JP2011162625A - タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2011162625A
JP2011162625A JP2010025435A JP2010025435A JP2011162625A JP 2011162625 A JP2011162625 A JP 2011162625A JP 2010025435 A JP2010025435 A JP 2010025435A JP 2010025435 A JP2010025435 A JP 2010025435A JP 2011162625 A JP2011162625 A JP 2011162625A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
mass
modified
rubber component
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010025435A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5362606B2 (ja
Inventor
Shinya Yamamoto
進弥 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2010025435A priority Critical patent/JP5362606B2/ja
Publication of JP2011162625A publication Critical patent/JP2011162625A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5362606B2 publication Critical patent/JP5362606B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】ロールへの密着を抑えつつ、ウェットグリップ性と低温性能のバランスを改良する。
【解決手段】ジエン系ゴムをゴム成分としたタイヤトレッド用ゴム組成物において、該ゴム成分は、ポリブタジエンゴムを10〜50質量%含むとともに、ヘテロ原子を含む官能基が導入されてなる変性スチレンブタジエン共重合体ゴムを含み、かつ、前記ゴム成分のガラス転移温度(Tg)の平均値が−50℃以下であり、そして、前記ゴム成分100質量部に対してロジン変性マレイン酸樹脂を0.5〜10質量部配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤのトレッドに用いられるタイヤトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤ、とりわけオールシーズン用タイヤのトレッドに用いられるゴム組成物には、湿潤路面に対する優れたグリップ性能(ウェットグリップ性)だけでなく、冬場でも硬くなりにくくグリップ性能が悪化しないこと、即ち低温性能が求められる。
従来、ウェットグリップ性を向上させるための手法として、例えば、充填剤及びオイルの配合量を増やすことでヒステリシスロスを増加させる手法や、スチレン含有率が高くガラス転移温度(Tg)の高いスチレンブタジエン共重合体ゴムを用いる手法などがある。しかしながら、充填剤及びオイルの配合量を増加したり、高Tgのポリマーを用いると、耐摩耗性の悪化や低温性能の悪化がみられる。そのため、これらの手法では、ウェットグリップ性と低温性能を両立させることはできない。
一方、ゴム組成物に粘着付与剤を配合することが知られており、下記特許文献1に開示されているように、従来、粘着付与剤であるロジンエステルは、タイヤトレッドの耐カット性を改良するために配合させている。
また、従来、粘着付与剤をグリップ性能向上のために配合することも知られており、例えば、下記特許文献2には、スチレン含量が10〜50質量%のスチレンブタジエン共重合体ゴムに、スチレン含量が25〜70質量%の水添スチレンブタジエン共重合体ゴムと、ロジン系樹脂などの粘着性樹脂を配合することが開示されている。下記特許文献3には、低温域と高温域の両方で高いグリップ性能を発揮するために、スチレン含量が20〜60質量%のスチレンブタジエン共重合体ゴムを含むゴム成分に、凝固点が−25℃以下の可塑剤と、軟化点が50〜150℃の樹脂(例えば、マレイン酸樹脂)とを組み合わせて配合することが開示されている。
なお、下記特許文献4には、スタッドレスタイヤに用いられるゴム組成物において、ジエン系ゴムに、シリカ及び熱膨張性マイクロカプセルとともに、酸価40以上の樹脂を配合することが開示されている。この文献には、前記樹脂の一例としてロジン変性マレイン酸樹脂が列挙されているものの、該樹脂はシリカ配合に伴うシュリンクによる加工性の悪化を改善するために用いられている。
特開平10−287768号公報 特開2003−253051号公報 特開2004−137463号公報 特開2006−152021号公報
上記のように従来、粘着付与剤をグリップ性向上のために配合することは知られていたものの、ポリブタジエンゴムと変性スチレンブタジエン共重合体ゴムとを含む低Tgのジエン系ゴム配合に、ロジン変性マレイン酸樹脂を用いることにより、粘着付与剤のデメリットであるロールへの過度の密着を抑えつつ、ウェットグリップ性と低温性能のバランスを向上させることは知られていなかった。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、ロールへの過度の密着を抑えつつ、ウェットグリップ性と低温性能のバランスを改良することができるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に鑑み、粘着付与剤使用によるウェットグリップ性と低温性能のバランス改良を鋭意検討していく中で、ポリブタジエンゴムと変性スチレンブタジエン共重合体ゴムを含む低Tgのジエン系ゴム配合に、ロジン変性マレイン酸樹脂を配合することにより、粘着付与剤のデメリットであるロールへの過度の密着を抑えつつ、ウェットグリップ性と低温性能のバランスを大幅に改良できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴムをゴム成分とし、該ゴム成分は、ポリブタジエンゴムを10〜50質量%含むとともに、ヘテロ原子を含む官能基が導入されてなる変性スチレンブタジエン共重合体ゴムを含み、かつ、前記ゴム成分のガラス転移温度(Tg)の平均値が−50℃以下であり、そして、前記ゴム成分100質量部に対してロジン変性マレイン酸樹脂を0.5〜10質量部含有するものである。
本発明に係る空気入りタイヤは、かかるゴム組成物を用いてなるトレッドを備えたものである。
本発明によれば、ロールへの過度の密着を抑えつつ、ウェットグリップ性と低温性能のバランスを大幅に改良することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴムをゴム成分とし、ロジン変性マレイン酸樹脂を配合してなるものであり、前記ゴム成分は、ポリブタジエンゴム(BR)と、ヘテロ原子を含む官能基が導入されてなる変性スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)とを含んでなる。
前記ポリブタジエンゴム(BR)としては、特に限定するものではないが、シス−1,4結合含有量が92%以上であるハイシスタイプのポリブタジエンゴムを用いることが好ましい。ハイシスタイプであると、低温領域においてポリマーが結晶化してゴム弾性率が上昇することを抑えることができ、低温性能を更に向上することができる。なお、シス−1,4結合含有量は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定される値である。
前記ポリブタジエンゴムは、ゴム成分中に占める比率として10〜50質量%にて配合される。ポリブタジエンゴムの比率が10質量%未満では、低温性能を確保することが難しくなる。逆に、ポリブタジエンゴムの比率が50質量%を超えると、変性スチレンブタジエン共重合体ゴムの配合量が少なくなったり、ガラス転移温度が低くなりすぎて、ウェットグリップ性を損なうおそれがある。ポリブタジエンゴムのゴム成分中に占める比率は、より好ましくは20〜40質量%である。
前記変性スチレンブタジエン共重合体ゴムは、ヘテロ原子を含む官能基が導入されたスチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)であり、該官能基はスチレンブタジエン共重合体ゴムのポリマー末端に導入されていてもよく、あるいはまたポリマー鎖中に導入されてもよい。かかる変性SBRを用いることにより、ロジン変性マレイン酸樹脂の官能基との相互作用により、マトリックスゴム中でのロジン変性マレイン酸樹脂の分散性が向上するものと推測され、ウェットグリップ性と低温性能のバランスを向上することができる。
上記官能基としては、ヘテロ原子を含むものであれば特に限定されないが、水酸基(−OH)、アミノ基、カルボキシル基(−COOH)、アルコキシル基(−OR、但し、Rはアルキル基)、エポキシ基、シアノ基(−CN)、ハロゲン等が挙げられ、これらはそれぞれ1種のみ導入されてもよく、あるいはまた、2種以上組み合わせて導入されてもよい。これらの中でも、特に好ましい官能基は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシル基である。上記アミノ基としては、1級アミノ基だけでなく、2級もしくは3級アミノ基でもよい。また、アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。更に、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、塩素、臭素が好ましい。
このような官能基を有する変性SBR自体は公知であり、その製造方法等は限定されるものではない。例えば、アニオン重合で合成されたSBRを変性剤で変性することで、上記官能基を導入してもよく、あるいはまた、上記官能基を有する単量体を、ベースポリマーを構成する単量体であるスチレン及びブタジエンとともに共重合することでポリマー鎖に導入してもよい。
変性SBRとしては、特に限定するものではないが、溶液重合SBR(S−SBR)であることが好ましい。また、そのガラス転移温度(Tg)が−70〜−10℃であることが好ましく、より好ましくは−60〜−20℃である。更に、スチレン含量(St)が5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜40質量%である。なお、ガラス転移温度は、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)法により、昇温速度:20℃/分にて(測定温度範囲:−150℃〜50℃)測定される値である。スチレン含量は、HNMRスペクトルの積分比により算出される値である。
変性SBRのゴム成分中に占める比率は、10〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜60質量%である。変性SBRの比率が少なすぎると、ロジン変性マレイン酸樹脂との相互作用によるウェットグリップ性と低温性能のバランス向上効果が不十分となるおそれがある。
ゴム成分には、上述したポリブタジエンゴム及び変性SBR以外の他のジエン系ゴムが第3のポリマー成分として配合されてもよい。そのような第3のポリマー成分としては、例えば、未変性のスチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体、またはこれらの2種以上の組み合わせ等が挙げられ、特に限定されない。好ましくは、未変性SBRを用いることである。
上記ゴム成分は、ガラス転移温度(Tg)の平均値が−50℃以下である。このようなTgの平均値が低く、軟らかいポリマー系に、ロジン変性マレイン酸樹脂を配合することにより、変性SBRを用いることによる上記効果と相俟って、ウェットグリップ性と低温性能のバランスを有利に改良することができる。Tgの平均値は、−80〜−50℃であることが好ましく、より好ましくは−70〜−55℃であり、更に好ましくは−65〜−55℃である。ここで、Tgの平均値は、下記式(1)により求められる値である。
Figure 2011162625
上記ゴム成分に配合するロジン変性マレイン酸樹脂としては、ロジン−マレイン酸付加物と多価アルコールから得られるポリエステル樹脂を用いることができる。より詳細には、ロジン(アビエチン酸、ピマール酸、コロフェン酸等を主成分とする天然樹脂)とマレイン酸(一般には、無水マレイン酸)のディールス−アルダー反応による付加物に、多価アルコールを加え加熱縮合させることにより得られるものが挙げられる。なお、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
ロジン変性マレイン酸樹脂の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜10質量部である。この配合量が少なすぎると、ウェットグリップ性と低温性能のバランス改良効果が不十分となり、特にウェットグリップ性の改良効果が損なわれるおそれがある。逆に配合量が多すぎると、低温性能を損なうおそれがある。ロジン変性マレイン酸樹脂のより好ましい配合量は、ゴム成分100質量部に対して3〜8質量部である。
ロジン変性マレイン酸樹脂の軟化点としては、特に限定されないが、70〜150℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは80〜120℃である。軟化点が高すぎると、初期グリップ性能を十分に向上させることが難しくなり、逆に、軟化点が低すぎると、発熱後のグリップ性能を十分に向上させることが難しくなる。ここで、軟化点は、JIS K2207に準拠した環球落下法にて測定される値である。
ロジン変性マレイン酸樹脂の市販品としては、例えば、ハリマックR−80(軟化点=80〜90℃)、ハリマックT−80(軟化点=80〜90℃)、ハリマックR−100(軟化点=100〜110℃)、ハリマックM−453(軟化点=100〜110℃)、ハリマック145P(軟化点=135〜145℃)(以上、ハリマ化成株式会社製)等が好ましいものとして挙げられる。
本発明に係るゴム組成物には、充填剤としてシリカが配合されることが好ましい。シリカを用いることによりウェットグリップ性を向上することができる。特に本発明では、上記のようにゴム組成分に変性SBRを用いているため、その官能基とシリカのシラノール基との相互作用によりシリカの分散性をも向上することができ、その特性を効果的に発揮することができる。
シリカとしては、特に限定されず、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも湿式シリカが好ましい。シリカのコロイダル特性は特に限定しないが、BET法による窒素吸着比表面積(BET)150〜250m/gであるものが好ましく用いられ、より好ましくは180〜230m/gである。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に準拠し測定される。
シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して40質量部以上であることが好ましく、より好ましくは40〜150質量部、更に好ましくは50〜100質量部である。なお、シリカを配合する場合、シランカップリング剤を配合することが好ましく、シランカップリング剤は、シリカ100質量部に対して5〜15質量部で用いることが好ましい。
充填剤としては、シリカに加えて、カーボンブラックを併用してもよく、通常はタイヤへの色付けのためにカーボンブラックが併用される。カーボンブラックの配合量は、特に限定するものではないが、ゴム成分100質量部に対して30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量部である。
本発明に係るゴム組成物には、上述した各成分の他に、オイル、ステアリン酸、亜鉛華、老化防止剤、ワックス、加硫促進剤、加硫剤、加硫助剤など、タイヤのトレッド用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
上記ゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやロール、ニーダー等の混合機を用いて混練し作製することができる。得られたゴム組成物は、各種空気入りタイヤのトレッドに用いることができ、常法に従い加硫成形することにより、該トレッドを備えた空気入りラジアルタイヤを作製することができる。適用するタイヤとしては、乗用車用タイヤ、トラックやバスなどの重荷重用タイヤなど、特に限定するものではないが、より好ましくは、優れたウェットグリップ性とともに冬場での低温性能も要求されるオールシーズン用タイヤに用いることである。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従って、常法に従いゴム組成物を調製した。詳細には、まず第一混合段階で、ジエン系ゴムに対し、硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して、ゴム組成物を調製した。表1中の各成分は以下の通りである。なお、下記ゴム成分のうち油展ゴムについては、表1中の配合量はポリマー成分としての質量部であり、表1中の「オイル」の配合量は、油展分で配合されるオイルを含む合計量である。
・BR:JSR株式会社製「BR01」(Tg=−102℃、シス−1,4結合含有量=95%)
・変性SBR1:OH変性S−SBR、旭化成株式会社製「タフデンE580」(Tg=−32℃、St=36質量%、37.5質量部油展ゴム)
・変性SBR2:OH変性S−SBR、日本ゼオン株式会社製「Nipol NS616」(Tg=−25℃、St=21質量%)
・変性SBR3:アルコキシ基及びアミン変性S−SBR、JSR株式会社製「HPR340」(Tg=−58℃、St=10質量%)
・未変性SBR:乳化重合SBR(E−SBR)、JSR株式会社製「SBR1723」(Tg=−53℃、St=23.5質量%、37.5質量部油展ゴム)
・カーボンブラック:HAF、N339、東海カーボン株式会社製「シーストKH」
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールAQ」(BET=205m/g)
・シランカップリング剤:エボニック社製「Si69」
・オイル:株式会社ジャパンエナジー製「NC140」
・ロジン変性マレイン酸樹脂1:ハリマ化成株式会社製「ハリマックR100」(軟化点=100〜110℃)
・ロジン変性マレイン酸樹脂2:ハリマ化成株式会社製「ハリマックT80」(軟化点=80〜90℃)
・フェノール系粘着付与剤:アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、荒川化学工業株式会社製「タマノル510」
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックS−20」
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1種」
・老化防止剤:住友化学株式会社製「アンチゲン6C」
・ワックス:大内新興化学工業株式会社製「サンノックN」
・加硫促進剤1:三新化学工業株式会社製「サンセラーDM−G」
・加硫促進剤2:住友化学株式会社製「ソクシノールCZ」
・硫黄:鶴見化学工業株式会社製「粉末硫黄」
得られた各ゴム組成物について、ロール密着性を評価するとともに、160℃×30分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、ウェットグリップ性及び低温性能を評価した。各評価方法は次の通りである。
・ウェットグリップ性:JIS K6255に従いリュプケ式反発弾性試験を行い、23℃での反発弾性率を測定し、その逆数について比較例1の値を100とした指数(「比較例1の反発弾性率」×100/「各試験片の反発弾性率」)で示した。指数が大きいほど、反発弾性率が小さいことを示す。23℃での反発弾性率とウェットグリップ性には相関関係があり、反発弾性率が小さいほどウェットグリップ性に優れることは当業者によく知られたことである。従って、該指数が大きいほど、ウェットグリップ性に優れることを意味する。
・低温性能:東洋精機株式会社製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み±1%、温度−10℃における貯蔵弾性率E’を測定し、その逆数について比較例1の値を100とした指数(「比較例1のE’」×100/「各試験片のE’」)で示した。指数が大きいほど、貯蔵弾性率E’が小さく、従って低温時の接地面積が広く、低温性能に優れることを意味する。
・ロール密着性:ゴム組成物を混合した後、ゴムシートをロール練りし、その際のロールとの密着性を官能評価した。評価は、1〜5点の5段階で行い、数字が大きいほど、ロールとの密着性が低く、加工性が良好であることを意味する。
Figure 2011162625
結果は表1に示す通りであり、比較例1では、ロジン変性マレイン酸樹脂を配合したことにより、未配合の比較例2に対して、ウェットグリップ性の改良効果は認められたものの、その効果は小さく、また低温性能が悪化していた。一方、比較例3では、ロジン変性マレイン酸樹脂を配合する代わりに、ゴム成分としてBRと変性SBRを用いており、この場合、低温性能には改良効果が得られたものの、ウェットグリップ性が大きく損なわれていた。比較例4では、ウェットグリップ性の従来の改良手法として、充填剤とオイルの配合量を増量しており、この場合、ウェットグリップ性は改良されたものの、低温性能が損なわれており、両者のバランス向上という点では不満足なものであった。比較例5では、BRと変性SBRを含むゴム成分にロジン変性マレイン酸樹脂を配合したものであるが、ポリマーのTg平均値が高く、そのため、低温性能が大幅に悪化しており、ウェットグリップ性の改良代も僅かであった。比較例6では、ロジン変性マレイン酸樹脂の代わりに、粘着性の高いアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂を配合しており、この場合、ウェットグリップ性と低温性能のバランス向上効果が不十分であるだけでなく、ロール密着性が悪化していた。比較例7では、ゴム成分としてBRとSBRを併用した軟らかいポリマー系を採用し、更にロジン変性マレイン酸樹脂を配合したものの、変性SBRを用いていないため、ウェットグリップ性と低温性能のバランス向上効果は得られなかった。
これに対し、本発明に係る実施例では、BRを含みかつ変性SBRを含む軟らかいポリマー系にロジン変性マレイン酸樹脂を配合したことにより、ウェットグリップ性と低温性能のバランスが大幅に改良されていた。すなわち、ウェットグリップ性と低温性能の双方が向上するか、あるいはまた、いずれか一方の性能を維持しながら、他方の性能が顕著に向上していた。特に、実施例1〜3及び5であると、ウェットグリップ性の改良が顕著に見られ、従来のウェットグリップ性の改良手法と比べて、低温性能の悪化代が小さく、むしろ低温性能も向上していた。また、粘着付与剤使用時のデメリットであるロールへの密着性についても大きな悪化を抑えることができた。なお、実施例6については、変性SBR3が他のゴム成分に比べてシリカの分散性に優れることから、発熱が下がり、実施例1に比べてウェットグリップ性は低下したものの、低温性能が大幅に向上していた。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴムをゴム成分とし、該ゴム成分は、ポリブタジエンゴムを10〜50質量%含むとともに、ヘテロ原子を含む官能基が導入されてなる変性スチレンブタジエン共重合体ゴムを含み、かつ、前記ゴム成分のガラス転移温度(Tg)の平均値が−50℃以下であり、
    前記ゴム成分100質量部に対してロジン変性マレイン酸樹脂を0.5〜10質量部含有するタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 更に充填剤として、シリカを前記ゴム成分100質量部に対して40質量部以上含有する請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記官能基が、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、シアノ基、及びハロゲンから選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いてなるトレッドを備えた空気入りタイヤ。
JP2010025435A 2010-02-08 2010-02-08 タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Active JP5362606B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010025435A JP5362606B2 (ja) 2010-02-08 2010-02-08 タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010025435A JP5362606B2 (ja) 2010-02-08 2010-02-08 タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011162625A true JP2011162625A (ja) 2011-08-25
JP5362606B2 JP5362606B2 (ja) 2013-12-11

Family

ID=44593703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010025435A Active JP5362606B2 (ja) 2010-02-08 2010-02-08 タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5362606B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013036025A (ja) * 2011-07-14 2013-02-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物
JP2013154764A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ
JP2017031409A (ja) * 2015-08-05 2017-02-09 ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニーThe Goodyear Tire & Rubber Company 空気入りタイヤ
JP2017088814A (ja) * 2015-11-17 2017-05-25 横浜ゴム株式会社 ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2017088818A (ja) * 2015-11-17 2017-05-25 横浜ゴム株式会社 ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2017171707A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
JP2019093872A (ja) * 2017-11-22 2019-06-20 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
JP2019123760A (ja) * 2018-01-11 2019-07-25 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物
DE112018004472T5 (de) 2017-10-05 2020-05-28 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Kautschukzusammensetzung für Reifen und Luftreifen
EP3467020B1 (en) 2016-06-01 2020-10-28 Bridgestone Corporation Rubber composition and tire
CN113748027A (zh) * 2019-04-18 2021-12-03 米其林集团总公司 具有改进的滚动阻力和磨损的轮胎胎面

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005053963A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物
JP2007269259A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りラジアルタイヤ
JP2008291147A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物
JP2009051975A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物
JP2009242576A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The ジエン系ゴム組成物
JP2010013542A (ja) * 2008-07-03 2010-01-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤビードフィラー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2011057965A (ja) * 2009-08-10 2011-03-24 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2011057797A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005053963A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物
JP2007269259A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りラジアルタイヤ
JP2008291147A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物
JP2009051975A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物
JP2009242576A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The ジエン系ゴム組成物
JP2010013542A (ja) * 2008-07-03 2010-01-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤビードフィラー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2011057965A (ja) * 2009-08-10 2011-03-24 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2011057797A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013036025A (ja) * 2011-07-14 2013-02-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物
JP2013154764A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ
JP7039163B2 (ja) 2015-08-05 2022-03-22 ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー 空気入りタイヤ
JP2017031409A (ja) * 2015-08-05 2017-02-09 ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニーThe Goodyear Tire & Rubber Company 空気入りタイヤ
JP2017088814A (ja) * 2015-11-17 2017-05-25 横浜ゴム株式会社 ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2017088818A (ja) * 2015-11-17 2017-05-25 横浜ゴム株式会社 ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP7134587B2 (ja) 2016-03-18 2022-09-12 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
JP2017171707A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
EP3467020B1 (en) 2016-06-01 2020-10-28 Bridgestone Corporation Rubber composition and tire
DE112018004472T5 (de) 2017-10-05 2020-05-28 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Kautschukzusammensetzung für Reifen und Luftreifen
US11608425B2 (en) 2017-10-05 2023-03-21 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Rubber composition for tire, and pneumatic tire
JP2019093872A (ja) * 2017-11-22 2019-06-20 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
JP2019123760A (ja) * 2018-01-11 2019-07-25 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物
JP7151083B2 (ja) 2018-01-11 2022-10-12 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物
CN113748027A (zh) * 2019-04-18 2021-12-03 米其林集团总公司 具有改进的滚动阻力和磨损的轮胎胎面
CN113748027B (zh) * 2019-04-18 2023-06-09 米其林集团总公司 具有改进的滚动阻力和磨损的轮胎胎面

Also Published As

Publication number Publication date
JP5362606B2 (ja) 2013-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5362606B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013007025A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6385786B2 (ja) ゴム組成物の製造方法
JP2013036025A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP2005263998A (ja) 空気入りタイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2010242019A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7054631B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2007321046A (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5973266B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5860684B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法
JP2015218255A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2014031425A (ja) タイヤリムクッションまたはガムフィニッシング用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2007099932A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP6195706B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2014009300A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7159566B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP6804959B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5479015B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5518619B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5415813B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP5615746B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7322333B2 (ja) 冬用タイヤトレッド用ゴム組成物及び冬用タイヤ
JP2006307039A (ja) ゴム組成物およびそれからなる乗用車用ラジアルタイヤ
JP2021175767A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP2021172711A (ja) タイヤ用ゴム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130816

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130827

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5362606

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250