JP2011149454A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より適切な変速制御を行い、所望の加速度を発生させることのできる車両制御装置を提供すること。
【解決手段】アクセルペダル20の操作速度が所定の操作速度よりも速い場合には、現在のギア段よりも低速側のギア段への変速時に選択するギア段を制限するので、アクセルペダル20の操作速度が速い場合に、通常の操作速度で操作する場合とは異なる加速度が要求される場合でも、より確実に要求加速度を実現できるギア段に変速することができる。この結果、より適切な変速制御を行い、所望の加速度を発生させることができる。
【選択図】図4
【解決手段】アクセルペダル20の操作速度が所定の操作速度よりも速い場合には、現在のギア段よりも低速側のギア段への変速時に選択するギア段を制限するので、アクセルペダル20の操作速度が速い場合に、通常の操作速度で操作する場合とは異なる加速度が要求される場合でも、より確実に要求加速度を実現できるギア段に変速することができる。この結果、より適切な変速制御を行い、所望の加速度を発生させることができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両制御装置に関するものである。
車両制御装置は、運転者が操作をするアクセルペダルの開度に応じて目標駆動力を算出し、駆動装置が目標駆動力を発生するように、駆動装置を制御することにより、運転者が要求する目標駆動力を発生させることができる。しかし運転者は、目標とする加速度に応じてアクセルペダルの操作方法を変化させるため、アクセルペダルの開度に対して目標駆動力を算出するのみでは、運転者の要求を満たすことができない場合がある。このため、従来の車両制御装置では、アクセルペダルの開度以外の操作情報も用いて駆動の制御を行っているものがある。
例えば、特許文献1に記載の車両の運動制御装置では、アクセル操作速度と目標躍度との相関を運転者の意図に応じて可変に設定し、この相関に基づいて目標躍度を設定する。そして、アクセル操作量から第1の目標加速度を演算し、演算した第1の目標加速度に対して目標躍度で追従変化する第2の目標加速度を演算し、第2の目標加速度に基づいて駆動力を発生させる。このように、アクセルペダルの開度であるアクセル操作量から演算した第1の目標加速度を、アクセルペダルの操作速度との相関に基づいて設定した目標躍度に基づいて補正することによって第2の目標加速度を算出することにより、アクセルペダルの開度以外の操作情報も用いて目標加速度を算出することができ、実際の加速度を運転者の要求する加速度に、より近付けることができる。
しかしながら、アクセルペダルの開度以外の情報を用いて目標加速度の補正を行った場合でも、変速装置の変速制御を、目標加速度の補正を行わない通常時の制御で行った場合、所望の駆動力を発生することができなくなる場合がある。この場合、目標加速度の補正を行っても、この補正を行った目標加速度を達成することができない場合があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、より適切な変速制御を行い、所望の加速度を発生させることのできる車両制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る車両制御装置は、変速比が異なるギア段を複数有する変速装置の変速をアクセル操作子の操作量に基づいて行う車両制御装置において、前記アクセル操作子の操作速度が所定の操作速度よりも速い場合には、低速側の前記ギア段への変速時に選択する前記ギア段を制限することを特徴とする。
また、上記車両制御装置において、前記アクセル操作子の操作速度が前記所定の操作速度よりも速い場合に低速側の前記ギア段への変速時に選択する前記ギア段を制限する場合には、前記アクセル操作子の操作量に基づいて算出する目標出力値を達成できる前記ギア段のうち最も高速側の前記ギア段を選択することが好ましい。
また、上記車両制御装置において、前記アクセル操作子の操作速度が前記所定の操作速度よりも速い場合に低速側の前記ギア段への変速時に選択する前記ギア段を制限する場合には、現在の走行状態における最大加速度に対する所定の割合の加速度を実現できる前記ギア段を前記アクセル操作子の操作状態に基づいて選択することが好ましい。
また、上記車両制御装置において、前記アクセル操作子の操作速度が前記所定の操作速度よりも速い場合に低速側の前記ギア段への変速時に選択する前記ギア段を制限する場合には、前記アクセル操作子の操作量に基づいて算出する目標駆動力に対する余裕駆動力を前記アクセル操作子の操作状態に基づいて算出し、前記余裕駆動力を実現できる前記ギア段を選択することが好ましい。
また、上記車両制御装置において、前記アクセル操作子を離す際に前記アクセル操作子の操作速度が前記所定の操作速度よりも速いことにより変速する前記ギア段を制限して低速側の前記ギア段を選択した場合には、前記アクセル操作子を全閉まで離した後に変速を行うことが好ましい。
本発明に係る車両制御装置は、アクセル操作子の操作速度が所定の操作速度よりも速い場合には、低速側のギア段への変速時に選択するギア段を制限するので、より確実に要求加速度を実現できるギア段に変速することができる。これにより、より適切な変速制御を行い、所望の加速度を発生させることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る車両制御装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
〔実施形態〕
図1は、本発明の実施形態に係る車両制御装置が設けられた車両の概略図である。実施形態に係る車両制御装置2を備える車両1は、内燃機関であるエンジン12が動力源として搭載され、エンジン12の動力によって走行可能になっている。このエンジン12には変速装置の一例である自動変速機15が接続されており、エンジン12が発生した動力は、自動変速機15に伝達可能になっている。この自動変速機15は、変速比が異なるギア段を複数有しており、自動変速機15で変速した動力は動力伝達経路を介して、車両1が有する車輪5のうち駆動輪として設けられる左右の後輪7へ駆動力として伝達されることにより、車両1は走行可能になっている。これらのように、エンジン12や自動変速機15等、駆動輪である後輪7に駆動力を伝達可能な装置は、駆動装置10として設けられている。
図1は、本発明の実施形態に係る車両制御装置が設けられた車両の概略図である。実施形態に係る車両制御装置2を備える車両1は、内燃機関であるエンジン12が動力源として搭載され、エンジン12の動力によって走行可能になっている。このエンジン12には変速装置の一例である自動変速機15が接続されており、エンジン12が発生した動力は、自動変速機15に伝達可能になっている。この自動変速機15は、変速比が異なるギア段を複数有しており、自動変速機15で変速した動力は動力伝達経路を介して、車両1が有する車輪5のうち駆動輪として設けられる左右の後輪7へ駆動力として伝達されることにより、車両1は走行可能になっている。これらのように、エンジン12や自動変速機15等、駆動輪である後輪7に駆動力を伝達可能な装置は、駆動装置10として設けられている。
また、車両1には、運転者が操作するアクセル操作子であるアクセルペダル20と、このアクセルペダル20の踏込量であるアクセル開度を検出可能なアクセル開度センサ21とが設けられており、駆動装置10は、アクセル開度に応じた駆動力を発生可能に設けられている。
このように、実施形態に係る車両制御装置2を備える車両1は、エンジン12で発生した動力が後輪7に伝達され、後輪7で駆動力を発生する、いわゆる後輪駆動車となっているが、車両1は、前輪6で駆動力を発生する前輪駆動や、全ての車輪5で駆動力を発生する四輪駆動など、後輪駆動以外の駆動形式であってもよい。また、内燃機関であるエンジン12は、レシプロ式の火花点火内燃機関であってもよく、レシプロ式の圧縮点火内燃機関であってもよい。また、駆動装置10は、動力源として内燃機関以外を使用してもよく、動力源として電動機を用いる電気式の駆動装置10や、エンジン12と電動機との双方を用いるハイブリッド式の駆動装置10であってもよい。
これらのように設けられる駆動装置10を構成するエンジン12や自動変速機15は、車両1に搭載されると共に車両1の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)30に接続されており、エンジン12や自動変速機15は、ECU30により制御されて作動する。また、ECU30には、アクセル開度センサ21も接続されており、アクセルペダル20を操作することにより入力される運転者の要求は、アクセル開度センサ21よりECU30に伝達される。
図2は、図1に示す車両制御装置の要部構成図である。ECU30には、処理部31、記憶部40及び入出力部41が設けられており、これらは互いに接続され、互いに信号の受け渡しが可能になっている。また、ECU30に接続されているエンジン12、自動変速機15、アクセル開度センサ21は、入出力部41に接続されており、入出力部41は、これらのエンジン12等との間で信号の入出力を行う。また、記憶部40には、車両制御装置2を制御するコンピュータプログラムが格納されている。
また、処理部31は、少なくともアクセル開度センサ21での検出結果よりアクセルペダル20の開度であるアクセル開度を取得可能なアクセル開度取得部32と、アクセル開度取得部32で取得したアクセル開度に基づいて駆動装置10の制御量を演算し、駆動装置10の制御を行う駆動装置制御部33と、アクセルペダル20の操作速度が所定の操作速度よりも速いか否かを判定し、アクセルペダル20の操作速度が所定の操作速度よりも速い場合には、駆動装置制御部33で算出した駆動装置10の制御量を補正する制御補正部34と、駆動装置制御部33で算出した制御量に基づいてエンジン12の運転制御を行うエンジン制御部35と、駆動装置制御部33で算出した制御量に基づいて自動変速機15の変速制御を行う変速制御部36と、を有している。
ECU30によって制御される車両制御装置2の制御は、例えば、アクセル開度センサ21等の検出結果に基づいて、処理部31が上記コンピュータプログラムを当該処理部31に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、演算の結果に応じてエンジン12等を作動させることにより制御する。その際に処理部31は、適宜記憶部40へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を実行する。
この実施形態に係る車両制御装置2は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。車両1の走行時には、運転者が操作をするアクセルペダル20の操作量であるアクセル開度をアクセル開度センサ21で検出し、この検出結果を、ECU30の処理部31が有するアクセル開度取得部32で取得する。アクセル開度取得部32で取得したアクセル開度は、ECU30の処理部31が有する駆動装置制御部33に伝達され、駆動装置10で運転者の要求駆動力を発生させる際における制御量の基準になる値であり、車両1の走行時における目標となる出力値である目標出力値を、このアクセル開度に基づいて駆動装置制御部33で算出する。
なお、この目標出力値は、車両1の走行制御を行う際に制御できる値であれば、その種類は問わない。このため、目標出力値としては様々な値を用いることができ、例えば、エンジン12から出力されるトルクや自動変速機15から出力されるトルクを制御する際の目標となるトルクである目標トルク、駆動輪で発生させる駆動力を制御する際の目標となる駆動力である目標駆動力などを、目標出力値として用いることができる。また、これらのような直接的な力の大きさではなく、車両1の走行時における加速度を制御値とし、この加速度の目標値である目標加速度なども、目標出力値として用いることができる。これらのように、車両1を走行させる際に制御できる値であれば、目標出力値として扱うことができる。以下の説明では、目標出力値の一例として、目標加速度を使用する場合について説明する。
駆動装置制御部33で算出した目標加速度は、ECU30の処理部31が有するエンジン制御部35や変速制御部36に伝達される。このうち、エンジン制御部35では、伝達された目標加速度に基づいて、燃料インジェクタ(図示省略)やスロットルバルブ(図示省略)等のエンジン12の各部を制御することにより、エンジン12で発生する動力を制御する。
また、変速制御部36は、駆動装置制御部33から伝達された目標加速度や、走行時の車速を検出する車速センサ(図示省略)での検出結果等に基づいて、運転者の要求駆動力や車速に適したギア段になるように、自動変速機15の変速制御を行う。エンジン制御部35で制御されたエンジン12の動力は、この自動変速機15に伝達され、自動変速機15で車両1の走行状態に適した変速比で変速された後、動力伝達経路を介して後輪7に伝達される。これにより、駆動輪である後輪7は回転し、車両1は、アクセル開度に応じた速度及び駆動力で走行する。
車両1の走行時には、このようにアクセル開度に応じてエンジン12で発生する動力を調節したり、自動変速機15の変速を行ったりするが、これらの動力の制御や変速制御を行う場合は、アクセル開度のみに応じて制御を行うのではなく、アクセルペダル20を操作する際の操作速度も含めて制御する。つまり、本実施形態に係る車両制御装置2では、アクセルペダル20の操作時の操作速度に応じて駆動装置10の制御量のゲインを設定してゲインで駆動装置10の制御量を補正したり、目標となる制御量をオフセットして補正したりしつつ、車両1の走行時の制御を行う。
具体的には、これらの補正は、アクセルペダル20を通常の操作速度で操作を行っていると判断をすることができる速度以上の操作速度でアクセルペダル20の操作を行った場合に行う。例えば、車両1の加速時にアクセルペダル20を踏み込む際において、操作速度が踏み込み時における所定の操作速度よりも速い場合には、ECU30の処理部31が有する制御補正部34は、アクセルペダル20の速踏みを行っていると判定をする。アクセルペダル20の速踏みを行っていると判定した場合には、制御補正部34は目標加速度のゲインを増加させ、駆動装置制御部33は、目標加速度の演算時に、増加させたこの増幅ゲインで目標加速度を補正する。
また、踏み込んだ状態のアクセルペダル20を離す場合における操作速度が、所定の操作速度よりも速い場合には、制御補正部34はアクセルペダル20の速離しを行っていると判定し、この場合は、目標加速度のオフセット量を決定する。駆動装置制御部33は、アクセルペダル20が戻された場合は減速方向の目標加速度を演算するが、アクセルペダル20の速離しを行っていると判定した場合には、減速方向のオフセット量を算出し、減速方向の目標加速度を、このオフセット量でオフセットする。つまり、オフセットによる目標加速度の補正は、目標加速度に対してオフセット量を加算することにより行うが、このオフセット量を加算することによる目標加速度の補正は、目標加速度の絶対値を増加させる補正である増加補正となっている。
なお、アクセルペダル20の操作速度に基づいて、これらのアクセルペダル20の速踏みや速離しを行っているか否かの判定を行う際に用いる所定の操作速度は、予め設定されてECU30の記憶部40に記憶されている。また、この説明で用いられるアクセルペダル20の速踏みとは、アクセルペダル20を踏み込んだ際における操作速度が、記憶部40に記憶されている踏み込み時の所定の操作速度よりも速い状態を示しており、アクセルペダル20の速離しとは、踏み込んだ状態のアクセルペダル20を戻す際における操作速度が、記憶部40に記憶されている戻し時の所定の操作速度よりも速い状態を示している。
図3は、アクセルペダルの速踏みを行った場合における目標加速度の変化を示す説明図である。アクセルペダル20の操作速度が所定の操作速度より速い場合における制御として、まずアクセルペダル20の速踏み時の制御について説明する。車両1の走行中にアクセルペダル20を急激に踏み込むと、アクセルペダル20は、大きな踏み込み速度で、開かれる方向に動作する。制御補正部34は、アクセルペダル20を踏み込む際に、アクセル開度取得部32で取得するアクセル開度の変化の速度と、ECU30の記憶部40に記憶されている、アクセルペダル20の速踏みを行っているか否かの所定の操作速度とを比較することにより、アクセルペダル20の速踏みが行われているか否かを判定する。つまり、制御補正部34は、アクセル開度取得部32で取得するアクセルペダル20の踏み込み速度である速踏み判定値が、記憶部40に記憶されている所定の操作速度よりも速いと判定した場合には、アクセルペダル20の速踏みが行われていると判定する(図3、t1)。この判定について具体的に説明すると、アクセルペダル20の速踏みが行われているか否かを判定する場合は、アクセル開度の変化速度の微分値を用いて行う。この微分値が閾値を超えた場合には、アクセルペダル20の速踏みが行われていると判定する。
この判定により、アクセルペダル20の速踏みが行われていると判定した場合には、制御補正部34は、目標加速度を増加させる際に用いるゲインである増幅ゲインを1よりも大きい値で決定する(図3、t1)。この増幅ゲインは、ECU30の記憶部40に記憶された、アクセルペダル20の操作速度と増幅ゲインとの関係を示すマップや関数に基づいて導出して決定する。増幅ゲインをアクセルペダル20の操作速度に応じて決定する場合には、例えば、アクセル開度の変化速度の微分値と増幅ゲインとの関係を予め設定してマップの状態で記憶部40に記憶させておき、アクセル開度取得部32で取得したアクセル開度に基づいて、この微分値の最大値を取得する構成にし、取得した微分値の最大値とこのマップとに基づいて増幅ゲインを導出してもよく、また、微分値の最大値と増幅ゲインとの関係を示す関数を予め設定し、この関数より増幅ゲインを算出してもよい。このように、アクセルペダル20の速離しや速踏みの判定に使用するアクセル開度の変化速度の微分値は、アクセルペダル20の操作速度として用いられる。
駆動装置制御部33は、駆動装置10で発生する駆動力を算出する際の基準になる目標加速度を、アクセル開度に基づいて算出するが、目標加速度を算出する場合には、アクセル開度取得部32で取得したアクセル開度に基づいて算出した目標加速度を、制御補正部34で決定した増幅ゲインで補正する。このように、アクセルペダル20の速踏みが行われていると判定された場合に増幅ゲインで目標加速度を補正する場合には、速踏み判定が行われて増幅ゲインを1より大きい値に決定した時点から、目標加速度に増幅ゲインを乗じる。これにより、増幅ゲインで補正を行った目標加速度である補正後目標加速度は、補正を行わない場合における目標加速度である補正前目標加速度よりも絶対値が増加する。このため、アクセルペダル20の速踏み時は目標加速度が増幅する。
また、このように増幅ゲインを目標加速度に乗じることによって目標加速度の補正を行っている際に、アクセルペダル20を離し始めた場合は、アクセル開度に応じて増幅ゲインを徐々に減少させる(図3、t3)。この場合、目標加速度は、アクセル開度が小さくなることと、増幅ゲインが減少することとの双方によって小さくなる。つまり、補正前目標加速度は、アクセル開度が小さくなった場合には、アクセル開度に応じて徐々に小さくなるが、補正後目標加速度は、この補正前目標加速度と同様にアクセル開度に応じて徐々に小さくなるのに加え、増幅ゲインが小さくなることによっても小さくなる。このため、増幅ゲインによって補正前目標加速度よりも絶対値の大きさが大きくなっている補正後目標加速度は、補正前目標加速度よりも値が低減する際における変化の度合いが大きくなり、補正前目標加速度と補正後目標加速度との差は、徐々に小さくなる。
アクセルペダル20を戻してアクセル開度が小さくなった場合には、このように目標加速度が徐々に小さくなるが、アクセルペダル20を踏み込まずにこの状態を継続した場合、目標加速度は0になり、即ち、補正前目標加速度は0になる(図3、t5)。
補正後目標加速度は、アクセル開度が小さくなった場合には、補正前目標加速度よりも大きい変化の割合で変化することにより、補正前目標加速度との差が小さくなるが、この補正後目標加速度は、補正前目標加速度が0になる際に、補正後目標加速度も大きさが0になる。つまり、アクセルペダル20の速踏みを行った場合に目標加速度に乗じることにより目標加速度を補正する増幅ゲインを、アクセル開度に応じて変化する目標加速度が0付近になった場合に1にし、目標加速度の絶対値を増加させない状態に戻すことにより、アクセルペダル20の速踏みを行った場合における増加補正の制御を停止する(図3、t5)。ここで、アクセルペダル20の操作速度が速い場合には、目標加速度の変化速度も速いので、目標加速度が正確に0の場合に増幅ゲインを1にするのは困難な場合がある。このため、このような場合を考慮して、ECU30の計算速度や各検出装置の検出速度に応じて、目標加速度がなるべく0に近い状態になったら、増幅ゲインを1にする。
また、このようにアクセルペダル20の速踏み判定時に目標加速度に増幅ゲインを乗じることにより増加補正の制御を行った場合には、現在のアクセル開度が速踏み判定時のアクセル開度を下回る、またはアクセルペダル20を離し始めた際に、増幅ゲインを徐変していき、アクセル開度が0になる時に増幅ゲインを1として、制御を停止する。また、アクセルペダル20の速踏みを行った場合における目標加速度の増加補正は、これら以外に、アクセルペダル20の速離しを行っていると判定された場合にも、制御を停止する。
また、実施形態に係る車両制御装置2は、アクセルペダル20の操作速度が所定の操作速度よりも速いと判定された場合には、自動変速機15の変速の制限を行う。具体的には、アクセルペダル20の速踏みや速離しが行われたと判定された場合には、低速側のギア段への変速時に選択するギア段を制限する。次に、この実施形態に係る車両制御装置2で、アクセルペダル20の速踏みが行われたと判定された場合における変速制御について説明する。
図4は、アクセルペダルの速踏みを行った場合における変速状態を示す説明図である。駆動装置制御部33では、アクセル開度に基づいて目標加速度を算出するが、制御補正部34では、アクセルペダル20の速踏み判定がなされた場合には、駆動装置制御部33で算出した目標加速度を達成できる自動変速機15の複数のギア段のうち、減速比が最も小さいギア段、即ち、最も高速側のギア段である最ハイギア段を選択する。つまり、アクセルペダル20の速踏みを行って、アクセル開度を急激に大きくした場合には、目標加速度が大きくなるので、この場合、制御補正部34は、現在のギア段よりも低速側のギア段のうち、目標加速度を実現可能な最ハイギア段を選択する(図4、t1)。
なお、ここでいう目標加速度は、アクセルペダル20の開度に基づいて算出した目標加速度を、アクセルペダル20の速踏み操作が行われたと判定された場合に、増幅ゲインを乗じることにより補正した後の目標加速度であり、図3における補正後目標加速度を示している。
制御補正部34で選択した最ハイギア段は、ECU30の処理部31が有する変速制御部36に伝達され、変速制御部36で自動変速機15を制御することにより、自動変速機15のギア段を最ハイギア段に変速する。この場合、自動変速機15のギア段は、現在のギア段よりも低速側のギア段になるので、自動変速機15のギア段を最ハイギア段にする場合には、シフトダウンを行うことによって、最ハイギア段に変速する。これにより、目標加速度は達成され、車両1の走行時における実際の加速度である実加速度は、目標加速度に沿った大きさの加速度になる。
アクセルペダル20の速踏みを行い、アクセル開度が急激に大きくなっている場合には、自動変速機15のギア段を最ハイギア段に変速した状態で、アクセル開度に応じた目標加速度を算出するため、目標加速度は増加し、これに伴い実加速度も増加する。
このようにアクセルペダル20を踏み込み、踏み込み量が所定の踏み込み量に到達した場合には、運転者はアクセルペダル20を一定の踏み込み量で維持する。この場合、アクセル開度も、一定の状態が維持される。アクセルペダル20の踏み込み量が一定の状態で維持され、アクセル開度も一定の状態が維持される場合、アクセルペダル20の踏み込み速度は0になる(図4、t2)。この場合、この踏み込み速度は、アクセルペダル20の速踏みを行っているか否かの判定を行う際に用いる操作速度よりも遅くなるが、単に踏み込み速度が、速踏みの判定の基準になる操作速度よりも遅いのみの場合は、最ハイギア段にシフトダウンした状態を継続する。
このアクセルペダル20の速踏みを行っている場合におけるギア段の制御は、制御補正部34でアクセルペダル20の操作速度が、速踏みの判定の基準になる操作速度よりも遅いか否かの判定と、目標加速度が所定の判定閾値を下回っているか否かの判定とに基づいて行う。つまり、アクセルペダル20の踏み込み速度が遅い場合には、運転者の加速要求が低いことを示しており、この場合、目標加速度も低下する場合があるが、制御補正部34は、アクセルペダル20の踏む込み速度が遅くなり、且つ、目標加速度が低下したと判定した場合に、本制御をキャンセルする(図4、t4)。
具体的には、アクセルペダル20の操作速度が、速踏みの判定の基準になる操作速度よりも遅く、且つ、目標加速度が所定の判定閾値を下回っている時間が所定時間経過した場合に、アクセルペダル20の速踏みによる制御をキャンセルし、自動変速機15のシフトアップを行ってギア段を元のギア段に戻す、或いは車速に適したギア段に変速する。
なお、この制御のキャンセルの判断の基準になる目標加速度の判定閾値、及び所定時間は、予め設定されてECU30の記憶部40に記憶されている。また、アクセルペダル20の速踏み時におけるギア段を制限する制御は、目標加速度ではなく、実加速度が所定の判定閾値を下回っている時間が所定時間経過した場合にキャンセルしてもよい。また、この制御は、これら以外に、アクセルペダル20の操作速度が、速踏みの判定の基準になる操作速度よりも遅く、且つ、所定時間内の車速の変動が、所定の設定値を下回った場合に、キャンセルを行ってもよい。
また、実施形態に係る車両制御装置2は、アクセルペダル20の操作速度が所定の操作速度よりも速いと判定された場合には、目標加速度または目標駆動力を動的化する際に設定する応答特性を上げることにより、運転者が要求する駆動力を素早く得られるようにする。つまり、車両制御装置2で駆動装置10を制御する場合には、通常はアクセルペダル20の細かい動きに対して、駆動装置10で発生する駆動力の変動が敏感になり過ぎることを抑制するために、目標加速度を動的化する際に設定する応答特性を比較的緩慢にする。これにより、運転者のアクセルペダル20の操作に対して駆動装置10を制御する際における指令の応答特性が緩やかになるため、駆動力の変化が比較的緩やかになり、アクセルペダル20の操作に対する駆動力の変動が敏感過ぎることに起因して駆動力の調節が困難になったり、ハンチングが発生したりすることを抑制できる。
車両制御装置2での駆動装置10の通常制御時は、このように目標加速度や目標駆動力を動的化する際に設定する応答特性を比較的緩慢にするが、アクセルペダル20の速踏みや速離しが行われた場合には、この応答特性を上げ、アクセルペダル20の操作に対する駆動力の変化を早くする。次に、この実施形態に係る車両制御装置2で、アクセルペダル20の速踏みが行われたと判定された場合における、この応答特性の補正制御について説明する。
図5は、アクセルペダルの速踏みを行った場合における応答特性の補正制御を示す説明図である。駆動装置制御部33は、アクセルペダル20の操作が行われた場合には、アクセル開度や車速に基づいて算出した目標加速度の動的化処理を実行し、動的化処理後の目標加速度に基づいて駆動装置10を制御するが、アクセルペダル20の速踏みが行われたと判定した場合には(図5、t1)、制御補正部34は、この動的化処理の補正を行う。つまり、通常、駆動装置制御部33は、駆動装置10を制御する場合には、目標加速度の動的化処理を実行することによって、アクセル開度の変化に対する目標加速度の変化を緩やかにし、この動的化処理後の目標加速度によって駆動装置10を制御することにより、アクセル開度の変化に対する駆動力の応答特性を比較的緩慢にする。
制御補正部34は、このようにアクセル開度の変化に対する目標加速度の変化を緩やかにする処理である動的化処理を、アクセルペダル20の速踏みが行われたと判定した場合には補正することにより、駆動装置10を制御する際における目標加速度の補正を行う。制御補正部34は、このように動的化処理の補正を介して目標加速度の補正を行うことにより、駆動力の応答特性を上げる。このように駆動力の応答特性を上げる場合には、例えば、駆動装置10を制御する際におけるローパスフィルタのカットオフ周波数を上げることなどによって動的化処理の補正を行い、アクセルペダル20の操作に対する応答特性を上げる。
アクセルペダル20の速踏みが行われたと判定した場合には、このように動的化処理の補正を行うため、動的化処理の補正を行った場合における動的化処理後の目標加速度である補正後目標加速度は、動的化処理の補正を行わない場合における動的化処理後の目標加速度である補正前目標加速度よりも、動的化処理を行う前の目標加速度に対する遅れが小さくなる。つまり、換言すると、アクセルペダル20の速踏みが行われたと判定した場合に、動的化処理の補正を行うことにより、動的化処理を行う前の目標加速度に対する応答特性を向上させる。なお、ここでいう補正前目標加速度は、アクセルペダル20の速踏み時における変速制御(図4)で用いる目標加速度と同様に、アクセルペダル20の開度に基づいて算出した目標加速度に増幅ゲインを乗じることにより補正した後の目標加速度となっている(図3、補正後目標加速度)。
アクセルペダル20の速踏みが行われたと判定した場合には、駆動装置10は、このように動的化処理を補正することを介して目標加速度を補正し、動的化処理後の目標加速度を動的化処理前の目標加速度に近付けることにより、アクセルペダル20の操作に対する加速度、或いは駆動力の応答特性を上げることができる。
このように、アクセルペダル20の速踏みを行ったと判定された場合に、目標加速度に施す動的化処理を補正することを介して目標加速度の補正を行う制御は、アクセルペダル20の速踏み時における変速制御と同様に、アクセルペダル20の操作速度が、速踏みの判定の基準になる操作速度よりも遅く、且つ、補正後目標加速度が所定の判定閾値を下回っている時間が所定時間経過した場合に制御をキャンセルする(図5、t4)。このアクセルペダル20の速踏みや速離しの判定時に応答特性を上げる制御は、アクセルペダル20を全閉にした場合にも、制御をキャンセルする。
なお、このように、アクセルペダル20の速踏み判定時に応答特性を上げる制御は、アクセルペダル20の速踏み判定時における変速制御と同様に、目標加速度ではなく、実加速度が所定の判定閾値を下回っている時間が所定時間経過した場合にキャンセルしてもよい。また、この制御は、これら以外に、アクセルペダル20の操作速度が、速踏みや速離しの判定の基準になる操作速度よりも遅く、且つ、所定時間内の車速の変動が、所定の設定値を下回った場合に、キャンセルを行ってもよい。
アクセルペダル20の速踏みを行った場合には、上述したように、増幅ゲインで目標加速度を増加補正することにより、目標加速度の絶対値を増加させるが、このようにアクセルペダル20の速踏み時に目標加速度の絶対値を増加させる場合には、エンジン12の点火時期を早めたり、燃料の噴射量を増量したりすることにより、エンジン12のトルクを増加させる。さらに、エンジン12には、様々な補機が用いられているが、目標加速度の絶対値を増加させる場合には、必要に応じて、エンジン12で発生した動力が駆動力として用いられる際に駆動力の変動に影響のある補機の調節を行うことにより加速度を調節する。
図6は、アクセルペダルの速踏みを行った場合におけるオルタトルクの調節制御を示す説明図である。例えば、エンジン12には、車両1が有する各電気部品で使用する電気を、エンジン12で発生するトルクによって発電可能な補機であるオルタネータ(図示省略)が備えられているが、アクセルペダル20の速踏み時には、このオルタネータを制御することにより、加速度を調節する。つまり、オルタネータは、エンジン12で発生したトルクによって発電をするため、オルタネータで発電を行う場合には、エンジン12で発生した動力の一部を消費する。このため、オルタネータでの発電量を低下させた場合には、オルタネータの作動に用いられていた分のエンジン12のトルクが、駆動力として使用されることになり、これに従い、エンジン12から駆動輪に伝達されるトルクが増加することになる。
このように、オルタネータの発電量を調節することに伴い変化するトルクであるオルタトルクは、エンジン12で発生する動力を調節する際における動力の変化速度よりも速い速度で変化する。このため、アクセルペダル20の速踏みを行っていると判定された場合には、オルタトルクを用いて、駆動力の応答性を向上させる。
即ち、図6に示すように、アクセルペダル20を踏み込んだ際に、踏み込み速度が所定の操作速度よりも速いことによりアクセルペダル20の速踏みを行っていると判定される状況の場合は(図6、t1)、運転者が要求する要求トルクの増加の速度も速くなっているが、この場合、エンジン12で発生するトルクを増加させつつ、オルタトルクも増加させる。これにより、実際に駆動輪側に向けて発生するトルクである発生トルクは立ち上がりが良くなるため、アクセルペダル20を踏み込んだ直後に増加する。その後、エンジン12で発生するトルクが増加したら、オルタトルクを低減させ(図6、t2)、エンジン12で発生するトルクにより要求トルクを実現する。
これらのように、トルクの補正に用いたオルタトルクは、エンジン12単体で目標の駆動力を達成できるようになった場合には、トルクの変動を出さないようにエンジン12のトルクと協調させながら徐変していき、適切な発電量を発生させることができるようにオルタネータを作動させる。アクセルペダル20の速踏みが行われたと判定された場合には、必要に応じて、このようにエンジン12で発生させるトルクとオルタトルクとの協調制御を行う。
図7は、アクセルペダルの速離しを行った場合における目標加速度の変化を示す説明図である。アクセルペダル20の速踏みを行った場合には、これらの制御を行うが、アクセルペダル20の操作速度が所定の操作速度より速い場合における制御として、次に、アクセルペダル20の速離しを行った場合における制御について説明する。車両1の走行中にアクセルペダル20を一気に全閉まで離すと、アクセルペダル20は、大きな離し速度で、閉じられる方向に動作する。制御補正部34は、アクセルペダル20を離す際に、アクセル開度取得部32で取得するアクセル開度の変化の速度と、ECU30の記憶部40に記憶されている、アクセルペダル20の速離しを行っているか否かの所定の操作速度とを比較することにより、アクセルペダル20の速離しが行われているか否かを判定する。つまり、制御補正部34は、アクセル開度取得部32で取得するアクセルペダル20の離し速度である速離し判定値が、記憶部40に記憶されている所定の操作速度よりも速いと判定した場合には、アクセルペダル20の速離しが行われていると判定する(図7、t1)。
この判定により、アクセルペダル20の速離しが行われていると判定した場合には、制御補正部34は、目標加速度の補正量である補正加速度を決定する(図7、t1)。つまり、制御補正部34は、目標加速度の絶対値を増加させる場合における目標加速度のオフセット量である補正加速度を、アクセルペダル20の操作速度や車速等に基づいて決定する。
この補正加速度は、目標加速度の絶対値を増加させる場合における目標加速度のオフセット量であるため、アクセルペダル20が踏み込まれることにより目標加速度が増加する場合における補正加速度は、目標加速度を増加させる値になり、符号が正になる。反対に、踏み込まれた状態のアクセルペダル20が戻されることにより目標加速度が低下する場合における補正加速度は、目標加速度を低下させる値になり、符号が負になる。このため、例えば、図7で示すようにアクセルペダル20の速離しが行われていると判定した場合における補正加速度の符号は、現在の目標加速度の符号に関わらず負になり、補正加速度は目標加速度を減じる値になる。換言すると、アクセルペダル20が戻される場合に値が低減する目標加速度を目標減速度とし、この目標減速度を増加させる補正加速度を補正減速度とすると、アクセルペダル20が戻される場合に増加する目標減速度を増加させる補正減速度は、符号が正になる。
なお、この補正加速度は、予め一定の値を設定してECU30の記憶部40に記憶させておいてもよく、上述したようにアクセルペダル20の操作速度に応じて変化させてもよい。補正加速度を操作速度等に応じて変化させる場合には、例えば、アクセルペダル20の操作速度や車速等と補正加速度との関係を予め設定してマップの状態で記憶部40に記憶させておき、速離し判定時のアクセルペダル20の操作速度等とこのマップとに基づいて補正加速度を導出してもよく、また、操作速度や車速等と補正加速度との関係を示す関数を予め設定し、この関数より補正加速度を算出してもよい。
駆動装置制御部33は、駆動装置10で発生する駆動力を算出する際の基準になる目標加速度を、アクセル開度に基づいて算出するが、目標加速度を算出する場合には、アクセル開度取得部32で取得したアクセル開度に基づいて算出した目標加速度に、制御補正部34で決定した補正加速度で加算して絶対値が増加する方向に目標加速度をオフセットすることにより、目標加速度を補正する(図7、t1)。このように補正加速度によって目標加速度をオフセットする場合には、アクセルペダル20の速離しを行っていると制御補正部34で判定をした直後にオフセットし、目標加速度の補正を行う。
つまり、駆動装置制御部33では、アクセル開度取得部32で取得したアクセル開度に基づいて目標加速度を算出するが、このようにアクセル開度に基づいて算出し、制御補正部34で補正を行う前の目標加速度である補正前目標加速度に、補正加速度を加算する。これにより、補正前目標加速度を補正加速度の分だけオフセットさせて絶対値を増加させ、補正後の目標加速度である補正後目標加速度を算出し、目標加速度の絶対値を増加させる補正を行う。換言すると、アクセルペダル20の速離しを行った場合には、目標減速度を補正減速度によって増加させる。
アクセルペダル20の速離しを行った場合には、このように目標加速度の補正を行うが、アクセルペダル20を全閉まで離した場合には、アクセルペダル20は全閉の状態が維持されるため、アクセルペダル20の離し速度は0になる(図7、t2)。この場合、この離し速度は、アクセルペダル20の速離しを行っているか否かの判定を行う際に用いる操作速度よりも遅くなるが、アクセルペダル20を再度踏み込むまでは、補正前目標加速度に補正加速度を加算し続け、目標加速度の補正を行い続ける。
アクセルペダル20の速離しを全閉まで行い、目標加速度の補正を行っている状態でアクセルペダル20を踏み込み、アクセル開度が再び大きくなった場合には、速離しによる制御をキャンセルする。即ち、アクセルペダル20の速離し後、アクセルペダル20を全閉の状態から再度踏み込んだ瞬間に、補正加速度を0にすることにより、目標加速度の絶対値を増加させる増加補正を停止する(図7、t3)。これにより、目標加速度は補正が行われなくなるため、補正後目標加速度は補正前目標加速度と同じ大きさになり、目標加速度は、アクセル開度に応じた大きさになる。
さらに、この場合、アクセルペダル20を踏み込んでアクセル開度が大きくなっている状態なので、アクセル開度に基づいて算出する目標加速度も大きくなり、目標加速度は、アクセル開度の大きさに適した大きさまで増加する。
また、アクセルペダル20を踏み込み、アクセル開度が所定の大きさになっている場合において、アクセルペダル20を全閉の手前まで離した場合でも、離し速度が、アクセルペダル20の速離しを行っていると判定をすることができる操作速度よりも速い場合には、全閉時と同様な手法で補正加速度を決定する。この場合も、目標加速度を補正加速度分オフセットすることにより、目標加速度の絶対値を増加させる(図7、t4)。
その後、アクセルペダル20を踏み込んだ場合には、アクセルペダル20が全閉の状態から踏む込む場合と異なり、補正後目標加速度は、徐々に増加させる(図7、t6)。詳しくは、アクセルペダル20の速離し時に全閉まで離さなかった場合において、アクセルペダル20を再度踏み込んだ場合には、補正後目標加速度は、0になるまで徐々に増加させ、0になるタイミングが補正前目標加速度と同じタイミングで0になるようにする。
例えば、アクセルペダル20の再踏み増し時のアクセル開度を10%等に予め設定し、再踏み増しの開度が設定した開度になったら、補正後目標加速度をアクセル開度に応じて大きくし、さらに、符号が負の状態の補正加速度を徐々に大きくし、補正加速度の絶対値を徐々に低減して0に近づけることにより、補正後目標加速度の補正量も低減する(図7、t6)。これにより、補正後目標加速度は、0未満の状態から、目標加速度=0になるまで徐変する。
アクセルペダル20を全閉まで戻さずに速離しを行った後に再踏み込みをした場合には、このように徐々に増加する補正後目標加速度が0に到達した瞬間に、アクセルペダル20の速離しによる制御をキャンセルして補正加速度を0にする(図7、t7)。補正加速度を0にした場合は、目標加速度の補正が行われなくなるため、目標加速度は、アクセル開度に応じた大きさに算出される。
なお、アクセルペダル20を全閉まで速離しを行った場合における目標加速度の増加補正も、アクセルペダル20を全閉まで離さずに速離しを行った場合と同様な制御によって停止させてもよい。つまり、アクセルペダル20を全閉まで速離しを行った場合でも、補正加速度を徐変させることにより、補正後目標加速度が0未満の状態から0になるまで補正後目標加速度を徐変させ、0になったら速離しによる制御をキャンセルしてもよい。また、アクセルペダル20を全閉まで速離しを行った場合における目標加速度の増加補正は、これら以外に、アクセルペダル20の速踏みを行っていると判定された場合など、アクセルペダル20の操作、または車両1の加速度に関する他の制御の判定が行われた場合にもキャンセルをする。これらのように、目標加速度の増加補正は、アクセルペダル20の操作態様に応じて停止する。
また、このようにアクセルペダル20の速離し判定が行われた場合も、アクセルペダル20の速踏み判定が行われた場合と同様に、自動変速機15のギア段を最ハイギア段に変速する。つまり、アクセルペダル20を離すということは、運転者に減速の意思があることを示しているが、アクセルペダル20の速離しを行った場合には、大きな減速度を要求している場合が多い。このため、この場合も、この要求減速度を目標加速度として、この目標加速度を達成できるギア段のうち、最も高速側のギア段である最ハイギア段を選択し、最ハイギア段にシフトダウンをする。
ここで、このようにアクセルペダル20の速離し時における最ハイギア段へのシフトダウンは、アクセルペダル20を全閉まで離してから行う。即ち、アクセルペダル20を全閉まで離さず、踏んでいる状態の場合には、アクセルペダル20の速離しを行ったと判定された場合でもシフトダウンは行わず、また、シフトアップも禁止し、アクセルペダル20を全閉まで離してから、最ハイギア段に変速する。
アクセルペダル20の速離しを行った場合には、上述したように、目標加速度をオフセットして増加補正することにより、目標加速度の絶対値を増加させるが、このようにアクセルペダル20の速離し時に目標加速度の絶対値を増加させる場合には、エンジン12の点火時期を遅角させたり、燃料の噴射量を減量したりすることにより、エンジン12のトルクを低減させる。さらに、このようにアクセルペダル20の速離しを行った場合には、減速時におけるフューエルカットのタイミングが通常の減速時よりも早くなるように制御を行うことにより、減速度が大きくなるタイミングを早める。
図8は、アクセルペダルの速離しを行った場合におけるフューエルカットの状態を示す説明図である。つまり、アクセルペダル20を戻した場合は、エンジン制御部35でエンジン12を制御する際に、アクセル開度に応じてエンジントルクを低減するが、アクセルペダル20の速離し時には、このエンジントルクを低減するタイミングを早める。具体的には、図8に示すように、踏み込んだ状態のアクセルペダル20を戻した際におけるアクセルペダル20の離し速度が所定の操作速度以上である場合には、制御補正部34はアクセルペダル20の速離しを行っていると判定し、速離しフラグをONの状態に切り替える(図8、t1)。
なお、この速離しフラグは、アクセルペダル20の速離しが行われているか否かを示すフラグとしてECU30の記憶部40に記憶されており、アクセルペダル20の速離しが行われたと判定された場合には制御補正部34でONに切り替え、アクセルペダル20の速離しが行われていない場合はOFFに切り替える。
このように、速離しフラグがONに切り替えられた場合には、エンジン制御部35でエンジン12の点火時期を制御し、速離しフラグがOFFの場合と比較して点火時期を遅角側に補正する(図8、t2)。点火時期を遅角にした場合にはエンジン12のトルクは低下するので、この点火時期の補正後のエンジントルクである補正後エンジントルクは、点火時期の補正前のエンジントルク、即ち点火時期の補正を行わない場合におけるエンジントルクである補正前エンジントルクよりも、トルクの低下の速度が速くなる。
アクセル開度が小さくなることによってエンジン12で発生する動力を低下させる場合には、エンジントルクが所定の大きさ以下になる等、所定の条件が成立した場合に、燃料の供給を停止する制御であるフューエルカットを行うが、点火時期を遅角補正することによりエンジントルクを早期に低下させた場合には、フューエルカットのタイミングも早くなる。このフューエルカットは、フューエルカットの実行条件が成立しているか否かを示すフラグであるフューエルカットフラグがONの場合に実行するが、このフューエルカットフラグは、エンジントルクが所定の大きさ以下になった場合にOFFからONに切り替えられる。
エンジントルクは、補正前エンジントルクよりも、補正後エンジントルクの方がトルクの低下の速度が速くなるため、エンジントルクが所定の大きさ以下になった場合にOFFからONに切り替えられるフューエルカットフラグは、点火時期の補正の状態によってONに切り替えられるタイミングが異なる。つまり、点火時期の遅角補正を行った場合におけるフューエルカットフラグである補正後フューエルカットフラグは、補正後エンジントルクが所定の大きさ以下になった場合にOFFからONに切り替えられるため、この補正後フューエルカットフラグは、点火時期の遅角補正を行っていない場合におけるフューエルカットフラグである補正前フューエルカットフラグよりも、早いタイミングでOFFからONに切り替えられる(図8、t3)。
アクセルペダル20の速離しを行ったと判定された場合には、通常の運転時と比較してエンジン12の点火時期を遅角補正することにより、フューエルカットを行う前の点火時期の遅角によるエンジントルクのトルクダウンのスピードが速まるので、フューエルカットフラグがONに切り替えられるタイミングが、通常の点火時期の場合よりも早くなる。これにより、アクセルペダル20の速離しを行ったと判定された場合における減速時のフューエルカットのタイミングは、アクセルペダル20の速離しを行ったと判定されていない場合における減速時のフューエルカットのタイミングよりも早くなる。従って、減速方向の加速度である減速度が大きくなるタイミングが早くなる。
また、これらのようにアクセルペダル20の速離し判定が行われた場合も、アクセルペダル20の速踏み判定が行われた場合と同様に、目標加速度の動的化処理の補正を行い、動的化処理を行う前の目標加速度に対する応答特性を向上させる(図5参照)。
以上の実施形態に係る車両制御装置2は、自動変速機15の変速をアクセルペダル20の操作量に基づいて行い、アクセルペダル20の操作速度が所定の操作速度よりも速い場合には、現在のギア段よりも低速側のギア段への変速時に選択するギア段を制限するので、より適切な変速を行うことができる。つまり、アクセルペダル20の操作速度が速い場合は、アクセルペダル20を通常の操作速度で操作する場合とは異なる加速度が要求される場合がある。このため、アクセルペダル20の操作速度が所定の操作速度よりも速い場合には、低速側への変速時におけるギア段を制限することにより、より確実に要求加速度を実現できるギア段に変速することができる。この結果、より適切な変速制御を行い、所望の加速度を発生させることができる。
また、アクセルペダル20の操作速度が速い場合に、アクセルペダル20を通常の操作速度で操作する場合とは異なる制御を、ギア段を制限することによって行うので、加速度に段付きが発生するなどの不具合を生じさせることなく、アクセルペダル20の操作速度が速い場合に適した制御を行うことができる。この結果、車両1の運転時における違和感を抑制しつつ、所望の加速度を発生させることができる。
また、アクセルペダル20の操作速度が所定の操作速度よりも速い場合に、低速側のギア段への変速時に選択するギア段を制限する場合には、目標加速度を達成できるギア段のうち最も高速側のギア段である最ハイギア段を選択するので、目標加速度を達成できるギア段の中で、燃費の良いギア段を選択することができる。この結果、燃費の向上を図りつつ、所望の加速度を発生させることができる。
また、アクセルペダル20の速離しを行っていることにより、最ハイギア段を選択した場合には、アクセルペダル20を全閉まで離した後に変速を行うので、違和感を発生することなく変速することができる。つまり、アクセルペダル20の速離しを行っている場合には、シフトダウンさせてエンジンブレーキを強くすることによって、より減速させるが、アクセルペダル20を踏み込んでいる状態で減速時のシフトダウンを行った場合、運転者は違和感を覚える。このため、アクセルペダル20の速離し時に、最ハイギア段を選択した場合は、アクセルペダル20を全閉にした後に変速を行うことにより、違和感を覚えることなく変速することができる。この結果、より確実に、車両1の運転時における違和感を抑制しつつ所望の加速度を発生させることができる。
また、アクセルペダル20の速離しを行っていると判定した場合には、シフトアップを禁止するので、変速が頻繁に行われることを抑制することができる。つまり、アクセルペダル20の速離しを行っていると判定した場合には、アクセルペダル20が全閉になったら最ハイギア段にシフトダウンするので、アクセルペダル20を全閉までは離さないが、踏み込んだ状態のアクセルペダル20を離した際にシフトアップを行った場合には、シフトアップの直後にシフトダウンが行われることになる。この場合、変速のハンチングが発生し、運転者は違和感を覚えるが、アクセルペダル20の速離しを行っていると判定した場合にはシフトアップを禁止することにより、変速のハンチングを抑制することができる。この結果、車両1の運転時における違和感を、より確実に抑制することができる。
また、アクセルペダル20の速離しを行っていると判定した場合にのみ、最ハイギア段を選択するので、変速制御を適切に行うことができる。例えば、アクセルペダル20を踏んでいる状態からアクセルペダル20を離した場合は、目標加速度は正から負に移行するため、目標加速度は一時的に0になるが、目標加速度が0の状態は、全てのギア段で実現することができる。このため、常に、目標加速度を実現できるギア段の最ハイギア段を選択するようにすると、最も高いギア段までシフトアップしてしまうが、アクセルペダル20の速踏みや速離しを行った場合だけ、最ハイギア段を選択するようにすることにより、変速制御を適切に行うことができる。この結果、適切な変速制御を行いつつ、必要に応じて最ハイギア段を選択することにより、燃費の向上を図ることができる。
また、単にアクセル開度と車速とからギア段を選択した場合には、アクセル開度に基づいて目標加速度を算出しても、選択したギア段では目標加速度を達成できない場合があるが、最ハイギア段は、目標加速度を実現できるギア段の中から選択するので、確実に目標加速度を達成することができる。この結果、より確実に所望の加速度を発生させることができる。
また、アクセルペダル20の速離しが行われたと判定した場合には、通常時の減速時よりも早いタイミングでフューエルカットを行っているが、このように早いタイミングでフューエルカットを行った場合には、通常の減速時よりも急激に減速度が大きくなる。このため、減速時のショックが大きくなる場合があるが、運転者が速離しを行う場合は、ショックよりもレスポンスを優先させることが多くなっている。従って、アクセルペダル20の速離しが行われたと判定した場合に、フューエルカットのタイミングが早くなるように制御を行うことにより、車両1の走行時のショックの抑制よりも、レスポンスを優先させて減速することができる。また、フューエルカットに入るタイミングが早くなることにより、燃料消費量を低減させることができる。これらの結果、適切に減速時のレスポンスを向上させることができると共に、燃費を向上させることができる。
なお、実施形態に係る車両制御装置2では、アクセルペダル20の速踏みや速離しが行われたと判定した場合には、即座に目標加速度の増加補正を行っているが、増加補正は、目標加速度の状態に基づいて開始してもよい。
図9は、目標加速度の状態に基づいて補正を開始する場合における説明図である。アクセルペダル20の速踏みや速離しが行われた場合に、目標加速度の状態に基づいて、目標加速度の増加補正を開始する場合の一例として、アクセルペダル20の速離し時の制御について説明する。アクセルペダル20が大きな離し速度で閉じられる方向に動作すると、実施形態に係る車両制御装置2と同様に、制御補正部34は、アクセル開度取得部32で取得するアクセル開度の変化の速度に基づいて、アクセルペダル20の速離しが行われていると判定する(図9、t1)。
この判定により、アクセルペダル20の速離しが行われていると判定した場合には、制御補正部34は、目標加速度を増加させる際に用いるゲインである増幅ゲインを1よりも大きい値で決定する(図9、t1)。なお、この増幅ゲインは、予め一定の値を設定してECU30の記憶部40に記憶させておいてもよく、アクセルペダル20の操作速度に応じて変化させてもよい。増幅ゲインを操作速度に応じて変化させる場合には、アクセルペダル20の速踏み判定時に増幅ゲインを決定する場合と同様に、予め設定してECU30の記憶部40に記憶させたマップや関数等を用いて、アクセルペダル20の操作速度に応じた増幅ゲインを導出する。
駆動装置制御部33は、駆動装置10で発生する駆動力を算出する際の基準になる目標加速度を、アクセル開度に基づいて算出するが、目標加速度を算出する場合には、アクセル開度取得部32で取得したアクセル開度に基づいて算出した目標加速度を、制御補正部34で決定した増幅ゲインで補正する。ここで、このように増幅ゲインで目標加速度を補正する場合には、実施形態に係る車両制御装置2での補正時とは異なり、駆動装置制御部33は、目標加速度が0km/s2未満になってから補正を行う。
つまり、アクセルペダル20を踏み込んで加速している状態からアクセルペダル20を離した場合、目標加速度が徐々に減少し、0km/s2未満になって目標加速度の符号が正から負に反転した際に減速度が発生する状態になるが、アクセルペダル20の速離し時に目標加速度の補正する場合には、このように目標加速度の符号が反転してから、目標加速度に増幅ゲインを乗じる。
これにより、増幅ゲインで補正を行った目標加速度である補正後目標加速度は、補正を行わない場合における目標加速度である補正前目標加速度よりも、目標加速度が0km/s2未満になってから、即ち、符号が負になってからの絶対値の大きさが大きくなる。このように、目標加速度は減速度が発生してから補正が行われるので、換言すると、アクセルペダル20の速離しを行った場合には、減速時の目標となる減速度である目標減速度を増幅ゲインによって増幅する。
このように、アクセルペダル20の速離しを行った場合における増幅ゲインによる目標加速度の補正は、実施形態に係る車両制御装置2でのアクセルペダル20の速離し判定時に目標加速度の補正を行う場合と同様に、アクセルペダル20を再度踏み込むまで増幅ゲインを目標加速度に乗じ続け、目標加速度の補正を行い続ける。この状態の目標加速度の補正は、アクセルペダル20を踏み込み、アクセル開度が再び大きくなった場合に、目標加速度に乗じる増幅ゲインを1にすることにより、速離しによる制御をキャンセルする(図9、t3)。これにより、目標加速度は補正が行われなくなるため、補正後目標加速度は補正前目標加速度と同じ大きさになり、目標加速度は、アクセル開度に応じた大きさになる。
さらに、この場合、アクセルペダル20を踏み込んでアクセル開度が大きくなっている状態なので、アクセル開度に基づいて算出する目標加速度も大きくなる。つまり、符号が負となって減速方向の加速度になっている目標加速度の値が大きくなり、符号が負から正に反転して加速方向の加速度になる。このように変化する目標加速度は、アクセル開度の大きさに適した大きさまで増加する。
また、アクセルペダル20を全閉の手前まで離した場合における離し速度が、アクセルペダル20の速離しを行っていると判定をすることができる操作速度よりも速い場合も、同様な手法で目標加速度の増幅ゲインを1よりも大きい値で決定する(図9、t4)。この場合も、アクセルペダル20を全閉まで離した場合と同様に、目標加速度の符号が正から負に反転してから目標加速度に増幅ゲインを乗じる。これにより、補正後目標加速度は、補正前目標加速度よりも、目標加速度が0km/s2未満になってからの絶対値の大きさが大きくなり、目標減速度が増幅される。
その後、アクセルペダル20を踏み込んだ場合には、実施形態に係る車両制御装置2におけるアクセルペダル20の速離し判定時に、補正加速度で目標加速度の補正を行う場合と同様に、補正後目標加速度を、0になるまで徐々に増加させ、0になるタイミングが補正前目標加速度と同じタイミングで0になるようにする。
つまり、例えば、アクセルペダル20の再踏み増し時のアクセル開度を10%等に予め設定し、再踏み増しの開度が設定した開度になったら、補正後目標加速度をアクセル開度に応じて大きくし、さらに、増幅ゲインを徐々に小さくすることにより、補正後目標加速度の補正量も低減する。これにより、補正後目標加速度は、0未満の状態から、目標加速度=0になるまで徐変する。
アクセルペダル20を全閉まで戻さずに速離しを行った後に再踏み込みをした場合には、このように徐々に増加する補正後目標加速度が0に到達した瞬間に、アクセルペダル20の速離しによる制御をキャンセルして増幅ゲインを1にし、目標加速度の増加補正を停止する(図9、t7)。増幅ゲインを1にした場合は、目標加速度の補正が行われなくなるため、目標加速度は、アクセル開度に応じた大きさに算出される。
なお、アクセルペダル20を全閉まで速離しを行った場合における目標加速度の増加補正も、アクセルペダル20を全閉まで離さずに速離しを行った場合と同様な制御によって停止させてもよい。つまり、アクセルペダル20を全閉まで速離しを行った場合でも、増幅ゲインを徐々に小さくすることにより、補正後目標加速度が0未満の状態から0になるまで補正後目標加速度を徐変させ、0になったら速離しによる制御をキャンセルしてもよい。また、アクセルペダル20を全閉まで速離しを行った場合における目標加速度の増加補正は、これら以外に、アクセルペダル20の速踏みを行っていると判定された場合など、アクセルペダル20の操作、または車両1の加速度に関する他の制御の判定が行われた場合にもキャンセルをする。これらのように、目標加速度の増加補正は、アクセルペダル20の操作態様に応じて停止する。
このように、目標加速度に増幅ゲインを乗じることによって目標加速度の補正を行う際に、増幅ゲインは、目標加速度の符号が反転してから乗じるため、目標加速度に増幅ゲインを乗じることによる目標加速度の絶対値の増加は、目標加速度が加速状態から減速状態に移行する際、または減速状態から加速状態に移行する際に行うことができる。これにより、アクセルペダル20の操作速度が速いことにより、目標加速度の絶対値を増加させる場合には、加速度の向きが変化する際に増加させることができるので、加速度を増加させる際に段付きが発生することを抑制することができる。これらの結果、車両1の運転時における違和感を抑制しつつ、所望の加速度を発生させることができる。
また、実施形態に係る車両制御装置2では、アクセルペダル20の速踏みや速離しが行われた場合において、低速側のギア段への変速時に選択するギア段を制限して自動変速機15の変速制御を行う場合は、最ハイギア段を選択しているが、最ハイギア段以外によってギア段を制限してもよい。図10は、最大加速度のパーセント指定を行うことにより、ギア段を選択する場合における説明図である。アクセルペダル20の速踏みや速離しが行われた場合に、最ハイギア段以外を選択することによって変速するギア段を制限する場合における変速制御の一例として、アクセルペダル20の速踏み時の制御について説明する。このような変速制御としては、例えば、アクセルペダル20の速踏みが行われていると判定された場合に、目標加速度を達成できるギア段である最ハイギア段を選択するのではなく、目標加速度に対して、さらに達成できる加速度に余裕があるギア段を選択する。
具体的には、制御補正部34は、現在の走行状態において発生可能な最大加速度を、車速センサで検出する車速等に基づいて算出し、この最大加速度の何%の加速度を得たいかを、アクセル開度取得部32で取得するアクセルペダル20の操作状態であるアクセル開度に基づいて算出する。なお、この算出は、予め車速に対する最大加速度が設定され、さらに、車速ごとのアクセル開度と求める加速度の最大加速度に対するパーセンテージとの関係が予め設定されて、マップの状態でECU30の記憶部40に記憶されており、制御補正部34は、このマップと検出した車速やアクセル開度とより、現在のアクセル開度に応じた最大加速度に対するパーセンテージを算出する。つまり、制御補正部34は、マップを用いてこの演算を行うことにより、アクセル開度に応じて最大加速度の何%を得たいかを指定する(図10、t1)。
制御補正部34は、このようにアクセル開度に基づいて、最大加速度に対するパーセンテージを指定するが、このパーセンテージによって示される加速度は、アクセル開度より算出される目標加速度や、増加補正が行われた目標加速度よりも大きい値になっている。
制御補正部34は、このようにアクセル開度より最大加速度に対するパーセンテージを算出して最大加速度の何%を得たいかを指定し、指定した最大加速度に対する割合で示される加速度を実現できるギア段を選択する。このギア段は、最大加速度に対するパーセンテージを指定することによって示される加速度が目標加速度よりも大きい値になっているため、実施形態に係る車両制御装置2による制御で用いられる最ハイギア段よりも低速側のギア段か、または最ハイギア段と同じギア段になっている。
このように、制御補正部34で選択したギア段は変速制御部36に伝達され、変速制御部36で自動変速機15を制御することにより、自動変速機15はこのギア段に変速する。この場合、自動変速機15をシフトダウンすることにより変速するが、このギア段は、現在のギア段よりも低速側のギア段になり、さらに、最ハイギア段以下のギア段であるため、変速後の車両1は、目標加速度以上の加速度を発生させることが可能な状態になる。このため、このギア段でアクセルペダル20をさらに踏み増した場合には、この制御において算出した目標加速度以上の加速度を発生させることができる。
このように、アクセルペダル20の速踏みを行ったと判定された場合に最大加速度に対するパーセント指定をしてギア段を変速する制御は、実施形態に係る車両制御装置2における最ハイギア段に変速する場合における制御時と同様に、アクセルペダル20の操作速度が、速踏みの判定の基準になる操作速度よりも遅く、且つ、目標加速度が所定の判定閾値を下回っている時間が所定時間経過した場合に制御をキャンセルする(図10、t4)。
このように、アクセルペダル20の操作速度が所定の操作速度よりも速い場合に、低速側のギア段への変速時に選択するギア段を制限する場合に、アクセルペダル20の操作状態に基づいて最大加速度に対する割合を指定してギア段を選択することにより、ある程度駆動力に余裕があるギア段を選択することができる。このため、自動変速機15のギア段の変速後に、アクセルペダル20をさらに踏み増した場合でも、踏み増し後のアクセル開度に対応した駆動力を、選択したギア段で発生することができる。この結果、ギア段の変速回数の増加を抑制しつつ、所望の加速度を発生させることができる。
また、低速側のギア段への変速時に選択するギア段を制限して自動変速機15の変速制御を行う場合に、最ハイギア段以外を用いてギア段を選択する場合は、最大加速度に対するパーセント指定以外により行ってもよい。図11は、余裕駆動力の指定を行うことにより、ギア段を選択する場合における説明図である。アクセルペダル20の速踏みや速離しの判定時に低速側のギア段への変速時に選択するギア段を制限して変速制御を行う際に、最ハイギア段以外によってギア段を選択する場合における別の例について説明すると、アクセルペダル20の速踏みや速離しを行っていると判定された場合には、余裕駆動力を用いてギア段を選択してもよい。例えば、アクセルペダル20の速踏み時における制御について説明すると、図11に示すように、アクセルペダル20の踏み込み速度が所定の操作速度よりも速いと判定された場合には、駆動力に基づいてギア段を選択してもよい。
具体的には、この場合は、アクセルペダル20の速踏みを行っていると判定された場合には、まず、アクセル開度に基づいて算出される目標加速度、または増加補正後の目標加速度より、この目標加速度を実現できる駆動力である目標駆動力を制御補正部34で算出する。さらに、アクセルペダル20の速踏みの判定を行った場合におけるアクセルペダル20の操作状態であるアクセル開度に基づいて、この目標駆動力に対してどれだけの余裕駆動力が欲しいかを、制御補正部34で算出する。この場合における算出も、最大加速度に対するパーセンテージを指定する場合における算出と同様に、ECU30の記憶部40に記憶されている設定値に基づいて行う。
つまり、ECU30の記憶部40には、車速ごとのアクセル開度と余裕駆動力との関係が予め設定されてマップの状態で記憶されており、制御補正部34は、このマップと検出した車速やアクセル開度とより、現在のアクセル開度に応じた余裕駆動力を算出する。即ち、制御補正部34は、マップを用いてこの演算を行うことにより、アクセル開度に応じて、目標駆動力に対してどの程度の余裕駆動力を得たいかを指定する。この余裕駆動力の指定は、目標駆動力に対する%などの割合や、目標駆動力に対して何Nm得たいかなどの数値等によって指定する(図11、t1)。
制御補正部34は、このようにアクセル開度に基づいて、目標駆動力に対する余裕駆動力を指定するが、この余裕駆動力によって発生可能な加速度は、アクセル開度より算出される目標駆動力によって発生可能な加速度である目標加速度や、増加補正が行われた目標加速度よりも大きい値になっている。
制御補正部34は、このようにアクセル開度より目標駆動力に対する余裕駆動力を算出して指定し、指定した余裕駆動力を実現できるギア段を選択する。このギア段は、目標駆動力に対する余裕駆動力を指定することによって発生可能な加速度が目標加速度よりも大きい値になっているため、実施形態に係る車両制御装置2による制御で用いられる最ハイギア段よりも低速側のギア段か、または最ハイギア段と同じギア段になっている。このため、自動変速機15のギア段を、この選択したギア段に変速した場合には、上述したように最大加速度に対するパーセンテージを指定することによりギア段を選択した場合と同様に、変速後のギア段でアクセルペダル20をさらに踏み増した場合には、この制御において算出した目標加速度以上の加速度を発生させることができる。
また、アクセルペダル20の速踏み時に、このように目標駆動力に対する余裕駆動力を指定することによってギア段を選択する場合も、アクセルペダル20の操作速度が速踏みの判定の基準になる操作速度よりも遅く、且つ、目標加速度が所定の判定閾値を下回っている時間が所定時間経過した場合に、制御をキャンセルする(図11、t4)。
このように、低速側のギア段への変速時に選択するギア段を制限する際に、アクセル開度に基づいて算出する目標駆動力に対する余裕駆動力を、さらにアクセル開度に基づいて算出し、この余裕駆動力を実現できるギア段を選択した場合には、余裕駆動力に基づいてギア段を選択するので、より確実に駆動力に余裕があるギア段を選択することができる。この結果、より確実に、ギア段の変速回数の増加を抑制しつつ、所望の加速度を発生させることができる。
なお、これらのように、最大加速度に対するパーセンテージを指定したり、目標駆動力に対する余裕駆動力を指定したりすることによってギア段を選択して変速する制御も、最ハイギア段を選択して変速する制御と同様に、目標加速度ではなく、実加速度が所定の判定閾値を下回っている時間が所定時間経過した場合にキャンセルしてもよい。また、この制御は、これら以外に、アクセルペダル20の操作速度が、速踏みや速離しの判定の基準になる操作速度よりも遅く、且つ、所定時間内の車速の変動が、所定の設定値を下回った場合に、キャンセルを行ってもよい。
また、アクセルペダル20の速離し時に、最大加速度に対するパーセンテージを指定したり、目標駆動力に対する余裕駆動力を指定したりすることによってギア段を選択してシフトダウンを行う場合は、最ハイギア段へのシフトダウンと同様に、アクセルペダル20を全閉まで離してから行う。これにより、違和感を発生することなく変速することができ、車両1の運転時における違和感を抑制しつつ所望の加速度を発生させることができる。
また、車両1によっては、過剰な減速度や、フューエルカットからの復帰時における加速度の変動を抑制するために、自動変速機15のギア段が低ギア段の場合にはフューエルカットを禁止しているものがあるが、このような車両1においては、アクセルペダル20の速離し判定時には、低ギア段でのフューエルカットを許容することにより、速離し時の制御を行ってもよい。図12は、低ギア段時にフューエルカットを禁止している車両でアクセルペダルの速離しを行った場合におけるフューエルカットの状態を示す説明図である。つまり、このような車両1では、ギア段が低ギア段での減速時におけるフューエルカットを禁止するため、アクセルペダル20を離すことにより減速を行う場合でも、エンジントルクを所定の大きさに維持をする。しかし、このような制御を行う車両1において、アクセルペダル20の速離しを行った場合には、運転者は大きな減速度を要求していると判断することができるため、アクセルペダル20の速離しが行われたと判定した場合には、エンジントルクを、フューエルカットを行うことの出来る大きさまで低下させる。
即ち、アクセルペダル20の速離しが行われたと判定された場合には(図12、t1)、低ギア段での減速でもフューエルカットを許容するために補正を行うエンジントルクである補正後エンジントルクは、このような補正を行わないエンジントルクである補正前エンジントルクよりも低下させる(図12、t2)。このため、フューエルカットフラグは、エンジントルクが補正前エンジントルクの場合はOFFの状態が継続されるが、エンジントルクが補正後エンジントルクの場合は、ONに切り替えられる。従って、アクセルペダル20の速離し時には、ギア段が低ギア段の場合でもフューエルカットを行うため、より大きな減速度を実現することができ、より適切に運転者の要求を満たすことができる。また、フューエルカットを行う領域が増加するので、燃費の向上を図ることができる。
また、実施形態に係る車両制御装置2では、アクセルペダル20の操作に応じて目標加速度を算出し、アクセルペダル20の操作速度が所定の速度よりも速い場合には、アクセルペダル20の通常操作時の加速度の制御とは異なる制御を行うが、目標加速度は、アクセル開度に応じて制御を異ならせてもよい。例えば、所定のアクセル開度での車速と加速度の対応関係により定められたアクセル開度と車速との関係を条件として演算された、要求加速度とアクセル開度との関係に基づいて、駆動装置10を制御してもよい。
この場合、駆動装置制御部33で目標加速度を算出する場合には、アイドル状態からアクセルオン時の最小加速度を条件として要求加速度とアクセル開度との関係をマップ等によって定めておき、さらに、あるアクセル開度からアクセル開度が全開までの最大出力特性を考慮して、この要求加速度とアクセル開度との関係を補完する。つまり、アクセル開度が大きい領域では、最大発生加速度を満たすようにアクセル開度と要求加速度の関係を決めて要求加速度とアクセル開度との関係を線形補完する。これにより、アクセル開度が全閉の状態から特定のアクセル開度までの領域と、特定のアクセル開度からアクセル開度が全開までの領域とのそれぞれの領域で、アクセルコントロール性の設計を行うことができ、且つ、車両1の最大出力特性の保障を可能とすることができる。
具体的には、全閉から特定のアクセル開度までの領域では、運転者のアクセル操作に対して車両1の加速度が運転者の感性に即した加速度になる目標加速度を算出し、特定のアクセル開度から全開までの領域は、最大発生加速度を適切に実現することを目的とした目標加速度を算出することができる。また、アクセル開度が全開となる付近では、運転者は大きな加速度を要求しており、このアクセル開度が全開までの領域では最大発生加速度を発生させ易くなるため、この領域でも、運転者のアクセル操作に対して運転者の感性に即した目標加速度を算出することができる。これにより、換言すると、アクセル開度の全ての領域で、目標加速度に運転者の意図を反映させることができる。
このようなアクセル開度の全ての領域で、目標加速度に運転者の意図を反映させることができる制御と、実施形態に係る車両制御装置2でのアクセルペダル20の速踏みや速離し時の制御とを組み合わせることにより、アクセル開度のみならず、アクセルペダル20の操作速度などの操作形態も含めて、運転者の感性に即した加速度になる目標加速度を得ることができる。これにより、より確実に、運転者が要求する加速度を実現することができる。
また、実施形態に係る車両制御装置2では、エンジン12とオルタネータとの協調制御は、アクセルペダル20の速踏み判定が行われた場合にのみ行っているが、エンジン12とオルタネータとの協調制御は、アクセルペダル20の速離し判定が行われた場合にも行ってもよい。アクセルペダル20の速踏み、速離しに関わらず、要求トルクの変動が大きかったり、速かったりする場合には、エンジン12で発生させるトルクとオルタトルクとの協調制御を行うことにより、要求トルクを良好な応答性で実現することができる。また、オルタトルクは応答性が良好なため、要求トルクを周波数で分離し、高周波はオルタネータ、低周波はエンジン12のトルクによって実現してもよい。つまり、要求トルクが頻繁に変化する場合に、全体的な低周波の大きな変動はエンジン12のトルクによって実現し、細かな高周波の変動は、オルタトルクにより実現する。これにより、エンジン12のスロットルバルブ(図示省略)の素早い動きが抑えられ、スロットルバルブの負荷を軽減しつつ、素早い応答性を実現できる。また、エンジン12のトルクとオルタトルクとの協調制御を行うことにより、出力可能な最大・最小の駆動力の範囲を広げることが可能になるので、大きな加減速度を得ることができる。これらの結果、より確実に所望の加速度を発生させることができる。
また、実施形態に係る車両制御装置2では、アクセルペダル20の速踏み時には増幅ゲインを用いて目標加速度の増加補正を行い、アクセルペダル20の速離し時には目標加速度をオフセットさせることにより目標加速度の増加補正を行っているが、これらは、速踏み時と速離し時とで同じ制御を行ってもよく、制御を入れ替えてもよい。また、図9を用いて上述した説明では、目標加速度の符号が反転してから目標加速度の増加補正を行う制御は、アクセルペダル20の速離し時に行っているが、目標加速度の符号が反転してから目標加速度の増加補正を行う制御は、アクセルペダル20の速踏み時に行ってもよい。これらのアクセルペダル20の速踏み時や速離し時に目標加速度の絶対値を増加させる増加補正は、車両制御装置2を搭載する車両1の構成や、車両1の使用態様に応じて適宜組み合わせるのが好ましい。
以上のように、本発明に係る車両制御装置は、アクセル開度に対して発生させる駆動力を変化させることのできる車両に有用であり、特に、アクセル開度に基づいて目標出力値を算出して走行制御を行う車両制御装置に適している。
1 車両
2 車両制御装置
5 車輪
10 駆動装置
12 エンジン
15 自動変速機
20 アクセルペダル
21 アクセル開度センサ
30 ECU
31 処理部
32 アクセル開度取得部
33 駆動装置制御部
34 制御補正部
35 エンジン制御部
36 変速制御部
40 記憶部
41 入出力部
2 車両制御装置
5 車輪
10 駆動装置
12 エンジン
15 自動変速機
20 アクセルペダル
21 アクセル開度センサ
30 ECU
31 処理部
32 アクセル開度取得部
33 駆動装置制御部
34 制御補正部
35 エンジン制御部
36 変速制御部
40 記憶部
41 入出力部
Claims (5)
- 変速比が異なるギア段を複数有する変速装置の変速をアクセル操作子の操作量に基づいて行う車両制御装置において、
前記アクセル操作子の操作速度が所定の操作速度よりも速い場合には、低速側の前記ギア段への変速時に選択する前記ギア段を制限することを特徴とする車両制御装置。 - 前記アクセル操作子の操作速度が前記所定の操作速度よりも速い場合に低速側の前記ギア段への変速時に選択する前記ギア段を制限する場合には、前記アクセル操作子の操作量に基づいて算出する目標出力値を達成できる前記ギア段のうち最も高速側の前記ギア段を選択することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記アクセル操作子の操作速度が前記所定の操作速度よりも速い場合に低速側の前記ギア段への変速時に選択する前記ギア段を制限する場合には、現在の走行状態における最大加速度に対する所定の割合の加速度を実現できる前記ギア段を前記アクセル操作子の操作状態に基づいて選択することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記アクセル操作子の操作速度が前記所定の操作速度よりも速い場合に低速側の前記ギア段への変速時に選択する前記ギア段を制限する場合には、前記アクセル操作子の操作量に基づいて算出する目標駆動力に対する余裕駆動力を前記アクセル操作子の操作状態に基づいて算出し、前記余裕駆動力を実現できる前記ギア段を選択することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記アクセル操作子を離す際に前記アクセル操作子の操作速度が前記所定の操作速度よりも速いことにより変速する前記ギア段を制限して低速側の前記ギア段を選択した場合には、前記アクセル操作子を全閉まで離した後に変速を行うことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の車両制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010009336A JP2011149454A (ja) | 2010-01-19 | 2010-01-19 | 車両制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010009336A JP2011149454A (ja) | 2010-01-19 | 2010-01-19 | 車両制御装置 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011149454A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8977461B2 (en) | 2010-01-19 | 2015-03-10 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle control system |
-
2010
- 2010-01-19 JP JP2010009336A patent/JP2011149454A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
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US8977461B2 (en) | 2010-01-19 | 2015-03-10 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle control system |
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