以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態では、本発明の入力装置及び入力制御プログラムとして、多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と称す)1を例に挙げて説明する。
MFP1は、コピー機能、FAX機能、スキャン機能、及び、プリンタ機能などの各種機能を有している。MFPのユーザは、タッチパネル17(図1参照)に設定される操作受付領域を操作することにより、操作受付領域に割り当てられている処理をMFP1に実行させることができる。操作受付領域は、タッチパネル17の検出領域171(図1(B)参照)内に、LCD16(図1参照)の表示面161(図1(B)参照)に表示される入力ボタン(本発明の表示情報に相当)に対応付けて設定される領域である。
[第1実施形態]
<電気的構成>
第1実施形態に係るMFP1の電気的構成について、図1(A)を参照して説明する。MFP1は、CPU10と、ROM11と、RAM12と、フラッシュメモリ14と、操作キー15と、LCD16(本発明の表示部に相当)と、タッチパネル17と、スキャナ20と、プリンタ21と、NCU23と、モデム24とを備える。
CPU10、ROM11、RAM12、及び、フラッシュメモリ14は、バスライン26を介して互いに接続されている。また、操作キー15、LCD16、タッチパネル17、スキャナ20、プリンタ21、NCU23、モデム24、及び、バスライン26は、入出力ポート27を介して互いに接続されている。
CPU10は、ROM11、RAM12、または、フラッシュメモリ14に記憶される固定値やプログラム、または、NCU23を介して送受信される各種信号に従って、MFP1が有している各機能の制御や、入出力ポート27と接続された各部を制御するものである。
ROM11は、MFP1で実行される制御プログラム111等を格納する書換不能なメモリである。CPU10は、制御プログラム111に従い、図3のフローチャートに示す接触回数計測処理、及び、図4のフローチャートに示す清掃制御処理を実行する。RAM12は、各種のデータを一時的に記憶するための書換可能な揮発性のメモリである。RAM12には、タッチパネル17により検出される、入力媒体の接触位置が記憶される。操作キー15は、MFP1に指示を入力するためのハードキーである。
LCD16は、液晶表示装置であって、タッチパネル17が重ねられる表示面161(図1(B)参照)を有し、その表示面161に画像を表示する。LCD16は、表示面161の下にバックライト装置を有している。バックライト装置は、電流の供給により発光して表示面161を照らし、表示面161の表示を見易くするためのものである。
タッチパネル17は、投影型静電容量方式のタッチパネルであって、その検出領域171(図1(B)参照)の全域が格子状に細かく区分けされ、区分けされた単位領域毎に電極を配設している。タッチパネル17の検出領域171に、ユーザの指などの入力媒体が接近または接触すると、入力媒体と電極との間で静電結合が生じ、検出領域1717に接触する入力媒体の接触面積に応じて、電極の静電容量変化が生じる。
タッチパネル17は、上下左右の向きを有しており、各単位領域には、それぞれ個別に、各単位領域を識別するための座標情報が付されている。タッチパネル17の表面に向かって左上の単位領域の座標情報を(0,0)として、右方向(図1(B)に示すX方向)及び下方向(図1(B)に示すY方向)に向かって値が連続するように座標情報(X,Y)が付されている。座標情報は、タッチパネル17の右方向及び下方向に向かうほど大きくなり、タッチパネル17の表面に向かって右上の単位領域の座標情報を(Xm,0)、左下の単位領域の座標情報を(0,Ym)、右下の単位領域の座標情報を(Xm,Ym)とする。タッチパネル17は、電極の静電容量変化が見られた単位領域の座標情報を、入力媒体が接触した接触位置として検出し、出力する。
タッチパネル17は、検出領域171内に、表示面161に表示される複数の入力ボタン31〜35(図1(B)参照)各々に対応付けて、複数の操作受付領域が設定される(本発明の設定手段に相当)。設定された各操作受付領域のうちのいずれかにおいて、入力媒体の接触が検出された場合、その操作受付領域に関連付けられた処理が実行される(本発明の実行手段に相当)。操作受付領域と、操作受付領域に関連付けられた処理とは、対応する入力ボタン31〜35に対応付けられてROM11に記憶されている。例えば、図1(B)において、コピーボタン31、スキャンボタン32、FAXボタン33、プリントボタン34は、それぞれコピー機能、スキャン機能、FAX機能、プリンタ機能が関連付けてROM11に記憶されている。図1(B)において、清掃モードボタン35は、後述する清掃制御処理(図4参照)が関連付けられてROM11に記憶されている。例えば、ユーザによるコピーボタン31に対応する操作受付領域の接触が検出された場合は、コピー機能が実行される。
タッチパネル17の検出領域171は、複数の単位領域からなる分割領域に分割されている。本実施形態において、図1(B)に示すタッチパネル17は、検出領域171がX方向に4等分及びY方向に3等分されることにより生成される12個の分割領域71〜82を有し、各分割領域71〜82の境界が破線で示されている。図1(B)において、分割領域71〜82の境界を示す破線は、説明の都合上図示したものであり、表示面161には表示されないものである。本実施形態において、分割領域71〜82は検出領域171が12等分された領域であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも2以上に分割されていればよい。また、分割領域71〜82の大きさは全て同じでなくてもよい。
本実施形態において、MFP1は、通常モード及び清掃モードの2つの動作モードが用意されている。通常モードは、入力媒体によって入力ボタン31〜35(図1(B)参照)に対応する操作受付領域が接触されることにより、コピー機能、スキャン機能、FAX機能、プリンタ機能などの各種機能が実行される状態である。本実施形態では、通常モードにおいて、ユーザによる清掃モードボタン35(図1(B)参照)の接触が検出された場合に、清掃モードへ移行される。通常モードでは、各分割領域71〜82がユーザの指などにより接触された接触回数が随時計測され、後述する接触回数メモリ142に記憶される。
清掃モードは、ユーザによるタッチパネル17の表面の清掃を補助する動作モードである。清掃モードにおいて、検出領域171は、無効領域と有効領域とに分割される。無効領域は、ユーザの指による接触回数に基づいて、汚れていると判断される分割領域が入力媒体により接触された場合にその分割領域に関連付けられた処理の実行を禁止する領域である。有効領域は、ユーザの指による接触回数に基づいて、汚れていないと判断される分割領域がその分割領域に関連付けられた処理を実行する領域である。本実施形態では、清掃モードの間、有効領域内の操作受付領域が入力媒体により接触された場合その操作受付領域に関連付けられた処理が実行され、無効領域内の操作受付領域が入力媒体により接触された場合、その操作受付領域に関連付けられた処理を実行しないようにCPU10により制御される(本発明の制御手段に相当)。
図1(A)に戻り説明する。スキャナ20は、FAX機能、スキャン機能、または、コピー機能の実行時に原稿を読み取るためのものである。プリンタ21は、記録用紙に画像を印刷するためのものである。NCU23は、電話回線の制御を行うものである。モデム24は、ファクシミリ送信時には送信信号を電話回線での伝送に適した形態に変調し、一方、ファクシミリ受信時には電話回線から送られてきた変調信号を復調するものである。
フラッシュメモリ14は、書換可能な不揮発性のメモリである。フラッシュメモリ14は、領域座標メモリ141と、接触回数メモリ142と、清掃モードフラグメモリ143と、領域分割メモリ144と、指紋フラグメモリ145と、パラメータ記憶メモリ146とを有している。フラッシュメモリ14は、人の指紋を示す指紋画像30(図2(B)参照)が記憶されている。
領域座標メモリ141は、分割領域71〜82の大きさと、分割領域71〜82の中心座標と、分割領域71〜82を特定する識別情報とがそれぞれ対応付けて記憶されるメモリである。分割領域71〜82を特定する識別情報は、例えば、分割領域71から分割領域82まで順番に、1,2,・・・,12と付された番号など、各分割領域を特定可能なものであればよい。本実施形態において、領域座標メモリ141は、識別情報と分割領域71〜82の大きさと分割領域71〜82の中心座標とがそれぞれ対応付けて記憶されているが、本発明はこれに限定されることなく、識別情報と分割領域71〜82の大きさと分割領域71〜82の所定位置の座標とがそれぞれ対応付けて記憶されていればよい。
接触回数メモリ142は、分割領域71〜82がユーザの指により接触された接触回数Tnがそれぞれ記憶されるメモリである。接触回数メモリ142は、分割領域71〜82を特定する識別情報と分割領域71〜82における接触回数Tnとがそれぞれ対応付けて記憶される。
清掃モードフラグメモリ143は、清掃モードフラグが記憶されるメモリである。清掃モードフラグは、ユーザによる清掃モードボタン35の押下に基づいて、清掃モードであるか否かを示すフラグである。清掃モードフラグがオンである場合は、清掃モードであることを示し、一方、清掃モードフラグがオフである場合は、清掃モードでないことを示す。
領域分割メモリ144は、清掃モードにおいて、分割領域71〜82がそれぞれ有効領域であるか無効領域であるかが記憶されるメモリである。領域分割メモリ144は、分割領域71〜82を特定する識別情報と、分割領域71〜82が無効領域であることを示す無効情報または分割領域71〜82が有効領域であることを示す有効情報とがそれぞれ対応付けて記憶される。
指紋フラグメモリ145は、指紋フラグが記憶されるメモリである。指紋フラグは、清掃モードにおいて、分割領域71〜82に対応する表示面161の領域に指紋を示す指紋画像30(図2(B)参照)が表示されているか否かを示すフラグである。指紋画像30は、無効領域に対応する表示面161の領域に表示される。すなわち、指紋画像30は指の接触により汚れている可能性が高い領域に対応する表示面161の領域に表示される。指紋フラグメモリがオンである場合は、表示面161に指紋画像30が表示されていることを示し、一方、指紋フラグメモリがオフである場合は、表示面161に指紋画像30が表示されていないことを示す。指紋フラグメモリ145は、分割領域71〜82を特定する識別情報と分割領域71〜82各々における指紋フラグとがそれぞれ対応付けて記憶される。初期状態において、指紋フラグは全てオフとなっている。
パラメータ記憶メモリ146は、接触回数計測処理及び清掃制御処理における各種パラメータが記憶されるメモリである。パラメータ記憶メモリ146には、例えば、清掃モードにおいて各分割領域71〜82が無効領域と設定される接触回数の閾値T0、指による接触であると判断される電極の静電容量の変化量の閾値が記憶される。一般に、布などの払拭部材の接触による静電容量の変化量は、指の接触による静電容量の変化量より小さい。したがって、本実施形態では、検出された静電容量の変化量が、パラメータ記憶メモリ146に記憶される変化量の閾値以上であれば、指による接触であると判断され、一方、検出された静電容量の変化量が、変化量の閾値より小さければ、払拭部材による接触であると判断される。
<実施形態の動作>
次に、第1実施形態におけるMFP1の動作について、図2〜図4を参照して詳細に説明する。
(接触回数計測処理)
まず、図3を参照して、MFP1のCPU10により実行される接触回数計測処理について説明する。この接触回数計測処理は、通常モードにおいて、CPU10により入力媒体による接触が検出された場合、すなわち、CPU10により電極の静電容量変化が検出された場合に実行される処理である。本実施形態において、CPU10により電極の静電容量変化が検出されたときに、静電容量変化が検出された単位領域の座標情報が、入力媒体が接触した接触位置としてRAM12に記憶される(本発明の記憶手段に相当)。CPU10により検出された電極の静電容量の変化量は、座標情報と対応付けられてRAM12に記憶される。
この接触回数計測処理では、まず、CPU10により検出された電極の静電容量の変化量が所定値以下であるか否かが判断される(ステップ300、以下ステップをSと記す)。所定値とは、パラメータ記憶メモリ146に記憶されている指による接触であると判断される静電容量の変化量の閾値である。CPU10により検出された電極の静電容量の変化量が所定値以下であると判断された場合(S300:YES)、払拭部材による接触であると判断され、本処理が終了される。
CPU10により検出された電極の静電容量の変化量が所定値より大きいと判断された場合(S300:NO)、指による接触であると判断され、接触位置に対応する分割領域の接触回数Tnがカウントされる(S302)。
具体的に、S302では、まず、領域座標メモリ141に記憶された分割領域71〜82(図1(B)参照)の中心座標及び大きさに基づいて、RAM12に記憶されている座標情報が位置する分割領域が特定される。次に、特定された分割領域に対応して領域座標メモリ141記憶されている識別情報が特定され、特定された識別情報に対応付けて記憶されている接触回数Tnが読み出される。そして、読み出された接触回数Tnに、本接触回数計測処理の実行開始時にCPU10により検出された接触回数、すなわち「1」が加算される。加算された接触回数Tnは特定された識別情報に対応付けて接触回数メモリ142に記憶される。
本実施形態において、加算された接触回数Tnが特定された識別情報に対応付けて接触回数メモリ142に記憶されたときに、加算前に特定された識別情報に対応付けて接触回数メモリ142に記憶されていた接触回数Tnが消去される。本実施形態において、複数の分割領域71〜82が入力媒体により同時に接触された場合、接触された複数の分割領域に対応する接触回数Tnがそれぞれ「1」ずつ加算されることとする。
S304において、接触位置に対応する動作が実行され、本処理が終了される。S304では、接触位置に対応する操作受付領域に関連付けられた処理がROM11から読み出されて実行される。
(清掃制御処理)
次に、MFP1のCPU10により実行される清掃制御処理について、図2及び図4を参照して説明する。
この清掃制御処理は、CPU10により清掃モードボタン35に対応する操作受付領域の接触が検出された場合に実行される処理である。CPU10により清掃モードボタン35に対応する操作受付領域の接触が検出された場合に、MFP1は清掃モードへ移行される。入力ボタン31〜35各々の大きさは、分割領域1個に入力ボタン1個が表示可能な大きさとし、各入力ボタン31〜35は、分割領域71〜82のうち所定の1個の分割領域に表示される。図2(A)は、CPU10による清掃モードボタン35に対応する操作受付領域の接触が検出されたときの表示面161の表示例である。本実施形態において、清掃モードボタン35に対応する操作受付領域の接触が検出された場合とは、図2(A)に示すように、ユーザの指により清掃モードボタン35が押下された場合である。清掃制御処理が実行される前に表示面161に表示されている入力ボタンの配置など(図2(A)参照)は、フラッシュメモリ14に記憶される。
この清掃制御処理は、まず、ボタン表示領域サイズが取得される(S400)。ボタン表示領域サイズとは、清掃モードボタン35に対応する操作受付領域の接触が検出されたときに、表示面161において、表示されている入力ボタン31〜35のうち、清掃モードボタン35を除いた入力ボタン31〜34が占める領域の大きさである。具体的に、本実施形態では、ボタン表示領域サイズは、入力ボタン31〜34の数で示される。例えば、図2(A)において、ボタン表示領域サイズは、コピーモードボタン31、スキャンモードボタン32、FAXモードボタン33、及び、プリントモードボタン34の4個となる。本実施形態において、ボタン表示領域サイズは、CPU10によりS400の処理のたびに毎回算出されてもよいし、予め各画面表示におけるボタン表示領域サイズがROM11に記憶され、CPU10によりROM11から読み出されてもよい。
図4のS402において、接触回数メモリ142から各分割領域71〜82の指による接触回数Tnが読み出される。S404において、S402で読み出された各分割領域71〜82の接触回数Tnがパラメータ記憶メモリ146に記憶されている閾値T0以上か否かが判断され、判断の結果、接触回数Tnが閾値T0以上であると判断された分割領域が無効領域とされる。無効領域とされた分割領域は、分割領域71〜82を特定する識別情報と、分割領域が無効領域であることを示す無効情報とがそれぞれ対応付けて領域分割メモリ144に記憶される。本実施形態では、分割領域71〜82のうち、分割領域73〜76及び分割領域78〜82が、接触回数Tnが閾値T0以上であると判断され、無効領域と設定されたと仮定する。すると、分割領域73〜76及び分割領域78〜82を特定する識別情報と、無効情報とがそれぞれ対応付けて領域分割メモリ144に記憶される。
S402で読み出された各分割領域71〜82の接触回数Tnがパラメータ記憶メモリ146に記憶されている閾値T0より小さいと判断された分割領域が有効領域とされる(S406)。すなわち、S406では、分割領域71〜82のうち、S404において無効領域とされなかった分割領域が有効領域とされる。有効領域とされた分割領域は、分割領域71〜82を特定する識別情報と、分割領域が有効領域であることを示す有効情報とがそれぞれ対応付けて領域分割メモリ144に記憶される。本実施形態では、分割領域71〜72及び分割領域77が有効領域と設定される。そして、分割領域71〜72及び分割領域77を特定する識別情報と、有効情報とがそれぞれ対応付けて領域分割メモリ144に記憶される。
有効領域サイズがボタン表示領域サイズ以上であるか否かが判断される(S408)。有効領域サイズとは、S406で有効領域とされた分割領域の大きさの総和である。具体的に、本実施形態では、有効領域サイズは、S406で有効領域とされた分割領域の数で示される。S408では、有効領域サイズが算出され、算出された有効領域サイズがS400で取得されたボタン表示領域サイズ以上か否かが判断される。判断の結果、有効領域サイズがボタン表示領域サイズ以上であると判断された場合(S408:YES)、ステップ処理はS414へ移行される。
判断の結果、有効領域サイズがボタン表示領域サイズより小さいと判断された場合(S408:NO)、有効領域サイズに対するボタン表示領域サイズの不足分を満たす分割領域数Nが算出される(S410)。S410において、有効領域サイズとボタン表示領域サイズの差分を満たすために少なくとも必要な分割領域数Nが算出される。例えば、本実施形態において、分割領域71〜72と分割領域77とからなる有効領域の有効領域サイズは、4個の入力ボタン31〜34からなるボタン表示領域サイズより小さい。この場合、分割領域3個分の有効領域には3個の入力ボタンが表示可能であり、残り1個の入力ボタンが表示される有効領域が不足する。入力ボタンが1個表示されるためには少なくとも1個の分割領域が必要であるため、有効領域サイズとボタン表示領域サイズの差分を満たすために少なくとも必要な分割領域数Nは「1」となる。
無効領域のうち、接触回数Tnが少ないN個の分割領域が有効領域に変更される(S412)。S412では、S404で無効領域とされた分割領域のうち、接触回数Tnが少ない順にN番目までの分割領域が有効領域に変更される。領域分割メモリ144において、S412で有効領域に変更された分割領域を特定する識別情報に対応付けて、分割領域が有効領域であるという有効情報、および、ボタン表示領域サイズの不足により無効領域から有効領域に変更されたことを示す情報が記憶される。なお、S404でこの分割領域を特定する識別情報に対応付けて記憶されていた無効情報は消去される。本実施形態では分割領域数Nは「1」であるため、無効領域とされた分割領域73〜76及び分割領域78〜82のうち、接触回数Tnが最も少ない分割領域1個が有効領域に変更される。本実施形態において、分割領域73〜76及び分割領域78〜82のうち、接触回数Tnが最も少ない分割領域は分割領域73であるとし、分割領域73が有効領域に変更される。
有効領域に入力ボタン31〜34が表示される(S414)。本実施形態では、S414において、分割領域71〜82において、分割領域74〜76及び分割領域78〜82が無効領域とされ、分割領域71〜73及び分割領域77が有効領域とされている。S414では、分割領域71〜73及び分割領域77各々に対応する表示面161に入力ボタン31〜34各々が表示される。そして、表示面161に表示された入力ボタン31〜34各々に対応付けて、操作受付領域が設定される。
無効領域とされた各分割領域に対応する表示面161に、フラッシュメモリ14に記憶されている指紋画像30が表示される(S416)。S416では、指による接触が顕著に検出された無効領域に対応する表示面161に、指紋画像30が表示される。本実施形態では、無効領域とされた分割領域各々に対応する表示面161に指紋画像30が1個表示されることとする。S416では、指紋フラグメモリ145において、指紋画像30が表示される分割領域71〜82を特定する識別情報と対応付けて記憶されている指紋フラグがオンに変更される。
図2(B)は、S416の処理が実行されたときの表示面161の表示例である。S414において、コピーボタン31が有効領域である分割領域71、スキャンボタン32が有効領域である分割領域72、FAXボタン33が有効領域である分割領域73、プリントボタン34が有効領域である分割領域77、に対応する表示面161にそれぞれ表示される。そして、表示面161に表示されたコピーボタン31、スキャンボタン32、FAXボタン33、及び、プリントボタン34各々に対応付けて、操作受付領域が設定される。分割領域73は、S404において無効領域とされていたがS412により有効領域に変更された領域である。S416において、無効領域とされた分割領域74〜76及び分割領域78〜82各々に対応する表示面161に指紋画像30が表示される。図2(B)において、無効領域とされた分割領域74〜76及び分割領域78〜82はまとめて無効領域200とし、太い破線で示す。また、図2(B)において、斜線で示された楕円形は指紋画像30である。
図4のS418において、検出領域171において、入力媒体による接触があったか否かが判断される。S418において、入力媒体による接触があるか否かは、接触回数計測処理(図3参照)と同様に、CPU10により電極の静電容量変化が検出されたか否かにより判断される。また、接触回数計測処理(図3参照)と同様に、CPU10により電極の静電容量変化が検出されたときに、静電容量変化が検出された単位領域の座標情報が、入力媒体が接触した接触位置としてRAM12に記憶される。CPU10により検出された電極の静電容量の変化量は、座標情報と対応付けられてRAM12に記憶される。入力媒体による接触がないと判断された場合(S418:NO)、入力媒体による接触があったと判断されるまでS418の処理が繰り返される。
検出領域171における入力媒体による接触があったと判断された場合(S418:YES)、接触が検出された接触位置が有効領域のみであるか否かが判断される(S420)。ここで、接触が検出された接触位置とは、入力媒体による接触が検出されてからその入力媒体が検出領域171から離れたことが検出されるまでに、その入力媒体により接触された全ての位置である。S420では、領域座標メモリ141に記憶された分割領域71〜82の中心座標及び大きさに基づいて、RAM12に記憶されている接触位置としての座標情報に対応する分割領域が特定され、特定された分割領域はRAM12に記憶される。そして、領域分割メモリ144の無効情報及び有効情報に基づいて、特定された分割領域が有効領域であるか否かが判断される。判断の結果に基づいて、特定された分割領域が全て有効領域であるか否かが判断される。
接触が検出された接触位置が有効領域のみであると判断された場合(S420:YES)、接触された有効領域の接触回数がカウントされる(S422)。S422は、接触回数計測処理(図3参照)におけるS302と同様にして接触回数がカウントされる。具体的には、まず、接触が検出された有効領域に含まれる分割領域に対応して領域座標メモリ141記憶されている識別情報が特定され、特定された識別情報に対応付けて記憶されている接触回数Tnが読み出される。そして、読み出された接触回数Tnに、S418で検出された接触回数、すなわち「1」が加算される。加算された接触回数Tnは特定された識別情報に対応付けて接触回数メモリ142に記憶される。
本実施形態において、加算された接触回数Tnが特定された識別情報に対応付けて接触回数メモリ142に記憶されたときに、加算前に特定された識別情報に対応付けて接触回数メモリ142に記憶されていた接触回数Tnが消去される。本実施形態において、複数の分割領域71〜82が入力媒体により同時に接触された場合、接触された複数の分割領域に対応する接触回数Tnがそれぞれ「1」ずつ加算されることとする。
S424において、通常動作が実行され、ステップ処理はS418へ移行される。S424では、接触回数計測処理(図3参照)におけるS304と同様に、接触位置に対応する操作受付領域に関連付けられた処理がROM11から読み出されて実行される。
接触が検出された接触位置が有効領域のみでないと判断された場合(S420:NO)、S418で検出された電極の静電容量の変化量が所定値以下であるか否かが判断される(S426)。所定値とは、パラメータ記憶メモリ146に記憶されている指による接触であると判断される静電容量の変化量の閾値である。本実施形態において、S418で接触が検出された接触位置が有効領域と無効領域両方を含む場合は、ユーザによる無効領域の清掃中に誤って有効領域に接触した可能性が高いと考えられるため、S426で電極の静電容量の変化量が所定値以下であるか否かが判断される。電極の静電容量の変化量が所定値より大きいと判断された場合(S426:NO)、指による接触であると判断され、ステップ処理はS422へ移行される。
電極の静電容量の変化量が所定値以下であると判断された場合(S426:YES)、払拭部材による接触であると判断され、接触された無効領域に対応する表示面161に表示されている指紋画像30が消去される(S428)。S428では、指紋フラグメモリ145において、指紋画像30が消去される分割領域71〜82を特定する識別情報と対応付けて記憶されている指紋フラグがオフに変更される。S428において、指紋画像30が消去される分割領域71〜82を特定する識別情報と対応付けて、接触回数メモリ142に記憶されている接触回数はリセットされて「0」になる。本実施形態において、S428では、払拭部材による接触が検出された無効領域は、ユーザによる払拭部材での清掃がなされて指による汚れが除去されたと判断され、払拭部材による接触が検出された無効領域に対応する表示面161に表示されている指紋画像30が消去される。
本実施形態において、図2(B)に示す無効領域200が払拭部材により清掃されたとする。この場合、S418で入力媒体による接触が検出され、入力媒体による接触が検出されてからその入力媒体が検出領域171から離れたことが検出されるまでに接触された検出領域は、無効領域200であるので、S420において、接触位置は有効領域のみでないと判断される(S420:NO)。そして、無効領域200は払拭部材により接触されたので、電極の静電容量の変化量が所定値以下であり(S426:YES)、図2(C)に示すように、無効領域200に対応する表示面161に表示されている指紋画像30が消去される(S428)。図2(C)に関する説明は後述する。
図4のS430において、S418で接触が検出された無効領域の分割領域数Mが算出される。S430では、S420でRAM12に記憶された接触が検出された分割領域に基づいて、S418で接触が検出された無効領域を構成する分割領域数Mが算出される。本実施形態では、S418で無効領域200の接触が検出されたので、S430で算出される接触された無効領域の分割領域数Mは「8」である。
S432において、S410で算出された有効領域サイズに対するボタン表示領域サイズの不足分を満たす分割領域数Nが0以下であるか否かが判断される。分割領域数Nが0より大きいと判断された場合(S432:NO)、S418で接触が検出された無効領域が有効領域に変更される(S434)。領域分割メモリ144において、S434で有効領域に変更された分割領域を特定する識別情報に対応付けて、分割領域が有効領域であるという有効情報が記憶される。なお、S404でこの分割領域を特定する識別情報に対応付けて記憶されていた無効情報は消去される。本実施形態では、S428において、指紋画像30が消去された分割領域71〜82を特定する識別情報と対応付けて、接触回数メモリ142に記憶されている接触回数がリセットされたが、S434で、指紋画像30が消去された分割領域、すなわち、有効領域に変更された分割領域71〜82を特定する識別情報と対応付けて、接触回数メモリ142に記憶されている接触回数がリセットされてもよい。
S436において、S412で有効領域に変更された分割領域が無効領域に変更される。領域分割メモリ144において、S436で無効領域に変更された分割領域を特定する識別情報に対応付けて、分割領域が無効領域であるという無効情報が記憶される。なお、S412でこの分割領域を特定する識別情報に対応付けて記憶されていた有効情報、および、ボタン表示領域サイズの不足により無効領域から有効領域に変更されたことを示す情報は消去される。S436において、S410で算出された分割領域数NがS430で算出された分割領域数Mより大きい場合は、S412で有効領域に変更された分割領域のうち、接触回数Tnが多い順にN番目までの分割領域が無効領域に変更される。
本実施形態において、S410で算出された有効領域サイズに対するボタン表示領域サイズの不足分を満たす分割領域数Nは「1」であり(S432:NO)、無効領域200を構成する分割領域74〜76及び分割領域78〜82が有効領域に変更される(S434)。そして、S412で有効領域に変更された分割領域73が無効領域に変更される(S436)。
有効領域サイズに対するボタン表示領域サイズの不足分を満たす分割領域数Nが、S410で算出された有効領域サイズに対するボタン表示領域サイズの不足分を満たす分割領域数Nから、S430で算出された接触された無効領域の分割領域数Mが減算された値に変更され(S438)、ステップ処理はS414へ移行される。
図2(C)は、S438の処理が実行された後、ステップ処理がS414へ移行され、S414及びS416の処理が実行されたときの表示面161の表示例である。本実施形態では、S418〜S426で無効領域200が払拭部材による接触が検出されたので、図2(C)に示すように、図2(B)で無効領域200に対応する表示面161に表示されていた指紋画像30が消去されている(S428)。接触が検出された無効領域200を構成する分割領域74〜76及び分割領域78〜82が有効領域に変更され(S434)、S412で有効領域に変更された分割領域73が無効領域に変更されている(S436)。
本実施形態において、S438で分割領域数NはS410で算出された分割領域数Nである「1」からS430で算出された分割領域数Mである「8」を減算した値、すなわち「−7」となる。そして、ステップ処理はS414へ移行され、有効領域である分割領域71〜72及び分割領域74〜82に入力ボタンが表示される(S414)。
本実施形態において、図2(C)に示すように、コピーボタン31が分割領域71、スキャンボタン32が分割領域72、FAXボタン33が分割領域81、プリントボタン34が分割領域77、に対応する表示面161にそれぞれ表示される。そして、表示面161に表示されたコピーボタン31、スキャンボタン32、FAXボタン33、及び、プリントボタン34各々に対応付けて、操作受付領域が設定される。すなわち、本実施形態では、分割領域73が無効領域に変更されたため、図2(B)で分割領域73に表示されていたFAXボタン33が、図2(C)において、有効領域に変更された分割領域81に対応する表示面161に表示される。そして、FAXボタン33に対応付けて分割領域81に操作受付領域が設定される。そして、図2(C)に示すように、無効領域である分割領域73に対応する表示面161に指紋画像30が表示される(S416)。
図4のS432の判断の結果、S410で算出された有効領域サイズに対するボタン表示領域サイズの不足分を満たす分割領域数Nが0以下であると判断された場合(S432:YES)、表示面161に指紋画像30が表示されているか否かが判断される(S439)。具体的には、分割領域71〜82を特定する識別情報と対応付けて指紋フラグメモリ145に記憶されている指紋フラグがオンであるものがあるか否かが判断される。表示面161に指紋画像30が表示されていると判断された場合(S439:YES)、ステップ処理はS418へ移行される。
表示面161に指紋画像30が表示されていないと判断された場合(S439:NO)、全検出領域171が無効領域とされる(S440)。S440では、検出領域171の全域、すなわち、分割領域71〜82全てが無効領域とされる。
S442において、バックライト装置に供給される電流が所定時間オフされる。S442の処理は、バックライト装置に供給される電流が所定時間オフされることにより表示面161が暗くなるため、タッチパネル17における指紋の汚れを目立ち易くするものである。
バックライト装置に供給される電流が所定時間オフされた後、通常モードへ移行され(S444)、本処理が終了される。S444では、バックライト装置に供給される電流がオンされ、表示面161は、清掃モードボタン35に対応する操作受付領域の接触が検出されて清掃制御処理が実行される前に表示されていた状態(図2(A)参照)に戻る。
本実施形態では、図2(C)において、分割領域73が払拭部材により清掃されたとする。図2(B)に示す無効領域200が払拭部材により清掃された場合と同様に、S418〜S426により分割領域73が払拭部材による接触が検出され分割領域73に対応する表示面161に表示されていた指紋画像30が消去される(S428)。接触された分割領域は分割領域73だけであるので、分割領域数Mは「1」となる(S430)。S438で算出された分割領域数Nは「−7」であるため、Nは0以下と判断される(S432:YES)。表示されていた指紋画像30はS428の処理で消去されたため表示面161に指紋画像30は表示されていないので(S439:NO)、分割領域71〜82全てが無効領域とされる(S440)。そして、図2(D)に示すように、バックライト装置に供給される電流がオフされて、表示面161は暗くなる(S442)。そして、S444において、清掃モードから通常モードへ移行され、表示面161は図2(A)に示すようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、入力媒体により接触された接触位置が記憶され、検出領域171が、汚れていないまたは汚れが少ないと判断される分割領域がその分割領域に関連付けられた処理を実行する有効領域と、汚れていると判断される分割領域が入力媒体により接触された場合にその分割領域に関連付けられた処理の実行を禁止する無効領域と、に分割される(図4に示すS404〜S406参照)。そして、図2(B)に示すように、有効領域に対応する表示面161に入力ボタン31〜34が表示され、無効領域に対応する表示面161に無効領域を示す指紋画像30が表示される。操作受付領域に関連付けられた処理の実行が禁止される無効領域はユーザが清掃中であっても誤動作を防止することができるので、ユーザは無効領域を清掃するのが好適である。したがって、指紋画像30を表示させて無効領域をユーザに認識させることができるので、ユーザによるタッチパネル17の清掃が容易になる。また、ユーザによるタッチパネル17の清掃中においても、入力領域が設けられているのでタッチパネル17の入力操作が可能となる。
無効領域内の操作受付領域に対応する入力ボタン31〜34が有効領域に対応する表示面161に表示され、表示面161に表示された入力ボタン161に対応付けて、操作受付領域が設定される(図4に示すS414参照)。具体的に、図2(A)において、分割領域79〜82各々に表示されていた入力ボタン31〜34が、図2(B)に示すように、有効領域である分割領域71〜73及び分割領域77に表示される。そして、表示面161に表示された入力ボタン31〜34各々に対応付けて、操作受付領域が設定される。これにより、ユーザによるタッチパネル17の清掃中であっても、表示面161に表示されるより多くの入力ボタン31〜34に対応する操作受付領域に関連付けられた処理を実行することができる。
接触回数Tnが所定数T0以上の分割領域が無効領域とされ(図4に示すS404参照)、接触回数Tnが所定数T0より小さい分割領域を有効領域として検出領域が分割される(図4に示すS406参照)。無効領域内の操作受付領域に対応する入力ボタン31〜34が有効領域に対応する表示面161で表示できない場合、複数の無効領域のうち接触回数Tnが少ない分割領域が、有効領域として変更される(図4に示すS408〜S412参照)。そして、検出領域171のうち有効領域として分割された分割領域と、有効領域として変更された分割領域と、に対応する表示面161に入力ボタン31〜34が表示される。
具体的には、図2(B)において、接触回数に基づいて分割された有効領域である分割領域71〜72及び分割領域77に対応する表示面161に、入力ボタン31〜34全てを表示させることができないので、無効領域である分割領域73〜76及び分割領域78〜82のうち接触回数Tnが少ない分割領域73が有効領域として変更される。そして、分割領域71〜73及び分割領域77に対応する表示面161に入力ボタン31〜34が表示される。これにより、接触回数Tnが所定数T0以上の分割領域が多い場合であっても、表示面161に表示されるより多くの入力ボタン31〜34に対応する操作受付領域に関連付けられた処理を確実に実行することができる。
無効領域とされた分割領域が入力媒体により接触された後に入力媒体が検出領域から離れたと判断された場合(図4に示すS418参照)、入力媒体が無効領域に接触されてから離れるまでに入力媒体により接触された分割領域が有効領域に変更される(図4に示すS434参照)。また、無効領域とされた分割領域に対応する表示面161に表示された無効領域を示す指紋画像30が消去される(図4に示すS428参照)。無効領域とされた分割領域が入力媒体により接触される場合は、その分割領域がユーザの払拭動作などにより清掃されたために接触された可能性が高い。したがって、無効領域とされた分割領域が入力媒体により接触された後に入力媒体が検出領域から離れた場合、すなわち、ユーザによる分割領域の清掃が完了された場合、ユーザによる清掃完了した分割領域が有効領域に変更されるので、ユーザは入力操作を効率良く行うことができる。
接触された分割領域が有効領域に変更された場合(図4に示すS434参照)、有効領域に変更されていた分割領域が無効領域に変更される(図4に示すS436参照)。そして、その無効領域に変更された分割領域に対応する表示面161に無効領域を示す指紋画像30が表示される(図4に示すS416)。また、検出領域のうち有効領域として分割された分割領域と、有効領域に変更された分割領域と、に対応する表示面161に入力ボタン31〜34が表示される(図4に示すS414)。
具体的には、有効領域に変更された分割領域73が無効領域に変更され、図2(C)に示すように、分割領域73に対応する表示面161に指紋画像30が表示される。また、有効領域である分割領域71〜72及び分割領域74〜82に対応する表示面161に入力ボタン31〜34が表示される。これにより、表示面161に表示されるより多くの入力ボタン31〜34に対応する操作受付領域に関連付けられた処理を確実に実行することができる。また、入力媒体の接触により汚れた領域についてユーザによる清掃を確実に行うことができる。
無効領域内の操作受付領域に対応する入力ボタン31〜34が有効領域に対応する表示面161で表示できない場合に有効領域に変更された分割領域のうち接触回数Tnが多い分割領域が、無効領域に変更される。これにより、入力媒体の接触による汚れが顕著な領域から優先して無効領域に変更されるため、ユーザによる清掃をより効率良く行うことができる。
無効領域とされた分割領域において入力媒体の接触により変化した静電容量が所定値より小さい場合(図4に示すS426参照)、その入力媒体が無効領域に接触されてから離れるまでにその入力媒体により接触された分割領域が有効領域に変更される(図4に示すS434参照)。一般に、布などの払拭部材の接触により変化した静電容量は、指の接触により変化した静電容量より小さいので、入力媒体の接触により変化した静電容量が所定値より小さい場合、その入力媒体は布などの払拭部材であると想到し得る。したがって、無効領域とされた分割領域において入力媒体の接触により変化した静電容量が所定値より小さい場合、すなわち、布などの払拭部材により接触された場合、その分割領域の清掃の完了と判断することにより、タッチパネル17の分割領域における清掃の完了を確実に判断することができる。
無効領域とされた分割領域が入力媒体により接触された後に入力媒体が検出領域から離れた場合、図2(D)に示すように、LCD16に備えられたバックライト装置に供給される電流がオフされる(図4に示すS442参照)。これにより、表示面161が暗くなるためタッチパネル17における指紋等の汚れが目立ち易くなり、タッチパネル17の清掃が確実に完了したか否かをユーザに容易に判断させることができる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、清掃モードにおいて、接触回数Tnに基づいて分割された有効領域に入力ボタン31〜34が全て表示できない場合、接触回数Tnに基づいて無効領域とされた分割領域のうち、接触回数Tnの少ないものが有効領域に変更されていた。第2実施形態では、清掃モードにおいて、接触回数Tnに基づいて分割された有効領域に入力ボタン31〜34が全て表示できない場合、その有効領域に全ての入力ボタン31〜34が表示できるように入力ボタン31〜34の大きさが縮小される場合について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と異なる構成及び動作についてのみ説明し、第1実施形態と同様の構成及び動作については、詳細な説明を省略する。
<電気的構成>
第2実施形態に係るMFP1の電気的構成は、第1実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。ただし、第2実施形態では、CPU10は、ROM11に格納されている制御プログラム111に従い、図3のフローチャートに示す接触回数計測処理、及び、図6のフローチャートに示す清掃制御処理を実行する。
<実施形態の動作>
次に、第2実施形態におけるMFP1の動作について、図3、図5、及び、図6を参照して詳細に説明する。
(接触回数計測処理)
第2実施形態に係る接触回数計測処理は、第1実施形態と同様にして、図3に示すフローチャートに従って実行されるため、詳細な説明を省略する。
(清掃制御処理)
次に、MFP1のCPU10により実行される清掃制御処理について、図5及び図6を参照して説明する。
この清掃制御処理は、CPU10により清掃モードボタン35に対応する操作受付領域の接触が検出された場合に実行される処理である。CPU10により清掃モードボタン35に対応する操作受付領域の接触が検出された場合に、MFP1は清掃モードへ移行される。入力ボタン31〜35各々の大きさは、分割領域1個に入力ボタン1個が表示可能な大きさとし、各入力ボタン31〜35は、分割領域71〜82のうち所定の1個の分割領域に表示される。図5(A)は、CPU10による清掃モードボタン35に対応する操作受付領域の接触が検出されたときの表示面161の表示例である。本実施形態において、清掃モードボタン35に対応する操作受付領域の接触が検出された場合とは、図5(A)に示すように、ユーザの指により清掃モードボタン35が押下された場合である。清掃制御処理が実行される前に表示面161に表示されている入力ボタンの配置など(図5(A)参照)は、フラッシュメモリ14に記憶される。
図6に示すS600において、ボタン表示領域サイズが取得される。ボタン表示領域サイズとは、清掃モードボタン35に対応する操作受付領域の接触が検出されたときに、表示面161において、表示されている入力ボタン31〜35のうち、清掃モードボタン35を除いた入力ボタン31〜34が占める領域の大きさである。具体的に、本実施形態では、ボタン表示領域サイズは、入力ボタン31〜34各々の縦及び横方向の長さに基づいて算出される入力ボタン31〜34の大きさの総和である。本実施形態において、ボタン表示領域サイズは、CPU10によりS400の処理のたびに毎回算出されてもよいし、予め各画面表示におけるボタン表示領域サイズがROM11に記憶され、CPU10によりROM11から読み出されてもよい。
本実施形態において、図6に示すS602〜S606の処理は、第1実施形態におけるS402〜S406の処理(図4参照)と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図6に示すS606において、有効領域サイズがボタン表示領域サイズ以上であるか否かが判断される。有効領域サイズとは、S606で有効領域とされた分割領域の大きさの総和である。具体的に、本実施形態では、有効領域サイズは、連続している有効領域ごとの縦及び横方向の長さに基づいて算出される有効領域の大きさの総和である。有効領域サイズは、S608では、有効領域サイズが算出され、算出された有効領域サイズがS600で取得されたボタン表示領域サイズ以上か否かが判断される。判断の結果、有効領域サイズがボタン表示領域サイズ以上であると判断された場合(S608:YES)、ステップ処理はS612へ移行される。
有効領域サイズがボタン表示領域サイズより小さいと判断された場合(S608:NO)、S606で有効領域とされた有効領域サイズに合わせて入力ボタン31〜34の大きさが縮小される(S610)。S610において、入力ボタン31〜34の縮小率は、有効領域に対応する表示面161に全ての入力ボタン31〜34が表示可能な大きさに相当する縮小率であればよい。しかしながら、有効領域に対応する表示面161に全ての入力ボタン31〜34が表示可能な大きさのうち、入力ボタン31〜34が出来るだけ大きく表示される方が、入力ボタン31〜34に対するユーザの入力操作が容易となるため、好適である。
本実施形態において、全ての入力ボタン31〜34は同じ縮小率で縮小されなくてよいし、全ての入力ボタン31〜34が縮小されなくてもよい。例えば、図5(B)に示すように、コピーボタン31、スキャンボタン32、及び、FAXボタン33が縮小され、プリントボタン34は縮小されずに表示されていてもよい。
本実施形態において、図6に示すS612〜S624の処理は、第1実施形態におけるS414〜S426の処理(図4参照)と同様であるため、詳細な説明を省略する。
本実施形態において、第1実施形態と同様に、S600でボタン表示サイズとして、コピーモードボタン31、スキャンモードボタン32、FAXモードボタン33、及び、プリントモードボタン34各々の大きさの総和が取得される。そして、第1実施形態と同様に、S602〜S606において、分割領域73〜76及び分割領域78〜82が無効領域とされ、分割領域71〜72及び分割領域77が有効領域として分割されることとする。
図5(B)は、S614の処理が実行されたときの表示面161の表示例である。本実施形態において、有効領域サイズである分割領域71〜72及び分割領域77の大きさの総和は、ボタン表示領域サイズより小さいので(S608:NO)、有効領域サイズに合わせて入力ボタン31〜34が縮小される(S610)。そして、縮小された入力領域31〜34が有効領域である分割領域71〜72及び分割領域77に対応する表示面161に表示され、表示面161に表示された入力ボタン31〜34各々に対応付けて、操作受付領域が設定される(S612)。
例えば、図5(B)に示すように、コピーボタン31、スキャンボタン32、及び、FAXボタン33が、有効領域とされた分割領域71〜72に対応する表示面161に表示できるように縮小されて表示され、プリントボタン34は縮小されずに分割領域77に対応する表示面161に表示される。図5(B)に示すように、無効領域とされた分割領域73〜76及び分割領域78〜82各々に対応する表示面161に指紋画像30が表示される。図5(B)において、無効領域とされた分割領域73〜76及び分割領域78〜82はまとめて無効領域500とし、太い破線で示す。また、図5(B)において、斜線で示された楕円形は指紋画像30である。
図6に示すS624の判断の結果、タッチパネル17の電極の静電容量の変化量が所定値以下であると判断された場合(S624:YES)、払拭部材による接触であると判断され、接触された無効領域に対応する表示面161に表示されている指紋画像30が消去される(S626)。S626では、指紋フラグメモリ145において、指紋画像30が消去される分割領域71〜82を特定する識別情報と対応付けて記憶されている指紋フラグがオフに変更される。S626において、指紋画像30が消去される分割領域71〜82を特定する識別情報と対応付けて、接触回数メモリ142に記憶されている接触回数はリセットされて「0」になる。本実施形態において、S626では、接触された無効領域を構成する分割領域が有効領域に変更され、接触された無効領域に対応する表示面161に表示されている指紋画像30が消去されてもよい。
S628において、表示面161に指紋画像30が表示されているか否かが判断される。具体的には、分割領域71〜82を特定する識別情報と対応付けて指紋フラグメモリ145に記憶されている指紋フラグがオンであるものがあるか否かが判断される。表示面161に指紋画像30が表示されていると判断された場合(S628:YES)、ステップ処理はS616へ移行される。表示面161に指紋画像30が表示されていないと判断された場合(S628:NO)、ステップ処理はS630へ移行される。
本実施形態において、図6に示すS630〜S634の処理は、第1実施形態におけるS440〜S444の処理(図4参照)と同様であるため、詳細な説明を省略する。
本実施形態において、第1実施形態と同様に、図5(B)に示す無効領域500が払拭部材により清掃されたとする。この場合、S616で入力媒体による接触が検出される。この入力媒体による接触が検出されてからその入力媒体が検出領域171から離れたことが検出されるまでに接触された検出領域は、無効領域500であるので、S618において、接触位置は有効領域のみでないと判断される(S618:NO)。そして、無効領域500は払拭部材により接触されたので、電極の静電容量の変化量が所定値以下であり(S624:YES)、図5(C)に示すように、無効領域500に対応する表示面161に表示されている指紋画像30が消去される(S626)。図5(C)は、S626の処理が実行されたときの表示面161の表示例である。
図5(C)に示すように、本実施形態において、表示面161に指紋画像30は表示されていないので(S628:NO)、分割領域71〜82全てが無効領域とされる(S630)。そして、図5(D)に示すように、バックライト装置に供給される電流がオフされて、表示面161は暗くなる(S632)。S634において、清掃モードから通常モードへ移行されて、バックライト装置に供給される電流がオンされ、表示面161は図5(A)に示すようになる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態においては、無効領域内の操作受付領域に対応する入力ボタン31〜34が有効領域に対応する表示面161で表示できない場合、入力ボタン31〜34が有効領域に対応する表示面161に表示可能な大きさに縮小される(図6に示すS610参照)。そして、図5(B)に示すように、縮小された入力ボタン31〜34が有効領域に対応する表示面161に表示される(図6に示すS612参照)。これにより、接触回数Tnが所定数T0以上の分割領域が多い場合であっても、表示面161に表示されるより多くの入力ボタン31〜34に対応する操作受付領域に関連付けられた処理を確実に実行することができる。
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の態様を採ることができる。
第1及び第2実施形態では、本発明の入力装置及び入力制御プログラムとしてMFP1を例にとって説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチパネルを有するものであれば種々の態様を採用することができる。
第1及び第2実施形態において、ユーザが清掃するタッチパネルの汚れをユーザの指の接触によるものとしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばタッチペンなど、種々の入力媒体を採用することができる。一般に、布などの払拭部材の接触による静電容量の変化量は、タッチペンなどの接触による静電容量の変化量より小さい。したがって、入力媒体がタッチペンなどの場合においても、第1及び第2実施形態と同様に、検出された静電容量の変化量が、パラメータ記憶メモリ146に記憶される変化量の閾値以上であれば、タッチペンなどによる接触であると判断され、一方、検出された静電容量の変化量が、変化量の閾値より小さければ、払拭部材による接触であると判断されるように制御すればよい。
第1及び第2実施形態において、表示面161に表示されている全ての入力ボタン31〜34が有効領域に表示されていたが(図4に示すS414または図6に示すS612参照)、少なくとも1つの入力ボタンが有効領域に表示されればよい。例えば、操作の可否を入力するための入力ボタンなど、使用頻度が高い入力ボタンまたは重要操作に関する入力ボタンのみを有効領域に表示させてもよい。
第1実施形態では、図4のS414において、入力ボタン31〜34各々が有効領域とされた分割領域71〜73及び分割領域77各々に対応する表示面161に任意に表示されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、操作の可否を入力するための入力ボタンなど、使用頻度が高い入力ボタンまたは重要操作に関する入力ボタンが、有効領域のうち接触回数Tnが少ない分割領域に対応する表示面161に表示されてもよい。使用頻度が高い入力ボタンまたは重要操作に関する入力ボタンが、有効領域のうち接触回数Tnが少ない分割領域に表示されることにより、その分割領域に対応する表示面161は汚れが少ないので、ユーザは、入力ボタンが見易くなり、入力操作が容易になる。
第2実施形態においても、図6のS610及びS612では、入力ボタン31〜34のうち任意の入力ボタンが縮小され、入力ボタン31〜34各々が有効領域とされた分割領域71〜73及び分割領域77各々に対応する表示面161に任意に表示されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、操作の可否を入力するための入力ボタンなど、使用頻度が高い入力ボタンまたは重要操作に関する入力ボタンは、縮小率が最も小さくされてもよいし、有効領域のうち接触回数Tnが少ない分割領域に対応する表示面表示されてもよい。
使用頻度が高い入力ボタンまたは重要操作に関する入力ボタンの縮小率が最も小さくなるので、すなわち、使用頻度が高い入力ボタンまたは重要操作に関する入力ボタンが最も大きく表示される。また、使用頻度が高い入力ボタンまたは重要操作に関する入力ボタンが、有効領域のうち接触回数Tnが少ない分割領域に対応する表示面161、すなわち、表示面161のうち汚れが少ない領域に表示される。これらにより、ユーザは、入力ボタンが見易くなり、入力操作が容易になる。
第1及び第2実施形態において、無効領域には人の指紋を示す指紋画像30(図2及び図5参照)が表示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、無効領域であることを示すものであれば、例えば、無効領域における表示色を有効領域と異なる色で表示する、キャラクタを表示させるなど、種々の態様を採用することができる。
第1及び第2実施形態において、清掃制御処理(図4及び図6参照)は、ユーザの指により清掃モードボタン35が押下されることによって、CPU10により清掃モードボタン35に対応する操作受付領域の接触が検出された場合に実行される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、清掃モードボタン35が操作キー15に設けられていており、操作キー15に設けられた清掃モードボタン35の押下により清掃制御処理が実行されてもよい。また、接触回数メモリ142に基づいて、分割領域71〜82のうち、接触回数Tnが所定回数を越えた分割領域が検出された場合に、ユーザが操作することなく、自動的に清掃モードへ移行されて清掃制御処理が実行されてもよい。
第1及び第2実施形態では、分割領域71〜82の座標情報及び大きさ、分割領域71〜82における接触回数Tn、分割領域が無効領域または有効領域であることを示す無効情報または有効情報、及び、指紋画像が表示されているか否かを示す指紋フラグは、分割領域71〜82を特定する識別情報に対応付けて、領域座標メモリ141、接触回数メモリ142、領域分割メモリ144、及び、指紋フラグメモリ145にそれぞれ記憶されている。しかしながら、例えば、分割領域71〜82を特定する識別情報に対応付けて、分割領域71〜82の座標情報及び大きさ、分割領域71〜82における接触回数Tn、分割領域の無効情報または有効情報、及び、指紋フラグが示された1つのテーブルがフラッシュメモリ14に記憶されていてもよい。
なお、図4及び図6のフローチャートにおいて、S404、S406、S604、及び、S608は本発明の領域分割手段、S408及びS608は本発明の表示判断手段、S412は本発明の第1変更手段、S414、S416、S612、及び、S614は本発明の領域表示手段、S414及びS612は本発明の位置変更手段、S414は本発明の表示制御手段に相当する。また、図4及び図6のフローチャートにおいて、S418は接触判断手段、S426は静電容量変更手段、S428は表示変更手段、S434は第2変更手段、S436は第3変更手段、S442は電源切替手段、S610は縮小手段に相当する。