JP2011156571A - 焼結体鍛造装置およびコンロッドの製造方法 - Google Patents

焼結体鍛造装置およびコンロッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で、段差部を有する焼結体を鍛造して、厚さが異なる製品を成形する場合に、焼結体を各部を設定された所望の面圧で鍛造して、所望の密度の製品を成形することができる焼結体鍛造装置を提供する。
【解決手段】焼結体鍛造装置は、段差部Sa、Sbを有する焼結体Wを鍛造して、部分的に厚さTA’,TB’,TC’が異なる製品W’を成形するものであって、金型1の一対のパンチ10,12の少なくとも一方12が段差部Sa、Sbと対応する位置で分割されて複数のパンチ構成部材12a,12b,12cにより構成されており、パンチ構成部材12a,12b,12cをそれぞれ独立してサポートして、焼結体Wの各部WA,WB,WCにおける鍛造時の面圧を調整するサポート手段2を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼結体鍛造装置およびコンロッドの製造方法に関し、さらに詳しくは、段差部を有する焼結体を鍛造して、部分によって厚さが異なる製品を成形する焼結体鍛造装置、および、段差部を有する焼結体を焼結体鍛造装置によって鍛造して、大端部、小端部、大端部と小端部を連結するコラム部を有するコンロッドを製造する方法に関するものである。
レシプロエンジンのピストンをクランクシャフトに連結するためのコネクティングロッド(コンロッドと一般的には略称されている)は、クランクシャフト用孔を有する大端部と、ピストンピン用孔を有する小端部と、これらを連接するコラム部とを有している。一般にコンロッドは、図に示すように、エンジンの剛性や疲労強度の付与と軽量化を図るなどのために、大端部と小端部が厚く、コラム部がこれらの端部と比較して薄く成形される。
このようなコンロッドには、図4に示すように、金属粉末材料を成形して圧粉体とし、この圧粉体を焼結して焼結体とし、この焼結体を金型で鍛造して、必要に応じて後処理を行う、焼結鍛造より製造されるものがある。圧粉体は、コンロッドの形状と対応して、大端部と小端部とコラム部となる部分がそれぞれ成形されている。したがって、圧粉体を焼結してなる焼結体も、比較的厚い大端部および小端部となる部分と、比較的薄いコラム部となる部分とが形成されており、これら大端部と小端部とコラム部とになる部分の境界にそれぞれ段差部を有している。
このように焼結体を鍛造するための金型は、一般に図5〜図7に示すように、ダイ111と、一対のパンチ110,112と、大端部WA’のクランクシャフト用孔および小端部WC’のピストンピン用孔を成形するためのコア113,114とを備えており、パンチ110,112は、成形するコンロッドW’の各部WA’,WB’,WC’に応じた形状に一体で成形されていた。なお、図6および図7は、図5に示した金型からコア113,114を省略するなどして概念的に示したものであり、図6は鍛造前の状態を、図7は鍛造時の状態を示している。
また、焼結体の鍛造に関する従来の技術としては、例えば特許文献1が知られている。特許文献1には、軸部より肉厚で且つ軸部中心線に関して上下対称とされた端部を有する部品を、圧粉成形により得られたプリフォームを鍛造型を用いて焼結鍛造して得るようにした焼結鍛造加工方法であって、前記プリフォームにおける端部相当部分を、軸部相当部分の中心線に関して下側突出部が上側突出部より大となる非対称形状に成形し、このプリフォームを、上下反転させた状態で鍛造型にセットした後、所望形状に焼結鍛造成形することを特徴とし、さらに、前記プリフォームの成形時に、前記上側突出部と軸部相当部分との間に低い段差部を形成し、プリフォームを鍛造型にセットする際に前記段差部により位置決めするようにしたことを特徴とする焼結鍛造加工方法が開示されている。
そして、特許文献1に開示された鍛造用金型おいても、本願の図5〜図7に示したものと同様に、フローティングロアパンチ24およびアッパパンチ27は、いずれも、成形するコンロッドの形状(各部の厚さ)に応じて一体に成形されている。また、特許文献1においてプリフォーム(焼結体)を鍛造する金型22は、その図5に示されているように、プリフォームW’(本願では焼結体W)を鍛造用金型にセットした鍛造前の状態において、プリフォームW’の段差部6’がフローティングロアパンチ24の突部24a上に載置されているため、上側突出部2b’、3b’がフローティングロアパンチ24から離れた状態となっており、また、アッパパンチ27を下降させてプリフォームW’を鍛造するときには、プリフォームW’の図5におけるI杆部相当部分1′の上面に対してアッパパンチ27の突部27’が離れた状態となっている。
特開平5−271710号公報
しかしながら、図5〜図7に示したように構成された金型によって段差部SA、SBを有する焼結体Wを鍛造して、上述した大端部WA’とコラム部WB’と小端部WC’とを有するコンロッドW’のように、部分によって厚さTA’,TB’,TC’が異なる製品W’を成形する場合にあっては、焼結体Wに寸法誤差(特に厚さの寸法誤差)が生じている場合に、鍛造時の焼結体Wに対するパンチ110,112の面圧が部分によって設定された値と異なり、その結果、図3に示すように、製品W’が部分によって所定の密度で成形されないという問題があった。
この問題は、特許文献1においても、厚さの寸法誤差が生じている焼結体Wを、一体で成形されたアッパパンチおよびロアパンチとダイによって鍛造すると、大端部相当部分2′、I杆部相当部分1′、小端部相当部分3′を所定の面圧で鍛造することが困難となり、しかも、特許文献1では、プリフォームW’を金型にセットした鍛造前の状態において、上側突出部2b’、3b’がフローティングロアパンチ24から離れ、また、プリフォームW’を鍛造するときには、プリフォームW’の図5におけるI杆部相当部分1′の上面に対してアッパパンチ27の突部27aが離れた状態となっているために、プリフォームW’を所定の面圧で鍛造することができず、したがって、製品を所望の密度で成形することができないという問題があった。
そして、製品を所定の設定された密度に成形することができないことから、コンロッドなどの製品の各部における強度や剛性、靭性などの機械的特性にバラツキが生じて、製品を所望する品質で製造することができないという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、大端部と小端部とコラム部とを有するコンロッドのように、段差部を有する焼結体を鍛造して、部分によって厚さが異なる製品を成形する場合に、焼結体を各部を設定された所望の面圧で鍛造して、所望の密度の製品を成形することができる焼結体鍛造装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、焼結体の各部を設定された所望の面圧で鍛造して大端部と小端部とコラム部とが所望の密度で成形されたコンロッドを製造することができる方法を提供することを目的とする。
請求項1の焼結体鍛造装置に係る発明は、上記目的を達成するため、段差部を有する焼結体を鍛造して、部分によって厚さが異なる製品を成形する焼結体鍛造装置であって、一対のパンチの少なくとも一方が前記段差部と対応する位置で分割されて複数により構成されており、前記分割されたパンチをそれぞれ独立してサポートして、焼結体の各部における鍛造時の面圧を調整するサポート手段を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項3のコンロッドの製造方法に係る発明は、上記目的を達成するため、段差部を有する焼結体を焼結体鍛造装置によって鍛造して、大端部、小端部、大端部と小端部を連結するコラム部を有するコンロッドを製造する方法であって、前記焼結体鍛造装置の一対のパンチの少なくとも一方を前記段差部と対応する位置で分割して、前記コンロッドの大端部、小端部、コラム部と対応させて複数により構成しておき、該分割されたパンチをそれぞれ独立してサポートして、焼結体の各部における鍛造時の面圧を調整することを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、一対のパンチの少なくとも一方が前記段差部と対応する位置で分割されて複数により構成されており、前記分割されたパンチをそれぞれ独立してサポートして、焼結体の各部における鍛造時の面圧を調整するサポート手段を備えているという簡単な構成で、焼結体の各部を設定された所望の面圧で鍛造して、部分によって厚さが異なる製品を所望の密度で成形することができる焼結体鍛造装置を提供することができる。
また、請求項3の発明によれば、焼結体鍛造装置の一対のパンチの少なくとも一方を前記段差部と対応する位置で分割して、前記コンロッドの大端部、小端部、コラム部と対応させて複数により構成しておき、該分割されたパンチをそれぞれ独立してサポートして、焼結体の各部における鍛造時の面圧を調整するという簡単な構成により、焼結体の各部を設定された所望の面圧で鍛造して、大端部と小端部とコラム部とが所望の密度で成形されたコンロッドを製造することができる方法を提供することができる。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(4)項が請求項2に相当し、(5)項が請求項3に相当する。
(1) 段差部を有する焼結体を鍛造して、部分によって厚さが異なる製品を成形する焼結体鍛造装置であって、
一対のパンチの少なくとも一方が前記段差部と対応する位置で分割されて複数により構成されており、
前記分割されたパンチをそれぞれ独立してサポートして、焼結体の各部における鍛造時の面圧を調整するサポート手段を備えていることを特徴とする焼結体鍛造装置。
(1)項の発明では、一対のパンチの少なくとも一方が前記段差部と対応する位置で分割されて複数により構成されており、前記分割されたパンチをそれぞれ独立してサポートして、焼結体の各部における鍛造時の面圧を調整するサポート手段を備えているという簡単な構成で、焼結体の各部を設定された所望の面圧で鍛造して、部分によって厚さが異なる製品を所望の密度で成形することができる。
(2) 前記分割されたパンチをそれぞれ独立してサポートするサポート手段は、焼結体の各部における鍛造時の面圧が均一となるように調整するものであることを特徴とする(1)項に記載の焼結体鍛造装置。
(2)項の発明では、(1)項に記載の発明において、分割されたパンチが段差部を有する焼結体を鍛造するときに、サポート手段によって各部における鍛造時の面圧を均一に調整するため、部分的厚さが異なる製品であっても均一な密度で成形することができる。
(3) サポート手段が、前記分割された各パンチとそれぞれ接続され、各部の設定された面圧に応じた受圧面積を有するシリンダと、各シリンダに並列に接続されてそれぞれに所定圧力の作動流体を供給する管路とを備えていることを特徴とする(2)項に記載の焼結体鍛造装置。
(3)項の発明では、(2)項に記載の発明において、前記分割された各パンチとそれぞれ接続され、各部の設定された面圧に応じた受圧面積を有するシリンダと、各シリンダに並列に接続されてそれぞれに所定圧力の作動流体を供給する管路とを備えていることにより、分割されたパンチが段差部を有する焼結体を鍛造するときに、サポート手段が各部における鍛造時の面圧を均一に調整して、部分的厚さが異なる製品であっても均一な密度で成形することができる。
(4) 製品が、大端部、小端部、大端部と小端部を連結するコラム部を有するコンロッドであり、前記一対のパンチの少なくとも一方が、大端部、小端部、コラム部と対応して分割されていることを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の焼結体鍛造装置。
(4)項の発明では、(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の発明において、成形する製品が、大端部、小端部、大端部と小端部を連結するコラム部を有するコンロッドである場合に、一対のパンチの少なくとも一方が、大端部、小端部、コラム部の各境界部に形成される段差部と対応して分割されて複数により構成されているため、コンロッドの各部を設定された所望の面圧で鍛造して、部分的に厚さが異なるコンロッドを所望の密度で成形することができる。
(5) 段差部を有する焼結体を焼結体鍛造装置によって鍛造して、大端部、小端部、大端部と小端部を連結するコラム部を有するコンロッドを製造する方法であって、
前記焼結体鍛造装置の一対のパンチの少なくとも一方を前記段差部と対応する位置で分割して、前記コンロッドの大端部、小端部、コラム部と対応させて複数により構成しておき、
該分割されたパンチをそれぞれ独立してサポートして、焼結体の各部における鍛造時の面圧を調整することを特徴とするコンロッドの製造方法。
(5)項の発明では、焼結体鍛造装置の一対のパンチの少なくとも一方を前記段差部と対応する位置で分割して、前記コンロッドの大端部、小端部、コラム部と対応させて複数により構成しておき、該分割されたパンチをそれぞれ独立してサポートして、焼結体の各部における鍛造時の面圧を調整するという簡単な構成により、焼結体の各部を設定された所望の面圧で鍛造して、厚さが異なる大端部と小端部とコラム部とが所望の密度で成形されたコンロッドを製造することができる。
(6) 前記焼結体の各部における鍛造時の面圧が均一となるように、前記分割されたパンチのサポート力を調整することを特徴とする(5)項に記載のコンロッドの製造方法。
(6)項の発明では、(5)項に記載の発明において、焼結体を鍛造するときに、分割されたパンチによる焼結部材の各部に対する面圧が均一となるようにそのサポート力を調整することにより、厚さが異なる大端部と小端部とコラム部とが均一な密度で成形されたコンロッドを製造することができる。
本発明の焼結体鍛造装置を、大端部、小端部、およびコラム部を有するコンロッドを成形するものである場合により説明するために、鍛造前の状態を概念的に示した断面図である。 図1の状態から鍛造を行った状態を概念的に示した部分拡大断面図である。 本発明と、従来の技術との各部における密度を比較して説明するために示したグラフである。 従来の一般的な焼結鍛造の工程を説明するために示したブロック図である。 従来の焼結体鍛造金型の実施の一形態を示した断面図である。 図5に示した焼結体鍛造金型の要部拡大断面図である。 図6に示した焼結体鍛造金型により焼結体を鍛造する状態を説明するために示した要部拡大断面図である。
最初に、本発明の焼結体鍛造装置の実施の一形態を、部分的に厚さが異なる製品としてコンロッドを、各部が均一な密度となるように均一な面圧で鍛造して成形する場合により、図1および図2に基づいて以下に詳細に説明する。なお、図1および図2に示した金型は、下パンチ以外の構成については、図5に示したものと同様であるため、省略化して概念的に示されている。
本発明の焼結体鍛造装置は、概略、段差部Sa、Sbを有する焼結体Wを金型1により鍛造して、部分的に厚さTA’,TB’,TC’が異なる製品W’を成形するものであって、金型1の一対のパンチ10,12の少なくとも一方12が、焼結体Wの段差部Sa、Sbと対応する位置で分割されて複数のパンチ構成部材12a,12b,12cにより構成されており、これらのパンチ構成部材12a,12b,12cをそれぞれ独立してサポートして、焼結体Wの各部WA,WB,WCにおける鍛造時の面圧を調整するサポート手段2を備えている。
そして、この実施の形態においては、パンチ構成部材12a,12b,12cをそれぞれ独立してサポートするサポート手段2は、焼結体Wの各部WA,WB,WCにおける鍛造時の面圧が均一となるように調整するものであり、より具体的には、パンチ構成部材12a,12b,12cとそれぞれ接続され、各部WA,WB,WCの設定された面圧に応じた受圧面積を有するシリンダ20a,20b,20cと、各シリンダ20a,20b,20cに並列に接続されてそれぞれに所定圧力の作動流体を供給する管路21とを備えている。
また、この実施の形態では、成形する製品としてのコンロッドW’が、大端部WA’、小端部WC’、大端部WA’と小端部WC’を連結するコラム部WB’を有しており、一対のパンチ10,12の少なくとも一方のパンチ構成部材12a,12b,12cが、大端部WA’、コラム部WB’、小端部WC’と対応するよう分割されている。
この実施の形態で成形されるコンロッドW’は、図4に示したように、金属粉末材料を成形して圧粉体とし、この圧粉体を焼結して焼結体Wとし、焼結体Wを焼結体鍛造装置の金型1で鍛造することにより製造されるもので、必要に応じて鍛造後に後処理が行われる。圧粉体は、製造しようとするコンロッドW’の大端部WA’とコラム部WB’と小端部WC’との形状と対応して、各部WA’,WB’,WC’となる部分がそれぞれ焼結による寸法変化などを考慮して成形されている。したがって、この圧粉体を焼結してなる焼結体Wも、製造しようとするコンロッドW’の大端部WA’とコラム部WB’と小端部WC’との形状と対応して、鍛造による材料流動を考慮して各部WA’,WB’,WC’となる部分WA,WB,WCがそれぞれ成形されている。すなわち、コンロッドW’の大端部WA’とコラム部WB’とのそれぞれの厚さTAとTB、および、小端部WC’とコラム部WB’とのそれぞれの厚さTCとTBが異なっていることから、これらの境界には段差部SA’,SB’が形成されているため、焼結体Wの大端部になる部分WAとコラム部になる部分WBとの間の境界、および、小端部になる部分WCとコラム部になる部分WBとの間の境界にも段差部SA,SBが形成されている。
金型1は、図1に示した実施の形態の場合、上パンチ10と、ダイ11と、分割して成形された下パンチ構成部材12a,12b,12cからなる下パンチ12と、を備えており、さらに図5に参照されるように、下パンチ12にはコア13,14を備え、上パンチ10には鍛造時にコア13,14が嵌挿される孔15,16を備えている。下パンチ12は、焼結体Wの段差部SA,SBと対応する位置で分割されており、複数の下パンチ構成部材12a,12b,12cにより構成されている。すなわち、各下パンチ構成部材12a,12b,12cは、焼結体Wを鍛造することにより製造されるコンロッドW’の大端部WA’、コラム部WB’、小端部WC’と対応して分割・構成されている。上パンチ10は、この実施の形態では従来の一般的な金型と同様に、一体に成形されており、ラムなどによって昇降可能に支持されている。複数の下パンチ構成部材12a,12b,12cからなる下パンチ12は、ダイ11の内部にそれぞれ独立して昇降可能に嵌挿されている。
サポート手段2は、分割された各下パンチ構成部材12a,12b,12cとそれぞれ接続されたシリンダ20a,20b,20cと、各シリンダ20a,20b,20cに並列に接続されてそれぞれに所定圧力の作動流体を供給する管路21と、各シリンダ20a,20b,20cに並列に接続されて各シリンダ20a,20b,20c内の作動流体が所定の圧力を超えたときにそのシリンダ20a,20b,20cからの作動流体の排出を許容する管路23とを備えている。各シリンダ20a,20b,20cの径と比例する受圧面積は、下パンチ構成部材12a,12b,12cによってそれぞれ成形するコンロッドW’の各部WA’,WB’,WC’の密度に基づき各部WA,WB,WCの面圧に応じて設定される。管路21には、逆止弁22を介して作動流体をタンクなどから所定の圧力で送り出すポンプと接続されている。また管路23には、圧力調整バルブ24を介してタンク25と接続されている。
次に、本発明のコンロッドの製造方法を、上述したように構成された焼結体鍛造装置を用いる場合により、その作動とともに詳細に説明する。
本発明のコンロッドW’の製造方法は、概略、製造するコンロッドW’の大端部WA’、小端部WC’、大端部WA’と小端部WC’を連結するコラム部WB’の厚さが異なることに応じて段差部SA,SBを有する焼結体Wを金型1によって鍛造するものであって、金型1の一対のパンチ10,12の少なくとも一方12を段差部SA,SBと対応する位置で分割して、コンロッドW’の大端部WA’、コラム部WB’、小端部WC’と対応させた複数のパンチ構成部材12a,12b,12cにより構成しておき、これらのパンチ構成部材12a,12b,12cをそれぞれ独立してサポートして、焼結体Wの各部WA,WB,WCにおける鍛造時の面圧を調整するものである。
そして、この実施の形態においては、焼結体Wの各部WA,WB,WCにおける鍛造時の面圧が均一となるように、各下パンチ構成部材12a,12b,12cのサポート力を調整するものである。
最初に、焼結体鍛造装置の金型1の、下パンチ12を焼結体Wの段差部SA,SBと対応する位置で分割して、コンロッドW’の大端部WA’、コラム部WB’、小端部WC’と対応する複数の下パンチ構成部材12a,12b,12cにより構成しておき、ダイ11の内部にそれぞれ独立して昇降可能に嵌挿すること、そして、サポート手段2のそれぞれ所定の径を有する各シリンダ20a,20b,20cにより各下パンチ構成部材12a,12b,12cを支持させておくこと、各シリンダ20a,20b,20cに各管路21,23を並列に接続しておくなど、焼結体鍛造装置を構成しておくことは、上述したとおりである。そして、コンロッドW’を製造するに際しては、図4に示したように、製造するコンロッドW’の形状に応じて金属粉末材料を成形して圧粉体とし、この圧粉体を焼結して焼結体Wとしておくことも、上述したとおりである。
焼結体Wを鍛造するに際しては、図1に示したように、上パンチ10を上昇させて、焼結体Wをダイ11内にセットする。このとき、各シリンダ20a,20b,20cには、管路21を介して作動流体が所定の圧力で供給されており、各下パンチ構成部材12a,12b,12cは、その上面が焼結体Wの大端部、コラム部、および小端部となる部分WA,WB,WCの下面と略対応するよう位置している。
この状態で、上パンチ10を下パンチ12に向って下降させると、図2に示したように、焼結体Wが鍛造されてコンロッドW’が成形されることとなる。このとき、焼結体Wの大端部、コラム部、および小端部となる部分WA,WB,WCの厚さTA,TB,TCに誤差が生じている場合であっても、パンチ構成部材12a,12b,12cによってそれぞれ成形する焼結体Wの各部WA,WB,WCの設定された面圧に応じて、シリンダ20a,20b,20cの径(受圧面積)が設定されているので、この焼結体Wをダイ11内で上パンチ10と下パンチ12との間で鍛造するときに、下パンチ構成部材12a,12b,12cがそれぞれ独立してシリンダ20a,20b,20cによってサポートされており、しかも、各シリンダ20a,20b,20cが管路21,23によって並列に接続されているので、焼結体Wの各部の厚さTA,TB,TCの誤差を吸収することとなり、この実施の形態では大端部、コラム部、小端部となる部分WA,WB,WCを全体にわたってそれぞれ均一な面圧で鍛造することとなる。その結果、図3に示すように、本発明により製造されたコンロッドW’は、全体が均一な密度で成形されることとなる。これに対して、従来の技術では、上パンチ110と下パンチ112がいずれも一体に成形されているため、焼結体Wの各部WA,WB,WCの厚さTA,TB,TCに誤差が生じている場合に、各部WA,WB,WCを均一な面圧で鍛造することができないため、図3に示したように、部分によって密度が異なることとなる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることはなく、例えば、シリンダ20a,20b,20cの受圧面積を変更することなどにより、コンロッドW’の大端部WA’とコラム部WB’と小端部WC’とを異なる密度に成形することもできる。また、下パンチ12と同様に、上パンチ10を分割して複数の上パンチ構成部材により構成するとともに、各上パンチ構成部材をシリンダに接続してもよい。さらに、本発明は、上パンチ10をダイ11と下パンチ12に対して昇降移動させるよう構成することに限定されることはなく、上パンチ10に対してダイ11と下パンチ12を昇降移動させるよう構成したり、上パンチ10とダイ11および下パンチ12との双方を昇降移動させるよう構成し、あるいは、上パンチ10をダイ11に嵌挿するよう構成することもできる。さらにまた、両パンチ10,12とダイ11の配置は、上下方向に限定されることはなく、横方向に配置してもよい。
本発明の焼結体鍛造装置は、コンロッドの製造に使用するだけでなく、段差部を有する焼結体を金型で鍛造して、厚さが異なる製品を成形するためのすべての製品の製造に適用することができる。
W:焼結体、 WA:大端部となる部分、 WB:コラム部となる部分、 WC:小端部となる部分、 W’:コンロッド、 WA’:大端部、 WB’:コラム部、 WC’:小端部、 TA:大端部となる部分の厚さ、 TB:コラム部となる部分の厚さ、 TC:小端部となる部分の厚さ、 SA:大端部となる部分とコラム部となる部分との境界の段差部、 SB:コラム部となる部分と小端部となる部分との境界の段差部、 TA’:大端部の厚さ、 TB’:コラム部の厚さ、 TC’:小端部の厚さ、 1:金型、 2:サポート手段、 10:上パンチ、 11:ダイ、 12:下パンチ、 12a,12b,12c:下パンチ構成部材、 20a,20b,20c:シリンダ、 21,23:管路

Claims (3)

  1. 段差部を有する焼結体を金型で鍛造して、部分によって厚さが異なる製品を成形する焼結体鍛造装置であって、
    前記金型の一対のパンチの少なくとも一方が前記段差部と対応する位置で分割されて複数により構成されており、
    前記分割されたパンチをそれぞれ独立してサポートして、焼結体の各部における鍛造時の面圧を調整するサポート手段を備えていることを特徴とする焼結体鍛造装置。
  2. 製品が、大端部、小端部、大端部と小端部を連結するコラム部を有するコンロッドであり、前記一対のパンチの少なくとも一方が、大端部、小端部、コラム部と対応して分割されていることを特徴とする請求項1に記載の焼結体鍛造装置。
  3. 段差部を有する焼結体を金型によって鍛造して、大端部、小端部、大端部と小端部を連結するコラム部を有するコンロッドを製造する方法であって、
    前記金型の一対のパンチの少なくとも一方を前記段差部と対応する位置で分割して、前記コンロッドの大端部、小端部、コラム部と対応させて複数により構成しておき、
    該分割されたパンチをそれぞれ独立してサポートして、焼結体の各部における鍛造時の面圧を調整することを特徴とするコンロッドの製造方法。
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