JP2011127138A - 円筒型スパッタリングターゲット製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】円筒形ターゲット材とバッキングスリーブとを簡単な構成で確実に接合することができる円筒型スパッタリングターゲットの製造方法を提供する。
【解決手段】バッキングスリーブ2の一端部を閉塞させた封止端部2aとしておき、上下方向に沿って配置した円筒形ターゲット材3の下端開口部から、バッキングスリーブ2の封止端部2aを挿入し、その挿入により形成される円筒形ターゲット材3の内周面と封止端部2a上面との間の空間部に溶融状態とした接合材4を貯留し、この貯留状態で、バッキングスリーブ2を円筒形ターゲット材3の内側に押し込みながら、バッキングスリーブ2の外周面と円筒形ターゲット材3の内周面との間隙に接合材4を充填し、充填された接合材4を固化させる。
【選択図】 図1
【解決手段】バッキングスリーブ2の一端部を閉塞させた封止端部2aとしておき、上下方向に沿って配置した円筒形ターゲット材3の下端開口部から、バッキングスリーブ2の封止端部2aを挿入し、その挿入により形成される円筒形ターゲット材3の内周面と封止端部2a上面との間の空間部に溶融状態とした接合材4を貯留し、この貯留状態で、バッキングスリーブ2を円筒形ターゲット材3の内側に押し込みながら、バッキングスリーブ2の外周面と円筒形ターゲット材3の内周面との間隙に接合材4を充填し、充填された接合材4を固化させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、マグネトロンスパッタリング装置に用いられる円筒型スパッタリングターゲットの製造方法に関する。
マグネトロンスパッタリング装置として、ターゲットを回転させながらスパッタを行う円筒型スパッタリングターゲットを備えたマグネトロンスパッタリング装置がある。このマグネトロンスパッタリング装置においては、円筒型ターゲットの内側に磁石を配置するとともに、ターゲットの内側に冷却水を流すことによりターゲットを冷却しつつ、ターゲットを回転させながらスパッタを行う。この装置に用いられる円筒型ターゲットはターゲット材の全面がエロージョン領域となり均一に削られるため、高いターゲット使用効率が得られるとともに、ターゲットを回転させることで、高い成膜速度が得られる(特許文献1参照)。
このような円筒型ターゲットとしては、例えば、円筒形基材の外側面に低融点はんだ材等を用いて複数の短冊状のターゲット材を接合し、その外周面を円筒状に加工したもの(特許文献2参照)、円筒形ターゲット材及び円筒形基材の一方を封止し、溶融状態の低融点はんだ材を入れた円筒形ターゲット材に円筒形基材を挿入して接合したもの(特許文献3参照)等が知られている。
特許文献2では、複数の短冊状のターゲット材を接合し、その外周面の加工を行うなど効率が悪いだけでなく、ターゲット材を複数に分割しているため、接着のばらつきに起因して、冷却効果の差による不均一な熱分布によりターゲット材と基材との剥離が生じ、基材からターゲット材が脱落する恐れがある。
一方、特許文献3では、円筒形ターゲット材に円筒形基材を挿入して接合したので、剥離しにくくすることができる。しかし、予め、はんだ材が貯留されたターゲット材に基材を押し込み、その押込圧により、ターゲット材と基材との間にはんだ材を充填する方法は、十分な充填が行われずに部分的に隙間が生じることによるボンディング率の低下を招き易い。そして、ボンディング率の低下により熱伝達が阻害され、冷却効率が低下するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ターゲット材と基材とを簡単な構成で確実に接合することができる円筒型スパッタリングターゲットの製造方法を提供する。
本発明に係る円筒型スパッタリングターゲットの製造方法は、バッキングスリーブの外周面と円筒形ターゲット材の内周面とを接合材により接合して円筒型スパッタリングターゲットを製造する方法であって、前記バッキングスリーブの一端部を閉塞させた封止端部としておき、上下方向に沿って配置した前記円筒形ターゲット材の下端開口部から、前記バッキングスリーブの封止端部を挿入し、その挿入により形成される前記円筒形ターゲット材の内周面と前記バッキングスリーブの封止端部上面との間の空間部に溶融状態とした前記接合材を貯留し、この貯留状態で、前記バッキングスリーブを前記円筒形ターゲット材の内側に押し込みながら、前記バッキングスリーブの外周面と前記円筒形ターゲット材の内周面との間隙に前記接合材を充填し、充填された接合材を固化させることを特徴とする。
この製造方法においては、円筒形ターゲット材にバッキングスリーブを挿入する際に、円筒形ターゲット材の内周面とバッキングスリーブの封止端部とで形成される空間部に接合材を貯留しておき、この状態から、バッキングスリーブを円筒形ターゲット材内部に押し込む。この際、円筒形ターゲット材の内周面は、貯留された接合材により濡らされており、円筒形ターゲット材の内周面とバッキングスリーブの外周面とで形成されるリング状の隙間(筒状間隙)の入口部分も、接合材により隙間なく埋められている。
そして、バッキングスリーブの押し込みに伴って、空間部に貯留された接合材は、円筒形ターゲット材の上方位置に移動させられるとともに、円筒形ターゲット材の内周面を順次濡らしていく。この濡らされた内周面に沿って、バッキングスリーブが押し込まれるので、接合材を円筒形ターゲット材の内周面とバッキングスリーブの外周面とに確実になじませることができる。そして、バッキングスリーブが押し込まれることにより、筒状間隙の接合材で満たされた領域が徐々に伸ばされていき、円筒形ターゲット材とバッキングスリーブとの間に接合材が充填される。
そして、バッキングスリーブの押し込みに伴って、空間部に貯留された接合材は、円筒形ターゲット材の上方位置に移動させられるとともに、円筒形ターゲット材の内周面を順次濡らしていく。この濡らされた内周面に沿って、バッキングスリーブが押し込まれるので、接合材を円筒形ターゲット材の内周面とバッキングスリーブの外周面とに確実になじませることができる。そして、バッキングスリーブが押し込まれることにより、筒状間隙の接合材で満たされた領域が徐々に伸ばされていき、円筒形ターゲット材とバッキングスリーブとの間に接合材が充填される。
また、本発明の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法は、バッキングスリーブの外周面と円筒形ターゲット材の内周面とを接合材により接合して円筒型スパッタリングターゲットを製造する方法であって、上下方向に沿って配置した前記円筒形ターゲット材の上端開口部を囲むように筒状壁を形成しておき、前記円筒形ターゲットの上端開口部から、前記バッキングスリーブの一端部を挿入し、その挿入により形成される前記筒状壁の内周面と前記バッキングスリーブの外周面との間の空間部に溶融状態とした前記接合材を貯留し、前記円筒形ターゲット材の内側に前記バッキングスリーブを押し込むことにより、前記バッキングスリーブの外周面と前記円筒形ターゲット材の内周面との間隙に前記接合材を充填し、充填された前記接合材を固化させることを特徴とする。
この製造方法においては、円筒形ターゲット材にバッキングスリーブを挿入する際に、筒状壁の内周面とバッキングスリーブの外周面とで形成される空間部に接合材を貯留し、この状態から、バッキングスリーブを円筒形ターゲット材内部に押し込む。
この際、バッキングスリーブの外周面は空間部に貯留された接合材により濡らされており、円筒形ターゲット材の内周面とバッキングスリーブの外周面とで形成される筒状間隙の入口部分も接合材により隙間なく埋められている。したがって、バッキングスリーブが円筒形ターゲット材内部に押し込まれるのと同時に、接合材で濡らされたバッキングスリーブの外周面に沿って接合材が筒状間隙に誘い込まれ、筒状間隙の接合材で満たされた領域が徐々に伸ばされていき、円筒形ターゲット材とバッキングスリーブとの間に隙間なく充填される。
この際、バッキングスリーブの外周面は空間部に貯留された接合材により濡らされており、円筒形ターゲット材の内周面とバッキングスリーブの外周面とで形成される筒状間隙の入口部分も接合材により隙間なく埋められている。したがって、バッキングスリーブが円筒形ターゲット材内部に押し込まれるのと同時に、接合材で濡らされたバッキングスリーブの外周面に沿って接合材が筒状間隙に誘い込まれ、筒状間隙の接合材で満たされた領域が徐々に伸ばされていき、円筒形ターゲット材とバッキングスリーブとの間に隙間なく充填される。
また、本発明の円筒型スパッタリングターゲットの製造方法において、前記バッキングスリーブを回転させながら前記円筒形ターゲット材の内部に押し込むとよい。
バッキングスリーブを回転させながら押し込むことにより、円筒形ターゲット材とバッキングスリーブとの間の長さ方向だけでなく、周方向にも接合材を素早くなじませることができ、さらに効率的である。
バッキングスリーブを回転させながら押し込むことにより、円筒形ターゲット材とバッキングスリーブとの間の長さ方向だけでなく、周方向にも接合材を素早くなじませることができ、さらに効率的である。
さらに、前記バッキングスリーブの内部に、前記接合材を溶融する加熱手段が設けられているとよい。
バッキングスリーブは、主に熱伝導性の高い金属材料で形成されているので、バッキングスリーブ内部から加熱すると効率的である。また、円筒形ターゲット材の外部にも加熱手段を併設してもよい。
バッキングスリーブは、主に熱伝導性の高い金属材料で形成されているので、バッキングスリーブ内部から加熱すると効率的である。また、円筒形ターゲット材の外部にも加熱手段を併設してもよい。
本発明の円筒型スパッタリングターゲットの製造方法において、前記バッキングスリーブの外周面及び前記円筒形ターゲット材の内周面の少なくとも一方に、螺旋状の溝が設けられているとよい。
本発明の円筒型スパッタリングターゲットの製造方法において、前記バッキングスリーブの外周面の一部に雄ねじが形成されており、前記円筒形ターゲット材の内周面の一部に雌ねじが形成されているとよい。
螺旋状の溝やねじ部を設けることで、低粘度の接合材を用いた場合においても、バッキングスリーブと円筒形ターゲット材との間隙に接合材を効率的に充填し、保持することができる。また、ねじ部が設けられた場合には、バッキングスリーブと円筒形ターゲット材とがねじ嵌合によりガイドされるので、円筒形ターゲット材とバッキングスリーブとの中心出しだけでなく、上下方向の位置合わせについても容易に行うことができる。
本発明によれば、円筒形ターゲット材とバッキングスリーブとの間に効率的に接合材を介入させることができ、円筒形ターゲット材とバッキングスリーブとを簡単な構成で確実に接合することができる。また、円筒形ターゲット材の内周面及びバッキングスリーブの外周面に接合材の濡れ性向上のための下塗り等を必要としないため、安価に製造することが可能となる。
以下、本発明の円筒型スパッタリングターゲット製造方法の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1〜図2は、円筒型スパッタリングターゲットの第1実施形態の製造方法を示している。
この実施形態により製造される円筒型スパッタリングターゲット1は、図1(a)に示すとおり、バッキングスリーブ2と、バッキングスリーブ2の外周面に接合される円筒形ターゲット材3と、バッキングスリーブ2と円筒形ターゲット材とを接合する接合材4とから構成されている。
これらバッキングスリーブ2、円筒形ターゲット材3、接合材4の材料や寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、バッキングスリーブ2は、TiまたはCu製の内径50mmφ、外径60mmφ、長さ100mmのスリーブであり、円筒形ターゲット材3は、ITOまたはAZOの内径62mmφ、外径82mm、長さ100mmの円筒材であり、接合材4は、In系低融点はんだ材である。
図1〜図2は、円筒型スパッタリングターゲットの第1実施形態の製造方法を示している。
この実施形態により製造される円筒型スパッタリングターゲット1は、図1(a)に示すとおり、バッキングスリーブ2と、バッキングスリーブ2の外周面に接合される円筒形ターゲット材3と、バッキングスリーブ2と円筒形ターゲット材とを接合する接合材4とから構成されている。
これらバッキングスリーブ2、円筒形ターゲット材3、接合材4の材料や寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、バッキングスリーブ2は、TiまたはCu製の内径50mmφ、外径60mmφ、長さ100mmのスリーブであり、円筒形ターゲット材3は、ITOまたはAZOの内径62mmφ、外径82mm、長さ100mmの円筒材であり、接合材4は、In系低融点はんだ材である。
次に、この円筒型スパッタリングターゲット1を製造する方法について説明する。
バッキングスリーブ2の一端部の開口を円盤状の封止部材6により封止し、封止端部2aとしておく。また、このバッキングスリーブ2の内部及び円筒形ターゲット材3の外部に、接合材4を溶融するための加熱手段であるヒーター5a、5bを配置する。円筒形ターゲット材3は、図示しない支持台に垂直に固定する。また、バッキングスリーブ2を回転させながら円筒形ターゲット材3の内部に押し込む駆動機構(図示略)を、バッキングスリーブ2の封止端部2aとは逆の一端部に設けておく。
バッキングスリーブ2の一端部の開口を円盤状の封止部材6により封止し、封止端部2aとしておく。また、このバッキングスリーブ2の内部及び円筒形ターゲット材3の外部に、接合材4を溶融するための加熱手段であるヒーター5a、5bを配置する。円筒形ターゲット材3は、図示しない支持台に垂直に固定する。また、バッキングスリーブ2を回転させながら円筒形ターゲット材3の内部に押し込む駆動機構(図示略)を、バッキングスリーブ2の封止端部2aとは逆の一端部に設けておく。
図1(b)に示すように、円筒形ターゲット材の下端開口部からバッキングスリーブ2の封止端部2aを挿入する。そして、円筒形ターゲット材3の内周面と封止端部2aの上面とで形成される空間部をヒーター5a、5bにより接合材4の融点以上の温度(例えば、160〜200℃)に保持し、その空間部に溶融状態の接合材4を流し入れ、貯留する。この貯留状態においては、円筒形ターゲット材3の内周面の一部は、貯留された接合材4により濡らされ、円筒形ターゲット材3の内周面とバッキングスリーブ2の外周面とで形成されるリング状の隙間B1(筒状間隙)の入口部分A1も、接合材4により隙間なく埋められる。
バッキングスリーブ2を円筒形ターゲット材3の内部に押し込むと、この押し込みに伴って、接合材4の貯留位置は、円筒形ターゲット材3の内周面を順次濡らしながら、円筒形ターゲット材3の上方位置に移動させられていく。そして、この濡らされた内周面に沿ってバッキングスリーブ2が回転させられながら押し込まれるので、接合材4を円筒形ターゲット材3の内周面とバッキングスリーブ2の外周面とに確実になじませることができる。また、接合材4の貯留位置は、常に封止部材6を介してバッキングスリーブ2の上方位置にあるので、バッキングスリーブ2が円筒形ターゲット材3の内部に押し込まれると同時に、重力により筒状間隙B1に流し落とされていく。
バッキングスリーブ2を円筒形ターゲット材3の内部に押し込むと、この押し込みに伴って、接合材4の貯留位置は、円筒形ターゲット材3の内周面を順次濡らしながら、円筒形ターゲット材3の上方位置に移動させられていく。そして、この濡らされた内周面に沿ってバッキングスリーブ2が回転させられながら押し込まれるので、接合材4を円筒形ターゲット材3の内周面とバッキングスリーブ2の外周面とに確実になじませることができる。また、接合材4の貯留位置は、常に封止部材6を介してバッキングスリーブ2の上方位置にあるので、バッキングスリーブ2が円筒形ターゲット材3の内部に押し込まれると同時に、重力により筒状間隙B1に流し落とされていく。
このように、バッキングスリーブ2が押し込まれることにより、筒状間隙B1の接合材4で満たされた領域C1が徐々に伸ばされていき、円筒形ターゲット材3とバッキングスリーブ2との間の筒状間隙B1に接合材4が隙間なく充填される。
この接合材4を筒状間隙B1に充填した後、加熱手段による加熱を解除し、接合材4を固化させることで、円筒型スパッタリングターゲット1が得られる。
この接合材4を筒状間隙B1に充填した後、加熱手段による加熱を解除し、接合材4を固化させることで、円筒型スパッタリングターゲット1が得られる。
なお、この製造方法においては、接合材4の貯留位置をバッキングスリーブ2で押し上げることにより、円筒形ターゲット材3の内周面を下方から上方に濡らすようにして接合材4を充填しているので、円筒形ターゲット材3の上端付近までバッキングスリーブ2を押し込んだら、その円筒形ターゲット材3の上に新たな円筒形ターゲット材3を継ぎ足し、バッキングスリーブ2の下方にも新たなバッキングスリーブ2を継ぎ足しながら順次円筒型スパッタリングターゲットを製造することも可能である。接合材4については、必要に応じて補給すればよい。
図3及び図4は、本発明の円筒型スパッタリングターゲットの第2実施形態の製造方法を示している。
第1実施形態の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法は、円筒形ターゲット材3の下端開口部からバッキングスリーブ2を押し込みながら、円筒形ターゲット材3の内周面と、封止端部2aの上面とで形成される空間部に貯留した接合材4を筒状間隙B1に充填する方法とされていたが、この第2実施形態の製造方法では、円筒形ターゲット材3の上端開口部からバッキングスリーブ2を押し込みながら接合材4を充填する。このため、円筒形ターゲット材3の上端部には、接合材4を貯留するための筒状壁7が形成される。すなわち、円筒形ターゲット材3の上端開口部を囲むように筒状壁7を形成しておき、この円筒形ターゲット材3の上端開口部からバッキングスリーブ2を挿入すると、円筒形ターゲット材3の上方に筒状壁7とバッキングスリーブ2の外周面とに囲まれるリング状の空間部が形成される。そのリング状空間部に接合材4を貯留し、円筒形ターゲット材3の内部にバッキングスリーブ2を押し込みながら、接合材4を筒状間隙B2に充填することにより、円筒形ターゲット材3とバッキングスリーブ2とを接合する。
第1実施形態の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法は、円筒形ターゲット材3の下端開口部からバッキングスリーブ2を押し込みながら、円筒形ターゲット材3の内周面と、封止端部2aの上面とで形成される空間部に貯留した接合材4を筒状間隙B1に充填する方法とされていたが、この第2実施形態の製造方法では、円筒形ターゲット材3の上端開口部からバッキングスリーブ2を押し込みながら接合材4を充填する。このため、円筒形ターゲット材3の上端部には、接合材4を貯留するための筒状壁7が形成される。すなわち、円筒形ターゲット材3の上端開口部を囲むように筒状壁7を形成しておき、この円筒形ターゲット材3の上端開口部からバッキングスリーブ2を挿入すると、円筒形ターゲット材3の上方に筒状壁7とバッキングスリーブ2の外周面とに囲まれるリング状の空間部が形成される。そのリング状空間部に接合材4を貯留し、円筒形ターゲット材3の内部にバッキングスリーブ2を押し込みながら、接合材4を筒状間隙B2に充填することにより、円筒形ターゲット材3とバッキングスリーブ2とを接合する。
このように、円筒形ターゲット材3の上方位置に、接合材4を貯留するリング状空間部を設けたので、バッキングスリーブ2の押し込みに伴って、接合材4が筒状間隙B2に流し落とされるとともに、接合材4で濡らされたバッキングスリーブ2の外周面に沿って、接合材4が筒状間隙B2に誘い込まれ、筒状間隙B2を隙間なく充填することができる。この場合、バッキングスリーブ2の押し込み方向と接合材4に作用する重力の方向とが一致しているので、バッキングスリーブ2の押し込みにより、筒状間隙B2での接合材4の流下を補助して、筒状間隙B2に接合材を確実に充填することができる。
図5は、本発明の円筒型スパッタリングターゲットの第3実施形態の製造方法を示している。
第3実施形態の製造方法は、円筒形ターゲット材13の下端開口部からバッキングスリーブ12を押し込みながら、円筒形ターゲット材13の上方位置の空間部に貯留した接合材4を筒状間隙B3に充填して接合することは、第1実施形態の製造方法と同じであるが、この第1実施形態の方法に加えて、バッキングスリーブ12の外周面に雄ねじ部12cを形成するとともに、円筒形ターゲット材13の内周面に雌ねじ部13cを形成し、バッキングスリーブ12と円筒形ターゲット材13とをねじ嵌合させることにより、バッキングスリーブ12を回転させながら押し込んで接合する構成としている。その他の構成は、第1実施形態のものと同じであり、共通部分に同一符号を付して説明を省略する。
第3実施形態の製造方法は、円筒形ターゲット材13の下端開口部からバッキングスリーブ12を押し込みながら、円筒形ターゲット材13の上方位置の空間部に貯留した接合材4を筒状間隙B3に充填して接合することは、第1実施形態の製造方法と同じであるが、この第1実施形態の方法に加えて、バッキングスリーブ12の外周面に雄ねじ部12cを形成するとともに、円筒形ターゲット材13の内周面に雌ねじ部13cを形成し、バッキングスリーブ12と円筒形ターゲット材13とをねじ嵌合させることにより、バッキングスリーブ12を回転させながら押し込んで接合する構成としている。その他の構成は、第1実施形態のものと同じであり、共通部分に同一符号を付して説明を省略する。
このように、円筒形ターゲット材13及びバッキングスリーブ12は、ねじ嵌合によりガイドされるので、バッキングスリーブ12の回転に伴い、接合材4がねじ部に沿って円筒形ターゲット材13とバッキングスリーブとの間に隙間なく充填され、円筒形ターゲット材13とバッキングプレート12とを確実に接合することができる。
また、ねじ部を設けたことにより、円筒形ターゲット材13及びバッキングスリーブ12の互いの中心出しや上下方向の位置合わせを容易に行うことができる。
また、ねじ部を設けたことにより、円筒形ターゲット材13及びバッキングスリーブ12の互いの中心出しや上下方向の位置合わせを容易に行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第3実施形態においては、バッキングスリーブの外周面に雄ねじ部を形成し、円筒形ターゲット材の内周面に雌ねじを形成し、ねじ嵌合させる構成としたが、バッキングスリーブ及び円筒形ターゲット材のどちらか一方に螺旋状の溝形状を設ける構成としてもよい。この場合においても、バッキングスリーブの押し込みに伴って、接合材が溝形状に沿って周方向に誘い込まれるので、筒状間隙に素早く充填され、円筒形ターゲット材とバッキングスリーブとを隙間なく接合することができる。また、螺旋方向を変えた二条の溝をクロスさせるように形成してもよい。
また、上述の実施形態においては、円筒形ターゲット材にバッキングスリーブを押し込む構成としていたが、バッキングスリーブに円筒形ターゲット材を押し込む構成としてもよい。
さらに、円筒形ターゲット材及びバッキングスリーブを垂直に配置していたが、筒状間隙に接合材が充填される構成となっていればよく、必ずしも垂直に配置されていなくてもよい。
例えば、第3実施形態においては、バッキングスリーブの外周面に雄ねじ部を形成し、円筒形ターゲット材の内周面に雌ねじを形成し、ねじ嵌合させる構成としたが、バッキングスリーブ及び円筒形ターゲット材のどちらか一方に螺旋状の溝形状を設ける構成としてもよい。この場合においても、バッキングスリーブの押し込みに伴って、接合材が溝形状に沿って周方向に誘い込まれるので、筒状間隙に素早く充填され、円筒形ターゲット材とバッキングスリーブとを隙間なく接合することができる。また、螺旋方向を変えた二条の溝をクロスさせるように形成してもよい。
また、上述の実施形態においては、円筒形ターゲット材にバッキングスリーブを押し込む構成としていたが、バッキングスリーブに円筒形ターゲット材を押し込む構成としてもよい。
さらに、円筒形ターゲット材及びバッキングスリーブを垂直に配置していたが、筒状間隙に接合材が充填される構成となっていればよく、必ずしも垂直に配置されていなくてもよい。
また、第1実施形態で述べたように、第2,第3実施形態も同様にして、新たなバッキングスリーブ2及び円筒形ターゲット材3を継ぎ足しながら円筒型スパッタリングターゲットを製造することが可能である。
1 円筒型スパッタリングターゲット
2,12 バッキングスリーブ
3,13 円筒形ターゲット材
4 接合材
5a,5b ヒーター
6 封止部材
7 筒状壁
12c 雄ねじ部
13c 雌ねじ部
A1,A2 筒状間隙の入口
B1,B2 筒状間隙
C1,C2,C3 接合材の充填領域
O 中心軸
2,12 バッキングスリーブ
3,13 円筒形ターゲット材
4 接合材
5a,5b ヒーター
6 封止部材
7 筒状壁
12c 雄ねじ部
13c 雌ねじ部
A1,A2 筒状間隙の入口
B1,B2 筒状間隙
C1,C2,C3 接合材の充填領域
O 中心軸
Claims (6)
- バッキングスリーブの外周面と円筒形ターゲット材の内周面とを接合材により接合して円筒型スパッタリングターゲットを製造する方法であって、前記バッキングスリーブの一端部を閉塞させた封止端部としておき、上下方向に沿って配置した前記円筒形ターゲット材の下端開口部から、前記バッキングスリーブの封止端部を挿入し、その挿入により形成される前記円筒形ターゲット材の内周面と前記バッキングスリーブの封止端部上面との間の空間部に溶融状態とした前記接合材を貯留し、この貯留状態で、前記バッキングスリーブを前記円筒形ターゲット材の内側に押し込みながら、前記バッキングスリーブの外周面と前記円筒形ターゲット材の内周面との間隙に前記接合材を充填し、充填された接合材を固化させることを特徴とする円筒型スパッタリングターゲットの製造方法。
- バッキングスリーブの外周面と円筒形ターゲット材の内周面とを接合材により接合して円筒型スパッタリングターゲットを製造する方法であって、上下方向に沿って配置した前記円筒形ターゲット材の上端開口部を囲むように筒状壁を形成しておき、前記円筒形ターゲットの上端開口部から、前記バッキングスリーブの一端部を挿入し、その挿入により形成される前記筒状壁の内周面と前記バッキングスリーブの外周面との間の空間部に溶融状態とした前記接合材を貯留し、前記円筒形ターゲット材の内側に前記バッキングスリーブを押し込むことにより、前記バッキングスリーブの外周面と前記円筒形ターゲット材の内周面との間隙に前記接合材を充填し、充填された前記接合材を固化させることを特徴とする円筒型スパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記バッキングスリーブを回転させながら前記円筒形ターゲット材の内部に押し込むことを特徴とする請求項1又は2に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記バッキングスリーブの内部に、前記接合材を溶融する加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記バッキングスリーブの外周面及び前記円筒形ターゲット材の内周面の少なくとも一方に、螺旋状の溝が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の円筒型スパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記バッキングスリーブの外周面の一部に雄ねじが形成されており、前記円筒形ターゲット材の内周面の一部に雌ねじが形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の円筒型スパッタリングターゲットの製造方法。
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JP2009283824A JP2011127138A (ja) | 2009-12-15 | 2009-12-15 | 円筒型スパッタリングターゲット製造方法 |
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2009
- 2009-12-15 JP JP2009283824A patent/JP2011127138A/ja not_active Withdrawn
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