JP2011134940A - 熱電変換素子およびそれを用いた熱電変換モジュールおよび熱電変換装置 - Google Patents

熱電変換素子およびそれを用いた熱電変換モジュールおよび熱電変換装置 Download PDF

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通孝 奥田
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Abstract

【課題】熱電変換効率が高く、小型集積化が可能な熱電変換モジュールを量産化することが容易な熱電変換素子を提供し、それを用いた熱電変換モジュールを提供すること。
【解決手段】熱電変換素子10は、絶縁支持体1の隔壁1aを介した一方内部に充填されたゼーベック効果を有するp型半導体素子2aと、隔壁1aを介した他方内部に充填され、一端部1cでp型半導体素子2aと直接電気的に接続されたゼーベック効果を有するn型半導体素子2bと、開口部1bにおいてp型半導体素子2aおよびn型半導体素子2bに設けられた電極とを備えている。熱電変換素子10の絶縁支持体1他端側の側部に設置した電極6により、熱電変換素子10同士を接続させることができ、p型半導体素子2aおよびn型半導体素子2bの上下面で電極板を用いることなしに熱電変換素子を直列に接続することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱を電気に変換するゼーベック効果を用いた熱電変換素子と、それを用いた熱電変換モジュールおよび熱電変換装置に関する。
環境負荷低減の為、排熱等の熱エネルギーを電気エネルギーに変換して有効利用する熱電変換技術が注目されている。従来、熱電変換を行う熱電変換素子は、BiTe、PbTe、CoSb、MgSi等の材料からなるp型の半導体素子とn型の半導体素子が知られている。
図9は、そうした従来の熱電変換モジュールの構成を示した正面図で、p型半導体素子102aおよびn型半導体素子102bの両端に、これらを直列接続するように電極板106が接合され、π型接続構造を成している。電極板106の上下面は、熱伝導性が高く、電気絶縁性の上面板105aおよび下面板105bが取り付けられている。上面板105aと下面板105bとをそれぞれ例えば数百℃の高温部と数十℃の低温部とに密接すると、n型半導体素子102bでは、伝導電子のエネルギーが高温側で高くなって低温側に拡散するために、低温部から高温部に電流を流す方向に熱起電力が生じる。p型半導体素子102aでは、同様に高温側の正孔のエネルギーが高くなって低温側に拡散するために、高温部から低温部に電流を流す方向に熱起電力が生じる。そして、p型半導体素子102aとn型半導体素子102bとが電極板106でπ型に直列に接続されているので、熱電モジュールの両端から電気を取り出して利用することができる。
特開平1−214280
しかしながら、従来の熱電変換モジュールは、熱電変換用のp型およびn型半導体素子102a,102bを一定の隙間を空けて整列する作業が煩雑で、量産化、低価格化することが困難である。
また、従来の熱電変換モジュールは、大きな半導体材料の焼結体を切断することによってp型半導体素子102aおよびn型半導体素子102bに加工するが、p型半導体素子102aおよびn型半導体素子102bが小さくなると、切断加工時に端面にクラックや欠けが生じる場合がある。その為、p型半導体素子102aおよびn型半導体素子102bを小型化することが難しい。また、各半導体素子102a,102bが小さくなると、上下面板105a、105bへ整列させて接合する加工が困難となる。
したがって、小面積の熱電変換用に使用する小型かつ集積化された構造の熱電変換モジュールの製作が困難であり、電子機器の回路基板上の半導体部品のような小熱源を熱源とする高効率な熱電変換モジュールとして実現することは難しい。
本発明の一実施形態に係る熱電変換素子は、上記課題を解決する為、一端部を除いて内側の軸方向に隔壁が設けられるとともに、他端部側外周面に開口を有する筒状絶縁支持体と、該絶縁支持体の前記隔壁を介した一方内部に充填されたゼーベック効果を有するp型半導体素子と、前記隔壁を介した他方内部に充填され、前記一端部で前記p型半導体素子と直接電気的に接続されたゼーベック効果を有するn型半導体素子と、前記開口部において前記p型半導体素子および前記n型半導体素子に設けられた電極とを備えた。
前記p型半導体素子は、高温側と低温側とに異なるp型半導体部材が接続されていてもよい。
前記n型半導体素子も、高温側と低温側とに異なるn型半導体部材が接続されていてもよい。
前記絶縁支持体の熱伝導率が前記p型半導体素子および前記n型半導体素子の熱伝導率よりも小さいのが好ましい。
また、前記絶縁支持体の周方向にスリットが設けられているのが好ましい。
さらに、前記絶縁支持体の軸方向にスリットが設けられているのが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係る熱電変換モジュールは、上記熱電変換素子を、前記他端部側外周面の開口に設けられた電極同士が直列に接続されるように密着させて配置し、前記熱電変換素子の一端面および他端面に上面板および下面板をそれぞれ接合したことを特徴とする。
また、本発明の一実施形態に係る熱電変換装置は、上記熱電変換モジュール同士を上下複数段に重ねるとともに、前記各熱電変換モジュールの外壁端に設けた電極板を接続したことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る熱電変換素子は、筒状絶縁支持体の内部にp型半導体素子およびn型半導体素子を配置したことにより、各熱電変換素子を密着して設置することができ、組立作業が容易になるので、量産化、低価格化することが容易である。
また、p型半導体素子およびn型半導体素子を筒状絶縁支持体内に一端部で接続し、他端部側で各半導体素子に電極を装着することで、隣接する熱電変換素子同士を密着させて電極を導通させることができ、上下面板の電極を廃して、上下面に熱伝導性の高い基板を直接装着することができるようになる。そして、上下面電極を形成する工程を削減することができる。
さらに、p型半導体素子が、高温側と低温側とに異なるp型半導体素子が接続されている場合、または、n型半導体素子が、高温側と低温側とに異なるn型半導体素子が接続されている場合、低温域と高温域とで優れる半導体素子をそれぞれ組み合わせて、高い変換効率を有する熱電変換素子とすることができる。
また、絶縁支持体の熱伝導率が前記p型半導体素子およびn型半導体素子の熱伝導率よりも小さい場合、絶縁支持体を含めた断面の貫流熱量が減少し、熱抵抗が増大するため、熱電変換素子の性能指数Zが大きくなる。
また、絶縁支持体の周方向にスリットが設けられている場合、半導体素子と絶縁支持体との間の熱膨張差によって生じる歪みを逃がすことができ、熱電変換素子を温度差の大きい部位に使用することができる。特に、スリットを熱電変換素子の周方向に設けることにより、支持体1と半導体素子との軸方向の熱膨張差による歪みを緩和することができる。
また、前記絶縁支持体の軸方向にスリットが設けられている場合も、半導体素子と絶縁支持体との間の熱膨張差によって生じる歪みを逃がすことができ、熱電変換素子を温度差の大きい部位に使用することができる。特に、スリットを熱電変換素子の軸方向に設けることにより、絶縁支持体と半導体素子との周方向の熱膨張差による歪みを緩和することができる。
また、本発明の一実施形態に係る熱電変換モジュールは、複数の上記熱電変換素子を、他端部側外周面の開口に設けられた電極同士が直列に接続されるように密着させて配置し、熱電変換素子の一端面および他端面に上面板および下面板をそれぞれ接合したことから、コンパクトで高い熱電変換効率ηを有するものとできる。
さらに、上記熱電変換モジュール同士を上下複数段に重ねるとともに、各熱電変換モジュールの外壁端に設けた電極板を接続した場合、大きな熱電変換電力を取り出すことができる。
以上のように本発明の熱電変換素子によれば、温度差の大きい部位に使用することができ、変換効率ηが高い熱電変換素子を実現することができる。また、熱電変換モジュールとした場合、小型集積化構造の量産化容易な熱電変換モジュールを容易に製作できる。
(a)は本発明の熱電変換素子の実施の形態の一例を示す斜視図、(b)は他の実施形態の一例を示す斜視図である。 (a)は図1(a)または図1(b)のA−A断面図である。 (a),(b)はそれぞれ図1(a)のB−B断面における実施の形態の各例を示す断面図である。(c),(d)はそれぞれ図1(b)のB−B断面における実施の形態の各例を示す断面図である。 本発明の熱電変換モジュールの実施の形態の一例を示し、(a)は平面視における断面図、(b)は側面図、(c)は(a)のC−C断面を示す断面図である。 本発明の熱電変換モジュールの実施の形態の他の例を示し、(a)は平面視における断面図、(b)は側面図、(c)は(a)のC−C断面を示す断面図である。 本発明の熱電変換モジュールの実施の形態の他の例を示す断面図である。 本発明の熱電変換素子の実施の形態の他の例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は(a)のA−A断面を示す断面図である。 図7に示す熱電変換素子を用いた熱電変換モジュールの例を示す要部断面図である。 従来の熱電変換素子を用いた熱電変換モジュールの例を示す側面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態の各例について説明する。
図1は、本発明の熱電変換素子の実施の形態の例を示す斜視図であり、(a)は、四角筒状の絶縁支持体1を用いた熱電変換素子10、(b)は円筒状の絶縁支持体1を用いた熱電変換素子10の実施形態の例を示す。図1(a),図1(b)において、熱電変換素子10の内部を示すために、絶縁支持体1の外周壁面の一部を除去して示している。また、図2は図1(a)または図1(b)のA−A断面を示す断面図である。
図1(a),図1(b),図2に示すように、筒状の絶縁支持体1には、一端部(図1では上部、図2では左側)を除いて内側の軸方向(図1では上下方向、図2では左右方向)に隔壁1aが設けられている。絶縁支持体1は、一端および他端に開口を有している。また、他端側の隔壁1aを介して対向する外周面には絶縁支持体1の外周面を切り欠いて設けられた開口1bがそれぞれ設けられている。この隔壁1aに対向した開口1bによって絶縁支持体1の隔壁1aを介した一方内部および他方内部は外部に通じている。
絶縁支持体1の隔壁1aを挟んで一方の内部には、ゼーベック効果を有するp型半導体素子2aが充填されている。隔壁1aを介した他方の内部には、ゼーベック効果を有するn型半導体素子2bが充填されている。p型半導体素子2aおよびn型半導体素子2bは、一端側の隔壁1aがない部分1cで互いに接触し、電気的に接続されている。他端側では開口1bによって露出するp型半導体素子2aおよびn型半導体素子2bの表面に電極6が設けられている。
絶縁支持体1は、筒状の構造体で、ジルコニアセラミックス,窒化アルミニウム質セラミックス,または窒化珪素質セラミックス等の熱伝導性が低く、電気絶縁性が高いセラミック材料を成形して製作される。例えばジルコニアセラミックスを用いる場合は、樹脂バインダーを用いた加熱粉体を所定形状にプレス成形し、その後、約1400℃/24時間焼成させて形成される。絶縁支持体1の厚さは、可能な限り薄くするのが好ましく、0.2mm〜0.5mm程度のp型およびn型半導体素子2a,2bの器とされる。ジルコニアセラミックスは、熱伝導率が3.0W/m・Kとセラミック材料の中でも熱伝導性が低いので、熱電変換素子10の絶縁支持体1に用いるには好適である。
そして、内部空間を分離する隔壁1aを有する絶縁支持体1に2種類の半導体材料(p型半導体素子2a、n型半導体素子2b)を充填する。熱電変換素子10用の半導体素子の材料には、Si材料を用いたシリサイド系、SiGe系、酸化物系、BiTe系のp型およびn型の半導体材料が用いられる。
シリサイド系半導体材料は、資源として豊富に存在し、人体に無害である点で好適である。その一例として、例えば、n型半導体のMgSiの合成は、Mg(マグネシウム)およびSi(シリコン)の粉末を約1100℃まで時間をかけて加熱して溶融し、Mg−Si溶材を作製する。この溶材を絶縁支持体1に注入し、その後炉の温度を降下させ、結晶の方位を揃えるブリッジマン法という結晶育成法を用いる事で得られる。またはMg−Si粉体を絶縁支持体1に充填し、高圧プレスした状態で、800℃程度で10時間程度、焼成炉内で加熱することでも製作することができる。
その後、p型およびn型半導体素子2a,2bが絶縁支持体1の上下端に露出する面にNiメッキ又はCuメッキをする。そして、ダイシングソウにより、絶縁支持体1の外周面上端から下端まで軸方向のスリット9a、または側面の一部分に周方向のスリット9bを複数個所入れる。各スリット9(軸方向のスリット9a,周方向のスリット9b)の深さは、絶縁支持体1の厚さ以上にカッティングして形成するのが好ましい。スリット幅は小さい方が好ましい。それにより、絶縁支持体1材料と半導体素子2材料間の接合部分の長さを分断して短くすることができ、半導体素子2と絶縁支持体1との軸方向または周方向の熱膨張差により生じる歪み量を小さく抑えることができる。例えば図1(b)の例では、絶縁支持体1と半導体素子2の接合部長さが周方向のスリット9bによって軸方向で半分程度の長さに、また、軸方向のスリット9aによって周方向で1/4程度に分断されている。
周方向に部分的に設けたスリット9bは、熱電変換素子10を軸方向に2分することにより、軸方向に発生する熱膨張差による歪み応力を緩和し、クラック発生を防止する。また、軸方向に部分的に設けたスリット9aは、同様に周方向の熱膨張差による応力歪みを緩和し、クラック発生を防止する。スリットは軸方向に2か所乃至4か所、周方向に1か所乃至2か所設けている。歪み応力を緩和できることによって、熱電変換素子10を温度差の大きい部位に用いることができるようになり、発電量を増やすことができる。
絶縁支持体1の内部に一端部を除いて隔壁1aを設け、一端部でp型半導体素子2aおよびn型半導体素子2bを電気的に接続することで、上面板5aに電極板を設ける必要がない。また、p型半導体素子2aおよびn型半導体素子2bの他端側の側面には電極6が設けられ、下面板5bにも電極板を設ける必要がない。これによって、半導体素子2を電極板を介せず、銀ロウ付けなどにより、直接上下面板5a,5bに密着固定することができ、熱電変換素子10の変換効率ηが向上する。
また、密着固定することができる為、従来の熱電モジュールと同じ面積により多くの熱電変換素子10を配置することができ、出力電圧を大きくすることができる。または、供給電力を大きくすることができる。
絶縁支持体1の内部に充填される半導体素子2として、シリサイド系(例えば、p型がMnSi1.73等、n型がMgSi等)の半導体素子2は、その使用温度範囲が300℃〜600℃と広く、無次元性能指数ZTは1〜1.5程度あり、今後、更にZTが向上する可能性がある熱電変換用半導体材料である。無次元性能指数ZTとは、熱電変換素子の性能を示すもので、
ZT=α・T/(ρ・κ)
ここで、Z:性能指数 α・T/(ρ・κ)
α:ゼーベック係数
T:絶対温度(°K)
κ:熱伝導率
ρ:電気抵抗率
で表され、その値が大きいほど変換効率ηが大きい。
絶縁支持体1にジルコニアセラミックス、n型半導体素子材料2bにシリサイド系のMgSiを使用する組み合わせの場合、熱膨張率が近く、温度変動に起因する歪みによる破損、クラック等が生じにくい。また、熱伝導率は、ジルコニアセラミックスが3.0W/m・K、MgSiが8.0W/m・Kで、ジルコニアセラミックスの方が小さい。したがって、ジルコニアセラミック製の筒状構造体からなる絶縁支持体1とn型半導体素子2bとを組み合わせた場合、n型半導体素子2b材料のみの場合よりも絶縁支持体1を含む構造の方が熱伝導率が小さくなる為、無次元性能指数ZTの値は向上し、変換効率ηが向上することになる。したがって、絶縁支持体1の材料の熱伝導率が、熱電変換用半導体素子材料2より小さい方が、熱抵抗増大により変換効率ηが向上することとなり、好ましい。また、半導体素子2の周囲を絶縁支持体1により覆うことにより、熱電変換素子10同士を密着させて設置することができる。
図3は、図1または図2に示す熱電変換素子10のB−B断面を示した断面図で、(a)は絶縁支持体1が四角筒状の場合の断面図、(b)は四角筒状の絶縁支持体1の内部の隔壁1aが対角方向に形成されている場合の断面図で、電極6が隔壁1aを挟んで隣接する辺に設けられている場合、(c)は円筒状の絶縁支持体1の場合の断面図、(d)は(c)の円筒状の絶縁支持体1の内部隔壁1aを45度傾斜方向に形成した場合の断面図で、電極6が隔壁1aを挟んで90度方向に設けられている場合である。また、電極6は絶縁支持体1の外周面上に設けられており、隣接する熱電変換素子10同士を接続することができる。電極6は、半導体素子2表面にNiまたはCuをPVDまたはCVD法により蒸着加工し、さらにその上にCu板またはNi板等をロウ付けして形成される。また、50μm〜100μm程度の、Cu(銅)、Ag(銀),Ni(ニッケル)、Al(アルミニウム)等の厚膜メッキを半導体素子2表面に施し、電極6としてもよい。
図4は、このような図3に示した熱電変換素子10を用いた熱電変換モジュール11の実施の形態の一例を示し、図4(a)は平面視した断面図、図4(b)は側面図、図4(c)は図4(a)のC−C断面図を示す。図4(a)は、図4(c)のD−D断面を示したものであるが、図3(a)に示した熱電変換素子10を10個、および図3(b)に示した熱電変換素子10を6個の合計16個を組み合わせて熱電変換モジュール11としたものである。なお、図中の矢印は電流の流れる方向を示す。
図3(a)で示したタイプの熱電変換素子10は、絶縁支持体1の対向する外壁面に平行に電極6が設けられており、電流が直線的に流れる部分に用いられる。図3(b)に示したタイプの熱電変換素子10は、隣接する外壁面に電極6が設けられており、平面視して電極6が直角方向に配置されている。したがって、電流の流れる方向を90度変える場所に使用することができる。そして、隣接する熱電変換素子10同士の電極6をそれぞれ接続し、末端の熱電変換素子10の電極6には端子12が接続されて熱電変換モジュール11が構成される。
上面板5aを高温側として熱源に接触させ、下面板5b側を低温側として冷却面に接触させることで、p型半導体素子2aでは高温側からエネルギーを得た正孔が低温側に移動し、高温側から低温側に向けて電流が流れる。n型半導体素子2bでは電子が高温側から低温側に移動し、低温側から高温側に電流が流れる。全体として矢印に示した方向に電流が流れて熱電変換モジュール11として動作する。図4(a)において、熱電変換モジュール11の右側の端子12は、n型半導体素子2bの電極6に接続されて−(マイナス)端子として動作し、左側の端子12は、p型半導体素子2aの電極6に接続されて+(プラス)端子として動作する。
図5は、図3(c)および図3(d)に示した円筒形の絶縁支持体1を用いた場合の実施の形態の一例を示したもので、図5(a)は熱電変換モジュール11を平面視した図5(b)のD−D断面を示す断面図である。図5(b)は、図5(a)の側面図であり、図5(c)は図5(a)のC−C断面を示す断面図である。ここでは図3(c)および図3(d)に示した熱電変換素子10を合計16個用いている例を示している。図3(c)で示したタイプの熱電変換素子10は、外壁面の180度対向する位置に電極6が設けられており、直線的に電流が流れる部分に用いられる。図3(d)に示したタイプの熱電変換素子10は外壁面の90度位置に電極6が設けられており、電流の流れる方向を直角に変える場所に使用される。
図6は、熱電変換素子10を上下にセグメント化し、積層した場合の実施の形態の例を示す。高温側と低温側との間に比較的大きな温度差がある場合に、同じ面積の熱電変換モジュール11で、高出力化する場合に用いることができる。この場合、高温側には、ステックルダイト系、シリサイド系のp型半導体素子2aa、例えば、CoSb(温度範囲:350℃〜650℃),MnSi1.73(温度範囲:250℃〜600℃),FeSi(微少のMnあるいはAl添加)(温度範囲:300℃〜700℃),CrSi(温度範囲:300℃〜700℃)等を用い、n型半導体素子2baには、例えば、FeSi(微少のCoあるいはNi添加),MgSi(温度範囲:150℃〜550℃),MgGe(温度範囲:150℃〜500℃)等の材料が使用できる。また、低温側にはBiTe系のp型半導体素子2ab、例えばBiTe(温度範囲:30℃〜300℃),CsBiTe(温度範囲:30℃〜300℃)等、およびn型半導体素子2bbには例えばYb0.2CoSb12(温度範囲:30℃〜400℃),Bi88Sb12(温度範囲:30℃〜300℃)等の材料を用いて熱電変換モジュール11を構成することができる。
異なる上下の半導体素子2材料の間には、Niメッキが施されており、上下の半導体素子2同士はNiメッキを介して接合される。Niメッキは、ロウ付け等による接合を強固にするとともに、上下の半導体素子2材料の境界領域で半導体素子2材料同士が相互に拡散することによる特性劣化を防止する。
このように本発明の熱電変換素子10を用い、目的、用途によって組み合わせることにより、容易に熱電変換モジュール11として構成することができる。低温域と高温域の各温度領域に適した熱電変換材料を積層して用いることにより、それぞれの最適な温度領域での動作となる為、変換効率ηが向上し、熱電出力を向上することができる。例えば、熱電変換効率ηが、10%程度であったものが、15%程度に向上できる。
図7は、本発明の熱電変換素子10の他の実施形態の例を示し、図7(a)は左側面図、図7(b)は正面図、図7(c)は図7(b)のA−A断面を示す。本実施形態は、図1(a),(b)に示した熱電変換素子10の絶縁支持体1内に充填されたp型半導体素子2aを、動作温度によって異なる特性を有するp型半導体素子2aaおよびn型半導体素子2abを接続して構成し、n型半導体素子2bを動作温度によって異なる特性を有するn型半導体素子2baおよびn型半導体素子2bbを接続して構成したものである。
例えば、高中温域で高特性のMnSi1.73,FeSi(微少のMnあるいはAl添加),CrSi等のシリサイド系材料から成るp型半導体素子2aaと、低温域で高特性のBiTe等のBiTe系材料またはCsBiTe等のp型半導体素子2abを接続して構成される。n型半導体素子2bの材料としては、例えば、高温域側にFeSi(微少のCoあるいはNi添加),MgSi等のシリサイド系材料、低温域側にBiTe,CsBiTe等のBiTe系材料を用いることができる。
このような熱電変換素子10は、シリサイド系半導体材料を先に絶縁支持体1内に入れた後に30MPa〜60MPaで加圧し、同時に800℃〜1000℃程度で数時間加熱して焼成し、その後BiTe系半導体材料を絶縁支持体1内に充填して150MPa〜200MPaで加圧し、同時に400℃〜500℃程度に加熱して焼成する。これら特性の異なる半導体材料の相互拡散防止の為、境界面にNiメッキ等を施してもよい。
このような熱電変換素子10を高温部および低温部の間に密接させて配置することで、p型半導体材料2aおよびn型半導体材料2bにそれぞれ1種類の材料を用いたものに比較して使用温度範囲が拡大し、より高効率に熱電変換することができる。例えば上記例のBiTe系だけを用いた場合、30℃〜300℃程度の使用温度範囲が、シリサイド系材料と組み合わせた構成とした場合は、30℃〜600℃程度に拡大する。また、各半導体材料を適切な温度範囲で使用することにより、変換効率ηを向上させ、それにより発電電力を増大させることができる。このように複数の半導体材料を組み合わせてp型半導体素子2aおよびn型半導体素子2bを形成することで、低温域から高温域まで使用温度範囲を広くカバーできる熱電変換素子10を実現できる。
図8は、図7に示した熱電変換素子10を用いた場合の熱電変換モジュール11の構成例である。紙面下側を低温側、上側を高温側とした場合、上側が中高温域用のp型半導体素子2aaおよびn型半導体素子2ba、下側が中低温領域用のp型半導体素子2abおよびn型半導体素子2bbである。高温側の熱源から、上面板5a、接合層(メッキ層3およびハンダ層4)を介して伝導した熱により、n型半導体素子2ba,2bbの電流が高温側に流れる。そして、一端側のn型半導体素子2baとp型半導体素子2aaとの接合部を介して電流はp型半導体素子2aaに流れる。p型半導体素子2aaおよびp型半導体素子2ab内では励起された正孔が低温側に移動し、低温側に電流が流れる。その後、絶縁支持体1側面に設置した電極6を介して隣接する熱電変換素子10に流れる。このように、低温域と高温域用に異なる半導体素子2の材料を用いて作製した個々の熱電変換モジュールを上下に積層したカスケード構造にすることなく、低温域から高温域まで使用温度範囲を幅広くカバーできる高効率な熱電変換モジュール11が容易に実現できるとともに、小型で集積化が容易な熱伝変換モジュール11とできる。
なお、本発明は上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。
また、上記説明において上下左右という用語は、単に図面上の位置関係を説明するために用いたものであり、実際の使用時における位置関係を意味するものではない。
1:絶縁支持体
1a:隔壁
1b:開口
1c:一端部
2:半導体素子
2a:p型半導体素子
2b:n型半導体素子
3:メッキ層
4:ハンダ層
5a:上面板
5b:下面板
9:スリット
9a:軸方向のスリット
9b:周方向のスリット
10.熱電変換素子
11.熱電変換モジュール

Claims (8)

  1. 一端部を除いて内側の軸方向に隔壁が設けられるとともに、他端部側外周面に開口を有する筒状の絶縁支持体と、該絶縁支持体の前記隔壁を介した一方内部に充填されたゼーベック効果を有するp型半導体素子と、前記隔壁を介した他方内部に充填され、前記一端部で前記p型半導体素子と直接電気的に接続されたゼーベック効果を有するn型半導体素子と、前記開口部において前記p型半導体素子および前記n型半導体素子に設けられた電極と、を備えた熱電変換素子。
  2. 前記p型半導体素子は、高温側と低温側とに異なるp型半導体部材が接続されて成ることを特徴とする請求項1記載の熱電変換素子。
  3. 前記n型半導体素子は、高温側と低温側とに異なるn型半導体部材が接続されて成ることを特徴とする請求項1または2記載の熱電変換素子。
  4. 前記絶縁支持体の熱伝導率が前記p型半導体素子および前記n型半導体素子の熱伝導率よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱電変換素子。
  5. 前記絶縁支持体の周方向にスリットが設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱電変換素子。
  6. 前記絶縁支持体の軸方向にスリットが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の熱電変換素子。
  7. 複数の請求項1乃至6のいずれかに記載の熱電変換素子を、前記他端部側外周面の開口に設けられた電極同士が直列に接続されるように密着させて配置し、前記熱電変換素子の一端面および他端面に上面板および下面板をそれぞれ接合したことを特徴とする熱電変換モジュール。
  8. 請求項7記載の熱電変換モジュール同士を上下複数段に重ねるとともに、前記各熱電変換モジュールの外壁端に設けた電極板を接続したことを特徴とする熱電変換装置。
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