JP2011132628A - 抗菌性メルトブロー不織布 - Google Patents

抗菌性メルトブロー不織布 Download PDF

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良一 富樫
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康裕 浅田
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Abstract

【課題】製糸安定性に優れた抗菌性メルトブロー不織布を提供する。
【解決手段】ナノメーターサイズの抗菌剤粒子を繊維中に練り込んだ低圧損・高捕集な抗菌性メルトブロー不織布に関する。極細繊維は製糸安定性を阻害しない抗菌剤粒子を含むことで高い紡糸安定性と高抗菌性を有した抗菌性メルトブロー不織布に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は極細繊維不織布に関するもので特にマスク、フィルター、ワイパー等の用途で好適に利用可能な抗菌性メルトブロー不織布に関する。
従来から、繊維製品への抗菌性付与技術は数多く知られているが、平均繊維径が5μmを下回る極細繊維不織布に抗菌性とエレクトレット性を付与した不織布となると、技術的課題が多くなり、その課題を解決した技術は下記の通り、満足できるものではなかった。このような技術に関する文献として、特許文献1にはエレクトレット不織布への抗菌剤粒子薬液付着加工方法が示されている。しかし、この材料は抗菌剤粒子薬液の影響を受けて繊維表面の電気抵抗値が小さくなるためエレクトレットの安定性に甚だ欠けるものであった。また特許文献2では、繊維径50μmの繊維中に抗菌剤粒子を粒子径としては非常に大きな0.5〜3.0μmの無機系抗菌性ゼオライト(結晶性アルミノケイ酸塩の抗菌性金属イオンで置換)を練り込んだ抗菌性不織布と別のエレクトレット不織布を積層したエアフィルターが提案されている。このケースでは抗菌加工された不織布に捕捉されたバクテリアに対しては抗菌効果が期待できるが、菌やウイルスは0.01〜数μmと非常に小さいため目の粗い抗菌加工された上流側の不織布では殆ど捕捉されずに下層のより緻密で捕集効率の高い抗菌性の無いエレクトレット不織布層に捕捉されため実用性に欠けた抗菌化技術であった。
特許文献3には、体積抵抗率1013Ω・cm以上の合成有機重合体中に、ヒンダードアミンやヒンダードフェノールなどの熱安定剤(ラジカル捕捉剤)を0.01〜2重量%の範囲と無機系抗菌剤粒子を0.1〜4重量%含有させた抗菌性エレクトレット材料が記載されている。しかしゼオライトは天然性のものであるため破砕し分級してもその粒子径が広く分布した一次粒径が0.5〜3.0μmの物であるためポリマー吐出孔径が0.2mm程度の孔から吐出させた場合、粒子がポリマー中で凝集沈降して粒子径が大きくなり、ノズルの詰りが頻繁し到底繊維径2μm以下のメルトブロー不織布を製布することは出来ない技術であった。また特許文献4の実施例には、平均粒子径0.8μmの無機系抗菌剤粒子を含むポリマーをメルトブロー法で紡糸した平均繊維径1.5μmのエレクトレット抗菌性不織布が示されているが、繊維径0.8μm以下のメルトブロー不織布を得るために用いる抗菌剤粒子の粒子径や素材については何ら記載の無い技術であった。
一方、特許文献6にナノメーターサイズの無機系抗菌剤粒子を練り込んだ抗菌繊維に関する技術が開示されているが、技術内容の説明では、使用する抗菌剤粒子としてリン酸ジルコニウム銀などの粒子径範囲0.01μm〜3μmの抗菌剤粒子を挙げているが、実施例に挙げているノバロンAG300(東亜合成化学工業(株))の粒子径は0.9μmであり、シーバイオ(海水化学研究所)は0.2μmで有ることがメーカー技術資料調査から分かる事から、0.2μm未満の抗菌剤粒子を用いた技術は開示されていなかった。
一方、特許文献5には、繊維径が数nm〜数百nm(好ましくは50nm〜800nm)の繊維に分散剤含有ナノメーターオーダーの銀粒子を0.1〜1重量%練り込んだ抗菌繊維不織布の製法技術が開示されているが。このナノメーターオーダーの繊維を作成する技術は、ポリマーとナノメーターオーダーの銀粒子を溶剤に溶解および分散させた溶液を電界紡糸(エレクトロスピニング)する技術であって溶融紡糸方法とは異なる紡糸技術が採用されていた。またマイクロ繊維層は溶融紡糸されたポリプロピレン繊維中にナノメーターオーダーの銀粒子が0.1〜1重量%含まれると記載されているが、ここで用いられるナノメーターオーダーの銀粒子は、分散剤含有ナノメーターオーダーの銀粒子と称する物でポリプロピレン樹脂の融点より遙かに低い温度で溶融するものと記載されており、本発明で用いる溶融しないナノメーターオーダーの抗菌剤粒子を使用する技術とは全く異なる技術の物であった。これらの背景技術が示す通り、溶融紡糸法で樹脂中に練り込まれている抗菌剤粒子径は200nmまでであり、それより小さい粒子を用いて抗菌性メルトブロー不織布を安定生産する技術および低圧損・高捕集性なエレクトレット化抗菌性メルトブロー不織布を得る技術は開示されていなかった。
特開昭62−42716号公報 特開平3−186309号公報 特開平5−190389号公報 特開2008−75226号公報 特開2008−95266号公報 特開平9−176949号公報
本発明は、上記問題を解決した抗菌性メルトブロー不織布に関し、高性能な抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、消臭性、エレクトレット性を持った極細繊維不織布を提供することを課題とする。
上記課題を達成するための本発明は、下記いずれかの構成を有するものである。
(1)一次粒子径が200nm未満の抗菌剤粒子を含む平均繊維径40μm以下の抗菌性メルトブロー不織布。
(2)抗菌剤粒子が硫化銀粒子または/およびシリカに添着された硫化銀粒子である(1)記載の抗菌性メルトブロー不織布。
(3)抗菌剤粒子の含有量が異なる複数の繊維群が混合されてなる(1)または(2)に記載の抗菌性メルトブロー不織布。
(4)平均繊維径が異なる複数の繊維群を有し、その内、平均繊維径6μm以上の繊維群は全繊維体積量の20%以上を占める(1)〜(3)のいずれかに記載の抗菌性メルトブロー不織布。
(5)エレクトレット化されたものである(1)〜(4)のいずれかに記載の抗菌性メルトブロー不織布。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の抗菌性メルトブロー不織布を用いたフィルター。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載の抗菌性メルトブロー不織布を用いた濾過機器。
本発明の抗菌性メルトブロー不織布は下記の優れた効果を有する。
(1)抗菌性、抗ウイルス、抗カビ性等の機能訴求は、繊維径0.1μmからの極細繊維糸紡糸においても紡糸性を阻害しない粒子径200nm以下の抗菌剤粒子によって行われるため均質性に優れたものを得ることができる。
(2)抗菌剤粒子の硫化銀粒子の硫黄には高い抗カビ性があり多品種のカビ菌に対して不活化性能を有する。また銀には高い抗菌性と抗ウイルス性がある。このため硫黄と銀を複合することで相乗効果による高い抗菌性、抗カビ性、抗ウイルス性(以後これらを抗菌性と称する)、抗アレルゲン性を得ることができる。
(3)またナノメーターオーダーの銀粒子には、酸素に作用して反応性の高い陰電荷酸素(酸素ラジカル)に変質させる触媒作用がある。このため直接、硫化銀と接触していない離れた位置に付着した菌やカビ菌、ウイルス、アレルゲンに対しても抗菌性が得られる。また悪臭成分に対しては消臭性を得ることができる。
(4)上記(1)〜(3)の効果は極細繊維表面に抗菌作用面、触媒作用面を有するため、少ない使用量で大きな抗菌性、抗アレルゲン性、消臭性を得ることができる。
(5)不織布の構造が、極太繊維群と極細繊維群が複数混合されたものであり、極細繊維は極太繊維に支えられて潰れにくい。このため、従来の1つの細い繊維径だけの繊維群だけで構成された不織布より低圧損で高い捕集性能を得る事ができる。
(6)繊維群で抗菌剤粒子含有量と平均繊維径が異なるため、高いエレクトレット性と高い抗菌性が得ることができる。
以下、本発明に関する抗菌性メルトブロー不織布の好ましい実施の形態について詳細に説明する。本発明の抗菌剤粒子について説明する。抗菌剤粒子は有機重合体からなる繊維内に練り込まれて用いられている。抗菌剤粒子には、一次粒子径が200nm未満の金属イオンを発生する事ができる銅、亜鉛、銀などの金属をコロイド粒子化した物が好適に用いられ、硫化銀粒子、硫化銅粒子、硝酸銀粒子、酸化亜鉛粒子、酸化亜鉛アルミ合金粒子などを用いる事が出来る。これらの中でも硫化銀粒子と酸化亜鉛粒子が最適物質である。
硫化銀粒子は銀コロイドの硫化物であり硫黄原子に銀が結合されたものである。一次粒子径は200nmを下回るもの、好適には100nm以下、更に好適には50nm以下、最適には2nm〜50nm前後の大きさで用いられる。特に一次粒子径が2nm〜20nmのものであれば凝集も無く、ポリマーの流動性が良いため紡糸ノズル孔径0.05〜0.2mmの孔を塞ぐことがないため高い紡糸性を得ることができる。このため平均繊維径0.1μmを下回る極細繊維をも安定的に生産することができる。一次粒子は透過型電子顕微鏡を用いて樹脂または繊維の表面または切断面を観察し、重なりや凝集が無くそれ以上分割できない粒子を一次粒子とする。
また銀と硫黄の取り合わせは、それぞれの抗菌性の弱点を補う上で非常に効果的である。すなわち銀は抗菌性と抗ウイルス性が高いが一部のカビ菌には弱い抗菌性を示す。一方、硫黄は抗ウイルス性に劣るが殆どのカビ菌、細菌、藻類までに高い抗菌性を示す。本発明で用いる抗菌剤粒子は銀に硫黄原子を結合させたものであるため、相乗効果でカビ菌、細菌、藻類に対する抗菌性と抗ウイルス性を同時に得ることができる。このため、空気のみならず液体濾過でも有効に使用する事が可能である。
また抗菌剤は、シリカ粒子やコロイダルシリカ粒子に硫黄原子と銀を錯化合物として結合させたシリカ添着硫化銀粒子の形態でも使用可能である。硫化銀粒子は黄色のものであるがシリカ添着硫化銀粒子は白色のため特に白色製品を得たい場合に好適に使用する事ができる。次に抗菌剤が有する触媒効果による抗菌性と消臭性について説明する。
ナノメーターサイズの銀は触媒作用を有する。触媒作用とは、空気中や液体中の酸素を陰電荷を持った酸素(酸素ラジカル)に変化させる効果を言う。この酸素ラジカルが菌の蛋白成分に取り込まれるか、OHラジカルを引き抜くかなどして死滅させるか、あるいは蛋白の分子鎖構造を変えて不活化すると考えられる。この触媒作用は、粒子径がナノメーターサイズとした硫化銀粒子やシリカ添着硫化銀粒子で認められ、繊維表面に露出したナノメーターサイズ銀成分粒子表面に酸素が触れることで得られる。この触媒作用の効果は、抗菌剤粒子に直接接触していない捕集菌やウイルス、アレルゲン(以後菌類と称する)に対しても、この酸素ラジカルが浮遊して作用することで抗菌性が得られる。また従来の金属イオンを用いた抗菌剤の多くは水分中に溶けだした金属イオンが作用して抗菌性を示すものであるが、この触媒作用は乾燥した空気中でも効果が発揮されるため、捕集した菌類を含むダストが乾燥状態でも湿った状態でも抗菌効果を得ることができる。さらに同じメカニズムで悪臭ガス物質に対しても触媒作用が及ぶため消臭性を得ることができる。
抗菌剤粒子として硫化銀粒子を用いた場合の添加量を説明する。硫化銀粒子の添加量は、不織布重量の0.008重量%〜0.2重量%以下である。0.008重量%以下では抗菌性が得られにくいが、0.2重量%超にすると凝集物が多くなりノズル詰まりやポリマー粘度上昇に伴う紡糸性ダウンが発生するようになる。また硫化銀粒子は導電性を有するため多く添加し過ぎると繊維表面の電気抵抗値が低下するためエレクトレット電荷の安定性が損なわれ、エレクトレット化抗菌性不織布を得る場合には弊害が出てくる。これらの関係から、好ましくは0.008重量%〜0.15%重量以下、最適には0.01重量%〜0.1重量%範囲の添加量で高い抗菌性とエレクトレット性、紡糸性を得ることができる。
次に、抗菌性メルトブロー不織布は、特表平9−501604号公報に記載された方法でエレクトレット化すれば高性能なエレクトレット化抗菌性不織布とする事ができる。このためエレクトレット化抗菌性不織布を不織布としてマスクやフィルターに用いた場合には、微細塵や菌類をエレクトレット電荷で吸着するため高い捕集性が得られることに加え、捕集した細菌、カビ、ウイルス、アレルゲン物質を捕集した面で直に不活化できるため安全衛生度の高い商品とする事ができる。
従来の抗菌性を保持していないメルトブロー不織布と抗菌加工された不織布を積層した積層濾材では、抗菌加工された不織布に捕捉されたバクテリアに対しては抗菌性が期待できるが、菌やウイルスは0.01〜数μmと非常に小さいため目の粗い抗菌加工された上流側の不織布では殆ど捕捉されずに下層のより緻密で捕集効率の高い抗菌性の無いメルトブロー不織布に捕集されていた。このためカビ菌は徐々に増殖して空気下流側に浸透して胞子を濾材面から飛散させる問題が多々起こっていたが、本発明の様に極細繊維自身が抗菌性を持ったものでは、カビ菌の増殖が無くなるため空気下流側の汚染を防止する事ができる。このためビル用空調機や家庭用空気清浄器、自動車用キャビンフィルターなどとして好適に使用することができる。また、ワイパーとして使用すれば、高い塵捕集性が得られ、付着した細菌類やアレルゲン性物質を短時間に不活化するため手で触れても安全衛生度の高い商品とする事ができる。
次に使用樹脂について説明する。本発明で用いる事が可能な有機重合体は、メルトブロー紡糸が可能なMFRが30〜2500の粘度を有し200℃前後の紡糸温度でも炭化する事のない曳糸性の高い樹脂が適する。ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂などを広く用いる事が出来るが、エレクトレット化不織布を得る場合には、中でもポリプロピレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイト系樹脂の単独または共重合樹脂を用いる事ができる。
メルトブロー不織布の利点は、繊維径0.05μm以上の極細繊維でも生産性高く生産出来るため非常に大きな繊維表面積を抗菌性作用面として活用できることにある。このため抗菌剤の添加量を少なくしても高い抗菌性を得られ、高捕集効率で菌類を捕集して直に不活化できる利点を有する。
メルトブロー不織布の製法は、例えば一例であるが、ノズル孔径0.2mm、ピッチ0.6mmで配置されたメルトブロー用のノズルダイを温度220℃に加熱し、1つのノズル孔あたり0.1g/分の割合で、原料樹脂を溶融させた状態で、ポリプロピレン繊維を吐出し、この吐出したポリプロピレン繊維に対して、温度240℃、ノズル幅1mあたり16Nm3/分の加熱気流を作用させて、繊維を牽引分岐させて極細繊維の流れを形成し、次いで、この極細繊維をメッシュ状エアーサクションコンベア上により捕集する方法で実施することができる。この他に、メルトブロー法の1種であるナノメルト紡糸法を挙げることができる。ナノメルト紡糸法とは、電圧を印加した回転するローラー表面に超低粘度溶融ポリマーを塗布、対局する位置に配置された印加電極間との電圧差によってポリマーを吸引飛散、自己分割化させて極細繊維を得る技術である。この方法に拠れば繊維径0.05〜1μmを主体とした不織布を製造することができるので望ましい。
本発明の抗菌性メルトブロー不織布は抗菌剤粒子を含む有機重合体をメルトブロー製法で紡糸した抗菌性メルトブロー不織布である。メルトブロー不織布としているのは、一般の溶融紡糸法による抗菌性繊維に関する公知文献、特開平9−176949号公報に記載されているように、樹脂を溶融して単にノズル吐出孔から吐出後時間をかけて冷却するプロセスでは抗菌剤粒子の凝集作用で繊維芯部に偏在することは避けがたいが、メルトブロー法は吐出されたポリマーがエアーで牽引される過程で分岐(分割)され極細化・急冷されるため、またポリマーに混ざり易いナノメーターサイズの抗菌剤粒子が用いられているため急冷と同時に繊維表面に抗菌剤が露出した状態で繊維化される。このため抗菌剤が偏在すると言うことが起こらないことによる。
また抗菌性メルトブロー不織布の平均繊維径が40μm以下としているのは、メルトブロー製法が溶融したポリマーを吐出/細繊維化して不織布にするプロセスのため、一般の溶融紡糸のように吐出後冷却して分子鎖を延伸する工程がない。このため繊維は未延伸状態に近く非常に脆い性質のものである。この傾向は繊維径40μmを超える太繊維ほど顕著でプリーツ加工した場合には、屈曲部で繊維が簡単に破断する欠点が生じる。このため破断しない実用性を持った40μm以下の繊維を用いる。また抗菌性は細い繊維ほど抗菌性作用面を大きくなるため少ない抗菌剤使用量で高い抗菌性が得られるようになることから極細繊維ほど好ましい。このため好ましい平均繊維径は25μm以下、更に好ましくは10μm以下で用いるのが良く下限的には0.05μm以上が好ましい。
しかし、細すぎると擦過で破れたり、巻き締まりで圧損が高くなるため0.1μm以上10μm以下、最適には0.1μm以上7μm以下にすると良い。
しかし0.1μmから6μm以下の繊維で構成されたメルトブロー不織布は剛性がないため巻き潰れに拠る厚み減少が避けがたい。このため、コンベア上に捕集された段階のメルトブロー不織布圧損より巻き取った後の方が巻き締まって圧損が高くなる。
しかし、本発明では平均繊維径の小さい繊維群に極太糸の繊維群を混合することで巻きつぶれを防止したため低圧損な抗菌性メルトブロー不織布を得ることができる。すなわち、本発明の抗菌性メルトブロー不織布は、平均繊維径が異なる複数の繊維群が混合された異繊度混合の抗菌性メルトブロー不織布にする事ができる。このような不織布の特徴は抗菌性と同時に低圧損・高捕集が得られることである。
実際、その効果を圧損で示すと、平均繊維径1.2μmの繊維群(繊維径分布範囲0.1〜5μm)と平均繊維径15μm(繊維径分布範囲10〜25μm)の繊維群、すなわち平均繊維径の異なる2つの繊維群を混合した異繊度混合構造のエレクトレット化抗菌性メルトブロー不織布(目付12g/m)は、繊維径6μm以上の繊維が不織布を構成する全繊維体積量に占める体積率が40%で圧損12Pa、捕集効率93%の性能を持つものである。一方、繊維群が1つの従来のメルトブロー不織布で同じ捕集効率93%を同じ目付で達成するためには、平均繊維径1.7μm(繊維径分布範囲1〜7μm)の繊維群が必要で繊維径8μm以上の繊維を含まない極細繊維主体のメルトブロー不織布となる。しかし極細繊維主体で構成されたメルトブロー不織布は剛性が低いため不織布として巻き取った場合、巻き圧で潰れるため圧損が高くなるのを避けられず圧損が20Paと高いものに成らざるをえない。
本発明のように不織布厚みを支える骨格繊維として極太繊維群を混合し、捕集性能を高める繊維として極細繊維群を骨格繊維に架橋させるように混合した異繊度混合の抗菌性メルトブロー不織布は、極太繊維群で仕切られた空間容積は巻き圧で潰れないため、その空間にある極細繊維群の嵩高性も保たれた物となる。この結果として非常に大きな繊維表面積を活用した高い抗菌性と低圧損・高捕集性な抗菌性メルトブロー不織布を得ることができるものである。
このような異繊度混合構造である抗菌性メルトブロー不織布の製造は、次の様にして実施することができる。
(1)溶融粘度が3倍以上、好ましくは5倍以上異なるポリマーを2種以上混合してノズル孔径0.05〜0.2mmの孔から吐出後、高速加熱エアーで牽引する方法。この方法ではポリマー粘度に応じて牽引性や繊維分割性に差が生じるため繊維径の異なる繊維を均一に混合することができる。
(2)口径の異なるポリマー吐出孔を2種以上準備し、粘度の高いポリマーは大口径の孔から、粘度の低いポリマーは小口径からそれぞれ計量して吐出後、高速加熱エアーで牽引する方法。
(3)(2)に於いて同じ粘度のポリマーを、吐出量を変えて吐出後、高速加熱エアーで牽引する方法。
(4)2台のノズルヘッドを斜め下方に向き合う位置に配置し、極太、極細繊維をそれぞれのノズルで吐出量後、高速加熱エアー内で合流させる方法。上記いずれかの方法で実施する事ができる。中でも繊維群の平均繊維径差を大きく出来るのは(2)の方法である。
上記のいずれかの方法で製造される異繊度混合構造の抗菌性メルトブロー不織布の極太繊維群について説明する。骨格繊維となる極太繊維群の平均繊維径は、巻き圧で潰れない反発性が必要なことから6〜40μmが適当である。しかし太い繊維になるほど潰れは防止できるが厚みが増す弊害も発生する。またメルトブロー法で紡糸した場合には溶融吐出された繊維が捕集されるまでに十分に冷却されないと一緒に紡糸される極細糸に付着して溶かしてしまったり、極太糸同志で融着してしまうため嵩高性が出ない問題も発生する。これらの問題から適当な平均繊維径範囲は6〜40μmである。好適には6〜30μm、より好適には6〜25μm、最適には6〜25μmである。
一方、低圧損性と高い捕集性を両立するためには極細繊維群と極太繊維群の体積比率が重要となる。極太繊維群の体積比率の求め方は、異繊度混合構造の抗菌性メルトブロー不織布全体の繊維径分布を求め、繊維断面積に一定長さを掛けることで不織布を構成する全繊維の繊維体積総量を求め、全繊維の繊維体積総量に占める繊維径6μm以上の繊維だけの体積量の割合から求めるものである。
極太繊維群の体積比率が低い不織布は潰れ易く圧損上昇を防止できない。一方体積比率が高すぎる不織布は、不織布層内の空間容積が減るため圧損が高くなる。また捕集効率を高くすることも難しくなる。これらのバランスから、平均繊維径6μm以上の極太繊維群の繊維体積率を不織布全体繊維体積量の15〜85%の範囲内とすると低圧損性と高捕集性を実現することができる。好ましい体積率は20〜75%(平均繊維径6μm未満繊維の体積率25〜80%以下)、より好ましくは30〜70%(極細繊維群平均繊維径6μm未満繊維の体積率30〜70%以下)、最適には35〜65%(平均繊維径6μm未満繊維の体積率35〜65%以下)にすると良い。なお極太繊維群と次に繊維径の細い繊維群との平均繊維径差を2μm以上、好ましくは3μm以上、最適には5μm以上離すと捕集効率が高くでき低圧損化と両立出来るので適当である。
次に極細繊維群について説明する。上記の方法で製造された異繊度混合構造である抗菌性メルトブロー不織布は複数の繊維群で構成されるが、より極細繊維化することで繊維表面積が拡大するため少ない抗菌剤量と樹脂量で抗菌性と高い捕集性能を得ることができる。このため一番細い極細繊維群の平均繊維径範囲を3.0〜4.0μm、好ましくは1.5〜3.0μm、より好ましくは0.8〜1.5μm、最適には0.3〜0.8μm、より最適には0.05〜0.3μmにすると良いが、繊維が細過ぎると強度低下が起こり擦過による破れが発生するため実用的には0.1μm〜2.0μm程度が適当である。
次によりエレクトレット性と高い抗菌性を実現する方法について説明する。例えば抗菌剤粒子として200nm未満の硫化銀粒子を大量に繊維内に練り込むと高い抗菌性が得られるが、一方でナノメーターオーダーの銀粒子による導電性が発現し抗菌剤添加量によってはエレクトレットの帯電性と安定性を阻害される場合がある。このため、エレクトレット性と抗菌性を両立させる手段として、エレクトレット効果による高捕集性発現に効果の高い極細繊維には硫化銀粒子の添加量を減らすかまたは添加しないでエレクトレット強化繊維とし、一方の極太繊維には抗菌剤を多めに添加して抗菌性と触媒作用効果を強調した繊維にすると、極細繊維による高捕集性と抗菌性が、極太繊維による中捕集性と高い抗菌性、更に嵩高化による低圧損性が実現された異繊度混合構造のエレクトレット化抗菌性メルトブロー不織布を得ることができる。また組み合わせは抗菌剤の種類を変えることもできるので抗菌性と高捕集性に優れた抗菌性メルトブロー不織布を提供する事ができる。
本発明の抗菌性メルトブロー不織布は、各種エアフィルターや液体フィルター、ワイパー、生鮮食料のカバー材、医療材料、衣料材料として使用でき、他の繊維製品と複合しても使用することができる。特にエレクトレット化抗菌性メルトブロー不織布や抗菌性メルトブロー不織布をフィルターとして用いる場合には補強機能の高い支持不織布と積層して補強した抗菌性積層繊維製品とする事が望ましい。また支持不織布には抗菌性、抗カビ性、抗アレルゲン性、抗ウイルス性、消臭性、脱臭性などの機能を持った機能不織布を用いることで、機能が強化された抗菌性積層繊維製品とすることが出来る。例えば支持不織布に抗菌性抗アレルゲン性の支持不織布を積層した場合には、抗菌性積層繊維製品全体が抗菌性となるため、不織布全体で菌やカビ菌が不活化された状態となり交換に際し素手で触っても安全衛生性が高く、舞い上がったアレルゲンによる花粉症発症も防止出来るようになる。
またこれらのエレクトレット化抗菌性メルトブロー不織布や抗菌性メルトブロー不織布および抗菌性積層繊維製品は、フィルターユニットに仕上げて各種空気清浄機や空調機器、浄水器用に用いることで高い抗菌性を保持した濾過機器とすることができる
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。なお、本実施例における評価方法を下記の通りである。
<目付>
24℃60%RHの室温に8時間以上放置して、評価試料の質量を求め、その面積から1m当たりの質量に直して、それぞれの評価試料の目付として求める。サンプルング最小面積は0.01m以上とする。
<捕集性能測定>
JIS B9908(2001)形式1試験法に準じた評価機器に評価試料をセットし、濾材貫通風速3.18m/minで上流側から一般外気を供給し、評価試料前後の粒子数をパーティクルカウンターを用いて測定し、下記式から捕集効率を求める。
η=(1−(C/C))×100
=評価フィルター通過後の粒径0.3〜0.5μmの粒子数
=評価フィルター通過前の粒径0.3〜0.5μmの粒子数。
<抗菌性試験方法−定量法>
JIS L19022008「繊維製品の抗菌性試験方法」に規定される定量試験(菌液吸収法)において菌液面をフィルムでカバーする方法で実施。混釈平板培養法により生菌数を測定して、静菌活性値を求める。なお、試験菌株は黄色ぶどう球菌Staphyiococcus ATCC 6538Pを用いた。また、無加工試料として標準白布(綿)を用い、界面活性剤(Tween80)0.05%を添加した試験菌液を使用した。判定基準 静菌活性値2.0以上で抗菌性有り。
<抗ウイルス性試験方法>
日本分析食品分析センター抗ウイルス性試験方法(インフルエンザA型、H1N1)に準じて行う。
<抗カビ性試験方法>
日本化学繊維検査協会、JIS Z29112000(湿式法)で実施する。カビ菌は以下の4種とした。
Aspergillus niger NBRC6341
Penicillium citrinum NBRC6352
Chaetomium globosum NBRC6347
Myrothecium verrucaria NBRC6113
判定基準
0:試料または試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められない。
1:試料または試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は、全面
積の1/3を超えない。
2:試料または試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は、全面
積の1/3を超える。
<抗アレルゲン性>
ELISA法試験で実施した。アレルゲンはコナヒョウヒダニとスギ花粉を用いて実施した。
<MFR試験方法>
JIS K7210に準じて実施する。
<メルトブロー不織布からの平均繊維径の求め方>
メルトブロー不織布表面をSEMで観察し、1エリアから200本以上の繊維をアトランダムに抽出し繊維幅を最短距離で測定する。この操作を3cm以上離れた3エリアで実施し、600本の繊維幅を算術平均して平均繊維径とする。
<繊維径分析と極太繊維群の体積比率の求め方>
異繊度混合構造の抗菌性メルトブロー不織布全体の繊維径分布を求め、繊維断面積に一定長さを掛けることで不織布を構成する全繊維の繊維体積総量を求め、全繊維の繊維体積総量に占める繊維径6μm以上の繊維だけの体積量の割合から求めるものである。
<抗菌剤粒子分析方法>
一次粒子径は透過型電子顕微鏡を用いて樹脂または繊維の表面または切断面を観察し、粒子の中から100個以上の、重なりや凝集が無くそれ以上分割できない粒子(一次粒子)一次をランダムに抽出し長径を測定して平均値で求める。含有量分析は、ICP発行分析法とX線回折法も併用して実施する。
(ポリプロピレン樹脂の調製)
チーグラーナッタ触媒を用いて重合されたポリプロピレン樹脂パウダーに熱安定剤としてチバスペシャルティーケミカルズ(株)の商品名 CHIMASSORB 944LDを0.1重量%とイルガノックス1425WLを0.2重量%、2,6−tブチル−P−クレゾールを0.05重量%、ステアリン酸カルシューム0.1重量%を混合・溶融押し出ししてチップ化したものに、
表1記載の抗菌剤粒子を混合・溶融押し出ししてチップ化したものを用いた。
Figure 2011132628
Figure 2011132628
(メルトブロー紡糸条件)
(メルトブロー紡糸条件と実施例/比較例の関係)
上記ポリプロピレン樹脂と表1および表2に記載されたメルトブロー紡糸条件A〜G(目付12g/m)、I〜J(目付50g/m)を適用して紡糸された繊維をメッシュ状エアーサクションコンベアにより捕集してメルトブロー不織布を作成した。なお表中のポリマー吐出量、ポリマー樹脂MFR、平均繊維径の行に記載された大および小の表示は、ノズル孔として大または小を用いたことを示している。メルトブロー条件Fのノズル孔に1個または3個と記載されているのは、ノズル孔径大の間にノズル孔径小が3個の配置されていることを示す。
(エレクトレット化方法)
不織布に純水を噴射し完全に濡らした後、ニップロールで潰して水分付着率250%まで脱水後、100℃の乾燥機に30分間放置して乾燥するハイドロチャージ方法を用いた。
Figure 2011132628
抗菌剤粒子(1):一次粒子径10nmの硫化銀粒子
抗菌剤粒子(2):一次粒子径50nmのコロイダルシリカ添着硫化銀粒子(シリカ重量比率60%)
抗菌剤粒子(3):一次粒子径180nmのシリカ添着硫化銀粒子(シリカ重量比率80%)
抗菌剤粒子(4):一次粒子径250nmのシリカ添着硫化銀粒子(シリカ重量比率80%)。
(実施例1〜14)
表3について、それぞれの抗菌剤粒子添加率と繊維径/捕集効率、抗菌性(静菌活性値)、抗ウイルス不活化率、抗カビ性の評価結果を示す。試験結果の通り実施例1、2、6,10,11,12の関係から硫化銀粒子の添加量が増えるに従い、また実施例4,5,6、9の関係から繊維径が細くなるに従い抗菌性が増す事が分かる。また実施例13は、平均繊維径1.2μmの繊維群(体積割合60%、繊維径範囲0.1〜6μm)と平均繊維径15μmの繊維群(体積割合40%、繊維径範囲10〜25μm)の2つの繊維群で構成された圧損12Pa、捕集効率93%の異繊度混合構造のエレクトレット化抗菌性メルトブロー不織布である。一方、同じ捕集効率93%を繊維群一つで得るためには平均繊維径1.7μm、圧損20Paのエレクトレット化抗菌性メルトブロー不織布が必要であった。このことから異繊度混合構造が低圧損性に優れた抗菌性メルトブロー不織布で有る事が確認できた。また実施例14では、平均繊維径0.5μmの繊維群(体積割合37.5%、繊維径範囲0.05〜0.1μm)と平均繊維径15μmの繊維群(体積割合62.5%、繊維径範囲10〜25μm)の2つの繊維径分布を持った圧損19Pa、捕集効率99.8%の異繊度混合構造のエレクトレット化抗菌性メルトブロー不織布である。実施例13より更に抗菌性が高いことからこれも極細繊維の効果を確認することができる。
(実施例15)
平均繊維径が40μm、目付40g/mのエレクトレット化抗菌性メルトブロー不織布であり粒子径180nmのシリカ粒子に硫化銀が添着された抗菌剤粒子を0.2重量%含むため高い抗菌性が得られた。プリーツ加工を行った結果、プリーツ頂点部で一部の繊維に割れが発生していることから耐久性と実用性の面で限界の繊維径であることが分かった。
(実施例16)
実施例7と比較例1のサンプルを用いた6段階臭気官能評価では、実施例7のサンプルの臭気強度が2.8に対し比較例1のサンプルの臭気強度は3.7であり消臭効果が確認できた。
(実施例17)
実施例7のサンプルに抗菌・抗ウイルス・抗アレルゲン加工された不織布(平均繊度5dtex、目付60g/m、静菌活性値5.4以上、抗ウイルス不活化率99.9%・スギ花粉不活化率99.1%、捕集効率2%以下)を積層した抗菌性積層繊維製品を濾材とし、この濾材を1.5m収納したフィルターユニット(サイズW300mm×L340mm×D40mm)を作成した。同様に比較例1のサンプルに機能のない不織布(平均繊度5dtex、目付60g/m、抗菌性0.1以下、抗ウイルス不活化率0%・スギ花粉不活化率0%、捕集効率2%以下)を積層した積層濾材を作成し、この濾材を1.5m収納したフィルターユニット(サイズW300mm×L340mm×D40mm)を作成した。この二つのフィルターを一般ビルの外気取り入れ口用空調機に装着し6ヶ月間の運転を行い、切り出した濾材の抗カビ性試験を行った。この結果、比較例の抗カビ性は3(発育有り)、実施例7の抗カビ性は0〜1でやや発育の気配が認められたが明らかに抗カビ性に優れていることが確認できた。
Figure 2011132628
(比較例1)
表4について、抗菌剤粒子を含まない比較例1では抗菌性が確認出来なかった。
(比較例2)
繊維径が45μmと太いため冷却が遅く球晶が発達し十分な分子配向が得られなかった事に加え、抗菌剤の含有量が多いために繊維が非常にもろかった。プリーツ加工を行うと折り曲げ部で繊維切断が頻発し全損する場合もあり、実用性の無いものであった。
(比較例3)
粒子径250nmと大きく抗菌剤添加率も多いためノズル詰まりが多発し紡糸を継続する事が出来なかった。極細繊維を紡糸するには抗菌剤の粒子径が大きすぎる事がわかった。
抗菌性メルトブロー不織布は特にマスク、フィルター、ワイパー等に利用可能である。特にマスク、フィルター用途で従来から使用されている抗菌性訴求商品は非抗菌性の極細繊維不織布に抗菌性の極太不織布を積層した不織布であったため、実用面での抗菌性には問題があった。しかし非抗菌性の極細繊維不織布を本発明の抗菌性メルトブロー不織布に変更することで菌、ウイルスの不活化が促進されるため感染の危険度レベルを1層低くくする事ができるため利用は拡大する。

Claims (7)

  1. 一次粒子径が200nm未満の抗菌剤粒子を含む平均繊維径40μm以下であることを特徴とする抗菌性メルトブロー不織布。
  2. 抗菌剤粒子が硫化銀粒子または/およびシリカ添着硫化銀粒子である請求項1記載の抗菌性メルトブロー不織布。
  3. 抗菌剤粒子の含有量が異なる複数の繊維群が混合されてなる請求項1または2に記載の抗菌性メルトブロー不織布。
  4. 平均繊維径が異なる複数の繊維群を有し、その内、平均繊維径6μm以上の繊維群は全繊維体積量の20%以上を占める請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌性メルトブロー不織布。
  5. エレクトレット化されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌性メルトブロー不織布。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の抗菌性メルトブロー不織布を用いたフィルター。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の抗菌性メルトブロー不織布を用いた濾過機器。
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