JP2011155716A - 直流電気鉄道の電力貯蔵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】直流電気鉄道における上り下りき電線に在線する車両本数や乗車率、及びラッシュ時間帯等によって負荷の不平衡が生じ、当該き電線に接続された直流高速度遮断器が過電流遮断する場合がある。
【解決手段】任意の直流高速度遮断器とき電線の電流流路に電力貯蔵装置を接続する。この電力貯蔵装置の接続点とき電線側に流れる電流を検出して電力貯蔵装置からの出力電流を制御することを特徴としたものである。
また、電力貯蔵装置の設置点は、直流電気鉄道の駅近傍のき電線やき電線区間の上り下りき電線間に設置されたタイポストに接続して設けてもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気鉄道における電力貯蔵装置に係り、特にき電線に電流出力を行うことにより直流高速度遮断器の過電流検出による不要遮断を防止すると共に、変電所の負荷平準化とピーク電力低減を行う電力貯蔵装置に関するものである。
図9は電気鉄道における運転する車両本数と乗車率との関係説明図である。
電気鉄道では乗り継ぎ駅等では上り、下り方面の相違で車両本数や乗車率が大きく異なる。また、ラッシュ時間帯等によっても上下線での乗車率が大きく異なる。例えば、図9のように複数線路での乗り継ぎ駅での朝のラッシュ時を考えた場合、方面別では都市方面ではダイヤ密度が高くて走行本数も多く、下りの郊外方面は少ない。また、上り線の乗車率は高いが、下り線の乗車率は低くなっている。このような駅を有するき電区間へ電力供給を行う変電所では、時間帯によってき電線の電流が大きく異なる。図10がその状態を示したもので、都市方面への上りき電線電流が極端に大きくなる。このため、都市方面上りのき電線に設置される直流の高速度遮断器が過電流による遮断が生じる場合がある。
一般に、直流電気鉄道用の変電所に設置される整流器は、特許文献1で示すように直流電圧が一定となるよう制御する方式が採用されている。特許文献1では自己の変電所と隣接する変電所のき電区間で必要とする電圧を演算し、必要とする電圧が得られるよう自己の変電所に設けられたサイリスタ整流器を制御することが記載されている。
図11は変電所とき電系統を示したものである。1は変電所の整流器で、この整流器1で交流を直流に変換し、整流器の2次遮断器(高速度遮断器)2、直流高速度遮断器3(3a、3b、3c、3d)を介して上り、下りの各き電線に直流電力を供給するよう構成されている。4(4a、4b)は車両で、図11では都市方面の上り線に2両在線している場合を例にしている。
特開平11−91414号公報
直流高速度遮断器3が過電流によるトリップ防止の手段としては次のことが考えられる。
都市方面上りき電線に流れる上りき電電流I12を11000A、整流器出力電流Isの最大値を9000Aとした場合を例にしたときの直流高速度遮断器3aが過電流による遮断を防止するためには、
(1)直流高速度遮断器3a自体の過電流整定値を上りき電電流I12よりも大きい12000Aとすることが考えられる。しかし、この場合
(a).直流高速度遮断器の規格から最大過電流整定値は10000Aであり、12000Aとするためには新たな直流高速度遮断器の開発が必要となり、高価なものとなる。
(b).また、直流高速度遮断器3aに重負荷がかかり、且つ郊外方面は軽負荷であることから、当該変電所の母線電圧は変電所等の等価抵抗×電流による電圧降下が生じ、郊外方面から母線を通して隣接変電所からの渡り電流I13、I14が流れ込む。したがって、仮に最大過電流整定値12000Aの直流高速度遮断器が開発されたとしても、隣接変電所から直流高速度遮断器3c、3dを介して流入する電流I13、I14の和(I13+I14)が2000A以上の場合には、出力電流Is=9000Aに整定された2次遮断器2は遮断動作しない。しかし、電流I13、I14の和(I13+I14)が2000A以下の場合には、直流高速度遮断器3aは動作しないが、この場合には2次遮断器2が遮断動作する。2次遮断器2が動作すると変電所停止となり、き電線系統の停電となる。
(2)上記(a)の直流高速度遮断器を開発して(b)記載の保護協調の問題を解決するために、整流器1の容量を大きくして2次遮断器2の過電流整定値を12000A以上とすることが考えられる。
しかし、変電所全体で考えた場合、全体容量が増加するわけではないので変電所の容量増加は不経済となる。
(3)き電系統に電力貯蔵装置を接続し、この電力貯蔵装置から補償電流を供給することも考えられるが、検出速度2〜10msで応動する直流高速度遮断器3に対して、設置する電力貯蔵装置は1ms以下の高速で応動する必要がある。
なお、特許文献1には、変電所の直流電圧一定制御のことについては記載されているが、直流高速度遮断器が過電流による不必要な遮断を防止することについては開示されていない。
そこで、本発明が目的とするとこは、車両の力行状態を検知して負過電流の増大を初期に予測し、き電線に対して直流高速度遮断器の動作前に電流出力することで、直流高速度遮断器に流れる電流を低減して高速度遮断器の過電流検出による不用遮断を防止すると共に、変電所の負荷平準化やピーク電力低減も実現できる直流電気鉄道の電力貯蔵装置を提供することにある。
本発明は、直流き電変電所の2次側に接続された複数の直流高速度遮断器、及び各直流高速度遮断器に接続されたき電線を有する直流電気鉄道のき電系統に設置される電力貯蔵装置において、
前記電力貯蔵装置の制御部に負荷電流の増大を予測判断する判断手段を設け、前記制御部において負荷電流の増大と予測判断された時に前記き電系統に電流を出力することを特徴としたものである。
本発明の判断手段は、き電フィーダに電力貯蔵装置を接続した時に、この接続点よりき電線側のき電フィーダに流れる電流を検出する電流検出器を設け、この電流検出器により検出された電流が所定電流値以上となったときに負荷電流が増大と予測判断することを特徴としたものである。
本発明の判断手段は、き電線またはタイポストに電力貯蔵装置を接続した時に、き電フィーダに流れる電流を検出する電流検出器を設け、この電流検出器により検出された電流が所定電流値以上となったときに負荷電流が増大と予測判断することを特徴としたものである。
本発明の判断手段は、き電フィーダ、き電線、タイポストの何れか1つ以上に電力貯蔵装置を接続した時に、き電分岐装置に流れる電流を検出する電流検出器を設け、この電流検出器により検出された電流が所定電流値以上となったときに負荷電流が増大と予測判断することを特徴としたものである。
本発明の判断手段は、き電フィーダ、き電線、タイポストの何れか1つ以上に電力貯蔵装置を接続した時に、き電分岐装置に流れる電流を検出する電流検出器を設け、この電流検出器により検出された電流により走行車両が力行状態、又は再力行状態であるか否かを判断し、力行状態、又は再力行状態と判断したときに負荷電流が増大と予測判断することを特徴としたものである。
本発明の判断手段は、き電フィーダ、き電線、タイポストの何れか1つ以上に電力貯蔵装置を接続した時に、き電線電圧を検出する電圧検出器を設け、この電圧検出器により検出された電圧が所定電圧値以下となったときに負荷電流が増大と予測判断することを特徴としたものである。
以上のとおり、本発明によれば、き電フィーダに流れる負荷電流、又はき電系統の電圧を監視し、検出電流値、又は検出電圧値に基づいて負荷電流の増大を初期に予測判断して電力貯蔵装置からき電系統に電流出力を行うものであるから、確実に直流高速度遮断器を流れる電流低減が可能となる。また、電力貯蔵装置からき電系統に電流出力することで、変電所の負荷平準化とピーク電力低減が行われる。さらに、電力貯蔵装置を駅などの負荷近傍に設置した場合には、送電損失の低減、電圧降下救済が可能となる。
また、き電分岐装置を流れる電流を検出してき電分岐装置前後の電気車の運転状態を判断し、力行する車両が存在して負荷電流が増大すると予測判断したときにき電系統に対して電力貯蔵装置より補償電流を出力する。これにより、直流高速度遮断器の遮断動作に遅れることなく電力貯蔵装置からの電流出力制御が可能となるものである。
これらにより、直流高速度遮断器の遮断動作に遅れることなく電力貯蔵装置からの電流出力制御が可能となり、直流高速度遮断器の過電流検出による不要遮断や変電所の停電が防止できる。
本発明の実施形態を示す構成図。 電力貯蔵装置の構成図。 タイポストの概略構成図。 き電系統の概略構成図。 本発明の他の実施例を示す構成図。 本発明の他の実施例を示す構成図。 き電回路の等価回路図。 説明のための電流波形図。 車輌本数と乗車率の説明図。 き電系統と負荷電流の説明図。 変電所とき電系統の説明図。
本発明は、直流電気鉄道のき電系統において、任意の直流高速度遮断器とき電線の電流流路に電力貯蔵装置を接続し、負荷電流を検出して負荷電流が増大となる車両の力行時に電力貯蔵装置からき電線に対して直流高速度遮断器の動作前に電流出力を行うようにしたものである。以下実施例に基づいて詳述する。
図1は、本発明の第1の実施例を示す構成図で、図11と同一部分、若しくは相当する部分に同一符号を付してその説明を省略する。すなわち、本発明は負荷電流が増大すると判断されるき電線と直流高速度遮断器3(3a〜3d)間のき電フィーダAに電力貯蔵装置5を接続したものである。ここでは、変電所における都市方面上りのき電線と高速度遮断器3aとの間のき電フィーダAに接続しているが、この電力貯蔵装置5の設置は変電所に限らず、駅の近傍のき電線やき電区間における上り下りのき電線間に設けられる高速度遮断器HSCB等を有するタイポストに設置してもよい。6は電流検出器で、き電フィーダAに電力貯蔵装置5を接続している場合は電力貯蔵装置5の接続点よりも負荷側(き電線側)に設置される。
なお、電力貯蔵装置5は、例えば、図2で示すようにフィルタ用のリアクトル11とコンデンサ12、昇降圧チョッパ13及び電気二重層キャパシタ14を有して電源の正負極間に接続される。正負極間には電圧検出手段8が接続され、且つ電圧検出手段8により検出された電圧監視する電圧監視手段9が設けられる。電圧監視手段9は、電圧検出手段8による検出電圧が設定値以上となったとき制御部(図示省略)を介して昇降圧チョッパ13を制御し、電気二重層キャパシタ14に対する充電制御を実行する。
また、電力貯蔵装置5の制御部は、電流検出器6により検出された電流値が閾値(予め定めた電流設定値以上)か否かを判断し、閾値となったときには負過電流増大と予測判断して電流Icpを出力するよう昇降圧チョッパ13を制御する。
図1のように構成したものにおいて、電力貯蔵装置5の出力電流をIcpとし、且つ電流検出器6の負荷側に流れる電流をITとすると、直流高速度遮断器3aを流れる電流はIT−Icpとなる。したがって、図9で示した例で考えると、電力貯蔵装置5の出力電流Icp=3000A以上とすると、IT=11000Aの電流が流れた場合、直流高速度遮断器3aを流れる電流I12は8000A(=11000−3000)以下となり、直流高速度遮断器3aの過電流整定値を8000Aとすることが可能となって過電流とはならず、現存する直流高速度遮断器でも十分に過電流による遮断抑制が可能となる。
また、これにより2次側遮断器2の過電流整定値を9000Aとすると、過電流事故発生時には直流高速度遮断器3aが検出遮断を行い、2次側遮断器2は過電流遮断しないため変電所全体の停電は発生しない。
なお、直流高速度遮断器の検出速度は、一般的に2〜10ms程度であることから、過電流遮断を抑制するためには電力貯蔵装置5の応答速度を1ms以下とすることが必要となる。また、過電流発生時の電流の立ち上がりは、ステップ状ではなく或る傾斜を有して立ち上がる。このことから、図示省略された電力貯蔵装置5の制御部に、応答速度である1msを考慮して直流高速度遮断器3aの過電流整定値8000Aよりも低い値(8000A−x)に設定した電流監視する判断手段を設け、負荷電流が増大して(8000A−x)の値となったときを過電流発生と予測判断し、前記判断手段から電力貯蔵装置5の動作信号を出力することで、直流高速度遮断器3aの過電流整定値に到達する前に電力貯蔵装置5から電流出力が行われ、負荷電流が増大すると予測される直流高速度遮断器3aに流れる電流を低減することが可能となる。
上記のように、き電系統に接続された直流高速度遮断器3aの出力側き電フィーダに電力貯蔵装置5を接続し、その接続点より負荷側のき電フィーダに流れる電流を監視して電力貯蔵装置5からの出力電流Icpをき電線に供給するものである。電気鉄道における一般の制御では、目標電圧を設定して目標電圧になるように電圧制御を行っているが、この場合、補償電流値が分からないことから電流補償は不確実となるが、本実施例では判断手段により負荷電流を監視し、負荷電流の増大を予測判断して電力貯蔵装置5から電流出力したので、遅れなく直流高速度遮断器3aを流れる電流低減が可能となり、き電系統に接続された直流高速度遮断器3aの過電流検出による不要遮断や変電所の停電が確実に防止できる。また、電力貯蔵装置5を制御することで、変電所の負荷平準化とピーク電力低減ができ、さらに、電力貯蔵装置5を駅などの負荷近傍のき電線に設置した場合には、送電損失の低減、電圧降下救済が可能となるものである。
電力貯蔵装置5を変電所以外のき電線やタイポストに接続している場合には、き電フィーダの任意の位置に設置される。図3は、タイポスト40に電力貯蔵装置5を接続した場合の構成図で、タイポスト40の上り下りき電線間に直列に接続した高速度遮断器HSCB20と30の橋絡点とレール間に電力貯蔵装置5を接続する。このように構成することにより、下り(或いは上り)き電線側から上り(或いは下り)き電線側へ直流電流を供給する場合には、タイポスト40が有する高速度遮断器HSCB20,30を投入することにより実行できる。その際、各直流高速度遮断器に接続されるき電フィーダに流れる電流を電流検出器で検出し、制御部で負荷電流が増大する直流高速度遮断器があると予測判断したときに、電力貯蔵装置5のチョッパを制御して電気二重層キャパシタ14から前記橋絡点を介してき電線へ電流Icpを出力する。これにより、負荷電流が増大すると予測される直流高速度遮断器に流れる電流を低減できる。
例えば、図4のように変電所Aと変電所B間の上り下りき電線の間に、電力貯蔵装置5を有するタイポスト40を接続し、直流高速度遮断器54F21のき電フィーダに設置された電流検出器の負荷電流が増大すると予測判断した場合、この時は直流高速度遮断器54F21とタイポスト40間に負荷となる力行車両が多いことが予側され、タイポスト40を流れる電流は変電所Bの直流高速度遮断器54F24、変電所Aの直流高速度遮断器54F22、及び電力貯蔵装置5からの電流出力となり、これらのタイポストを流れる電流分だけ直流高速度遮断器54F21の電流が低減される。
すなわち、車両電流をIT、直流高速度遮断器54F21〜54F24に流れる電流をそれぞれI21、I22、I23、及びI24とし、電力貯蔵装置5の出力電流をIcpとしたとき、
電力貯蔵装置5がない場合、
IT=I21+I22+I23+I24 …… (1)
となり、車両電流ITは、各直流高速度遮断器54F21〜54F24に流れる電流の総和で、このときの直流高速度遮断器54F21に流れる電流は(2)式となる。
I21=IT−I22−I23−I24 …… (2)
一方、電力貯蔵装置5がある場合、
IT=I21+I22+I23+I24+Icp ……(3)
となり、車両電流ITは、各直流高速度遮断器54F21〜54F24に流れる電流と電力貯蔵装置5の出力電流の総和で、このときの直流高速度遮断器54F21に流れる電流は(4)式となる。
I21=IT−I22−I23−I24−Icp …… (4)
以上より、タイポスト40に電力貯蔵装置5を設置し、各直流高速度遮断器54F21〜54F24に接続されるき電フィーダに流れる電流を検出して負荷電流が増大すると予測判断される直流高速度遮断器がある場合に電力貯蔵装置5から電流出力をすることで、直流高速度遮断器の負荷電流は電力貯蔵装置5の出力電流分だけ電流低減される。
図3のようにタイポスト40に電力貯蔵装置5を接続した場合も、図1の構成と同様に直流高速度遮断器3に流れる電流を低減することが可能となる。また、図3の構成では、車両位置により負過電流が増大する直流高速度遮断器3が異なり、車両位置に基づいて負過電流が増大すると予測判断される直流高速度遮断器3が決まる。さらに、図3の構成では、上り下り各き電線にそれぞれ個別の電力貯蔵装置を接続するものと比較して、上り下りき電線に対し1個の電力貯蔵装置5で電流の授受が可能となる。
図5は第2の実施例を示したものである。図1で示す実施例1では、直流高速度遮断器の出力側やタイポスト40の上り下りき電線間の橋絡点に電力貯蔵装置を接続し、負荷電流を電流検出器で監視して負荷電流が増大すると予測判断したとき、電力貯蔵装置からき電系統に電流出力するものであるが、図5で示す実施例では、前記の電流検出器に代えてき電線(トロリ線)電圧を検出するための電圧検出器8を設け、この電圧検出器8により負荷電流の増大を予測判断するものである。電圧検出器8は、ここでは電力貯蔵装置5の正負極間に接続しているが、き電線(トロリ線)とレール間などき電系統に接続してもよく、検出信号は電力貯蔵装置5の制御部の電圧監視手段9に出力される。電圧監視手段9は、過負荷状態となってき電線(トロリ線)電圧が低下したことを検出するもので、き電線電圧1500Vとし、2次側遮断器2の過電流整定値9000A相当の電圧を1300Vとした場合、電圧監視する判断手段9は電力貯蔵装置5の応答速度を考慮して、1300Vよりもやや高い(1300V+α)値に検出設定され、直流高速度遮断器の過電流整定値に到達する前に電力貯蔵装置5からき電線(トロリ線)に電流出力を行う。
したがって、き電線区間の過負荷状態を予測判断し、き電線電圧が1300Vよりもやや高い(1300V+α)値にまで低下したときに前記判断手段9は動作信号を発生することで、直流高速度遮断器の過電流整定値に到達する前から電流出力が行われる。この実施例も、第1の実施例と同様の効果を奏するものである。
図6は、本発明の第3の実施例を示す構成図である。この実施例は、き電線とトロリ線間にき電分岐装置7を設けた場合で、図1と同一部分、若しくは相当する部分に同一符号を付してその説明を省略する。電力貯蔵装置5は、負荷電流が増大して過電流が発生すると予測判断されるき電フィーダに接続され、ここでは、変電所における都市方面上りのき電線と高速度遮断器3aとの間に接続している。き電線とトロリ線間を接続するき電分岐装置7は、例えば、250m毎に所定の距離間隔を有して配設される。負荷電流を検出する電流検出器6は任意のき電分岐装置7に配設され、このき電分岐装置7を流れる電流を検出して図示省略した制御部を介して電力貯蔵装置5からの電気二重層キャパシタ14からき電フィーダへ電流Icpを出力する。
き電分岐装置7を有するき電系統では、図7で示す等価回路図のように車両が在線する区間を除き、き電線、トロリ線、及びき電分岐装置によるブリッジ回路を形成することからき電分岐装置7に電流は流れない。
ここで、R11〜R1mはき電線抵抗、R21〜R2mはトロリ線抵抗、Rt1,Rt2はレール抵抗、R1nは車両在線区間のき電線抵抗、AS/SはA変電所、BS/SはB変電所である。き電分岐装置7に流れる電流Ibは、車両4が近傍に位置したき電分岐装置7のみであり、この電流Ibを検出することで車両の在線区間位置の検出が可能となる。
直流高速度遮断器3に大電流が流れる原因として、前述のように同一き電線に複数の車両が在線し、且つ各車両がそれぞれ力行状態のときに大電流が流れる。検出された電流値から次のように分析することができる。
(1)検出電流がトロリ線からき電線に流れた場合:車両は回生状態である。
(2)電流の絶対値が一定電流以下の場合:惰行状態である。
(3)電流の絶対値が一定電流以上で立ち上がり(di/dt)が大きく、立ち
上がり後に車両最大電流以下の場合:再力行である。
(4)電流の絶対値が一定電流以上で立ち上がり(di/dt)が一定範囲の場合:力行である。
(5)電流の立ち上がり(di/dt)が大きく、絶対値が車両最大電流以上の場合:短絡等の事故電流である。
(1)〜(5)の分析結果から(3)と(4)の現象を捉えることで、負荷電流増大の予測判断が可能となる。
すなわち、この実施例では、き電分岐装置7を流れる電流から力行する車両の有無を検出し、負荷電流ITが大きくなる現象を捉えることで、負荷電流が増大することを初期に予測判断して電力貯蔵装置5から電流出力を行うことで、高速応動性を必要とすることなく高速度遮断器3を流れる電流の低減を行うものである。つまり、力行すると考えられる区間のき電分岐装置7の電流を検出し、当該き電分岐装置の前後に車両4が存在するか、また、上記(1)〜(5)の結果から車両4の運転状態(力行、惰行、回生等)の判断を電力貯蔵装置5の制御部での判断手段により行い、車両4が存在し、それが力行状態の場合には一定の電流Icpを電力貯蔵装置5が出力する。
以下図8に基づき、VVVFインバータ駆動による車両の場合を想定して具体的に説明する。
図8は、図6で示す2次遮断器2の過電流検出を9000A、負荷電流ITを11000A、直流高速遮断器3aの過電流整定値を8000A、電力貯蔵装置5の電流出力Icpを3000Aとした場合である。図8において(a)は先行する車両4aの電流波形、(b)は後行する車両4bの電流波形で、車両4a、4bは共に力行の運転状態と仮定したものであって、車両4aは時刻t1で、また、車両4bは時刻t2でそれぞれ力行となっている。(c)は負荷電流ITで車両4a、4bの和の電流となる。(d)は電力貯蔵装置5が出力する電流Icpの波形図で、電流Icpの出力は監視開始時刻t2でタイマーを起動して時刻t3で終了とするが、その時間内で負荷が無くなった場合には電力貯蔵装置5の出力電圧が上昇するのを検出して終了とする。(e)は直流高速遮断器3aを流れる電流I12である。
図6で示す直流高速度遮断器3aを流れる電流I12はIT−Icpであり、電力貯蔵装置5の出力電流IcpをIcp=3000Aとすることにより、負荷電流ITが直流高速度遮断器3aの過電流遮断電流であるIT=11000Aが流れたとしても、実際に直流高速度遮断器3aを流れる電流I12は8000A(=11000−3000)となる。したがって、直流高速度遮断器3aの過電流整定値を8000Aとすることができ、現存する直流高速度遮断器でも十分に過電流抑制が可能となる。
また、これにより2次側遮断器2の過電流整定値を9000Aとしても、過電流事故発生時には直流高速度遮断器3aが過電流検出による遮断を行い、2次側遮断器2は過電流遮断しないため変電所全体の停電は発生しない。
さらに、直流高速度遮断器の検出速度は2〜10ms程度であることから、過電流遮断を抑制するためには電力貯蔵装置5の応答速度を1ms以下とすることが従来は必要であった。本実施例では、電力貯蔵装置5の制御部に設けられる判断手段が、き電分岐装置を流れる検出電流からき電線に在線している車両が力行状態であるか否かを判断し、車両の運転状態から負荷電流が増大すると予測判断したときに、電力貯蔵装置5を動作させて電流を出力するようにしたものである。これにより、直流高速度遮断器の遮断動作に遅れることなく、確実に当該き電線への補償電流供給が可能となるものである。
以上、この実施例によれば、第1、2の実施例の有する効果に、さらに、き電分岐装置を流れる電流を検出してき電分岐装置前後に在線する車両の運転状態を判断し、力行する車両が存在して負荷電流が増大すると予測判断したとき、き電線に対して電力貯蔵装置より電流を出力することにより、直流高速度遮断器の遮断動作に遅れることなく電力貯蔵装置からの電流出力が可能となるものである。
1… 整流器
2… 整流器の2次遮断器
3… 直流高速度遮断器
4… 車両
5… 電力貯蔵装置
6… 電流検出器
7… き電分岐装置
20,30… タイポスト

Claims (6)

  1. 直流き電変電所の2次側に接続された複数の直流高速度遮断器、及び各直流高速度遮断器に接続されたき電線を有する直流電気鉄道のき電系統に設置される電力貯蔵装置において、
    前記電力貯蔵装置の制御部に負荷電流の増大を予測判断する判断手段を設け、この制御部において負荷電流の増大と予測判断された時に前記き電系統に電流を出力することを特徴とした直流電気鉄道の電力貯蔵装置。
  2. 前記判断手段は、き電フィーダに電力貯蔵装置を接続した時に、この接続点よりき電線側のき電フィーダに流れる電流を検出する電流検出器を設け、この電流検出器により検出された電流が所定電流値以上となったときに負荷電流が増大と予測判断することを特徴とした請求項1記載の直流電気鉄道の電力貯蔵装置。
  3. 前記判断手段は、き電線またはタイポストに電力貯蔵装置を接続した時に、き電フィーダに流れる電流を検出する電流検出器を設け、この電流検出器により検出された電流が所定電流値以上となったときに負荷電流が増大と予測判断することを特徴とした請求項1記載の直流電気鉄道の電力貯蔵装置。
  4. 前記判断手段は、き電フィーダ、き電線、タイポストの何れか1つ以上に電力貯蔵装置を接続した時に、き電分岐装置に流れる電流を検出する電流検出器を設け、この電流検出器により検出された電流が所定電流値以上となったときに負荷電流が増大と予測判断することを特徴とした請求項1記載の直流電気鉄道の電力貯蔵装置。
  5. 前記判断手段は、き電フィーダ、き電線、タイポストの何れか1つ以上に電力貯蔵装置を接続した時に、き電分岐装置に流れる電流を検出する電流検出器を設け、この電流検出器により検出された電流により走行車両が力行状態、又は再力行状態であるか否かを判断し、力行状態、又は再力行状態と判断したときに負荷電流が増大と予測判断することを特徴とした請求項1記載の直流電気鉄道の電力貯蔵装置。
  6. 前記判断手段は、き電フィーダ、き電線、タイポストの何れか1つ以上に電力貯蔵装置を接続した時に、き電線電圧を検出する電圧検出器を設け、この電圧検出器により検出された電圧が所定電圧値以下となったときに負荷電流が増大と予測判断することを特徴とした請求項1記載の直流電気鉄道の電力貯蔵装置。
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