JP2011157592A - 酸化物膜及びその製造方法、並びにターゲット及び酸化物焼結体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】p型の導電膜及びp型の透明導電膜としての酸化物膜の高性能化を図る。
【解決手段】
本発明の1つの酸化物膜は、チタン(Ti)とアンチモン(Sb)とからなる酸化物の膜(不可避不純物を含み得る)である。また、この酸化物膜は、前述のチタン(Ti)に対する前述のアンチモン(Sb)の原子数比が、そのチタン(Ti)の原子数を1とした場合にそのアンチモン(Sb)の原子数が0.08以上0.18以下である。さらに、この酸化物膜は、微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状であるとともにp型の導電性を有する。
【選択図】図2A
【解決手段】
本発明の1つの酸化物膜は、チタン(Ti)とアンチモン(Sb)とからなる酸化物の膜(不可避不純物を含み得る)である。また、この酸化物膜は、前述のチタン(Ti)に対する前述のアンチモン(Sb)の原子数比が、そのチタン(Ti)の原子数を1とした場合にそのアンチモン(Sb)の原子数が0.08以上0.18以下である。さらに、この酸化物膜は、微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状であるとともにp型の導電性を有する。
【選択図】図2A
Description
本発明は、酸化物膜及びその製造方法、並びにターゲット及び酸化物焼結体の製造方法に関する。
従来から、透明性又は導電性を備えた種々の酸化物膜が研究されている。特に、透明性と導電性を兼ね備えた膜は透明導電膜と呼ばれ、フラットパネルディスプレーや太陽電池などのデバイスにおける重要な要素材料として広く用いられている。
これまでに採用されてきた代表的な透明導電膜の材料は、ITO(酸化インジウム錫)とZnO(酸化亜鉛)である。ITO(酸化インジウム錫)は、特に透明性や導電性が高いことで知られており、材料としても安定していることから、各種のデバイスにおいて長年用いられてきた。しかし、その導電性はn型しか示さないため、適用範囲が限定される。他方、昨今、高性能化に向けた研究開発の対象として注目されているZnO(酸化亜鉛)については、純酸化亜鉛のみならず、アルミニウム(Al)とクロム(Cr)を添加した酸化亜鉛などが開発されている(特許文献1を参照)。しかし、そもそも酸化亜鉛は水分や熱に対する安定性がITOに比べて低いため、その取扱いは難しい。
ところで、n型の導電性を示す透明導電膜については、上述のITOをはじめ、AlをドープしたZnOやフッ素をドープしたSnO2など、数多くの種類が存在する。しかしながら、p型の導電性を示す透明導電膜の高性能化に向けた研究開発は依然として道半ばであるといえる。例えば、銅(Cu)とアルミニウム(Al)の複合酸化物であるCuAlO2の膜、又は銅(Cu)とストロンチウム(Sr)の複合酸化物であるSrCu2O2の膜がp型の導電性を示すことが開示されている(非特許文献1を参照)。しかしながら、それらの導電率は非常に低い。また、以下に示す特許文献2や特許文献3では、幾つかの元素が添加された酸化物が透明導電膜としての性質を有していることが開示されているが、いずれの文献も、開示された全ての元素に対する導電性や可視光透過率に関する具体的な開示が無いため、透明導電膜の技術資料として採用することが困難である。
Jaroslaw Domaradzki 他3名、「Transparent oxide semiconductors based on TiO2 doped with V, Co and Pd elements」、Journal of Non−Crystalline Solids、2006年、第352巻、p2324−2327
上述のように、p型の導電性を示す導電膜、特に、透明導電膜としての酸化物膜の高性能化は、n型のそれと比べて大きく立ち遅れているのが現状である。すなわち、現在開発されているp型の透明導電膜は、主として透明性又は導電性が低いといった問題を抱えている。
他方、結晶性の酸化物膜については、その物性を決定する結晶の配向制御の問題が生じうる。その意味で、特定の結晶方位を有しなければその性能を十分に発揮しないような結晶性の酸化物膜の採用は、工業化を念頭に置いたときに量産化や基板の大型化にとっての技術的な障壁となる可能性がある。
本発明は、上述の技術課題の少なくとも1つを解決することにより、p型の導電膜、特にp型の透明導電膜としての酸化物膜の高性能化に大きく貢献するものである。発明者らは、導電膜の適用範囲を広げるためにはp型の導電性を有する酸化物膜の高性能化が不可欠であると考え、その導電性又は透明性を高めるべく、古くから研究されている対象の元素のみならず、これまで本格的な研究対象となっていなかった新しい元素の採用を試みた。数多くの試行錯誤を行った結果、発明者らは、いわゆる薄膜化を行うことによって塊状の物性とは全く異なる物性を示す材料が存在し、その膜の特性が上述の幾つかの問題の解決に寄与し得ることを知見した。さらに発明者らが研究を重ねた結果、その材料は、望まれる特性を得るための製造条件が比較的緩やかであって、製造上の自由度が非常に高くなる可能性があることも併せて知見した。本発明は、そのような知見と経緯によって創出された。
本発明の1つの酸化物膜は、チタン(Ti)とアンチモン(Sb)とからなる酸化物の膜(不可避不純物を含み得る)であって、前述のチタン(Ti)に対する前述のアンチモン(Sb)の原子数比が、そのチタン(Ti)の原子数を1とした場合にそのアンチモン(Sb)の原子数が0.08以上0.18以下であり、かつ微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状であるとともにp型の導電性を有する。
この酸化物膜によれば、p型の電気伝導性を有するとともに、400nm以上780nm以下の波長の可視光領域において高い透過率が得られる。また、この酸化物は、通常、塊状においては結晶性を示すが、膜状になると微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状となるため、大型基板上への膜の形成が容易になることから、工業生産にも適している。
また、本発明の1つの酸化物膜の製造方法は、チタン(Ti)とアンチモン(Sb)とからなる酸化物(不可避不純物を含み得る)のターゲットの構成原子を飛散させることにより、基板上に微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状であってp型の導電性を有する第1酸化物膜を形成する工程を含む。
この酸化物膜の製造方法によれば、p型の電気伝導性を有するとともに、400nm以上780nm以下の波長の可視光領域の透過率が高い酸化物膜が得られる。また、この酸化物は、通常、塊状においては結晶性を示すが、膜状になると微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状となるため、大型基板上に容易に形成され得ることから、工業生産にも適した酸化物膜が得られる。。
また、本発明の1つのターゲットは、チタン(Ti)とアンチモン(Sb)とからなる酸化物(不可避不純物を含み得る)であって、前述のチタン(Ti)に対する前述のアンチモン(Sb)の原子数比が、そのチタン(Ti)の原子数を1とした場合にそのアンチモン(Sb)の原子数が0.08以上0.18以下である。
このターゲットによれば、例えば、スパッタリング又はパルスレーザーの照射によりこのターゲットの構成材料を飛散させることによって、p型の電気伝導性を有するとともに、400nm以上780nm以下の波長の可視光領域の透過率が高い酸化物膜を形成することができる。
また、本発明の1つの酸化物焼結体の製造方法は、アンチモン(Sb)の酸化物(不可避不純物を含み得る)と、チタン(Ti)の酸化物(不可避不純物を含み得る)とを、前述のチタン(Ti)に対する前述のアンチモン(Sb)の原子数比が、そのチタン(Ti)の原子数を1とした場合にそのアンチモン(Sb)の原子数が0.08以上0.18以下となる割合で混合することにより混合物を得る混合工程と、その混合物を圧縮成形することにより成形体を得る成形工程と、その成形体を加熱することによって焼結させる焼結工程とを含む。
この酸化物焼結体の製造方法によれば、この製造方法によって形成された酸化物焼結体を、例えば、スパッタリング又はパルスレーザーの照射の対象となるターゲットとして活用することにより、p型の電気伝導性を有するとともに、400nm以上780nm以下の波長の可視光領域の透過率が高い酸化物膜が形成され得る。また、焼結体であれば市場における取扱いが容易になるため、流通性及び産業適用性に富む製造物が得られる。
なお、本出願においては、「基板」とは、代表的にはガラス基板、半導体基板、金属基板、及びプラスチック基板を意味するが、これに限定されない。また、本出願における「基板」には、平板状に限らず、曲面状の構造体も含まれ得る。さらに、本願において、「基板の温度」とは、特に言及がない限り、その基板を支持、保持、ないし収容する台や器具を加熱するヒーターの設定温度を意味する。また、本出願において、「酸化物」及び「酸化物膜」には、製造上、混入を避けることができない不純物が含まれ得る。なお、この不純物の代表的なものは、例えば、ターゲットを製造する際に混入しうる不純物や、各種の基板の含まれる不純物、あるいは各種のデバイスの製造工程において利用される水の中に含まれる不純物である。従って、本願出願時の最新の分析機器によって必ずしも検出できるとは言えないが、例えば、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、鉄(Fe)、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、及びマグネシウム(Mg)が代表的な不純物として考えられる。
本発明の1つの酸化物膜によれば、p型の電気伝導性を有するとともに、400nm以上780nm以下の波長の可視光領域において高い透過率が得られる。また、この酸化物は、通常、塊状においては結晶性を示すが、膜状になると微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状となるため、大型基板上への膜の形成が容易になることから、工業生産にも適している。また、本発明の1つの酸化物膜の製造方法によれば、p型の電気伝導性を有するとともに、400nm以上780nm以下の波長の可視光領域の透過率が高い酸化物膜が得られる。また、この酸化物は、通常、塊状においては結晶性を示すが、膜状になると微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状となるため、大型基板上に容易に形成され得ることから、工業生産にも適した酸化物膜が得られる。また、本発明の1つのターゲットによれば、例えば、スパッタリング又はパルスレーザーの照射によりこのターゲットの構成材料を飛散させることによって、p型の電気伝導性を有するとともに、400nm以上780nm以下の波長の可視光領域の透過率が高い酸化物膜を形成することができる。さらに、本発明の1つの酸化物焼結体の製造方法によれば、この製造方法によって形成された酸化物焼結体を、例えば、スパッタリング又はパルスレーザーの照射の対象となるターゲットとして活用することにより、p型の電気伝導性を有するとともに、400nm以上780nm以下の波長の可視光領域の透過率が高い酸化物膜が形成され得る。また、焼結体であれば市場における取扱いが容易になるため、流通性及び産業適用性に富む製造物が得られる。
本発明の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。なお、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、各実施形態の要素のそれぞれは、必ずしも互いの縮尺比を保って示されてはいない。また、各図面を見やすくするために、一部の符号が省略され得る。
<第1の実施形態>
本実施形態では、チタン(Ti)とアンチモン(Sb)を主成分として含む酸化物膜及びその製造方法について説明する。図1は、本実施形態における第1酸化物膜の製造装置の説明図である。図2A及び図2Bは、本実施形態における第2酸化物膜の形成過程の1つを示す説明図である。
本実施形態では、チタン(Ti)とアンチモン(Sb)を主成分として含む酸化物膜及びその製造方法について説明する。図1は、本実施形態における第1酸化物膜の製造装置の説明図である。図2A及び図2Bは、本実施形態における第2酸化物膜の形成過程の1つを示す説明図である。
本実施形態では、最終目的物となる酸化物膜の製造に先立ち、その酸化物膜を形成するための原料となる酸化物焼結体の製造が行われた。まず、4価のチタン(Ti)の酸化物である二酸化チタン(TiO2)と、5価のアンチモン(Sb)の酸化物である五酸化アンチモン(Sb2O5)とが物理的に混合された。本実施形態では、公知のライカイ機(株式会社石川工場製、型式AGA)を用いて混合された。また、上述の2種類の酸化物は、化学量論比においてチタン(Ti)が1に対して、アンチモン(Sb)が約0.11となるように混合された。なお、本実施形態の二酸化チタン(TiO2)(rutile)については、株式会社高純度化学研究所社製の公称純度が99.9%のものが採用された。また、本実施形態のSb2O5については、株式会社高純度化学研究所社製の公称純度が99.9%のものが採用された。ところで、本実施形態では、前述の比率により各酸化物が混合されているが、この比率は前述の数値には限定されない。但し、チタン(Ti)の酸化物とアンチモン(Sb)の酸化物とを、前述のチタン(Ti)に対する前述のアンチモン(Sb)の原子数比が、そのチタン(Ti)の原子数を1とした場合に、そのアンチモン(Sb)の原子数が0.08以上0.18以下であれば、より確度高く最終的に目的とする酸化物膜を製造することができる。
次に、本実施形態では、上述の酸化物の混合物の粉末を市販の錠剤成形機(エヌピーエーシステム株式会社製、型式TB−5Hを用いて圧縮成形することにより、上述の酸化物の成形物が得られた。このときに加えられた圧力は、40MPaであった。さらに、アルミナ板上に載せた上述の粉末状の混合物の上にこの成形体を置いた状態で、1000℃に加熱した市販のマッフル炉(株式会社モトヤマ製、型式MS−2520を用いて4時間の第1焼成工程が行われた。
本実施形態では、上述の第1焼成工程を経た成形物を、さらに粉砕及び混合した上で、再度圧縮成形することにより、最終的な酸化物焼結体が得られた。なお、このときに加えられた圧力は、70MPaであり、1500℃に加熱した上述のマッフル炉を用いて4時間の第2焼成工程が行われた。
上述の2つの焼成工程を経て得られた酸化物焼結体の相対密度は約90%であった。この酸化物焼結体の結晶構造については、XRD分析装置(株式会社リガク製、製品名「自動X線解説装置 RINT(登録商標)2400」)を用いた測定及び分析が行われた。その結果、上述の酸化物焼結体がアンチモン(Sb)をドープした二酸化チタン(TiO2)の結晶構造、換言すれば、(Ti0.90Sb0.10)O2のルチル構造を有していることが分かった。ところで、このXRD測定では、θ/2θ法が採用された。また、X線照射の際の管電圧は40kVであり、管電流は100mAであった。また、X線発生部のターゲットは銅であった。なお、以下のいずれのXRD分析も、前述のXRD分析装置を用いて行われた。
その後、図1に示すように、パルスレーザー蒸着装置20を用いて酸化物膜が基板10上に製造される。なお、パルスレーザー蒸着装置20のレーザー源は、Lambda Physik社製の、型式Compex201であり、そのチャンバーは、ネオセラ社製のパルスレーザー蒸着装置であった。また、本実施形態では、基板10はホウケイ酸ガラス基板である。また、上述の酸化物焼結体がターゲット30として採用された。大気開放されたチャンバー21内のステージ(又は、基板ホルダー。以下、統一的にステージという。)27上に、取り付け金具を用いて基板10を貼り付けて載置した後、公知の真空ポンプ29を用いて排気口28からチャンバー21内の空気が排気された。チャンバー21内の圧力が10−4Paのオーダーになるまで排気された後、ステージ27内部の図示しないヒーターの温度が100℃に設定された。
しばらくして、酸素ガスボンベ25aから導入口を介して酸素(O2)がチャンバー21内に供給された。なお、本実施形態における酸化物膜の蒸着工程では、チャンバー21内の酸素の平衡圧力が約1.5Paとなるように真空ポンプ29による排気が調整された。なお、本実施形態では、酸素ガスのみが導入されたが、これに限定されない。例えば、酸素ガスに加えて、図1に示すガスボンベ25b内に収容されている窒素(N2)ガス、ヘリウム(He)ガス、又はアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスが導入されてもよい。また、本実施形態のチャンバー21内の酸素の平衡圧力は約1.5Paであったが、それ以外の圧力(例えば、0.1Pa以上100Pa以下)に設定されても、本実施形態の酸化物膜と同様の酸化物膜が形成され得る。
その後、パルス状のフッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザー(波長248nm)22が、レンズ23によって集光された後、ターゲット30に照射される。上述の酸化物焼結体からなるターゲット30の構成原子を前述のエキシマレーザー照射によって飛散させることにより、図2Aに示すように、基板10上に第1酸化物膜11が形成される。ここで、本実施形態の第1酸化物膜11の組成比は、ターゲット30である酸化物焼結体のそれとほぼ一致する。従って、その組成比は、チタン(Ti)が1に対して、アンチモン(Sb)が約0.11である。なお、本実施形態のエキシマレーザーの発振周波数は、10Hzであり、単位パルスの単位面積当たりのエネルギーは、1パルスあたり200mJであり、また、照射回数は、10万回であった。
さらに、第1酸化物膜11の形成後、基板10が大気開放されたチャンバー21から取り出された。その後、約1%の水素(H2)ガスと約99%の窒素(N2)雰囲気となっているチャンバー内において、基板10上の第1酸化物膜11が、100℃の条件下で2時間加熱処理(アニール処理)された。この加熱処理の結果、図2Bに示すように、基板10上に第2酸化物膜12が得られた。なお、前述の窒素(N2)の代わりに、ヘリウム(He)又はアルゴン(Ar)ガスが用いられても良い。また、本実施形態では、約1%の水素(H2)ガスを含む雰囲気に第1酸化物膜11が曝露されているが、水素ガスや一酸化炭素(CO)ガスに代表される還元性のガスに第1酸化物膜11が曝露されることにより、本実施形態の少なくとも一部の効果が奏され得る。
ここで、本実施形態において得られた第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12の表面が原子間力顕微鏡(AFM)(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、型式SPI−3700/SPA−300」)を用いて観察された。その結果、第1酸化物膜11は非常に平坦な膜であった。また、第2酸化物膜12についても平坦な膜であった。また、上記レーザー顕微鏡を用いて第2酸化物膜12の膜厚を測定した結果、その膜厚は、約370nmであった。なお、以下のいずれの表面観察も、前述の原子間力顕微鏡を用いて行われた。
また、上述の第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12の結晶状態をXRD(X線回折)の分析が行われた。その結果、図3に示すように、第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12は、いずれも20°乃至30°において、アモルファスに由来すると考えられる広範なハローピーク以外のピークは観察されなかった。従って、上述のXRD分析の結果を踏まえると、本実施形態の第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12は、いずれもXRD分析では検出できない微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状であると考えられる。
また、上述の第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12の電気特性及び導電率が、ホール効果測定装置(ECOPIA社製、製品名「Hall Effect Measurement System HMS−3000 Ver.3.5」)を用いて分析された。その結果、本実施形態の第1酸化物膜11はn型の導電性を有するとともに、その導電率は約4.37×10−3S/cmであった。他方、本実施形態の第2酸化物膜12はp型の導電性を有するとともに、その導電率は約1.06×10−2S/cmであった。従って、第2酸化物膜12は、上述の加熱処理によりp型の導電性を有する酸化物膜になることが分かった。なお、この第2酸化物膜12のバンドギャップは約3.1eVであることが分かった。従って、本実施形態の第2酸化物膜12は、かなり広い禁制帯幅を有していることが明らかとなった。また、以下のいずれの電気特性の及び導電率の測定も、上述のホール効果測定装置を用いて行われた。
加えて、上述の第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12の可視光透過率(以下、単に「可視光透過率」又は「透過率」という。)を、マルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス株式会社製、製品名「マルチチャンネル分光器 PMA−12」)を用いて分析された。なお、光検出素子は、感度波長範囲が300nm〜1100nmのCCDリニアイメージセンサー「C1027―02」が用いられた。なお、以下のいずれの可視光透過率の分析も、前述のマルチチャンネル分光器を用いて行われた。
図4Aは、本実施形態における第2酸化物膜12の主として可視光領域の波長の光線の透過率の分析結果を示すチャートである。また、図4Bは、本実施形態における第2酸化物膜12の主として可視光領域の波長の光線の透過率の分析結果を示すチャートである。
図4A及び図4Bに示すように、第1酸化物膜11の380nm以上800nm以下の波長の光線の透過率は60%以上であり、第2酸化物膜12の400nm以上800nm以下の波長の光線の透過率は60%以上であった。従って、本実施形態における第1酸化物膜11および第2酸化物膜12は、いずれも高い透過率を有していることが明らかとなった。
さらに、上述の第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12の表面粗さが、原子間力顕微鏡により分析された。その結果、本実施形態における第1酸化物膜11の表面の二乗平均平方根粗さ(RMS)(以下、単に「表面粗さ」ともいう。)は、約2nmであり、第2酸化物膜12の表面粗さは、約6nmであることが分かった。すなわち、本実施形態の第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12の表面はいずれも極めて平坦性が高いことが分かった。
<第1の実施形態の変形例(1)>
第1の実施形態における第1酸化物膜11の加熱温度が50℃又は200℃である点以外は、第1の実施形態と同じ条件で第2酸化物膜12が形成された。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
第1の実施形態における第1酸化物膜11の加熱温度が50℃又は200℃である点以外は、第1の実施形態と同じ条件で第2酸化物膜12が形成された。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
まず、電気特性及び導電率の分析が行われた結果、第1酸化物膜11が50℃で加熱処理された場合の第2酸化物膜12は、p型の導電性を有するとともに、その導電率は約3.86×10−3S/cmであった。また、第1酸化物膜11が200℃で加熱処理された場合の第2酸化物膜12は、p型の導電性を有するとともに、その導電率は約8.77×10−3S/cmであった。
また、第1の実施形態における第1酸化物膜11が上述の2つの温度で加熱処理された場合の可視光透過率の分析も行われた。図4Cは、本実施形態における第1酸化物膜11が50℃で加熱処理された場合の第2酸化物膜の図4Bに相当するチャートである。また、図4Dは、本実施形態における第1酸化物膜11が200℃で加熱処理された場合の第2酸化物膜の図4Bに相当するチャートである。
図4Cに示すように、第1酸化物膜11が50℃で加熱処理された場合の第2酸化物膜の415nm以上800nm以下の波長の光線の透過率は60%以上であった。また、図4Dに示すように、第1酸化物膜11が200℃で加熱処理された場合の第2酸化物膜の370nm以上800nm以下の波長の光線の透過率は60%以上であった。さらに、後者について言えば、420nm以上800nm以下の波長の光線の透過率は70%以上であった。なお、本実施形態とは別に、第1酸化物膜11を、20℃乃至25℃において水素を含む雰囲気に曝露することによっても、本実施形態と第2酸化物膜12と同様の高い透過率が確認される。
従って、第1の実施形態及び第1の実施形態の変形例(1)の分析結果を考慮すれば、まず、第1酸化物11に対して特に加熱処理をしないこと、換言すれば、室温(代表的には、20℃乃至25℃)で利用することが透過率向上の観点で好ましいことが分かった。また、発明者らによる追加的な分析の結果を併せれば、第1酸化物膜11を0℃以上200℃以下において水素を含む雰囲気に曝露することも透過率向上の観点で好ましいことが分かった。なお、第1酸化物膜11が100℃以上200℃以下で加熱処理されることが透過率向上の観点でさらに好ましい。加えて、特に、100℃程度(誤差範囲が±3℃)の加熱処理が行われた場合は、さらにp型としての導電率が高められる点は特筆に値する。ところで、第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12におけるチタン(Ti)に対するアンチモン(Sb)の原子数比が、そのチタン(Ti)の原子数を1とした場合に、そのアンチモン(Sb)の原子数が0.08以上0.18以下であれば、上述の透過率の効果と同様の効果が奏されうる。
また、第1の実施形態における第1酸化物膜11が上述の2つの温度で加熱処理された場合のXRD分析も行われた。その結果、50℃及び200℃のいずれについても、本実施形態の結果と同様に、XRD分析では検出できない微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状であると考えられる。なお、代表的に、200℃の条件下で2時間加熱処理された場合の第2酸化物膜のXRD分析結果のチャートを図5に示す。
なお、本実施形態とは別に、第1の実施形態における第1酸化物膜11が500℃で加熱処理された場合のXRD分析も比較例として行われた。その結果、図6に示すように、第1酸化物膜11が500℃で加熱されると、アナタース相の二酸化チタン(TiO2)の結晶構造の回折ピーク(図6における参考データを参照)とほぼ一致している。従って、第1酸化物膜11を500℃下で加熱処理を行うことによって、結晶化が進むことが明らかとなった。
<第2の実施形態>
本実施形態では、第1の実施形態の第1酸化物膜11を形成するための酸化物焼結体の出発材としての、二酸化チタン(TiO2)と、五酸化アンチモン(Sb2O5)とが、化学量論比においてチタン(Ti)が1に対して、アンチモン(Sb)が約0.087となるように混合された。また、第2酸化物膜12を形成するための第1酸化物膜11の加熱温度が200℃であった。それら以外は、第1の実施形態の各プロセスと同様である。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
本実施形態では、第1の実施形態の第1酸化物膜11を形成するための酸化物焼結体の出発材としての、二酸化チタン(TiO2)と、五酸化アンチモン(Sb2O5)とが、化学量論比においてチタン(Ti)が1に対して、アンチモン(Sb)が約0.087となるように混合された。また、第2酸化物膜12を形成するための第1酸化物膜11の加熱温度が200℃であった。それら以外は、第1の実施形態の各プロセスと同様である。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
その後、第1の実施形態と同様に、錠剤成形機による圧縮成形工程、及び焼成工程を経て酸化物焼結体が製造される。本実施形態の酸化物焼結体の相対密度は約85%である。また、その酸化物焼結体のXRD分析の結果、上述の酸化物焼結体が(Ti0.92Sb0.08)O2のルチル構造を有していることが分かった。
その後、第1の実施形態と同様に、図1に示すパルスレーザー蒸着装置20を用いて第1酸化物膜が基板10上に製造された。また、上述の(Ti0.92Sb0.08)O2のルチル構造を有する酸化物焼結体がターゲット30として採用された。
さらに、第1酸化物膜11の形成後、約1%の水素(H2)ガス雰囲気となっているチャンバー内において、基板10上の第1酸化物膜11が、200℃の条件下で2時間加熱処理(アニール処理)された。この加熱処理の結果、図2Bに示すように、基板10上に第2酸化物膜12が得られた。
ここで、本実施形態において得られた第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12の表面が、原子間力顕微鏡を用いて観察された。その結果、第1酸化物膜11は、非常に平坦な膜であった。一方、第2酸化物膜12についても平坦な膜であった。また、第2酸化物膜12の膜厚を測定した結果、その膜厚は、約700nmであった。
また、発明者らは、上述の第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12の結晶状態をXRD(X線回折)により分析した。その結果、図7に示すように、第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12は、いずれも20°乃至30°において、アモルファスに由来すると考えられるハローピーク以外のピークは観察されなかった。従って、本実施形態の第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12も、第1の実施形態と同様に、いずれもXRD分析では検出できない微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状であると考えられる。
また、上述の第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12の電気特性及び導電率が分析された。その結果、本実施形態の第1酸化物膜11はp型の導電性を有するとともに、その導電率は、約6.13×10−3S/cmであった。また、本実施形態の第2酸化物膜12はp型の導電性を有するとともに、その導電率は、約3.94×10−3S/cmであった。
また、上述の第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12の可視光透過率も分析された。その結果、本実施形態の場合も、第1の実施形態の結果と同様に、高い透過率(例えば、400nm以上800nm以下の波長において60%以上)が得られることが確認された。
ところで、上述の各実施形態では、パルスレーザー蒸着装置20を用いて第1酸化物膜11が製造されているが、第1酸化物膜11の製造方法はこれに限定されない。例えば、RFスパッタ法、マグネトロンスパッタ法に代表される物理的気相成長法(PVD法)が適用され得る。
また、上述の各実施形態で製造された第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12の組成比は、少なくともチタン(Ti)に対するアンチモン(Sb)の原子数比については、いずれもターゲット30として用いられた酸化物焼結体の組成比をほぼ反映したものであるといえる。そこで、第1酸化物膜11及び第2酸化物膜12の膜中のチタン(Ti)に対するアンチモン(Sb)の原子数比が、そのチタン(Ti)の原子数を1とした場合に、そのアンチモン(Sb)の原子数が0.08以上0.18以下であれば、p型の導電性を取得する、あるいは高い可視光透過率が得られるという観点で好ましいといえる。
また、上述の各実施形態では、パルスレーザー蒸着装置20を用いて第1酸化物膜11を製造する際のステージ27内部のヒーターの温度が100℃に設定されたが、この温度は、100℃は限定されない。例えば、平坦性の高い第1酸化物膜11を得るためには、ステージ27内部のヒーターの設定温度を0℃以上100℃以下にすることが好ましい。
また、上述の各実施形態では、第1酸化物膜11又は第2酸化物膜12を製造するためのターゲット30として、酸化物焼結体が酸化物から製造されているが、水酸化物(例えば、水酸化銅)や、硝酸塩(例えば、硝酸銅)や、炭酸塩や、シュウ酸塩から酸化物焼結体が製造されてもよい。
以上、述べたとおり、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明は、p型の導電性を有する酸化物膜、あるいはp型の導電性を有する透明導電膜として広範に利用され得る。
Claims (9)
- チタン(Ti)とアンチモン(Sb)とからなる酸化物の膜(不可避不純物を含み得る)であって、前記チタン(Ti)に対するアンチモン(Sb)の原子数比が、チタン(Ti)の原子数を1とした場合に前記アンチモン(Sb)の原子数が0.08以上0.18以下であり、かつ
微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状であるとともにp型の導電性を有する
酸化物膜。 - 400nm以上780nm以下の波長の光線を60%以上透過する
請求項1に記載の酸化物膜。 - チタン(Ti)とアンチモン(Sb)とからなる酸化物(不可避不純物を含み得る)のターゲットの構成原子を飛散させることにより、基板上に微結晶の集合体、微結晶を含むアモルファス状、又はアモルファス状であってp型の導電性を有する第1酸化物膜を形成する工程を含む
酸化物膜の製造方法。 - 前記第1酸化物膜を、0℃以上200℃以下において、還元性のガスを含む雰囲気に曝露することにより第2酸化物膜を形成する工程とを含む
請求項3に記載の酸化物膜の製造方法。 - 第1酸化物膜を形成するときの前記基板の温度が0℃以上100℃以下である
請求項3又は請求項4に記載の酸化物膜の製造方法。 - 前記ターゲットの構成原子を、スパッタリング又はパルスレーザーの照射により飛散させることにより前記第1酸化物膜を形成する
請求項3又は請求項4に記載の酸化物膜の製造方法。 - チタン(Ti)とアンチモン(Sb)とからなる酸化物(不可避不純物を含み得る)であって、
前記チタン(Ti)に対する前記アンチモン(Sb)の原子数比が、前記チタン(Ti)の原子数を1とした場合に前記アンチモン(Sb)の原子数が0.08以上0.18以下
ターゲット。 - 前記ターゲットが、焼結されたものであって、相対密度が75%以上である
請求項7に記載のターゲット。 - アンチモン(Sb)の酸化物(不可避不純物を含み得る)とチタン(Ti)の酸化物(不可避不純物を含み得る)とを、前記チタン(Ti)に対する前記アンチモン(Sb)の原子数比が、前記チタン(Ti)の原子数を1とした場合に前記アンチモン(Sb)の原子数が0.08以上0.18以下となる割合で混合することにより混合物を得る混合工程と、
前記混合物を圧縮成形することにより成形体を得る成形工程と、
前記成形体を加熱することによって焼結させる焼結工程とを含む
酸化物焼結体の製造方法。
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