JP2011153311A - 化学修飾充填材を生成するためのプロセス - Google Patents

化学修飾充填材を生成するためのプロセス Download PDF

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Abstract

【課題】化学修飾充填材を生成するためのプロセスを提供すること。
【解決手段】1重量%より高い炭素含有量、0.15重量%より高いメルカプト含有量、少なくとも0.3のシラン変換指数(以下に説明される)、および4以上の標準強化指数(同じく以下に説明される)によって特徴付けられる、改良された修飾充填材(例えば、粒状もしくは非晶質の無機酸化物)が調製され得ることがここで見出された。本発明の修飾充填材は、2.5以下のpHを有する無機酸化物の水性懸濁液中で官能基化剤と疎水化剤との特定の組み合わせを利用し、この修飾充填材の酸性水性懸濁液を酸中和剤で処理してこの懸濁液のpHを3.0〜10の範囲に上昇させることにより、生成され得る。
【選択図】なし

Description

(発明の説明)
本発明は、化学修飾充填材を作製するための方法に関する。より具体的には、本発明は、少なくとも低減した炭素含有量およびメルカプト含有量もしくは最低の炭素含有量およびメルカプト含有量、少なくとも低減したシラン変換指数もしくは最低のシラン変換指数、ならびに少なくとも低減した標準強化指数もしくは最低の標準強化指数を有する、粒状もしくは非晶質の充填材を生成するためのプロセスに関する。さらに、本発明は、少なくとも低減した炭素含有量および硫黄含有量もしくは最低の炭素含有量および硫黄含有量、少なくとも低減したシラン変換指数もしくは最低のシラン変換指数、ならびに少なくとも低減した300%伸び時の標準引張り応力もしくは最低の300%伸び時の標準引張り応力を有する、粒状もしくは非晶質の充填材を生成するためのプロセスに関する。さらに、本発明は、ポリマー組成物を生成する(例えば、ゴム混合における)効率、および重合生成物もしくは硬化生成物(例えば、タイヤだが、これに限定されない)の性能を改善する、疎水化および官能基化した充填材(以後「修飾充填材」という)を生成するためのプロセスに関する。
ポリマー組成物の生成において、ポリマーの物理的性質を改善するために強化充填材を組み込むことは一般的である。そのような充填材の表面は、しばしば、ポリマー組成物内の充填材の反応性、ひいては二次元および三次元の結合を増大させるように修飾される。カーボンブラックおよび他の強化充填材を天然ゴムおよび合成ゴムに組み込んで硬化ゴム加硫物の物理的性質を高めることは、ゴム産業において従来行われている。そのようなポリマー組成物を強化するために使用される充填材としては、天然充填材および合成充填材が挙げられる。
ゴム産業で使用される主要な非ブラック充填材のうちの1つは、非晶質の沈降シリカである。このシリカを含む充填材は、改善した引張強度、耐引裂き性、および耐摩滅性をゴム加硫物に与えるために使用される。シリカ充填材はまた、カーボンブラックと組み合わせて、乗用車のタイヤおよび道路以外で使用されるタイヤ(例えば、採掘および伐採の作業用のタイヤ、ならびに道路建設機材用のタイヤ)の最大走行距離を得るために使用される。そのような応用は、すでに十分に確立されている。単独の強化充填材として使用される場合、ゴム中で十分に分散しておらず、そして/または結合していないシリカ充填材は、カーボンブラックのみの使用によって得られる全般的な性能の改善を提供しない。これは、タイヤ(例えば、タイヤトレッド)に対して用いられるゴム加硫物で最も容易に観察される。
種々のカップリング剤(例えば、チタネート、ジルコネートおよびシラン)が、ゴム加硫物の性能を改善するために充填材がポリマー組成物(例えば、ゴム)に組み込まれる際のそのような充填材との使用について提案されてきた。そのような使用について提案される種々の有機シランカップリング剤の中には、メルカプトアルキルトリアルコキシシラン(例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシラン)がある。メルカプトアルキルトリアルコキシシランの高コスト、ニートな材料に関連する刺激臭、ならびにそれらをゴム組成物へと混合するために必要とされる時間およびエネルギーは、シリカを含む充填材の、大量のゴムの応用における主要な強化充填材としてのより一般的な使用を妨げてきた。
シリカ充填材に対するカップリング剤としてアルコキシシランを使用することにおける1つの欠点は、それらが排出気体を生ずることである。特に、アルコキシ基の加水分解は、アルコールの放出を生じ、その一部が周囲のエラストマーマトリックス中に保持されることになる。周囲のエラストマーマトリックス中に保持されるアルコール部分は、結果として形成されるゴム物品の表面欠陥を形成し得、かつ/または押し出し成形およびタイヤ成形中のトレッドの寸法安定性を損ない得る、有孔のゾーン(porous zone)またはブリスターを生じ得る。このアルコールの発生および気体排出は、アルコキシシランカップリング剤と混合されたエラストマーから製造される製品の耐用期間を通して続く。
ビス(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィドが、メルカプトアルキルトリアルコキシシランの代わりに使用され得る。ビス(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィドを使用するシリカ充填ゴム組成物の調製は、一般的に、狭い操作温度範囲内で実施される必要がある。この混合温度は、シリカ−シラン反応が迅速に起こるのに十分に高いが、カップリング剤のポリスルファン官能基の不可逆的な熱分解、およびゴム混合物の早期硬化(スコーチ)を避けるのに十分にすべきである。これらの制限は、生産量の低減およびゴムマトリックス中のシリカの許容され得る分散を達成するための費用の増大を生じ得る。
1重量%より高い炭素含有量、0.15重量%より高いメルカプト含有量、少なくとも0.3のシラン変換指数(以下に説明される)、および4以上の標準強化指数(同じく以下に説明される)によって特徴付けられる、改良された修飾充填材(例えば、粒状もしくは非晶質の無機酸化物)が調製され得ることがここで見出された。さらに、1重量%より高い炭素含有量、0.1重量%より高い硫黄含有量、少なくとも0.3のシラン変換指数(以下に説明される)、および7以上の300%伸び時の標準引張り応力(同じく以下に説明される)によって特徴付けられる改良された充填材(例えば、粒状もしくは非晶質の無機酸化物)が調製され得ることが見出された。本発明の修飾充填材は、2.5以下のpHを有する無機酸化物の水性懸濁液中で官能基化剤と疎水化剤との特定の組み合わせを利用し、この修飾充填材の酸性水性懸濁液を酸中和剤で処理してこの懸濁液のpHを3.0〜10の範囲に上昇させることにより、生成され得る。
本明細書中で使用される場合、官能基化剤は、無機酸化物をその無機酸化物が使用されるポリマー組成物に共有結合させ得る反応性化学物質である。疎水化剤は、無機酸化物のその無機酸化物が使用される有機ポリマー組成物に対する親和性を上昇させながら、その無機酸化物の水に対する親和性の低下をもたらす程度まで無機酸化物と結合および/または会合し得る化学物質である。
上記少なくとも7以上の300%伸び時の標準引張り応力(すなわち、STS@300%)は、ゴム組成物の改善された強化を示す。改善された強化は、その製品の機械的耐久性の改善と解釈でき、これは、引裂き強度の向上、硬度の向上および耐磨耗性の向上によって証明される。改善された特性に加えて、修飾充填材は、ポリマー組成物に組み込まれるためにより少ない時間およびエネルギーを必要とするという利点を有する。
上記少なくとも4以上の標準強化指数(SRI)は、充填材−ポリマー組成物の成分間の相互作用もしくは結合の改変を示している。特に、充填材とポリマーとの間、および/またはポリマーとポリマーとの間には、充填材と充填材との間の所定量の相互作用に関して通常存在するよりも強い相互作用がある。別の言い方をすると、充填材と充填材との間には、充填材とポリマーとの間、および/またはポリマーとポリマーとの間の所定量の相互作用に関して通常存在するよりも弱い相互作用がある。ゴム組成物中のこれらの相互作用の適切な改善が、より良いタイヤ性能(例えば、改善されたトレッド磨耗寿命、より低い転がり抵抗、より良い雪上牽引、およびより低い騒音発生)を生ずることが報告された。改善された特性に加えて、修飾充填材は、ポリマー組成物に組み込まれるためにより少ない時間およびエネルギーを必要とするという利点を有する。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
沈降シリカ、コロイドシリカもしくはそれらの混合物から選択される非晶質もしくは粒状の無機酸化物の酸性水性懸濁液を、必要に応じて界面活性剤および/もしくは水混和性溶媒の存在下において、カップリング剤と接触させて化学修飾充填材の酸性水性懸濁液を形成し、該充填材を回収することにより化学修飾充填材を生成するプロセスであって、改良点が、該カップリング剤として、2.5以下のpHを有する無機酸化物の水性懸濁液中の、少なくとも0.05:1の(a):(b)の重量比の、(a)メルカプト有機金属化合物と(b)非硫黄性有機金属化合物との組み合わせを使用すること、ならびに該化学修飾充填材の酸性水性懸濁液を酸中和剤で処理して該懸濁液のpHを3.0〜10の範囲に上昇させることを含む、プロセス。
(項目2)
項目1に記載のプロセスであって、アルコール副産物を生成する工程;前記懸濁液から前記充填材および水相を回収する工程;ならびに、該充填材からのアルコールの放出が実質的にないように、該アルコール副産物を該水相中に保持する工程をさらに包含する、プロセス。
(項目3)
項目1に記載のプロセスであって、アルコール副産物を生成する工程;前記懸濁液から前記充填材および水相を回収する工程;ならびに、該充填材から放出されたアルコールが4000ppm未満であるように、該アルコール副産物を該水相中に保持する工程をさらに包含する、プロセス。
(項目4)
項目2に記載のプロセスであって、前記充填材をゴム組成物と混合し、その結果、該混合されたゴム組成物からのアルコールの放出が実質的にない工程をさらにさらに包含する、プロセス。
(項目5)
項目2に記載のプロセスであって、前記充填材をゴム組成物と混合し、その結果、該混合されたゴム組成物からのアルコール放出が4000ppm未満である工程をさらにさらに包含する、プロセス。
(項目6)
項目1に記載のプロセスであって、前記メルカプト有機金属化合物が、以下の式I:
Figure 2011153311

によって表され、ここで、Mはケイ素であり、Lは、ハロゲンまたは−OR であり、Qは、水素、C 〜C 12 アルキルまたはハロ置換C 〜C 12 アルキルであり、R は、C 〜C 12 アルキレンであり、R は、C 〜C 12 アルキルまたは2〜12個の炭素原子を含むアルコキシアルキルであり、該ハロゲンもしくは(ハロ)基が、クロロ、ブロモ、ヨードまたはフルオロであり、そして、nは、1、2もしくは3である、プロセス。
(項目7)
項目6に記載のプロセスであって、前記メルカプト有機金属化合物の該メルカプト基が、ブロックされている、プロセス。
(項目8)
項目1に記載のプロセスであって、前記非硫黄性有機金属化合物が、アルキルシランである、プロセス。
(項目9)
項目8に記載のプロセスであって、前記アルキルシランが、式II、III、IV、およびV:
Figure 2011153311

によって表される化合物ならびに該アルキルシラン化合物の混合物からなる群から選択され;ここで、各R は、独立して、1個〜18個の炭素原子を有する炭化水素基であるか、またはR は、1個〜12個の炭素原子を有する有機官能性炭化水素基であり、ここで、該官能性は、アミノ、カルボン酸、カルビノールエステル、またはアミドであり;各Xは、独立して、ハロゲン、アミノ、1個〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、および1個〜12個の炭素原子を有するアシルオキシ基からなる群から選択され、aは、整数1、2または3であり;各R は、独立して、ハロ、ヒドロキシ、または1個〜18個の炭素原子を含む炭化水素基であり、但し、該R 置換基の少なくとも50モルパーセントが、1個〜18個の炭素原子を含む炭化水素基であり、cは、整数2〜10,000であり;各R は、独立して、ハロ、ヒドロキシ、または1個〜18個の炭素原子を含む炭化水素基であり、dは、整数3〜20であり;各R は、独立して、水素、または1個〜18個の炭素原子を含む炭化水素基であり、kは、1または2であり;そして、該ハロもしくはハロゲンが、クロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードから選択される、プロセス。
(項目10)
項目1に記載のプロセスであって、前記メルカプト有機金属化合物が、少なくとも1:1のメルカプト有機金属化合物:ビス(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィドの重量比のメルカプト有機金属化合物とビス(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィドとの組み合せによって置換されている、プロセス。
(項目11)
項目10に記載のプロセスであって、前記ビス(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィドが、以下の式VI:
Z−alk−S n’ −alk−Z VI
によって表され、ここで、alkは、1個〜18個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり;n’は、2〜12の整数であり、そしてZは:
Figure 2011153311

であり、ここで、Rは、C 〜C アルキルまたはフェニル基であり、そしてR’は、C 〜C アルコキシ、C 〜C シクロアルコキシ、またはC 〜C アルキルメルカプト基である、プロセス。
(項目12)
項目1に記載のプロセスの生成物。
(項目13)
前記生成物が、タイヤである、項目11に記載の生成物。
(項目14)
硫黄で加硫した組成物を生成するプロセスであって:
(i)硬化可能なエラストマーと化学修飾充填材とを予備硬化させずに混合して加硫可能なエラストマー組成物を形成する工程;
(ii)硫黄含有硬化剤を、該加硫可能なエラストマー組成物に加える工程;および
(iii)該加硫可能なエラストマー組成物を硬化させる工程
を包含し、ここで、該化学修飾充填材は、沈降シリカ、コロイドシリカもしくはそれらの混合物から選択される非晶質もしくは粒状の無機酸化物の酸性水性懸濁液を、必要に応じて界面活性剤および/もしくは水混和性溶媒の存在下において、カップリング剤と接触させて化学修飾充填材の酸性水性懸濁液を形成し、該充填材を回収することにより生成され、該カップリング剤が、2.5以下のpHを有する無機酸化物の水性懸濁液中の、少なくとも0.05:1の(a):(b)の重量比の(a)メルカプト有機金属化合物と(b)非硫黄性有機金属化合物との組み合わせであり、そして、該化学修飾充填材の該酸性水性懸濁液を酸中和剤で処理して該懸濁液のpHを3.0〜10の範囲に上昇させる、
プロセス。
(項目15)
項目14に記載のプロセスであって、前記エラストマーが、共役ジエンモノマーのホモポリマー、ならびに共役ジエンモノマーとモノビニル芳香族モノマーおよびトリエンとのコポリマーおよびターポリマーから選択される、プロセス。
(項目16)
項目14に記載のプロセスであって、前記化学修飾充填材が:
(i)1重量パーセントより高い炭素含有量;
(ii)0.15重量パーセントより高いメルカプト含有量;
(iii)少なくとも0.3のシラン変換指数;および
(iv)少なくも4の標準強化指数
を有する、プロセス。
(項目17)
硫黄で加硫した組成物を生成するプロセスであって:
(i)硬化可能エラストマー、化学修飾充填材、加硫促進剤組成物、および必要に応じて遅延剤組成物を一緒に混合して加硫可能なエラストマー組成物を生成する工程;および
(ii)硬化剤を該加硫可能エラストマー組成物に添加して、該エラストマーを硬化させる工程であって、該硬化させたエラストマーが、約2.5分より長いスコーチ時間、約30分より短い硬化時間、および約6.5Mpaより大きな300%モジュラスを有する工程
を包含し、ここで、該化学修飾充填材が、沈降シリカ、コロイドシリカもしくはそれらの混合物から選択される非晶質もしくは粒状の無機酸化物の酸性水性懸濁液を、必要に応じて界面活性剤および/もしくは水混和性溶媒の存在下において、カップリング剤と接触させて化学修飾充填材の酸性水性懸濁液を形成し、該充填材を回収することにより生成され、該カップリング剤が、2.5以下のpHを有する無機酸化物の水性懸濁液中の、少なくとも0.05:1の(a):(b)の重量比の(a)ビス(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィド化合物と(b)非硫黄性有機金属化合物との組み合わせであり、そして、該化学修飾充填材の該酸性水性懸濁液を酸中和剤で処理して該懸濁液のpHを3.0〜10の範囲に上昇させる工程を包含する、
プロセス。
(項目18)
項目17に記載のプロセスであって、前記加硫促進剤組成物が、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールスルフェンアミド、ジチオカルバメート、ジチオホスフェート、チオモルホリン、チオ尿素、ザンテート、チウラムスルフィド、およびアミンのうちの少なくとも1つを含む、プロセス。
(項目19)
項目17に記載のプロセスであって、前記遅延剤組成物が、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、ステアリン酸、N−ニトロソジフェニルアミン、酢酸ナトリウム、芳香族スルホンアミド、フタル酸ジオクチル、および酸化マグネシウムのうちの少なくとも1つを含む、プロセス。
(項目20)
項目17に記載のプロセスであって、前記エラストマーが、共役ジエンモノマーのホモポリマー、ならびに共役ジエンモノマーとモノビニル芳香族モノマーおよびトリエンとのコポリマーおよびターポリマーの群から選択される、プロセス。
(項目21)
沈降シリカ、コロイドシリカもしくはそれらの混合物から選択される非晶質もしくは粒状の無機酸化物の酸性水性懸濁液を、必要に応じて界面活性剤および/もしくは水混和性溶媒の存在下において、カップリング剤と接触させて化学修飾充填材の酸性水性懸濁液を形成し、該充填材を回収することにより、化学修飾充填材を生成するプロセスであって、改良点が、該カップリング剤として、2.5以下のpHを有する無機酸化物の水性懸濁液中の、少なくとも0.05:1の(a):(b)の重量比の(a)ビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドと(b)非硫黄性有機金属化合物との組み合わせを使用すること、ならびに該化学修飾充填材の酸性水性懸濁液を酸中和剤で処理して該懸濁液のpHを3.0〜10の範囲に上昇させることを含む、プロセス。
(項目22)
項目21に記載のプロセスであって、アルコール副産物を生成する工程;前記懸濁液から前記充填材および水相を回収する工程;ならびに、該充填材からのアルコールの放出が実質的にないように該アルコール副産物を該水相中に保持する工程をさらに包含する、プロセス。
(項目23)
項目21に記載のプロセスであって、アルコール副産物を生成する工程;前記懸濁液から前記充填材および水相を回収する工程;ならびに、該充填材から放出されるアルコールが4000ppm未満であるように該アルコール副産物を該水相中に保持する工程をさらに包含する、プロセス。
(項目24)
項目22に記載のプロセスであって、前記充填材をゴム組成物と混合し、その結果、該混合したゴム組成物からのアルコールの放出が実質的にない工程をさらに包含する、プロセス。
(項目25)
項目22に記載のプロセスであって、前記充填材をゴム組成物と混合し、その結果、該混合したゴム組成物からアルコール放出が4000ppm未満である工程をさらに包含する、プロセス。
(項目26)
項目21に記載のプロセスであって、前記ビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドが、以下の式VI:
Z−alk−S n’ −alk−Z VI
によって表され、ここで、alkは、1個〜18個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり;n’は、2〜12の整数であり、そしてZは:
Figure 2011153311

であり、ここで、Rは、C 〜C アルキルまたはフェニル基であり、そしてR’は、C 〜C アルコキシ、C 〜C シクロアルコキシ、またはC 〜C アルキルメルカプト基である、プロセス。
(項目27)
項目21に記載のプロセスであって、前記非硫黄性有機金属化合物が、アルキルシランである、プロセス。
(項目28)
項目27に記載のプロセスであって、前記アルキルシランが、式II、III、IV、およびV:
Figure 2011153311

によって表される化合物、および該アルキルシラン化合物の混合物からなる群から選択され;ここで、各R は、独立して、1個〜18個の炭素原子を有する炭化水素基であるか、またはR は、1個〜12個の炭素原子を有する有機官能性炭化水素基であり、ここで、該官能性は、アミノ、カルボン酸、カルビノールエステル、またはアミドであり;各Xは、独立して、ハロゲン、アミノ、1個〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、および1個〜12個の炭素原子を有するアシルオキシ基からなる群から選択され、aは、整数1、2または3であり;各R は、独立して、ハロ、ヒドロキシ、または1個〜18個の炭素原子を含む炭化水素基であり、但し、該R 置換基の少なくとも50モルパーセントが、1個〜18個の炭素原子を含む炭化水素基であり、cは、整数2〜10,000であり;各R は、独立して、ハロ、ヒドロキシ、または1個〜18個の炭素原子を含む炭化水素基であり、dは、整数3〜20であり;各R は、独立して、水素、または1個〜18個の炭素原子を含む炭化水素基であり、kは、1または2であり;そして、該ハロもしくはハロゲンが、クロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードから選択される、プロセス。
(項目29)
項目21に記載のプロセスであって、前記ビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドが、少なくとも1:1のビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィド:メルカプト有機金属物質の重量比のビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドとメルカプト有機金属物質との組み合わせによって置換されている、プロセス。
(項目30)
項目29に記載のプロセスであって、前記メルカプト有機金属物質が、以下の図示される式I:
Figure 2011153311

によって表され、ここで、Mはケイ素であり、Lは、ハロゲンまたは−OR であり、Qは、水素、C 〜C 12 アルキルまたはハロ置換C 〜C 12 アルキルであり、R は、C 〜C 12 アルキレンであり、R は、C 〜C 12 アルキルまたは2個〜12個の炭素原子を含むアルコキシアルキルであり、該ハロゲンもしくは(ハロ)基が、クロロ、ブロモ、ヨードまたはフルオロであり、nは、1、2または3である、プロセス。
(項目31)
項目30に記載のプロセスであって、前記メルカプト有機金属物質のメルカプト基が、ブロックされている、プロセス。
(項目32)
項目21に記載のプロセスの生成物。
(項目33)
前記生成物がタイヤである、項目32に記載の生成物。
(項目34)
硫黄で加硫した組成物を生成するプロセスであって:
(i)硬化可能エラストマー、化学修飾充填材、加硫促進剤組成物、および必要に応じて遅延剤組成物を一緒に混合して加硫可能なエラストマー組成物を生成する工程;ならびに
(ii)硬化剤を該加硫化可能なエラストマー組成物に添加して、該エラストマーを硬化させる工程であって、該硬化させたエラストマーが、約2.5分より長いスコーチ時間、約30分より短い硬化時間、および約6.5Mpaより大きな300%モジュラスを有する工程
を包含し、ここで、該化学修飾充填材が、沈降シリカ、コロイドシリカもしくはそれらの混合物から選択される非晶質もしくは粒状の無機酸化物の酸性水性懸濁液を、必要に応じて界面活性剤および/もしくは水混和性溶媒の存在下において、カップリング剤と接触させて化学修飾充填材の酸性水性懸濁液を形成し、該充填材を回収することにより生成され、該カップリング剤が、2.5以下のpHを有する無機酸化物の水性懸濁液中の、少なくとも0.05:1の(a):(b)の重量比の(a)ビス(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィド化合物と(b)非硫黄性有機金属化合物との組み合わせであり、そして、該化学修飾充填材の該酸性水性懸濁液を酸中和剤で処理して該懸濁液のpHを3.0〜10の範囲に上昇させる工程を包含する、
プロセス。
(項目35)
項目34に記載のプロセスであって、前記遅延剤組成物が、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、ステアリン酸、N−ニトロソジフェニルアミン、酢酸ナトリウム、芳香族スルホンアミド、フタル酸ジオクチル、および酸化マグネシウムのうちの少なくとも1つを含む、プロセス。
(項目36)
項目34に記載のプロセスであって、前記エラストマーが、共役ジエンモノマーのホモポリマー、ならびに共役ジエンモノマーとモノビニル芳香族モノマーおよびトリエンとのコポリマーおよびターポリマーの群から選択される、プロセス。
図1は、実施例17の組成物についての硬化プロフィールのグラフである。 図2は、実施例17の比較組成物についての硬化プロフィールのグラフである。
(発明の詳細な説明)
実施例以外、または他に指定される場合以外、本明細書中で使用される、量、比率、範囲などを表す数字はすべて、すべての場合において、用語「約」により修飾されると理解されるべきである。
本発明の修飾充填材は、1重量%より高い、もしくは少なくとも1.5重量%の、もしくは少なくとも2.0%の炭素含有量;0.15重量%より高い、もしくは少なくとも0.3重量%、もしくは少なくとも0.5重量%のメルカプト含有量;少なくとも0.3、もしくは少なくとも0.4、もしくは少なくとも0.5のシラン変換指数、および少なくとも4.0、もしくは少なくとも4.5、もしくは少なくとも5.0の標準強化指数を有するような充填材(すなわち、無機酸化物)を生ずる任意の方法により生成され得る。本発明の修飾充填材はまた、少なくとも6.2、もしくは少なくとも7.0、もしくは少なくとも7.5、もしくは少なくとも8.0の、300%伸び時の引張り応力によって特徴付けられ得る。さらに、本発明の修飾充填材は、1重量%より高い、もしくは少なくとも1.5重量%の、もしくは少なくとも2.0重量%の炭素含有量;0.1重量%より高い、もしくは少なくとも0.3重量%の、もしくは少なくとも0.6重量%の硫黄含有量;少なくとも0.3、もしくは少なくとも0.4、もしくは少なくとも0.5のシラン変換指数、および少なくとも7.0、もしくは少なくとも7.5、もしくは少なくとも8.0の、300%伸び時の標準引張り応力を有する充填材(すなわち、無機酸化物)を生ずる任意の方法によって生成され得る。本発明の修飾充填材は、さらに、20〜350m/g、もしくは40〜300m/g、もしくは100〜200m/gのBrunauer−Emmett−Teller(BET)一点表面積、5〜10の、もしくは5.5〜9.5の、もしくは6.0〜9.0のpH、もしくは6.5〜7.5のpH、または製品のpHは、記載された範囲を含め、これらの値の任意の組み合わせの範囲に及び得る;30パーセント未満の、もしくは25パーセント未満の、もしくは20パーセント未満(例えば、15%)のソックスレー抽出し得る炭素百分率によって特徴付けられ得る。修飾充填材の上記特性を決定するための方法は、実施例15および実施例35に記載される。
当業者に公知の広範な種々の充填材が、本発明の修飾充填材を調製するために使用され得る。適切な充填材としては、沈降シリカ、コロイドシリカまたはそれらの混合物から選択される無機酸化物が挙げられ得るが、これらに限定されない。さらに、無機酸化物は、種々の成形プロセス、混合プロセス、または被覆プロセス(射出成形、積層、トランスファー成形、圧縮成形、ゴム混合、被覆(例えば、浸漬、刷毛塗り、ナイフ塗布、ローラー塗り、シルクスクリーン塗装、プリント、スプレー塗りなど)、キャスティングなどが挙げられるが、これらに限定されない)における使用に適した物質であり得る。
非限定的な実施形態において、本発明の修飾充填材を生ずるために使用される無機酸化物は、ゴムと混合するために一般に使用される種類の沈降シリカであり得る。市販されている種々のシリカ物質が、本発明に使用され得る。代替の非限定的な実施形態において、このシリカとしては、名称210、243などを有するHi−Silという商標でPPG
Industriesから市販されているシリカ;Rhone−Poulencから入手可能な、例えば、名称Z1165MPおよびZ165GRのシリカ;およびDegussa AGから入手可能な、例えば、名称VN2およびVN3などのシリカが挙げられ得る。
本発明の修飾充填材を生成するために使用される沈降シリカは、当業者に公知の種々の方法によって調製され得る。非限定的な実施形態において、この沈降シリカは、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウム)の溶液からの酸性沈殿によって調製され得る。沈降シリカを調製する方法は、シリカの所望の特性(例えば、所与の利用のために必要とされる、表面積および粒径)に基づいて選択され得る。
本発明の代替の非限定的な実施形態において、本発明の修飾充填材を調製するのに使用される沈降シリカのBET表面積は、一般的に、50m/g〜1000m/g、もしくは100m/g〜500m/gの範囲内にある。
代替の非限定的な実施形態において、修飾充填材を形成するために使用される沈降シリカは、乾燥工程に先立つ製造段階からの水性懸濁液の形態(例えば、沈殿中に形成されるスラリー、または再液化した濾過ケーク)であり得る;あるいは、この懸濁液は、乾燥させたシリカを水性溶媒および/または有機溶媒中に再分散させることにより形成され得る。水性懸濁液および/または有機懸濁液中の親水性沈降シリカの濃度は重大ではなく、1重量%〜90重量%の範囲内にあり得るか、あるいは、親水性沈降シリカの濃度は、1重量%〜50重量%、または1重量%〜20重量%の範囲内にあり得る。
シラン変換指数は、式T/(T+T+T)によって定義され得る。T、TおよびTの値は、固体状態29Si NMRによって決定され、反応したシランユニットを表し得る。このシラン変換指数は、隣接するSi原子上のシランの反応または架橋、およびシラン同士の反応または架橋の程度の指標を提供し得る。一般に、指数の数字が大きいほど、シラン、シリカ表面および隣接するシランの間の架橋量が多くなる。Tは、1つの部位において、シリカ表面または別のシランに化学的に結合したシランユニットを表す。Tは、2つの部位において、シリカ表面上のSi原子および1つの隣接するシランか、2つの隣接するシランか、または2つの隣接する表面Si原子(すなわち部分的に架橋した構造)に化学的に結合したシランユニットを表す。Tは、3つの部位において、シリカ表面上の1つのSi原子および2つの隣接するシランか、2つのSi原子および1つのシランか、または3つのシランユニットに化学的に結合したシランユニットを表す。
シラン変換指数に匹敵する有機金属反応物変換指数が、ジルコネートおよび/またはチタネート(単独またはシランと組み合せて)と無機酸化物との反応または架橋、およびそれら自体の反応または架橋の程度の指標を提供するために、カップリング剤の技術分野の当業者によって開発され使用され得ると考えられる。
標準強化指数は、標準混合プロトコルを使用して決定され得る。本明細書中に記載される標準混合プロトコルは、遊離している、すなわち結合していないカップリング剤のゴムバッチへの添加を含まない。典型的に、そのようなカップリング剤のゴムバッチへの添加は、コンパウンダーにより混合するために、より長い時間を必要とし得る。
300%伸び時の標準引張り応力は、標準混合プロトコルを使用して決定され得る。本明細書中に記載される標準混合プロトコルは、遊離している、すなわち結合していないカップリング剤のゴムバッチへの添加を含まない。典型的に、そのようなカップリング剤のゴムバッチへの添加は、コンパウンダーにより混合するためにより多くの時間を必要とし得る。
修飾充填材が存在し得る有機ポリマー組成物(例えば、プラスチックおよび/または樹脂)としては、本質的に任意の有機プラスチックおよび/または樹脂が挙げられる。この定義に含まれるものが、ゴムコンパウンドである。そのようなポリマーは、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,1996,Volume 19,pp 881−904に記載されており、この文献の記載は、本明細書中に参考として援用される。非限定的な実施形態において、修飾充填材は、ポリマーまたはその重合可能な成分と混合され得、このポリマーまたは重合可能な成分の物理的形態は、任意の液体もしくは混合可能な形態(例えば、溶液、懸濁液、ラテックス、分散物など)である。修飾充填材を含むポリマー組成物は、当該技術分野で公知の任意の方法により、粉砕され、混合され、成形され、そして硬化されて、ポリマー物品を形成し得る。非限定的な実施形態において、このポリマー物品は、ポリマー100部に対し10〜150部の修飾充填材がその物品中に分配され得る。適切なポリマーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムコンパウンド、およびエラストマーの特性を有する他のポリマーが挙げられ得るが、これらに限定されない。
これらのポリマーとしては、アルキド樹脂、油変成アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、天然油(例えば、アマニ油、キリ油、ダイズ油)、エポキシド、ナイロン、熱可塑性ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリカーボネート(すなわち、熱可塑性および熱硬化性)、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンコポリマーおよびエチレンプロピレンターポリマー、アクリル系(アクリル酸、アクリレート、メタクリレート(mathacrylate)、アクリルアミド、それらの塩、ハロゲン化水素(hydrohalide)などのホモポリマーおよびコポリマー)、フェノール樹脂、ポリオキシメチレン(ホモポリマーおよびコポリマー)、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリスルフィドゴム、ニトロセルロース、ビニルブチレート、ビニル(塩化ビニルおよび/または酢酸ビニルを含むポリマー)、エチルセルロース、酢酸セルロース、および酪酸セルロース、ビスコースレーヨン、シェラック、蝋、エチレンコポリマー(例えば、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー、エチレンアクリレートコポリマー)、有機ゴムなどが挙げられ得る。
ポリマー組成物中に使用され得る修飾充填材の量は、変化し得る。非限定的な実施形態において、修飾充填材の量は、プラスチック組成物の総重量に基づき、5重量%〜70重量%であり得る。例えば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)コポリマー中に使用される修飾充填材の典型的な量は、30重量%〜60重量%であり得、アクリロニトリル−スチレン−アクリレートコポリマー中では、5重量%〜20重量%であり得、脂肪族ポリケトン中では、15重量%〜30重量%であり得、アルキド樹脂(塗料およびインク用)中では、30重量%〜60重量%であり得、熱可塑性オレフィン中では、10重量%〜30重量%であり得、エポキシ樹脂中では、5重量%〜20重量%であり得、エチレン酢酸ビニルコポリマー中では、60重量%までであり得、エチレン酢酸エチルコポリマー中では、80重量%までであり得、液晶ポリマー(LCP)中では、30重量%〜70重量%であり得、フェノール樹脂中では、30重量%〜60重量%であり得、ポリエチレン中のその量は、40重量%より多量であり得る。
非限定的な実施形態において、このポリマーは、有機ゴムであり得る。そのようなゴムの非限定的な例としては、天然ゴム;ブタジエンならびにその同族体および誘導体(例えば:シス−1,4−ポリイソプレン;3,4−ポリイソプレン;シス−1,4−ポリブタジエン;トランス−1,4−ポリブタジエン;1,2−ポリブタジエン)の単独重合から形成されるゴム、ならびに、ブタジエンならびにその同族体および誘導体と、エチレン性不飽和を含む1つ以上の共重合可能なモノマー(例えば、スチレンおよびその誘導体、ビニル−ピリジンおよびその誘導体、アクリロニトリル、イソブチレンおよびアルキル置換アクリレート(例えば、メチルメタクリレート))との共重合から形成されるゴムが挙げられ得るが、これらに限定されない。さらなる非限定的な例としては、種々の百分率のスチレンおよびブタジエンを含み、所望の場合は、ブタジエンの種々の異性体を使用する、スチレン−ブタジエンコポリマーゴム(以後、「SBR」);スチレンポリマーと、イソプレンポリマーと、ブタジエンポリマーとのターポリマー、およびそれらの種々の異性体;アクリロニトリルベースのコポリマーゴム組成物およびターポリマーゴム組成物;ならびにイソブチレンベースのゴム組成物;または、それらの混合物が挙げられ得、これらは、例えば、米国特許第4,530,959号;同第4,616,065号;同第4,748,199号;同4,866,131号;4,894,420号;4,925,894号;同第5,082,901号;および同第5,162,409号に記載される通りである。
適切な有機ポリマーの非限定的な例としては、エチレンと、他の高級αオレフィン(例えば、プロピレン、ブテン−1およびペンテン−1)とジエンモノマーとのコポリマーが挙げられ得る。これらの有機ポリマーは、ブロックポリマー、ランダムポリマーまたはシーケンシャルポリマーであり得、当該技術分野において公知の方法(例えば、乳化重合プロセス(例えば、e−SBR)もしくは溶液重合プロセス(例えば、s−SBR)であるが、これらに限定されない)によって調製され得る。本発明において使用するためのポリマーのさらなる非限定的な例としては、部分的にもしくは完全に官能基化したポリマー(結合ポリマーもしくは星型(star−branched)ポリマーが挙げられる)が挙げられ得る。官能基化有機ゴムのさらなる非限定的な例としては、ポリクロロプレン、クロロブチルおよびブロモブチルゴム、ならびに臭素化イソブチレン−co−パラメチルスチレンゴムが挙げられ得る。非限定的な実施形態において、有機ゴムは、ポリブタジエン、s−SBRおよびそれらの混合物であり得る。
非限定的な実施形態において、本ポリマー組成物は、硬化可能なゴムであり得る。用語「硬化可能なゴム」は、天然ゴム、ならびにその種々の未処理形態および再生形態、ならびに種々の合成ゴムを含むことが意図される。代替の非限定的な実施形態において、硬化可能なゴムとしては、SBRとブタジエンゴム(BR)との組み合せ、SBRとBRと天然ゴムとの組み合わせ、ならびに有機ゴムとして上記に開示した物質の他の任意の組み合わせが挙げられ得る。本発明の記載において、用語「ゴム」、「エラストマー」および「ゴム状エラストマー」は、そうでないと示されない限り、交換可能に使用され得る。用語「ゴム組成物」、「混合ゴム」および「ゴムコンパウンド」は、種々の成分および物質とブレンドまたは混合したゴムをいうために交換可能に使用され、そのような用語は、ゴム混合またはゴム混合技術分野の当業者に周知である。
本発明の修飾充填材は、当業者に公知の種々の方法を使用して調製され得る。代替の非限定的な実施形態において、この修飾充填材は、それぞれ米国特許第5,908,660号および同第5,919,298号に開示される通りの、疎水性シリカおよびヒュームドシリカを調製するための工程Aのみ、もしくは工程AおよびBの両方を、以下の変更を加えて使用することにより調製され得、この関連する開示は、本明細書中に参考として援用される。使用される酸の量は、水性懸濁液中で2.5以下のpH、もしくは2.0以下のpH、もしくは1.0以下のpH、もしくは0.5以下のpHを生じ;使用される修飾する化学物質は、メルカプト有機金属反応物と硫黄を含まない有機金属化合物(本明細書において、以後、非硫黄性有機金属化合物という)との組み合せであり、メルカプト有機金属反応物と非硫黄性有機金属化合物との重量比は、少なくとも0.05:1、もしくは0.05:1〜10:1、もしくは0.1:1〜5:1、もしくは0.2:1〜2:1、もしくは0.5:1〜1:1であり、この重量比は、記載された値を含め、これらの値の任意の組み合わせの間の範囲に及び得;そして、化学処理反応が完了した後、酸性(加えられたかまたはハロゲン化有機金属化合物の加水分解によってインサイチューで生じた)が中和される。非限定的な実施形態において、化学処理反応を完了した後、得られた水性懸濁液のpHは、3〜10のpHの範囲に上げられる。中和剤は、酸性溶液のpHを上昇させるために当該技術分野において公知であるような広範な種々の物質から選択され得る。この中和剤は、修飾充填材の特性が、悪影響を受けないように選択されるべきである。適切な中和剤の非限定的な例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、および炭酸水素ナトリウムが挙げられ得るが、これらに限定されない。別の非限定的な実施形態において、この修飾充填材の中和は、噴霧乾燥中に気体のアンモニアを水溶液に加えることにより達成され得る。
工程(A)において使用される酸は、有機酸および/または無機酸を含めた広範な種々の酸から選択され得る。非限定的な実施形態において、酸触媒は、無機酸触媒であり得る。適切な酸触媒の非限定的な例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、およびベンゼンスルホン酸が挙げられ得るが、これらに限定されない。1種の酸触媒または2種以上の酸触媒の混合物が、所望により使用され得る。非限定的な実施形態において、有機金属反応物がクロロシランである場合、触媒量の酸は、クロロシランの加水分解によって、またはクロロシランと無機酸化物のヒドロキシルとの直接的な反応によってインサイチュで生じ得る。
工程(A)が実施される温度は重大ではなく、20℃〜250℃の範囲内であり得るが、望ましい場合は、それよりもやや低い温度もしくはやや高い温度が使用され得る。この反応温度は、使用される反応物(例えば、有機金属化合物、酸、および使用される場合は、共溶媒)に依存する。非限定的な実施形態において、工程(A)は、30℃〜150℃の範囲の温度で実施される。別の非限定的な実施形態において、工程(A)は、工程(A)で使用されるスラリーの還流温度にて実施され得る。
上記の反応において、修飾する化学物質もしくはカップリング剤は、メルカプト有機金属化合物の代わりの官能基化剤と非硫黄性有機金属化合物の代わりの疎水化剤との組み合わせであり得る。この官能基化剤と疎水化剤との組み合わせは、メルカプト有機金属化合物と非硫黄性有機金属化合物との組み合せについて特定された同じ重量比で使用され得る。官能基化剤が含み得る反応性基の非限定的な例としては、ビニル、エポキシ、グリシドキシおよび(メタ)アクリルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。さらなる非限定的な例としては、スルフィド基、ポリスルフィド基、およびメルカプト基が挙げられ得るが、但し、これらは、本明細書中に含まれる化学式IおよびVIによって表される反応物と会合していない。疎水化剤としては、適切な物質として、天然もしくは合成の油脂、および化学式II、III、IV、Vによって表される非硫黄性有機金属化合物などの化学物質、ならびにそのような疎水化剤の混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
無機酸化物の酸性水性懸濁液を、メルカプト有機金属化合物と非硫黄性有機金属化合物(例えば、非硫黄有機ケイ素化合物)との組み合わせと接触させる最初の工程は、さらに、無機酸化物とのそれらの反応を促進するのに十分な量の水混和性溶媒を加える工程を包含し得る。この溶媒は、疎水性硫黄化合物と非硫黄性有機金属化合物との組合せと、親水性無機酸化物との相互作用を加速させる相間移動剤として作用し得る。代替の比限定的な実施形態において、水混和性有機溶媒が使用される場合、この水混和性有機溶媒の量は、水性懸濁液の少なくとも5重量%、または水性懸濁液の15重量%〜50重量%、もしくは20重量%〜30重量%を構成し得、あるいは、この重量%は、記載された値を含めたこれらの値の任意の組み合わせの間で変化し得る。適切な水混和性溶媒の非限定的な例としては、エタノール、イソプロパノール、およびテトラヒドロフランなどのアルコールが挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な実施形態において、イソプロパノールは、水混和性有機溶媒として使用され得る。
代替の非限定的な実施形態において、界面活性剤は、水混和性有機溶媒と組み合せてか、または水混和性有機溶媒の代わりに、メルカプト有機金属化合物および非硫黄性化合物による無機酸化物の化学修飾を促進するのに十分な量で、最初の工程で使用され得る。この界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはそのような界面活性剤の混合物から選択され得る。この界面活性剤は、得られた化学修飾された無機酸化物の性能に対し、その意図される使用に有害な影響を有しないように選択され得る。代替の非限定的な実施形態において、使用される場合、この界面活性剤は、水性懸濁液の0.05重量%〜10重量%、もしくは0.1重量%〜5重量%、もしくは0.1重量%〜3重量%の量で存在し得、またはこの重量%は、記載された値を含めこれらの値の任意の組み合わせの間で変化し得る。
適切な界面活性剤の非限定的な例としては、アルキルフェノールポリグリコールエーテル(例えば、p−オクチルフェノールポリエチレングリコール(20ユニット)エーテル、p−ノニルフェノールポリエチレングリコール(20ユニット)エーテル)、アルキルポリエチレングリコールエーテル(例えば、ドデシルポリエチレングリコール(20ユニット)エーテル)、ポリグリコール(例えば、ポリエチレングリコール2000)、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、または臭化セチルトリメチルアンモニウム)、ジアルキルジメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム)、アルキルベンジルトリメチルアンモニウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−ノニルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、硫酸水素アルキル(例えば、硫酸水素ラウリル)、および硫酸アルキル(例えば、硫酸ラウリル)が挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な実施形態において、この界面活性剤としては、アリル末端ブロックされたポリエチレンオキシドを有する、ポリシロキサンポリマーまたはポリシロキサンコポリマーが挙げられ得る。
非限定的な実施形態において、本発明の修飾充填材を生成するために使用されるメルカプト有機金属化合物は、以下に図示する式I:
Figure 2011153311
によって表され得、ここで、Mはケイ素であり得、Lは、ハロゲンまたは−ORであり得、Qは、水素、C〜C12アルキル、またはハロ置換C〜C12アルキルであり得、Rは、C〜C12アルキレンであり得、Rは、C〜C12アルキル、または2個〜12個の炭素原子を含むアルコキシアルキルであり得、上記ハロゲンもしくは(ハロ)基は、クロロ、ブロモ、ヨード、またはフルオロであり、そして、nは、1、2または3であり得る。さらなる非限定的な実施形態において、Rは、C〜Cアルキレン(例えば、メチレン、エチレン、およびプロピレン)であり得、Rは、C〜Cアルキル(例えば、メチルおよびエチル)であり得、Lは−ORであり得、そしてnは3であり得る。別の非限定的な実施形態において、2個のメルカプト基を有するメルカプト有機金属反応物が使用され得る。
代替の非限定的な実施形態において、メルカプト基がブロックされている、すなわち、メルカプトの水素原子が別の基によって置換されている、メルカプト有機金属化合物が使用され得る。これらのブロックされたメルカプト有機金属化合物は、単結合により硫黄と直接結合している、不飽和のへテロ原子または炭素を有し得る。ブロック基の非限定的な例としては、チオカルボン酸エステル、ジチオカルバミン酸エステル、チオスルホン酸エステル、チオ硫酸エステル、チオリン酸エステル、チオホスホン酸エステル、チオホスフィン酸エステルなどが挙げられ得るが、これらに限定されない。
非限定的な実施形態において、充填材をポリマーと結合させるための混合物の反応が望ましい場合、脱ブロック剤が、ブロックされたメルカプト有機金属化合物を脱ブロックするために混合物中に存在し得る。水および/またはアルコールが混合物中に存在する場合は、加水分解もしくはアルコール分解によってブロック基を除去して対応するメルカプト有機金属化合物を遊離させることを開始し、促進するために、触媒(例えば、第三級アミン、ルイス酸、またはチオール)が使用され得る。そのような化合物(例えば、ブロックされたメルカプトシラン)を調製し、使用するための種々の手順が、当該技術分野において公知であり、それらの手順としては、PCT出願番号WO99/09036、ならびに米国特許第3,692,812号、および同第3,922,436号に開示された手順が挙げられ得、これらの文献の関連する部分が、本明細書中に参考として援用される。
適切なメルカプト有機金属化合物の非限定的な例としては、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、メルカプトエチルトリプロポキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、(メルカプトメチル)ジメチルエトキシシラン、(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、およびそれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。代替の非限定的な実施形態において、このメルカプト有機金属化合物としては、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、またはこれらの混合物が挙げられ得る。
適切なブロックされたメルカプトシランの非限定的な例としては、、チオ酢酸2−トリエトキシシリル−1−エチル、チオオクタン酸3−トリメトキシ−シリル−1−プロピル、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)−メチルジチオホスホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジメチルチオホスフィネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルメチルチオスルフェート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルトルエンチオスルホネート、およびこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
上記の反応において、修飾する化学物質もしくはカップリング剤は、ビス−(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドの代わりの官能基化剤と、非硫黄性有機金属化合物の代わりの疎水化剤との組合せであり得る。官能基化剤と疎水化剤との組み合せは、ビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドと非硫黄性有機金属化合物との組み合せについて特定された同じ重量比で使用され得る。官能基化剤が含み得る反応性基の非限定的な例としては、ビニル、エポキシ、グリシドキシ、および(メタ)アクリルオキシが挙げられ得るが、これらに限定されない。さらなる非限定的な例としては、スルフィド基、ポリスルフィド基、およびメルカプト基が挙げられ得るが、但し、これらは、本明細書中に含まれる化学式IおよびVIによって表される反応物と会合していない。疎水化剤としては、適切な物質として、天然もしくは合成の油脂、ならびに化学式II、III、IV、Vによって表される非硫黄性有機金属化合物、ならびにそのような疎水化剤の混合物などの化学物質が挙げられ得るが、これらに限定されない。
沈降シリカの酸性水性懸濁液を、ビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドと非硫黄性有機金属化合物(例えば、非硫黄有機ケイ素化合物)との組み合わせと接触させる最初の工程は、さらに、沈降シリカとのそれらの反応を加速するのに十分な量の水混和性溶媒を加える工程を包含し得る。この溶媒は、疎水性硫黄化合物と非硫黄性有機金属化合物との組合せと、親水性無機酸化物との相互作用を加速させる相間移動剤として作用し得る。代替の非限定的な実施形態において、水混和性有機溶媒が使用される場合、この水混和性有機溶媒の量は、水性懸濁液の少なくとも5重量%、または水性懸濁液の15重量%〜50重量%、もしくは20重量%〜30重量%を構成し得、あるいは、この重量%は、記載された値を含めこれらの値の任意の組み合わせの間で変化し得る。適切な水混和性溶媒の非限定的な例としては、エタノール、イソプロパノール、およびテトラヒドロフランなどのアルコールが挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な実施形態において、イソプロパノールは、水混和性有機溶媒として使用され得る。
代替の非限定的な実施形態において、界面活性剤は、水混和性有機溶媒と組み合せてか、または水混和性有機溶媒の代わりに、ビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドおよび非硫黄性化合物による無機酸化物の化学修飾を促進するのに十分な量で、最初の工程で使用され得る。この界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはそのような界面活性剤の混合物から選択され得る。この界面活性剤は、得られる化学修飾された無機酸化物の性能に対し、その意図される使用についての有害な影響を有しないように選択され得る。代替の非限定的な実施形態において、使用される場合、この界面活性剤は、水性懸濁液の0.05重量%〜10重量%、もしくは0.1重量%〜5重量%、もしくは0.1重量%〜3重量%の量で存在し得、またはこの重量%は、記載された値を含め、これらの値の任意の組み合わせの間で変化し得る。
適切な界面活性剤の非限定的な例としては、アルキルフェノールポリグリコールエーテル(例えば、p−オクチルフェノールポリエチレングリコール(20ユニット)エーテル、p−ノニルフェノールポリエチレングリコール(20ユニット)エーテル)、アルキルポリエチレングリコールエーテル(例えば、ドデシルポリエチレングリコール(20ユニット)エーテル)、ポリグリコール(例えば、ポリエチレングリコール2000)、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、または臭化セチルトリメチルアンモニウム)、ジアルキルジメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム)、アルキルベンジルトリメチルアンモニウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−ノニルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、硫酸水素アルキル(例えば、硫酸水素ラウリル)、硫酸アルキル(例えば、硫酸ラウリル)が挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な実施形態において、この界面活性剤としては、アリル末端ブロックされたポリエチレンオキシドを有する、ポリシロキサンポリマーまたはポリシロキサンコポリマーが挙げられ得る。
非限定的な実施形態において、本発明の修飾充填材を生成するために使用されるビス(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィドとしては、米国特許第3,873,489号、および同第5,580,919号に記載されているものが挙げられ得、この関連する開示が、本明細書中に参考として援用され、このビス(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィドは、以下の式VI:
Z−alk−Sn’−alk−Z VI
によって表され得、ここで、alkは、1個〜18個、もしくは1個〜6個、もしくは2個〜3個の炭素原子を有する二価の炭化水素ラジカルであり得;n’は、2〜12、もしくは2〜6、もしくは3〜4の整数であり得、そしてZは:
Figure 2011153311
であり得、ここで、Rは、1個〜4個の炭素原子を有するアルキル基、またはフェニルであり得、そしてR’は、1個〜8個、もしくは1個〜4個、もしくは1個〜2個の炭素原子を有するアルコキシ基、5個〜8個の炭素原子を有するシクロアルコキシ基、または1個〜8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキルメルカプト基であり得る。R基およびR’基は、同じであっても異なってもよい。二価のalk基は、直鎖もしくは分枝鎖であって、飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、または環状炭化水素基であり得る。非限定的な実施形態において、式VI中のn’の80%が2であることを必要とする、米国特許第5,580,919号に開示された高純度の有機シランジスルフィドが使用され得る。
適切なビス(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィドの非限定的な例としては:トリアルコキシ基がトリメトキシ、トリエトキシ、トリ(メチルエトキシ)、トリプロポキシ、トリブトキシなどからトリオクチルオキシまでであり得る、ビス(2−トリアルコキシシリルエチル)−ポリスルフィドが挙げられ得、このポリスルフィドは、ジスルフィド、トリスルフィド、テトラスルフィド、ペンタスルフィド、およびヘキサスルフィドであり得る。対応するビス(3−トリアルコキシシリルプロピル)−、ビス(3−トリアルコキシシリルイソブチル)、−ビス(4−トリアルコキシシリルブチル)−などからビス(6−トリアルコキシシリルヘキシル)ポリスルフィドまでもまた、使用され得る。非限定的な実施形態において、ビス(3−トリメトキシシリル−プロピル)ポリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリル−プロピル)ポリスルフィド、およびビス(3−トリプロポキシシリル−プロピル)ポリスルフィド;例えば、ジスルフィド、トリスルフィド、およびテトラスルフィドを含む有機シランが使用され得る。
適切なビス−(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィドのさらなる非限定的な例は、上記の米国特許第3,873,489号の第6欄5行目〜55行目、および米国特許第5,580,919号の第11欄11行目〜41行目に記載されている。そのような化合物の非限定的な代表例には:
3,3’−ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、
3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
3,3’−ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
2,2’−ビス(トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、
3,3’−ビス(トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、
3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、
3,3’−ビス(トリブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、
3,3’−ビス(トリメトキシシリルプロピル)ヘキサスルフィド、および
3,3’−ビス(トリオクトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ならびにそれらの混合物がある。最も好ましい化合物は、3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPT)である。
TESPTは、Si−69という商用名でDegussa Corp.から入手可能である。TESPTは、
3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)モノスルフィド
3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド
3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、および平均3.5のスルフィドを有する高級スルフィド同族体の混合物であることが報告されている。
代替の非限定的な実施形態において、本発明の修飾充填材を生成するために使用され得る非硫黄性有機金属化合物としては、少なくとも1つの非硫黄性有機金属化合物、または:
式II:
MX(4−a) II
によって表される有機金属化合物、
式III:
2c+2Si(c−1) III
によって表される有機金属化合物、
式IV:
2dSi IV
によって表される有機金属化合物および
式V:
(R Si)NR (3−k)
によって表される有機金属化合物
からなる群から選択される非硫黄性有機金属化合物の混合物が挙げられ得、ここで、各Mは、独立して、ケイ素、チタンまたはジルコニウムであり得;各Rは、独立して、1個〜18個の炭素原子の炭化水素基であり得、あるいは、Rは、1個〜12個の炭素原子を有する有機官能性炭化水素基であり得、ここで、例えば、この官能性は、アミノ、カルボン酸、カルビノールエステルまたはアミドであり得;各Xは、独立して、ハロゲン、アミノ、1個〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、および1個〜12個の炭素原子を有するアシルオキシ基からなる群から選択され得、aは、整数1、2または3であり得;各Rは、独立して、ハロ、ヒドロキシ、または1個〜18個の炭素原子を含む炭化水素基であり得るが、但し、R置換基の少なくとも50モル%は、1個〜18個の炭素原子を含む炭化水素基であり得、cは、整数2〜10,000であり得;各Rは、独立して、ハロ、ヒドロキシ、または1個〜18個の炭素原子を含む炭化水素基であり得、そしてdは、整数3〜20であり得;各Rは、独立して、水素、または1個〜18個の炭素原子を含む炭化水素基であり得、そしてkは、1または2であり得;そして、ハロゲンもしくは(ハロ)基は、クロロ、ブロモ、ヨード、またはフルオロから選択され得る。式II、III、IVおよびV中に示される置換基の定義において、そうではないと示されない限り、同じ記号は、同じ意味を有する。
代替の非限定的な実施形態において、式II中の各Rは、飽和もしくは不飽和の一価の炭化水素基、または置換もしくは非置換の一価の炭化水素基であり得る。Rは、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、t−ブチル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、ノニル、デシル、およびドデシル);アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、およびヘキセニル);置換アルキル基(例えば、クロロメチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、および6−クロロヘキシル);シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル、およびシクロオクチル);アリール基(例えば、フェニル、およびナフチル);および置換アリール基(例えば、ベンジル、トリル、およびエチルフェニル)であり得る。
さらなる代替の非限定的な実施形態において、式II中のXがハロゲンである場合、ハロゲンはクロロであり得;Xがアルコキシ基である場合、Xは、メトキシ、エトキシ、およびプロポキシであり得;Xがアシルオキシ基である場合、Xはアセトキシであり得る。別の非限定的な実施形態において、各Xは、クロロおよびメトキシから選択され得る。
上記の有機金属化合物の粘度は、非限定的であり、流体の粘度からガムの粘度の範囲に及び得る。一般的に、より大きな分子量の有機金属化合物は、化学修飾工程の酸性条件によって切断されて、親水性の無機酸化物と反応できるはずである。
非限定的な実施形態において、式III、IVおよびVにおいて、R、R、およびRの各々は、Rについて記載された炭化水素基と同じであり得る。本発明の目的のために、有機金属反応物は有機ケイ素反応物である場合は、ケイ素は金属であると見なされる。
さらなる非限定的な実施形態において、非硫黄性有機金属化合物は、式II、III、IV、Vによって表され得るか、または、それらの有機金属化合物の混合物であり得、ここで、各Mはケイ素であり得る。非限定的な実施形態において、この非硫黄性有機金属化合物は、式IIによって表され得、ここで、RはC〜Cアルキルであり得、Xはクロロであり得、そしてaは2であり得る。
適切な有機ケイ素化合物の非限定的な例としては、ジエチルジクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、フェニルエチルジエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジクロロシラン、トリメチルブトキシシラン、sym−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ペンチルメチルジクロロシラン、ジビニルジプロポキシシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキセニルメチルジクロロシラン、ヘキセニルジメチルクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリビニルトリメチルシクロトリシラザン、3〜約20のジメチルシロキシユニットを含むポリジメチルシロキサン、および25℃にて1mPa・s〜1000mPa・sの範囲内の見掛け粘度を有する、トリメチルシロキシまたはヒドロキシジメチルシロキシで末端がブロックされたポリ(ジメチルシロキサン)ポリマーから選択される化合物およびこれらの化合物の混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
適切な有機チタン化合物の非限定的な例としては、チタン酸テトラ(C〜C18)アルコキシ、メチルトリエトキシチタン(iv)、メチルチタン(iv)トリイソプロポキシド、メチルチタン(iv)トリブトキシド、メチルチタン(iv)トリ−t−ブトキシド、イソプロピルチタン(iv)トリエトキシド、ブチルチタン(iv)トリブトキシド、ブチルチタン(iv)トリブトキシド、フェニルチタン(iv)トリイソプロポキシド、フェニルチタン(iv)トリブトキシド、フェニルチタン(iv)トリイソブトキシド、[Ti(CHPh)(NC10)]および[Ti(CHSiMe(NEt]が挙げられ得るが、これらに限定されない。
適切な有機ジルコニウム化合物の非限定的な例としては、テトラ(C〜C18)アルコキシジルコネート、フェニルジルコニウム(iv)トリクロリド、メチルジルコニウム(iv)トリクロリド、エチルジルコニウム(iv)トリクロリド、プロピルジルコニウム(iv)トリクロリド、メチルジルコニウム(iv)トリブロミド、エチルジルコニウム(iv)トリブロミド、プロピルジルコニウム(iv)トリブロミド、クロロトリペンチルジルコニウム(iv)が挙げられ得るが、これらに限定されない。代替の非限定的な実施形態において、有機チタン化合物について上記した化合物と類似したジルコニウム化合物およびその逆もまた、企図される。
上記の化学修飾プロセスにおいて使用されるメルカプト有機金属化合物および非硫黄性有機金属化合物の量は、1重量%よりも多い炭素含有量、0.15重量%よりも多いメルカプト含有量、少なくとも0.3のシラン変換指数、および少なくとも4.0の標準強化指数によって特徴付けられる修飾充填材を生成するのに十分な量であり得る。そのような量は、本明細書において、カップリング量、すなわち、充填材と結合して、この修飾充填材をポリマー組成物と結合させ得るのに十分な量をいう。
代替の非限定的な実施形態において、メルカプト有機シランと非硫黄性有機金属化合物との重量比は、少なくとも0.05:1、もしくは0.05:1〜10:1、もしくは0.1:1〜5:1、もしくは0.2:1〜2:1、もしくは0.5:1〜1:1に変化し得るか、または、この重量比は、記載された値を含め、これらの値の任意の組み合わせの間で変化し得る。個々の有機金属反応物は、一緒にもしくは任意の順序で逐次的に加えられ得る。非限定的な実施形態において、この有機金属反応物は、無機酸化物粒子上で反応のために利用可能なヒドロキシル基に対して、過剰な有機金属ユニットを提供する量で存在し得る。このプロセスに加えられる有機金属反応物の量の上限は、重大ではない。過剰なメルカプト有機金属化合物および非硫黄性有機金属化合物は、濾過、蒸留、溶媒を用いた洗浄、または他の公知の分離技術によって除去され得る。
代替の非限定的な実施形態において、メルカプト有機金属反応物は、メルカプト有機金属化合物と、異なる硫黄含有有機金属化合物との組み合せにより、少なくとも1:1より大きな、もしくは1.01:1、もしくは1.01:1〜100:1、もしくは5:1〜50:1、もしくは10:1〜30:1のメルカプト有機金属化合物と硫黄含有有機金属化合物との重量比で置換され得、この重量比は、記載された値を含め、これらの値の任意の組み合わせの間で変化し得る。一般に、充填材含有ゴムの加硫においてカップリング剤として作用し得る任意の硫黄含有有機金属化合物(式Iによって表されるメルカプト有機金属化合物以外)は、本発明における使用に適し得る。
適切な硫黄含有有機金属化合物の非限定的な例としては、本明細書において先に記載されたようなビス(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィドが挙げられ得る。
上記の化学修飾プロセスにおいて使用されるビス(アルコキシルシリルアルキル)ポリスルフィドおよび非硫黄性有機金属化合物の量は、1重量%よりも多い炭素含有量、0.1重量%よりも多い硫黄含有量、少なくとも0.3のシラン変換指数、および少なくとも7.0の300%伸び時の標準引張り応力によって特徴付けられる修飾充填材を生成するのに十分な量である。そのような量は、本明細書において、カップリング量、すなわち、充填材と結合して、この修飾充填材をポリマー組成物と結合させ得るのに十分な量をいう。
代替の非限定的な実施形態において、ビス(アルコキシルシリルアルキル)ポリスルフィドと非硫黄性有機金属化合物との重量比は、少なくとも0.05:1、もしくは0.05:1〜10:1、もしくは0.1:1〜5:1、もしくは0.2:1〜2:1(例えば、0.5:1〜1:1)で変化し得、または、この重量比は、記載された値を含め、これらの値の任意の組み合わせの間で変化し得る。個々の有機金属反応物は、一緒にもしくは任意の順序で逐次的に加えられ得る。非限定的な実施形態において、この有機金属反応物は、無機酸化物粒子上で反応のために利用可能なヒドロキシル基に対して、過剰な有機金属ユニットを提供する量で存在し得る。このプロセスに加えられる有機金属反応物の量の上限は、重大ではない。過剰なビス(アルコキシルシリルアルキル)ポリスルフィドおよび非硫黄性有機金属化合物は、濾過、蒸留、溶媒を用いた洗浄、または他の公知の分離技術によって除去され得る。
代替の非限定的な実施形態において、ビス(アルコキシルシリルアルキル)ポリスルフィドは、ビス(アルコキシルシリルアルキル)ポリスルフィドと、異なる硫黄含有有機金属化合物との組み合せにより置換され得、このビス(アルコキシルシリルアルキル)ポリスルフィドと硫黄含有有機金属化合物の重量比は、少なくとも1:1より大きな、すなわち1.01:1、もしくは1.01:1〜100:1、もしくは5:1〜50:1、もしくは10:1〜30:1であり得るかまたはこの重量比は、記載された値を含め、これらの値の任意の組み合わせの間で変化し得る。一般に、充填材含有ゴムの加硫においてカップリング剤として作用し得る任意の硫黄含有有機金属化合物(式VIによって表されるビス(アルコキシルシリルアルキル)ポリスルフィド以外)は、本発明における使用に適し得る。
適切な硫黄含有有機金属化合物の非限定的な例としては、本明細書において上記に記載したメルカプト有機金属反応物が挙げられ得る。
代替の非限定的な実施形態において、化学修飾プロセスが本質的に完了した後、修飾された無機酸化物の水性懸濁液のpHは、2.5以下の処理pHから、3.0〜10.0、もしくは3以上、もしくは4以上、もしくは5以上、もしくは6以上であって、10以下、もしくは9以下、もしくは8以下、もしくは7以下のpHへと上昇させ得る。この水性懸濁液のpHは、記載されたレベルを含め、これらのレベルの任意の組み合せの間で変化し得る。このpHは、加えられたかまたは生じた酸性を中和して5.0〜10.0のpHを(乾燥後に)有する最終製品を生成するために上昇させ得る。
代替の非限定的な実施形態において、修飾された無機酸化物は、濾過および乾燥によって、もしくは修飾された無機酸化物の水性懸濁液を水不混和有機溶媒と、1対1よりも大きな、または5対1よりも大きな溶媒と無機酸化物との重量比で接触させることにより、回収され得る。溶媒相中で回収される修飾された無機酸化物は、さらなる処理なしで使用されてもよく、または乾燥されてもよい。非限定的な実施形態において、本発明は、水不混和性溶媒中に修飾充填材のスラリーを含む組成物を含み得る。このスラリー中の修飾充填材の濃度は、このスラリーの総重量に基づき、1重量%〜90重量%の範囲に及び得る。
適切な水不混和性有機溶媒の非限定的な例としては、低分子量のシロキサン(例えば、ヘキサメチルジシロキサン流体、オクタメチルシクロテトラシロキサン流体、ジフェニルテトラメチルジシロキサン流体、およびトリメチルシロキシで末端ブロックされたポリジメチルシロキサン流体が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられ得る。シロキサンが溶媒として使用される場合、シロキサンは、溶媒としても無機酸化物との反応物としても作用し得る。適切な水不混和性有機溶媒のさらなる非限定的な例としては、芳香族炭化水素(例えば、トルエンおよびキシレン;ヘプタンおよび他の脂肪族炭化水素溶媒;シクロアルカン(例えば、シクロヘキサン);エーテル(例えば、ジエチルエーテルおよびジブチルエーテル);ハロ炭化水素溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン、およびクロロベンゼン);ならびに、ケトン(例えば、メチルイソブチルケトン)が挙げられ得る。
代替の非限定的な実施形態において、疎水性粒状無機酸化物の水性懸濁液を接触させるために使用され得る水不混和性有機溶媒は、その水不混和性有機溶媒中に溶解した1つ以上の物質を含んでいても含んでいなくてもよい。そのような物質の非限定的な例としては、1種以上のゴム、油、カップリング剤、酸化防止剤および加硫促進剤が挙げられ得る、これらに限定されないが。
本発明の化学修飾充填材の少なくとも1つの利点は、ポリマー(例えば、ゴム組成物)と混合される場合に、アルコールの発生が実質的に抑制され得ることである。シリカ粒子と本発明のカップリング剤との反応は、本発明の化学修飾充填材およびアルコール副産物を生じ得る。例えば、エトキシシランは、シリカと反応して、エタノールの副産物を生成する。本発明のプロセスは、アルコキシ基の本質的に完全な加水分解をもたらし得る条件下の水性環境において実施され得る。カップリング剤とシリカとの反応で生成されたアルコール副産物は、水相に保持され得る。化学修飾充填材は、水相(上記のアルコールを含む)から単離されて、充填材によるアルコールの実質的な遊離がないことをもたらし得る。非限定的な実施形態において、この充填材は、4000ppm未満のアルコールを放出し得る。別の非限定的な実施形態において、この充填材は、従来の量でゴム組成物と混合され得、この混合ゴム組成物は、アルコールの実質的な遊離がないことをもたらし得る。さらなる非限定的な実施形態において、この混合ゴム組成物は、4000ppm未満のアルコールを放出し得る。非限定的な実施形態において、このゴム組成物は、ゴム組成物100部につき10〜150部の充填材を含む。「アルコールの実質的な遊離がないこと」および類似した語句は、充填材および/またはゴム組成物が、アルコールを放出し続けないことを意味する;充填材および/またはゴム組成物からのアルコールの放出はいずれも、物理的に閉じ込められたアルコールが、そこから漏れ出る結果である。
非限定的な実施形態において、本発明の修飾充填材と混合され、ビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドが存在しないゴム組成物は、従来の充填材を有しかつビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドが存在するゴム組成物よりも少なくとも20%少ないアルコールを放出し得る。
非限定的な実施形態において、本発明の修飾充填材(粉体、粒体、ペレット、スラリー、水性懸濁液、または溶媒懸濁液として)は、ベース物質(すなわち、製造されるべく既製品中に使用される物質)と組み合わされて、マスターバッチと呼ばれる混合物を形成し得る。マスターバッチにおいて、修飾充填材は、最終製品中よりも高い濃度で存在し得る。この混合物のアリコートは、ポリマー組成物(例えば、プラスチック、ゴム、および被覆組成物)へと非常に少量のこのような添加物を均一に分散させることを促進するために、混合作業中に、生産サイズの量に加えられ得る。
別の非限定的な実施形態において、修飾充填材は、エマルジョンおよび/または溶液ポリマー(例えば、溶液スチレン/ブタジエンを含む有機ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム、またはそれらの混合物)と合わされてマスターバッチを形成し得る。さらなる非限定的な実施形態において、有機ゴムと、水不混和性溶媒と、修飾充填材と、必要に応じ、プロセスオイルとの組み合わせを含むマスターバッチが形成され得る。そのような製品は、ゴム生産者によってタイヤ製造業者へと供給され得る。タイヤ製造業者にとってのマスターバッチを使用する少なくとも1つの利点は、この修飾充填材がゴム中に均一に分散され得ることであり、これが混合ゴムを生成するための混合時間を実質的に低減または最小限にし得る。代替の非限定的な実施形態において、このマスターバッチは、ゴム100部に対して、10〜150部(phr)の修飾シリカ、すなわち20〜130phr、もしくは30〜100phr、もしくは50〜80phrのシリカを含み得る。
本発明の代替の非限定的な実施形態において、ポリマー物品は、ポリマー100部に対して、10〜150部の修飾充填材、もしくはポリマー100部に対して、20〜130部、もしくは30〜100部、もしくは50〜80部の修飾充填材をその中に分散させたものであり得る。修飾充填材の量は、記載された範囲を含め、これらの値の任意の組み合わせの間で変化し得る。本明細書中で記載される場合、ポリマーは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および有機ゴムから選択され得る。非限定的な実施形態において、ポリマーは、硬化可能な有機ゴムであり得る。
本発明の修飾充填材と組み合わせて使用するのに適した硬化可能なゴムの非限定的な例は、ゴム化学の当業者に周知であり、加硫可能なゴム、および硫黄により硬化可能なゴムが挙げられ得るが、これらに限定されない。さらなる非限定的な実施形態において、この硬化可能なゴムとしては、機械用ゴム物品のために典型的に使用される物質が挙げられる。
別の非限定的な実施形態において、本発明の修飾充填材は、バンバリーミキサー、またはゴム圧延機においてのような従来の手段によって、約100°Fと約400°F(38℃〜200℃)との間の温度にて、加硫可能なゴム組成物を調製するために使用される未硬化のゴムエラストマーと混合され得る。代替の非限定的な実施形態において、加硫可能なゴム組成物は、加硫可能なゴムポリマー100部に基づき、10〜150部の修飾充填材、または、20〜130phr、もしくは30〜100phr、もしくは50〜80phrの修飾充填材を含み得る。存在し得る他の従来のゴム添加物の非限定的な例としては、従来の硫黄硬化系もしくは過酸化物硬化系が挙げられるが、これらに限定されない。
非限定的な実施形態において、硫黄硬化系は、0.5〜5部の硫黄、2〜5部の酸化亜鉛、および0.5〜5部の加硫促進剤を含み得る。さらなる非限定的な実施形態において、過酸化物硬化系は、1〜4部の過酸化物(例えば、過酸化ジクミル)を含み得る。広範な種々の他の従来のゴム添加物もまた、使用され得る。そのような添加物の非限定的な例としては、他の充填材(例えば、カーボンブラック)、油、可塑剤、加硫促進剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、ゾーン安定剤(zone stabilizer)、有機酸(例えば、ステアリン酸、安息香酸、またはサリチル酸など)、他の活性化剤、増量剤、および着色顔料が挙げられ得るが、これらに限定されない。個々の混合レシピは、個々の調製される加硫物により変化する;しかし、そのようなレシピは、ゴム混合技術分野の当業者に周知である。
本発明の化学修飾充填材の別の利点は、高温におけるその安定性、および/または、少なくとも2分の1分〜60分間混合される場合、少なくとも200℃までの温度にてその充填材と混合されるゴムの硬化が存在しないことであり得る。代替の非限定的な実施形態において、混合プロセスは、バッチで、または連続的に実施され得る。本発明の非限定的な実施形態において、ゴム組成物、および化学修飾された組成物の少なくとも一部が、混合経路の最初の部分に連続的に供給されてブレンドが生成され得、このブレンドが、この混合経路の第二の部分へと連続的に供給され得る。
本発明の化学修飾充填材と混合されたゴム組成物は、従来の充填材およびビス(アルコキシシリルアルキル)−ポリスルフィドと混合される、従来の硫黄加硫結合の性能特性に勝る改善された性能特性をもたらし得る。改善された特性としては、より高い300%モジュラス、より高い300%対100%モジュラスの比率、より低いΔG’、および60℃におけるより低い正接δが挙げられ得る。
本発明の別の利点は、所望の硬化反応速度、ならびに本発明の化学修飾充填材および特定の硬化成分と混合したゴムの物理的性質を達成する能力であり得る。非限定的な実施形態において、この所望の硬化反応速度としては、混合生成物が少なくとも6.5mPaの300%モジュラス(ASTM D412−98aに従って決定)を有する、2.5分より長いスコーチ時間、および30分より短い硬化時間(それぞれ、ASTM D5289−95に従って決定される、TS2およびTC90)が挙げられ得る。これらの硬化反応速度および物理的性質は、1種以上の硬化成分が含まれる場合に達成可能であり得る。適切な硬化成分としては、当業者に公知の広範な種々の物質(例えば、加硫促進剤、および遅延剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。
適切な加硫促進剤組成物の非限定的な例としては、以下が挙げられ得る:
ベンゾチアゾール、例えば:
2−メルカプトベンゾチアゾール、
2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、
2,2−ジチオビスベンゾチアゾール、
2−モルホリノチオベンゾチアゾール、
2−(4−モルホリノチオ)−ベンゾチアゾール、
2−(4−モルホリノジチオ)−ベンゾチアゾール、
2−(4−モルホリノチオ)−5−メチルベンゾチアゾール、
2−(4−モルホリノチオ)−5−クロロベンゾチアゾール、
2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノチオ)−ベンゾチアゾール、
2−(3,6−ジメチル−4−モルホリノチオ)−ベンゾチアゾール、
2,2’−ジベンゾチアゾールジスルフィド、および
2−メルカプトベンゾチアジルジスルフィド;
ベンゾチアゾールスルフェンアミド、例えば:
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、
N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、
N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、
N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、
N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、
N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、および
N−オキシジエチレンチオカルバミル−N−オキシジエチレンスルフェンアミド;
ジチオカルバメート、例えば:
ジメチルジチオカルバミン酸ビスマス、
ジメチルジチオカルバミン酸銅、
ジエチルジチオカルバミン酸カドミウム、
ジアミルジチオカルバミン酸鉛、
ジメチルジチオカルバミン酸鉛、
ジエチルジチオカルバミン酸セレン、
ジメチルジチオカルバミン酸セレン、
ジエチルジチオカルバミン酸テルル、
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、
ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、
ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、
ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、
ジメチルペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、
ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジニウム、
2−ベンゾチアジル−N,N−ジエチルジチオカルバメート、ならびに
ジメチルジチオカルバミン酸ジメチルアンモニウム;
チオモルホリン、例えば:
4,4’−ジチオジモルホリン、
4−メルカプトモルホリン、
4−メルカプト−2,6−ジメチルモルホリン、
4−[(4−モルホリニルチオ)チオメチル]モルホリン(4−[(4−morpholinylthio)thixomethyl]morpholine)、
2,6−ジメチルモルホリンジスルフィド(2,6−dimethylmorpholine sisulfide)、
メチルモルホリンジスルフィド、
プロピル2,6−ジメチルモルホリンジスルフィド、
アルキルモルホリンジスルフィド、および
フェニルモルホリンジスルフィド;
チオ尿素、例えば:
トリメチルチオ尿素、
1,3−ジエチルチオ尿素、
1,3−ジブチルチオ尿素、
N,N’−ジブチルチオ尿素、
ジメチルエチルチオ尿素、
ジフェニルチオ尿素、および
テトラメチルチオ尿素;
ザンテート、例えば:
イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、
イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、および
ジブチルキサントゲン酸亜鉛;
チウラムスルフィド、例えば:
テトラメチルチウラムモノスルフィド、
テトラメチルチウラムジスルフィド、
テトラエチルチウラムジスルフィド、
テトラブチルチウラムジスルフィド、
テトラベンジルチウラムジスルフィド、
ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、
ジメチルジフェニルチウラムジスルフィド、および
ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド;ならびに
アミン、例えば:
シクロヘキシルエチルアミン、
ジブチルアミン、
アセトアルデヒド−アニリン縮合生成物、
ヘプトアルデヒド−アニリン縮合生成物;ならびに
グアニジン、例えば:
N,N’−ジフェニルグアニジン、
N,N’−ジ−o−トリルグアニジン、
オルトトリルビグアニジン、
N,N’,N’’−トリフェニルグアニジン(N,N’,N’’−triphenylguandine)、および
ジアリールグアニジンのブレンド。
適切な遅延剤の非限定的な例としては、以下のうちの少なくとも1つが挙げられ得る:
N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド、
無水フタル酸、および
芳香族スルフェンアミド。
加硫可能なゴム組成物は、ゴム産業で公知の従来の手順に従って、ゴム加硫物へと加硫、または硬化され得る。本発明の修飾充填材を利用して生成され得る工業用ゴム加硫物(物品)の非限定的な例としては、ワイヤーおよびケーブル外被、ホース、ガスケットおよびシール、工業用および自動車用の駆動ベルト、発動機架、V−ベルト、コンベヤベルト、ローラーコーティング、タイヤおよびタイヤの構成要素(例えば、自動車用タイヤトレッド、サブトレッド、タイヤカーカス、タイヤ側壁、タイヤベルトウェッジ、タイヤビーズフィラー、およびタイヤワイヤースキムコート)、靴底材料、パッキンリング、制動要素、およびその他多くのものが挙げられ得る。
本発明は、標準混合プロトコル、実施例および比較例の以下の考察においてより具体的に記載されるが、これらは、そこでの数多くの修正および変更が当業者に明らかとなることから例示であることのみが意図される。
(標準混合プロトコル)
標準混合プロトコルを使用して、実施例および比較例(CE)のシリカを含む調合されたゴム組成物の試験サンプルを調製した。
(パートA)
ゴム100重量部に対する部数(phr)の量の以下の成分を、記載される順に、500ミリリットル(mL)プラスチックカップ中に直立させたポリエチレンバッグに加えた。
Figure 2011153311
(1)Sundex(登録商標)8125 芳香族炭化水素プロセスオイル、Sun Company,Inc.,Refining and Marketing Divisionから市販されているものを入手
(2)Kadox(登録商標) 表面処理された酸化亜鉛、Zinc Corporation of Americaから市販されているものを入手
(3)Wingstay(登録商標)100 オゾン分解防止剤、ジアリールp−フェニレンジアミンの混合物、The Goodyear Tire & Rubber Co.から市販されているものを入手
(4)ゴムグレードのステアリン酸、C.P.Hallから市販されているものを入手。
(パートB)
1.89リットル(L)Farrel Banburyミキサー(「BR」モデル)を、種々の成分を混合するために使用した。バッチ成分をミキサーに加える直前に、800グラム(g)のCV−60グレードの天然ゴムをミキサーにかけ、ミキサーから先の運転のあらゆる残留物を除去し、温度を約93℃(200°F)に上昇させた。このゴムを取り出した後、このミキサーを約65℃(150°F)に冷却し、その後、成分を加えて、ゴム試験サンプルを得た。
ゴム組成物を、試験充填材、次に列挙された他の成分、および以下に記載される手順を使用して調製する。
Figure 2011153311
(5)Solflex(登録商標)1216 溶液スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、The Goodyear Tire & Rubber Co.から市販されているものを入手
(6)Budene 1207 ブタジエンゴム(BR)、The Goodyear Tire & Rubber Co.から市販されているものを入手
(7)Santoflex(登録商標)13 オゾン分解防止剤、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンとして記載される、Flexsysから市販されているものを入手
(8)Okerin(登録商標)7240 微結晶性蝋/パラフィン蝋のブレンド、Astor Corporationから市販されているものを入手
(9)Rubber Makers(RM)硫黄、100%活性、Taber,Inc.から市販されているものを入手
(10)N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、Monsantoから市販のものを入手
(11)ジフェニルグアニジン、Monsantoから市販されているものを入手。
第一経路を、ゴム、すなわち、SBRおよびBRをミキサーに加え、116rpmにて0.5分間混合することにより開始した。ローター速度を116rpmに維持し、57.5phrの処理充填材サンプルを加えた。その1.5分後、ラムを上げ、シュートをスイープした、すなわち、入り口シュート上のカバーを上げ、シュート中にあるあらゆる物質をスイープしてミキサーに戻した。その1分後、パートAからのサンプルを加えた。さらに1分後、ラムを上げ、シュートをスイープした。ミキサーの内容物をさらに1分間混合して、145℃〜150℃(293°F〜302°F)の範囲で最高温度を達成し、ミキサーにおける第一経路を完了した。サンプルの種類に応じ、ミキサーのローター速度を4分後に上昇または低下させて、特定された混合時間内に、上記の範囲の温度を達成し得る。
第一経路を完了した後、この物質の温度を熱電温度計で決定して、その温度が150℃の最大温度を超えなかったことを確かめた。取り出した物質を計量し、Farrelの12インチ2ロール式(two−roll)ゴム圧延機で、2.032mm±0.127mm(0.080インチ±0.005インチ)のシート状にした。得られた圧延ストックを、ミキサーにおける第二経路に備えて帯状体に切断した。
最低1時間を、ミキサーにおける第一経路の完了と、第二経路の開始との間に割り当て、圧延ストックを冷却させた。必要な場合は、上記のCV−60グレードの天然ゴムを用いた清掃および予熱の手順を、第二経路を開始する前に完了した。このミキサーの温度を約49℃(120°F)に調整した。冷却水を流しながら、第一経路の原料の帯状体を77rpmにて作動させたミキサー、およびSantoflex(登録商標)13 オゾン分解防止剤と、Okerin(登録商標)7240 微結晶性蝋/パラフィン蝋のブレンドとの予め計量した組み合せに加えることにより、第二経路を開始した。0.5分後、第二の添加物であるRM硫黄とTBBSとDPGとの組み合わせを加えた。その1.5分後、ラムを上げ、シュートをスイープした。温度を125℃(257°F)以下に維持しながら、さらに2.0分間、ストックを混合することにより、この第二経路を完了した。
(パートC)
Farrelの12インチ2ロール式ゴム圧延機を約60℃(140°F)に加熱した。パートBの第二経路からのストックを、2.032mm±0.127mm(0.080インチ±0.005インチ)のロール間隙設定で作動中の圧延機に供給した。得られたシートを、シートの温度が室温に達するまで平面上に置いた。典型的に、シートは、約30分以内に冷めた。その後、圧延したシートを、3.81mm±0.51mm(0.15インチ±0.02インチ)のロール間隙設定で、ゴム圧延機に供給した。均一な厚さを維持するために、必要な場合は、圧延バンク(rolling bank)を調整した。得られた物質を、16サイドカット、次いで8エンドパスに供した。ゴム圧延機のロール間隙を、2.032mm±0.127mm(0.080インチ±0.005インチ)のシートの厚さを生ずるように調整した。圧延機から回収されたシートストックを、清潔な平面上に置いた。ステンシルを使用して、203.2mm×152.4mm(8インチ×6インチ)の長方形のサンプルを、シートストックから切り出した。このサンプルを条件付けした、すなわち、このサンプルを清潔なポリエチレンシートの間に保管し、温度23℃±2℃、相対湿度50%±5%にて15時間〜18時間維持した。
条件付けした後、このサンプルを、203.2mm×152.4mm×2.286mm(8インチ×6インチ×0.09インチ)の研磨された表面を有する標準型機械鋼圧縮型に入れた。このサンプルを、61センチメートル×61センチメートル(24インチ×24インチ)の890キロニュートン(100トン)の4柱式(4−post)電熱圧縮プレスで、T90、すなわち、90パーセントの硬化が起こるのにかかる時間に5分を加えた時間の間、ASTM D−2084に従って、13.79メガパスカル(1立方インチ当たり2000ポンド)の圧力の下で150℃(302°F)にて、硬化させた。典型的に、硬化は、約10分以内で完了した。得られた硬化ゴムシートを型から取り出し、パートDにおける試験に先立って、温度23℃±2℃(73.4°F±3.6°F)、および相対湿度50%±5%にて15時間〜18時間、維持した。
(パートD)
試験を、ASTM D412−98a−試験方法Aに従って実施した。ダンベル試験標本をダイCを使用して調製した。伸びを測定するための自動接触伸び計(extensiometer)を備えたInstron 4204モデルを使用した。クロスヘッド速度が、508mm/分に等しいことが見出された。全ての計算を、製造業者によって供給されたシリーズIX 自動材料試験ソフトウエアを使用して実施した。強化指数は、100%伸び時の引張り応力(MPa)で除した300%伸び時の引張り応力(MPa)に等しい。サンプルを、標準混合プロトコルを使用して調製した場合、その結果を、標準強化指数として報告した。
(沈降シリカの調製)
沈降シリカを、硫酸でケイ酸ナトリウム溶液を酸性化することにより生成した。沈降物の大半が、8.5より高いpHにて形成された。さらなる沈降物を、溶液のpHが3.3〜4.0のレベルに達するまで、酸添加を続けることにより生成した。
表面積分析のための沈降シリカのサンプルを、実施例15に記載されるように、すすぎ水が、約300〜800マイクロモーの伝導レベルを示すまで、シリカの部分を濾過および洗浄することにより調製した。高剪断力の攪拌機を使用し、得られた濾過ケークを再液化して、液体中固体の懸濁液を形成した。この懸濁液をNiro噴霧乾燥機(入り口温度約360℃、および出口温度約110℃)にて乾燥させた。表1に記載されるのは、実施例および比較例の修飾シリカを調製するために使用された沈降シリカの表面積である。
(実施例1〜6)
約3.25kgがシリカであり、15.2kg〜15.9kgがイソプロピルアルコールである、沈降シリカ懸濁液約50キログラム(kg)を、底部排水口を有する30ガロンのガラスライニング容器に加えた。この容器はまた、温度記録器、機械的攪拌器、加熱手段およびコンデンサーを備えていた。
容器の内容物を攪拌し、加熱を開始する間に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)を、表1に列挙された実施例について乾量基準でのシリカ当たりのMPTMSの重量%について列挙される近似量を生ずる一定時間(典型的に、約10分)をかけて加えた。MPTMS添加の完了後、ジメチルジクロロシラン(DMDCS)を同一の様式で加えて、表1中の乾量基準でのシリカ当たりのDMDCSの重量%について列挙された近似量を得た。MPTMS/DMDCSの重量比もまた、表1に列挙する。溶液の得られたpHは、約1.5〜約2.2の範囲に及んだ。
DMDCSの添加の完了後、溶液のpHを約0.3に低下させるのに必要な量の、濃縮された、すなわち、約37重量%の、塩酸を加えた。この混合物を約68℃に加熱し、この温度を約30分間保持した。冷却する間、pHを約3.5に調整するのに十分な50重量%のNaOHを、一定時間をかけて混合物に加えた。NaOHの添加の完了後、十分なトルエン(典型的に6.75kg〜7.75kg)を攪拌された混合物に加えて、エマルジョンを形成することなく水相からの疎水性沈降シリカの分離をさせた。水相を容器から排水した。次いで、疎水性の沈降シリカを含む容器中の攪拌された混合物を、約30kgの水で洗浄した。十分なさらなるトルエン(典型的に、6.5kg〜8.0kg)を、攪拌された混合物に加えてエマルジョンを形成することなく、水相から疎水性沈降シリカを分離させた。水相を排水した。次いで、この疎水性沈降シリカを含む攪拌された混合物を、1回の洗浄につき約30kgの水でさらに2回洗浄した。それぞれの洗浄後、次の洗浄液の添加前に、水相を容器から排水した。
洗浄が完了した後、十分なトルエン(典型的に、12.5kg〜15.3kg)を攪拌された混合物に加えて、容器から容易に排出され得る流動可能な液体中固体の懸濁液を得た。得られた懸濁液を、ロトコーン(ロトコーン)乾燥機で、減圧下(最低23インチの水銀)で最低140℃にて乾燥させた。サンプルを10分間160℃に曝した場合に4%未満の重量%の減少を示すまで乾燥を続けた。
(実施例7)
以下以外は、実施例1〜6について記載された手順に従った:80gの3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)を約10分かけて加えた;487gのジメチルジクロロシランを、約10分かけて加えた;イソプロピルアルコールおよびトルエンを使用せず、3つの個々のバッチのスラリーを合わせ、濾過し、すすぎ水が約300マイクロモー〜約800マイクロモーの伝導レベルを示すまで、水で洗浄した。この処理した」シリカサンプルを10分間、160℃に曝露した場合に<2重量%の減少を示すまで、サンプルを乾燥させた。
実施例7の修飾シリカサンプルについての乾量基準でのシリカ当たりのMPTMSおよびDMDCSの近似重量%、ならびにMPTMS/DMDCSの重量比を、表2に列挙する。
(実施例8)
以下以外は、実施例1〜6について記載される手順を使用した:40kgの再液化した液体中固体の沈降シリカ懸濁液(3.3kgのシリカ)、および12.2kgのイソプロピルアルコールを使用した;171gの3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)を約7分かけて加えた;506gのジメチルジクロロシラン(DMDCS)を約2分かけて加えた;濃塩酸を24分かけて加え、約0.4の溶液pHをもたらした;この溶液を約68℃にて30分間加熱した後、十分な50重量%のNaOHを加えてpHを約7.0に調整した;十分なトルエン(約7.1kg)を加えてエマルジョンを形成することなく、水相から疎水性シリカを分離させた。回収された生成物を水洗浄に供さなかったが、水相を排水した後、約2.2kgのトルエンをこの生成物に加えて、流動可能な液体中固体の懸濁液を作製した。処理したシリカサンプルを10分間、160℃に曝した場合に<1.5重量%の減少を示すまで、処理したシリカサンプルを乾燥させた。
実施例8の修飾シリカサンプルについての乾量基準でのシリカ当たりのMPTMSおよびDMDCSの近似重量%、ならびにMPTMS/DMDCSの重量比を、表2中に列挙する。
(実施例9)
86.5gの3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)を使用したこと以外は、実施例8の手順に従った。実施例9の修飾シリカサンプルについての乾量基準でのシリカ当たりのMPTMSおよびDMDCSの近似重量%、ならびにMPTMS/DMDCSの重量比を、表2中に列挙する。
(実施例10〜13)
両方のシラン(DMDCSおよびMPTMS)および酸(約0.3のpHをもたらすのに十分な酸)を、容器に加える直前に、約65℃〜85℃の温度を有する新たに調製されたシリカスラリーと共に混合した。濃塩酸を使用した実施例13以外の全ての実施例で使用した酸は、濃硫酸、すなわち、約96重量%の硫酸であった。得られた混合物を、少なくとも15分間静置した。水を加え、攪拌を適用し、そして、50重量%のNaOH水溶液でpHを3.5に調整した。得られた疎水性シリカの水性懸濁液を濾過し、すすぎ水が約300マイクロモー〜約800マイクロモーの伝導レベルを示すまで、水で洗浄した。サンプルを10分間、106℃に曝した場合に2.5重量%未満の減少を示すまで、疎水性シリカを乾燥させた。このスラリーに加えられたシランの近似量を、乾燥シリカに基づく重量パーセンテージで、MPTMS/DMDCSの重量比と共に表2に報告する。
(実施例14)
いかなる酸も加えなかったこと、DMDCSの加水分解によって生じた酸のみが存在したこと以外は、実施例10〜13の手順に従った。十分な(MPTMS)および十分なジメチルジクロロシラン(DMDCS)を加えて、表2に列挙された乾量基準での各シリカ当たりの近似重量%を得た。得られた溶液のpHは、1.6であった。
(比較例1〜3)
実施例1〜6について記載された手順に従った。スラリーに加えられたシランの近似量を、乾燥シリカに基づく重量パーセンテージで、MPTMS/DMDCSの重量比と共に表2に報告する。
(比較例4)
メルカプトプロピルトリメトキシシランのみを加えて表2に列挙された乾量基準でのシリカ当たりのMPTMSの近似重量%を得たこと、および十分な濃硫酸を加えて約0.0のpHを得たこと以外は、実施例10〜13の手順に従った。
(比較例5)
ジメチルジクロロシランのみを加えて表2に列挙された乾量基準でのシリカ当たりのDMDCSの近似重量%を得たこと、および十分な濃硫酸を加えて約0.4のpHを得たこと以外は、比較例4の手順に従った。
(実施例15)
実施例1〜14および比較例(CE)1〜5の、処理した試験シリカサンプルおよび未処理の試験シリカサンプルの表面積を、Horiba 6200シリーズ機器を使用し、動的一点表面積技法、ASTM D3037−93、手順C(修正版)により決定した。この手順は、ヘリウム中30%窒素を吸着質気体として使用し、P/P=0.294にてBrunauer−Emmett−Teller(BET)法をシミュレートする。このASTM手順を、以下のように修正した:ヘリウム中30%窒素の気体混合物を使用した;約40mL/分の流量を維持した;180±5℃にて1時間、窒素流下にて分析セル中で、サンプルを乾燥させた;そして、サンプル上に吸着した窒素を、液体窒素の露(dewar)を取り除き、サンプルを外部熱源なしで室温まで温めることにより脱着した。未処理の試験シリカサンプルについての結果を表1に列挙し、処理された試験シリカサンプルについての結果を表3に列挙する。
炭素の百分率を、Carlo Erba 1106モデル元素分析器を使用して、CHN分析によって決定した。密封スズ製カプセル中の1mg〜2mgのサンプルを、1040℃にてヘリウムキャリアーと共に酸素富化雰囲気中で燃焼させ、Crで定量的に燃焼させ、次いで、燃焼ガスを650℃にてCu上を通過させて、過剰な酸素を除去し、窒素の酸化物を窒素に還元した。次いで、これらのガスをクロマトグラフカラムに通し、分離し、N、CO、およびHOとして溶出した。溶離したガスを熱伝導レベル検出器によって測定した。機器を、標準コンパウンドの燃焼によって較正した。結果を、表3に列挙する。
表3に列挙されるメルカプト(SH)の百分率を、エルレンマイヤーフラスコ中の2〜3gの処理されたシリカを0.001gの最も近くまで正確に計量し、75mlのイソプロピルアルコールを加え、窒素で洗い流し、湿気ストッパー(wet stopper)で密封し、30分間、磁気作用により攪拌することによって決定した。この攪拌溶液を、LabChem Inc.から市販されている標準0.01N ヨウ素溶液を用いて、僅かに黄色の終点まで迅速に滴定した。ブランク滴定もまた、処理したシリカを加えないこと以外は同じ手順に従うことにより実施した。ブロックされたメルカプトシランを使用して充填材を修飾する場合は、滴定する前に、ブロックしたメルカプトシランを脱ブロックする必要がある。以下の式を使用して、最終値を得た:
%SH=(V1−V2)×N×3.3/W
ここで:
V1は、サンプルと共に使用されたヨウ素溶液の体積であり、
V2は、ブランクで使用されたヨウ素溶液の体積であり、
Nは、ヨウ素溶液の規定度であり、
Wは、グラムでのシリカの重量である。
表3にSCIとして報告されるシラン変換指数を、固体状態29Si NMRにより決定した。このデータを、ナローボアマグネットおよびDotyの7mm標準速度MASプローブを用いたBruker AM−300 NMRで周囲温度にて収集した。サンプルを、外径7mmのジルコニアローターに詰め、短いKel−Fキャップで密封した。これらのローターを、約5.0kHzの速度でマジック角にて回転させた。交差分極(CP/MAS)データを、90°Hパルス、1スペクトル当たり5600〜8400スキャン、5ミリ秒の接触時間、データ獲得中の高出力プロトンデカップリング、および3秒の緩和遅れ(relaxation delay)を使用して収集した。Hartmann−Hahn条件を、カオリナイトサンプルを使用して達成した(J.Rocha and J.Klinowski,J.Magn.Reson.,90.567(1990))。すべての化学シフトは、テトラメチルシラン(TMS)を外部基準とした。
すべてのスペクトルを、Aspect 3000コンピュータにおいて非線形曲線フィッティングプログラム(LINESIM)を使用して分析して、T(−49ppm)、T(−57ppm)、およびT(−65ppm)のピークについての相対面積%を決定した。T、T、およびTについての面積%値を、−30ppm〜−80ppmの領域にかけて、曲線フィッティングにより決定した。
pHの決定を、以下の手順により、実施例および比較例の処理充填材に関して行った:5.0gのシリカ(粉末形態で)を、磁気攪拌棒を含む150mLビーカーに加え;50mLのイソプロパノールおよび50mLの脱イオン水を加え;そして、シリカが懸濁するまで、飛散させることなく激しく攪拌する。激しく攪拌した溶液中に、較正されたpH電極を入れ、1分(±5秒)後に、pHの読み取り値を記録する。これらの結果を、表3に列挙する。
表3に報告された標準強化指数を、300%伸び時の引張り応力を100%伸び時の引張り応力で除することにより決定した。300%伸び時の引張り応力の値および100%伸び時の引張り応力の値を表4に含む。
実施例1、2および7の処理したシリカのソックスレー抽出可能炭素の百分率を、約5グラムの各物質を、コンデンサーを取り付けた適切な大きさのソックスレー抽出管に入れた43mm×123mm(内径×外部長)のセルロース抽出円筒濾紙に加えることにより決定した。このソックスレー抽出器とコンデンサーとのシステムを、700mLのトルエンを含む丸底フラスコに取り付けた。このフラスコを、トルエンの還流温度に加熱した。最低19時間(典型的には、19時間〜26時間)還流した後、使用されたトルエンを、未使用のトルエンと交換し、最低19時間(典型的には、19時間〜24時間)、還流を続けた。得られた抽出された処理されたシリカを回収し、サンプルを10分間、160℃に曝した場合に1.2重量%未満の減少を示すまで乾燥させた。抽出された各サンプルの炭素の百分率を、本明細書中に記載される手順を使用して決定した。ソックスレー抽出可能炭素の百分率を、以下の式を使用して決定した。:
Figure 2011153311
これらの結果を表5に列挙する。
Figure 2011153311
Figure 2011153311
(12)合成沈降シリカであり、3重量%のγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランで予め被覆されていると報告されており、PPG Industries,Inc.から入手可能である。
Figure 2011153311
Figure 2011153311
Figure 2011153311
表1の結果は、実施例および比較例を作製するプロセスで使用した未処理のシリカサンプルの表面積が、172m/g〜214m/gの範囲に及んだことを示す。
実施例1〜14についての表2に列挙されるMPTMS/DMDCS比は、0.05:1〜0.40:1の範囲に及んだ。両方のシランを含む比較例2および3についての比率は、それぞれ、0.08:1および0.03:1であった。比較例(CE)2のMPTMS/DMDCS比は、0.05:1〜10:1という望ましい範囲内であったが、CE−2の処理したシリカについての表3に列挙されるメルカプト(SH)重量%についての結果は、0.15重量%より多くという必要量に満たなかった。
表3の結果は、本発明の修飾シリカサンプル(すなわち、実施例1〜14)が、少なくとも4.0の標準強化指数、1.0より高い炭素重量%、0.15より高いメルカプト重量%、および少なくとも0.3のシラン変換指数(すなわち、T/(T+T+T))を示したことを示している。比較例は、実施例1〜14の炭素重量%および/またはメルカプト重量%を下回る炭素重量%および/またはメルカプト重量%を有し、かつ4.0未満(例えば、3.6)の標準強化指数を有した。
表4の結果は、本発明の全ての修飾シリカ(すなわち、実施例1〜14)が、6.2以上という300%伸び時の引張り応力を示したことを示した。比較例についての300%伸び時の引張り応力は、6.1以下であった。
表5の結果は、ソックスレー抽出可能炭素の百分率が、実施例7についての1.82%という低いものから実施例2についての18.33%という高いものまでの範囲に及んだことを示している。
(実施例16:ゴムアルコール放出)
アルコール放出に対する本発明の化学修飾充填材の効果を、本発明の化学修飾充填材(充填材A)を含むゴム組成物(コンパウンド番号16.1)、従来の未処理の沈降シリカを(充填材B)含むゴム組成物(コンパウンド番号16.2)、アルコキシシラン3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドと組み合わせて従来の未処理の沈降シリカ(充填材B)を含むゴム組成物(コンパウンド番号16.3)の、硬化する前のアルコール放出と後のアルコール放出とを比較することにより試験した。
これらの充填材の特性を表6に列挙する。表面積、炭素およびpHを、実施例15中に記載される代表的な手順を使用して試験した。SHの量を、以下の手順を使用して決定した。化学天秤を使用して、2g±0.5gのサンプルを計量し、150mLエルレンマイヤーフラスコの風袋を差し引いて記録した(0.1mgの最も近くまで)。攪拌棒を用いて、75mLのIPA(メスシリンダーを使用)および10mLの0.1N ヨウ素(10mLピペットを使用)を加えた。このフラスコを、約30秒間、適度な流れの窒素で洗い流し、ゴムストッパーで即座に栓をした。気密シールを作製するのを助けるために、ストッパーの先細になった部分に少量のIPAを塗布した。このフラスコを、攪拌プレートに置き、15分間適度に攪拌した。15分間の攪拌時間が経過した後、このゴムストッパーを取り除き、標準化した0.1N±0.0005Nのチオ硫酸ナトリウムを用いて、無色の終点(1分間無色のままで変わらない)になるまでクラス「A」の10mLビュレットを使用して、即座に滴定した。0.1Nチオ硫酸ナトリウムの滴定の最終容積を記録した。上記手順に正確に従い、サンプルのみを除外することにより、ブランクの滴定量値を計算のために決定した。
重量%でのSHの量を、以下の式を使用して計算した:
((ブランクに対するチオ硫酸ナトリウム(mL)−サンプルに対するチオ硫酸ナトリウム(mL))×(チオ硫酸ナトリウムのN)×(3.3))/サンプル重量(g)。
Figure 2011153311
表7に示す列挙した成分、および以後に記載される手順を使用して、ゴム組成物を調製した。列挙した成分についての情報は、標準混合プロトコルに見出され得る。3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドは、商用名Si−69の下でDegussa Corporationから市販されているものを入手したことに留意されたい。
Figure 2011153311
(パートA)
ゴム100重量部当たりの重量部(phr)の量で以下の成分を、記載される順に、500ミリリットル(mL)プラスチックカップ中に直立させたポリエチレンバッグに加えた。
Figure 2011153311
1.89リットル(L)Farrel Bのバンバリーミキサー(「BR」モデル)を、種々の成分を混合するために使用した。バッチ成分をミキサーに加える直前に、800グラム(g)のCV−60グレード天然ゴムをミキサーにかけ、ミキサーから先の運転のあらゆる残留物を清掃し、温度を約93℃(200°F)に上昇させた。このゴムを取り出した後、このミキサーを約65℃(150°F)に冷却し、その後、成分を加えてゴム試験サンプルを得た。
第一経路を、ゴム、すなわち、sSBRおよびBRをミキサーに加え、116rpmにて0.5分間混合することにより開始した。ローター速度を116rpmに維持し、適量の表7に示した特定の充填材を加えた。その1.5分後、ラムを上げ、シュートをスイープした、すなわち、入り口シュート上のカバーを上げ、シュート中に見られるあらゆる物質をスイープしてミキサーへ戻した。その1分後、パートAからのサンプルを加えた。さらに1分後、ラムを上げ、シュートをスイープした。ミキサーの内容物を、表7に示す最大温度(ダンプ温度)まで、付加時間(ダンプ時間)の間混合して、ミキサーにおける第一経路を完了した。ミキサーのローター速度を上昇または低下させて、特定された混合時間(ダンプ時間)内に、最大温度(ダンプ温度)を達成した。
第一経路を完了した後、この物質の温度を熱電温度計で決定して、その温度が示された最大温度(ダンプ温度)を超えなかったことを確かめた。取り出した物質を計量し、Farrelの12インチ2ロール式ゴム圧延機で、2.032mm±0.127mm(0.080インチ±0.005インチ)にてシート状にした。得られた圧延ストックを、ミキサーにおける第二経路に備えて帯状体に切断した。
最低1時間を、ミキサーにおける第一経路の完了と、第二経路の開始との間に割り当て、圧延ストックを冷却させた。必要な場合は、上記のCV−60グレード天然ゴムを用いた清掃および予熱の手順を、第二経路を開始する前に完了させた。このミキサーの温度を約49℃(120°F)に調整した。冷却水を流しながら、第一経路のストックの帯状体を77rpmにて作動させたミキサーに加え、そしてSantoflex(登録商標)13 オゾン分解防止剤とOkerin(登録商標)7240 微結晶性蝋/パラフィン蝋のブレンドとのおよび予め計量した組み合せに加えることにより、第二経路を開始した。0.5分後、RM硫黄とTBBSとDPGとの組み合わせの第二の添加物を加えた。その1.5分後、ラムを上げ、シュートをスイープした。温度を125℃(257°F)以下に維持しながら、さらに2.0分間、ストックを混合することにより、この第二経路を完了した。
Farrelの12インチ2ロール式ゴム圧延機を約60℃(140°F)に加熱した。パートBの第二経路からのストックを、2.032mm±0.127mm(0.080インチ±0.005インチ)のロール間隙設定で作動中の圧延機に供給した。得られたシートを、シートの温度が室温に達するまで平面上に置いた。典型的に、シートは、約30分以内に冷めた。その後、圧延したシートを、3.81mm±0.51mm(0.15インチ±0.02インチ)のロール間隙設定で、ゴム圧延機に供給した。均一な厚さを維持するために、必要な場合は、圧延バンクを調整した。得られた物質を、16サイドカット、次いで8エンドパスに供した。ゴム圧延機のロール間隙を、2.032mm±0.127mm(0.080インチ±0.005インチ)のシートの厚さを生ずるように調整した。圧延機から回収されたシートストックを、清潔な平面上に置いた。ステンシルを使用して、203.2mm×152.4mm(8インチ×6インチ)の長方形のサンプルを、シートストックから切り出した。このサンプル(コンパウンドA)を条件付けした、すなわち、このサンプルを清潔なポリエチレンシートの間に保管し、温度23℃±2℃、相対湿度50%±5%にて15時間〜18時間維持した。このコンパウンドの一部を、下記のとおりのアルコール放出試験に使用した。
条件付けした後、このサンプルを、203.2mm×152.4mm×2.286mm(8インチ×6インチ×0.09インチ)の研磨された表面を有する標準型機械鋼圧縮型に入れた。このサンプルを、61センチメートル×61センチメートル(24インチ×24インチ)の890キロニュートン(100トン)の4柱式(4−post)電熱圧縮プレスで、T90、すなわち、ASTM D−2084に従って、90パーセントの硬化が起こるのにかかる時間に5分を加えた時間の間、13.79メガパスカル(1立方インチ当たり2000ポンド)の圧力の下で150℃(302°F)にて、硬化させた。典型的に、硬化は、約10分内で完了した。得られた硬化ゴムシートを型から取り出し、試験に先立って、温度23℃±2℃(73.4°F±3.6°F)、および相対湿度50%±5%にて15時間〜18時間、維持した。これらのシート(コンパウンドB)を使用して、アルコール放出、300%モジュラス、および300%/100%モジュラス比の決定のための試験標本を生成した。
アルコール放出(メタノールおよびエタノール)を、本明細書の以下の実施例23に記載される条件に従って、ヘッドスペース−GCを使用してサンプルを分析することにより決定した。硬化前(BC)サンプル(すなわち、コンパウンドA)を、分析の前に150℃にて20分間加熱した。硬化後(AC)サンプル(すなわち、コンパウンドB)を、分析の前に100℃にて60分間加熱した。サンプルサイズは約35mgであった。このサンプルを対角線的に横切って採ったサンプルを用いて、各コンパウンドを3連で分析した。運転と運転との間のサンプル重量における差異を説明するために、ピーク面積を、サンプル重量で除した。相対濃度は、最大量を存在させたコンパウンド16.3BCに基づく。
300%時モジュラスおよび300%/100%モジュラス比を、ASTM D412−98aの−試験方法Aに従って決定した。ダンベルテストの標本を、ダイCを使用して調製した。伸びを測定するための自動接触伸び計を備えたInstron 4204モデルを使用した。クロスヘッド速度は、508mm/分に等しいことが見出された。全ての計算を、製造業者により供給されたシリーズIX自動材料試験ソフトウエアを使用して行った。300%/100%モジュラス比は、100%伸び時の引張り応力(MPa)で除した300%伸び時の引張り応力(MPa)に等しい。
これらの結果を表8に纏める。これらの結果は、本発明のコンパウンド(16.1)が、現用のインサイチュにおけるシラン技術(16.3)と同じ硬化特性を維持しながら、シリカのみを加えるコンパウンド(16.2)と同等に、本質的にアルコールを放出しないことを示している。
Figure 2011153311
(実施例17:早期硬化)
この実施例は、本発明によって生成されたコンパウンドが本質的に早期硬化を起こさないことを示している。配合物を表10に示す。両方の配合物を、下記の手順に従って、バンバリーブレードを備えたブラベンダーミキサーで混合した。それぞれのコンパウンドからの個々のサンプルを、示された試験温度(すなわち、増分10℃で120℃〜190℃)を用い、MDRレオメーター(下記)を使用して評価した。これらの結果を、それぞれ図1および図2にグラフによって示す。示されるように、本発明のプロセスにより生成されるコンパウンド(コンパウンド17.1、図1)は、早期硬化を起こさない(すなわち、少なくとも190℃までのいずれの温度においても、時間経過に伴うトルク顕著な増加を全く示していない)。比較すると、公知の技術を用いて生成されたコンパウンドは、130℃〜140℃という低い温度にて早期硬化を起こす(コンパウンド17.2、図2)。
(充填材の特徴づけ)
充填材の特性を、表9に列挙する。表面積、炭素、およびpHを、実施例15において特定されるそれぞれの手順を使用して試験した。SHの量を、実施例16に記載される手順を使用して決定した。
Figure 2011153311
(混合)
列挙された混合成分についての情報は、標準混合プロトコルに見出され得る。混合成分X50−S(登録商標)は、二官能性の硫黄含有有機シランSi 69(登録商標)(ビス−(トリエトキシシリルエトキシテトラスルフィド))と、N330型カーボンブラックとの1:1のブレンドであり、Degussaから市販のものが入手される。
表10に示され、列挙される成分、および本明細書の以下に記載される手順を使用して、ゴム組成物を調製した。
バンバリーブレードおよび油加熱した350〜420ml混合チャンバを備えたC.W.ブラベンダーミキサーEPL2−5501型を、種々の成分を混合するために使用した。このミキサーを、70℃と80℃との間に約30分間、温めた。
第一経路を、ゴム、すなわち、sSBRおよびBRをミキサーに加え、85rpmにて0.5分間混合することにより開始した。ローター速度を85rpmに維持し、適量の特定の充填材を加えた。その1分後、ラムを上げ、追加量の特定の充填材を、コンパウンド17.2については、X−50Sの13.0phrを加えた。さらに1.5分または2.0分後、パートA.1もしくはA.2からのサンプルを加えた。ミキサーの内容物を、示される最大温度までさらに2.5分または3.0分間混合した。このさらなる混合時間の間、ラムを定期的に上げ、スイープして、全ての物質が確実に混合物に組み込まれるようにした。ミキサーのローター速度を、上昇または低下させて、特定された混合時間内に、最大温度を達成した。
この第一経路を完了した後、この物質の温度を熱電温度計で決定して、その温度が示された最大温度を超えなかったことを確かめた。取り出した物質を計量し、Farrelの12インチ2ロール式ゴム圧延機で、2.032mm±0.127mm(0.080インチ±0.005インチ)にてシート状にした。得られた圧延ストックを、室温まで冷ました。
Figure 2011153311
(A.1)
ゴム100重量部当たりの重量部(phr)の量の以下の成分を、記載された順に、500ミリリットル(mL)プラスチックカップ中に直立させたポリエチレンバッグに加えた:
Figure 2011153311
(A.2)
ゴム100重量部当たりの重量部(phr)の量の以下の成分を、記載された順に、500ミリリットル(mL)プラスチックカップ中に直立させたポリエチレンバッグに加えた:
Figure 2011153311
(パートC−試験)
硬化プロフィールを、ローターレス硬化計量器を用いるゴム特性(加硫)についての標準試験方法(ASTM名:D5289−95)に従い、MDR2000(Moving Die Rheometer)を使用して決定した。個々のサンプルを、増分10℃で120℃〜190℃の温度にて試験した。本発明のコンパウンド(17.1)についての硬化プロフィールを図1にグラフで示し、比較コンパウンド(17.2)についての硬化プロフィールを図2に示す。
(実施例18:ダンプ時間/温度)
本発明の化学修飾充填材を組み込んだゴム組成物のダンプ時間およびダンプ温度の効果を、実施例16からの充填材A(表6)を使用して試験した。この充填材を、第一経路において、使用されるダンプ時間およびダンプ温度が表11に示されるダンプ時間およびダンプ温度であること以外は、実施例16(表7、コンパウンド16.1)に記載される同じ成分および手順を使用して混合した。ローター速度を上昇または低下させて、特定されたダンプ時間内に、ダンプ温度を達成した。
Figure 2011153311
標準混合プロトコルのパートCを、コンパウンド1〜8について実施した。これらのシートを使用して、200%時モジュラス、300%時モジュラス、200%/100%モジュラス比、および300%/100%モジュラス比の決定のための試験標本を生成した。
16サイドカット、ついで8エンドパスに物質を供し、3.81mm±0.13mm(0.150インチ+/−0.005インチ)にてシート状にすることにより、リバウンドボタン(rebound button)を生成した。得られたシートを圧延機から取り出し、半分に折り畳んで、シートストックの厚さを7.62mm±0.13mm(0.300インチ+/−0.005インチ)にした。1インチパンチを使用して、3つのサンプルをこのシートストックから打ち出した。次いで、これらのサンプルを相互に積み重ねた。サンプルの総重量は、12グラム+/−1グラムであった。これらのサンプルを、上下に平板を有する1 1/8インチの円×厚さ1/2インチの空洞中で硬化させた。これらのサンプルを、61センチメートル×61センチメートル(24インチ×24インチ)の890キロニュートン(100トン)の4柱式電熱圧縮プレスで、ASTM D−2084に従って、T90、すなわち、90パーセントの硬化が起こるのにかかる時間に10分を加えた時間の間、13.70メガパスカル(1立方インチ当たり2000ポンド)の圧力の下で150℃(302°F)にて、硬化させた。典型的に、硬化は、約15分内で完了させた。得られた硬化ゴムシートを型から取り出し、パートDにおける試験に先立って、温度23℃±2℃(73.4°F±3.6°F)、および相対湿度50%±5%にて15時間〜18時間、維持した。
ムーニースコーチ(T5)を、ゴムの早期硬化特性についての標準試験方法(ASTM名:D 1646−98a)に従って、小型のローターを備えたムーニー粘度計MV2000モデルを使用して決定した。
ムーニー粘度ML4100℃を、ゴムの早期硬化特性についての標準試験方法(ASTM名:D 1646−98a)に従って、大型のローターを備えたムーニー粘度MV2000モデルを使用して決定した。
スコーチ時間(TS2)を、ローターレス硬化計量器、を用いて、ゴムの加硫特性についての標準試験方法(ASTM名:D 5289−95)に従って、MDR 2000(Moving Die Rheometer)を使用して決定した。
200%時モジュラス、300%時モジュラス、200%/100%モジュラス比、および300%/100%モジュラス比を、ASTM D412−98a(試験方法A)に従って決定した。このダンベル試験標本を、ダイCを使用して調製した。伸びを測定するための自動接触伸び計を備えたInstron 4204モデルを使用した。クロスヘッド速度は、508mm/分に等しいことが見出された。全ての計算を、製造業者により供給されたシリーズIX自動材料試験ソフトウエアを使用して行った。200%/100%モジュラス比は、100%伸び時の引張り応力(MPa)で除した200%伸び時の引張り応力(MPa)に等しい。300%/100%モジュラス比は、100%伸び時の引張り応力(MPa)で除した300%伸び時の引張り応力(MPa)に等しい。
1%歪みにおける弾性率または記憶率(G’、1%歪み)を、ISO方法2856エラストマー(動態試験についての一般的要求事項)に従って、レオメーター動態分析器2を使用して決定した。直径11mmおよび重さ0.86±0.01gの円柱標本を圧縮成形し、150℃にてT90+10分間、2つの25mmの適切に準備された並列させたサンプルプレートの間で硬化させる。弾性率または記憶率(G’)を、1HZよび30℃にて0.1%〜20%の範囲に及ぶ歪みにて測定する。1%の歪みにおける弾性率もしくは貯蔵率(G’、1%歪み)を、データに適合させた多項式(r>0.99)から計算する。
23℃における反発弾性および100℃における反発弾性を、振り子反発弾性を用いるゴム特性弾性についての標準試験方法(について用いるASTM名:D 1054−91)に従って、Zwick 5109反発弾性試験器を使用して決定した。
60℃における正接δおよび0℃における正接δを、ISO方法2856エラストマー(動態試験についての一般的要求事項)に従って、レオメーター動態分析器2を使用して決定した。直径11mmおよび重さ0.86g±0.01gの円柱標本を圧縮成形し、150℃にてT90+10分間、2つの25mmの適切に準備された並列させたサンプルプレートの間で硬化させる。1HZおよび2%歪みにおいて、−45℃〜75℃の範囲に及ぶ温度にて、正接δを測定する。60℃における正接δおよび0℃における正接δを、データに適合させた多項式(r>0.99)から計算する。
Figure 2011153311
Figure 2011153311
Figure 2011153311
表12のデータは、コンパウンドの性能特性に対する一定のダンプ温度におけるダンプ時間の効果を示している。これらの結果は、4分から7分へのダンプ時間の上昇が、1%の歪みにおけるG’および60℃における正接δを低下させる一方で、スコーチ時間、300%/100%モジュラス比、および100℃における反発弾性を増大させることを示している。これらの結果は、本発明の充填材で強化され、一定のダンプ温度にてより長いダンプ(混合)時間で生成されたコンパウンドが、硬化中のスコーチ安全性を改善させ得ること、および硬化したコンパウンドが、タイヤにおいて、改善されたトレッド磨耗およびより低い転がり抵抗を提供し得たことを示している。
表13のデータは、コンパウンドの性能に対する一定のダンプ時間におけるダンプ温度の効果を示している。これらの結果は、130℃から170℃へダンプ温度を上昇させることが、スコーチ時間、300%/100%モジュラス比、および100℃における反発弾性を増大させ、一方。1%歪みにおけるG’および60℃における正接δを低下させることを示している。これらの結果は、本発明の充填材で強化され、一定のダンプ時間におけるより高いダンプ温度で生成されたコンパウンドが、硬化中のスコーチ安定性を改善させ得ること、および硬化したコンパウンドが、タイヤにおいて改善されたトレッド磨耗およびより低い転がり抵抗を提供し得たことを示している。この改善した性能は、ダンプ時間が同じで変わらなかったので、生産性の低下なしに得られた。
表14のデータは、上昇したダンプ時間とダンプ温度との合わせた利点があり得ることを示している。コンパウンド7および8は、スコーチ時間、200%伸び時および300%伸び時のモジュラス、200%/100%モジュラス比および300%/100%モジュラス比、ならびに23℃および100℃における反発弾性の増大を示し、一方、ムーニー粘度、1%歪みにおけるG’および0℃および60℃における正接δの低下を示している。これらの結果は、本発明の充填材で強化され、より高いダンプ時間とより高いダンプ温度との組合せで生成されたコンパウンドが、硬化中のスコーチ安定性が改善されたという改善された加工特性を有し得、これはタイヤにおいてより高い静止摩擦およびより低い転がり抵抗を有する、改善されたトレッド磨耗を提供し得ることを示している。
(実施例19)
本発明の化学修飾充填材を主要な加硫促進剤と混合する影響を、実施例16からの充填材A(表6)を使用して試験した。
充填材Aは、表15に示したパートAを生成するための標準混合プロトコルに記載される成分および第一経路の手順を使用して混合された。以下の手順および表15に列挙される成分を、第二経路に使用した。バンバリーブレードおよび油加熱した350〜420ml混合チャンバを備えたC.W.ブラベンダーミキサータイプEPL2−5501を、第二経路において種々の成分を混合するために使用した。このミキサーを、約30分間、50℃に温めた。第二経路を、50rpmにて作動しているミキサーに、第一経路原料の205.5phrの帯状体を加え、Santoflex(登録商標)13オゾン分解防止剤とOkerin(登録商標)7240 微結晶性蝋/パラフィン蝋のブレンドとの予め計量した組み合わせを加えることにより開始した。0.5分後、第二の添加物であるRM硫黄と加硫促進剤との組み合わせを加えた。さらに2.0分間、温度を125℃(257°F)以下に維持しながら、この原料を混合することにより第二経路を完了した。第二経路を完了した後、この物質の温度を熱電温度計で決定して、その温度が125℃を越えなかったことを確かめた。硬化したシートを、標準混合プロトコルのパートCに従って生成した。
Figure 2011153311
スコーチ時間(TS2)および硬化時間(TC90)を、MDR 2000レオメーターを使用して、ASTM D 5289−95に従って決定した。モジュラス300%のさらなる試験を、標準混合プロトコルのパートDに従って実施した。表16に報告されるこれらの結果は、サンプル9(TBBSおよびDPG加硫促進剤を使用)が、許容し得るTS2と、TC90と、300%モジュラスとの最良の組み合わせを有したことを示している。
Figure 2011153311
(実施例20)
本発明の化学修飾充填材を種々の加硫促進剤と混合することの影響を試験した。表17〜19に示されるように第二経路において加えられる加硫促進剤以外は、実施例19を繰り返した。
Figure 2011153311
Figure 2011153311
Figure 2011153311
(20)Methyltuads テトラメチルチウラムジスルフィド、R.T.Vanderbilt Co.,Inc.から市販されているものを入手
(21)Unads テトラメチルチウラムモノスルフィド、R.T.Vanderbilt Co.,Inc.から市販されているものを入手
(22)ジ−o−トリルグアニジン
(23)硫黄ドナー ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、Dow Chemical Companyから市販されているものを入手
(24)硫黄ドナー 4,4’−ジチオジモルホリン、R.T.Vanderbilt Co.,Inc.から市販されているものを入手
(25)メチルクメート(methyl cumate) ジメチルジチオカルバミン酸銅、R.T.Vanderbilt Co.,Inc.から市販されているものを入手
(26)Vulkocit 亜鉛N−ジメチルジチオカルバミン酸、Lanxessから市販されているものを入手
(27)Vulkocit ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、Lanxessから市販されているものを入手
(28)Vulkocit N−ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、Lanxessから市販されているものを入手
(29)Vulkocit エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、Lanxessから市販されているものを入手
(30)Vulkocit ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、Lanxessから市販されているものを入手
(31)ジメチルジチオカルバミン酸ビスマス
(32)ジエチルジチオカルバミン酸カドミウム
(33)ジエチルジチオカルバミン酸テルル。
スコーチ時間(TS2)、硬化時間(TC90)、および300%モジュラスを、実施例19の場合と同様に試験した。表20に報告される結果は、特性の好ましい組み合わせが、サンプル2、11、17〜24、27および29〜31において、それぞれベンゾチアゾールスルフェンアミド加硫促進剤、およびジチオカルバメート加硫促進剤を使用して達成されたことを示している。
Figure 2011153311
(実施例21)
本発明の化学修飾充填材を遅延剤と混合することの影響を試験した。表21に示されるように第二経路において加えられる遅延剤以外は、実施例19を繰り返した。
Figure 2011153311
(34)Santogard PVI N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、Flexsysから市販されているものを入手
(35)Retarder AK、改良無水フタル酸、Akrochem Corporationから市販されているものを入手
(36)Vulkalent E/C N−フェニル−N−(トリクロロメチルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド、Lanxessから市販されているものを入手。
スコーチ時間(TS2)、硬化時間(TC90)、および300%モジュラスを、実施例19と同様に試験した。表22で報告される結果は、遅延剤の添加が、許容し得る硬化時間および300%モジュラスを伴って、スコーチ時間を改善することを示している。
Figure 2011153311
(比較例22)
米国特許第4,002,594号で使用される加硫促進剤との混合を、表23に示される通りであること以外は実施例19のプロセスに従うことにより、本発明の加硫促進剤との混合と比較した。
Figure 2011153311
スコーチ時間(TS2)、硬化時間(TC90)、および300%モジュラスを、実施例19と同様に試験した。表24で報告される結果は、米国特許第4,002,594号に記載される硬化剤(比較サンプル1〜9)の特定の組み合せが、本発明で使用される硬化剤(サンプル10)の実施形態と比較して、所望の硬化反応速度および物理的性質を生まないことを示している。
Figure 2011153311
(実施例23−充填材アルコール放出)
本発明の化学修飾充填材(充填材A)を、実施例11において記載される手順に従って調製した。%MPTMS/SiOは、5.50%であり、そして%DMDCS/SiOは、19.6%であった。充填材Aは、以下の特性を有した:N 1pt.BET表面積=136m/g、pH=6.4、炭素=2.8重量%、およびSH=0.53重量%。比較充填材Bは、従来の未処理の沈降シリカであった。比較充填材Cを、従来の未処理のシリカ粉末とメルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)とを物理的にブレンドすることによって調製した。%MPTMS/SiOは、3.0%であった。比較充填材Dを、従来の未処理のシリカ粉末をメルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTES)とを物理的にブレンドすることにより調製した。%MPTES/SiOは、6.0%であった。比較充填材Eを、従来の未処理のシリカ粉末と3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPT)とを物理的にブレンドすることにより調製した。%TESPT/SiOは、8.0%であった。各充填材の本質的に等しい分を、以下の条件の下でヘッドスペース−GC分析を用いて、アルコール放出について分析した:
ヘッドスペースオーブン:150℃
バイアル平衡時間:20分
カラム:30M×0.53mm ID DB−WAX(1.0mmフィルム)
温度プログラム:35℃−5分−10℃/分−220℃−8.5分
注入ポート温度:200℃。
これらの結果を、以下の表25に纏める。
Figure 2011153311
これらの結果は、本発明のサンプル(充填材A)が、関連するアルコキシシランを沈降シリカとブレンドすることにより、生成された充填材よりもかなり低いアルコール放出を有することを示している。
(実施例24〜25)
約5.2kgがシリカである約40キログラム(kg)の沈降シリカ懸濁液および約11.7kgのイソプロピルアルコールを底部排水口を有する30ガロンガラスライニング容器に加えた。この容器はまた、温度記録計、機械的攪拌機、加熱手段およびコンデンサーも備えていた。
この容器の内容物を攪拌し、加熱を開始する一方で、本明細書ではTESPTと称するSi−69強化剤を、表28に列挙された実施例について、乾量基準でシリカ当たりのTESPTの重量パーセントについて列挙された近似量を生ずる一定時間(典型的には、約10分)をかけて添加した。TESPT添加の完了後、ジメチルジクロロシラン(DMDCS)を同一の様式で加え、表28に乾量基準でシリカ当たりのDMDCSの重量パーセントについて列挙される近似量を得た。TESPT/DMDCSの重量比もまた、表28に列挙される。得られたこの溶液のpHは、約0.8であった。
DMDCS添加の完了後、この混合物を約68℃に加熱し、この温度にて約10分間おいた。冷却しながら、十分なトルエン(典型的には、15kg)をこの攪拌された混合物に加えて、エマルジョンを形成することなく水相から疎水性の沈降シリカを分離させた。水相をこの容器から排水した。次いで、この疎水性沈降シリカを含む容器中の攪拌された混合物を、実施例24については約400グラム、実施例25については500グラムの炭酸水素ナトリウムを含む、実施例24については約30kgの水で、実施例25については約40kgの水で2度、洗浄した。水相を排水した。
洗浄が完了した後、十分なさらなるトルエン(実施例24については約13.9kg、実施例25については約23.7kg)をこの攪拌された混合物に加えて、容器から容易に排出され得る流動可能な液体中固体懸濁液を得た。得られた懸濁液を、減圧下(最低23インチの水銀)で最低140℃にて、ロトコーン乾燥機で乾燥させた。サンプルを160℃に10分間曝露し場合に4.5%未満の重量%の低下を示すまで、乾燥を続けた。
(実施例26〜31)
約1.5kgがシリカである約19kgの沈降シリカ懸濁液を、底部排水口を有する40リットルのガラス製容器に加えた。この容器はまた、温度記録計、機械的攪拌機、加熱手段およびコンデンサーも備えていた。
この容器の内容物を攪拌する一方で、表27に列挙される界面活性剤を乾量基準でシリカ当たり約1重量パーセント加えた。界面活性剤添加の完了後、得られた混合物を5分間攪拌した。TESPTを5分間かけて、攪拌された混合物に加えて、乾量基準でシリカ当たり約10重量パーセントのTESPTを得た。得られたこの溶液のpHは、約3.0であった。TESPT添加の完了後、ジメチルジクロロシラン(DMDCS)を同一の様式で加えて、乾量基準でシリカ当たり約15重量パーセントのDMDCSを得た。得られたこの溶液のpHは、約0.9〜約1.6の範囲に及んだ。この混合物を、約61℃〜約68℃に加熱し、この温度にて典型的には約20分間保持した。実施例28および実施例31の懸濁液を、それぞれ約40分間および約16分間加熱した。冷却中、十分な50重量%のNaOHを、一定時間(典型的には、10分〜15分)かけて混合物に加えて、pHを約7.0に調整した。疎水性沈降シリカを含む20Lの攪拌された混合物を、この容器から排出し、ブフナー漏斗を使用して真空濾過し、次いで各洗浄につき約8kgの水で3回洗浄した。洗浄が完了した後、十分な脱イオン水および高剪断力の攪拌を濾過ケークに適用して、流動可能な液体中固体の懸濁液中を得た。得られた懸濁液をNiro噴霧乾燥機(入口温度約400℃および出口温度約150℃)でスプレー乾燥させて、実施例26〜31の処理したシリカサンプルを形成した。
(実施例32〜34)
820グラムのシリカを含む実施例24〜25に使用された17Lの未処理沈降シリカを、機械的攪拌機を備えた容器に加えた。処理前のこのスラリーのpHは、約6.5であった。攪拌機がこの懸濁液を混合している間に、十分なTESPTを加えて、表28に列挙される比較例32〜34についての乾量基準でのシリカ当たりのTESPTの重量パーセントについて列挙される近似量を得た。得られた処理懸濁液を、Niro噴霧乾燥機(吸込み温度約360℃および吐出し温度約110℃)で乾燥させた。
(実施例35)
実施例24〜31の処理試験シリカサンプルおよび比較例32〜34および未処理の試験シリカサンプルの表面積を、動的一点表面積の技法、ASTM D3037−93、手順C(修正版)により、Horiba 6200シリーズ機器を使用して決定した。この手順は、ヘリウム中30%窒素を吸着質気体として使用し、P/P=0.294にてBrunauer−Emmett−Teller(BET)法をシミュレートする。このASTM手順を、以下のように修正した:ヘリウム中30%窒素の気体混合物を使用した;約40mL/分の流量を維持した;180±5℃にて1時間、窒素流下にて分析セル中で、サンプルを乾燥させた;そして、サンプル上に吸着した窒素を、液体窒素の露(dewar)を取り除き、サンプルを外部熱源なしで室温まで温めさせることにより脱着させた。未処理の試験シリカサンプルについての結果を表26に列挙し、処理試験シリカサンプルについての結果を表29に列挙する。
炭素の百分率を、Carlo Erba 1106モデル元素分析器を使用して、CHN分析により決定した。密封スズ製カプセル中の1〜2mgのサンプルを、1040℃にてヘリウムキャリアーと共に酸素富化雰囲気中で燃焼させ、Crで定量的に燃焼させ、次いで、燃焼ガスを650℃にてCu上を通過させて、過剰な酸素を除去し、窒素酸化物を窒素に還元した。次いで、これらのガスをクロマトグラフのカラムに通し、分離し、N、CO、およびHOとして溶出した。溶出したガスを熱伝導レベル検出器によって測定した。機器を、標準コンパウンドの燃焼によって較正した。結果を、表29に列挙する。
硫黄の百分率を、Rigaku RIX 2000波長分散型分光器を使用して、蛍光X線分析(XRF)により決定した。サンプルを、SpectroBlend(登録商標)結合剤(Chemplex Industries,Tuckahoe,NY)と1:1の重量比で混合した後、344.75メガパスカル(25トン/平方インチ)の圧力にてアルミニウム製サポートカップ中にブリケッティングした。NISTおよびNBSの追跡可能二次標準(PPG生成シリカ、または等価物)を、経験的なXRF較正のために使用した。検出は、ゲルマニウム結晶モノクロメーターを使用して、ガス比例フローカウンターにより実施した。結果を表29に列挙する。
表29にSCIとして報告されるシラン変換指数を、固体状態29Si NMRにより決定した。このデータを、ナローボアマグネットおよびDotyの7mm標準速度のMASプローブを用いたBruker AM−300 NMRで周囲温度にて収集した。サンプルを、外径7mmのジルコニアローターに詰め、短いKel−Fキャップで密封した。これらのローターを、約5.0kHzの速度でマジック角にて回転させた。交差分極(CP/MAS)データを、90°Hパルス、1スペクトル当たり5600〜8400スキャン、5ミリ秒の接触時間、データ獲得中の高出力プロトンデカップリング、および3秒の緩和遅れを使用して収集した。Hartmann−Hahn条件を、カオリナイトサンプルを使用して達成した(J.Rocha and J.Klinowski,J.Magn.Reson.,90.567(1990))。すべての化学シフトは、テトラメチルシラン(TMS)を外部基準とした。
すべてのスペクトルを、Aspect 3000コンピュータ上で非線形曲線フィッティングプログラム(LINESIM)を使用して、T(−49ppm)、T(−57ppm)、およびT(−65ppm)のピークについての相対面積%を決定することにより分析した。T、T、およびTについての面積%値を、−30ppm〜−80ppmの領域にかけて、曲線フィッティングにより決定した。
pHの決定を、以下の手順により、実施例および比較例の処理したシリカに関して行った:5.0gのシリカ(粉末形態で)を、磁気攪拌棒を含む150mLビーカーに加え;50mLのイソプロパノールおよび50mLの脱イオン水を加え;そして、シリカが懸濁するまで飛散させることなく激しく攪拌する。激しく攪拌した溶液中に、較正されたpH電極を入れ、1分(±5秒)後に、pHの読み取り値を記録する。これらの結果を、表29に列挙する。
実施例1の処理したシリカのソックスレー抽出可能炭素の百分率を、5.44グラムの物質を、コンデンサーに取り付けた適切な大きさのソックスレー抽出管に入れた43mm×123mm(内径×外部長)のセルロース抽出円筒濾紙に加えることにより決定した。このソックスレー抽出器とコンデンサーとのシステムを、700mLのトルエンを含む丸底フラスコに取り付けた。このフラスコを、トルエンの還流温度に加熱した。25時間還流した後、使用されたトルエンを、未使用のトルエンと交換し、22.5時間、還流を続けた。結果として抽出された処理したシリカを回収し、サンプルを10分間、160℃に曝した場合に1.0重量%の減少を示すまで乾燥させた。抽出されたサンプルの炭素百分率を、本明細書中に記載される手順を用いて決定した。ソックスレー抽出可能炭素の百分率を、以下の式を使用して決定した:
Figure 2011153311
抽出前の炭素の百分率は3.50であり、抽出後の炭素の百分率は3.02であった。したがって、実施例24の処理したシリカのソックスレー抽出可能炭素の百分率は、13.7であった。
アルコール放出を、以下の条件の下で、ヘッドスペース−GC分析を使用して決定した:
ヘッドスペースオーブン:150℃
バイアル平衡時間:20分
カラム:30M×0.53mm ID DB−WAX(1.0mmフィルム)
温度プログラム:35℃−5分−10℃/分−220℃−8.5分
注入ポート温度:200℃
Figure 2011153311
Figure 2011153311
(12)両性界面活性剤、コカミドプロピルアミノベタインをベースにしていると報告される、BASFから入手可能
(13)非イオン性界面活性剤、エトキシ化シリコーンをベースにしていると報告される、BASFから入手可能
(14)非イオン性界面活性剤、アルキルクロリドで末端をキャップした酸化エチレンをベースにしていると報告される、BASFから入手可能
(15)非イオン性界面活性剤、グリコールエーテルをベースにしていると報告される、BASFから入手可能
(16)非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン(polyoxethylene)ラウリルエーテルをベースにしていると報告される、Aldrich Chemical
Co.から入手可能
(17)非イオン性/カチオン性、エトキシ化(50)ステアリルアミンをベースにしていると報告される、AKZO Chemical,Inc.から入手可能。
Figure 2011153311
Figure 2011153311
NDは、試験を行わなかったことを示す;
SCI**は、シラン変換指数を表す;
STS@300%***は、300%伸び時の標準引張り応力を表す。
表26の結果は、実施例および比較例の修飾シリカを生成するプロセスにおいて使用された未処理のシリカが、180m/g〜198m/gの範囲に及ぶ表面積を有したことを示している。
表29の結果は、本発明の処理したシリカサンプルが、少なくとも7.0の300%伸び時の標準引張り応力、1.0より高い炭素重量パーセント、0.1より高い硫黄の重量パーセント、および0.3より高いシラン変換指数を示したことを示している。
比較例32は、必要量より低い炭素重量パーセントを有し、3.6の300%時STSを示した。比較例33および比較例34の両方が、必要な範囲内の炭素レベルおよび硫黄レベルを有したが、共に、7.0未満の300%時STSを有した。比較例34はまた、必要とされる値より低いSCI値を有した。
本発明は、その特定の実施形態の具体的な詳細を参照して記載されたが、そのような詳細が、特許請求の範囲に含まれる場合を除いて、本発明の範囲に対する限定として見なされるべきであることを意図していない。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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