特定したことがあるか否かを判定する。一方、3次ベクトル調整器係数(位相値)依存性を特定したことがない場合、3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理を行い、続いて、歪成分の3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を特定したことがあるか否かを判定する。3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を特定したことがある場合、ベクトル調整器係数導出部182は、後述する3次ベクトル調整器係数(振幅値)推定処理を行う。一方、3次ベクトル調整器係数(振幅値)依存性を特定したことがない場合、3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理を行う。そして、3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理又は3次ベクトル調整器係数(振幅値)推定処理の後、ACLR指標計算・判定処理に移行する。
≪3次ベクトル調整器係数(位相値)推定処理フロー≫
3次ベクトル調整器係数(位相値)推定処理フローを図22に示す。
まず、ベクトル調整器制御部181は、ベクトル調整器122に現在設定されている3次ベクトル調整器係数(位相値)をXvec,1とし、この係数の下で観測器170にて歪成分のレベルDvec,1を測定する(図22の「歪成分Dvec,1の測定」)。続いて、歪成分のレベルDvec,1をXvec,1と共に記録する(図22の「Dvec,1とXvec,1の記録」)。次に,ベクトル調整器係数導出部182にて、
を計算し、ベクトル調整器制御部181へ与える(図22の「位相値Xvec,0とXvec,2の推定」)。ベクトル調整器制御部181は与えられた係数Xvec,0を3次ベクトル調整器122に設定し(図22の「位相値Xvec,0の設定」)、この係数の下で観測器170にて歪成分のレベルDvec,0を測定する(図22の「歪成分Dvec,0の測定」)。続いて、歪成分のレベルDvec,0をXvec,0と共に記録する(図22の「Dvec,0とXvec,0の記録」)。続いて、事前に設定したオフセット値をQvecとし、Dvec,0が前回歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器係数(位相値)を計算したときに得られた歪成分の最小値Dvec,minにQvecを加えた値未満(Dvec,0<Dvec,min+Qvec)であるか否かを判定する。Dvec,0<Dvec,min+Qvecである場合、Xvec,0が歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器係数(位相値)であるとし、3次ベクトル調整器係数(位相値)推定処理を終了する。一方、Dvec,0<Dvec,min+Qvecでない場合、ベクトル調整器制御部181は係数Xvec,2を3次ベクトル調整器122に設定し(図22の「位相値Xvec,2の設定」)、この係数の下で観測器170にて歪成分のレベルDvec,2を測定する(図22の「歪成分Dvec,2の測定」)。続いて、歪成分のレベルDvec,0をXvec,2と共に記録する(図22の「Dvec,2とXvec,2の記録」)。続いて、Dvec,2<Dvec,min+Qvecであるか否かを判定する。Dvec,2<Dvec,min+Qvecである場合、Xvec,2が歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器係数(位相値)であるとし、3次ベクトル調整器係数(位相値)推定処理を終了する。一方、Dvec,2<Dvec,min+Qvecでない場合、記録した歪成分(Dvec,0,Dvec,1,Dvec,2)とこれらに対応する3次ベクトル調整器係数(位相値)(Xvec,0,Xvec,1,Xvec,2)とから、実施例1と同様に最小二乗法により二次関数(Dvec,phase=a2vec 2+a1vec+a0)の係数(a2,a1,a0)を新たに特定し(図22の「係数(a2,a1,a0)特定」)、係数a2がプラスか否かを判定する。a2がプラスである場合、二次関数を最小にする位相値Xvec,cal=−a1/2a2を計算し(図22の「最小値計算(Xvec,cal=−a1/2a2)」)、この位相値を3次ベクトル調整器122に設定する(図22の「位相値の設定」)。a2がプラスでない場合、係数(a2,a1,a0)が特定されていないとして、ここでは、3次ベクトル調整器122に設定した位相値Xvec,0、Xvec,1、Xvec,2の中で歪成分を最も小さくした位相値をXvec,calとして選択し(図22の「位相値の選択」)、この選択した位相値Xvec,calを3次ベクトル調整器122に設定する。なお、a2がプラスでない場合に選択したXvec,calによるACLRが目標値以上となる場合は、再度3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理を行うことになるが(図21参照)、この場合には、αvec,0(0<αvec,0<1)とαvec,2(0<αvec,2<1)をそれぞれ事前に指定したオフセット値とし、X'vec,0、X'vec,2をそれぞれ、X'vec,0=Xvec,1−αvec,0|Xvec,0−Xvec,1|、X'vec,2=Xvec,1+αvec,2|Xvec,2−Xvec,1|により求め、また、3次ベクトル調整器122に設定した位相値Xvec,0、Xvec,1、Xvec,2の中で歪成分を最も小さくした位相値をX'vec,1として求め、これらX'vec,0、X'vec,1、X'vec,2をベクトル調整器122に順次設定して図21の処理を行う。
≪3次ベクトル調整器係数(振幅値)推定処理フロー≫
3次ベクトル調整器係数(振幅値)推定処理フローを図23に示す。
まず、ベクトル調整器制御部181は、ベクトル調整器122に現在設定されている3次ベクトル調整器係数(振幅値)をYvec,1とし、この係数の下で観測器170にて歪成分のレベルDvec,1を測定する(図23の「歪成分Dvec,1の測定」)。続いて、測定された歪成分のレベルDvec,1をYvec,1と共に記録する(図23の「Dvec,1とYvec,1の記録」)。次に,ベクトル調整器係数導出部182にて、
を計算し、ベクトル調整器制御部181へ与える(図23の「振幅値Yvec,0とYvec,2の推定」)。ベクトル調整器制御部181は与えられた係数Yvec,0を3次ベクトル調整器122に設定し(図23の「振幅値Yvec,0の設定」)、この係数の下で観測器170にて歪成分のレベルDvec,0を測定する(図23の「歪成分Dvec,0の測定」)。続いて、測定された歪成分のレベルDvec,0をYvec,0と共に記録する(図23の「Dvec,0とYvec,0の記録」)。続いて、事前に設定したオフセット値をRvecとし、Dvec,0が前回歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器係数(振幅値)を計算したときに得られた歪成分の最小値Dvec,minにRvecを加えた値未満(Dvec,0<Dvec,min+Rvec)であるか否かを判定する。Dvec,0<Dvec,min+Rvecである場合、Yvec,0が歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器係数(振幅値)であるとし、3次ベクトル調整器係数(振幅値)推定処理を終了する。一方、Dvec,0<Dvec,min+Rvecでない場合、ベクトル調整器制御部181は係数Yvec,2を3次ベクトル調整器122に設定し(図23の「振幅値Yvec,2の設定」)、この係数の下で観測器170にて歪成分のレベルDvec,2を測定する(図23の「歪成分Dvec,2の測定」)。続いて、歪成分のレベルDvec,2をYvec,2と共に記録する(図23の「Dvec,2とYvec,2の記録」)。続いて、Dvec,2<Dvec,min+Rvecであるか否かを判定する。Dvec,2<Dvec,min+Rvecである場合、Yvec,2が歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器係数(振幅値)であるとし、3次ベクトル調整器係数(振幅値)推定処理を終了する。一方、Dvec,2<Dvec,min+Rvecでない場合、記録した歪成分(Dvec,0,Dvec,1,Dvec,2)とこれらに対応する3次ベクトル調整器係数(振幅値)(Yvec,0,Yvec,1,Yvec,2)とから、実施例1と同様に最小二乗法により二次関数(Dvec,amp=b2vec 2+b1vec+b0)の係数(b2,b1,b0)を新たに特定し(図23の「係数(b2,b1,b0)特定」)、係数b2がプラスか否かを判定する。b2がプラスである場合、二次関数を最小にする振幅値Yvec,cal=−b1/2b2を計算し(図23の「最小値計算(Yvec,cal=−b1/2b2)」)、この振幅値を3次ベクトル調整器122に設定する(図23の「振幅値の設定」)。b2がプラスでない場合、係数(b2,b1,b0)が特定されていないとして、ここでは、3次ベクトル調整器122に設定した振幅値Yvec,0、Yvec,1、Yvec,2の中で歪成分を最も小さくした振幅値をYvec,calとして選択し(図23の「振幅値の選択」)、この選択した振幅値Yvec,calを3次ベクトル調整器122に設定する。なお、b2がプラスでない場合に選択したYvec,calによるACLRが目標値以上となる場合は、再度3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理を行うことになるが(図21参照)、この場合には、βvec,0(0<βvec,0<1)とβvec,2(0<βvec,2<1)をそれぞれ事前に指定したオフセット値とし、Y'vec,0、Y'vec,2をそれぞれ、Y'vec,0=Yvec,1−βvec,0|Yvec,0−Yvec,1|、Y'vec,2=Yvec,1+βvec,2|Yvec,2−Yvec,1|により求め、また、3次ベクトル調整器122に設定した振幅値Yvec,0、Yvec,1、Yvec,2の中で歪成分を最も小さくした振幅値をY'vec,1として求め、これらY'vec,0、Y'vec,1、Y'vec,2をベクトル調整器122に順次設定して図21の処理を行う。
図24に本発明のべき級数型ディジタルプリディストータ200とその周辺装置を示す。ここでいう周辺装置は、べき級数型ディジタルプリディストータ100と同様、増幅装置10と帰還信号生成装置20と入力信号発生装置30である。図9に示した実施例1のべき級数型ディジタルプリディストータ100と構成上異なる点は、N次歪発生経路120に図25に示すN次周波数特性補償器223が挿入され、かつ、制御器180に周波数特性補償器制御部283と周波数特性補償器係数導出部284とが付加されている点にある。
N次周波数特性補償器223は、図2に示すようにN次歪成分上側帯域とN次歪成分下側帯域についてM分割した各帯域に対し、それぞれ異なるN次周波数特性補償器係数を乗算する。N次周波数特性補償器223の構成例を図25に示す。N次周波数特性補償器223は、図3で示した3次周波数特性補償器523と同じ構成である。N次周波数特性補償器223は、シリアルパラレル変換部223aとJ点FFT部223bとJ個(J≧M)の複素乗算部223cj(jは1からJまでの整数)とJ点IFFT部223dとパラレルシリアル変換部223eとを備える。シリアルパラレル変換部223aは、N次ベクトル調整器122からの出力入力をシリアルパラレル変換する。J点FFT部223bは、シリアルパラレル変換部223aからの各入力信号を時間領域から周波数領域へ変換する。M個に分割したいずれかの帯域に対応するJ点FFT部223bの出力は、制御器180により与えられるM個に分割した帯域に応じた3次周波数特性補償器係数が設定された複素乗算部223cjに入力され、複素乗算部223cjは設定された3次周波数特性補償器係数を乗算し位相と振幅を調整して出力する。なお、M個に分割した帯域に対応しないJ点FFT部223bの出力は、そのままJ点IFFT部223dに入力される。J点IFFT部223dは、前段からの各入力信号をそれぞれ周波数領域から時間領域に変換する。パラレルシリアル変換部223eは、J点IFFT部223dからの各入力信号をパラレルシリアル変換する。
周波数特性補償器制御部283は、分割された帯域毎に歪成分を測定するための複数のN次周波数特性補償器係数と歪成分を最小にするためのN次周波数特性補償器係数をN次周波数特性補償器の各複素乗算部223cjに与える機能と、分割された各帯域の歪成分を測定するための複数のN次周波数特性補償器係数と当該係数をN次周波数特性補償器223に適用した際に観測器170から得られた複数の歪成分の測定結果を分割された帯域毎にそれぞれ記録する機能と,記録した複数の測定結果から帯域毎に歪成分のN次周波数特性補償器係数依存性を特定する機能と、帯域毎に特定したN次周波数特性補償器係数依存性から歪成分を最小にするN次周波数特性補償器係数を計算する機能と、歪成分の大きさを示す指標が事前に指定した条件(例えば,指標が目標値以下)となるか否かを判定して条件を満たさない場合に、歪成分を最小にするN次周波数特性補償器係数を再度計算する機能と、を含む。
周波数特性補償器係数導出部284は、周波数特性補償器制御部283が分割された各帯域にて歪成分を最小にするためのN次周波数特性補償器係数を計算する際に得られた歪成分のN次周波数特性補償器係数依存性に基づき、周波数特性補償器制御部283がN次周波数特性補償器223に設定する、分割された各帯域の歪成分を測定するための複数のN次周波数特性補償器係数を導出する機能と、導出した分割された帯域の歪成分を測定するための複数のN次周波数特性補償器係数を周波数特性補償器制御部283に与える機能を含む。
以下、歪成分の大きさを示す指標が事前に指定した条件を再び満たすまでの処理フローを図26を用いて説明する。歪成分の大きさを示す指標は、実施例1と同様にACLRを用いる。なお、以下においては説明の便宜上、N次歪発生経路120がN=3、すなわち3次歪発生経路である場合を例にとって説明する。5次以上の歪発生経路が付加されている場合には、必要に応じて歪発生経路に対応するN次周波数特性補償器を追加してもよい。
まず、図10に示す処理フローに従い処理を実行し、S1−1からS3までの処理を所定の回数だけ繰り返してもACLRが目標値未満にならない場合、図10の処理フローの実行を終了し(S4)、図26に示す周波数特性補償器係数計算フローに移行する(図10のAから図26のAに移行)。
≪周波数特性補償器係数計算フロー≫
周波数特性補償器制御部283において、3次周波数特性補償器係数の帯域指定を行う。3次周波数特性補償器係数の帯域指定では、分割された1つの帯域mを指定する(S5)。3次周波数特性補償器係数の計算は、事前に指定した順番に従って帯域ごとに、全帯域について実行する。続いて、周波数特性補償器係数導出部284は、帯域mにおける歪成分の3次周波数特性補償器係数(位相値)依存性を特定したことがあるか否かを判定する(S6−1)。3次周波数特性補償器係数(位相値)依存性を特定したことがある場合、前記の3次ベクトル調整器係数(位相値)導出処理と同様の方法により帯域mの3次周波数特性補償器係数(位相値)導出処理を行う(S6−2)。なお、3次周波数特性補償器係数(位相値)導出処理においても、図15や図18に示す参照テーブルを用いて実施例1や変形例1と同様な方法により導出処理を行うことができる。続いて、帯域mにおける歪成分の3次周波数特性補償器係数(振幅値)依存性を特定したことがあるか否かを判定する(S6−3)。一方、3次周波数特性補償器係数(位相値)依存性を特定したことがない場合、帯域mの3次周波数特性補償器係数(位相値)導出処理は行わず、帯域mにおける歪成分の3次周波数特性補償器係数(振幅値)依存性を特定したことがあるか否かを判定する(S6−3)。3次周波数特性補償器係数(振幅値)依存性を特定したことがある場合、前記の3次ベクトル調整器係数(振幅値)導出処理と同様の方法により帯域mの3次周波数特性補償器係数(振幅値)導出処理を行う(S6−4)。なお、3次周波数特性補償器係数(振幅値)導出処理においても、図15や図18に示す参照テーブルを用いて実施例1や変形例1と同様な方法により導出処理を行うことができる。続いて、帯域mの3次周波数特性補償器係数(位相値)計算処理に進む。一方、3次周波数特性補償器係数(振幅値)依存性を特定したことがない場合、帯域mの3次周波数特性補償器係数(振幅値)導出処理は行わず、帯域mの3次周波数特性補償器係数(位相値)計算処理に進む。帯域mの3次周波数特性補償器係数(位相値)計算処理(S7−1)は、前記の3次ベクトル調整器係数(位相値)計算処理と同様の方法により実行する。続いて、前記の3次ベクトル調整器係数(振幅値)計算処理と同様の方法により、帯域mの3次周波数特性補償器係数(振幅値)計算処理を行う(S7−2)。帯域mの3次周波数特性補償器係数(振幅値)計算処理の後、ACLR指標計算・判定を行う(S8)。ACLRが目標値未満であった場合は3次周波数特性補償器係数の計算を終了する。目標値以上であった場合は帯域判定を行う(S9)。帯域判定では、分割した全帯域の3次周波数特性補償器係数を計算したか否かを判定し、全帯域の3次周波数特性補償器係数を計算していないと判定された場合は、3次周波数特性補償器係数の帯域指定(S5)に戻り、全帯域の3次周波数特性補償器係数を計算したと判定された場合、終了判定を行う(S10)。終了判定では、全帯域における3次周波数特性補償器係数の計算を指定された回数だけ繰り返したかを判定する。
本実施例では、3次周波数特性補償器係数(位相値)計算処理、3次周波数特性補償器係数(振幅値)計算処理の順に行うものとして説明したが、電力増幅器の特性に応じて順番を逆にしてもよい。また、3次周波数特性補償器係数(位相値)導出処理を行う代わりに、実施例2に記載された3次ベクトル調整器係数(位相値)推定処理と同様の方法により3次周波数特性補償器係数(位相値)の推定処理を行ってもよい。この場合、3次周波数特性補償器係数(位相値)計算処理は、3次周波数特性補償器係数(位相値)依存性特定済み判定にて3次周波数特性補償器係数(位相値)依存性を特定したことがない場合のみ行う。振幅値についても同様に、3次周波数特性補償器係数(振幅値)導出処理を行う代わりに、実施例2に記載された3次ベクトル調整器係数(振幅値)推定処理と同様の方法により3次周波数特性補償器係数(振幅値) の推定処理を行ってもよい。この場合、3次周波数特性補償器係数(振幅値)計算処理は、3次周波数特性補償器係数(振幅値)依存性特定済み判定にて3次周波数特性補償器係数(振幅値)依存性を特定したことがない場合のみ行う。また、本実施例では帯域mの歪成分を最小にする位相値と振幅値を計算した後、異なる帯域の歪成分を最小にする位相値と振幅値の計算を行っているが、電力増幅器13の特性に応じて、歪成分を最小にする位相値を1帯域ずつ順番に全帯域について計算した後、歪成分を最小にする振幅値を1帯域ずつ順番に全帯域について計算してもよい。この場合、位相値と振幅値を計算する順番は電力増幅器13の特性に応じて決めてよい。また、本実施例では分割された1帯域ずつ順番に歪成分を最小にする位相値と振幅値を計算しているが、複数の帯域(例えば,分割された全ての帯域,分割された2個の帯域,など)を並列に計算してもよい。この場合、観測器170では各帯域の歪成分を並列に測定し、周波数特性補償器制御部283において並列に各帯域の歪成分を最小にする3次周波数特性補償器係数を計算し、周波数特性補償器係数導出部284において周波数特性補償器制御部283が各帯域の歪成分を最小にする3次周波数特性補償器係数を計算する際に使用する複数の3次周波数特性補償器係数を並列に導出する。また、本実施例では歪成分を最小とする3次ベクトル調整器係数を更新した後、3次周波数特性補償器係数を更新しているが、3次ベクトル調整器係数を更新せず、3次周波数特性補償器係数のみ更新してもよい。
本実施例の入力信号発生器30において、図示していないパイロット信号発生器と切替器を追加してもよい。パイロット信号発生器は、歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器に設定する位相値と振幅値、及び3次周波数特性補償器223へ与える位相値と振幅値をそれぞれ計算するために用いるパイロット信号を発生する。パイロット信号としては、2波以上のマルチトーン信号、QPSK信号などの変調信号、又は送信信号発生器31の出力信号と同じ信号を適用することが考えられる。M波以上のマルチトーン信号をパイロット信号として用いる場合、マルチトーン信号の周波数間隔を固定して分割した各帯域の歪成分を最小にするための3次周波数特性補償器係数を計算してよい。一方、M波未満のマルチトーン信号をパイロット信号として用いる場合、歪成分を最小にするための3次周波数特性補償器係数を計算する帯域毎にマルチトーン信号の周波数間隔を変える。マルチトーン信号の周波数間隔を変えることで、分割した各帯域に歪成分を発生させる。切替器は、歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器122へ与える位相値と振幅値及び3次周波数特性補償器223へ与える位相値と振幅値がそれぞれ計算されるまでの間は、パイロット信号発生器からの出力信号を入力信号発生器30からの出力信号とし、歪成分を最小にするための3次ベクトル調整器122へ与える位相値と振幅値及び3次周波数特性補償器223へ与える位相値と振幅値が計算された後は、送信信号発生器31からの出力信号を入力信号発生器30からの出力信号とするように切り替える。
〔実験結果〕
実施例3における実験結果を示す。実験では、2GHz帯1W級増幅器(出力バックオフ12.5dB)を用いた。3次周波数特性補償器223は3次歪成分の上側/下側をそれぞれ等間隔に2分割(M=4)し、周波数が低いほうから帯域1,2,3,4とした。
実験では、まず3次周波数特性補償器係数 (位相値と振幅値)をそれぞれ等間隔に10点測定してf1,phase(X)とf1,amp(Y)をそれぞれ求めた。その後、約1時間後に同様に10点測定してf2,phase(X) とf2,amp(Y)をそれぞれ求めた。このとき、3次ベクトル調整器係数は同じとした。f2,phase(X)から得られた歪成分を最小にする3次周波数特性補償器係数(位相値)Xminと、f1,phase(X)に基づき従来の方法及び本発明の方法で計算した位相値Xcalとの差をそれぞれ計算した。また、f2,amp(Y)から得られた歪成分を最小にする3次周波数特性補償器係数(振幅値)Yminと、f1,amp(Y)に基づき従来の方法及び本発明の方法で計算した振幅値Ycalの差をそれぞれ計算した。f1,phase(X)を最小にする3次周波数特性補償器係数(位相値)をX1、f1,amp(Y)を最小にする3次周波数特性補償器係数(振幅値)をY1とした。従来の方法ではΔX(位相値)を0.42、ΔY(振幅値)を0.13とし、本発明の方法ではオフセット値Pm,phaseとPm,ampをそれぞれ1.5dBとして、X0とX2、Y0とY2をそれぞれ導出した。従来の方法と本発明の方法を用いて評価関数e(位相値の場合、e=100*|Xmin−Xcal|/Xmin、振幅値の場合、e=100*|Ymin−Ycal|/Ymin)をそれぞれ計算した結果を図27に示す。帯域1における位相値の結果によると、従来の方法では20.2%であるのに対し、本発明の方法では10.0%であり、eを10.2%改善している。また、帯域2と3の位相値では検討手法と従来手法の結果は同じであり、それ以外では本発明の方法は従来の方法に比べ、総じてeを改善している。以上のことから、既に特定した二次関数にてオフセット値を与えて、これに基づき歪成分の測定に用いる3次周波数特性補償器係数を選択する本発明の方法は、従来の方法に比べ実際に歪成分を最小にする3次周波数特性補償器係数に近い値を計算することができることがわかる。

Claims (8)

  1. 入力信号を遅延伝達する線形伝達経路と、
    前記入力信号のN次歪成分(Nは3以上の奇数)を発生するN次歪発生器と、前記N次歪成分の位相と振幅を調整するN次ベクトル調整器とを備え、前記N次ベクトル調整器の出力を歪補償成分として出力する歪発生経路と、
    前記線形伝達経路から出力された前記入力信号に、前記歪発生経路から出力された前記歪補償成分を合成する合成器と、
    前記合成器の出力に対して電力増幅を行う電力増幅器の出力に含まれる歪成分を予め定めた周波数帯域毎に測定する観測器と、
    前記観測器での測定結果に基づき、前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分を打ち消す前記歪補償成分を生成するための前記N次ベクトル調整器におけるN次歪成分の位相と振幅の調整量をそれぞれ計算し、前記N次ベクトル調整器に設定する制御器と、
    を備えるべき級数型ディジタルプリディストータであって、
    前記制御器は、
    歪成分を測定するための複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ前記N次ベクトル調整器に設定し、得られた前記観測器における複数の測定結果から、前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分の、前記N次ベクトル調整器に設定された位相値と振幅値のそれぞれに対する依存性を特定し、その特定した依存性から前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分を打ち消す位相値と振幅値をそれぞれ計算して、前記N次ベクトル調整器に設定するベクトル調整器制御部と、
    前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分の、前記N次ベクトル調整器に設定された位相値と振幅値のそれぞれに対する依存性を前記ベクトル調整器制御部が特定する際に、既に特定された、歪成分の前記N次ベクトル調整器に設定された位相値と振幅値それぞれに対する依存性から、前記歪成分を測定するための複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ導出して前記ベクトル調整器制御部に与えるベクトル調整器係数導出部と、
    を備える
    ことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータ。
  2. 請求項1に記載のべき級数型ディジタルプリディストータにおいて、
    前記歪発生経路は、
    前記N次ベクトル調整器の出力を時間領域から周波数領域へ変換し、周波数領域にて前記N次ベクトル調整器の出力をM個(Mは2以上の整数)の帯域に分割し、分割された帯域毎に位相と振幅を調整した上で、周波数領域から時間領域に変換するN次周波数特性補償器
    を更に備え、前記N次周波数特性補償器の出力を前記歪補償成分として出力し、
    前記制御器は、
    前記帯域の歪成分を測定するための複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ前記N次周波数特性補償器に設定し、得られた前記観測器における複数の測定結果から、前記電力増幅器の出力に含まれる前記帯域における歪成分の、前記N次周波数特性補償器に設定された位相値と振幅値のそれぞれに対する依存性を特定し、その特定した依存性から前記電力増幅器の出力に含まれる前記帯域の歪成分を打ち消す位相値と振幅値をそれぞれ計算して、前記N次周波数特性補償器に設定する周波数特性補償器制御部と、
    前記電力増幅器の出力に含まれる前記帯域における歪成分の、前記N次周波数特性補償器に設定された位相値と振幅値のそれぞれに対する依存性を前記周波数特性補償器制御部が特定する際に、既に特定された、前記帯域における歪成分の前記N次周波数特性補償器に設定された位相値と振幅値それぞれに対する依存性から、前記帯域の歪成分を測定するための複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ導出して前記周波数特性補償器制御部に与える周波数特性補償器係数導出部と、
    を更に備える
    ことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータ。
  3. 入力信号を遅延伝達する線形伝達経路と、
    前記入力信号のN次歪成分(Nは3以上の奇数)を発生するN次歪発生器と、前記N次歪成分の位相と振幅を調整するN次ベクトル調整器とを備え、前記N次ベクトル調整器の出力を歪補償成分として出力する歪発生経路と、
    前記線形伝達経路から出力された前記入力信号に、前記歪発生経路から出力された前記歪補償成分を合成する合成器と、
    前記合成器の出力に対して電力増幅を行う電力増幅器の出力に含まれる歪成分を予め定めた周波数帯域毎に測定する観測器と、
    前記観測器での測定結果に基づき、前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分を打ち消す前記歪補償成分を生成するための前記N次ベクトル調整器におけるN次歪成分の位相と振幅の調整量をそれぞれ計算し、前記N次ベクトル調整器に設定する制御器と、
    を備えるべき級数型ディジタルプリディストータの歪補償制御方法であって、
    既に特定された、前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分の前記N次ベクトル調整器に設定された位相値と振幅値それぞれに対する依存性から、前記歪成分を測定するための複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ導出するベクトル調整器係数導出ステップと、
    前記ベクトル調整器係数導出ステップで導出した複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ前記N次ベクトル調整器に設定し、得られた前記観測器における複数の測定結果から、前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分の、前記N次ベクトル調整器に設定された位相値と振幅値のそれぞれに対する依存性を新たに特定し、その新たに特定した依存性から前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分を打ち消す位相値と振幅値をそれぞれ計算して、前記N次ベクトル調整器に設定するベクトル調整器設定ステップと、
    前記電力増幅器で発生する歪成分を打ち消したことを示す指標が所定の条件を満たすか否かを判定し、満たす場合は処理を終了する判定ステップと、
    前記判定ステップで条件を満たさない場合に、前記ベクトル調整器係数導出ステップと前記ベクトル調整器設定ステップの繰り返し回数が所定の回数に達している場合には処理を終了し、達していない場合は前記ベクトル調整器係数導出ステップと前記ベクトル調整器設定ステップを再度実行するように制御する繰り返し制御ステップと、
    を実行することを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの歪補償制御方法。
  4. 入力信号を遅延伝達する線形伝達経路と、
    前記入力信号のN次歪成分(Nは3以上の奇数)を発生するN次歪発生器と、前記N次歪成分の位相と振幅を調整するN次ベクトル調整器と、前記N次ベクトル調整器の出力を時間領域から周波数領域へ変換し、周波数領域にて前記N次ベクトル調整器の出力をM個(Mは2以上の整数)の帯域に分割し、分割された帯域毎に位相と振幅を調整した上で、周波数領域から時間領域に変換するN次周波数特性補償器とを備え、前記N次周波数特性補償器の出力を歪補償成分として出力する歪発生経路と、
    前記線形伝達経路から出力された前記入力信号に、前記歪発生経路から出力された前記歪補償成分を合成する合成器と、
    前記合成器の出力に対して電力増幅を行う電力増幅器の出力に含まれる歪成分を予め定めた周波数帯域毎に測定する観測器と、
    前記観測器での測定結果に基づき、前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分を打ち消す前記歪補償成分を生成するための前記N次ベクトル調整器におけるN次歪成分の位相と振幅の調整量をそれぞれ計算して前記N次ベクトル調整器に設定し、前記観測器での測定結果に基づき、前記電力増幅器の出力に含まれる前記分割された帯域の歪成分を打ち消す前記歪補償成分を生成するための前記N次周波数特性補償器に設定する複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ計算して前記N次周波数特性補償器に設定する制御器と、
    を備えるべき級数型ディジタルプリディストータの歪補償制御方法であって、
    既に特定された、前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分の前記N次ベクトル調整器に設定された位相値と振幅値それぞれに対する依存性から、前記歪成分を測定するための複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ導出するベクトル調整器係数導出ステップと、
    前記ベクトル調整器係数導出ステップで導出した複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ前記N次ベクトル調整器に設定し、得られた前記観測器における複数の測定結果から、前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分の、前記N次ベクトル調整器に設定された位相値と振幅値のそれぞれに対する依存性を新たに特定し、その新たに特定した依存性から前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分を打ち消す位相値と振幅値をそれぞれ計算して、前記N次ベクトル調整器に設定するベクトル調整器設定ステップと、
    前記電力増幅器で発生する歪成分を打ち消したことを示す指標が所定の条件を満たすか否かを判定し、満たす場合は処理を終了する第1判定ステップと、
    前記ベクトル調整器係数導出ステップと前記ベクトル調整器設定ステップの繰り返し回数が所定の回数に達しているか否かを判定し、達していない場合、前記ベクトル調整器係数導出ステップと前記ベクトル調整器設定ステップを再度実行するように制御する第1繰り返し制御ステップと、
    N次周波数特性補償器係数を計算する1つの帯域を指定する帯域指定ステップと、
    既に特定された、前記電力増幅器の出力に含まれる前記帯域における歪成分の前記N次周波数特性補償器に設定された位相値と振幅値それぞれに対する依存性から、前記帯域の歪成分を測定するための複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ導出する周波数特性補償器係数導出ステップと、
    前記周波数特性補償器係数導出ステップで導出した複数の位相値と複数の振幅値をそれぞれ前記N次周波数特性補償器に設定し、得られた前記観測器における複数の測定結果から、前記電力増幅器の出力に含まれる前記帯域における歪成分の、前記N次周波数特性補償器に設定された位相値と振幅値のそれぞれに対する依存性を新たに特定し、その新たに特定した依存性から前記電力増幅器の出力に含まれる前記帯域の歪成分を打ち消す位相値と振幅値をそれぞれ計算して、前記N次周波数特性補償器に設定する周波数特性補償器設定ステップと、
    前記電力増幅器で発生する前記帯域の歪成分を打ち消したことを示す指標が予め設定された条件を満たすか否かを判定し、満たす場合は処理を終了する第2判定ステップと、
    前記N次周波数特性補償器に設定する位相値と振幅値を全ての帯域について計算が済んだか否かを判定し、済んでいない場合は前記周波数特性補償器係数導出ステップと前記周波数特性補償器設定ステップを再度実行するよう制御する第2繰り返し制御ステップと、
    を実行することを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの歪補償制御方法。
  5. 請求項3又は4に記載のべき級数型ディジタルプリディストータの歪補償制御方法において、
    前記ベクトル調整器係数導出ステップは、
    前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分の、前記N次ベクトル調整器に設定された位相値に対する依存性は二次関数D=a22+a1X+a0(Dは歪成分、Xは前記N次ベクトル調整器に設定された位相値)の係数(a2,a1,a0)として既に特定され、前記N次ベクトル調整器に設定された振幅値に対する依存性は二次関数D=b22+b1Y+b0(Dは歪成分、Yは前記N次ベクトル調整器に設定された振幅値)の係数(b2,b1,b0)として既に特定され、
    前記二次関数の係数(a2,a1,a0)と所定のオフセット値Pvec,phaseとを用いて、前記歪成分を測定するための3個以上の位相値を導出する位相値第1導出サブステップと、
    前記二次関数の係数(b2,b1,b0)と所定のオフセット値Pvec,ampとを用いて、前記歪成分を測定するための3個以上の振幅値を導出する振幅値第1導出サブステップと、
    を実行する
    ことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの歪補償制御方法。
  6. 請求項3又は4に記載のべき級数型ディジタルプリディストータの歪補償制御方法において、
    前記ベクトル調整器係数導出ステップは、
    前記電力増幅器の出力に含まれる歪成分の、前記N次ベクトル調整器に設定された位相値に対する依存性は二次関数D=a22+a1X+a0(Dは歪成分、Xは前記N次ベクトル調整器に設定された位相値)の係数(a2,a1,a0)として既に特定され、前記N次ベクトル調整器に設定された振幅値に対する依存性は二次関数D=b22+b1Y+b0(Dは歪成分、Yは前記N次ベクトル調整器に設定された振幅値)の係数(b2,b1,b0)として既に特定され、
    予め用意した、前記係数a2の大きさに応じて1個以上のオフセット値が関連付けられた参照テーブルを参照し、既に特定された前記係数a2に対応する当該1個以上のオフセット値を抽出して、前記係数(a2,a1,a0)と抽出した当該1個以上のオフセット値とを用いて、前記歪成分を測定するための3個以上の位相値を導出する位相値第2導出サブステップと、
    予め用意した、前記係数b2の大きさに応じて1個以上のオフセット値が関連付けられた参照テーブルを参照し、既に特定された前記係数b2に対応する当該1個以上のオフセット値を抽出して、前記係数(b2,b1,b0)と抽出した当該1個以上のオフセット値とを用いて、前記歪成分を測定するための3個以上の振幅値を導出する振幅値第2導出サブステップと、
    を実行する
    ことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの歪補償制御方法。
  7. 請求項4に記載のべき級数型ディジタルプリディストータの歪補償制御方法において、
    前記周波数特性補償器係数導出ステップは、
    前記電力増幅器の出力に含まれる前記帯域内における歪成分の、前記N次周波数特性補償器に設定された位相値に対する依存性は二次関数Dm=a2,mm 2+a1,mm+a0,m(Dmは前記帯域内の歪成分、Xmは前記帯域内の位相を調整するために前記N次周波数特性補償器に設定された位相値)の係数(a2,m,a1,m,a0,m)として既に特定され、前記N次周波数特性補償器に設定された振幅値に対する依存性は二次関数Dm=b2,mm 2+b1,mm+b0,m(Dmは前記帯域内の歪成分、Ymは前記帯域内の振幅を調整するために前記N次周波数特性補償器に設定された振幅値)の係数(b2,m,b1,m,b0,m)として既に特定され、
    前記二次関数の係数(a2,m,a1,m,a0,m)と所定のオフセット値Pm,phaseとを用いて、前記帯域内の歪成分を測定するための3個以上の位相値を導出する位相値第3導出サブステップと、
    前記二次関数の係数(b2,m,b1,m,b0,m)と所定のオフセット値Pm,ampとを用いて、前記帯域内の歪成分を測定するための3個以上の振幅値を導出する振幅値第3導出サブステップと、
    を実行する
    ことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの歪補償制御方法。
  8. 請求項4に記載のべき級数型ディジタルプリディストータの歪補償制御方法において、
    前記周波数特性補償器係数導出ステップは、
    前記電力増幅器の出力に含まれる前記帯域内における歪成分の、前記N次周波数特性補償器に設定された位相値に対する依存性は二次関数Dm=a2,mm 2+a1,mm+a0,m(Dmは前記帯域内の歪成分、Xmは前記帯域内の位相を調整するために前記N次周波数特性補償器に設定された位相値)の係数(a2,m,a1,m,a0,m)として既に特定され、前記N次周波数特性補償器に設定された振幅値に対する依存性は二次関数Dm=b2,mm 2+b1,mm+b0,m(Dmは前記帯域内の歪成分、Ymは前記帯域内の振幅を調整するために前記N次周波数特性補償器に設定された振幅値)の係数(b2,m,b1,m,b0,m)として既に特定され、
    予め用意した、前記係数a2,mの大きさに応じて1個以上のオフセット値が関連付けられた参照テーブルを参照し、既に特定された前記係数a2,mに対応する当該1個以上のオフセット値を抽出して、前記係数(a2,m,a1,m,a0,m)と抽出した当該1個以上のオフセット値とを用いて、前記帯域内の歪成分を測定するための3個以上の位相値を導出する位相値第4導出サブステップと、
    予め用意した、前記係数b2,mの大きさに応じて1個以上のオフセット値が関連付けられた参照テーブルを参照し、既に特定された前記係数b2,mに対応する当該1個以上のオフセット値を抽出して、前記係数(b2,m,b1,m,b0,m)と抽出した当該1個以上のオフセット値とを用いて、前記帯域内の歪成分を測定するための3個以上の振幅値を導出する振幅値第4導出サブステップと、
    を実行する
    ことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの歪補償制御方法。
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