JP2011179886A - 障害物検知装置及び障害物検知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電線のような細い障害物であっても、これを適切に検知し、その高さから障害物と移動体の衝突可能性を判定する。
【解決手段】光源11、12はそれぞれ点光源であり、鉛直方向に対して傾いた角度をなす面状に発散する照射光111、121をそれぞれ発する。障害物100が線状であれば、この光って見える箇所は、照射光111のなす面と障害物100との交点、照射光121のなす面と障害物100との交点の2箇所であり、どちらの箇所も点状であるため、これらは輝点として見える。撮像部20は、少なくとも2つの輝点が視野に入り、これらが認識できるように設定される。これらを撮像した2次元画像中における2つの輝点の位置及びこれらの間の間隔から、制御部30は、光源11、12から障害物100の高さを算出し、移動体の最大高さとの関係から障害物100と移動体との衝突可能性を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動体等と障害物との距離が時々刻々変化する際に、移動体と障害物の高さの関係を認識し、衝突を抑止する障害物検知装置、障害物検知方法に関する。
船舶や航空機等が移動する際に、その進路上にある障害物を認識し、これを回避する技術は重要である。このためには、障害物が存在することと、この障害物と移動体の高さの関係を認識し、モニターすることが必要である。こうした測定においては、例えばレーダーが従来より用いられている。周知のように、レーダーにおいては、電波を放射して、その反射波を検知することにより障害物が存在すること、及びこの障害物までの距離を認識することが可能である。
しかしながら、レーダーにおいては、使用する電波の波長によって、検知できる障害物の大きさが限定されるという問題があり、全ての障害物を認識することは困難である。これに対して、レーダーにおける電波をレーザー光に置換したレーザーレーダー(ライダー)という技術も知られている。レーザーレーダーにおいては、電波よりも波長が短くかつコヒーレントなレーザー光を用いて障害物及び障害物までの距離を認識することが可能である。また、レーザー光を対象物(障害物)で反射させ、入射波と反射波の時間差を測定することによって対象物までの距離を算出する技術は周知であり、これはレーザーレーダーにおいても同様である。この場合に、レーザー光は連続光ではなく、パルス状とすることにより、この時間差の測定が特に容易となる。
こうした障害物の一例として、例えば電線がある。電線はほぼ水平方向に延びる極めて細い線状であるため、電波を用いたレーダーでこれを認識することは困難である。また、レーザー光を用いる場合でも、指向性の高いレーザー光を確実にこの電線に照射することも容易ではない。一方で、こうした電線は、特に船舶が海峡等を通過する際には特に注意すべき障害物となるため、これを検知し、衝突を回避することは重要である。
この点を考慮し、電線の検知も行うことができる障害物検知方法が、特許文献1に記載されている。この技術においては、測距用のレーザー光を鋸波形状にスキャンすることにより、このスキャン形状と電線とが交差する点及びこの点までの距離を認識することができる。このスキャン形状と電線とが交差する点は複数得られ、これらの各点までの距離情報を得ることにより、電線の存在及びこの電線までの距離を認識することができる。
特開平11−23712号公報
上記の技術においては、電線までの距離は従来のレーザー測距法によって算出するために、パルス状に発振されたレーザー光を用いる。レーザー光が連続光である場合には、上記のスキャン方法によって電線に確実にレーザー光を照射することができるが、パルス状に発振されたレーザー光をスキャンした場合には、電線が適切に照射されるとは限らない。電線がこのパルス光で照射されない箇所が存在した場合、電線の存在が認識されない場合があった。
従って、電線のような細い障害物を適切に検知することは困難であった。また、高さの関係から障害物と移動体の衝突可能性を判定するものではなかった。
本発明は、斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の請求項1に係る障害物検知装置は、移動体に搭載され、照射光を障害物に向かって照射することによって前記障害物を認識し、前記障害物と前記移動体との衝突可能性を判定する障害物検知装置であって、鉛直方向に対して傾いた角度をなす面状に発散する照射光を発する光源と、前記照射光によって照射された前記障害物からの乱反射光を含む画像を取得する撮像部と、前記画像のデータ中において、前記障害物が前記乱反射光によって光る領域の位置を解析することにより前記障害物の高さを算出し、前記移動体の最大高さとの関係から前記障害物と前記移動体との衝突可能性を判定する制御部と、を具備することを特徴とする。
この発明においては、鉛直方向に対して傾いた角度をなす面状に発散する照射光が、障害物に対して照射され、その乱反射光による画像を撮像部が得る。制御部は、この乱反射光によって光る領域(障害物が線状である場合には輝点)の画像中の位置より、障害物の高さに関する情報を得ることができ、これによって障害物と移動体との衝突可能性を判定する。
本発明の請求項2に係る障害物検知装置は、それぞれの発する前記照射光が前記画像中において交差する設定とされた2つの前記光源を具備することを特徴とする。
この発明においては、2つの光源が同時に用いられる。これらの発する照射光は、撮像部が得る画像中において交差する設定とされる。
本発明の請求項3に係る障害物検知装置は、2つの前記光源が同一箇所に設置されたことを特徴とする。
この発明においては、2つの光源が同一箇所、あるいは実質的に同一箇所に設置された構成とされる。
本発明の請求項4に係る障害物検知装置において、前記撮像部は、2つの前記光源と同じ箇所に設置されたことを特徴とする。
この発明においては、2つの光源、及び撮像部が同一箇所、あるいは実質的同一箇所に設置された構成とされる。
本発明の請求項5に係る障害物検知装置において、前記撮像部は、前記光源と距離をおいて設置されたことを特徴とする。
この発明においては、光源と撮像部とが離れた位置に設置される。
本発明の請求項6に係る障害物検知装置において、前記撮像部は、前記移動体の進行方向に対して前記光源よりも後方に設置されたことを特徴とする。
この発明においては、2つの光源が同一箇所に設置され、その照射側後方(障害物側を向いて後方)に撮像部が設置された構成とされる。
本発明の請求項7に係る障害物検知装置は、前記移動体の進行方向に対して垂直な方向において、2つの前記光源が設置された箇所の両側に2つの前記撮像部を具備し、前記制御部は、前記2つの撮像部によって得られた2つの画像間における前記障害物が前記乱反射光で光る領域の位置のずれより、前記障害物と前記移動体との衝突可能性を解析することを特徴とする。
この発明においては、2つの光源が同一箇所に設置され、障害物に向かってその両側の離れた箇所に2つの撮像部がそれぞれ設置された構成とされる。制御部は、2つの撮像部で得られた異なる2つの画像を用いて解析を行う。
本発明の請求項8に係る障害物検知装置は、前記移動体の進行方向に対して垂直な方向に距離をおいて2つの前記光源がそれぞれ設置され、前記撮像部が前記2つの光源の間に設置されたことを特徴とする。
この発明においては、移動体の進行方向に対して垂直な方向に距離をおいて2つの光源が設置される。その間に撮像部が設置された構成とされる。
本発明の請求項9に係る障害物検知装置において、前記制御部は、前記画像のデータ中において、前記乱反射光によって光る領域の位置を解析することにより、前記移動体から前記障害物までの距離を算出することを特徴とする。
この発明においては、制御部は、障害物の高さと共に、障害物までの距離も算出する。
本発明の請求項10に係る障害物検知装置は、前記移動体の速度を検知して前記制御部に出力する速度計を具備し、前記制御部は、前記速度を元にして、前記障害物と前記移動体との衝突するまでの時間を算出することを特徴とする。
この発明においては、障害物までの距離と移動体の速度とから、このままの進路をとった場合における障害物と移動体が衝突するまでの時間が算出される。
本発明の請求項11に係る障害物検知装置は、所定時間内における前記画像中における前記乱反射光によって光る領域の軌跡を表示する表示部を具備することを特徴とする。
この発明においては、輝点及びその軌跡が表示部によって表示される。
本発明の請求項12に係る障害物検知装置において、前記照射光と同一波長の光を選択的に透過させる光学フィルターが、前記撮像部の入射側に設置されたことを特徴とする。
この発明においては、撮像部に、照射光及び乱反射光と同じ波長の光を選択的に透過させる光学フィルターが設置される。
本発明の請求項13に係る障害物検知装置は、前記光源及び前記撮像部が姿勢安定手段上に搭載されたことを特徴とする。
この発明においては、光源、撮像部が、ジンバル等の姿勢安定手段上に搭載される。
本発明の請求項14に係る障害物検知方法は、移動体から照射光を障害物に向かって照射することによって前記障害物を認識し、前記障害物と前記移動体との衝突可能性を検知する障害物検知方法であって、鉛直方向に対して傾いた角度をなす面状に発散する照射光を前記移動体から照射し、前記照射光によって照射された前記障害物からの乱反射光を含む画像を取得し、前記画像のデータ中において、前記障害物が前記乱反射光で光る領域の位置を解析することにより、前記障害物と前記移動体との衝突可能性を判定することを特徴とする。
この発明においては、鉛直方向に対して傾いた角度をなす面状に発散する照射光が、障害物に対して照射される。定点からその乱反射光による画像を撮像し、この乱反射光によって光る領域(障害物が線状である場合には輝点)の画像中の位置より、障害物の空間的位置の情報を得る。これによって障害物と移動体との衝突可能性を判定する。
本発明の障害物検知装置、障害物検知方法は以上のように構成されているので、電線のような細い障害物であっても、これを適切に検知することができる。
この際、撮像部と光源との距離をおいて設置することにより、撮像部が得た画像中における乱反射光によって光る領域(障害物)の高さの算出を精度よく行うことができ、これによって衝突可能性の判定を容易に行うことができる。
また、2つの光源(照射光)を同時に用いる場合には、障害物の空間的位置の算出において、画像における対称性等を利用できるため、空間的位置の算出が更に容易となる。
また、この2つの光源を同一箇所に設置した場合には、障害物検知装置の構成を小型化が可能である。
また、2つの光源、撮像部を同一箇所に設置した構成は、この障害物検知装置を小型化する上で極めて有利となる。この場合においても、高さを検出することにより、障害物との衝突可能性の判定を行うことができる。
更に、撮像部と光源との距離をとって設置した場合には、高さだけでなく、障害物までの距離も算出することができる。進行方向に対して撮像部を光源の後方に設置した場合には、障害物の空間的位置の算出の精度が高まる。また、進行方向に長い構成をもつ移動体には好適な構成となる。
また、2つの光源を同一箇所に設置し、障害物に向かってその両側の離れた箇所に2つの撮像部を設けた場合には、2つの撮像部によって得られた異なる2つの画像を同時に解析に用いることができる。これによって、障害物の空間的位置の算出が、更に高い精度でかつ容易に行われる。
また、移動体の進行方向に対して垂直な方向に距離をおいて2つの光源を設置し、撮像部をこの2つの光源の間に設置した場合においても、同様に障害物の空間的位置の算出を、更に高い精度でかつ容易に行うことができる。
障害物までの距離と移動体の速度がわかれば、衝突可能性のある場合に、衝突予測時刻の算出が可能となり、移動体の運転者が衝突を回避するための動作を余裕を持って行うことができる。
また、乱反射光によって光る領域(輝点)の軌跡を表示させることや、撮像部に光学フィルターを設置して乱反射光を選択的に撮像することにより、輝点の動きをより正確に認識することができる。また、光源、撮像部を姿勢安定手段上に設置することにより、照射光と障害物、撮像部との位置関係の安定化が図れる。これらにより、障害物の位置をより正確に算出することが可能である。
以上の動作において、従来のレーザー測距法の様にパルス光の反射が戻るまでの時間を計ることは不要である。すなわち、高精度に制御されたパルス光を発する光源は不要である。
本発明の実施の形態となる障害物検知装置の構成を示す図である。 第1の実施の形態における光源と撮像部の配置を示す図である。 第1の実施の形態における照射光を上方(a)、左方(b)、後方(c)から見た図である。 第1の実施の形態において撮像部が得る画像範囲と、照射光等の位置関係を概念的に示した図である。 障害物100が光源11に近づく際に、左方から見た場合(a)、上方から見た場合(b)の形態を示す図である。 第1の実施の形態において、光源が一つの場合に撮像部が得た画像中の輝点の動きを説明する図である。 第1の実施の形態において、光源が二つの場合の画像中の輝点の動きを説明する図である。 第2の実施の形態における光源と撮像部の配置を示す図である。 第2の実施の形態における照射光を上方(a)、左方(b)、後方(c)から見た図である。 第2の実施の形態において撮像部が得る画像範囲と、照射光等の位置関係を概念的に示した図である。 第2の実施の形態において、光源が一つの場合に撮像部が得た画像中の輝点の動きを説明する図である。 第2の実施の形態において、光源が二つの場合の画像中の輝点の動きを説明する図である。 第3の実施の形態における光源と撮像部の配置を示す図である。 第3の実施の形態において2つの撮像部で得られた2つの画像(a:撮像部20、b:撮像部201)中における輝点の動きを示す図である。 第3の実施の形態において得られた2つの画像を重ね合わせた図である。 第4の実施の形態における光源と撮像部の配置を示す図である。 第4の実施の形態において撮像部が得る画像範囲と、照射光等の位置関係を概念的に示した図である。 第4の実施の形態において、異なる高さをもつ2つの障害物が近づく際の状況を左方から見た図である。 第4の実施の形態において、光源が二つの場合の画像中の輝点の動きを説明する図である。 第4の実施の形態において、画像中の輝点の位置の時間変化を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態となる障害物検知装置、あるいは障害物検知方法について説明する。この障害物検知装置10は、移動体(例えば移動中の船舶)に搭載され、その進行方向に存在する障害物100を検知し、この移動体と障害物100との衝突可能性を判定する、あるいは、障害物100の空間的位置の情報を得る。ここでは単純化のために、障害物100は水平方向に延び、その太さが無視できる程度に極めて細い線状の形状をもつものとする。こうした形状の障害物の代表としては、例えば電線がある。以下では、障害物100と障害物検知装置10が搭載された移動体との相対的位置関係に基づいて説明を行う。従って、以下では、障害物100は空間的に移動せず、障害物検知装置10が搭載された移動体が移動するものとするが、障害物100が移動して移動体が動かない場合、あるいは共に動く場合であっても、両者の相対的位置関係が変化する場合であれば、同様である。
この障害物検知装置10においては、2つの独立した光源11、12が用いられる。光源11、12はそれぞれ点光源であり、鉛直方向に対して傾いた角度をなす面状に発散する照射光111、121をそれぞれ発する。光源11、12は、例えばレーザー光を発する。レーザー光は高い指向性をもつために、これを一方向に広げるための発散光学系を用いて照射光111、121としてもよい。あるいは、指向性の高いレーザー光を、船舶の移動速度よりも充分に速い速度で一方向にスキャンすることによって実質的に面状とし、照射光111、121としてもよい。照射光111のなす面と照射光121のなす面とは交差するように設定される。なお、レーザーレーダーのようにこれらの照射光111、121の反射光が戻るまでの時間を測定することはないため、これらの照射光111、121は高精度に制御されたパルス光である必要はない。
面状の照射光111、121に照射された障害物100の箇所は、その表面が完全な鏡面でない場合(一般的な場合)には、拡散反射(乱反射)によって光って見える。ここで、拡散反射(乱反射)とは、入射角度と同じ角度で反射される鏡面反射とは異なり、表面で乱反射されることにより、見る角度によらずに同一の場所が光って見える現象であり、プレゼンテーション等に用いられているレーザーポインタによって発光して見える領域における反射と同様である。照射光111、121は面状であるため、障害物100が線状であれば、この光って見える箇所は、照射光111のなす面と障害物100との交点、照射光121のなす面と障害物100との交点の2箇所であり、どちらの箇所も点状であるため、これらは輝点として見える。2つの輝点の識別を光学的に行えることが好ましいため、例えば照射光111、121の波長(色)が異なるように光源11、12を設定することが好ましい。また、こうした乱反射光による輝点を形成できる光源であれば、その波長は任意である。
撮像部20は、照射光111、121と同じ波長を選択的に透過させる光学フィルターが入射側に設置された、例えばCCD等と結像光学系とからなるカメラであり、少なくとも2つの輝点が視野に入り、これらが認識できるように設定される。また、照射光111のなす面と照射光121のなす面とは、この視野内で交差するものとする。撮像部20からの画像出力はデジタル化されて、画像処理部21に入力される。画像処理部21では、各種のフィルター等の画像処理を行い、画像中における輝点112、122の位置が認識できるようにして画像を変換し、その画像信号を制御部30に入力する。2つの輝点は、例えばこれらの色が異なれば、容易に認識することができる。なお、後述するように、異なる箇所に設置された撮像部をもう1台用いることもでき、2台の撮像部で得られた異なる2つの画像を用いることもできる。また、撮像部20からの画像出力あるいは画像処理後の画像出力は、表示部(図示せず)によって表示することができる。
制御部30は、例えばパーソナルコンピュータであり、入力した画像信号から、画像中における2つの輝点の位置を認識する。また、制御部30は、光源11、12にも接続され、各々の照射条件を認識し、あるいはこの照射条件(照射角度)を制御することができる。また、速度計40によって測定された船舶の速度のデータもこの制御部30に入力される。また、表示部(図示せず)に、各種の情報や撮像部20からの画像出力あるいは画像処理後の画像出力を表示させる。
この障害物検知装置10においては、照射光111、121と障害物100との位置関係によって2つの輝点の位置が決まる。これらを撮像した2次元画像中における2つの輝点の位置及びこれらの間の間隔から、制御部30は、光源11、12から障害物100までの距離等を制御部30が算出することが可能である。この際、従来より知られるレーザー測距法や特許文献1に記載の技術とは異なり、障害物100からの反射波の遅延時間を用いてこの距離を算出するのではなく、画像中における輝点の位置やその動きの解析を行うことでこの距離を算出する。これにより、制御部30は、移動体(あるいはこの障害物検知装置10)と障害物100との衝突可能性を、極めて簡易な構成で判定することができる。レーザー測距法等を用いる場合のように、照射光111、121をそれぞれパルス状とする必要はなく、連続光としてもよい。このため、障害物100が照射光111、121の照射範囲に含まれている限り、常に輝点(障害物が乱反射によって光る領域)を検出することができ、障害物100の高さや障害物100までの距離を算出することが可能である。
制御部30は、光源11、12が照射する照射光111、121と撮像部20の位置関係、及びこれらと障害物100との位置関係を元にして、撮像部20が得た画像の解析を行うことにより、障害物100との衝突可能性を判定する。このため、光源11、12、撮像部20は同一の固定板上に固定され、この固定板が、移動体が船舶などの場合においては、これらの向きを一定に保つことのできるジンバル等に代表される姿勢安定手段上に設置される構成が好ましい。あるいは、これらの位置関係が保たれるように固定された場合には、光源11、12、撮像部20のそれぞれを別個の姿勢安定手段上に設置すれば、波浪等によって船舶の姿勢が上下方向で大きく変化した場合でも、光源11、12、撮像部20の方向を上下方向において保つことが可能である。
以下、制御部30の動作、すなわち、障害物100の高さや障害物100までの距離の算出方法について第1〜第4の実施の形態として具体的に説明する。この算出方法は、光源11、12と撮像部20の位置関係によって異なる。
(第1の実施の形態)
初めに、光源11と光源12が実質的に同一の位置にあり(これらの間の距離が実質的に無視でき)、その照射方向に対して背後に距離をおいて撮像部20が配置された構成とした場合について説明する。
この構成における、光源11、12及びこれらから発せられる照射光111、121、撮像部20の位置関係の斜視図が図2である。前記のとおり、光源11、12は同一の位置に設置されており、面状の照射光111、121は、交差するように設定されている。なお、光源11、12は共に点光源として近似している。例えば船舶に搭載される場合のように、光源の大きさと比べて周囲の構造のサイズが充分に大きな場合には、この近似は適切となる。障害物100は、左右方向に延びる電線とする。また、図示していないが、光源11、12及び撮像部20が設置された面(以下では基準面と呼称)よりも下側には、この面と平行に水面(海面)が存在するものとする。
以下の説明では、図2中に示されるように、上方、前方、左方等を定義する。図3は、照射光111、121を、光源11、12が設置された点に対して、上方から下方に向かって見た場合(a)、左方から右方に向かって見た場合(b)、後方から前方に向かって見た場合(c)について見た場合の形状である。なお、図3(b)においては、正確に左方から右方に向かって見た場合には厳密には照射光111、121は完全に重なるため、わずかにこの方向からはずして見た場合が示されている。この例においては、照射光111、121は、同一発散角をもつ面状の発散光であり、照射光111は左側下方から右側上方に広がり、照射光121は左側上方から右側下方に広がった形状である。また、これらは光源11、12が設置された点を通る上下方向の直線を中心として左右対称である。
この構成において、撮像部20が前方を見た場合の画像を概念的に示したのが図4である。この図は、同方向から見た図3(c)に類似しており、この画像中では障害物100は左右方向に延びる直線として認識される。光源11、12が設置された面が基準面200となり、その下側に水平面(海面)300が見える。また、この画像内には光源11、12も含まれるが、これらは撮像部20から見て前方に位置するため、これらが設置された点は原点となる。2つの輝点は、それぞれ照射光111、121と障害物100との交点となる。この画像において、照射光111、121が存在せず、単純に障害物100をこの画像として認識しただけでは、障害物100までの距離を算出することは不可能である。しかしながら、照射光111、121によって2つの輝点が認識され、これらの空間的位置を認識することにより、障害物100までの距離を認識することが可能である。
障害物100が、時々刻々光源11あるいは撮像部20に図中左側から水平方向に移動して近づく際の状況を、左方から見た場合を図5(a)に、上方から見た場合を図5(b)に示す。ここで、図5(b)においては、この構成が左右対称であるため、光源11(照射光111)のみが示してある。障害物100の基準面からの高さをHとし、撮像部20から障害物100までの水平方向の距離をRとする。照射光111のなす面と障害物100との交点が輝点112となる。この状況は、実際には、光源11(12)、撮像部20を搭載した移動体が障害物100に向かって右側から近づく状況に対応している。照射光111のなす面と照射光121のなす面との交線Kは、図5(a)に示されるように、光源11から左上に向かって延びる直線となる。障害物100が光源11に近づくにつれて、撮像部20から輝点112を見た仰角θと方位角φが時々刻々変化する。なお、この障害物検知装置10が搭載された移動体(例えば船舶)の基準面からの最大高さをHとする。最も単純な場合として、Hが時間的に一定である場合には、H>Hであれば、この移動体と障害物100と衝突することはないと判定することができる。なお、HやHは、基準面(光源11、12、撮像部20が設置された面)からの高さである。障害物100の海面からの高さは、基準面の海面からの高さとHとの和となるが、基準面の海面からの高さは、通常、移動体(船舶)において一定値として制御部30が認識することができる。あるいは、これが一定値でない場合においても、移動体に関するパラメータとして制御部30がその値を常に認識できる設定としておけば、この衝突可能性に関する判定を行うことが可能である。また、光源11、12と撮像部20とのなす平面(基準面)が海面と平行である必要はない。
図6は、図4に示された画像中において、障害物100が高さHを一定に保ちながら遠方から近づく際の輝点112(障害物100と照射光111のなす面との交点)の動きを説明する図である。ここでは、単純化のために照射光111(光源11)だけがある場合について考えるが、照射光121がある場合にはこの左右対称の結果となる。この画像における縦軸はθに対応し、横軸はφに対応する。障害物100までの水平距離をR、障害物100の基準面からの高さをH(一定)とすると、Rの変化に伴ってtanθ=H/Rとなるようにθは変化する。従って、図6に示されるように、画像中における障害物100は、遠方では基準面の近くでその高さの変化率は小さく、近づくにつれてその高さの変化率は大きくなっている。これに対して、照射光111の波面は、図示されるように、この画像中を右下側から左上側にほぼ等速度で進行する。従って、この画像中における輝点112は、図示されるように、左下から右上に向かって移動する。この画像中における輝点112の座標よりθ、φが求まる。θ、φが求まれば、撮像部20からθ、φの方向に延びる直線と、照射光111のなす平面との交点が輝点112の空間的位置となる。照射光111のなす平面が予めわかっている場合には、この空間的位置は算出が可能である。すなわち、照射光111と、図2の構成で配置された撮像部20を用いて、輝点112の空間的位置、すなわち、障害物100の空間的位置を算出することが可能である。
制御部30は、障害物100に関して得られた情報であるH、Rを、表示部(図示せず)に表示させることによって、この移動体の運転者に知らせる。また、障害物100の高さHが一定であるとすると、制御部30は、H>Hであった場合には、障害物100と移動体とは衝突しないと判定する。移動体が船舶である場合、問題となる大きな障害物は橋梁や電線等の固定物である場合が多いため、大部分の場合にHは一定であると考えることができる。また、制御部30には、この障害物検知装置10が搭載された船舶の速度のデータも入力される。H≦Hであった場合、制御部30は、障害物100までの距離Rとこの速度との関係より、現在の速度が維持された場合における衝突までの時間を算出する。制御部30は、これらの情報も、表示部によって、この移動体の運転者に通知することが可能である。また、音や光等で警告することも可能である。
障害物100の空間的位置算出の精度を高めるためには、輝点112の認識が容易となるように、照射光111のなす面が図6の画像において充分な面積で認識できることが必要である。このためには、光源11と撮像部20の距離を大きくとることが好ましい。また、輝点112の認識を容易とするために、撮像部20の入射側に、照射光111と同じ波長の光を選択的に透過させる光学フィルターが設けられているが、背景光が弱く輝点112の認識が容易である場合には、光学フィルターを設ける必要はない。
また、照射光121(光源12)がある場合にも、照射光121のなす面と障害物100の交点として輝点122が観測される。輝点122は、輝点112と左右対称の軌跡で移動する。従って、これを用いても同様の解析が可能である。
ただし、左右対称に配置した光源11、12(照射光111、121)を同時に用いることによって、この解析を特に容易に行うことができる。照射光111、121が共に用いられた際の輝点112(白丸)、122(黒丸)の動きを図7に示す。この画像において、認識された輝点112、122の水平方向の間隔L、原点の高さから見た輝点112、122の高さhを解析することによって、障害物100の位置を知ることができる。また、照射光111、121が広がる方向における原点と輝点112、122間の間隔a(図6参照)はLと比例するために、同様に用いることができる。この軌跡の交点(L=0となる点)がQに対応し、障害物100がこれよりも遠い(図5中の左側にある)場合と、これよりも近い(同じく右側にある)場合とで、輝点111と輝点121の画像上での左右の位置関係は逆転する。このように、特に2つの光源11、12を同時に用いる場合には、ある所定時間内において時々刻々撮像部20の得た画像を、重ね合わせて表示することにより、図7に示されるような画像が得られる。この画像を表示部で表示することにより、障害物100に関する情報を、船舶(移動体)の運転者が視覚的に認識することが可能である。また、この画像中では輝点112、122は点ではなくその軌跡が線として認識されるため、輝点の動きがより鮮明になる。例えば、ある時刻において輝点が鮮明に認識できなかった場合には、この画像におけるこの軌跡を曲線近似したデータを用いることにより、H、Rの算出精度を高めることができる。なお、図4、図7中において、実際には、水面による照射光111、121の乱反射光も左右両側に見える。しかしながら、これらは基準面200よりも下側となるため、輝点112、122との識別は容易である。
図5(a)より明らかなように、障害物100と交線Kが交わる点Qの位置は、障害物100の存在する高さ(基準面からの高さ)Hによって決まり、この時のθ(h)はこの際の光源と障害物100までの水平距離Rと、障害物100の高さHで決まる。従って、照射光111、121の照射条件が予めわかり、交線Kの空間的位置がわかっていれば、画像中において輝点112、122が交差する点のhより、この時点での光源11、12からこの点Qまでの水平距離Rと障害物100の高さHを算出することが可能である。Hがわかり、これが一定であれば、その後で障害物100が更に接近した際にも、画像上における輝点112、122間の距離Lから、障害物100までの水平距離を算出することは容易である。
従って、船舶に衝突する可能性のある高さにある(H≦H)障害物100に対して点Qが充分遠方となるように照射光111、121の照射条件を設定すれば、衝突が起こるよりも充分前に障害物100までの距離とその高さを検出することができる。その後においても、障害物までの距離を算出することが可能である。従って、例えば進行中の船舶がこの障害物検知装置10を搭載すれば、進行方向にある障害物を検知し、移動体がそのままの進路で進んだ場合にこの障害物と衝突するか否かの判定をすることが容易である。特に、この障害物として、レーダー等では検知が困難である線状のもの、例えば電線等を容易に検知することができる。
上記の例では、単純化のために、障害物100を、進行方向に垂直かつ水平方向に延びる直線形状であるとしたが、障害物100のなす角度がこれとずれていた場合であっても、画像上の2つの輝点112、122の相対的位置関係の変化は、上記と同様である。また、画像における各輝点の高さが障害物100における輝点の位置に対応することも明らかである。従って、同様に障害物100を検知することが可能である。また、こうした場合には、2つの光源を用いることが特に有効であることも明らかである。
また、上記の例では、障害物100を線状としたが、これが面状であっても認識できることは明らかである。この場合、輝点112、122の代わりに2つの輝線(明るい線)が認識される。この2つの輝線が交差した箇所が画像上で認識できれば、この箇所(点Q)に対応する高さ及び距離が上記と同様に認識される。すなわち、輝点に限らず、乱反射光で光る領域を撮像部20で得られた画像中で認識できれば、上記と同様に、障害物までの距離を認識することができる。
また、例えば、線状の障害物100が、例えば一方の照射光のなす面と平行に近い角度で存在する場合には、この照射光による輝点が画像範囲内で得られないことがある。しかしながら、2つの光源を用いれば、他方の照射光による輝点が得られるため、空間的位置の算出は可能となる。
上記の構成においては、照射光111、121は、通常用いられる測距用のパルスレーザー光である必要はなく、連続光でよい。従って、レーザー光を面状に発振することのできる光源であれば、光源11、12として用いることができる。撮像部20としては、照射光111、121の波長を検出でき、輝点を認識できる解像度をもつものを用いることができる。従って、単純で安価な構成でこの障害物検知装置10を得ることができる。この際、特に障害物検知の必要性が高い夜間においては、輝点の認識が容易であるため、この障害物検知装置10は特に有効である。
この構成においては、例えば、光源11、12を船舶(移動体)の中心に配置し、その背後に距離をとって撮像部20を配置する。こうした構成は、進行方向に細長い形状をもつ船舶に好適である。
(第2の実施の形態)
光源11、12と撮像部20の配置は、この他にも複数の組み合わせが存在する。図8は、光源11と光源12を左右方向に配置し、これらの中間に撮像部20を配置した構成をとった場合を示す。照射光111、121は前記の例と同様に交差する設定とされる。図9は、この場合の照射光111、121を、上方から下方に向かって見た場合(a)、左方から右方に向かって見た場合(b)、後方から前方に向かって見た場合(c)について見た場合の形状である。
この場合において、撮像部20が前方を見た場合の画像を概念的に示したのが図10であり、前記の例の図4に対応している。輝点112、122は、それぞれ照射光111、121と障害物100との交点となる。この画像において、撮像部20から見たθ=φ=0の方向を原点とすると、光源11、12はこの画像範囲外となっている(図10では便宜上光源11、12を画像範囲のすぐ外側に記載したが、厳密には、光源11、12は左右に相当の距離をおいて離れている)が、照射光111、121は、それぞれ左右の外側から反対側に向かって照射されているため、この画像範囲内となっている。従って、第1の実施の形態(図4)と同様に、輝点112、122間の距離L、高さhが定義される。
この構成において、前記の場合の図6と同様の解析を行った結果を図11に、輝点112、122の軌跡を図12に示す。この場合においても、前記と同様に、輝点112、122の軌跡は途中で交差し、この交点Qの画像中での位置(h)を認識することにより、交点Qの空間的位置(水平距離R)を認識することができる。
図11より、この構成の場合には、障害物100が遠距離にある場合のφの変化率が小さくなる。このため、θの変化率が小さくなることと相まって、図12における輝点の軌跡は、図7における場合よりも直線性が高くなるが、定性的傾向は同様である。従って、第1の実施の形態と同様にして、障害物100までの距離を算出することができる。この際、図11と図6の比較から明らかなように、第2の実施の形態の場合には、照射光が画像中に映る範囲が広くなるために、輝点の検出が特に容易である。従って、制御部30は、障害物100の高さH、障害物100までの距離Rを認識することができ、第1の実施の形態と同様に、衝突可能性の判定をすることが可能である。
なお、障害物が直線状ではない場合や、面状である場合においても有効である点等については、第1の実施の形態の場合と同様である。
この構成においては、例えば、光源11、12を船舶(移動体)の左舷、右舷に配置し、その中間に撮像部20を配置する。こうした構成においては、撮像部20の視野に船舶の構成物が入る可能性が低くなるため、輝点の認識が容易となり、安定して障害物100を認識することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に光源11、12を同一箇所に設置し、独立した撮像部として、撮像部201をもう1台用い、2台の撮像部を光源の左右に配置する。図13は、この構成の概要を示す図である。照射光111、121が同様であるため、この場合における輝点112、122の位置は第1の実施の形態と同様である。従って、各々の撮像部で得られた画像中における輝点の位置から、輝点の空間的位置、すなわち、障害物100の空間的位置を算出することができる。
異なるのは、照射方向に向かって左側にある撮像部20と、右側にある撮像部201によって異なる画像が得られることである。この際、この2つの画像においては視差が生じているため、各画像中での輝点の位置からも輝点の空間的位置に関する情報が得られる。
この場合において撮像部20によって得られる輝点112、122の軌跡の画像を図14(a)に、撮像部201によって得られる輝点112、122の軌跡の画像を図14(b)にそれぞれ示す。この結果は、第1の実施の形態における画像をそれぞれ左右にずらした形状である。この場合においては、輝点のθはどちらの撮像部でも同一の値が得られるが、交点Qはどちらの撮像部から見ても中心(φ=0)とはならず、それぞれにおいて左右にずれる。従って、これらの画像を重ね合わせた画像は図15の通りとなる。
この場合に、撮像部20から見た輝点112の方向を、(φ、θ)とし、撮像部201から見た輝点112の方向を(φ、θ)とすると、θ=θ=θである。図14(a)(b)中における縦軸はθ、横軸はそれぞれφ、φに対応し、図15中のDLは|φ−φ|に対応する。従って、第1、第2の実施の形態の場合に加えて、更にDLも空間的位置の算出に用いることができるため、輝点112、122の空間的位置の算出の精度が更に高まり、その算出も容易となる。
この構成においては、例えば、光源11、12を船舶の中央に配置し、左舷、右舷に撮像部20、201を配置する。こうした構成においては、撮像部20、201の視野に光源11、12自身は入らず、移動体(船舶)の構成物が入る可能性も低くなる。このことも、輝点の空間的位置算出の精度を更に高めることに寄与する。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態においては、光源11、12、及び撮像部20を同一箇所に設置する。ここで、これらを空間的に厳密に同一箇所に設置することは実際には困難であるため、同一箇所にあるとは、撮像部20で得られる画像やこれにより得られた結果において、これらの空間的位置のずれが無視できる状態であることを意味する。図16は、この構成の概要を示す図である。照射光111、121(光源11、12)が同様であるため、この場合における輝点112、122の空間的位置は第1の実施の形態と同様である。
この場合において撮像部20で得られる画像を概念的に示したのが、図17である。この場合には、光源11、12、撮像部20が同一箇所にあるために、光源11、12から見た障害物100(輝点112、輝点122)の方向と、撮像部20から見たこれらの方向とは完全に等しくなる。従って、第1の実施の形態(図4)、第2の実施の形態(図10)等とは異なり、照射光111、照射光122のなす面は、この画像中では面としては認識されず、線として認識される。
従って、撮像部が光源と距離をおいて設置された第1〜第3の実施の形態とは異なり、この画像における輝点の位置からその空間的位置を算出することは困難である。第1〜第3の実施の形態においては、各輝点のφ、θが求まれば、この方向に向かう直線と、照射光111等のなす面との交点が一義的に定まり、この交点として各輝点の空間的位置を認識することができた。これに対し、第4の実施の形態においては、φ、θの方向に向かう直線は必ず照射光111のなす面に含まれるために、交点が一義的に定まらず、第1〜第3の実施の形態と同様には輝点の空間的位置を認識することができない。これは、光源12(照射光121)を同時に用いた場合であっても同様である。
しかしながら、この場合であっても、画像上の輝点の動きから、障害物100との衝突の可能性の有無のみの判定をすることは可能である。以下にその原理につき説明する。図18は、高さが異なる2つの障害物101(高さH)、102(高さH:H>H)にこの障害物検知装置10(光源11、12、撮像部20)が右側から接近する場合を照射方向の左側から見た図である。この場合、障害物101に対する仰角はθ、障害物102に対する仰角はθとする。また、光源11、12等が搭載された船舶の構成物(例えばマスト)の基準面からの最大高さをHとし、H>H>Hとする。従って、障害物101は船舶の構成物に衝突し、障害物102は衝突せず、危険領域は図18の右側に示された灰色の矩形領域となる。
この図においては、撮像部20で得られた画像においては、障害物101がAの位置にある場合の仰角θと、障害物102がAの位置にある場合の仰角θは共にθとなり、図17の画像中においては区別ができない。障害物101がBの位置にあり、障害物102がBの位置にある場合(仰角θ:θ>θ)の場合も同様である。なお、光源11と11を用いた場合の輝点が交差する際の場所Q、Qの区別も同様に不可能である。
しかしながら、仰角がθからθに変化する間に、水平方向において、障害物101はDだけ移動し、障害物102はDだけ移動する。図18より、D>Dである。一方、図1の構成においては、制御部30には速度計40が接続され、現在の船舶の速度を認識することができる。従って、この速度のデータを元にして、仰角がθからθに変化した際の移動距離が算出できる。この移動距離を元にして、障害物101、102の高さを算出することが可能である。
また、単に障害物との衝突の有無を予測するだけなら、高さ算出の精度が高いことは必ずしも必要ではない。図19は、障害物101、102が接近する際の撮像部20から得られた画像における輝点112、122の動きを示す。前記の通り、各輝点は直線上を移動し、この画像中の各輝点の位置だけからは、障害物101、102の空間的位置は算出できない。しかしながら、この図中における輝点の縦方向座標h、あるいは直線上の変位量Δaの変化を時間と共に見た場合、障害物101の場合と、障害物102の場合とでは、その変化率が大きく異なる。ここで、輝点は直線上を動くため、hとΔaは常に比例関係となるため、その時間的変化は同様である。障害物101、102が近づく場合のh、Δaの時間変化を図20に示す。ここで、船舶は等速度運動で障害物101、102に接近しているものとする。前記の通り、仰角θ(hあるいはΔa)が障害物101と障害物102で同じ量だけ変化した場合に、実際の水平移動距離は、障害物102の場合(高い場合)が大きい。すなわち、横軸に時間をとった場合には、h(Δa)の変化率は、障害物が高いほど小さい。高さがHである障害物が存在する場合におけるh(Δa)の時間変化は、船舶の速度が予めわかっている場合には、容易に算出が可能である。このため、実際のh(Δa)の時間変化率と、高さがHである障害物が存在する場合の時間変化との比較をすることにより、H≦Hである(衝突する可能性がある)か、H>Hである(衝突の可能性がない)かの判定をすることが可能である。
従って、撮像部20で得られた画像中の輝点の位置の時間的変化を調べた図20のグラフにおいて、変動率が大きな場合には衝突する可能性が高い(障害物が低い位置にある)と判定することが可能である。すなわち、輝点の空間的位置を正確に得なくとも、この特性だけから、簡易的に衝突の可能性の有無だけを判定することができる。
第4の実施の形態においては、光源11、12と撮像部20とを同一箇所に設置するために、障害物検知装置10を小型化することができる。従って、特に小型の船舶に好適である。この際、撮像部20で得られた画像中の輝点の位置の動きを調べることによって、衝突可能性の有無を簡単に調べることができる。
なお、第1〜第4の実施の形態において、2つの光源を用いていたが、前記の通り、原理的には面状の照射光を照射する光源であれば、これを一つだけ用いても、同様に障害物の空間的位置を算出することができる。ただし、2つ用いた場合の方が、この算出を高精度かつ容易に行うことができる。また、面状の照射光の傾いた角度を短時間の内に変えて照射し同様に障害物の空間的位置を算出すること、障害物の遠近等の状況に応じて照射光の傾いた角度を変え障害物の空間的位置を算出することもできる。
また、例えば照射光111、121の波長を変えることによって、輝点112、122の画像中での識別ができることが好ましいが、特に画像中における輝点の時間変化を調べる場合には、2つの輝点が分離して識別できれば充分であり、個々の輝点がどちらの照射光によるものかを識別する必要はない。従って、照射光111と照射光121の波長を変える必要はない。逆に、輝点112、122を画像中で識別する場合には、照射光111、121の波長を変えること以外の方法を用いることもできる。例えば、輝点の動きに対して充分速い速度で照射光111、121を点滅させ、その点滅速度を変えてもよい。すなわち、輝点112、122を識別するための方策は任意である。
上記の障害物検知装置及び障害物検知方法は、上記の通り、船舶等の移動体が進行する際の障害物を検知するために有効に用いられる。しかしながら、船舶以外にも、レーダー等で検知が困難な電線等の障害物を検知する飛翔体、例えばヘリコプター等においても有効である。あるいは、地上における車両等においても有効であることは明らかである。
10 障害物検知装置
11、12 光源
20、201 撮像部
30 制御部
40 速度計
100、101、102 障害物
111、121 照射光
112、122 輝点(乱反射光によって光る領域)

Claims (14)

  1. 移動体に搭載され、照射光を障害物に向かって照射することによって前記障害物を認識し、前記障害物と前記移動体との衝突可能性を判定する障害物検知装置であって、
    鉛直方向に対して傾いた角度をなす面状に発散する照射光を発する光源と、
    前記照射光によって照射された前記障害物からの乱反射光を含む画像を取得する撮像部と、
    前記画像のデータ中において、前記障害物が前記乱反射光によって光る領域の位置を解析することにより前記障害物の高さを算出し、前記移動体の最大高さとの関係から前記障害物と前記移動体との衝突可能性を判定する制御部と、
    を具備することを特徴とする障害物検知装置。
  2. それぞれの発する前記照射光が前記画像中において交差する設定とされた2つの前記光源を具備することを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
  3. 2つの前記光源が同一箇所に設置されたことを特徴とする請求項2に記載の障害物検知装置。
  4. 前記撮像部は、2つの前記光源と同じ箇所に設置されたことを特徴とする請求項3に記載の障害物検知装置。
  5. 前記撮像部は、前記光源と距離をおいて設置されたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の障害物検知装置。
  6. 前記撮像部は、前記移動体の進行方向に対して前記光源よりも後方に設置されたことを特徴とする請求項5に記載の障害物検知装置。
  7. 前記移動体の進行方向に対して垂直な方向において、2つの前記光源が設置された箇所の両側に2つの前記撮像部を具備し、
    前記制御部は、前記2つの撮像部によって得られた2つの画像間における前記障害物が前記乱反射光で光る領域の位置のずれより、前記障害物と前記移動体との衝突可能性を解析することを特徴とする請求項2に記載の障害物検知装置。
  8. 前記移動体の進行方向に対して垂直な方向に距離をおいて2つの前記光源がそれぞれ設置され、
    前記撮像部が前記2つの光源の間に設置されたことを特徴とする請求項2に記載の障害物検知装置。
  9. 前記制御部は、前記画像のデータ中において、前記乱反射光によって光る領域の位置を解析することにより、前記移動体から前記障害物までの距離を算出することを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の障害物検知装置。
  10. 前記移動体の速度を検知して前記制御部に出力する速度計を具備し、
    前記制御部は、前記速度を元にして、前記障害物と前記移動体との衝突するまでの時間を算出することを特徴とする請求項9に記載の障害物検知装置。
  11. 所定時間内における前記画像中における前記乱反射光によって光る領域の軌跡を表示する表示部を具備することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の障害物検知装置。
  12. 前記照射光と同一波長の光を選択的に透過させる光学フィルターが、前記撮像部の入射側に設置されたことを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の障害物検知装置。
  13. 前記光源及び前記撮像部が姿勢安定手段上に搭載されたことを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の障害物検知装置。
  14. 移動体から照射光を障害物に向かって照射することによって前記障害物を認識し、前記障害物と前記移動体との衝突可能性を検知する障害物検知方法であって、
    鉛直方向に対して傾いた角度をなす面状に発散する照射光を前記移動体から照射し、
    前記照射光によって照射された前記障害物からの乱反射光を含む画像を取得し、
    前記画像のデータ中において、前記障害物が前記乱反射光で光る領域の位置を解析することにより、前記障害物と前記移動体との衝突可能性を判定することを特徴とする障害物検知方法。
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