JP2011147894A - 海水淡水化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水温を適正に調整することで基準値を超えないホウ素濃度の処理水を経済的に得られる海水淡水化装置を提供する。
【解決手段】逆浸透膜によるろ過処理を用いた海水淡水化装置において,逆浸透膜の上流側に配置されて海水の水温を変化させる水温調整装置12と,前記ろ過処理後の処理水のホウ素濃度を計測するホウ素濃度計測手段20と,前記処理水のホウ素濃度情報及び予め与えられた目標ホウ素濃度情報に基づいて前記水温調整装置の運転量を決定して運転する制御装置24と,を備えたこと。また,前記海水のホウ素濃度から前記ろ過処理後の処理水のホウ素濃度予測情報を演算する処理水ホウ素濃度予測手段40を備えて,前記処理水のホウ素濃度予測情報及び予め与えられた目標ホウ素濃度情報に基づいて前記水温調整装置の運転量を決定して運転する制御装置と,を備えること。
【選択図】図1

Description

本発明は、海水から淡水を得るための逆浸透膜を用いた海水淡水化装置、特に、海水の淡水化の結果として得られた処理水中のホウ素の濃度が基準値を満足する海水淡水化装置に関する。
近年、逆浸透膜によるろ過処理を用いた海水淡水化装置が増加する傾向にある。逆浸透膜は、セルロースやポリアミド等の素材で造られており、この膜に海水の浸透圧の二倍以上の圧力を加えることで塩分の透過を抑制した淡水を得ることができる。この圧力は50MPaから場合によっては80MPaにも達し、そのために高圧ポンプの動力コストが高くなる。
また、海水に含まれるホウ素濃度は4.5〜5mg/Lであるのに対し、WHOの飲料水の水質基準値は0.5mg/Lであるので、必要なホウ素の阻止率は約90%となる。しかし、一般的な逆浸透膜モジュール1本のホウ素の阻止率は50〜70%であり、高圧逆浸透膜と低圧逆浸透膜の二段階処理が必要となって、イニシャルコストやランニングコストが増大する。ランニングコストをできるだけ低減するため、一段階処理の水と二段階処理の水を製造する二系統を設けて、処理水のホウ素濃度が基準値よりわずかに低くなるよう、一段階処理の水と二段階処理の水をブレンドすることが実施されているが、かかる方法の実施可能な範囲は限られる。
高圧ポンプの動力コストを低減するため、例えば特許文献1は、廃棄物焼却により発生した熱を熱源として海水を加温し、これを海水淡水化装置に供給して淡水を得る逆浸透膜海水淡水化装置を開示する。ここでは、水の粘性抵抗が温度により変化するため、供給海水の温度を1℃上昇させるごとに真水の量が3%増大するので、高回収率での運転や逆浸透膜モジュールの本数を減少、更に新たに燃料を消費することなく経済的に高効率運転が可能となると記載されている。
特許文献2は、逆浸透膜を利用したろ過装置と、原水の温度を調整する温度調整部と、ろ過装置で得られた処理水の濃度を測定する測定部と、測定された濃度に基づいて温度調整部を制御する制御部と、を備えた脱塩処理を開示する。しかし、ここでは、測定部は、処理水の塩濃度(イオン濃度)を測定する電導度計であり、ホウ素濃度に着目するものではない。
特許文献3は、中空糸膜からなる膜前処理装置、第1のpH調整装置、脱炭酸ガス塔、第2のpH調整装置、第1の逆浸透膜装置、第2の逆浸透膜装置、平板式熱交換器、混床式イオン交換装置から成る超純水製造装置を開示する。そして、ここでは、被処理水の水温を20℃以下に制御することが記載されているが、混床式イオン交換装置に通水される被処理水が対象であって、混床式イオン交換装置の利用を必須とする発明である。
特許文献4は、逆浸透膜(半透膜)を用いて、海水中に含有されたホウ素を除去する淡水製造装置を開示する。しかし、ここでは、原水(海水)に前処理を施すフィルターなどの前処理と、前処理水を処理する第一の半透膜ユニットと、一次透過水を一旦貯留する中間水タンクと、中間水タンクに貯留されていた一次透過水を処理する第二の半透膜ユニットと、第一の半透膜ユニットの前段に設けられた高圧ポンプと、第二の半透膜ユニットの前段に設けられた昇圧ポンプとに加えて、更に高圧ポンプの前段に設けられた第一のアルカリ添加手段と、中間水タンク内の一次透過水のpHを高くする第二のアルカリ添加手段、二次透過水のpHを下げる酸添加手段と、を備えた淡水製造装置であり、要するに、pHによってホウ素等の成分の除去率が変化することを利用して、pHの制御を行って淡水を効率的に製造するものである。
特開平9−085059号公報 特開2005−144301号公報 特開2005−177564号公報 特開2006−187719号公報
特許文献1の技術は、水温が高くなると逆浸透膜のホウ素阻止率が低下するので、すべての水を二段階処理することが必要となって、高圧ポンプの動力コストの低減以上に、低圧逆浸透膜での運転コストが増大すること、更に、二段階処理をしてもホウ素濃度がなお基準値を上回る可能性がある。
また、特許文献2から4の技術は、装置が複雑になったり、ランニングコストが高くなったりするなどの経済性の改善が要望されている。
本発明の目的は、上述した従来技術の課題を解決し、水温を適正に調整することで基準値を超えないホウ素濃度の処理水を経済的に得られる海水淡水化装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の海水淡水化装置は、逆浸透膜によるろ過処理を用いた海水淡水化装置において、逆浸透膜の上流側に配置されて海水の水温を変化させる水温調整装置と、前記ろ過処理後の処理水のホウ素濃度を計測するホウ素濃度計測手段と、前記処理水のホウ素濃度情報及び予め与えられた目標ホウ素濃度情報に基づいて前記水温調整装置の運転量を決定して運転する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の海水淡水化装置は、逆浸透膜によるろ過処理を用いた海水淡水化装置において、逆浸透膜の上流側に配置されて海水の水温を変化させる水温調整装置と、海水のホウ素濃度を計測するホウ素濃度計測手段と、前記海水のホウ素濃度から前記ろ過処理後の処理水のホウ素濃度予測情報を演算する処理水ホウ素濃度予測手段と、前記処理水のホウ素濃度予測情報及び予め与えられた目標ホウ素濃度情報に基づいて前記水温調整装置の運転量を決定して運転する制御装置と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によると、海水淡水化装置の処理水に含まれるホウ素濃度を基準値以下に抑制できるため、飲用しても問題のない水を供給できると共に高い安全性を確保することができる。さらに、水質基準値を満足した上で運転コストを最小化することができるので、経済的にも有利である。
本発明の実施例1の海水淡水化装置の構成を示す模式図である。 一般的な高圧逆浸透膜についての水温とホウ素阻止率の関係を示す模式図である。 本発明の実施例2の海水淡水化装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施例3の海水淡水化装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施例4の海水淡水化装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施例5の海水淡水化装置の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態である実施例について説明する。なお、各実施例を示す各図をとおして、同一の符号は、各装置中の基本的に同一又は等価な機能を有する構成ブロックを示している。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1の海水淡水化装置の構成をブロック線図で示す。海水10は水温調整装置12で水温を調整され、水温調整海水14となる。図1には示していないが、逆浸透膜ろ過処理16の前段に前処理が備えられる場合には、水温調整装置12は前処理の前段であっても、後段であってもよい。この前処理が、例えばUF膜ろ過であり、海水10を加温する場合には、そのUF膜ろ過用のポンプ動力を低減するために、水温調整装置12をUF膜ろ過の前段に設けることが好ましい。
水温調整海水14は、逆浸透膜ろ過処理16によって脱塩処理されて処理水18となる。処理水18に含まれるホウ素濃度は、処理水ホウ素濃度計測手段20によって計測され、処理水ホウ素濃度計測値22として出力される。処理水ホウ素濃度計測値22は、目標ホウ素濃度情報36と共に制御装置24に与えられる。制御装置24は、目標ホウ素濃度情報36と処理水ホウ素濃度計測値22に基づいて、水温調整装置運転信号26を水温調整装置12へ出力する。
水温調整装置12は、水温調整装置運転信号26に従って海水10の水温調整量を変化させる。ここで、水温調整装置は、加温機能と冷却機能のいずれかのみを有していてもよいが、双方を有していてもよい。水温調整のためには、発電設備が併設される場合には、その排熱や蒸気を用いてもよい。また、太陽熱など自然エネルギーを加温あるいは冷却に用いてもよい。
また、海水の水温は水深によって異なるため、逆浸透膜ろ過する海水よりも水面付近の海水を用いて加温したり、より深層の水を用いて冷却したりするようにしてもよい。また、これら異なる水温の海水を用いる場合、混合するようにしてもよいが、水面付近の海水は有機物や油濁により汚染されている可能性があり、逆に海洋深層水の場合には膜面に付着するスケールの成分の一つであるシリカ成分が多い可能性があるので、これらの混合を避けて、逆浸透膜ろ過する海水と熱交換器で間接的に熱交換することが好ましい。
また、海洋深層水を処理する海水淡水化装置Aと一般的な水深(10-20m程度)から取水した海水を処理する海水淡水化装置Bの両者がある場合には、海洋深層水の淡水化処理後の濃縮水の冷熱を有効利用して、海水淡水化装置Bで取水した海水の水温を調整するようにしてもよい。逆浸透膜ろ過処理16は、高圧逆浸透膜のみを用いた系統の処理でも、高圧逆浸透膜の後段に低圧逆浸透膜を備えた系統の処理でも、これらの系統の双方備えた処理でもよい。
以下、上記の構成による装置の作用を説明する。海水のホウ素濃度が5mg/Lである場合に、WHOの飲料水の水質基準値0.5mg/Lを満足するためには、90%以上のホウ素阻止率が必要である。現在、水温25℃でホウ素阻止率が90%を超えるホウ素高阻止型の逆浸透膜が存在している。この阻止率が90%より低下すると水質基準をオーバーし、逆に90%より向上すると水質基準を過達することになる。
図2は、一般的な高圧逆浸透膜についての水温とホウ素阻止率の関係を示す。図2に示されているとおり、水温が高くなるにしたがってホウ素阻止率は低下し、水温が低くなるにしたがってホウ素阻止率は向上する。この関係は、一般的な高圧逆浸透膜のみでなく、ホウ素高阻止型の逆浸透膜でも同様と考えられる。
例えば、水温25℃のときの阻止率が90%の膜の場合、水温が35℃となると阻止率が低下して80%程度となる可能性があり、その場合には処理水のホウ素濃度が1mg/Lに達してWHOの基準を大きく超過することになる。逆に水温が15℃まで低下すると阻止率が向上し、阻止率が100%近くなると見込まれる。実際に海水は夏季と冬季で水温が変動するため、得られる処理水質も変動することになる。
本発明では、この処理水質の変動を小さくすることが可能である。すなわち、処理水のホウ素濃度を計測し、その計測値が基準値を超過又は自主基準値を超過した場合には、水温調整装置で水温を低下させてホウ素の除去率を向上させる。水温の低下量は、スケール成分が析出しない範囲で設定することが望ましい。逆に、処理水のホウ素濃度が基準値又は自主基準値を大幅に下回る場合には、排熱等を利用して水温調整装置で水温を上昇させ、逆浸透膜ろ過処理16で用いられる高圧ろ過ポンプ動力の動力を低減させる。水温の上昇量は、膜の素材にダメージを与えない範囲内であって、スケール成分が析出しない範囲内で設定することが望ましい。海水は水温の変動によりホウ素濃度も変動するが、上記のフィードバック制御を用いて外乱に対応できる安定した水温調整制御を実現することができる。
実施例1によれば、処理水に含まれるホウ素濃度が水質基準値又は自主基準値を超過しない運転を実現することができる。また、処理水に含まれるホウ素濃度が水質基準値又は自主基準値を超過しないようにしつつ逆浸透膜ろ過処理16で用いられる高圧ろ過ポンプの動力を低減する運転を実現することができる。その結果、安全な処理水を供給できるとともに、運転コストの低減や環境負荷の低減が可能となる。
[実施例2]
図3は、本発明の実施例2の海水淡水化装置の構成をブロック線図で示す。海水10に含まれるホウ素濃度は、海水ホウ素濃度計測手段38によって計測され、そこから海水ホウ素濃度計測値44として出力される。そして海水10は、水温調整装置12で水温を調整されて水温調整海水14となる。水温調整海水14は、逆浸透膜ろ過処理16によって脱塩処理されて処理水18となる。なお、海水ホウ素濃度計測手段38は、水温調整装置12より後段であって、逆浸透膜ろ過処理16の前段に設置してもよい。
海水ホウ素濃度計測値44は、処理水ホウ素濃度予測手段40へ与えられる。処理水ホウ素濃度予測手段40では、過去の実績データ又は物理モデルに基づいて、逆浸透膜ろ過処理16で処理された処理水中のホウ素濃度を予測演算する。この演算の出力である処理水ホウ素濃度予測値情報42は、目標ホウ素濃度情報36と共に制御装置24に与えられる。
制御装置24は、目標ホウ素濃度情報36と処理水ホウ素濃度予測値情報42に基づいて、水温調整装置運転信号26を水温調整装置12へ出力する。
水温調整装置12は、水温調整装置運転信号26に従って海水10の水温調整量を変化させる。ここで、水温調整装置12は、加温機能と冷却機能の一方のみを有するものでもよいが、双方を有するものでもよい。逆浸透膜ろ過処理16は、高圧逆浸透膜のみを用いた系統の処理でも、高圧逆浸透膜の後段に低圧逆浸透膜を備えた系統の処理でも、これらの系統の双方を備えた処理でもよい。
実施例2によれば、実施例1と同様に、処理水のホウ素濃度が水質基準値又は自主基準値又は目標ホウ素濃度を超過しないで、かつ大幅に下回らないように水温調整装置12を制御することにより、一層安全かつ低コストに淡水を得ることができる。実施例1がフィードバック制御であるのに対し、実施例2では、フィードフォワード的に水温調整装置12を制御することが特徴であり、そのため、実施例2では、特に海水10に含まれるホウ素濃度の急変に対し、その影響を極力抑制するように迅速に対応できる利点がある。
なお、上記の水温調整のフィードフォワード的制御は、フィードバック制御と組み合わせるようにしてもよい。
[実施例3]
図4は、本発明の実施例3による海水淡水化装置の構成をブロック線図で示す。海水10は水温調整装置12で水温を調整され、水温調整海水14となる。水温調整海水14は、逆浸透膜ろ過処理16によって脱塩処理されて処理水18となる。処理水18に含まれるホウ素濃度は、処理水ホウ素濃度計測手段20によって計測され、処理水ホウ素濃度計測値22として出力される。
ろ過ポンプ動力コスト演算手段28は、水温や運転履歴によって決定されるろ過ポンプの動力コストを計算する。このろ過ポンプ動力コスト演算手段28の入力としては、逆浸透膜ろ過処理16における水温の情報が常にオンラインで与えられることが好ましい。また、運転履歴によって変化する膜差圧の情報としては実績データ又は物理モデルのいずれを用いてもよい。
ろ過ポンプ動力コスト情報30は、処理水ホウ素濃度計測値22、目標ホウ素濃度情報36と共に制御装置24に与えられる。制御装置24は、目標ホウ素濃度情報36、処理水ホウ素濃度計測値22及びろ過ポンプ動力コスト情報30に基づいて、水温調整装置運転信号26を水温調整装置12へ出力する。
水温調整装置12は、水温調整装置運転信号26に従って海水10の水温調整量を変化させる。ここで、水温調整装置は、加温機能と冷却機能の一方のみを有するものでもよいが、双方を有するものでもよい。逆浸透膜ろ過処理16は、高圧逆浸透膜のみを用いた系統の処理でも、高圧逆浸透膜の後段に低圧逆浸透膜を備えた系統の処理でも、これらの系統の双方を備えた処理でもよい。
実施例3によれば、実施例1と同様に、制御装置24が水温調整装置運転信号26を出力するが、その値の決定の根拠として、ろ過ポンプの動力コストも加味されることが実施例3の特徴である。ホウ素が水質基準値又は自主基準値を達成できていない場合には、コストに関係なく、海水10の水温を低下させてホウ素の阻止率を上昇することが必要であるが、達成できている場合には、運転コストを最小化するため水温を上昇させることが有効な対処となる。
[実施例4]
図5は、本発明の実施例4による海水淡水化装置の構成をブロック線図で示す。実施例4は、実施例2で示したフィードフォワード制御の例に、実施例3で示したろ過ポンプ動力コスト演算手段28を組み込んだ例となっている。
[実施例5]
図6は、本発明の実施例5による海水淡水化装置の構成をブロック線図で示す。海水10は、水温調整装置12で水温を調整され、水温調整海水14となる。水温調整海水14は、逆浸透膜ろ過処理16によって脱塩処理されて処理水18となる。処理水18に含まれるホウ素濃度は、処理水ホウ素濃度計測手段20によって計測され、処理水ホウ素濃度計測値22として出力される。
ろ過ポンプ動力コスト演算手段28は、水温や運転履歴によって決定されるろ過ポンプの動力コストを計算する。ろ過ポンプ動力コスト演算手段28の入力としては、逆浸透膜ろ過処理16における水温の情報が常にオンラインで与えられることが好ましい。また、運転履歴によって変化する膜差圧の情報としては、実績データ又は物理モデルのいずれを用いてもよい。
水温調整装置運転コスト演算手段32は、調整量によって決定される水温調整装置の運転コストを計算する。この出力である水温調整装置運転コスト情報34は、ろ過ポンプ動力コスト情報30、処理水ホウ素濃度計測値22及び目標ホウ素濃度情報36と共に制御装置24に与えられる。
制御装置24は、目標ホウ素濃度情報36、処理水ホウ素濃度計測値22及びろ過ポンプ動力コスト情報30に基づいて、水温調整装置運転信号26を水温調整装置12へ出力する。水温調整装置12は、水温調整装置運転信号26に従って海水10の水温調整量を変化させる。ここで、水温調整装置は、加温機能と冷却機能の一方のみを有するものでもよいが、双方を有するものでもよい。逆浸透膜ろ過処理16は、高圧逆浸透膜のみを用いた系統の処理でも、高圧逆浸透膜の後段に低圧逆浸透膜を備えた系統の処理でも、これらの系統の双方を備えた処理でもよい。
実施例5によれば、制御装置24は水温調整装置運転信号26を出力するが、その値の決定の根拠として、ろ過ポンプの動力コストと水温調整装置の運転コストのトレードオフを考慮する。ホウ素が水質基準値又は自主基準値を達成できていない場合には、コストに関係なく海水10の水温を低下させてホウ素の阻止率を上昇することが必要である。例えば、処理水のホウ素濃度が予め与えられた目標ホウ素濃度以下となる条件を満たしつつ、ろ過ポンプ動力コストと水温調整装置の運転コストの和を最小化する水温調整装置の運転量を決定して運転する制御方法が好ましい。
水温調整装置12の熱源が圧力を有する排熱であってコストがかからない場合には、運転コストを最小化するため水温を上昇させることが有効である。しかし、水温調整装置12の加熱や冷却のためにヒータ、吸収式冷凍機、ポンプ、ブロワ等のコストを要する装置を用いる場合には、水温の変化量を小さくしたり、変化させないようにしたりするのがよい場合があり得る。実施例5の形態をとることにより、全体としてのコストの最小化を図り、一層効率的な運転が可能となる。
なお、以上、各実施例における「海水」とは、海から取水した水を、逆浸透膜によるろ過工程に通水するための前処理を経た海水も含めて意味している。
10・・・海水、12・・・水温調整装置、14・・・水温調整海水、16・・・逆浸透膜ろ過処理、18・・・処理水、20・・・処理水ホウ素濃度計測手段、22・・・処理水ホウ素濃度計測値、24・・・制御装置、26・・・水温調整装置運転信号、28・・・ろ過ポンプ動力コスト演算手段、30・・・ろ過ポンプ動力コスト情報、32・・・水温調整装置運転コスト演算手段、34・・・水温調整装置運転コスト情報、36・・・目標ホウ素濃度情報、38・・・海水ホウ素濃度計測手段、40・・・処理水ホウ素濃度予測手段、42・・・処理水ホウ素濃度予測値情報、44・・・海水ホウ素濃度計測値

Claims (10)

  1. 逆浸透膜によるろ過処理を用いた海水淡水化装置において、
    逆浸透膜の上流側に配置されて海水の水温を変化させる水温調整装置と、
    前記ろ過処理後の処理水のホウ素濃度を計測するホウ素濃度計測手段と、
    前記処理水のホウ素濃度情報及び予め与えられた目標ホウ素濃度情報に基づいて前記水温調整装置の運転量を決定して運転する制御装置と、を備えた前記装置。
  2. 請求項1に記載された海水淡水化装置において、
    前記水温調整装置による水温調整後の海水の水温に基づいてろ過ポンプ動力コスト情報を演算するろ過ポンプ動力コスト演算手段と、
    前記処理水のホウ素濃度情報及び予め与えられた目標ホウ素濃度情報並びに前記ろ過ポンプ動力コスト情報に基づいて前記水温調整装置の運転量を決定して運転する制御装置と、を更に備えた前記装置。
  3. 逆浸透膜によるろ過処理を用いた海水淡水化装置において、
    逆浸透膜の上流側に配置されて海水の水温を変化させる水温調整装置と、
    海水のホウ素濃度を計測するホウ素濃度計測手段と、
    前記海水のホウ素濃度から前記ろ過処理後の処理水のホウ素濃度予測情報を演算する処理水ホウ素濃度予測手段と、
    前記処理水のホウ素濃度予測情報及び予め与えられた目標ホウ素濃度情報に基づいて前記水温調整装置の運転量を決定して運転する制御装置と、を備えた前記装置。
  4. 請求項3に記載された海水淡水化装置において、
    前記水温調整装置による水温調整後の海水の水温に基づいてろ過ポンプ動力コスト情報を演算するろ過ポンプ動力コスト演算手段と、
    前記処理水のホウ素濃度予測情報及び予め与えられた目標ホウ素濃度情報並びに前記ろ過ポンプ動力コスト情報に基づいて前記水温調整装置の運転量を決定して運転する制御装置と、
    を更に備えた前記装置。
  5. 逆浸透膜によるろ過処理を用いた海水淡水化装置において、
    逆浸透膜の上流側に配置されて海水の水温を変化させる水温調整装置と、
    前記ろ過処理後の処理水のホウ素濃度を計測するホウ素濃度計測手段と、
    前記水温調整装置による水温調整後の海水の水温に基づいてろ過ポンプ動力コストを演算するろ過ポンプ動力コスト演算手段と、
    前記水温調整装置の運転コストを演算する水温調整装置運転コスト演算手段と、
    前記処理水のホウ素濃度及び予め与えられた目標ホウ素濃度情報及び前記ろ過ポンプ動力コスト及び前記水温調整装置の運転コストの値に基づいて前記水温調整装置の運転量を決定して運転する制御装置と、を備えた前記装置。
  6. 請求項5に記載された海水淡水化装置において、
    前記処理水のホウ素濃度情報が予め与えられた目標ホウ素濃度情報以下となる条件を満たしつつ、前記ろ過ポンプ動力コスト情報及び前記水温調整装置の運転コスト情報の和を最小化するように前記水温調整装置の運転量を決定して運転する制御装置と、を備えた前記装置。
  7. 請求項1から6に記載された海水淡水化装置において、
    前記水温調整装置が少なくとも冷却機能を有する、前記装置。
  8. 請求項1から7に記載された海水淡水化装置において、
    前記水温調整装置の熱源として、前記ろ過処理する海水とは異なる箇所から取水した海水を用いる、前記装置。
  9. 請求項8に記載された海水淡水化装置において、
    前記異なる箇所から取水した海水が、海水深層水又はその濃縮水である、前記装置。
  10. 請求項1から9に記載された海水淡水化装置において、
    前記水温調整装置が少なくとも熱源を備え、該熱源として発電設備の排熱を用いる、前記装置。
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