JP2011134316A - タッチパネル装置及びタッチパネルのタッチ入力点間距離検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タッチパネルTP上で2点がタッチされたか否かを、対向する端子間の抵抗値に基づいて判定し、2点がタッチされたと判定すると、タッチされた2点間の距離XDual,YDualを検出する。このとき、対向する端子間の抵抗値とタッチ入力点の押圧力(接触抵抗値)とに基づいて、2点間距離XDual,YDualを検出する。
【選択図】 図5
Description
ここでは、2点タッチされたときの2点間の距離が大きいほど対向する端子間の抵抗値が大きくなることを利用して、X方向の端子間の抵抗値およびY方向の端子間の抵抗値に基づいて、X方向およびY方向の2点間の距離をそれぞれ検出している。
したがって、上記特許文献1に記載のタッチパネル装置のように、単に対向する端子間の抵抗値に基づいて2点間距離を検出する方法では、正確な2点間距離を求めることができず、操作者の意図に反する操作が認識されてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、タッチパネル上で2点がタッチされた際の2点間距離を精度良く検出することができるタッチパネル装置及びタッチパネルのタッチ入力点間距離検出方法を提供することを目的としている。
また、第2の形態は、前記2点間距離検出手段が、前記タッチパネルがタッチされていないときに前記端子間抵抗測定手段で測定した前記抵抗値と、前記タッチパネルがタッチされたときに前記端子間抵抗測定手段で測定した前記抵抗値との差分に基づいて、前記2点間の距離の基準値を算出する基準値算出手段と、前記押圧力検出手段で検出した押圧力が小さいほど、前記基準値算出手段で算出した前記2点間の距離の基準値を増加補正する補正手段と、を備えることを特徴としている。
押圧力が小さいほど上下の抵抗膜間の接触抵抗は大きくなるため、実際の2点間距離が同じであっても、タッチしていないときの端子間抵抗値とタッチしているときの端子間抵抗値との差分、即ち2点間距離の基準値が小さくなる。したがって、押圧力が小さいほど当該2点間距離の基準値を増加補正することで、2点間距離を精度良く求めることができる。このように、比較的簡易な構成で適正な補正を行うことができる。
このように、各点の押圧力の影響が同等程度となるような押圧パラメータを用いることで、各点の押圧力が異なる場合等であっても、より精度良く2点間距離を求めることができる。
このように、タッチ入力の押圧力を考慮してタッチされた2点間の距離を検出する方法であるので、2点間距離を精度良く求めることができる。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明の実施形態におけるタッチパネル装置の構成を示す回路図である。
タッチパネル装置は、装置全体を制御する制御部10と、必要な情報を表示するためのLCDモジュール11と、LCDモジュール11上に設置されるタッチパネルTPとを備える。
タッチパネルTPは、2枚のタッチパネルTP1,TP2から構成される。タッチパネルTP1は、タッチパネルTP2上に微小な隙間を設けて重ね合わせる。タッチパネルTP1は、Y方向に伸びた一対の電極からなる端子Y1,Y2間に延設された抵抗膜を有する。また、タッチパネルTP2は、Y方向に直交するX方向に伸びた一対の電極からなる端子X1,X2間に延設された抵抗膜を有する。
また、このタッチパネル装置は、スイッチSW1〜SW6を備える。
スイッチSW1の一端は、所定の直流電圧を印加する電源VDDに接続され、その他端は、タッチパネルTP1の端子Y1に接続されている。スイッチSW2の一端は電源VDDに接続され、その他端は抵抗R1を介してタッチパネルTP1の端子Y1に接続されている。スイッチSW3の一端は接地接続され、その他端はタッチパネルTP1の端子Y2に接続されている。
これらスイッチSW1〜SW6は、制御部10によってそれぞれ開閉状態が制御されるようになっている。
そして、制御部10は、これらの取得した電圧値をもとに、タッチパネルTP上で2点がタッチされたか否かを判定すると共に、1点がタッチされた場合にはそのタッチ位置(X座標,Y座標)、2点がタッチされた場合には2点の中心座標と2点間の距離(X方向距離,Y方向距離)を検出し、出力する。
この初期化処理は、タッチパネルTPがタッチされていないときに実行する。
先ずステップS1で、図3に示す状態での端子X1の電圧XP(電圧R_XP)を取得する。すなわち、スイッチSW5及びSW6を閉状態とし、それ以外のスイッチを開状態に制御することで、端子X1に抵抗R2を介して電源VDDの電圧を与えると共に、端子X2を接地接続する。このように、抵抗R2を介して端子X1,X2間に電源VDDの電圧を印加する。そして、この状態で、端子X1の電圧レベルを測定する。
このとき測定される電圧レベルは、端子X1,X2間の抵抗値と既知の抵抗値R2とで分圧した値となる。このようにして、端子X1,X2間の抵抗値に相当する電圧レベルを求めることができる。なお、図3は、2点タッチした際の端子X1,X2間の回路構成を示している。
次に、ステップS3では、前記ステップS1で取得した電圧R_XPを基準電圧R_XP0に設定すると共に、前記ステップS2で取得した電圧R_YPを基準電圧R_YP0に設定する。
そして、ステップS4では、前記ステップS3で設定した基準電圧R_XP0,R_YP0をメモリ(不図示)に記憶して、初期化処理を終了する。
このタッチ処理は、タッチパネルTPがタッチされているときに所定時間毎(2msec〜10msec毎)に実行し、先ずステップS11で、各種データを取得する。具体的には、電圧R_XP,R_YP,Xp1,Xp2,Yp1,Yp2,Z1,Z2を取得する。
電圧R_XPは、図3に示す状態で測定した電圧XPであり、電圧R_YPは、図4に示す状態で測定した電圧YPである。
電圧Yp1及びYp2は、図7に示す状態で測定した電圧XP及びXNである。すなわち、図4の状態に対し、スイッチSW2を開状態、スイッチSW1を閉状態として、端子Y1,Y2間に電源VDDの電圧を印加した状態で、他方のパネルの端子X1,X2の電圧レベルをそれぞれ測定する。
なお、各種データを取得する際には、平均化処理等を実施するようにしてもよい。平均化処理としては、例えば、6データを取得し、その6データのうち最大値及び最小値を削除した後、残りの4データの平均を取る処理を行う。これにより、測定データの信頼性を向上させることができる。
Xp=(Xp1+Xp2)/2 ………(1)
Yp=(Yp1+Yp2)/2 ………(2)
ここで算出した座標(Xp,Yp)は、2点タッチの際の2点の中心座標となる。
次に、ステップS13では、前記ステップS11で取得した電圧R_XPと、メモリに記憶した基準電圧R_XP0との差分(R_XP0−R_XP)が、予め設定した判定閾値D_XYより大きいか否かを判定する。そして、R_XP0−R_XP>D_XYである場合には、2点タッチされていると判断して後述するステップS15に移行する。
一方、前記ステップS14で、R_YP0−R_YP>D_XYであると判定した場合には、2点タッチされていると判断してステップS16に移行し、押圧パラメータXZ21を算出する。この押圧パラメータXZ21は、タッチ入力点の押圧力と相関関係のあるパラメータであり、当該押圧力が大きいほど小さくなる値である。ここでは、次式をもとに押圧パラメータXZ21を算出する。
XZ21=Xp/4096(Z2/Z1−1) ………(3)
なお、上記(3)式は、12bit(212=4096)の場合の算出式である。
ステップS18では、次式をもとにX方向の2点間距離XDualを算出する。
XDual=A・(R_XP0−R_XP−B)・(XZ21+C)+D ………(4)
ここで、A,B,C,Dはそれぞれ予め設定した定数である。
次に、ステップS19では、次式をもとにY方向の2点間距離YDualを算出する。
YDual=A・(R_YP0−R_YP−B)・(XZ21+C)+D ………(5)
そして、ステップS20では、前記ステップS18及びS19で算出した2点間距離XDual及びYDualを出力し、ステップS21に移行する。
ステップS21では、前記ステップS12で検出した2点の中心座標(Xp,Yp)を出力し、ステップS22へ移行する。
すなわち、xa<xb且つya>ybのときはdY=+1、xa<xb且つya<ybのときはdY=−1となる。
そして、ステップS25では2点の方向を示す情報dYを出力し、タッチ処理を終了する。
なお、図5のステップS11が端子間抵抗測定手段に対応し、ステップS13及びS14が2点タッチ判定手段に対応し、ステップS16が押圧力検出手段に対応し、ステップS18及びS19が2点間距離検出手段に対応している。
次に、本実施形態の動作について説明する。
今、操作者がタッチパネルTPをタッチしていない状態であるとすると、制御部10は、図2の初期化処理を実行開始し、図3に示す接続状態となるようにスイッチSW1〜SW6を制御して電圧R_XPを測定する(ステップS1)。次に、図4に示す接続状態となるようにスイッチSW1〜SW6を制御して電圧R_YPを測定する(ステップS2)。そして、測定した電圧を、それぞれ電圧R_XP0及び電圧R_YP0として設定し(ステップS3)、これらをメモリに格納する(ステップS4)。
図10は、1点タッチの場合の端子間抵抗の状態を示す図である。ここでは、A点をタッチした場合を示している。
したがって、この場合にはR_XP0−R_XP<D_XY(ステップS13でNo)、R_YP0−R_YP<D_XY(ステップS14でNo)となるため、制御部10は1点タッチであると判断し、タッチ位置の座標Xp1,Yp1を出力して(ステップS15)タッチ処理を終了する。
図4に示すように、タッチパネルTP上の点B1,B2をタッチした場合、端子Y1,Y2間には、B1,B2で上層パネル(タッチパネルTP1)が下層パネル(タッチパネルTP2)と接触することにより、抵抗R8〜R10が発生する。ここで、抵抗R8は点B1での上下パネル間の抵抗値、抵抗R9は点B2での上下パネル間の抵抗値、R10はタッチパネルTP2上での点B1−B2間の抵抗値である。
このように、B1,B2間の抵抗(R7//(R8+R9+R10))は、上層パネル(タッチパネルTP1)上での点B1−B2間の抵抗R7より小さくなる。そのため、2点タッチ時の電圧R_YPは、タッチされていないときの電圧R_YP0より小さくなる。
このように、2点タッチのときは1点タッチのときと比較して各パネルの端子間抵抗値が小さくなることを利用して、2点タッチであるか否かを判定する。そして、2点タッチであると判定した場合には、その2点間の距離を算出する処理を行う。
図11は、2点間距離を一定としたときの接触抵抗値と(R_YP0−R_YP)との関係を示す図であり、横軸にパネルのX方向の抵抗値で正規化した接触抵抗値、縦軸に(R_YP0−R_YP)を取っている。この図11に示すように、押圧力が大きいほど、即ち接触抵抗値が小さいほど(R_YP0−R_YP)は大きくなる。したがって、2点間距離を正確に算出するには、この接触抵抗値(押圧力)を考慮する必要がある。
1点タッチの場合の接触抵抗値Rtは、X方向のタッチパネルTP2のシート抵抗Rxplateが既知の場合、次式で求められる。
Rt=Rxplate・Xp/4096(Z2/Z1−1) ………(6)
そこで、上記(6)式をもとに上記(3)式に示すパラメータを設定し、これを押圧パラメータXZ21として算出する(ステップS16)。
このとき、タッチ入力点の押圧力が大きいほど接触抵抗値は小さくなるため、上記(3)式における電圧Z1と電圧Z2とが近い値となって、Z2/Z1が“1”に近づく。つまり、押圧パラメータXZ21は“0”に近づく。
このように、押圧力に応じて補正係数(XZ21+C)を決定し、2点間距離基準値A(R_YP0−R_YP−B)を補正するので、押圧力に応じた適正な2点間距離を求めることができる。
この図12に示すように、2点間距離を一定とし、押圧力を変化させてYDualを算出した場合、押圧力(接触抵抗値)の影響を抑制したYDualを算出することができる。これは、X方向の2点間距離XDualについても同様である。
このように、上記実施形態では、タッチパネル上の2点がタッチされているとき、タッチ入力点の押圧力を考慮して2点間の距離を算出する。そのため、例えば、操作者が2点間距離を一定として押圧力を変化させる操作を行った場合であっても、適正に一定の2点間距離を算出することができる。また、操作者が押圧力を変化させながら2点間距離を変化させる操作を行った場合に、2点間距離が一定であると誤判定してしまうのを防止することができる。このように、精度良く2点間距離を算出することができる。
さらに、電圧Z1,Z2を測定し、演算により押圧力と相関関係のある押圧パラメータを求めるので、タッチ入力点の押圧力を検出するためのセンサ等を別途設ける必要がなく、タッチパネル装置の小型化及びコストの削減を実現することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、2点間距離XDual,YDualを算出した後、これら2点間距離XDual,YDualを用いて、図13に示す2点タッチのジェスチャ(拡大(2本の指を開く動作)、縮小(2本の指を閉じる動作)、回転(指を移動する動作))を判定するようにしてもよい。この場合、上述した図5のタッチ処理を実行した後、図14に示すジェスチャ判断処理を実行する。
先ずステップS31で、次式をもとに2点間距離の変化量DualMoveを算出する。
DualMove=XDual−XDual0+YDual−YDual0 ………(7)
ここで、XDual0,YDual0は前回のサンプリングで算出した2点間距離XDual,YDualである。
ステップS33では、Y方向の2点間距離YDualが前回値YDual0より大きいか否かを判定し、YDual>YDual0である場合には、Y方向の2点間距離が増加していると判断してステップS34に移行し、YDual≦YDual0である場合には後述するステップS40に移行する。
ステップS36では、Y方向の2点間距離YDualが前回値YDual0より小さいか否かを判定し、YDual<YDual0である場合には、Y方向の2点間距離が減少していると判断してステップS37に移行し、YDual≧YDual0である場合には後述するステップS40に移行する。
図15に示すように、回転判断処理では、先ずステップS41でX方向変化量dXp=Xp−Xp0を算出する。ここで、Xp0は、前回のサンプリングで算出したX座標Xpである。
次にステップS42では、Y方向変化量dYp=Yp−Yp0を算出する。ここで、Yp0は、前回のサンプリングで算出したY座標Ypである。
例えば、縮小の動作においては、2点が押され始めてから、2本指を閉じるにしたがって押圧力が徐々に大きくなる場合がある。このような場合、押圧力を考慮した補正を行わないと、時間経過に伴って(R_YP0−R_YP)は図16に示すように変化する。このように、実際の2点間距離は徐々に小さくなっているにもかかわらず、図中αで示す期間では(R_YP0−R_YP)が増加傾向にあり、2点間距離が増加している(拡大操作をしている)と誤判断してしまう。
このように、押圧力を考慮した補正を行うことでジェスチャの判断の確度を向上させることができ、操作者の意図に合致した操作を認識することができるタッチパネル装置とすることができる。
なお、ジェスチャ判断のみを行うタッチパネル装置とする場合には、上記(4)及び(5)式において、A=1,D=0とすることもできる。これにより2点間距離の算出処理を簡潔にすることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において、2点間距離の算出に際し、上記(3)式をもとに算出した押圧パラメータXZ21を用いているのに対し、2点タッチ時の各点の接触抵抗の影響を考慮した押圧パラメータXZ21を用いるようにしたものである。
2点タッチの場合、電圧Z1,Z2測定時は図18に示す回路構成となる。すなわち、このときの抵抗モデルは図19に示すようになる。
なお、ここでは、タッチされている2点をA,Bとし、タッチパネルTP1側のタッチ入力点をA1,B1、タッチパネルTP2側のタッチ入力点をA2,B2としている。また、タッチ入力点Aの座標を(xa,ya)、タッチ入力点Bの座標を(xb,yb)とする。なお、xa<xbである。
この第2の実施形態では、タッチパネルTPがタッチされているとき、前述した第1の実施形態と同様に、制御部10で図5に示すタッチ処理を実行する。但し、この図5において、ステップS16の処理が異なる。
先ずステップS51で、タッチされた2点の位置関係を判定する。ここでは、xa<xb且つya>ybであるか否かを判定し、xa<xb且つya>ybである場合には、点A,Bが図21に示す位置関係にあると判断してステップS52に移行する。具体的には、ステップS11で測定したYp1、Yp2に基づいて、Yp1<Yp2のとき、xa<xb且つya>ybと判断する。
すなわち、この第2の実施形態では、端子Y2に電源VDD、端子X1にGNDを接続可能な構成とする。
次にステップS53では、次式をもとに押圧パラメータXZ21NPを算出する。
XZ21NP=(4096−Xp)/4096(Z2NP/Z1NP−1) ………(8)
そして、前記XZ21PNと前記XZ21NPとの平均を求め、それを最終的な押圧パラメータXZ21としてから押圧パラメータ算出処理を終了する。
一方、前記ステップS51で、xa<xb且つya<ybであると判定した場合(ステップS11で測定したYp1、Yp2に基づいて、Yp1>Yp2であると判定した場合)には、点A,Bが図23に示す位置関係にあると判断してステップS54に移行する。
次にステップS55では、次式をもとに押圧パラメータXZ21PPを算出する。
XZ21PP=(4096−Xp)/4096(Z2PP/Z1PP−1) ………(9)
そして、前記(9)式をもとに算出したXZ21PPを最終的な押圧パラメータXZ21としてから、押圧パラメータ算出処理を終了する。
次に、本発明の第2の実施形態の動作について説明する。
今、図21に示す2点A,Bをタッチしているものとする。この場合、R_XP0−R_XP>D_XY(図5のステップS13でYes)となるため、制御部10は2点タッチであると判断する。すると、制御部10は、図20の押圧パラメータ算出処理を実行する。
このとき、xa<xb且つya>yb(ステップS51でYes)であるため、前記(3)式をもとに算出したXZ21(XZ21PN)と前記(8)式をもとに算出したXZ21NPとの平均を、最終的な押圧パラメータXZ21として算出する。
点Aと点Bとで接触抵抗値が同程度の場合には、前述した第1の実施形態のように、前記(3)式をもとに算出したXZ21PNが実際の接触抵抗値Rtにほぼ比例する。そのため、この場合には、このXZ21PNを押圧パラメータXZ21として用いることで、2点間距離を正確に求めることができる。
ところが、点Aと点Bとで接触抵抗値が異なる場合には、XZ21PNをそのまま用いるより、XZ21PNとXZ21NPとの平均を用いた方が、精度が良い。
図23に示す2点A,Bをタッチしている場合、タッチパネルTP1上の抵抗Ry4と抵抗Ry5との関係は、Ry4>Ry5となる。また、タッチパネルTP2上の抵抗Rx4と抵抗Rx5との関係は、Rx4<Rx5となる。そのため、前記(3)式のXZ21PNの算出に用いる電圧Z1は点B、電圧Z2は点Aの接触抵抗値の影響を受け易くなる。
ところが、XZ21PNでは、電圧Z1と電圧Z2とで影響を受け易い点が異なるため、ジェスチャ判断や2点間距離の算出精度を向上させるためには、XZ21PNの代わりにXZ21PPを使用することが望ましい。
このように、上記第2の実施形態では、2点タッチ時における各点の接触抵抗の影響を考慮し、各点の押圧力との相関度合いが同等程度となる押圧パラメータを用いて2点間距離の補正を行うので、より精度良く2点間距離を算出することができる。
(応用例)
なお、上記第2の実施形態においては、xa<xb且つya<ybであるとき、XZ21PPを押圧パラメータXZ21として用いる場合について説明したが、電極を入れ換えたXZ21NNを算出し、XZ21NNとXZ21PPとの平均を最終的な押圧パラメータXZ21とすることもできる。このように、点Bの影響を受け易いXZ21NNと点Aの影響を受け易いXZ21PPの平均を取ることで、より2点間距離の算出精度を向上させることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、前述した第1及び第2の実施形態において、電圧R_XP0,R_YP0,R_XP,R_YPを用いて2点間距離を算出しているのに対し、電圧Xp21,Yp21,RXp21,RYp21を用いて2点間距離を算出するようにしたものである。
図25は、本発明の第3の実施形態におけるタッチパネル装置の構成を示す回路図である。
このタッチパネル装置は、スイッチSW7及びSW8を備えることを除いては、図1に示すタッチパネル装置と同様の構成を有する。そのため、ここでは構成の異なる部分を中心に説明する。
スイッチSW7の一端はタッチパネルTP1の端子Y1に接続され、その他端はタッチパネルTP1の端子Y2に接続されている。また、スイッチSW8の一端はタッチパネルTP2の端子X1に接続され、その他端はタッチパネルTP2の端子X2に接続されている。
制御部10は、スイッチSW1〜SW8を開閉制御し、所定の接続状態で各端子X1,X2,Y1,Y2に発生した電圧XP,XN,YP,YNを取得する。ここで、制御部10は、図示しないADコンバータを備え、測定電圧をデジタルデータに変換する。
この第3の実施形態では、制御部10で図2に示す初期化処理は行わず、タッチパネルTPが1点タッチされている状態で、図26に示す初期化処理を行う。
SRXY=4096・(RXp21+RYp21)/(Xp21+Yp21) ………(10)
なお、上記(10)式は、12bit(212=4096)の場合の算出式である。
SRX0=4096・RXp21/Xp21 ………(11)
次に、前記ステップS62で取得した電圧Yp21と、前記ステップS64で取得した電圧RYp21とに基づいて、次式をもとにSRY0を算出する。
SRY0=4096・RYp21/Yp21 ………(12)
また、制御部10は、タッチパネルTPがタッチされているとき、図5に示すタッチ処理の代わりに図31に示すタッチ処理を行う。
先ずステップS71で、各種データを取得する。具体的には、電圧Xp21,Yp21,RXp21,RYp21を取得する。
次にステップS72に移行して、前記ステップS71で取得した各電圧と、メモリに記憶したSRXYとに基づいて、次式をもとにDXYを算出する。
DXY=SRXY・(Xp21+Yp21)/4096−(RXp21+RYp21) ………(13)
そして、DXY≦Dual_DXYであるときには1点タッチであると判定し、ステップS74に移行して、前記ステップS71で取得した電圧Xp21,Yp21をタッチ位置のXY座標として出力してからタッチ処理を終了する。
次にステップS76に移行して、前記ステップS71で取得した電圧Yp21が前記ステップS75で取得した電圧Yp1より大きいか否かを判定する。そして、Yp21>Yp1であるときにはステップS77に移行し、Yp21≦Yp1であるときには後述するステップS79に移行する。
ステップS77では、2点の方向を示す情報dYを“+1”に設定し、ステップS78に移行する。
ステップS80では電圧Z1PP,Z2PPを取得し、ステップS81に移行する。電圧Z1PP,Z2PPは、図34(a)に示す状態での電圧XNと、図34(b)に示す状態での電圧YNである。すなわち、端子Y1に直接電源VDDの電圧を与えると共に、端子X1を接地接続した状態で、端子X2及びY2の電圧レベルを測定する。そして、このようにして測定した電圧Z1PP,Z2PPを、電圧Z1,Z2として設定する。ここで、図34は、点A及び点Bを2点タッチした際の各端子間の回路構成を示しており、タッチパネルTP1側のタッチ入力点をA1,B1、タッチパネルTP2側のタッチ入力点をA2,B2としている。
すなわち、xa<xb且つya>ybのときはdY=+1、xa<xb且つya<ybのときはdY=−1となる。
ステップS81では、押圧パラメータXZ21を算出する。この押圧パラメータXZ21は、タッチ入力点の押圧力と相関関係のあるパラメータであり、当該押圧力が大きいほど小さくなる値である。ここでは、次式をもとに押圧パラメータXZ21を算出する。
XZ21=Xp21/4096(Z2/Z1−1) ………(14)
ステップS83では、次式をもとにX方向の2点間距離XDualを算出する。
XDual=A・(SRX0−4096・RXp21/Xp21−B)・(XZ21+C)+D ………(15)
ここで、A,B,C,Dはそれぞれ予め設定した定数である。
次に、ステップS84では、次式をもとにY方向の2点間距離YDualを算出する。
YDual=A・(SRY0−4096・RYp21/Yp21−B)・(XZ21+C)+D ………(16)
そして、ステップS85では、2点の中心座標(Xp21,Yp21)と、2点間距離XDual,YDualと、2点の方向を示す情報dYとを出力し、タッチ処理を終了する。
以上のように、2点間の距離に応じてRXp21/Xp21やRYp21/Yp21が変化することを利用して、2点間距離XDual及びYDualを算出する。
また、図31において、ステップS71(特に図27及び図28)が第1の電圧検出手段に対応し、ステップS71(特に図29及び図30)が第2の電圧検出手段に対応している。さらに、ステップS72及びS73が2点タッチ判定手段に対応し、ステップS83及びS84が2点間距離検出手段に対応している。また、ステップS76〜81が押圧力検出手段に対応している。
次に、本発明の第3の実施形態の動作について説明する。
今、操作者がタッチパネルTP上の2点をタッチしているものとする。このとき、2点間距離が比較的短いものとすると、2点タッチ時のRXp21/Xp21やRYp21/Yp21は、1点タッチ時のRXp21/Xp21(=SRX0)やRYp21/Yp21(=SRY0)に比較的近い値となる。
そのため、制御部10は、上記(15)及び(16)式をもとに、2点間距離XDual及びYDualを比較的小さい値に算出する(ステップS83,S84)。
以上のように、2点間の距離に応じて電圧比RXp21/Xp21やRYp21/Yp21が変化することを利用するので、適正に2点間距離を算出することができる。
2点の方向dY=+1のとき、すなわちxa<xb且つya>ybのときに図33の接続状態で測定した電圧XP,YNは、共に点Aよりも点B側の接触抵抗値の影響を受け易い。一方、2点の方向dY=−1のとき、すなわちxa<xb且つya<ybのときは、図33(a)の接続状態で測定した電圧XPは点B、図33(b)の接続状態で測定した電圧YNは点Aの接触抵抗値の影響を受け易い。このように、影響を受け易い点が異なると2点間距離の算出精度を向上させることができない。
このように、2点の方向に応じて電圧Z1,Z2の測定方法を変更することで、2点タッチ時の各点の接触抵抗の影響を考慮した押圧パラメータを算出することができる。その結果、2点間距離の算出精度を向上させることができる。
このように、点Aの影響を受け易い押圧パラメータと点Bの影響を受け易い押圧パラメータの平均を取ることで、より2点間距離の算出精度を向上させることができる。
このように、上記第3の実施形態では、2点間の距離に応じて電圧比RXp21/Xp21やRYp21/Yp21が変化することを利用して、2点間距離を検出するので、適正に2点間距離を検出することができる。また、座標検出や2点タッチ判定に用いる測定電圧を用いて2点間距離を検出するので、新たに2点間距離検出用の電圧測定を行う必要がない。したがって、その分電圧測定の回数を削減することができる。
(応用例)
なお、上記第3の実施形態においては、上述した第1の実施形態と同様に、2点間距離XDual,YDualを用いて、図13に示す2点タッチのジェスチャ(拡大、縮小、回転)を判定することもできる。
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、2点タッチ判定部として、電圧R_XPと基準電圧R_XP0との差分が判定閾値D_XYより大きいか否かに応じて2点タッチであるか否かを判定する方法を採用する場合について説明したが、2点タッチにより電極端子間の抵抗値が小さくなることを利用した別の方法を採用することもできる。
また、上記各実施形態においては、電圧Z1,Z2を測定し演算により押圧力と相関関係のある押圧パラメータXZ21を求める場合について説明したが、圧電素子等により構成されるセンサを設け、そのセンサでタッチ入力の押圧力を検出するようにしてもよい。
Claims (7)
- 一対の電極端子が対向する端辺部にそれぞれ設けられた2枚の抵抗膜を、上下で前記電極端子が直交するように互いに接触可能に近接対向させて構成したタッチパネルを備えるタッチパネル装置であって、
前記一対の電極端子間の抵抗値を測定する端子間抵抗測定手段と、
前記端子間抵抗測定手段で測定した前記抵抗値に基づいて、前記タッチパネル上で2点がタッチされたか否かを判定する2点タッチ判定手段と、
前記2点タッチ判定手段で2点がタッチされたと判定したとき、タッチ入力の押圧力を検出する押圧力検出手段と、
前記2点タッチ判定手段で2点がタッチされたと判定したとき、前記端子間抵抗測定手段で測定した前記抵抗値と、前記押圧力検出手段で検出した押圧力とに基づいて、タッチされた2点間の距離を検出する2点間距離検出手段と、を備えることを特徴とするタッチパネル装置。 - 前記2点間距離検出手段は、
前記タッチパネルがタッチされていないときに前記端子間抵抗測定手段で測定した前記抵抗値と、前記タッチパネルがタッチされたときに前記端子間抵抗測定手段で測定した前記抵抗値との差分に基づいて、前記2点間の距離の基準値を算出する基準値算出手段と、
前記押圧力検出手段で検出した押圧力が小さいほど、前記基準値算出手段で算出した前記2点間の距離の基準値を増加補正する補正手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル装置。 - 一対の電極端子が対向する端辺部にそれぞれ設けられた2枚の抵抗膜を、上下で前記電極端子が直交するように互いに接触可能に近接対向させて構成したタッチパネルを備えるタッチパネル装置であって、
一方の抵抗膜の一対の電極端子間に電源電圧を印加し、且つ他方の抵抗膜の一対の電極端子間を短絡した状態で、前記他方の抵抗膜の一対の電極端子のうち何れか一方の電極端子の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、
前記一方の抵抗膜の一対の電極端子間に抵抗を介して電源電圧を印加し、且つ前記他方の抵抗膜の一対の電極端子間を短絡した状態で、前記他方の抵抗膜の一対の電極端子のうち何れか一方の電極端子の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、
前記第1の電圧検出手段で検出した電圧と前記第2の電圧検出手段で検出した電圧との比に基づいて、前記タッチパネル上で2点がタッチされたか否かを判定する2点タッチ判定手段と、
前記2点タッチ判定手段で2点がタッチされたと判定したとき、タッチ入力の押圧力を検出する押圧力検出手段と、
前記2点タッチ判定手段で2点がタッチされたと判定したとき、前記第1の電圧検出手段で検出した電圧と前記第2の電圧検出手段で検出した電圧との比と、前記押圧力検出手段で検出した押圧力とに基づいて、タッチされた2点間の距離を検出する2点間距離検出手段と、を備えることを特徴とするタッチパネル装置。 - 前記2点間距離検出手段は、
前記タッチパネルが1点タッチされているときに前記第1の電圧検出手段で検出した電圧と前記第2の電圧検出手段で検出した電圧との比と、前記タッチパネルが2点タッチされているときに前記第1の電圧検出手段で検出した電圧と前記第2の電圧検出手段で検出した電圧との比との差分に基づいて、前記2点間の距離の基準値を算出する基準値算出手段と、
前記押圧力検出手段で検出した押圧力が小さいほど、前記基準値算出手段で算出した前記2点間の距離の基準値を増加補正する補正手段と、を備えることを特徴とする請求項3に記載のタッチパネル装置。 - 前記押圧力検出手段は、前記2点タッチ判定手段で2点がタッチされたと判定したとき、タッチ入力の押圧力と相関関係にあり且つ各点の押圧力との相関度合いが同等又は略同等となる押圧パラメータを検出することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のタッチパネル装置。
- 一対の電極端子が対向する端辺部にそれぞれ設けられた2枚の抵抗膜を、上下で前記電極端子が直交するように互いに接触可能に近接対向させて構成したタッチパネルのタッチ入力点間距離検出方法であって、
前記一対の電極端子間の抵抗値を測定する端子間抵抗測定ステップと、
前記端子間抵抗測定ステップにおいて測定された前記抵抗値に基づいて、前記タッチパネル上で2点がタッチされたか否かを判定する2点タッチ判定ステップと、
前記2点タッチ判定ステップにおいて2点がタッチされたと判定されたとき、タッチ入力の押圧力を検出する押圧力検出ステップと、
前記2点タッチ判定ステップにおいて2点がタッチされたと判定されたとき、前記端子間抵抗測定ステップにおいて測定された前記抵抗値と、前記押圧力検出ステップにおいて検出された押圧力とに基づいて、タッチされた2点間の距離を検出する2点間距離検出ステップと、を備えることを特徴とするタッチパネルのタッチ入力点間距離検出方法。 - 一対の電極端子が対向する端辺部にそれぞれ設けられた2枚の抵抗膜を、上下で前記電極端子が直交するように互いに接触可能に近接対向させて構成したタッチパネルのタッチ入力点間距離検出方法であって、
一方の抵抗膜の一対の電極端子間に電源電圧を印加し、且つ他方の抵抗膜の一対の電極端子間を短絡した状態で、前記他方の抵抗膜の一対の電極端子のうち何れか一方の電極端子の電圧を検出する第1の電圧検出ステップと、
前記一方の抵抗膜の一対の電極端子間に抵抗を介して電源電圧を印加し、且つ前記他方の抵抗膜の一対の電極端子間を短絡した状態で、前記他方の抵抗膜の一対の電極端子のうち何れか一方の電極端子の電圧を検出する第2の電圧検出ステップと、
前記第1の電圧検出ステップにおいて検出された電圧と前記第2の電圧検出ステップにおいて検出された電圧との比に基づいて、前記タッチパネル上で2点がタッチされたか否かを判定する2点タッチ判定ステップと、
前記2点タッチ判定ステップにおいて2点がタッチされたと判定されたとき、タッチ入力の押圧力を検出する押圧力検出ステップと、
前記2点タッチ判定ステップにおいて2点がタッチされたと判定されたとき、前記第1の電圧検出ステップにおいて検出された電圧と前記第2の電圧検出ステップにおいて検出された電圧との比と、前記押圧力検出ステップにおいて検出された押圧力とに基づいて、タッチされた2点間の距離を検出する2点間距離検出ステップと、を備えることを特徴とするタッチパネルのタッチ入力点間距離検出方法。
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