JP2011181269A - 面発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】正面方向および斜め方向の輝度が高く、光取り出し効率の優れた面発光素子を提供すること。
【解決手段】多数の凹凸部を平面状に有する全反射低減層Aを備えた面発光素子であって、該全反射低減層Aの光取り出し側に屈折率調整層Bが接しており、全反射低減層Aの屈折率n、屈折率調整層Bの屈折率nが、1.0<n<nの条件を満たすことにより、正面方向および斜め方向の光取り出し効率の優れた面発光素子を作製することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明などに用いられる面発光素子に関する。
エレクトロルミネッセント素子(以下「EL素子」ともいう)は電気エネルギーを光エネルギーに変える半導体素子である。EL素子は、物質に電界を印加した際に発光を生じる現象を利用した面発光素子であり、自発光型、薄型にできるなどの特徴を生かし、平面光源や表示素子等への応用展開が図られている。EL素子は、無機EL層もしくは有機EL層を電極で挟んだ素子構造として形成される。
その一例の有機EL素子の基本構造は、たとえばガラス基板の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)からなる透明性の陽極電極、発光層を有する有機EL層、反射性の陰極電極を積層した構造などから形成されたものである。このような有機EL素子において、通常、有機EL層から放射される光は、発光体を中心とした全方位に出射され、透明性の陽極電極、ガラス基板を経由して外部へ取り出される。あるいは、一旦光取り出し方向とは逆方向へ向かい、反射性の陰極電極で反射され、有機EL層、透明性の陽極電極、ガラス基板を経由して、外部へ取り出される。
しかし、有機EL素子の内部で発生した光が、各媒質の境界面を通過する際、入射側の媒質の屈折率が出射側の屈折率より大きい場合、臨界角よりも大きな角度で入射する光は境界面で全反射を繰り返し、素子内部に閉じ込められる。その結果、有機EL層内部で発生した光が、外部に取り出されず、有機EL素子として、見かけ上の効率低下の原因となる。一般に、有機EL素子の発光層で得られる放射光は、大部分が全反射によって素子内部に閉じ込められ、有効な放射光として利用される光の取り出し効率は、17%から20%程度であることが知られている(例えば非特許文献1)。
このように、EL素子内部で発生した発光を外部に取り出す効率は低いことが問題であった。光の取り出し効率を向上させる代表的な方法としては、基板の光取り出し側に凹凸層を設けることで、基板と大気界面における光の全反射を抑え、且つ光の出射角度を変えることにより、光の取り出し効率の向上効果が期待できる。例えば、特許文献1(図4)や非特許文献2に記載されているように、基板の光取り出し側にマイクロレンズを形成する方法が考えられている。また、特許文献2には、ディスプレイの正面輝度の向上に特化した方法として、基板の光取出し側の反対側に、マイクロレンズ層とそれを被覆する平坦化層を設ける方法が考えられている。
特開2003−59642号公報 特開2007−207656号公報
Advanced Material (1994) 491 佐藤佳春監修、「有機EL材料技術」、シーエムシー出版、2004年5月31日発行、68頁
特許文献1あるいは非特許文献2に記載の方法は、基板の光取り出し側に形成されたマイクロレンズによって光を正面方向に集光させることで、光取り出し効率の向上を狙ったものである。そのため、マイクロレンズの効果により正面方向を中心とした輝度の向上は見られるものの、斜め方向の輝度の向上は不十分であり、改善が望まれている。
また特許文献2に記載の方法は、基板の光取り出し側の反対側に形成されたマイクロレンズ層と平坦化層によって、全方位に発散される光を集光している。これはディスプレイパネル用途として、異なる色の発光が混じることを嫌って考えられたものであり、正面輝度のみに特化して向上が図られている。照明等の用途に用いる場合、斜め方向の輝度向上は不十分であり、改善が望まれている。
本発明では、このような実情に鑑みてなされたものであり、正面方向の輝度を損なうことなく、斜め方向の輝度を高め、光取り出し効率の向上した面発光素子を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の構成により、正面および斜め方向の輝度が高く、光取り出し効率の向上した面発光素子を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、以下に関する。
(1)多数の凹凸部を平面状に有する全反射低減層Aを備えた面発光素子であって、該全反射低減層Aの光取り出し側に屈折率調整層Bが接しており、全反射低減層Aの屈折率n、屈折率調整層Bの屈折率nが、1.0<n<nの条件を満たすことを特徴とする面発光素子。
(2)前記全反射低減層Aの凹凸部のうち、凹部のみを充填するように屈折率調整層Bが形成されていることを特徴とする(1)に記載の面発光素子。
(3)前記面発光素子が有機エレクトロルミネッセント素子であることを特徴とする(1)〜(2)のいずれかに記載の面発光素子。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の面発光素子を含む照明器具。
本発明により、正面および斜め方向の輝度が高く、光取り出し効率の向上した面発光素子を提供することができる。
本発明の面発光素子の例を示すものであり、(a)、(b)はその断面図である。 屈折率調整層Bの一例を示す断面図である。 屈折率調整層Bの他の一例を示す断面図である。
本発明は、「多数の凹凸部を平面状に有する全反射低減層Aを備えた面発光素子であって、該全反射低減層Aの光取り出し側に屈折率調整層Bが接しており、全反射低減層Aの屈折率n、屈折率調整層Bの屈折率nが、1.0<n<nの条件を満たすことを特徴とする面発光素子」からなることを特徴とする。
以下、本発明にかかる実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、実施形態の面発光素子の断面構成の例を示している。この図1(a)に示す面発光素子は面発光体(1)を備え、その面発光体(1)から光が外部に射出される側、すなわち光取り出し側に、本発明の特徴である全反射低減層A(6)、屈折率調整層B(7)がこの順に形成されている。
本発明の面発光体(1)としては、特に制限されず既知のものを使用することができる。例えば、電気をエネルギーとして発光するエレクトロルミネッセント素子(以下「EL素子」という)などがあげられる。EL素子には、有機EL素子と無機EL素子があるが、無機EL素子は高電圧で駆動する必要があるため、省エネルギーの観点から、低電圧で駆動が可能な有機EL素子を好ましく用いることができる。
図1(b)は、本発明の面発光素子の一例である有機EL素子の構造例を示すものである。この図に示す面発光素子は、基板(2)の片面上に、陽極電極(3)、有機EL層(4)、陰極電極(5)をこの順に備え、基板(2)の他面上、すなわち光取り出し側に、本発明の特徴である全反射低減層A(6)と屈折率調整層B(7)をこの順に設けている。ここで面発光体(1)は、図1(b)においては、基板(2)〜陰極電極(5)を表す。
有機EL素子の支持体となる基板(2)については特に制限は無く、例えば、ガラスのような透明基板、フレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板などから適宜選択され用いられる。中でも、ガラスのような透明基板や、透明なフィルム基板などが透明性や加工性の良さの点から好ましく用いられる。
上記フィルム基板としては、熱可塑性樹脂や熱硬化製樹脂があげられる。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂やポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン、シクロオレフィンポリマーなどが、熱硬化製性樹脂としてはポリウレタンがあげられる。特に優れた光学等方性と水蒸気遮断性に優れているシクロオレフィンポリマー(COP)を主成分とする基板が好ましい。
COPとしては、ノルボルネンの重合体やノルボルネンとオレフィンとの共重合体、シクロペンタジエンなどの不飽和脂環式炭化水素の重合体などが挙げられる。水蒸気遮断性の観点から、構成分子の主鎖および側鎖には大きな極性を示す官能基、例えばカルボニル基やヒドロキシル基、を含まないことが好ましい。
上記フィルム基板の厚みとしては0.03mm〜3.0mm程度が好ましい。この膜厚範囲が基板の取り扱いやすさやデバイス作製時の重量の観点に加えて、基板の曲げや引っかきに対する強度の観点から好ましい。その他耐熱性に優れるという観点から、ポリエチレンナフタレート(PEN)やポリエーテルスルホン(PES)なども使用できる。
前記基板(2)上に設けられる陽極電極(3)についても特に制限は無いが、例えば、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物の他、銀(Ag)、クロム(Cr)等のような金属などがあげられる。有機EL素子の発光層から発生した光を効果的に取り出すための観点から、透明性が高いITOあるいはIZOを特に好ましく使用することができる。
有機EL層(4)は、陽極電極(3)と陰極電極(5)との間に設けられ、少なくとも一つの発光層を有し、主に有機化合物からなる複数の層から構成された層である。この有機EL層(4)は、一般に有機EL素子に用いられている低分子系色素材料や、共役高分子系材料などで形成することができる。またこの有機EL層はホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などの層からなる積層多層構造であってもよい。
また、有機EL層(4)の発光層に異なる発光を示すドーパントを複数添加しても構わない。また他の層、例えば電子輸送層やホール輸送層にドーパントを添加しても良い。異なるドーパントから複数の発光色が見られる場合、望まれる混色発光が得られる。複数の発光色が互いに補色の関係にある場合、白色の発光が得られる。照明器具へ適応する場合は白色光であることが特に好ましい。
有機EL層(4)を構成する各層の成膜方法については特に制限は無く、真空蒸着法の他に、例えばスピンコート法などの方法によって形成することができる。このとき、各層を同じ成膜方法で形成してもよく、また異なる方法で形成してもよい。
陰極電極(5)を形成する物質としては特に制限するものではないが、例えば、仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下) 金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、元素周期表のI族またはII族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li)などが挙げられる。仕事関数が上記範囲のものを用いることで、有機EL層(4)への電子注入性が高くなると考えられるため好ましい。中でも、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物等を電子注入層として、陰極電極(5)と有機EL層(4)との間に、陰極電極(5)と隣接するように積層することにより、仕事関数の大小に関わらず、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、ITO、珪素を含むITO等様々な導電性材料を陰極電極(5)として用いることができるため、より好ましい。
図1(a)および(b)の全反射低減層A(6)は、多数の凹凸部を平面状に有することを特徴としている。ここで、「多数の凹凸部を平面状に有する」とは、基板に対して平行な面の表面上に凹凸部が多数形成されていることをいう。凹凸部を有することで、面発光素子内部(例えば面発光素子として有機EL素子を用いた場合は、有機EL層の発光層)で発生した光の全反射を低減し、光の出射角度を変えることにより、光取り出し効率の向上効果が期待できる。全反射低減層A(6)の凹凸部の構造は特に限定されないが、例えば、マイクロレンズ構造、ピラミッド構造、フォトニックアレイ構造を有するものなどを好ましく使用することができる。本発明における全反射低減層A(6)は、上記で示した凹凸部の構造のように規則的な構造・配置であっても良いが、ランダムな構造・配置であっても良い。凹凸部の構造・配置をランダムにすることで、特開2005−276581にも記載されているように、光の干渉を抑制する効果が期待できる。
上記全反射低減層A(6)の凹凸部は、樹脂を光により微細にパターニングした後加熱することによって形成する方法、光硬化性または熱硬化性樹脂を塗布した後、凹凸状の鋳型を押し当て光照射または加熱により樹脂を硬化させた後に鋳型をとる方法、エッチング法により基板に塗布した材料もしくは基板自体を削ることによって作製する方法などにより作製できる。
上記全反射低減層A(6)の凹凸部は、凹凸の高さは特に制限はないが、1μm〜500μmであることが好ましい。より好ましくは5μm〜100μmの範囲である。この範囲の凹凸部を有することで、光の全反射を低減し、光の射出角度を変えることができるため、光取り出しの効果などの向上が期待できる。
全反射低減層A(6)の部材としては、少なくとも可視光領域で透明性を示すものであれば特に制限されるものではない。例えば、成形性の点から樹脂などの軟質材料から構成されていることが好ましいが、これに限定されるものではなく、ガラスなどの硬質材料を用いても良い。透明性の樹脂の例としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル、メラニン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、4−メチルペンテン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレナフタレート樹脂、ポリプロピレンナフタレート樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂などが挙げられる。このような材料の中から、屈折率条件を考慮して適宜選択して使用することができる。
本発明における全反射低減層A(6)としては、樹脂等により成形されたシート上に凹凸部を形成したものを用い、面発光素子の基板上に貼りつけても良い。また、基板(2)自体に加工を施すことで凹凸部を形成して用いても良い。その場合、全反射低減層A(6)としての機能を基板(2)が有することになるため、基板(2)自体を全反射低減層A(6)として用いることができる。
上記全反射低減層A(6)を構成するシートあるいは基板と、凹凸部の材料は同じであっても良く、異なる材料のものを用いても良い。これらの材料としては、上記に示した樹脂やガラスなどを用いることができる。
図1(a)および(b)に示す屈折率調整層B(7)は、全反射低減層A(6)と大気間の界面において、屈折率を調整する層のことである。本発明においては、全反射低減層A(6)の屈折率nと、屈折率調整層B(7)の屈折率n、の関係が、1.0<n<nの条件を満たす部材から構成されることを特徴としている。大気の屈折率は1.0であり、全反射低減層A(6)の屈折率nとの屈折率差が大きい場合、面発光素子内部で発生した光が全反射低減層A(6)を通過するときに大気界面で全反射する割合が高くなってしまう。本発明では上記の屈折率条件を満たす屈折率調整層B(7)を、全反射低減層A(6)の光取り出し側に接するように形成することにより、大気界面での屈折率差を小さくすることができ、全反射の一部を抑えることができる。その結果、全反射低減層A(6)のみを備えた面発光素子と比較して、さらなる光の取り出し効率の向上が得られ、特に斜め方向の輝度の向上が期待できる。
上記全反射低減層A(6)の屈折率は、特に限定されないが1.4〜1.8であることが好ましく、また屈折率調整層B(7)の屈折率は、特に限定されないが1.2〜1.6であることが好ましい。
本発明における屈折率調整層B(7)は、上記全反射低減層Aの光取り出し側に接するように形成されている。屈折率調整層B(7)は、図2に示すように全反射低減層Aの全面を覆うように形成されていても良く、または、図3に示すように全反射低減層A(6)の凹部のみを充填するように形成されていても良い。
屈折率調整層Bを全反射低減層Aの全面を覆うように形成する場合、屈折率低減層Bの膜厚は本発明の機能を損なわない限り特に制限はないが、0.5μm〜100μmの範囲であることが好ましい。上記範囲内にすることで、透過率の低下を招くことなく光取り出し効果の向上が期待できる。屈折率調整層Bの膜厚が大きいと、透過率が低くなり、屈折率調整層Bがない場合よりも光取り出し効率が低下する可能性がある。そのため屈折率調整層Bは透過率の低下を招かない程度に薄い膜厚で形成することが好ましい。
屈折率調整層B(7)が全反射低減層A(6)の凹部のみを充填するように形成されている場合においても、全反射低減層Aの凹部での全反射の一部を抑えることができ、全反射低減層A(6)のみを備えた面発光素子と比較して、光取り出し効率の向上効果が得られると考えられる。この場合、全反射低減層Aの表面全体のうち、屈折率調整層Bの占める割合が小さくなるため、透過率の低下を招くことなく、光取り出し効率の向上効果が得られると考えられる。
ここで、「凹部のみを充填する」とは、全反射低減層Aの凸部分と凸部分の隙間を埋めるように屈折率調整層Bを形成することを指す。この場合、全反射低減層Aの凸部を完全に覆わないように屈折率調整層Bが形成されていれば(すなわち全反射低減層Aの凸部の頂点付近が屈折率調整層Bに覆われていなければ)、屈折率低減層Bの膜厚は特に限定されず厚くても薄くても良く、透過率の低下を招かない程度の膜厚の範囲内で適宜調整することができる。ここで全反射低減層A(6)の凹部のみを充填するように形成された屈折率調整層B(7)の表面形状は、特に制限されるものではなく、平面状、凹状、凸状などであっても良い。
全反射低減層A(6)の凹部のみを充填するように形成する方法は特に限定されないが、全反射低減層A(6)の凹部のみに、屈折率調整層B(7)を充填することにより形成しても良いし、一旦、全反射低減層A(6)の表面全体を屈折率調整層B(7)で被覆するように形成した後に、全反射低減層A(6)の凸部上に形成された屈折率調整層B(7)のみを除去する工程により、形成してもよい。
屈折率調整層B(7)の部材としては、少なくとも可視光領域で無色透明であり、上記屈折率の条件を満たせば、特に制限されるものではない。たとえば、フッ素系樹脂や、シリコン系樹脂の一部の樹脂材料は屈折率が比較的低いため、好ましく用いることが出来る。また、SiO、MgF、Al、TiOなどの低屈折率の無機材料や、これら無機材料をフィラーとして樹脂材料に分散させることにより、屈折率を調整して用いても良い。なかでも透明性や成形性が良いことから、フッ素系樹脂を特に好ましく用いることができる。
上記のように形成された面発光素子において、陽極電極(3)と陰極電極(5)の間に直流電流を接続して有機EL層(4)に電界を印加すると、有機EL層(4)内で発光する。この有機EL層(4)から発光した光は、直接、あるいは反射性の陰極電極で反射して、基板を通り、全反射低減層Aおよび屈折率調整層Bから大気中へ射出される。このとき、屈折率調整層Bの効果により光の取り出し効率は高くなり、特に斜め方向の輝度の向上が期待できる。このように本発明により、面発光素子の光取り出し効率が改善され、照明器具等へ有効に適応することができると考えられる。
次に、本発明の具体的な実施例および実施例に対する比較例の発光素子の作製手順と、これらの評価結果を説明する。
本発明における面発光素子において、各層は、INFICON製水晶振動子 IPN 074−379−P1Dによって膜厚をモニタリングしながら真空蒸着法により形成した。また、発光輝度は、コニカミノルタ製分光放射輝度計CS−1000を用いて測定した。
(実施例1)
ガラス基板(屈折率:1.52)の片面上に、光透過性の陽極電極(インジウム・錫酸化物(ITO)が形成されたITO付きガラス基板を用い、この上に、真空蒸着法により有機EL層、光反射性の陰極電極(Al、膜厚150nm)をこの順に形成し面発光体を作製した。その後、窒素雰囲下においてキャップガラスで封止することにより、18mm×18mmの発光領域とする白色発光の評価素子を作製した。
次に、上記評価素子におけるガラス基板の他面上、すなわち光取り出し側に、全反射低減層Aとして、直径32μm、高さ8μmの凸型半球レンズ構造を表面に持つ全反射低減フィルム(ベースフィルム:ポリエチレンテレフタレート(屈折率:1.57、厚み:25μm)、レンズ部:熱可塑性樹脂(屈折率:1.58))を用い、接着剤(屈折率:1.53)を介してガラス基板上に形成した。
次に、上記全反射低減フィルムの上に、フッ素系樹脂(旭硝子(株)製CYTOP)の3wt%溶液をスピンコート法により塗布することにより、屈折率1.34の屈折率調整層Bを形成し、実施例1とした。
(比較例1)
実施例1の作製手順において、全反射低減フィルム上に屈折率調整層Bを形成していない以外は、全く同様の方法で面発光素子を作製し、比較例1とした。
以上のようにして作製した実施例1と、比較例1の面発光素子について、面発光素子の基板面に対して垂直方向を0°、水平方向を90°として、それぞれ0°、15°、30°、45°、60°における発光輝度(cd/m)について評価を行った。表1にそれぞれの発光輝度の評価結果と、比較例1に対する実施例1の輝度向上率(実施例1の輝度/比較例1の輝度×100)を示す。
表1に示したように、0°、15°において、実施例1の輝度は比較例1の輝度と遜色ない値を示していることが分かる。30°、45°、60°においては、実施例1は比較例1に比べて輝度の向上が見られ、特に45°における輝度の向上が特に大きいものであった。このように実施例1より、本発明の面発光素子を用いることにより、正面方向だけでなく斜め方向の光の取り出し効率が高くなった。
(1)面発光体
(2)基板
(3)陽極電極
(4)有機EL層
(5)陰極電極
(6)全反射低減層A
(7)屈折率調整層B

Claims (4)

  1. 多数の凹凸部を平面状に有する全反射低減層Aを備えた面発光素子であって、該全反射低減層Aの光取り出し側に屈折率調整層Bが接しており、全反射低減層Aの屈折率n、屈折率調整層Bの屈折率nが、1.0<n<nの条件を満たすことを特徴とする面発光素子。
  2. 前記全反射低減層Aの凹凸部のうち、凹部のみを充填するように屈折率調整層Bが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の面発光素子。
  3. 前記面発光素子が有機エレクトロルミネッセント素子であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の面発光素子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の面発光素子を含む照明器具。
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