JP2011141482A - 液晶表示素子 - Google Patents

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隆 小堺
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Abstract

【課題】クロムマスクと同じ位置に紫外線を透過し、かつ、可視光を遮蔽する特性の光選択性膜を配置し、光学的制限を満足させると共に強度の強い入射光に対しても複屈折の発生を抑制し、シール材のUV硬化を妨げない構造とする。
【解決手段】液晶表示素子20は、複数の画素電極2を含む表示領域を有する半導体基板3と、複数の画素電極2に所定の間隙を有して対向配置された光透過性及び導電性を有する透明電極4を備えた光透過性を有する透明基板6と、紫外線硬化樹脂を含み、表示領域を囲うと共に半導体基板3と透明基板6とを貼り合わせるシール部22と、上記所定の間隙に充填された液晶10とを備える。透明基板6は、シール部22が形成されている領域に対応する領域を含んで形成され、かつ、表示領域に対応する領域に開口部を有する光選択性膜21を備え、光選択性膜21は、紫外線を透過し、かつ、可視光を遮蔽する。
【選択図】図1

Description

本発明は液晶表示素子に係り、特に反射型の液晶表示素子に関する。
画像を大画面で高精細に表示できるディスプレイとして、プロジェクタやプロジェクションテレビ等の投射型の液晶表示装置が普及している。この投射型の液晶表示装置に用いられる液晶表示素子は、一般的に、液晶表示素子の一方から入射した光をこの液晶表示素子を透過して他方に射出する透過型と、液晶表示素子の一方から入射した光をこの液晶表示素子で反射させて入射した側に出射する反射型とがある。
透過型液晶表示素子は、反射型液晶表示素子と比較して開口率では劣る傾向にあるものの、光の入射と射出の面が異なるため投射の際に組み合わせる光学系が簡素化できるというメリットがある。
一方、反射型の液晶表示素子は、透過型液晶表示素子に比べて、開口率を低下させずに高い解像度を実現する上で有利である。反射型液晶表示素子は一般的にシリコン系の半導体基板の上に各画素に対応するMOS型トランジスタを配置し、その上層に金属配線を施し、その上に反射電極画素を形成する。
図5は、従来の反射型液晶表示素子の第1の例の断面図を示す。同図において、反射型液晶表示素子1は、光反射性を有する画素電極2がマトリクス状に形成された表示領域を表面に有する半導体基板3と、光透過性及び導電性を有する透明電極4が一方の表面に形成され、かつ、透明の反射防止膜5が他方に表面に形成された光透過性を有する透明基板6とが、画素電極2と透明電極4とが互いに向き合うように離間対向配置すると共に、配向膜7、8を介し上記表示領域を囲う環状のシール部9によって空隙を有して貼り合わせ、空隙には液晶10が充填されてなる構造である。
また、この液晶表示素子1に入射する光は完全な平行光ではないため、そのままでは表示領域以外の素子部に照射されてしまう。特に、シール部9にあたった光は偏光方向がランダムになるため非駆動状態でも明るく光り、画像品位を非常に悪くしてしまう。そこで、液晶表示素子1は、表示領域に対応する開口部を持ち、かつ、光を反射しない黒色のプレートであるアパチャーマスク11を反射防止膜5の上方に設置し、画像品位を下げる原因となる領域に光を入射させない構造をとる。
図6は、従来の反射型液晶表示素子の第2の例の断面図を示す。同図中、図5と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図6において、反射型液晶表示素子12は、アパチャーマスク11の代わりに、表示領域に対応する開口部を有し、透明電極4とシール部9との間に、クロム/酸化クロム膜によるマスク(以下、クロムマスク)13が形成されている。
図7は、クロムマスク13の入射光の波長に対する透過率、反射率、吸収率のシミュレーショングラフを示す。同図に示すように、クロムマスク13は入射光の吸収率が高く、可視光領域における光の約95%以上を吸収していることが分る。クロムマスク13による効果をアパチャーマスク11と比較し、図8を用いて説明する。
図8(A)は、液晶表示素子1の部分断面図、同図(B)は、液晶表示素子12の部分断面図を示す。同図(A)、(B)において、入射光は完全な平行光ではないので必ず光学系のf値で規定される角度を持つ。光学系のf値が同じであれば入射角度θは等しくなるのでマスクが画素面から近ければ近いほど画素領域端から光が漏れる範囲が狭くなる。
この範囲は、液晶表示素子1では図8(A)に示すようにd2であり、液晶表示素子12では同図(B)に示すようにd1である。この範囲は狭くなればなるほど漏れ光も少なく、遮光効率が高い。従って、範囲d1は範囲d2よりも狭いので、遮光効率はアパチャーマスク11よりクロムマスク13の方が高いといえる。
ところで、近年の液晶表示素子は低コスト化の要求が激しく、画素の小型化によって画素密度を上げてウエハあたりの配置数を増やすことでチップあたりの単価を下げる必要がある。そのような点から、シール部9等の表示領域以外の領域をできるだけ狭くすることが要求されており、実際にはシール部9だけでなく、駆動回路部も含めてシール領域として利用しているのが現実である。
このように、低コスト化の要求からウエハあたりの画素電極の配置数を増やすことが求められているため、光学的な制限からシール部分を隠すアパチャーマスクは画素に近い位置に配置することが望まれる。そこで、上記のようにクロムマスクは光の吸収率も高く、画像品位の向上が望めるので、低コスト化の要求からクロムマスク13を備えた液晶表示素子12の方がアパチャーマスク11を備えた液晶表示素子1に比べて望ましいといえる。
しかし、クロムマスク13を備えた図6の反射型液晶表示素子12は、以下の問題がある。すなわち、画素電極2がマトリクス状に形成された表示領域を表面に有する半導体基板3の所定位置にシール材を塗布した後、そのシール材に透明電極4と反射防止膜5が各一方の面(表面と裏面)に形成された透明基板6を、配向膜7、8を介して空隙を有して貼り合わせる。このときにできる空隙には、液晶を予め必要量だけ供給しておくことも可能であり、さらにシール材を一部塗布しない領域を作り、その領域から液晶を真空注入した後に、別途シール材を塗布して密閉することもできる。ここで用いられるシール材は生産性や即効性を考えて紫外線(UV)硬化タイプの材料が大半を占める。
しかし、クロムマスク13を形成した場合、クロムマスク13の下面のシール材14には、図9に15で示すようにUV光がクロムマスク13の吸収によって照射されず、シール材14を十分に硬化させてシール部9を形成することができない。このようにシール材の硬化不足又は未硬化が問題である。
そこで、従来はシール材と重なる部分の光透過手段(開口部)を設け、その光透過手段を通してUV光をシール材に照射することにより、シール材を完全に硬化させてシール部を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−310038号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法は、画素電極が形成された半導体基板がガラス等のUV光を透過させる透過型液晶表示素子にのみ適用できるものであって、反射型液晶表示素子には適用することができない。
また、図6及び図8(B)に示した反射型液晶表示素子12では、範囲d1に画像品位を悪化させる要因となる漏れ光が照射されるため、範囲d1を除く領域に表示領域を形成しなければならない。そのため、範囲d1がデッドスペースとなるので、上述した液晶表示素子の低コスト化に対してさらなる改善が望まれている。
また、図6及び図8(B)に示した反射型液晶表示素子12において、クロムマスク13を形成することで、図5及び図8(A)に示した反射型液晶表示素子1に比べて高い遮光効率は得られるものの、クロムマスク13が光を吸収して該当部分の画像を黒にするために、吸収した光が熱に変わり、入射光の強度が強い場合、クロムマスク13付近の温度が例えば数十度も上昇する可能性がある。
クロムマスク13付近の部分は、半導体基板3と透明基板6という熱膨張率の異なる材質をシール材で貼り合せて形成した部分であるので、上記の温度上昇による半導体基板3と透明基板6との熱膨張率の違いによる双方の機械的ストレスのために歪が生じ、吸熱部分による複屈折が発生してしまう。
なお、クロムマスクの代わりに反射率の高い材料を用いることで複屈折の発生は抑えることが可能になるものの、シール材の硬化に関しては改善されない。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、クロムマスクと同じ位置に紫外線を透過し、かつ、可視光を反射等により遮蔽する特性の光選択性膜を配置し、光学的制限を満足させると共に強い強度の入射光に対しても複屈折の発生を抑制し、シール材のUV硬化を妨げない構造を有する反射型液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、複数の画素電極を含む表示領域を有する半導体基板と、複数の画素電極に所定の間隙を有して対向配置された光透過性及び導電性を有する透明電極を備えた光透過性を有する透明基板と、紫外線硬化樹脂を含み、表示領域を囲うと共に半導体基板と透明基板とを貼り合わせるシール部と、所定の間隙に充填された液晶と、を備え、透明基板は、シール部が形成されている領域に対応する領域を含んで形成され、かつ、表示領域に対応する領域に開口部を有する光選択性膜を備え、光選択性膜は、紫外線を透過し、かつ、可視光を遮蔽する特性を有することを特徴とする。
ここで、上記の可視光は、所定の偏光面を有する第1の偏光であり、上記の紫外線は、無偏光又は前記所定の偏光面とは異なる偏光面を有する第2の偏光であり、上記の光選択性膜は、第1の偏光を遮蔽し、第2の偏光を透過する偏光選択性膜である。
または、上記の光選択性膜は、第1の屈折率を有する高屈折率膜と、第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する低屈折率膜とが交互積層された多層膜であり、可視光を遮蔽し、かつ、可視光よりも波長の短い前記紫外線を透過する波長選択膜である。
本発明によれば、画像品位向上のための光学的制限を満足させることで画像品位の悪化を抑制することができ、また、クロムマスクを用いたときのような複屈折の発生を抑制し、更に、シール材のUV硬化を妨げることがないので、生産性を向上できる。
本発明の液晶表示素子の第1の実施の形態の模式的断面図である。 本発明の液晶表示素子の第1の実施の形態の模式的上面図である。 本発明の液晶表示素子の第1の実施の形態の製造方法を説明する各工程での素子断面図である。 本発明の液晶表示素子の第2の実施の形態で用いる波長選択膜の波長対透過率特性の一例を示す図である。 従来の反射型液晶表示素子の第1の例の模式的断面図である。 従来の反射型液晶表示素子の第2の例の模式的断面図である。 図6のクロムマスクの透過率、反射率、吸収率の一例のシミュレーショングラフである。 図5と図6の液晶表示素子におけるマスク位置による漏れ光の違いの説明図である。 クロムマスクによるUV光の遮光説明図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明になる液晶表示素子の第1の実施の形態の模式的断面図、図2は、本発明になる液晶表示素子の第1の実施の形態の模式的上面図を示す。両図中、同一構成部分には同一符号を付してある。
図1に示すように、本実施の形態の液晶表示素子20は反射型液晶表示素子で、光反射性を有する複数の画素電極2がマトリクス状に形成された表示領域を表面に有する半導体基板3と、光透過性及び導電性を有する透明電極4と光選択性膜である偏光選択性膜21とが一方の表面に形成され、かつ、透明の反射防止膜5が他方の表面に形成された光透過性を有する透明基板6とが、画素電極2と透明電極4及び偏光選択性膜21とが互いに向き合うように離間対向配置されると共に、配向膜7、8を介し上記表示領域を囲う環状のシール部22によって空隙Aを有して貼り合わされ、空隙Aには液晶10が充填されてなる構造を有する。なお、空隙Aはセルギャップと称される。
透明電極4、偏光選択性膜21、反射防止膜5が形成された透明基板6は対向電極基板23を構成している。また、偏光選択性膜21は、光選択性膜の一例であり、直線偏光である可視光を反射すると共に、例えば無偏光の紫外線(以下、UV光ともいう)を透過する膜で、透明基板6上の透明電極4が形成されている面であって、上記の表示領域以外の領域に形成されており、上記の表示領域に対応する領域に開口部を有している。
また、液晶表示素子20に用いる半導体基板3には、図2に示すように、中央の所定範囲Dに複数の画素電極2がマトリクス状に配置されると共に、その所定範囲Dの複数の画素電極2の全体を覆うように図1に示した配向膜7が形成されている。また、その所定範囲Dの周囲に駆動回路部24が形成され、更にその駆動回路部24上を一部含み、所定範囲Dを囲むように環状のシール部22が形成されている。上記所定範囲Dは、前記表示領域に相当する。また、図1に示す配向膜8は、図2に示した所定範囲Dに対応する範囲における透明電極4を覆うように形成されている。
なお、図2において、駆動回路部24に隣接して図1では図示を省略した、液晶表示素子20と外部を電気的に接続するワイヤボンディング用のパッド配置領域25が形成されている。
次に、本実施の形態の要部である偏光選択性膜21について説明する。偏光選択性膜21は、所定の偏光面を有する偏光のみを透過する偏光特性を有する環状の光選択性膜であり、偏光子として用いられる偏光材料で構成される。偏光子には透明誘電体の反射を利用する方法、複屈折性を利用する方法、光の吸収が振動方向によって異なる二色性を利用する方法などがあるが、二色性を利用する方法は比較的簡単に大きな板状の偏光子を作ることができ、偏光板として利用されている。この偏光板には、例えばモクステック(Moxtek)社製の偏光板(ProFlux:登録商標)があり、これを偏光選択性膜21に用いることができる。
次に、本実施の形態の液晶表示素子20の製造方法について図3の各工程の素子断面図と共に説明する。まず、図3(A)に示すように、一方の面に反射防止膜5が形成され、かつ、他方の面に前述した偏光選択性膜21となる偏光板30が形成された透明基板6を作成する。偏光板30は、偏光選択性膜21として形成されたときに、図3(A)の上から下方向に入射する直線偏光である可視光のみを反射するため、入射する可視光の偏光面に対し直交する偏光面の偏光を透過する状態となるように基板形状を定めて形成される。
続いて、図3(B)に示すように偏光板30の表面にレジスト膜31を形成した後、図3(C)に示すように、通常のフォト・リソグラフィ技術を適用して、露光用マスク32によりレジスト膜31の偏光選択性膜21となる部分以外の表示領域に対応した領域をマスクし、レジスト膜31の露光用マスク32によりマスクされていない部分(偏光選択性膜21となる部分に対応した部分)に対して露光光33を照射する。続いて、図3(D)に示すように、現像して露光光33が照射されていない部分のレジスト膜31を除去して開口部34を形成する。
次に、図3(E)に示すように、公知のエッチングによりレジスト膜31で覆われていない部分の偏光板30を除去して、開口部35を形成するパターニングを行う。続いて、図3(F)に示すように、塩素系のガスを用いてレジスト膜31を除去することにより、レジスト膜31で覆われていた環状の偏光板30を偏光選択性膜21として作成する。
次に、図3(G)に示すように、偏光選択性膜21の表面及び偏光選択性膜21で覆われていない透明基板6の露出した表面に、それぞれ公知の方法で透明電極4を被覆して対向電極基板を形成する。続いて、図3(H)に示すように、同図(G)に示した対向電極基板の透明基板6の凹部を含む表示領域に配向膜8を被覆する。そして、図3(H)に示すように、公知の液晶表示素子の製造方法により形成した、表面に複数の画素電極2がマトリクス状に形成され、かつ、その複数の画素電極2を被覆する配向膜7が形成された半導体基板3とを、配向膜7及び配向膜8が互いに対向するように配置する。
続いて、図3(I)に示すように、セルギャップA(図1参照)に対応する所定の直径を持つスペーサボールが紫外線硬化樹脂に混入されたシール材36を半導体基板3上に環状に塗布する。そして、図3(J)に示すように、透明電極4、反射防止膜5、配向膜8、偏光選択性膜21を含む透明基板6(対向電極基板)を、配向膜7及び配向膜8が対向した状態で、互いに接近する方向に所定の圧力を印加しつつ上記シール材36をUV光の照射により硬化させることによって、シール部22を形成して上記の対向電極基板と、画素電極2、配向膜7を含む半導体基板3(画素電極基板)とを貼り合わせる。このとき、シール部22は、セルギャップAの距離をスペーサの直径に応じて設定することができる。
この時に塗布されたシール材36の形状は表示領域(図2のDに相当)にある複数の画素電極2の周囲を完全に覆う場合と、後に液晶を注入する隙間を空けておく場合の2種類が考えられる。完全に覆う場合は画素電極基板と対向電極基板とを重ね合わせる前に、形成される容積に対応する液晶をどちらかの基板の上へ事前に供給しておく必要がある。
また、シール材36を硬化するために使用するUV光は、偏光選択性膜21が透過する偏光面と同じ方向の偏光面を持つ直線偏光、もしくは無偏光のランダム光でなければならない。これにより、UV光は偏光選択性膜21を透過してシール材36に照射されて、シール材36の硬化を促進させてシール部22を形成することができる。
通常のシール材はシール材を硬化させるのに必要なエネルギーとして365nm換算で3000mJを目安とし、100mWのUV光源を用いて約30秒の照射を行う。UV光としてランダム光を入射した場合、透過効率を考えて約1分以上の照射が必要となる。
上記のようにしてUV光照射によりシール材36を硬化させてシール部22を形成した後、一般的に用いられる液晶注入装置へ導入し、真空注入の手法を用いて先の液晶を注入する隙間から液晶を配向膜7及び8とシール部22で囲まれた空隙内に注入する。液晶を注入した後、液晶を注入した隙間に再度シール材を塗布し、硬化させて完全に封をする。その後、周囲に付着した液晶や他の有機物のコンタミを除去する。
この後に外部駆動基板との接続を行うFPC(Flexible Printed Circuit)を貼り付け、ワイヤボンディング等で液晶表示素子とFPCとの電気的な接続を行い、本実施の形態の図1及び図2に示したと同様の液晶表示素子20が完成する。
なお、液晶表示素子20は、図3(J)では透明電極4が偏光選択性膜21の表面と偏光選択性膜21の開口部を通して透明基板6の露出した表面の両方を覆うように形成されているが、図1に示したように、透明電極4が偏光選択性膜21の開口部を通して透明基板6の露出した表面のみに形成されるようにしてもよい。
このように、本実施の形態によれば、シール材硬化のためのUV光は透過し、かつ、表示のために入射する直線偏光である可視光(例えば、時分割的に入射する三原色光の各原色光)は反射する特性の偏光選択性膜21を、シール部22の上に形成するようにしたため、画像品位向上のための光学的制限を満足させると共に、クロムマスクのような強い入射光に対する温度上昇が殆どないので、複屈折を発生させることがなく、また、UV光を透過するのでシール材のUV硬化を妨げない特長が得られる。
また、本実施の形態の液晶表示素子20を製造する際に、特殊なプロセスを追加せずにUV光を十分に照射することができるため、照射による硬化時間を伸ばす必要がないため、液晶表示素子の生産性を向上することができる。更に、本実施の形態によれば、画像品位を下げる原因であるシール部からの漏れ光を遮断する膜として偏光選択性膜21がシール部22の上に形成されるため、漏れ光遮断のための領域を別に確保する必要がなくなる。そのため、半導体基板3のサイズを従来と同様とした場合は、1枚のウエハに配置する画素電極の数を多くすることができるので、その分基板コストを低減することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態の液晶表示素子は、第1の実施の形態の断面図及び平面図に示した液晶表示素子20と同様の断面及び平面を示す。ただし、本実施の形態の液晶表示素子は、第1の実施の形態の表示素子20と比較して、偏光選択性膜21の代わりに波長選択膜をシール部の上に形成した点に特徴がある。
次に、本実施の形態の要部である波長選択膜について説明する。本実施の形態で用いる波長選択膜は、光選択性膜の一例であり、可視光波長領域(おおよそ400nm〜700nm)の可視光を反射し、シール材硬化のために用いる波長領域(おおよそ365nmを中心として300nm〜380nm)のUV光は透過する特性を有し、高屈折率膜(例えば屈折率が1以上の膜)と低屈折率膜(例えば屈折率が1未満の膜)とがそれぞれ交互に積層された、環状の多層膜である。
ここでは、波長選択膜は必要性から可視光中の遮光が必要な入射光波長の透過率を1%未満とする。この透過率は小さければ小さいほど、波長選択膜を通過する光量が少なくなり、液晶表示素子で反射されて投射レンズを通してスクリーンに投影される画像の波長選択膜に対応する部分を黒くすることができるが、1%未満であれば画像品位を落とすことはない。
本実施の形態の波長選択膜に使用される材料は、入射するUV光に対して光学的に安定でなければならない。光学的に不安定な膜を使用した場合、シール材硬化のためのUV光照射により屈折率に代表される光学定数が変化してしまい、上記の可視光の透過率の仕様を満たさなくなる可能性が高い。本発明で使用可能な波長選択膜は、高屈折率材料としてジルコニウムの酸化物又はハフニウムの酸化物、低屈折材料として珪素(シリコン)の酸化物等が代表的な材料として考えられる。
本実施の形態で用いる波長選択膜は、上記透過率条件を満たす下記の構成の多層膜構成である。
光学ガラス基板/(66.84H 106.42L )10(49.87H 79.49L )10/液晶
ここで、上記括弧内の数字は各膜の厚み(単位nm)、Hは高屈折材料(ZrO2:ニ酸化ジルコニウム)の膜、Lは低屈折材料(SiO2:ニ酸化珪素)の膜、括弧の後の数字はその前の括弧内の組み合わせの膜をその回数分積層したことを意味する。
図4は、本実施の形態で用いる上記波長選択膜の波長対透過率特性を示す。プロジェクタにおいて通常使用される光源の波長は光源としてUHPランプを使用した場合、440nm(青色光)、560nm(緑色光)、650nm(赤色光)、及びその近傍の可視光波長領域である。
図4から分るように上記の可視光波長領域における本実施の形態の波長選択膜の透過率は各々0.2%以下となっており、充分な遮光特性が得られている。また、紫外線(UV光)の波長領域(おおよそ365nmを中心として300nm〜380nm)の本実施の形態の波長選択膜の透過率は、図4から分るように70〜80%を確保しており、UV光に対して十分な透過特性が得られている。
次に、本実施の形態の液晶表示素子の製造方法について説明する。本実施の形態の製造方法は、基本的には図3に示した第1の実施の形態の液晶表示素子の製造方法と略同様であるので、異なる工程についてのみ説明する。
第2の実施の形態では、透明基板として、例えばコーニング社製のEAGLE XGガラス基板を用いることができる。洗浄したこの透明基板上に不要な部分への成膜がされないためにマスクを被覆した後、スパッタ法を用いて前記高屈折材料(ZrO2)と低屈折材料(SiO2)を指定の膜厚になるように交互に積層する。この成膜は、公知のスパッタ法による誘電体材料の成膜手法を用いて行うことができる。
その後、透明基板上に成膜された多層膜の波長選択膜と反対側面の透明基板上に反射防止膜を形成すると共に、波長選択膜の表面を透明電極で被覆形成する。これら反射防止膜及び透明電極は公知の液晶表示素子の製造方法を用いて容易に形成することが可能である。
以下、図3(H)、(I)、(J)で示した製造工程と同様の製造工程を経て、透明電極4、反射防止膜5、配向膜8、波長選択膜(図3では偏光選択性膜21)を含む透明基板6(対向電極基板)を、配向膜7及び配向膜8が対向した状態で、互いに接近する方向に所定の圧力を印加しつつシール材36を、所定の波長領域のUV光の照射により硬化させることによって、シール部22を形成して上記の対向電極基板と、画素電極2、配向膜7を含む半導体基板3(画素電極基板)とを貼り合わせる。このとき、シール部22は、セルギャップAの距離をスペーサの直径に応じて設定することができる。
上記の対向電極基板と画素電極基板とを貼り合わせた後の製造工程は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
このように、本実施の形態によれば、シール材硬化のためのUV光は透過し、かつ、表示のために入射する可視光(例えば、時分割的に入射する三原色光の各原色光)は遮蔽する特性の環状の波長選択膜を、環状のシール部の上に形成するようにしたため、画像品位向上のための光学的制限を満足させると共に、クロムマスクのような強度の強い入射光に対する温度上昇が殆どないので、複屈折の発生を抑制し、また、UV光を透過するのでシール材のUV硬化を妨げないという特長が得られる。
また、本実施の形態の液晶表示素子を製造する際に、特殊なプロセスを追加せずにUV光を十分に照射することができるため、照射による硬化時間を伸ばす必要がないため、液晶表示素子の生産性を向上することができる。更に、本実施の形態によれば、画像品位を下げる原因であるシール部からの漏れ光を遮断する膜として波長選択膜がシール部の上に形成されるため、漏れ光遮断のための領域を別に確保する必要がなくなる。そのため、半導体基板3のサイズを従来と同様とした場合は、1枚のウエハに配置する画素電極の数を多くすることができるので、その分基板コストを低減することができる。
なお、本発明は以上の実施の形態の反射型液晶表示素子に限定されず、透過型液晶表示素子にも適用可能である。
2 画素電極
3 半導体基板
4 透明電極
5 反射防止膜
6 透明基板
7、8 配向膜
10 液晶
20 液晶表示素子
21 偏光選択性膜
22 シール部
23 対向電極基板
24 駆動回路部
30 偏光板
31 レジスト膜
32 露光用マスク
36 シール材

Claims (3)

  1. 複数の画素電極を含む表示領域を有する半導体基板と、
    前記複数の画素電極に所定の間隙を有して対向配置された光透過性及び導電性を有する透明電極を備えた光透過性を有する透明基板と、
    紫外線硬化樹脂を含み、前記表示領域を囲うと共に前記半導体基板と前記透明基板とを貼り合わせるシール部と、
    前記所定の間隙に充填された液晶と、
    を備え、
    前記透明基板は、前記シール部が形成されている領域に対応する領域を含んで形成され、かつ、前記表示領域に対応する領域に開口部を有する光選択性膜を備え、
    前記光選択性膜は、紫外線を透過し、かつ、可視光を遮蔽する特性を有することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記可視光は、所定の偏光面を有する第1の偏光であり、
    前記紫外線は、無偏光又は前記所定の偏光面とは異なる偏光面を有する第2の偏光であり、
    前記光選択性膜は、前記第1の偏光を遮蔽し、前記第2の偏光を透過する偏光選択性膜であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 前記光選択性膜は、第1の屈折率を有する高屈折率膜と、前記第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する低屈折率膜とが交互積層された多層膜であり、前記可視光を遮蔽し、かつ、前記可視光よりも波長の短い前記紫外線を透過する波長選択膜であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
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