JP2011154079A - 液晶パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】長方形である液晶セル10の片面に第一の粘着剤層31を介して第一の偏光板21を吸収軸21Aが液晶セルの長辺10Aに対して45°となるように貼着し、液晶セル10の他面に第二の粘着剤層32を介して第二の偏光板22を吸収軸22Aが第一の偏光板の吸収軸21Aと直交するように貼着して液晶パネルとする。粘着剤層31,32の少なくとも一方は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル35〜79.9重量%、芳香環含有単量体20〜60重量%、及び極性官能基含有単量体0.1〜5重量%の共重合体で、重量平均分子量100万〜200万、分子量分布3〜7のアクリル樹脂100重量部に架橋剤0.01〜5重量部を含む組成物から形成し、ゲル分率が50〜99重量%のものとする。
【選択図】図1
Description
で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステル35〜79.9重量%、
(A−2)分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の芳香環を有する不飽和単量体(以下、「芳香環含有単量体」と呼ぶことがある)20〜60重量%、及び
(A−3)極性官能基を有する不飽和単量体(以下、「極性官能基含有単量体」と呼ぶことがある)0.1〜5重量%
を含む単量体混合物の共重合体であって、重量平均分子量Mw が100万〜200万の範囲にあり、重量平均分子量Mw と数平均分子量Mn の比Mw/Mnで表される分子量分布が3〜7の範囲にあるアクリル樹脂100重量部、並びに
(B)架橋剤0.01〜5重量部。
液晶表示用ガラスセル10は、2枚の透明ガラス基板11,12で構成され、その間に液晶(図示略)を挟持したものである。2枚のガラス基板11,12の間に封入される液晶は、その配向方式によって、ねじれネマチック(Twisted Nematic :TN)、垂直配向(Vertical Alignment:VA)、横電界(In-Plane Switching:IPS)など、各種の方式のものがある。本発明は、一対の偏光板が液晶セルの上下でクロスニコルに配置され、かつ一方の偏光板の吸収軸がガラスセルの長辺に対して45°で配置される液晶パネルに対して適用される。このような液晶パネルは、2枚の透明ガラス基板11,12の間で液晶の配向方向を90度回転させるTN方式の液晶セルにおいて採用されているので、本発明は、かかるTN方式の液晶セルに対して有効である。図示は省略するが、透明ガラス基板11,12の液晶層側には、液晶を配向させるための配向膜、その配向を制御するために電圧をオン−オフするための透明電極、カラー表示であればカラーフィルタなども配置される。
次に、粘着剤層31,32を形成するための粘着剤組成物について説明する。この粘着剤組成物は、基本的にアクリル樹脂及び架橋剤を含んで構成される。本発明においては、液晶セル10の両面にそれぞれ第一の偏光板を貼着するための第一の粘着剤層31及び第二の偏光板を貼着するための第二の粘着剤層32のうち少なくとも一方は、先述した特定の共重合体であって、重量平均分子量Mw 及び分子量分布Mw/Mnが所定範囲にあるアクリル樹脂(A)に、架橋剤(B)が所定量配合された粘着剤組成物から形成し、かつゲル分率が50〜99重量%となるようにする。この粘着剤組成物を構成する各成分について説明する。
本発明の液晶パネルにおいて、粘着剤層31,32を形成するための粘着剤組成物に用いられるアクリル樹脂(A)は、前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を主成分とするものであって、かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位に加え、芳香環含有単量体に由来する構造単位、及び極性官能基含有単量体に由来する構造単位を含むものである。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれでもよいことを意味し、他に(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルなどというときの「(メタ)」も同様の趣旨である。
以上のようなアクリル樹脂(A)に架橋剤(B)を配合して、粘着剤組成物とする。架橋剤(B)は、アクリル樹脂(A)中の特に極性官能基含有単量体(A−3)に由来する構造単位と架橋し得る官能基を分子内に少なくとも2個有する化合物であり、その具体例として、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、金属キレート系化合物、アジリジン系化合物などを挙げることができる。
本発明における粘着剤層を形成するための粘着剤組成物には、粘着剤層とガラスセルとの密着性を向上させるために、シラン系化合物(C)を含有させることが好ましく、とりわけ、架橋剤を配合する前のアクリル樹脂にシラン系化合物(C)を含有させておくことが好ましい。
本発明では先にも述べたように、粘着剤層は、そのゲル分率が50〜99重量%となるようにする。粘着剤層のゲル分率が50重量%以上であると、粘着剤層の耐久性が向上することから好ましく、またそのゲル分率が99重量%以下であると、製造しやすいことから好ましい。このゲル分率は、好ましくは60重量%以上である。ここでゲル分率は、以下の(I)〜(IV)に従って測定される値である。
(II)上記(I)で得られた貼合物の重量を秤量して、その重量をWs とし、次に粘着剤層を包み込むように4回折りたたんでホッチキス(ステープラー)で留めたのち秤量して、その重量をWb とする。
(III)ガラス容器に、上記(II)でホッチキス留めしたメッシュを入れ、酢酸エチル60mLを加えて浸漬した後、このガラス容器を室温で3日間保管する。
(IV)ガラス容器からメッシュを取り出し、120℃で24時間乾燥した後秤量して、その重量をWa とし、次式に基づいてゲル分率を計算する。
ゲル分率(重量%)=〔{Wa−(Wb−Ws)−Wm}/(Ws−Wm)〕×100
図1に示した第一の偏光板21及び第二の偏光板22はそれぞれ、その表面に垂直に入射する光のうち、ある振動面をもつ直線偏光を透過し、それと直交する振動面をもつ直線偏光を吸収する偏光フィルムを含んで構成される。かかる偏光フィルムは、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、ヨウ素又は二色性有機染料からなる二色性色素を吸着配向させて製造される。偏光フィルムそれ自体は、二色性色素を配向させるために高度に延伸されていることから、裂けやすい。そこで通常は、上記のような偏光フィルムの少なくとも片面に透明保護層が設けられて偏光板となる。
Ro =(nx−ny)×d (1)
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (2)
図1に示した液晶パネルは、第一の偏光板21及び第二の偏光板22のうちいずれかの外側にバックライトを配置して、液晶表示装置とすることができる。バックライトと偏光板の間には、その液晶表示装置に求められる表示特性に応じて、集光層、光拡散層、輝度向上層など、公知の各種光学層が配置されてもよい。
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、酢酸エチル 81.8部、(A−1)としてアクリル酸ブチル 78.6部、(A−2)としてアクリル酸2−フェノキシエチル20.0部、(A−3)としてアクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部及びアクリル酸 0.4部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換して酸素不含としながら、内温を55℃に上げた。その後、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル 0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤を添加してから1時間この温度で保温し、その後、内温を54〜56℃に保ちながら、添加速度17.3部/hr で酢酸エチルを連続的に反応容器内へ加え、アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を終了し、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保持した。最後に、酢酸エチルを加えて、アクリル樹脂の濃度が20%となるように調節した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mw が1,370,000、Mw/Mnが4.4であった。これをアクリル樹脂Aとする。アクリル樹脂A中の芳香環含有単量体であるアクリル酸2−フェノキシエチルに由来する構造単位は20%であり、また水酸基含有単量体であるアクリル酸2−ヒドロキシエチルに由来する構造単位は1%、カルボキシル基含有単量体であるアクリル酸に由来する構造単位は 0.4%である。
単量体組成を表1に示すように変更し、その他は重合例1と同様にしてアクリル樹脂の酢酸エチル溶液を得た。得られたアクリル樹脂のGPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mw、及びMw/Mn はそれぞれ表1に記載のとおりであり、それぞれのアクリル樹脂を表1に記載のとおりアクリル樹脂B〜Eとする。なお、重合例4及び5は、芳香環含有単量体の量が本発明で規定するアクリル樹脂(A)の要件を満たさないものを製造した例である。
コロネートL: トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、日本ポリウレタン(株)から入手。
〈シラン系化合物〉
KBM-403 : グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(液体)、信越化学工業(株)から入手。
(a)粘着剤組成物の調製
重合例1〜5で得られたアクリル樹脂A〜Eの20%酢酸エチル溶液のそれぞれ固形分100部に対し、上述のシラン系化合物(KBM-403)を0.5部、及び架橋剤(コロネートL)を表2に示すそれぞれの量混合し、さらに固形分濃度が13%となるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物を調製した。
上記(a)で調製したそれぞれの粘着剤組成物を、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名“PET 3811”、リンテック(株)から入手、セパレーターと呼ぶ)の離型処理面に、アプリケーターを用いて乾燥後の厚さが20μm となるように塗布し、90℃で1分間乾燥させて、シート状の粘着剤を作製した。次いで、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光フィルムの両面をトリアセチルセルロースからなる保護フィルムで挟んだ3層構造の偏光板の片面に、上で得たシート状粘着剤のセパレーターと反対側の面(粘着剤面)をラミネーターにより貼り合わせたのち、温度23℃、相対湿度65%の条件で7日間養生して、粘着剤付き偏光板を作製した。
液晶セル用ガラス基板〔コーニング社製の“イーグル XG”(商品名)〕 の両面に、上記(b)で作製した粘着剤付き偏光板からセパレーターを剥がしたものをその粘着剤面で貼合した。この際、ガラス基板の片面には第一の偏光板の吸収軸がガラス基板の長辺に対して45°となるように、ガラス基板の他面には第二の偏光板の吸収軸が第一の偏光板の吸収軸と直交するように貼着した。得られた積層体につき、温度80℃の乾燥下で96時間保管する耐熱試験を行った。その後、一方の偏光板側から光を入射させたときの白ヌケの発現状態を目視で観察した。結果を以下の基準で分類し、表2の「白ヌケ(80℃乾燥)」の欄に示した。
◎:白ヌケが全くみられない。
○:白ヌケがほとんど目立たない。
△:白ヌケがやや目立つ。
×:白ヌケが顕著に認められる。
◎:浮き、剥れ、発泡等の外観変化が全くみられない。
○:浮き、剥れ、発泡等の外観変化がほとんどみられない。
△:浮き、剥れ、発泡等の外観変化がやや目立つ。
×:浮き、剥れ、発泡等の外観変化が顕著に認められる。
上記(b)で作製した粘着剤付き偏光板のリワーク性を以下のようにして評価した。まず、粘着剤付き偏光板を25mm×150mmの大きさの試験片に裁断した。次に、この試験片をその粘着剤側で、貼付装置〔フジプラ(株)製の“ラミパッカー”(商品名)〕を用いて液晶セル用ガラス基板に貼り付け、50℃、5kg/cm2(490.3kPa) で20分間オートクレーブ処理を行った。さらに70℃で2時間加熱処理し、引き続き50℃のオーブン中にて48時間保管した後、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気中にて、この貼着試験片から偏光板を300mm/分の速度で180°方向に剥離し、ガラス板表面の状態を観察して、以下の基準で分類した。結果を、併せて表2に示した。
◎:ガラス板表面に曇り等が全く認められない。
○:ガラス板表面に曇り等がほとんど認められない。
△:ガラス板表面に曇り等が認められる。
×:ガラス板表面に粘着剤の残りが認められる。
11,12……透明ガラス基板、
10A……液晶表示用ガラスセルの長辺、
20……偏光板(第一、第二を問わない)、
21……第一の偏光板、
21A……第一の偏光板の吸収軸、
22……第二の偏光板、
22A……第二の偏光板の吸収軸、
25……偏光フィルム、
26,27……透明保護層、
28……光学補償フィルム(位相差フィルム)、
29……層間粘着剤、
30……液晶セルへの貼着用粘着剤層(第一、第二を問わない)、
31……第一の粘着剤層、
32……第二の粘着剤層。
Claims (8)
- 長方形である液晶表示用ガラスセルと、
前記ガラスセルの片面に第一の粘着剤層を介して、吸収軸が前記ガラスセルの長辺に対して45°となるように貼着された第一の偏光板と、
前記ガラスセルの他面に第二の粘着剤層を介して、吸収軸が前記第一の偏光板の吸収軸と直交するように貼着された第二の偏光板とを備え、
前記第一の粘着剤層及び前記第二の粘着剤層のうち少なくとも一方は、
(A)(A−1)下式(I)
で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステル35〜79.9重量%、
(A−2)分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の芳香環を有する不飽和単量体20〜60重量%、及び
(A−3)極性官能基を有する不飽和単量体0.1〜5重量%
を含む単量体混合物の共重合体であって、重量平均分子量Mw が100万〜200万の範囲にあり、重量平均分子量Mw と数平均分子量Mn の比Mw/Mnで表される分子量分布が3〜7の範囲にあるアクリル樹脂100重量部、並びに
(B)架橋剤0.01〜5重量部
を含有する粘着剤組成物から形成されており、50〜99重量%のゲル分率を有することを特徴とする液晶パネル。 - 前記第一の粘着剤層及び前記第二の粘着剤層がともに、前記アクリル樹脂(A)100重量部、及び前記架橋剤(B) 0.01〜5重量部を含有する粘着剤組成物から形成されており、50〜99重量%のゲル分率を有する、請求項1に記載の液晶パネル。
- 前記不飽和単量体(A−2)は、下式(II)
で示される芳香環含有(メタ)アクリル化合物である、請求項1又は2に記載の液晶パネル。 - 前記不飽和単量体(A−3)は、遊離カルボキシル基、水酸基、アミノ基及びエポキシ環からなる群より選ばれる極性官能基を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶パネル。
- 前記架橋剤(B)は、イソシアネート系化合物を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶パネル。
- 前記粘着剤組成物はさらに、(C)シラン系化合物 0.03〜1重量部を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の液晶パネル。
- 前記第一の偏光板及び前記第二の偏光板のうち少なくとも一方は、保護フィルム/偏光フィルム/保護フィルムの構成からなる、請求項1〜6のいずれかに記載の液晶パネル。
- 前記偏光フィルムを挟む2枚の保護フィルムのうち液晶表示用ガラスセルから遠い側に位置するフィルムは、酢酸セルロース系樹脂からなり、液晶表示用ガラスセル側に位置するフィルムは、光学異方性を発現する物質の塗布によって形成された光学補償フィルムである、請求項7に記載の液晶パネル。
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