JP2011149037A - 銀めっきが施された銅又は銅合金屑のリサイクル方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面に銀めっきが施された銅又は銅合金屑を、脂肪族有機酸及びその塩の中から選ばれる少なくとも一種を含有する電解剥離液Eが入った電解槽中に浸漬し、前記銀めっきが施された銅又は銅合金屑Cに塩化銀標準電極8に対して、ポテンシオスタット5を使用し、300〜1100mVの電位を負荷して銀めっきを効率的に電解剥離する。
【選択図】図1
Description
この様なめっき付銅条材は打抜き成形にて加工して使用されることが多く、打抜き成形時に発生する多量の油が付着した屑は回収され、表面のめっきを剥離して銅又は銅合金の製造用原料として使用することが資源リサイクルの観点から重要となっている。
特に、銀めっきが施された銅又は銅合金屑からの銀の剥離時にはシアン化合物を使用することが多く、取り扱い面において大きな問題となっている。
特許文献1では、脂肪族有機酸及びその塩の少なくとも一種を含有し、必要に応じて補助成分としてノニオン性界面活性剤を含有する銀の電解剥離剤、該電解剥離剤を含有する水溶液からなる銀の電解剥離液並びに該電解剥離液をpH4〜14とし、これに剥離対象物を浸漬し、該剥離対象物を陽極として、液温10〜80℃、電流密度0.5〜10A/dm2の操作範囲で電解することを特徴とするシアン化合物を使用しない銀の電解剥離方法を提供している。
即ち、電解剥離液中の電流密度の制御ではなく、電解剥離液中の電位を一定に保つことにより、副産物となる銅又は銅合金の電解を最小限とし、目的とする銀めっきを効率よく電解剥離するのである。
更に、表面に銀めっきが施された銅又は銅合金屑に塩化銀標準電極に対して、ポテンシオスタットを使用して、300〜1100mVの定電位を負荷することにより、自動運転にて効率的に短時間にて銀めっきを電解剥離することが可能となった。
電位が300mV未満では、銅又は銅合金屑の電解がメインで、銀の電解剥離は殆んど起こらず、電位が1100mVを超えると、銅又は銅合金屑の電解が増加し、銀の電解剥離の妨げとなる。
電解剥離液が入った電解槽中の銀めっきが施された銅又は銅合金屑を作用電極とし、電解槽中のカソードを対極とし、その間にポテンシオスタットを接続し、電解槽中に参照電極をセンサーとして設置し、作用電極と参照電極との間の電位差を300〜1100mVの定電位に制御することにより、銀めっきが効率良く剥離され、対極上に堆積、或いは、電解槽中に電解される。
この場合、電解剥離液の脂肪族有機酸又はその塩の含有量を10〜300g/lとし、電解剥離液のpHを4〜14とし、液温を10〜80℃にて電解剥離を行うことが好適である。電解剥離液の脂肪族有機酸又はその塩の含有量がその含有量が10g/l未満では剥離速度が低くて完全に剥離するまでに時間がかかり、一方、300g/lを超えても飽和して効果の増大は期待できず、不経済である。より好ましい含有量としては100〜200g/lの範囲とされる。電解剥離液のpHを4以上とすることにより、素材の銅又は銅合金をエッチングすることなく安定した剥離を得ることができる。このpHの調整剤として、必要に応じて、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属等を添加してもよい。液温が10℃未満であると、温度が低過ぎることから、剥離速度が遅くなり、一方、80℃を超えると、浴が不安定になり易い。
また、本発明のリサイクル方法において、表面に油が付着した銀めっきが施された銅又は銅合金屑を界面活性剤にて表面処理してから電解槽中に浸漬するとよい。界面活性剤にて表面処理することにより、表面に付着している油分が除去され、表面に銀めっきが施された銅又は銅合金屑間の密着力が弱くなり、次の電解剥離での効率を上げることができる。また、油分を剥離液に持ち込まないので、剥離液の劣化を防止することができる。
図1は銀めっき剥離装置の全体構成を示しており、この銀めっき剥離装置1は、電解剥離液Eを貯留した電解槽2を備えており、この電解槽2内には、リサイクル対象の銅又は銅合金屑Cを入れるドラム籠3と、カソード4とが浸漬され、これらドラム籠3とカソード4との間に、ポテンシオスタット5を介して電源(図示略)が接続されている。
なお、電解剥離液Eとドラム籠3内の銅及び銅合金屑Cとの接触面積を増すため、電解槽2内でドラム籠3を回転させても良い。
また、電解槽2とは別にタンクを設けて、そのタンクと電解槽2との間で電解剥離液Eを循環するなどにより、前述の部分的な攪拌を受け持つ攪拌機7とは別に、全体的に攪拌されるようにしてもよい。
電解槽2内に、脂肪族有機酸及びその塩の中から選ばれる少なくとも1種の含有量を10〜300g/l、pHを4〜14に調整した電解剥離液Eを貯留し、液温を10〜80℃とする。攪拌機7を駆動して電解剥離液Eを攪拌しておく。
また、リサイクル処理される銅又は銅合金屑Cは、そのほとんどがプレス加工による打ち抜き屑であり、加工油が付着しているので、電解剥離液Eに浸漬する前に、界面活性剤が添加された水溶液中に浸漬して脱脂処理される。
即ち、ドラム籠3内の脱脂処理された銅又は銅合金屑Cを作用電極とし、カソード4を対極とし、参照電極8を電位センサーとし、ポテンシオスタット5を使用して、作用電極に塩化銀標準電極に対して300〜1100mVの定電位を負荷することにより、副産物となる銅又は銅合金の電解を最小限とし、目的とする銀めっきを短時間にて効率よく対極上に堆積、或いは、電解槽中に電解するのである。
負荷電位が300mV未満では、銅又は銅合金屑の電解がメインとなり、銀の電解剥離は殆んど起こらず、電位が1100mVを超えると、銅又は銅合金屑の電解が増加し、銀の電解剥離の妨げとなる。
この銀めっきが剥離された銅又は銅合金屑は、その後、エッチング処理等を経ることなく、銅又は銅合金の溶解鋳造等の原料としてそのまま使用することができる。
また、袋6内に溜まった銀粒子は、銀精錬工場へ送られ、銀精錬の原料として利用される。
図1に示すものと同様の剥離装置1を用い、電解剥離液Eとして、酒石酸を150g/l、ポリエチレングリコールを15g/l含有し、pHを8に調整したものを用いた。浴温は50℃に設定した。銅又は銅合金屑Cのサンプルとして5μmの厚さの銀めっきが両面に施された銅合金屑を用い、これを2kgドラム籠3に入れて、電解剥離液Eに浸漬した。
ドラム籠3を電解剥離液Eに浸漬させ、参照電極5を電解剥離液E中に設置し、ポテンシオスタット5にて、参照電極8に対してドラム籠3に700mVの電位を印加し、ドラム籠3とカソード4の間に通電した。ドラム籠3は、SUS製のものを使用し、カソード4にもSUS電極を用いた。ドラム籠3は電解剥離液E中にて所定速度で回転させた。ポテンシオスタット5は、北斗電工社製 HZ−5000 ポテンシオ−ガルバノスタットを使用した。
また、銀めっきが剥離された銅又は銅合金屑表面をEPMAにて分析したところ、硫黄(S)等の残存によるコンタミも無かった。この銀めっきが剥離された銅又は銅合金屑を銅合金製造用原料の一部として溶解鋳造に使用し、熱間圧延後の銅合金板を目視にて調べたところ割れは生じていなかった。
一方、カソード4を囲っている袋5内には、45gの銀が得られ、IPCで分析したところ、Cu含有量100ppm以下で、他の金属元素は検出されなかった。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることは可能である。
2 電解槽
3 ドラム籠
4 カソード
5 ポテンシオスタット
6 袋
7 攪拌機
8 参照電極
E 電解剥離液
C 銅又は銅合金屑
Claims (3)
- 表面に全面的或いは部分的に銀めっきが施された銅又は銅合金屑を、脂肪族有機酸及びその塩の中から選ばれる少なくとも一種を含有する電解剥離液が入った電解槽中に浸漬し、前記銀めっきが施された銅又は銅合金屑に塩化銀標準電極に対して300〜1100mVの電位を負荷して銀めっきを電解剥離し、銀めっきが剥離された銅又は銅合金屑を銅又は銅合金屑の製造用原料として使用することを特徴とする銀めっきが施された銅又は銅合金屑のリサイクル方法。
- 前記脂肪族有機酸又はその塩が、酢酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸及びグリコール酸並びにそれらのアルカリ金属塩の中の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の銀めっきが施された銅又は銅合金屑のリサイクル方法。
- ポテンシオスタットを使用して、前記銀めっきが施された銅又は銅合金屑に塩化銀標準電極に対して300〜1100mVの電位を負荷するように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の銀めっきが施された銅又は銅合金屑のリサイクル方法。
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