JP5386808B2 - 粘着剤付き光学フィルムが積層された光学積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤付き光学フィルムが積層された光学積層体に関するものである。本発明で対象とする光学フィルムとして、例えば、偏光フィルムや位相差フィルムを挙げることができる。
偏光フィルムは、液晶表示装置に装着され、広く使用されており、偏光子の両面に透明保護フィルムが積層され、少なくとも一方の保護フィルムの表面に粘着剤層が形成され、その粘着剤層の上に剥離フィルムが貼着された状態で流通している。また、偏光子の両面に保護フィルムが貼合された状態の偏光フィルムに位相差フィルムを積層して楕円偏光フィルムとし、その位相差フィルム側に粘着剤層/剥離フィルムが貼着されることもある。さらに、位相差フィルムの表面に粘着剤層/剥離フィルムが貼着されることもある。液晶セルへの貼合前に、これらの偏光フィルム、楕円偏光フィルム、位相差フィルムなどから剥離フィルムを剥がし、露出した粘着剤層を介して液晶セルに貼合することになる。このような偏光フィルム、楕円偏光フィルム又は位相差フィルムは、剥離フィルムを剥離して液晶セルに貼合する際、静電気が発生するため、その防止対策の開発が切望されている。
その対策の一つとして、特許第 3012860号公報(特許文献1)には、偏光子フィルムの表面に保護フィルムが積層され、保護フィルムの表面に粘着剤層が設けられた偏光フィルムにおいて、粘着剤として、電解質塩とオルガノポリシロキサンからなるイオン導電性組成物及びアクリル系共重合体を含む組成物を用いることが提案されている。このような粘着剤を用いることにより、帯電防止性が発現されるものの、その性能が必ずしも十分とはいえず、また粘着耐久性においても十分な性能とはいえなかった。
一方、特表 2004-536940号公報(特許文献2)には、感圧接着剤(粘着剤)に有機塩系の帯電防止剤を配合して、その粘着剤に帯電防止性を付与することが開示されている。さらに、特開 2004-114665号公報(特許文献3)には、総炭素数が4〜20の4級アンモニウムカチオンとフッ素原子含有アニオンとからなる塩を接着剤等に含有させて、制電性を付与することが記載されている。
さて、上記したような粘着剤付き光学フィルムは、その粘着剤層側で液晶セルに貼合して液晶表示装置とされるが、この状態で高温又は高温高湿条件に置かれたり、加熱と冷却が繰り返されたりした場合、光学フィルムの寸法変化に伴って、粘着剤層に発泡を生じたり、光学フィルムと粘着剤層の間、又は粘着剤層と液晶セルガラスの間に浮きや剥れなどを生じたりすることがあるため、このような不具合を生じず、耐久性に優れることも求められる。また、高温にさらされた場合に、光学フィルムに作用する残留応力の分布が不均一となり、光学フィルムの外周部に応力集中が起こる結果、黒表示時に外周部が白っぽくなる白ヌケと呼ばれる現象を生じたり、色ムラを生じたりすることがあるため、このような白ヌケや色ムラの抑制も求められる。さらに、粘着剤付き光学フィルムを液晶セルに貼合する際、不備があった場合には、その光学フィルムを一旦剥がしてから、再度新しいフィルムを貼り直すことになるが、その剥離のときに粘着剤層が光学フィルムに伴って引き剥がされ、セルガラス上に粘着剤が残らず、曇り等も生じないような、いわゆるリワーク性も求められる。
特許第3012860号公報(=特開平6−313807号公報) 特表2004−536940号公報(=WO 2003/011958) 特開2004−114665号公報
本発明の課題は、帯電防止性が高められ、耐久性にも優れた粘着剤層を光学フィルムの表面に設け粘着剤付き光学フィルムとし、その粘着剤層がガラス基板に積層されてなる光学積層体を提供することにある。本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定のアクリル樹脂を含有する粘着剤に対して、特定のイオン性化合物を配合し、この組成物を光学フィルムの表面に粘着剤層として設けることにより、帯電防止性及び耐久性に優れた粘着剤付き光学フィルムが得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、まず、光学フィルムの片面に粘着剤層形成するのであるが、その粘着剤層は、次の成分(A)、(B)(C)及び(D)を含有する組成物から形成される
(A)下式(I)
Figure 0005386808
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜14のアルキル基又はアラルキル基を表す)
で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分とし、さらに、分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の水酸基を有する不飽和単量体に由来する構造単位及びカルボキシル基を有する単量体に由来する構造単位を含み、重量平均分子量が 500,000〜2,000,000 である第一のアクリル樹脂を含有し、前記水酸基を有する不飽和単量体に由来する構造単位の量が、樹脂全体100重量部に対して 0.5〜10重量部であるアクリル樹脂、
(B)下式(II)
Figure 0005386808
(式中、R3〜R7の一つは炭素数1〜6のアルキル基を表し、残りはそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R8は炭素数1〜12のアルキル基を表す)
で示される総炭素数が12以上のピリジニウム系カチオン及びヘキサフルオロホスフェートからなるイオン性化合物、
(C)架橋剤、及び
(D)シラン化合物。
このように本発明では、粘着剤を構成するアクリル樹脂(A)が極性官能基として水酸基を有する場合に、その粘着剤から形成される粘着剤層に帯電防止性を付与するためのイオン性化合物(B)として、上記式(II)に相当する総炭素数が12以上のピリジニウム系カチオン及びヘキサフルオロホスフェートからなる化合物が特に有効であることが見出された。
上記のアクリル樹脂(A)は、上で規定する第一のアクリル樹脂だけで構成することもできるし、第一のアクリル樹脂に加えて、それとは異なるアクリル樹脂(第二のアクリル樹脂とする)との混合物で構成することもできる。第二のアクリル樹脂として、例えば、前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分とし、重量平均分子量が 50,000〜300,000であるものを挙げることができる。
発明では、この粘着剤付き光学フィルム、その粘着剤層側でガラス基板に積層して光学積層体とする。
本発明の光学積層体は、液晶表示装置に用いられ、上記粘着剤層の存在により、帯電を有効に抑制することができる。この光学積層体は、上記粘着剤付き光学フィルム、例えば、液晶セルのガラス基板に積層することで得られる。この光学積層体は、湿熱条件下、光学フィルム及びガラス基板の寸法変化に起因する応力を粘着剤層が吸収・緩和するため、局部的な応力集中が軽減され、ガラス基板に対する粘着剤層の浮きや剥れなどが抑制される。また、不均一な応力分布に起因する光学的欠陥が防止されることから、白ヌケが抑制される。さらに、粘着剤付き光学フィルムを一度ガラス基板に積層した後、なんらかの不都合があった場合に、その光学フィルムを粘着剤とともにガラス基板から剥離しても、剥離後のガラス基板の表面に糊残りや曇りが発生することが少なく、再び、ガラス基板として用いることができ、リワーク性に優れるものとなる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、粘着剤を構成する樹脂成分となるアクリル樹脂(A)は、前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分とし、さらに、分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の水酸基を有する不飽和単量体(以下、「水酸基含有単量体」と呼ぶことがある)に由来する構造単位及びカルボキシル基を有する単量体に由来する構造単位を含み、重量平均分子量が 500,000〜2,000,000 である第一のアクリル樹脂を含有するものである。アクリル樹脂(A)は、ここで規定する第一のアクリル樹脂だけで構成することもできるし、第一のアクリル樹脂に加え、それとは異なるアクリル樹脂(第二のアクリル樹脂とする)を含む混合物で構成することもできる。上記水酸基含有単量体に由来する構造単位は、アクリル樹脂(A)全体を100重量部として、 0.5〜10重量部の割合で第一のアクリル樹脂中に含有される。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれでもよいことを意味し、他に、(メタ)アクリレートなどというときの「(メタ)」も同様の趣旨である。
第一のアクリル樹脂の主要な構造単位となる前記式(I)において、R1 は水素原子又はメチル基であり、R2 は炭素数1〜14のアルキル基又はアラルキル基、好ましくはアルキル基である。R2 で表されるアルキル基又はアラルキル基は、それぞれの基中の水素原子が炭素数1〜10のアルコキシ基によって置換されていてもよい。
式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルとして、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ラウリルの如き、直鎖状のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチルの如き、分枝状のアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ラウリルの如き、直鎖状のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソオクチルの如き、分枝状のメタクリル酸アルキルエステルなどが例示される。
2 がアルコキシ基で置換されたアルキル基である場合、すなわち、R2 がアルコキシアルキル基である場合の、式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルとして、具体的には、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチルなどが例示される。R2 がアラルキル基でである場合の式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルとして、具体的には、アクリル酸ベンジルやメタクリル酸ベンジルなどが例示される。
第一のアクリル樹脂の製造にあたり、式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルとして、ある1種類の化合物を用いてもよいし、2種類以上の化合物を用いてもよい。中でも、アクリル酸ブチルを少なくとも一つの単量体として用いるのが好ましい。そこで、第一のアクリル樹脂を構成する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位がアクリル酸ブチル由来の単位を含有することは、好ましい形態である。
第一のアクリル樹脂のもう一つの構造単位となる水酸基含有単量体は、分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の水酸基とを有する化合物であり、具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどが挙げられる。この水酸基含有単量体は、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルであるのが好適であり、ここでのアルキルは、炭素数1〜10程度、さらには2〜6程度であるのが好ましい。
また、第一のアクリル樹脂は、上記水酸基含有単量体に由来する構造単位に加え、カルボキシル基を有する単量体に由来する構造単位を含む。さらに第一のアクリル樹脂は、水酸基及びカルボキシル基以外の極性官能基を有する単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。水酸基及びカルボキシル基以外の極性官能基としては、例えば、アミド基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、イソシアナト基、アルデヒド基などを挙げることができる。
水酸基以外の極性官能基を有する単量体のうち、極性官能基がカルボキシル基である単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。極性官能基がアミド基である単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−(N,N−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられる。極性官能基がエポキシ基である単量体としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどが挙げられる。極性官能基がオキセタニル基である単量体としては、例えば、オキセタニル(メタ)アクリレート、3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。極性官能基がアミノ基である単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アリルアミンなどが挙げられる。極性官能基がイソシアナト基である単量体としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどが挙げられる。また、極性官能基がアルデヒド基である単量体としては、例えば、アクリルアルデヒドなどが挙げられる。これら水酸基以外の極性官能基を有する単量体の含有量は、イオン性化合物(B)との相溶性の観点から、水酸基含有単量体100重量部に対して30重量部以下とするのが好ましい。
第一のアクリル樹脂において、その不揮発分全体の重量を基準に、式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位は、通常 60〜99.5重量%、好ましくは 80〜99.5重量%含有される。また水酸基含有単量体は、通常 0.5〜10重量%程度、好ましくは1〜6重量%含有される。水酸基含有単量体は、アクリル樹脂(A)全体100重量部に対して、すなわち、アクリル樹脂(A)が第一のアクリル樹脂だけで構成される場合はその100重量部に対して、また、第一のアクリル樹脂及びそれとは異なる第二のアクリル樹脂で構成される場合はそれらの合計100重量部に対して、 0.5〜10重量部の割合で含有させる。アクリル樹脂(A)全体100重量部に対する水酸基含有単量体の割合は、好ましくは 0.5〜6重量部である。アクリル樹脂(A)100重量部に対し、水酸基含有単量体の量が 0.5重量部以上であると、それを含む粘着剤層をガラス基板に貼合したときに、ガラス基板と粘着剤層との間の浮きや剥れが抑制される傾向にあることから好ましい。また、その量が10重量部以下であると、温度変化などにより光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白ヌケや色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。さらに、アクリル樹脂(A)100重量部に対して、水酸基含有単量体の量が 0.5〜10重量部の範囲にあれば、後述するイオン性化合物(B)との相溶性の観点からも好ましい。
第一のアクリル樹脂は、前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル前記した水酸基含有単量体及びカルボキシル基を有する単量体にそれぞれ由来する構造単位に加えて、それら以外の単量体に由来する構造単位を有していてもよい。このような任意に使用しうる単量体として、例えば、分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の5員環以上の複素環基とを有する複素環系単量体を挙げることができる。ここで、5員環以上の複素環基とは、炭素数5以上、好ましくは炭素数5〜7の脂環式炭化水素基において、そのうちの少なくとも一つのメチレン基が、イミノ基(−NH−)、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子で置換されている基をいう。
複素環系単量体の具体例として、アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドン、テトラハイドロフルフリルアクリレート、テトラハイドロフルフリルメタクリレート、カプロラクトン変性テトラハイドロフルフリルアクリレートなどを挙げることができる。また、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどの如き、ヘテロ原子が3員環及び7員環を構成している単量体は、7員環の複素環基を持つことから、複素環系単量体として扱うことができる。さらに、2,5−ジヒドロフランなどの如く、オレフィン性二重結合が複素環基に含まれていてもよい。複素環系単量体として、異なる2種類以上の単量体を用いてもよい。複素環系単量体としては、中でも、N−ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン又はこれらの混合物が好適である。
複素環系単量体に由来する構造単位を第一のアクリル樹脂に含有させる場合、その量は第一のアクリル樹脂全量を基準に、通常30重量%程度までであり、好ましくは20重量%以下である。なお、第一のアクリル樹脂に複素環系単量体に由来する構造単位を 0.1重量%以上含有させると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白ヌケや色ムラが抑制される傾向が出てくる。
また、任意に使用しうる別の単量体として、分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の脂環式構造を有する脂環式単量体を挙げることができる。脂環式構造は、通常炭素数5以上、好ましくは炭素数5〜7程度のシクロパラフィン構造又はシクロオレフィン構造であり、シクロオレフィン構造では、脂環式構造の中にオレフィン性二重結合を有する。具体的には、脂環式構造を有するアクリル酸エステルとして、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸シクロドデシル、アクリル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸tert−ブチルシクロヘキシル、α−エトキシアクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシルフェニルなどが挙げられ、脂環式構造を有するメタクリル酸エステルとして、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸シクロドデシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸tert−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシルフェニルなどが挙げられる。また、脂環式構造を分子内に複数有するアクリレートとして、ビスシクロヘキシルメチルイタコネート、ジシクロオクチルイタコネート、ジシクロドデシルメチルサクシネートなどが挙げられる。さらに、ビニル基を有するビニルシクロヘキシルアセテートなども、脂環式単量体となりうる。中でも、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジシクロペンタニルは、入手が容易なことから好ましい。脂環式単量体として、異なる2種以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。
脂環式単量体に由来する構造単位を第一のアクリル樹脂に含有させる場合、その量は第一のアクリル樹脂全量を基準に、通常30重量%程度までであり、好ましくは15重量%以下である。なお、第一のアクリル樹脂に脂環式単量体に由来する構造単位を 0.1重量%以上、さらには1重量%以上含有させると、ガラス基板と粘着剤層との間の浮きや剥れが抑制される傾向が出てくる。
さらに別の単量体として、式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル、複素環系単量体及び脂環式単量体のいずれとも異なるビニル系単量体を用いることもできる。かかるビニル系単量体としては、例えば、脂肪酸ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、共役ジエン化合物、芳香族ビニルなどが挙げられる。
ここで、脂肪酸ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどが挙げられる。ハロゲン化ビニルとしては、塩化ビニル、臭化ビニルなどが例示され、ハロゲン化ビニリデンとしては、塩化ビニリデンなどが例示され、(メタ)アクリロニトリルとしては、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが例示される。共役ジエン化合物とは、分子内に共役二重結合を有するオレフィンであり、具体例としては、イソプレン、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。芳香族ビニルとは、芳香族環とビニル基を有する化合物であり、具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレンの如きスチレン系単量体、ビニルピリジンやビニルカルバゾールの如き含窒素芳香族ビニルなどが挙げられる。これらのビニル系単量体は、異なる2種以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。
以上のようなビニル系単量体に由来する構造単位を第一のアクリル樹脂に含有させる場合、その量は第一のアクリル樹脂全量を基準に、通常5重量%以下、好ましくは 0.05重量%以下であるが、これらは、実質的に含有されないことがより好ましい。
複素環系単量体に由来する構造単位、脂環式単量体に由来する構造単位及びビニル系単量体に由来する構造単位のうち複数を導入する場合であっても、それらの合計量は、第一のアクリル樹脂全量を基準に、30重量%以下、さらには20重量%以下とするのが好ましい。
以上説明した第一のアクリル樹脂の製造方法としては、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法などが挙げられ、中でも溶液重合法が好ましい。溶液重合法の具体的な例としては、所望の単量体及び有機溶媒を混合して単量体の濃度を50重量%以上、好ましくは50〜60重量%の混合液に調整したのち、窒素雰囲気下にて、単量体の合計100重量部あたり重合開始剤を 0.001〜5重量部程度添加し、40〜90℃程度、好ましくは50〜70℃程度にて8時間以上、好ましくは8〜12時間程度攪拌する方法などが挙げられる。
重合開始剤としては、熱重合開始剤や光重合開始剤などが用いられる。光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンなどが挙げられる。熱重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2′−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)の如きアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドの如き有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素の如き無機過酸化物などが挙げられる。また、過酸化物と還元剤を併用したレドックス系開始剤なども、重合開始剤として使用しうる。
重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールの如き脂肪族アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類などが挙げられる。
第一のアクリル樹脂の分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw )で 500,000〜2,000,000 の範囲とする。重量平均分子量が 500,000以上であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着剤層との間に浮きや剥れの発生する可能性が低くなる傾向にあり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。また、重量平均分子量が 2,000,000以下であると、その粘着剤層に貼合されている光学フィルムの寸法が温度変化などによって変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白ヌケや色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。重量平均分子量(Mw )と数平均分子量(Mn )の比(Mw/Mn)で表される分子量分布は、通常2〜10程度の範囲にある。
本発明に用いる粘着剤は、アクリル樹脂(A)として、上記第一のアクリル樹脂と異なる第二のアクリル樹脂を含有していてもよい。別途含有しうる第二のアクリル樹脂としては、例えば、前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分とし、GPCによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw )が、50,000〜300,000 程度の範囲にある、低分子量のものを挙げることができる。
低分子量の第二のアクリル樹脂を用いる場合、その量は、アクリル樹脂(A)の不揮発分合計100重量部に対して、通常5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部程度である。全アクリル樹脂の不揮発分100重量部に対する第二のアクリル樹脂の量が5重量部以上であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白ヌケや色ムラが抑制される傾向にあることから好ましく、第二のアクリル樹脂の量が50重量部以下であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着層との間に浮きや剥れの発生する可能性が低くなる傾向にあり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
粘着剤に用いるアクリル樹脂(A)は、そのアクリル樹脂のみ(第一のアクリル樹脂だけを用いる場合はそのアクリル樹脂、また第一のアクリル樹脂と第二のアクリル樹脂を混合して用いる場合はそれらの混合物)を酢酸エチルに溶かして不揮発分濃度20重量%に調整した溶液が、温度25℃において10Pa・s以下、さらには0.1〜7Pa・s の粘度を示すことが好ましい。この粘度が10Pa・s 以下であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着剤層との間に浮きや剥れの発生する可能性が低くなる傾向にあり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。粘度は、ブルックフィールド粘度計によって測定することができる。
本発明では、以上のようなアクリル樹脂(A)に加えて、イオン性化合物(B)を用いる。このイオン性化合物(B)は、前記式(II)で示されるピリジニウム系カチオンを含むものである。この式(II)において、ピリジン環を構成する炭素原子に結合する R3〜R7 は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表すが、それらのうち少なくとも一つは炭素数1〜6のアルキル基であり、また R8は炭素数1〜12のアルキル基を表す。このイオン性化合物(B)は、常温(23℃付近)において液体であるのが有利である。式(II)で示されるピリジニウム系カチオンは、総炭素数が12以上であるのが、アクリル樹脂(A)との相溶性の観点から採用される。またその総炭素数は、36以下、さらには30以下であるのが好ましい。前記式(II)で示されるピリジニウム系カチオンの中でも、ピリジン環の4−位炭素原子に結合するR5 がアルキル基であり、ピリジン環の他の炭素原子に結合するR3、R4、R6 及びR8 がそれぞれ水素原子であるものは、好ましいカチオンの一つである。
式(II)で示されるピリジニウム系カチオンの具体例としては、次のようなものを挙げることができる。
N−メチル−4−ヘキシルピリジニウムカチオン、
N−ブチル−4−ブチルピリジニウムカチオン、
N−ブチル−2,4−ジエチルピリジニウムカチオン、
N−ブチル−2−ヘキシルピリジニウムカチオン、
N−ヘキシル−2−ブチルピリジニウムカチオン、
N−ヘキシル−4−メチルピリジニウムカチオン、
N−ヘキシル−4−エチルピリジニウムカチオン、
N−ヘキシル−4−ブチルピリジニウムカチオンなど。
一方、イオン性化合物を構成するアニオン成分として、例えば、次のようなものを挙げることができる。
クロライドアニオン〔Cl-〕、
ブロマイドアニオン〔Br-〕、
ヨーダイドアニオン〔I-〕、
テトラクロロアルミネートアニオン〔AlCl4 -〕、
ヘプタクロロジアルミネートアニオン〔Al2Cl7 -〕、
テトラフルオロボレートアニオン〔BF4 -〕、
ヘキサフルオロホスフェートアニオン〔PF6 -〕、
パークロレートアニオン〔ClO4 -〕、
ナイトレートアニオン〔NO3 -〕、
アセテートアニオン〔CH3COO-〕、
トリフルオロアセテートアニオン〔CF3COO-〕、
メタンスルホネートアニオン〔CH3SO3 -〕、
トリフルオロメタンスルホネートアニオン〔CF3SO3 -〕、
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン〔(CF3SO22-〕、
トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニドアニオン〔(CF3SO23-〕、
ヘキサフルオロアーセネートアニオン〔AsF6 -〕、
ヘキサフルオロアンチモネートアニオン〔SbF6 -〕、
ヘキサフルオロニオベートアニオン〔NbF6 -〕、
ヘキサフルオロタンタレートアニオン〔TaF6 -〕、
(ポリ)ハイドロフルオロフルオライドアニオン〔F(HF)n -〕(nは1〜3程度)、
ジシアナミドアニオン〔(CN)2-〕、
パーフルオロブタンスルホネートアニオン〔C49SO3 -〕、
ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン〔(C25SO22-〕、
パーフルオロブタノエートアニオン〔C37COO-〕、
(トリフルオロメタンスルホニル)(トリフルオロメタンカルボニル)イミドアニオン〔(CF3SO2)(CF3CO)N-〕など。
これらの中でも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、低融点のイオン性化合物が得られることから好ましく用いられ、とりわけ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンやヘキサフルオロホスフェートアニオンが好ましい。本発明では、アニオン成分がヘキサフルオロホスフェートであるものを使用する。
本発明に用いられるイオン性化合物の具体例は、上記カチオン成分とアニオン成分の組合せから適宜選択することができる。具体的なカチオン成分とアニオン成分の組合せである化合物として、次のようなものが挙げられる。
N−メチル−4−ヘキシルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−ブチル−2−ヘキシルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−ヘキシル−4−メチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−メチル−4−ヘキシルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−ブチル−2−ヘキシルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−ヘキシル−4−メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−メチル−4−ヘキシルピリジニウム パークロレート、
N−ブチル−2−ヘキシルピリジニウム パークロレート、
N−ヘキシル−4−メチルピリジニウム パークロレートなど。
式(II)で示される総炭素数が12以上のピリジニウム系カチオンを含むイオン性化合物(B)は、前述したとおり、極性官能基として水酸基を有するアクリル樹脂(A)を含む組成物から形成される粘着剤層に帯電防止性を付与するとともに、粘着剤としての諸物性を保つうえで有効である。イオン性化合物(B)は、前記したアクリル樹脂(A)の不揮発分100重量部に対して、0.1〜10重量部程度の割合で含有させるのが好ましく、さらには、0.2〜3重量部、とりわけ0.3〜1.5重量部の割合で含有させるのがより好ましい。アクリル樹脂(A)の不揮発分100重量部に対してイオン性化合物(B)を 0.1重量部以上含有すると、帯電防止性能が向上することから好ましく、また10重量部以下であると、イオン性化合物(B)がブリードアウトしにくいことから好ましい。
以上のようなアクリル樹脂(A)及びイオン性化合物(B)に、さらに架橋剤(C)を配合して、粘着剤組成物とする。架橋剤(C)は、アクリル樹脂(A)中、特に第一のアクリル樹脂中の水酸基含有単量体に由来する構造単位と架橋し得る官能基を分子内に少なくとも2個有する化合物であり、具体的には、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、金属キレート系化合物、アジリジン系化合物などが例示される。
イソシアネート系化合物は、分子内に少なくとも2個のイソシアナト基(−NCO)を有する化合物であり、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。また、これらのイソシアネート化合物に、グリセロールやトリメチロールプロパンなどのポリオールを反応せしめたアダクト体や、イソシアネート化合物を二量体、三量体等にしたものも、粘着剤に用いられる架橋剤となりうる。2種以上のイソシアネート系化合物を混合して用いることもできる。
エポキシ系化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物であり、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N′−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。2種以上のエポキシ系化合物を混合して用いることもできる。
金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム及びジルコニウムなどの多価金属に、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルが配位した化合物などが挙げられる。
アジリジン系化合物は、エチレンイミンとも呼ばれる1個の窒素原子と2個の炭素原子からなる3員環の骨格を分子内に少なくとも2個有する化合物であり、例えば、ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、イソフタロイルビス−1−(2−メチルアジリジン)、トリス−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートなどが挙げられる。
これらの架橋剤の中でも、イソシアネート系化合物、とりわけ、キシリレンジイソシアネート若しくはトリレンジイソシアネート、又はこれらのイソシアネート化合物に、グリセロールやトリメチロールプロパンなどポリオールを反応せしめたアダクト体や、イソシアネート化合物を二量体、三量体等にしたものの混合物、これらのイソシアネート系化合物を混合したものなどが、好ましく用いられる。好適なイソシアネート系化合物として、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートにポリオールを反応せしめたアダクト体、トリレンジイソシアネートの二量体、及びトリレンジイソシアネートの三量体が挙げられる。
架橋剤(C)は、アクリル樹脂(A)100重量部に対し、通常 0.01〜10重量部程度、好ましくは 0.1〜7重量部、さらに好ましくは0.3〜1.5重量部程度の割合で配合される。アクリル樹脂(A)100重量部に対する架橋剤(C)の量が 0.01重量部以上であると、粘着剤層の耐久性が向上する傾向にあることから好ましく、また10重量部以下であると、粘着剤付き光学フィルムを液晶表示装置に適用したときの白ヌケが目立たなくなることから好ましい。
本発明における粘着剤層を形成するための粘着剤には、粘着剤層とガラス基板との密着性を向上させるために、シラン系化合物(D)を含有させるとりわけ、架橋剤を配合する前のアクリル樹脂にシラン系化合物を含有させておくことが好ましい。
シラン系化合物としては例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシランなどが挙げられる。2種以上のシラン系化合物を使用してもよい。
シラン系化合物は、シリコーンオリゴマータイプのものであってもよい。シリコーンオリゴマーを(モノマー)オリゴマーの形式で示すと、例えば、次のようなものを挙げることができる。
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
の如き、メルカプトプロピル基含有のコポリマー;
メルカプトメチルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
メルカプトメチルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
メルカプトメチルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
メルカプトメチルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
の如き、メルカプトメチル基含有のコポリマー;
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メタクリロキシイルオプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
の如き、メタクリロイルオキシプロピル基含有のコポリマー;
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
の如き、アクリロイルオキシプロピル基含有のコポリマー;
ビニルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
ビニルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
ビニルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
ビニルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
ビニルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
ビニルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
ビニルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
ビニルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
の如き、ビニル基含有のコポリマー;
3−アミノプロピルトリメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
の如き、アミノ基含有のコポリマーなど。
これらのシラン系化合物は、多くの場合、液体である。粘着剤におけるシラン系化合物の配合量は、アクリル樹脂(A)の不揮発分100重量部(2種類以上用いる場合はその合計重量)に対して、通常0.0001〜10重量部程度であり、好ましくは0.01〜5重量部の割合で使用される。アクリル樹脂の不揮発分100重量部に対するシラン系化合物の量が 0.0001重量部以上であると、粘着剤層とガラス基板との密着性が向上することから好ましい。また、その量が10重量部以下であると、粘着剤層からシラン系化合物がブリードアウトすることが抑制される傾向にあることから好ましい。
以上説明した粘着剤にはさらに、架橋触媒、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機フィラーなどを配合してもよい。中でも、粘着剤に架橋剤とともに架橋触媒を配合すれば、粘着剤層を短時間の熟成で調製することができ、得られる粘着剤付き光学フィルムにおいて、光学フィルムと粘着剤層との間に浮きや剥れが発生したり粘着剤層内で発泡が起こったりすることを抑制でき、またリワーク性も一層良好になることがある。架橋触媒としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、トリメチレンジアミン、ポリアミノ樹脂、メラミン樹脂の如きアミン系化合物などを挙げることができる。粘着剤に架橋触媒としてアミン系化合物を配合する場合、架橋剤としてはイソシアネート系化合物が好適である。
着剤付き光学フィルムに用いられる光学フィルムとは、光学特性を有するフィルムであり、例えば、偏光フィルム、位相差フィルムなどが挙げられる。
偏光フィルムとは、自然光などの入射光に対して、偏光を出射する機能を持つ光学フィルムである。偏光フィルムには、ある方向の振動面を有する直線偏光を吸収し、それと直交する振動面を有する直線偏光を透過する性質を有する直線偏光フィルム、ある方向の振動面を有する直線偏光を反射し、それと直交する振動面を有する直線偏光を透過する性質を有する偏光分離フィルム、偏光フィルムと後述する位相差フィルムを積層した楕円偏光フィルムなどがある。偏光フィルム、特に直線偏光フィルム(偏光子とか、偏光子フィルムとか呼ばれることもある)の好適な具体例として、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素や二色性染料などの二色性色素が吸着配向されているものが挙げられる。
位相差フィルムとは、光学異方性を示す光学フィルムであって、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタクリレート、液晶ポリエステル、アセチルセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニルなどからなる高分子フィルムを 1.01〜6倍程度に延伸することにより得られる延伸フィルムなどが挙げられる。中でも、ポリカーボネートフィルムや環状ポリオレフィン系フィルムを一軸延伸又は二軸延伸した高分子フィルムが好ましい。一軸性位相差フィルム、広視野角位相差フィルム、低光弾性率位相差フィルムなどと称されるものがあるが、いずれに対しても適用可能である。
また、液晶性化合物の塗布・配向によって光学異方性を発現させたフィルムや、無機層状化合物の塗布によって光学異方性を発現させたフィルムも、位相差フィルムとして用いることができる。このような位相差フィルムには、温度補償型位相差フィルムと称されるもの、また、新日本石油(株)から“LCフィルム”の商品名で販売されている、棒状液晶がねじれ配向したフィルム、同じく新日本石油(株)から“NHフィルム”の商品名で販売されている棒状液晶が傾斜配向したフィルム、富士写真フイルム(株)から“WVフィルム”の商品名で販売されている円盤状液晶が傾斜配向したフィルム、住友化学(株)から“VACフィルム”の商品名で販売されている完全二軸配向型のフィルム、同じく住友化学(株)から“new VAC フィルム”の商品名で販売されている二軸配向型のフィルムなどがある。
さらに、これら光学フィルムに保護フィルムが貼着されているものも、光学フィルムとして用いることができる。保護フィルムとしては、透明な樹脂フィルムが用いられ、その透明樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースに代表されるアセチルセルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレートに代表されるメタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン樹脂などが挙げられる。保護フィルムを構成する樹脂には、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などの紫外線吸収剤が配合されていてもよい。保護フィルムとしては、トリアセチルセルロースフィルムなどのアセチルセルロース系樹脂フィルムが好適に用いられる。
上で説明した光学フィルムの中でも、直線偏光フィルムは、それを構成する偏光子、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子フィルムの片面又は両面に、保護フィルムが貼着された状態で用いられることが多い。また、前述した楕円偏光フィルムは、直線偏光フィルムと位相差フィルムを積層したものであるが、その偏光フィルムも、偏光子フィルムの片面又は両面に、保護フィルムが貼着された状態であることが多い。このような楕円偏光フィルムに、本発明による粘着剤層を形成する場合は、通常、その位相差フィルム側に粘着剤層が形成される。
以上説明した粘着剤付き光学フィルムは、その粘着剤層でガラス基板に積層して、光学積層体とされる。ここで、ガラス基板としては、例えば、液晶セルのガラス基板、防眩用ガラス、サングラス用ガラスなどを挙げることができる。中でも、液晶セルの前面側(視認側)のガラス基板に粘着剤付き光学フィルム(上偏光フィルム)を積層し、液晶セルの背面側のガラス基板に別の粘着剤付き光学フィルム(下偏光フィルム)を積層してなる光学積層体は、液晶表示装置として使用し得ることから好ましい。ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。
粘着剤付き光学フィルムは、例えば、剥離フィルムの上に粘着剤を積層し、得られた粘着剤層にさらに光学フィルムを積層する方法、光学フィルムの上に粘着剤を積層し、その粘着剤面に剥離フィルムを貼り合わせて保護し、粘着剤付き光学フィルムとする方法などにより、製造できる。ここで、剥離フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等の各種樹脂からなるフィルムを基材とし、この基材の粘着剤層との接合面に、シリコーン処理の如き離型処理が施されたものなどが挙げられる。粘着剤付き光学フィルムをガラス基板に積層して光学積層体とするには、例えば、上記のようにして得られる粘着剤付き光学フィルムから剥離フィルムを剥がし、露出した粘着剤層をガラス基板の表面に貼り合わせればよい。
本発明の光学積層体では、粘着剤付き光学フィルムガラス基板に貼着された後、なんらかの不都合があってその光学フィルムをガラス基板から剥離する場合に、粘着剤層は光学フィルムに伴って剥離され、粘着剤層と接していたガラス基板の表面に、曇りや糊残りなどがほとんど発生しないことから、剥離後のガラス基板に再び、粘着剤付き光学フィルムを貼り直すことが容易である。すなわち、いわゆるリワーク性に優れている。
本発明の光学積層体から形成される液晶表示装置は、例えば、ノート型、デスクトップ型、PDA(Personal Digital Assistance )などを包含するパーソナルコンピュータ用液晶ディスプレイ、テレビ、車載用ディスプレイ、電子辞書、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電子卓上計算機、時計などに用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、使用量ないし含有量を表す「部」及び「%」は、特に断りのない限り重量基準である。
以下の例において、不揮発分は、 JIS K 5407 に準じた方法で測定した値である。具体的には、粘着剤溶液を任意の重量でシャーレにとり、防爆オーブンにて115℃で2時間乾燥させた後の残留不揮発分重量を、最初に測りとった溶液の重量に対する割合で表したものである。また重量平均分子量の測定は、GPC装置に、カラムとして東ソー(株)製の“TSK gel GMHHR-H(S)”2本を直列につないで配置し、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて、試料濃度5mg/ml、試料導入量100μl 、温度40℃、流速1ml/分の条件で、標準ポリスチレン換算により行った。
まず、本発明で規定する高分子量の第一のアクリル樹脂、及び比較用の水酸基含有単量体に由来する構造単位を有しない高分子量のアクリル樹脂を製造した例を示す。
[重合例1]
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応器に、酢酸エチル 81.8部、アクリル酸ブチル99.0部、及びアクリル酸4−ヒドロキシブチル1.0部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換して酸素不含としながら、内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤) 0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤添加1時間後に、単量体を除くアクリル樹脂の濃度が35%になるよう、添加速度17.3部/hr で酢酸エチルを連続的に反応器に添加しながら、内温54〜56℃で12時間保温し、最後に酢酸エチルを添加して、アクリル樹脂の濃度が20%となるように調節した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mw が 1,790,000、Mw/Mn が5.5であった。これをアクリル樹脂A1とする。アクリル樹脂A1中の水酸基含有単量体であるアクリル酸4−ヒドロキシブチルに由来する構造単位は1%である。
[重合例2]
単量体組成を、アクリル酸ブチル98.8部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部及びアクリル酸 0.2部に変更した以外は、重合例1と同様にしてアクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mw が
1,470,000、Mw/Mnが4.2であった。これをアクリル樹脂A2とする。アクリル樹脂A2中の水酸基含有単量体であるアクリル酸2−ヒドロキシエチルに由来する構造単位は1%であり、またカルボキシル基含有単量体であるアクリル酸に由来する構造単位は 0.2%である。
[重合例3:比較用樹脂の製造]
単量体組成を、アクリル酸ブチル98.9部及びアクリル酸1.1部に変更した以外は、重合例1と同様にしてアクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mw が 1,670,000、Mw/Mn が4.4であった。これをアクリル樹脂A3とする。アクリル樹脂A3中のカルボキシル基含有単量体であるアクリル酸に由来する構造単位は 1.1%であり、またこの樹脂は水酸基含有単量体に由来する構造単位を含んでいない。
次に、低分子量の第二のアクリル樹脂を製造した例を示す。
[重合例4]
重合例1で用いたのと同じ反応器に、酢酸エチル222部、アクリル酸ブチル35部、メタクリル酸ブチル44部、アクリル酸メチル20部及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル1部を仕込み、窒素ガスで反応器内の空気を置換した後、内温を75℃に上げた。アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.55部を酢酸エチル12.5部に溶かした溶液を全量添加した後、内温を69〜71℃に保ちながら8時間保温し、反応を完結した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mw が 90,000 であった。これをアクリル樹脂A4とする。
次に、上で製造したアクリル樹脂を用いて粘着剤を調製し、光学フィルムに適用した実施例及び比較例を示す。以下の例では、イオン性化合物として次のものを用いた。各化合物の記号は、後で参照するために付したものである。いずれの化合物も、常温において液体であった。
化合物1:N−ヘキシル−4−メチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(下式の構造を有する)
Figure 0005386808
化合物2:N−ヘキシル−4−メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート(下式の構造を有する)
Figure 0005386808
化合物3:トリオクチルメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(下式の構造を有する)
Figure 0005386808
また、架橋剤及びシラン化合物としてそれぞれ次のものを用いた(いずれも商品名)。
架橋剤
コロネートL:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、日本ポリウレタン工業(株)から入手、後掲の表1では、この化合物を「Cor-L」 と略記する。
タケネート D110N:キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、三井化学ポリウレタン(株)から入手、後掲の表1では、この化合物を「D110N」 と略記する。
TAZM:トリメチロールプロパン トリ−β−アジリジニルプロピオネート(液体)、相互薬工(株)から入手。
シラン化合物
X-41-1805 :メルカプト基を有するシランオリゴマー(液体)、信越化学工業(株)から入手。
[実施例1〜3及び比較例1〜4(ただし、実施例1及び2は参考)
(a)粘着剤の製造
重合例1で得たアクリル樹脂A1若しくは重合例2で得たアクリル樹脂A2をそれぞれ単独で、又は重合例3で得たアクリル樹脂A3と重合例4で得たアクリル樹脂A4とを表1に示す不揮発分の重量比率で混合して、酢酸エチル溶液とした。得られた溶液の不揮発分100部に対し、上に示したイオン性の化合物1〜化合物3、架橋剤“コロネートL”、“タケネート D110N”又は“TAZM”、及びシラン化合物“X-41-1805 ”を、それぞれ表1に示す割合で混合し、粘着剤組成物を調製した。ただし、表1中、架橋剤“コロネートL”及び“タケネート D110N”の配合量(部)は、固形分の量である。
Figure 0005386808
(b)粘着剤付き光学フィルムの作製
上の各粘着剤組成物を、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名“PET 3811”、リンテック(株)から入手;セパレーターと呼ぶ)の離型処理面に、アプリケーターを用いて乾燥後の厚さが25μm となるように塗布し、90℃で1分間乾燥させ、シート状の粘着剤を得た。次いで、ヨウ素が吸着配向したポリビニルアルコール偏光子の両面をトリアセチルセルロースからなる保護フィルムで挟んだ3層構造の偏光フィルムの片面に、上で得たシート状粘着剤のセパレーターと反対側の面(粘着剤面)をラミネーターにより貼り合わせたのち、温度23℃、相対湿度65%の条件で10日間熟成させて、粘着剤付き偏光フィルムを得た。
(c)粘着剤付き光学フィルムの帯電防止性評価
得られた粘着剤付き偏光フィルムのセパレーターを剥離した際に、粘着剤の表面抵抗値を表面固有抵抗測定装置〔三菱化学(株)製の“Hirest-up MCP-HT450 ”(商品名)〕にて測定し、帯電防止性を評価した。表面抵抗値が1011Ω/□オーダー又はそれ以下であれば、良好な帯電防止性が得られる。
(d)光学積層体の作製及び評価
上記(b)で作製した粘着剤付き偏光フィルムからセパレーターを剥がした後、その粘着剤面を液晶セル用ガラス基板〔コーニング社製の“1737”(商品名)〕の両面にクロスニコルとなるように貼着し、光学積層体を作製した。この光学積層体につき、温度80℃の乾燥条件下で96時間保管する耐熱試験を行った後、白ヌケの発現状態を目視で観察した。また、温度80℃の乾燥条件下で300時間保管する耐熱試験を行った場合と、温度60℃、相対湿度90%で300時間保管する耐湿熱試験を行った場合と、70℃に加熱した状態から−30℃に降温し、次いで70℃に昇温する過程を1サイクル(1時間)として、これを100サイクル繰り返す耐ヒートショック試験を行った場合のそれぞれについて、試験後の光学積層体を目視で観察した。結果を以下の基準で分類し、表2にまとめた。
〈白ヌケの発現状態〉
一方の偏光フィルム側から光を入射させたときの白ヌケの発現状態を、以下の4段階で評価した。
◎:白ヌケが全くみられない。
○:白ヌケがほとんど目立たない。
△:白ヌケがやや目立つ。
×:白ヌケが顕著に認められる。
〈耐熱性、耐湿熱性及び耐ヒートショック性(表2では「耐HS性」と記す)〉
これらの評価は、以下の4段階で行った。
◎:浮き、剥れ、発泡等の外観変化が全くみられない。
○:浮き、剥れ、発泡等の外観変化がほとんどみられない。
△:浮き、剥れ、発泡等の外観変化がやや目立つ。
×:浮き、剥れ、発泡等の外観変化が顕著に認められる。
(e)粘着剤付き光学フィルムのリワーク性評価
リワーク性の評価は次のように行った。まず、前記の粘着剤付き偏光フィルムを25mm×150mmの大きさの試験片に裁断した。次に、この試験片をその粘着剤側で、貼付装置〔富士プラスチック機械(株)製の“ラミパッカー”(商品名)〕を用いて液晶セル用ガラス基板に貼り付け、50℃、5kg/cm2(490.3kPa )で20分間オートクレーブ処理を行った。次に70℃で2時間加熱処理し、引き続き50℃のオーブン中にて48時間保管した後、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気中にて、この貼着試験片から偏光フィルムを300mm/分の速度で180°方向に剥離し、ガラス板表面の状態を観察して、以下の基準で分類した。結果を、併せて表2に示した。
◎:ガラス板表面に曇り等が全く認められない。
○:ガラス板表面に曇り等がほとんど認められない。
△:ガラス板表面に曇り等が認められる。
×:ガラス板表面に粘着剤の残りが認められる。
Figure 0005386808
表1及び表2からわかるように、本発明で規定するところの水酸基含有単量体に由来する構造単位を有するアクリル樹脂に、同じく本発明で規定するところのイオン性化合物を配合した実施例1〜3は、表面抵抗値が低くなることから帯電防止性に優れるとともに、白ヌケが起こりにくく、また、耐熱性、耐湿熱性、耐ヒートショック性及びリワーク性のいずれにおいても、ほぼ満足できる結果が得られた。
これに対し、イオン性化合物を配合していない比較例1は、表面抵抗値が高いことから帯電防止性が望めない。水酸基含有単量体に由来する構造単位を有するアクリル樹脂に、イオン性ではあるが、本発明の規定を満たさない化合物3を配合した比較例2は、良好な帯電防止性を示すものの、耐湿熱性及び耐ヒートショック性において不十分な結果を示した。一方、水酸基ではなくカルボキシル基を極性官能基とする高分子量のアクリル樹脂A3と、水酸基を極性官能基とするが低分子量のアクリル樹脂A4との混合樹脂に、本発明で規定するイオン性化合物を配合した比較例3は、良好な帯電防止性を示すものの、耐湿熱性において、不十分な結果を示した。また、カルボキシル基を極性官能基とする高分子量のアクリル樹脂A3を単独で用い、これに本発明で規定するイオン性化合物を配合した比較例4は、耐湿熱性が十分でなかった。
実施例2において、粘着剤組成物を構成するアクリル樹脂(重合例2で得られたアクリル樹脂A2が100部)を、重合例2で得られたアクリル樹脂A2の90部と重合例4で得られたアクリル樹脂A4の10部との混合樹脂に変えても、ほぼ同様の結果が得られる。
本発明の粘着剤付き光学フィルムが積層された光学積層体は、高い帯電防止性が付与され、また大型化しても白ヌケが起こりにくく、耐久性にも優れることから、液晶表示装置として好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 光学フィルムの片面に粘着剤層が形成されてなる粘着剤付き光学フィルムが、その粘着剤層側でガラス基板に積層されてなる光学積層体であって、該粘着剤層は、
    (A)下式(I)
    Figure 0005386808
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜14のアルキル基又はアラルキル基を表す)
    で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分とし、さらに、分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の水酸基を有する不飽和単量体に由来する構造単位及びカルボキシル基を有する単量体に由来する構造単位を含み、重量平均分子量が 500,000〜2,000,000 である第一のアクリル樹脂を含有し、前記水酸基を有する不飽和単量体に由来する構造単位の量が、樹脂全体100重量部に対して 0.5〜10重量部であるアクリル樹脂、
    (B)下式(II)
    Figure 0005386808
    (式中、R3〜R7の一つは炭素数1〜6のアルキル基を表し、残りはそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R8は炭素数1〜12のアルキル基を表す)
    で示される総炭素数が12以上のピリジニウム系カチオン及びヘキサフルオロホスフェートからなるイオン性化合物、
    (C)架橋剤、及び
    (D)シラン系化合物
    を含有する組成物から形成されていることを特徴とする光学積層体。
  2. 第一のアクリル樹脂を構成する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位は、アクリル酸ブチル由来の単位を含む請求項1に記載の光学積層体。
  3. アクリル樹脂(A)は、前記第一のアクリル樹脂に加えて、前記式(I)で示される
    (メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分とし、重量平均分子量が50,000〜300,000 である第二のアクリル樹脂を含有する請求項1又は2に記載の光学積層体。
  4. イオン性化合物(B)は、アクリル樹脂(A)100重量部に対して 0.1〜10重量部の割合で存在する請求項1〜3のいずれかに記載の光学積層体。
  5. 架橋剤(C)は、イソシアネート系化合物である請求項1〜のいずれかに記載の光学積層体。
  6. 架橋剤(C)は、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートにポリオールを反応せしめたアダクト体、トリレンジイソシアネートの二量体、及びトリレンジイソシアネートの三量体からなる群より選ばれる請求項5に記載の光学積層体。
  7. 光学フィルムは、偏光フィルム及び位相差フィルムから選ばれる請求項1〜6のいずれかに記載の光学積層体。
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