JP2011143038A - パッカリング防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生地を傷めずにパッカリングを防止するミシン用のパッカリング防止装置を、安価に提供することができる。
【解決手段】ミシン台110の貫通孔111側から、ヘア・ドライヤー130を用いて、針板112に熱風を吹き付ける。この熱風により、針板112が加熱され、さらに、この針板112の熱により生地が加熱される。熱風の温度は、例えば40℃以上45℃以下である。また、熱風を吹き付ける位置は、例えば、針板112の針穴201を中心として、半径10cm以上である。生地の温度を上昇させることができるので、生地温度が低すぎることに起因したパッカリングの発生を防止できる。また、熱風を生地に直接吹き付ける場合と比較して、生地が傷みにくく、ミシン本体120や縫製作業者の温度上昇を抑制しやすい。
【選択図】図1
【解決手段】ミシン台110の貫通孔111側から、ヘア・ドライヤー130を用いて、針板112に熱風を吹き付ける。この熱風により、針板112が加熱され、さらに、この針板112の熱により生地が加熱される。熱風の温度は、例えば40℃以上45℃以下である。また、熱風を吹き付ける位置は、例えば、針板112の針穴201を中心として、半径10cm以上である。生地の温度を上昇させることができるので、生地温度が低すぎることに起因したパッカリングの発生を防止できる。また、熱風を生地に直接吹き付ける場合と比較して、生地が傷みにくく、ミシン本体120や縫製作業者の温度上昇を抑制しやすい。
【選択図】図1
Description
本発明は、ミシンを用いて本縫いを行う際のパッカリングを防止する技術に関する。
ミシンを用いて生地を縫製する際には、縫い目に沿って皺が発生することがあり、パッカリングと称されている。パッカリングが発生する原因としては、例えば、縫製の際に糸が伸張することや、縫製を行っている最中に上下の生地がずれること等が知られている。従来、パッカリングを防止する技術としては、例えば以下のようなものが知られている。
特許文献1の技術では、溶かし去ることができる繊維の外周に普通繊維を巻き付けてなる糸を用いることで、糸が伸張することに起因するパッカリングを防止している(特許文献1の段落[0014]、図1、図2等参照)。
特許文献2の技術では、上布及び下布を針板上に重ねて載置し、これら上下布を押え金(特許文献2では「押え足」)で上方から押しつけるとともに、この押え金をヒータで加熱している。これにより、上下布の隙間を無くして、上下の布がずれることに起因するパッカリングの発生を防止している(特許文献2の段落[0010]参照)。
本発明者等の検討によれば、ナイロン等の化学繊維を用いた生地を縫製する場合、気温が低くなるほどパッカリングが発生し易い。これは、ナイロン生地等が、低温下で硬くなって、縫製時に伸張し難くなるためであると考えられる。このため、ナイロン生地等は、縫製時に、十分な温度に維持することが望ましい。
ここで、生地を昇温させる方法としては、上記特許文献2に開示されているような、押え金を加熱する方法が考えられる。
しかしながら、本発明者等の検討によれば、押え金を加熱する方法では、押え金の全長が短いために加熱時間が短くなり、十分な効果を得ることができない。
また、短時間で十分な加熱を行うために押え金の温度を高くすると、ナイロン生地等の表面が熔解する等、生地が傷むおそれがある。
さらには、押え金を加熱するためには、小型ヒータや温度制御回路が必要となり、ミシンが高価格化してしまうという欠点もある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、生地を傷めること無しにパッカリングを十分に低減するパッカリング防止装置を、安価に提供することを課題としている。
かかる課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、針穴を有する針板を用い、該針穴に上方から縫い針を通すことによって、前記針板の上に載置された生地の縫製を行うミシンに搭載されるパッカリング防止装置であって、前記針板を加熱する加熱手段を備え、該加熱手段で加熱された該針板によって前記生地を加熱するように構成されたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記加熱手段が、請求項1に記載の構成に加え、前記針板の下面に熱風を吹き付ける熱風供給器を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記加熱手段の加熱温度が40℃以上45゜以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の構成に加え、前記加熱手段が、前記針穴を中止として半径10cm以上の領域を加熱することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の構成に加え、前記加熱手段が、前記ミシンが稼働中か否かを検出し、稼働中の場合にのみ加熱を行うことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、加熱手段で針板を加熱し、さらに、この針板によって生地を加熱するので、パッカリングを十分に低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、下面から熱風を吹き付けることによって針板を加熱するので、針板全体を安価に加熱することができる。
請求項3に記載の発明によれば、加熱温度を40℃以上45℃以下としたので、生地を傷めること無しにパッカリングを十分に低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、針穴を中止として半径10cm以上の領域を加熱することにより、加熱時間を十分に長くすることができるので、加熱温度を抑えることができ、従って、加熱によって生地が傷むことを防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、ミシンが稼働中の場合にのみ加熱を行うので、加熱手段の消費電力を低減することができる。
[発明の実施の形態1]
以下、本発明の一実施形態について、図1〜3を用いて説明する。本実施形態では、本縫い(すなわち、上糸のループに下糸をくぐらせることによって縫製を行う方式)用のミシンを使用する。
図1は、本実施形態に係るパッカリング防止装置を搭載したミシン100の要部構造を概念的に示す正面図である。また、図2は、ミシン100の針板112の構造を概念的に示す平面図である。
図1のミシン100において、ミシン台110は、ミシン本体120を設置するための台である。また、ミシン台110には、貫通孔111が設けられている。
針板112は、貫通孔111の上面を塞ぐように載置される。図2に示したように、針板112には、針穴201と送り歯孔202とが設けられている。この針板112としては、例えば金属等、十分な熱伝導性と十分な耐熱性を有するものを使用することが望ましい。
貫通孔111内には、ボビンケース113が配置される。ボビンケース113は、縫製時に下糸を供給するための機構を有する。
さらに、貫通孔111内には、送り歯114が配置される。この送り歯114の歯の部分は、針板112の送り歯孔202から上方に露出する。送り歯114は、図示しない駆動機構により、生地を縫製方向に送り出す。
ミシン本体120は、通常の縫製用ミシンである。ミシン本体120は、縫い針121と押え金122とを備える。
縫い針121は、先端に、孔を有している(図示せず)。この孔には、周知の糸送り機構(図示せず)によって、上糸が供給される。縫い針121の先端部は、針穴201(図2参照)を介して、針板112の下側まで下降する。周知のように、縫い針121を用いて生地の上側から下側に上糸のリングを通し、この上糸を下糸に絡ませ、その後で縫い針121を生地から抜き取るという動作を繰り返すことによって、本縫いが行われる。
押え金122は、生地と接する部分が、例えば、略「コ」の字状に形成される。押え金122は、周知の押下機構(図示せず)によって、針板112上の生地のうち、縫い針121の両側の部分を、上方から押さえつける。これにより、縫製時に生地の位置を安定させることができ、したがって、所望の位置に縫い針を通すこと(すなわち、所望の縫い位置を縫製すること)が容易になる。
ミシン台110の下側には、熱風供給器130が設置される。本実施形態では、この熱風供給器130によって針板112に熱風を吹き付けることで、針板112の加熱を行う。熱風供給器130としては、例えば汎用のヘア・ドライヤーを採用することができる。
ミシン台110の下面には、排気通路140が設けられる。この排気通路140により、熱風供給器130に供給された熱風が、ミシン台110の側方に排気される。
図3は、熱風供給器130を駆動するための電気回路構成を示す概念図である。
図3において、ペダル301は、ミシン本体120を稼働させるための足踏み型スイッチである。
稼動検出器302は、ペダル301の状態を検出して、ミシン本体120の稼動/非稼動を判断する。そして、稼動検出器302は、判断結果を示す信号を、電源スイッチ303に送る。
電源スイッチ303は、熱風供給器130の電源線304の経路上に設けられている。この電源スイッチ303は、ミシン本体120が稼働状態のときは電源線304を導通させ、非稼動状態のときは電源線304を非導通にする。
このような電気的構成により、ミシン本体120が稼働中の場合(すなわち、ミシン100が稼働中の場合)にのみ、熱風供給器130を動作させて針板112を加熱することができる。
このように、本実施形態では、パッカリング防止装置を、上述の熱風供給器130(電源線304を含む)、排気通路140、検出器302及び電源スイッチ303によって構成した。
上述のように、ナイロン布等の生地を縫製する際に、温度が低いためにパッカリングが発生し易くなることがある。これに対して、本実施形態では、パッカリング防止装置を用いて針板112を加熱し、さらに、この針板112を用いて縫製中の生地を加熱することができる。ナイロン布等の生地は、温度が高いと柔らかくなり、伸張性が増す。従って、生地の温度を十分に高くすることにより、縫製時に生地を十分に伸張させることができ、これにより、パッカリングの発生を抑制することが可能になる。
また、針板112を加熱すると、この熱が送り歯114や押え金122にも伝わり、生地を加熱する効果が増す。これにより、生地を加熱する効果が、いっそう顕著となる。
本発明者等は、本実施形態のパッカリング防止装置を使用していないミシン(すなわち、針板112に熱風を吹き付けないミシン)を用いて、長さ80cmのナイロン生地の縫製を行った。このとき、パッカリングが発生したために、縫製後のナイロン生地の長さは78cmとなった。次に、本発明者等は、本実施形態のパッカリング防止装置を使用して、針板112に約42℃の熱風を吹き付けながら、長さ80cmのナイロン生地の縫製を行った。この場合、縫製後のナイロン生地は伸張して82cmとなり、パッカリングは発生しなかった。また、縫製後にナイロン生地を常温に戻しても、パッカリングの発生は観察されなかった。
本発明者の検討の結果、熱風は、縫い針121を中心として半径10cm以上の領域に、吹き付けることが望ましい。この場合、針板112だけでなく、その周辺領域までの加熱しても良い。熱風で加熱される領域を十分に広くすることで、生地を送りながら縫製するときの加熱時間を十分に長くすることができるので、加熱温度を低くしても生地の温度を十分に高くすることができ、従って、生地を傷めずにパッカリングを防止することが容易になる。
また、熱風の温度は、40℃以上45℃以下とすることが望ましい。これにより、ナイロン生地を傷めること(例えば生地が熔解すること)無しに、パッカリングを防止することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、生地を傷めずにパッカリングを防止するパッカリング防止装置を、安価に提供することができる。
加えて、本実施形態では、熱風をミシン台110の下面から吹き付けるので、過度の温度上昇によって生地が傷むおそれが少ない。
また、熱風をミシン台110の下面から吹き付けるので、ミシン本体120が直接加熱されることはない。このため、ミシン油が加熱されて、ミシン本体120の動作に不具合が生じたり、安全性に問題が生じたりするおそれがない。
さらに、熱風をミシン台110の上方から吹き付ける場合、かかる熱風のために縫製作業者の体温が上昇して呼吸困難になる等、作業環境が悪化するおそれがある。これに対して、本実施形態では、ミシン台110の下側から貫通孔111を介して針板112に熱風を吹き付けることとし、さらに、ミシン台110の下面に排気通路140を設けて貫通孔111内の熱風をミシン台110の側方に排気することとしたので、快適な作業環境を容易に維持できる。
加えて、本実施形態では、ミシン100が稼働中のとき(すなわち、縫製が実際に行われているとき)にのみ加熱を行うことができるので、パッカリング防止装置の消費電力を低減することができる。
本実施形態では、ヘア・ドライヤー130の熱風によって針板112を加熱することとしたが、他の加熱方法(例えば、針板112の下面にヒータを設けること)で針板112を加熱することによっても、本発明の効果を得ることが可能である。但し、本発明のパッカリングを安価に実現するためには、ヘア・ドライヤー130等の熱風供給器を用いることが望ましい。
本実施形態では、本縫い用ミシンにパッカリング防止装置を搭載する場合を例に採って説明したが、温度低下に起因するパッカリングが発生しやすい縫製方式であれば、他の種類の縫製を行うミシンであっても本発明の効果を得ることができる。
本実施形態では、ナイロン生地の縫製を行う場合を例に採って説明したが、低温でパッカリングが発生し易くなる生地であれば、他の種類の生地を縫製する場合にも、本発明の効果を得ることができる。
本実施形態では、ミシン100の稼動/非稼動を、ペダル301の状態によって検出したが、他の方法(例えばミシン本体120内のモータ等の状態)によって検出することも可能である。
Claims (5)
- 針穴を有する針板を用い、該針穴に上方から縫い針を通すことによって、前記針板の上に載置された生地の縫製を行うミシンに搭載されるパッカリング防止装置であって、
前記針板を加熱する加熱手段を備え、該加熱手段で加熱された該針板によって前記生地を加熱するように構成されたことを特徴とするパッカリング防止装置。 - 前記加熱手段が、前記針板の下面に熱風を吹き付ける熱風供給器を備えることを特徴とする請求項1に記載のパッカリング防止装置。
- 前記加熱手段の加熱温度が40℃以上45゜以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパッカリング防止装置。
- 前記加熱手段が、前記針穴を中止として半径10cm以上の領域を加熱することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のパッカリング防止装置。
- 前記加熱手段が、該ミシンが稼働中か否かを検出し、稼働中の場合にのみ加熱を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のパッカリング防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010005402A JP2011143038A (ja) | 2010-01-14 | 2010-01-14 | パッカリング防止装置 |
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---|---|---|---|---|
CN104099732A (zh) * | 2014-07-11 | 2014-10-15 | 新杰克缝纫机股份有限公司 | 缝纫机和缝纫机的风扇 |
WO2019026329A1 (ja) * | 2017-08-01 | 2019-02-07 | 株式会社日立製作所 | 繊維強化樹脂複合体及びその製造装置 |
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2010
- 2010-01-14 JP JP2010005402A patent/JP2011143038A/ja active Pending
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