JP2011144682A - スロットル弁通過空気流量推定装置及び大気圧推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スロットル弁通過空気量流量をより正確に推定することができるスロットル弁通過空気流量推定装置を提供する。
【解決手段】 スロットル弁3の上流側圧力である推定大気圧HPAD、スロットル弁下流側圧力である吸気圧PBA、及びスロットル弁開度THを所定モデル式に適用して推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHが算出される。所定モデル式は、空気の粘性変化の影響を補正するための粘性補正係数TAMYUFを含み、粘性補正係数TAMYUFは、吸気温に応じて算出される粘性変化率TAMYUと、スロットル弁開度THに応じて算出される重み係数TAMYURATIOとを用いて算出される。重み係数TAMYURATIOは、スロットル弁開度THが小さくなるほど増加するように設定される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関の吸気通路内に設けられるスロットル弁を通過する空気の流量を推定するスロットル弁通過空気流量推定装置、及びそのスロットル弁通過空気流量推定装置を用いて大気圧を推定する大気圧推定装置に関する。
特許文献1には、スロットル弁の上流側の圧力と下流側の圧力との差圧、及びスロットル弁開度に応じて、スロットル弁通過空気流量を推定する手法が示されている。この手法によれば、空気流量の脈動を除去するための平均化、及びスロットル弁上流側の圧力及び吸気温に応じた空気密度補正が行われ、推定スロットル弁通過空気流量が算出される。
特開平3−168348号公報
スロットル弁を通過する空気の流量は、空気の粘性の影響を受け、空気の粘性は空気の温度に依存して変化する。そのため、上述した従来手法のように、空気密度補正を行うのみでは、スロットル弁通過空気流量を正確に推定することは困難である。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、スロットル弁通過空気量流量をより正確に推定することができるスロットル弁通過空気流量推定装置を提供することを第1の目的とし、さらにこのスロットル弁通過空気流量推定装置を用いることにより、正確な大気圧の推定を行うことができる大気圧推定装置を提供することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関の吸気通路(2)内に設けられるスロットル弁(3)を通過する空気流量の推定値である推定スロットル弁通過空気流量(HGAIRTH)を算出するスロットル弁通過空気流量推定装置において、前記スロットル弁の開度(TH)を検出するスロットル弁開度検出手段と、前記吸気通路内の前記スロットル弁の上流側及び下流側の圧力(HPA,PBA)と、前記スロットル弁開度(TH)とを、所定のモデル式に適用して前記推定スロットル弁通過空気流量(HGAIRTH)を算出する推定流量算出手段と、前記機関の吸気温(TA)を検出する吸気温検出手段と、空気の粘性変化を示す粘性変化率(TAMYU)を前記吸気温(TA)に応じて算出する粘性変化率算出手段と、前記粘性変化率(TAMYU)に応じて前記モデル式を修正する修正手段とを備え、前記修正手段は、前記スロットル弁開度(TH)が小さくなるほど、前記修正の度合(TAMYURATIO)を増加させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスロットル弁通過空気流量推定装置により算出される推定スロットル弁通過空気流量(HGAIRTH)を用いて推定大気圧(HPA)を算出する推定大気圧算出手段を備える大気圧推定装置であって、前記スロットル弁(3)を通過する空気の流量(GAIR)を検出する流量検出手段を備え、前記スロットル弁通過空気流量推定装置は、前記スロットル弁の上流側圧力として前記推定大気圧(HPA)を使用し、前記推定大気圧算出手段は、前記推定スロットル弁通過空気流量(HGAIRTH)が、検出されるスロットル弁通過吸気流量(GAIR)と一致するように前記推定大気圧(HPA)を更新することを特徴とする大気圧推定装置を提供する。
請求項1に記載の発明によれば、吸気通路内のスロットル弁の上流側及び下流側の圧力と、スロットル弁開度とを、所定のモデル式に適用して推定スロットル弁通過空気流量が算出され、空気の粘性変化を示す粘性変化率が吸気温に応じて算出され、粘性変化率に応じてモデル式の修正が行われる。具体的には、スロットル弁開度が小さくなるほど修正の度合が増加するようにモデル式が修正される。空気の粘性は吸気温に依存して変化し、かつ空気の粘性の影響は、スロットル弁開度が小さくなるほど増加するので、吸気温に応じて算出される粘性変化率に応じてモデル式を修正するとともに、スロットル弁開度が小さくなるほど修正の度合を増加させることにより、空気の粘性の影響をモデル式に適切に反映させ、スロットル弁通過空気流量を正確に推定することができる。
請求項2に記載の発明によれば、スロットル弁の上流側圧力として推定大気圧を使用して推定スロットル弁通過空気流量が算出され、推定スロットル弁通過空気流量が検出されるスロットル弁通過吸気流量と一致するように推定大気圧が更新される。推定スロットル弁通過空気流量が不正確なものであると、推定大気圧の精度も低下するが、請求項1のスロットル弁通過空気流量推定装置を用いることにより、吸気温またはスロットル弁開度が変化しても正確な推定スロットル弁通過空気流量が得られ、推定大気圧の算出精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 推定大気圧(HPA)を算出するモジュールの構成を示すブロック図である。 スロットル弁を通過する空気流における縮流を説明するための図である。 大気圧推定処理のメインルーチンのフローチャートである。 図4の処理で実行される大気圧推定処理サブルーチンのフローチャートである。 図5の処理で参照されるテーブルを示す図である。 図5の処理で参照されるテーブルを示す図である。 大気圧推定手法を説明するためのタイムチャートである。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる内燃機関とその制御装置の構成を示す図であり、図1において、例えば4気筒を有する内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、一部の気筒の吸気弁及び排気弁の作動を停止させることにより、その気筒の作動を休止させる気筒休止機構40を備えている。
エンジン1の吸気通路2の途中にはスロットル弁3が配されている。また、スロットル弁3にはスロットル弁開度(TH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子制御ユニット(以下(ECU)という)5に供給する。スロットル弁3には、スロットル弁3を駆動するアクチュエータ7が接続されており、アクチュエータ7は、ECU5によりその作動が制御される。
吸気通路2には、スロットル弁3を介してエンジン1に吸入される空気の流量である吸入空気流量GAIRを検出する吸入空気流量センサ13が設けられ、さらにスロットル弁3の上流側に吸気温TAを検出する吸気温センサ9が設けられている。これらのセンサ13及び9の検出信号は、ECU5に供給される。
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間かつ吸気通路2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
エンジン1の各気筒の点火プラグ12は、ECU5に接続されており、ECU5は点火プラグ12に点火信号を供給し、点火時期制御を行う。
スロットル弁3の下流には吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ8が取付けられている。またエンジン1の本体には、エンジン冷却水温TWを検出するエンジン冷却水温センサ10が取り付けられている。これらのセンサ8及び10の検出信号は、ECU5に供給される。
ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ11が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ11は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角180度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば6度周期)で1パルス(以下「CRKパルス」という)を発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがECU5に供給される。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御、エンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。
ECU5には、エンジン1によって駆動される車両のアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセルペダル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ31、及びエンジン1により駆動される車両の走行速度(車速)VPを検出する車速センサ32が接続されている。これらのセンサの検出信号は、ECU5に供給される。
ECU5は各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、CPUで実行される演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路のほか、アクチュエータ7、燃料噴射弁6、気筒休止機構40に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
ECU5のCPUは、上記センサの検出信号に応じて、点火時期制御、スロットル弁3の開度制御、エンジン1に供給する燃料量(燃料噴射弁6の開弁時間)の制御、並びに気筒休止制御を行う。
さらにECU5のCPUは、大気圧PAを推定する大気圧推定処理を実行し、該大気圧推定処理により得られる推定大気圧(HPAF)を、上記点火時期制御、燃料量制御などの制御に適用する。
図2は大気圧推定処理を実行する大気圧推定モジュールの構成を示すブロック図であり、図2に示される各ブロックの機能は後述するようにECU5のCPUで実行される演算処理により実現される。
図2に示す大気圧推定モジュールは、吸入空気流量推定部51と、推定大気圧更新部52と、第1なまし演算部53と、遅延部54と、第2なまし演算部55とを備えている。
吸入空気流量推定部51は、検出される吸気圧PBA、吸気温TA、スロットル弁開度TH、エンジン回転数NE、及び1演算周期前に第1なまし演算部53から出力された推定大気圧HPADを、下記式(1)に適用して推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHを算出する。式(1)のKCは流量の単位を[g/sec]とするための変換定数であり、KTH(TH)はスロットル弁開度THに応じて算出される開口面積流量関数であり、Ψ(PBA/HPAD)は、スロットル弁3の上流側圧力(HPAD)と、下流側圧力(PBA)との比率に応じて算出される圧力比流量関数であり、TAMYUFは吸気温TA及びスロットル弁開度THに応じて設定される粘性補正係数であり、Rはガス定数である。
Figure 2011144682
開口面積流量関数KTHは、予め実験的に求められ、テーブルとして記憶されている。また圧力比流量関数Ψは、下記式(2)で与えられる。式(2)の「κ」は空気の比熱比である。ただし、空気流速が音速を超えると、圧力比流量関数Ψは圧力比に拘わらず極大値をとるので、実際の演算処理では、圧力比流量関数Ψも予めテーブルとして記憶されたもの(図6(b)参照)が使用される。
Figure 2011144682
図3は、スロットル弁3を通過する空気流における縮流を説明するための図であり、有効開口面積AEは開口面積Aより小さくなり、その縮流の度合は空気の粘性及びスロットル弁開度THに依存する。そこで本実施形態では、下記式(3)により粘性補正係数TAMYUFを算出して式(1)に適用し、空気の粘性変化及びスロットル弁開度THの変化に起因する有効開口面積AEの変化を補正するようにしている。式(3)のTAMYUは、吸気温TAに応じて算出される粘性変化率であり、TAMYURATIOは、スロットル弁開度THに応じて設定される重み係数である。
TAMYUF=1−TAMYURAITO×(1−TAMYU) (3)
空気の粘性は、吸気温TAに依存して変化するので、粘性変化率TAMYUは、検出される吸気温TAを下記式(4)に適用して算出される。式(4)のTA0は例えば25℃に設定される基準吸気温である。上記開口面積流量関数KTHは基準温度TA0に対応して設定されているので、粘性変化率TAMYUは、基準温度TA0における粘性を基準とした、吸気温TAにおける粘性の変化率に相当する。式(4)のCAIRは所定定数であり、演算の対象となる流体が空気の場合は「120」に設定される。
Figure 2011144682
また重み係数TAMYURATIOは、スロットル弁開度THに応じて図7に示すTAMYURATIOテーブルを検索することにより算出される。TAMYURATIOテーブルは、スロットル弁開度THが増加するほど重み係数TAMYURATIOが減少するように設定されている。重み係数TAMYURATIOは、「0」から「1」の間に値に設定され、スロットル弁が全開の状態でほぼ「0」となるように設定される。
粘性補正係数TAMYUFを適用することにより、推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHの算出精度を高めることができる。
推定大気圧更新部52は、推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHが検出される吸入空気流量GAIRと一致するように、推定大気圧HPAを更新し、第1なまし演算処理前の推定大気圧(以下「更新推定大気圧」という)HPACALを算出する。
第1なまし演算部53は、更新推定大気圧HPACALを下記式(5)に適用し、推定大気圧HPAを算出する。式(5)の「k」は、演算周期で離散化した離散化時刻であり、CA1は「0」から「1」の間の値に設定されるなまし係数である。なお今回値であることを示す(k)は、省略している。
HPA=CA1×HPACAL+(1−CA1)×HPA(k-1) (5)
遅延部54は、推定大気圧HPAを1演算周期だけ遅延させ、遅延推定大気圧HPAD(=HPA(k-1))を出力する。
第2なまし演算部55は、推定大気圧HPAを下記式(6)に適用し、なまし推定大気圧HPAFを算出する。式(6)のCA2は「0」から「1」の間の値に設定されるなまし係数である。
HPAF=CA2×HPA+(1−CA2)×HPAF(k-1) (6)
本実施形態では、式(6)により算出されるなまし推定大気圧HPAFが、点火時期や燃料供給量などのエンジン制御パラメータの算出に適用される。
図4は、図2に示す大気圧推定モジュールの機能を実現する大気圧推定処理のメインルーチンのフローチャートである。この処理は、ECU5のCPUでTDCパルスに同期して実行される。
ステップS11では、第1初期化フラグFFINHPAINIが「1」であるか否かを判別する。最初はこの答が否定(NO)であるので、下記式(7)により、初期推定大気圧HPAINIを、HPAINIの前回設定値及び吸気圧PBAの何れか高い方に設定する(ステップS12)。
HPAINI=max(HPAINI(k-1),PBA) (7)
ステップS13では、始動モードフラグFSTMODが「1」であるか否かを判別する。始動モードフラグFSTMODは、クランキング中(エンジン1の始動開始から自立運転を開始するまで)「1」に設定される。クランキング中は直ちに処理を終了し、自立運転が開始されるとステップS14に進み、第1初期化フラグFFINHPAINIを「1」に設定する。
ステップS14を実行すると、ステップS11の答が肯定(YES)となり、ステップS15に進んで、図5に示す大気圧推定サブルーチンを実行する。
図5のステップS21では、第2初期化フラグFFINHPAINIRが「1」であるか否かを判別する。最初はこの答が否定(NO)であるので、ステップS22に進み、推定大気圧HPA及び遅延推定大気圧HPADをともに、初期推定大気圧HPAINIに設定する。次いで第2初期化フラグFFINHPAINIRを「1」に設定し(ステップS23)、本処理を終了する。
ステップS23を実行すると、ステップS21の答が肯定(YES)となり、ステップS24以下の処理を実行する。
ステップS24では、スロットル弁開度THに応じて図6(a)に示すKTHテーブルを検索し、開口面積流量関数値KTHを算出する。KTHテーブルは、スロットル弁開度THが増加するほど、開口面積流量関数値KTHが増加するように設定されている。
ステップS25では、吸気圧PBAと遅延推定大気圧HPADとの比率である圧力比RPBAHPAを、下記式(8)により算出し、圧力比RPBAHPAに応じて図6(b)に示すFPBAPAテーブルを検索し、圧力比流量関数値FPBAPAを算出する。
RPBAHPA=PBA/HPAD (8)
ステップS26では、吸気温TAに応じてRRTAテーブル(図示せず)を検索し、吸気温パラメータRRTAを算出する。RRTAテーブルは、式(1)に含まれる下記式(9)の演算結果をテーブルとして記憶したものである。
Figure 2011144682
ステップS27では上記式(4)により粘性変化率TAMYUを算出し、ステップS28では、スロットル弁開度THに応じて図7に示すTAMYURATIOテーブルを検索し、重み係数TAMYURATIOを算出する。ステップS29では、上記式(3)により粘性補正係数TAMYUFを算出する。
ステップS30では、エンジン回転数NEに応じてKTHNEテーブルを検索し、回転数補正係数KTHNEを算出する。KTHNEテーブルは、エンジン回転数NEが増加するほど、回転数補正係数KTHNEが減少するように設定されている。回転数補正係数KTHNEは、吸入空気流量センサ13より上流側に配置されるエアクリーナの圧力損失を補正するためのパラメータであり、エンジン回転数NEが増加するほどエアクリーナの圧力損失が増加することを考慮して設定される。なお、エアクリーナの影響は通常はあまり大きくないので、回転数補正係数KTHNEを常に「1」に設定し、エンジン回転数NEに応じた補正を行わないようにしてもよい。
ステップS31では、下記式(1a)に開口面積流量関数値KTH,圧力比流量関数値FPBAPA,吸気温パラメータRRTA,遅延推定大気圧HPAD,粘性補正係数TAMYUF,及び回転数補正係数KTHNEを適用し、推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHを算出する。
HGAIRTH=KC×HPAD×KTH×FPBAPA×KTHNE
/(TAMYUF×RRTA) (1a)
上述したステップS24〜S31の処理が、吸入空気流量推定部51の演算に相当する。
ステップS32では、下記式(11)により、流量偏差DGAIRを算出する。
DGAIR=HGAIRTH−GAIR (11)
ステップS33では、車速VPが所定低車速VPL(例えば「0」)より大きいか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは更新量CORHPAを「0」に設定する(ステップS35)。一方、VP>VPLであるときは、流量偏差DGAIRに応じて図6(d)に示すCORHPAテーブルを検索し、更新量CORHPAを算出する(ステップS34)。CORHPAテーブルは以下のように設定されている。流量偏差DGAIRが「0」近傍の所定範囲(所定値−D1以上かつ所定値D1以下の範囲)内にあるときは、更新量CORHPAは「0」に設定され、流量偏差DGAIRが所定値−D1より小さいときは、更新量CORHPAは所定量COR1(>0)に設定され、流量偏差DGAIRが所定値D1より大きいときは、更新量CORHPAは所定量−COR1に設定される。
ステップS36では、下記式(12)により推定大気圧HPA(前回値)に更新量CORHPAを加算して、更新推定大気圧HPACALを算出する。
HPACAL=HPA+CORHPA (12)
ステップS37では前記式(5)によるなまし演算により、推定大気圧HPAを算出し、ステップS38では前記式(6)によるなまし演算により、なまし推定大気圧HPAFを算出する。
図8は、本実施形態における推定大気圧HPAの推移を説明するためのタイムチャートであり、推定大気圧HPAの初期設定値が大気圧PAから大きくずれている例を示す。この例では、時刻t0において推定大気圧HPAが大気圧PAよりかなり高いため、流量偏差DGAIRが大きくなり、更新量CORHPAが負の所定量「−COR1」に設定される。その結果、推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHが徐々に減少し、それにともなって推定大気圧HPAが減少して、最終的に大気圧PAと一致する。図8は説明のために第1なまし演算処理が行われていない状態の推定大気圧HPAが示されている。なお、実際には推定大気圧HPAは、上述したようにエンジン始動直後の検出吸気圧PBAによって初期化されるので、推定大気圧HPAは最初から大気圧PAとほぼ一致しており、大気圧PAの変化に追従するように変化する。
以上のように本実施形態では、スロットル弁3の上流側圧力である遅延推定大気圧HPAD、スロットル弁下流側圧力である吸気圧PBA、及びスロットル弁開度THに応じて式(1a)を用いて推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHが算出される。式(1a)には、空気の粘性変化の影響を補正するための粘性補正係数TAMYUFが含まれており、粘性補正係数TAMYUFは、吸気温に応じて算出される粘性変化率TAMYUと、スロットル弁開度THに応じて算出される重み係数TAMYURATIOとを用いて算出される。具体的には、重み係数TAMYURATIOがスロットル弁開度THが小さくなるほど増加するように設定され、粘性補正係数TAMYUFに対する粘性変化率TAMYUの寄与度が増加するように、粘性補正係数TAMYUFが算出される。空気の粘性の影響は、スロットル弁開度THが小さくなるほど増加するので、スロットル弁開度THが小さくなるほど粘性変化率TAMYUの寄与度を増加させることにより、空気の粘性の影響を式(1a)に適切に反映させ、推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHの算出精度を高めることができる。
また遅延推定大気圧HPADを使用して推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHが算出され、推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHが検出されるスロットル弁通過吸気流量GAIRと一致するように推定大気圧HPAが更新される。この大気圧推定演算により、標高の高い山岳地帯で車両を高速で運転するような場合において大気圧PAの比較的急激な変化に追従して正確な推定大気圧HPAを得ることができる。また燃料カット運転や一部気筒休止運転が行われても、良好な推定精度を維持することが可能となる。
この大気圧推定演算では、推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHが不正確なものであると、推定大気圧HPAの精度も低下するが、粘性補正係数TAMYUFが適用される式(1a)を用いることにより、推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHの精度が高められ、推定大気圧HPAの算出精度を向上させることができる。
本実施形態では、スロットル弁開度センサ4、吸気温センサ9、及び吸入空気流量センサ13が、それぞれスロットル弁開度検出手段、吸気温検出手段、及び流量検出手段に相当し、ECU5が、推定流量算出手段、粘性変化率算出手段、修正手段、及び推定大気圧算出手段を構成する。具体的には、図5のステップS24〜S31が推定流量算出手段に相当し、ステップS27が粘性変化率算出手段に相当し、ステップS28,S29,及びS31が修正手段に相当し、ステップS32〜S37が推定大気圧算出手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、式(4)を用いて粘性変化率TAMYUを算出するようにしたが、予め式(4)の演算結果をテーブルとしてメモリに記憶しておき、テーブル検索により粘性変化率TAMYUを算出するようにしてもよい。
また上述した実施形態では、推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHを大気圧の推定に適用したが、これ以外にも例えばエンジン1の各気筒に吸入される空気量である気筒吸入空気量GAIRCYLNの算出にも適用可能である。気筒吸入空気量GAIRCYLNは、例えば下記式(21)により算出することができるので、式(21)に適用される推定スロットル弁通過空気流量HGAIRTHとして式(1a)により算出されるものを適用することにより、より正確な気筒吸入空気量GAIRCYLNを算出することができる。式(21)は、スロットル弁3からエンジン1の各気筒までの吸気系を一次遅れ系としてモデル化した式であり、実際の特性を近似できることが確認されている。
GAIRCYLN(k)=(1−CVη)×GAIRCYLN(k-1)
+CVη×HGAIRTH(k) (21)
ここで「k」は演算周期で離散化した離散化時刻、CVηは気筒容積Vcyl、吸気通路のスロットル弁下流側の容積Vin、及びエンジン1の体積効率ηvを用いて算出されるなまし係数である。
このように本発明を気筒吸入空気量の算出に適用する場合には、大気圧センサを設け、スロットル弁上流側の圧力として、推定大気圧ではなく大気圧センサにより検出される大気圧を適用するようにしてもよい。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどにおける推定スロットル弁通過空気流量の算出にも適用が可能である。
1 内燃機関
2 吸気通路
3 スロットル弁
4 スロットル弁開度センサ(スロットル弁開度検出手段)
5 電子制御ユニット(推定流量算出手段、粘性変化率算出手段、修正手段、、推定大気圧算出手段)
8 吸気圧センサ
9 吸気温センサ(吸気温検出手段)
13 吸入空気流量センサ(流量検出手段)

Claims (2)

  1. 内燃機関の吸気通路内に設けられるスロットル弁を通過する空気流量の推定値である推定スロットル弁通過空気流量を算出するスロットル弁通過空気流量推定装置において、
    前記スロットル弁の開度を検出するスロットル弁開度検出手段と、
    前記吸気通路内の前記スロットル弁の上流側及び下流側の圧力と、前記スロットル弁開度とを、所定のモデル式に適用して前記推定スロットル弁通過空気流量を算出する推定流量算出手段と、
    前記機関の吸気温を検出する吸気温検出手段と、
    空気の粘性変化を示す粘性変化率を前記吸気温に応じて算出する粘性変化率算出手段と、
    前記粘性変化率に応じて前記モデル式を修正する修正手段とを備え、
    前記修正手段は、前記スロットル弁開度が小さくなるほど、前記修正の度合を増加させることを特徴とするスロットル弁通過空気流量推定装置。
  2. 請求項1に記載のスロットル弁通過空気流量推定装置により算出される推定スロットル弁通過空気流量を用いて推定大気圧を算出する推定大気圧算出手段を備える大気圧推定装置であって、
    前記スロットル弁を通過する空気の流量を検出する流量検出手段を備え、
    前記スロットル弁通過空気流量推定装置は、前記スロットル弁の上流側圧力として前記推定大気圧を使用し、
    前記推定大気圧算出手段は、前記推定スロットル弁通過空気流量が、検出されるスロットル弁通過吸気流量と一致するように前記推定大気圧を更新することを特徴とする大気圧推定装置。
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