JP2011136704A - 合成樹脂製二重容器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合成樹脂製二重容器において、外容体11と内容体21は共に合成樹脂製のブロー成形壜体で、内容体は、肩部23から底部25にかけての部分を萎み変形が自在に薄肉に成形したものであり、また内容体は、肩部から底部にかけての部分を萎み状、あるいは押潰し状に縮径変形させて外容体の口筒部12を通して、内部に挿入後、前記縮径変形部分を膨出状に元の形状に復元させたものであり、外容体から内容体が抜け出し不能に、内容体の肩部が外容体の肩部13に下方から係止する構成とする。
【選択図】図1
Description
この注出容器は、外殻を形成する有底円筒状の外容体111とブロー成形による内容体121から成る二重容器101を容器本体として利用するものであり、この二重容器101に、外容体111と内容体121を上端部で組付き固定する組付きキャップ131および注出ポンプ141を配設したものであり、内容体121の円筒状の胴部は萎み変形自在に薄肉に形成されている。
また、大きな空気溜りができないので容器の姿勢に拠らず安定した注出を達成することができる。
ここで、内容体121が減容変形した分、外容体111の底部に形成された吸気孔116から外容体111と内容体121の間に外気が進入する。
図9は特許文献2中、実施例として記載される注出容器の半縦断側面図であり、壜体201(デラミボトル)の口筒部202に逆止弁を備えた注出キャップ231を配設したものである。
なお、図9の例はデラミボトルをスクイズタイプの注出容器に利用したものであるが、この種のデラミボトルは図8に示す二重容器と同様に、手動押下げ式ポンプを配設したポンプ付き注出容器にも利用することができる。
ただ、外層と内層には相互に接着性のない合成樹脂を使用し共押出成形によりパリソンを成形する必要があり、使用する合成樹脂あるいは成形方法について制約がある。また、外層と内層に異種の合成樹脂を使用するため、使用後の分別回収が難しいと云う難点がある。
本発明の合成樹脂製二重容器の主たる構成は、
外殻を形成する外容体と内容液を収納する内容体とから構成される合成樹脂製二重容器において、
外容体と内容体は共に合成樹脂製のブロー成形壜体で、それぞれ口筒部、テーパー筒状の肩部、筒状の胴部及び底部を有し、
内容体は、肩部から底部にかけての部分を萎み変形が自在に薄肉に成形したものであり、
また内容体は、肩部から底部にかけての部分を萎み状、あるいは押潰し状に縮径変形させて外容体の口筒部を通してこの外容体の内部に挿入後、前記縮径変形部分を膨出状に元の形状に復元させたものであり、
外容体から内容体が抜け出し不能に、内容体の肩部が外容体の肩部に下方から係止する構成とする、と云うものである。
ブロー成形品である内容体は肩部から底部にかけての部分を萎み変形自在に薄肉にしたことにより、肩部から底部にかけての部分を容易に、萎み状あるいは押潰し状に縮径変形することができ、この縮径の程度を外容体の口筒部の内径以下とすることにより、内容体を底部から、外容体の口筒部を通して外容体の内部に挿入することができる。
そして、その後内容体の口筒部から圧空を吹き込む等の膨らまし工程により、縮径変形部分を膨出状に復元することにより、内容体を元の形状にして二重容器が形成される。
また、内容体の口筒部が外容体の口筒部に略内接するようにしておけば、近接した両口筒部を利用して、外容体と内容体を容易に液密状あるいは気密状に組付き固定することができる。
すなわち、上記構成の二重容器によれば、従来の二重容器にあった、外容体の口筒部の口径を、内容体の胴部の径より大きくする必要があると云う制約、さらには外容体と内容体の簡略な組付け固定が困難であると云う難点を解消することが可能となる。
また、外容体の口筒部に螺合組付きする組付きキャップ等を利用して、フランジを口筒部の上端面に押し付けることにより、内容体を外容体にしっかりと、さらには液密状あるいは気密状にも組付け固定することができる。
内容体の肩部から底部にかけての高さ範囲に凸状縦リブを形成する、と云うものである。
この凸状縦リブの断面形状や形成本数は内容液の粘度等の使用条件に応じて、適宜決めることができ、たとえば軸対称の位置に一対形成したり、等中心角度の位置に3ケ形成したりすることもできる。
外殻を形成する外容体の内側に内容液を収納する内容体を配設した合成樹脂製二重容器の製造方法であって、
外容体と内容体は共に合成樹脂製のブロー成形壜体で、それぞれ口筒部、テーパー筒状の肩部、筒状の胴部及び底部を有するものとし、
内容体の肩部から底部にかけての周壁は、外容体の口筒部の口径より大きな径を有するものとし、
内容体は、肩部から底部にかけての部分を萎み変形が自在に薄肉に成形したものとし、
内容体の肩部から底部にかけての部分を萎み状、あるいは押潰し状に縮径変形させた状態にし、
前記縮径変形状態で内容体を外容体の口筒部を通して内部に挿入し、
その後、内容体の口筒部を通した、縮径変形部分の膨らまし工程により内容体を元の状態に復元する。
上記方法によれば、外容体の口筒部の口径よりも大きな径の周壁を有する内容体を、外容体の口筒部を通してその内部に内容体を挿入することができ、さらにその後、内容体の口筒部からその内部に例えば圧空等を吹き込む等の膨らまし工程により、縮径変形部分を元の状態に復元することができ、二重容器を製造することが可能となる。
ブロー成形品である内容体は、肩部から底部にかけての周壁を萎み変形自在に薄肉にしたことにより、肩部から底部にかけての部分を萎み状、あるいは押潰し状に容易に縮径変形させて外容体の口筒部から挿入することができ、さらにその後、圧空を吹き込む等の膨らまし工程により、押潰し変形した部分を膨らませて容易に元の形状に戻すことができ、
外容体の口筒部の口径よりも大きな径の周壁を有する内容体を外容体の内側に配設して、本発明の合成樹脂製二重容器を製造することができる。
また、外層と内層に異種の合成樹脂を使用するため、使用後の分別回収が難しいと云う従来のデラミボトルにあった制約や難点を解消することができるものであり、減容変形機能を有する注出容器の容器本体として便利に使用することができる。
図1〜4は本発明の合成樹脂製二重容器の一実施例を示すもので、図1は縦断して示す正面図、図2は図1中のA−A線に沿った平断面図、図3は図1中の内容体の正面図、図4は内容体の底面図である。
なお、吸気孔16の形成位置は底部15に限定されるものではなく、口筒部12等、適宜の位置に形成することができる。
内容体21の肩部23、胴部24、底部25の周壁は萎み状の減容変形が自在に進行可能に薄肉に成形されており、これら周壁の肉厚は0.05〜0.2mmの範囲である。
また内容体21の正面と背面には、肩部23から底部25にかけての高さ範囲に縦方向に凸状縦リブ26が形成されている。また口筒部22の上端には外鍔状にフランジ22fが周設されている。
また、内容体21の口筒部22の上端に周設されたフランジ22fが外容体11の口筒部12の上端面に上方から係止すると共に、内容体21の肩部23が外容体11の肩部13に下方から係止しており、これらにより外容体11の内部に内容体21が組付き固定された状態となっている。
(1)内容体21の肩部23から底部25にかけての部分を図5に示すように、全体として外容体11の口筒部12の内径D以下になるように萎み状あるいは押潰し状に縮径変形する。
(2)上記のように縮径変形させた状態で内容体21を外容体11の口筒部12を通して内部に挿入する。この際、内容体21の口筒部22のフランジ22fが外容体11の口筒部12の上端面に当接し、内容体21の挿入限界が決められる。
(3)次に、内容体21の口筒部22から吹込みノズル等を挿入し、このノズルを介して圧空を吹き込んで、縮径変形した部分を膨らませて、内容体21を元の形状に復元する。
この注出キャップ31の外容体11の口筒部12への螺合により、内容体21の口筒部22の周壁は外容体11の口筒部12の周壁と注出キャップ31のシール筒片33により、またフランジ22fは外容体11の口筒部12の上端面と組付きキャップ31の頂壁32により押圧状に挟持され、注出容器のシール性が発揮されると共に、内容体21が外容体11に強固に固定された状態となる。
そして、注出操作を終わって、注出容器を起立姿勢に戻した場合には逆止弁機構が、閉状態となって外気の内容体内部への進入が阻止される。
この図にみられるように、減容変形がかなり進行すると胴部24の周壁が扁平状に減容変形し、相対向する周壁が密着状に当接して内容液の流路が閉塞してしまう恐れがあるが、このような状態でも凸状縦リブ26部分が内容液の流路Cとしての機能を発揮するため、内容液の注出をスムーズに実施できると共に、内容液をほとんど最後まで注出することができる。
なお、本実施例では凸状縦リブ26を軸対称の位置に一対形成したものとしたが、この凸状縦リブ26の断面形状や形成本数は、内容液の粘度等の使用条件に応じて、適宜決めることができるものである。
たとえば、上記実施例では外容体と内容体を共にPET樹脂製の二軸延伸ブロー成形品としたが、勿論、PET樹脂以外の他の合成樹脂も使用することができるし、異種の合成樹脂を組み合せて使用することもでき、また二軸延伸ブロー成形品に限らずダイレクトブロー成形品とすることもできる。
11;外容体
12;口筒部
13;肩部
14;胴部
15;底部
16;吸気孔
17;周溝リブ
21;内容体
22;口筒部
22f;フランジ
23;肩部
24;胴部
25;底部
26;凸状縦リブ
31;注出キャップ
32;頂壁
33;シール筒
C ;流路
Claims (7)
- 外殻を形成する外容体(11)と内容液を収納する内容体(21)とから構成され、前記外容体(11)と内容体(21)は共に合成樹脂製のブロー成形壜体で、それぞれ口筒部、テーパー筒状の肩部、筒状の胴部及び底部を有し、前記内容体(21)は、肩部(23)から底部(25)にかけての部分を萎み変形が自在に薄肉に成形したものであり、また前記内容体(21)は、肩部(23)から底部(25)にかけての部分を萎み状、あるいは押潰し状に縮径変形させて外容体(11)の口筒部(12)を通して該外容体(11)の内部に挿入後、前記縮径変形部分を膨出状に元の形状に復元させたものであり、前記外容体(21)から内容体(11)が抜け出し不能に、内容体(21)の肩部(23)が外容体(11)の肩部(13)に下方から係止する構成とした合成樹脂製二重容器。
- 内容体(21)の口筒部(22)の上端に外鍔状にフランジ(22f)を周設し、該フランジ(22f)が外容体(11)の口筒部(12)の上端面に係止する構成とした請求項1記載の合成樹脂製二重容器。
- 内容体(21)の口筒部(22)、肩部(23)、胴部(24)及び底部(25)がそれぞれ外容体(11)の口筒部(12)、肩部(13)、胴部(14)及び底部(15)に略内接する構成とした請求項1または2記載の合成樹脂製二重容器。
- 内容体(21)の肩部(23)から底部(25)にかけての高さ範囲に、縦方向に、凸状縦リブ(26)を形成した請求項1、2または3記載の合成樹脂製二重容器。
- 外容体(11)と内容体(21)を同種の合成樹脂製とした請求項1、2、3または4記載の合成樹脂製二重容器。
- 外容体(11)の口筒部(12)に逆止弁機能を有する注出キャップを組み付けて、注出容器の容器本体として使用する請求項1、2、3、4または5記載の合成樹脂製二重容器。
- 外殻を形成する外容体(11)の内側に内容液を収納する内容体(21)を配設した合成樹脂製二重容器の製造方法であって、前記外容体(11)と内容体(21)は共に合成樹脂製のブロー成形壜体で、それぞれ口筒部、テーパー筒状の肩部、筒状の胴部及び底部を有するものとし、前記内容体(21)の肩部(23)から底部(25)にかけての周壁は、外容体(11)の口筒部(12)の口径より大きな径を有するものとし、前記内容体(21)は、肩部(23)から底部(25)にかけての部分を萎み変形が自在に薄肉に成形したものとし、前記内容体(21)の肩部(23)から底部(25)にかけての部分を萎み状、あるいは押潰し状に縮径変形させた状態にし、前記縮径変形状態で内容体(21)を外容体(11)の口筒部(12)を通して内部に挿入し、その後、前記内容体(21)の口筒部(22)を通した、前記縮径変形部分の膨らまし工程により内容体(21)を元の状態に復元することを特徴とする合成樹脂製二重容器の製造方法。
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