JP2011124919A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置及び画像処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011124919A
JP2011124919A JP2009282860A JP2009282860A JP2011124919A JP 2011124919 A JP2011124919 A JP 2011124919A JP 2009282860 A JP2009282860 A JP 2009282860A JP 2009282860 A JP2009282860 A JP 2009282860A JP 2011124919 A JP2011124919 A JP 2011124919A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
data
value
scan
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009282860A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeyasu Nagoshi
重泰 名越
Akitoshi Yamada
顕季 山田
Mitsuhiro Ono
光洋 小野
Rie Kajiwara
理恵 梶原
Okinobu Tsuchiya
興宜 土屋
Ayumi Sano
亜由美 佐野
Tomokazu Ishikawa
智一 石川
Takashi Fujita
貴志 藤田
Fumihiro Goto
史博 後藤
Akihiko Nakaya
明彦 仲谷
Fumitaka Goto
文孝 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2009282860A priority Critical patent/JP2011124919A/ja
Priority to US12/955,444 priority patent/US8488198B2/en
Publication of JP2011124919A publication Critical patent/JP2011124919A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/40Picture signal circuits
    • H04N1/40025Circuits exciting or modulating particular heads for reproducing continuous tone value scales

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Color, Gradation (AREA)

Abstract

【課題】画像処理において、記録する画像の特性に応じてドットの重なり量を制御し上述した濃度ムラ抑制と粒状性抑制とのバランスを適切にとることにより画像の特性にかかわらず高画質の記録を行うことを可能とする。
【解決手段】多値データを分割して2パスのマルチパス記録のデータ生成する場合に、2パスそれぞれの分割多値データの他、2パスに共通の分割多値データを生成する(405)。そして、その共通多値データの量子化データを各パスの量子化データに反映させる(407)。さらに、量子化データの生成において、多値データの画像特性(肌色か否か)に応じて(409)、上記多値データ分割による共通データの生成をする際の分割率を決定する(410)。これにより、濃度ムラ抑制と粒状性抑制のバランスを適切にとることにより画像の特性にかかわらず高画質の記録を行うことが可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、記録媒体と記録ヘッドとの複数回の相対移動などによる記録媒体の同一領域に対する複数回の記録動作によって画像の記録を完成するために、同一領域に対応する多値画像データを処理する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
インクジェット記録装置において記録される画像の濃度むらやスジを軽減するための技術として、記録媒体の同一領域に対する記録ヘッドの複数回の走査によって上記同一領域に記録すべき画像を完成させるマルチパス記録方式が知られている。しかしながら、マルチパス記録方式を採用したとしても、記録媒体の搬送量の変動などによって、先行する走査でのドット記録位置と後続の記録走査でのドット記録位置にズレが生じる場合がある。このようなズレはドット被覆率の変動を招き、これが原因で濃度変動や濃度むら等の画像弊害が生じる。
例えば、上述の記録媒体の搬送量変動は記録媒体の搬送路における記録媒体の位置によって異なる。例えば、余白を設けることなく記録媒体の全面に記録を行う、いわゆる縁無し記録では、搬送路において記録ヘッドの上流側および下流側にそれぞれ設けられた搬送ローラ対の一方のみで搬送されるときに記録を行う領域が記録媒体上に存在する。このような記録位置は、搬送精度が低く上記の搬送量の変動が生じやすい。これに対し、記録媒体が上流側および下流側の搬送ローラ対の両方によって挟持された状態で搬送されるときの記録位置は搬送精度が高くの搬送量変動は生じ難い。また、搬送において記録媒体が搬送ローラ対のニップ部に入り込むときあるいはニップ部から出るときに、比較的大きな搬送量の変動があることも知られている。
以上の搬送量変動などによるドット記録位置のずれに起因した画像弊害を軽減する技術として、2値化前の多値の画像データの段階で画像データを異なる走査に対応させて分割し、分割後の多値画像データを夫々独立に2値化する方法が知られている(特許文献1)。図11(A)は、この特許文献1の方法によって処理された画像データに基づいて記録されるドットの配置を示す図である。図において、黒丸551は第1の記録走査で記録されるドット、白丸552は第2の記録走査で記録されるドット、グレーの丸553は第1の記録走査と第2の記録走査によって重ねて記録されるドットをそれぞれ示している。すなわち、特許文献1に開示される技術は、補完性ないし排他性を低減することによって重なるドットを生じさせるものである。
このようなドット配置によれば、第1の記録走査で記録されるドット群と第2の記録走査で記録されるドット群が主走査方向または副走査方向にずれたとしても記録媒体に対するドットの被覆率はそれ程変動せず、結果として上記の画像弊害を低減することができる。その理由は、第1の記録走査で記録されるドットと第2の記録走査で記録されるドットが重なる部分も新たに現れるが、本来重ねて記録されるべき2つのドットが重ならなくなる部分も存在するからである。すなわち、従来、一般的には量子化されたデータに対してマスクを用いて、記録データを分割するとともに異なる記録走査で記録されるドット同士に補完性ないし排他性を持たせている。これに対し、特許文献1に記載の方法は、多値データの段階で異なる記録走査に対応した複数の多値データに分割し、これら複数の多値データそれぞれについて独立に量子化してそれぞれの記録走査で用いる量子化データを得るものである。これにより、異なる記録走査で記録されるドット間の補完性を低減し、複数回の記録走査で記録されるドットのうちに重なるドットを生じさせている。
特開2000−103088号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、異なる記録走査に対応した多値データを無相関に量子化しているため、異なる記録走査で記録されるドット同士の重なるドットの量を制御することができない。このため、重なりドットの数が過剰となって画像の粒状性が悪化したり、反対に、重なりドットの数が少な過ぎたりして上記の濃度変動を十分に抑制することができない場合がある。
本願発明者らは、基本的に、この重なるドットの量を、異なる記録走査それぞれの量子化データに対して共通に反映させるデータを生成することによって制御できることに着眼し本発明をなすに至ったものである。
一方、上述した粒状性と濃度変動(濃度ムラ)は、記録する画像ないし画像の特性によって現れ方が異なる。すなわち、画像ないし画像の特性に応じてその画像の画質に与える影響の程度が異なる。例えば、顔などの肌色の画像は、濃度ムラよりも粒状性の方が画質を大きく左右する。一方、空色の画像やモノクロ画像は、粒状性よりも濃度ムラの方が画質に大きく影響する。
以上のように、画像の特性によって、記録画像に現れる濃度ムラや粒状性の程度が異なる場合に、一律に上記共通に反映するデータを生成する処理を適用することは望ましいことではない。すなわち、一律に上記共通に反映するデータを生成する処理を適用する場合には、かえって濃度ムラや粒状性などを悪化させる場合がある。
本発明は、記録する画像の特性に応じてドットの重なり量を制御し上述した濃度ムラ抑制と粒状性抑制とのバランスを適切にとることにより画像の特性にかかわらず高画質の記録を行うことを可能とする画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、複数色のインクを吐出するための記録手段と記録媒体との少なくとも2回の相対走査によって前記記録媒体の画素領域に画像を記録するために、当該画素領域に記録すべき画像に対応した多値画像データを処理する画像処理装置であって、前記多値画像データの画像特性を検知する検知手段と、前記検知手段が検知した画像特性に応じた分割率に従って、前記多値画像データを分割することで、前記少なくとも2回の相対走査のそれぞれに対応する多値データおよび前記少なくとも2回の相対走査のうちの少なくとも2回の相対走査に共通に対応する多値データを生成するための生成手段と、前記生成手段によって生成された多値データのそれぞれに量子化処理を実行して、前記少なくとも2回の相対走査の各々に対応する量子化データおよび前記少なくとも2回の相対走査に共通に対応する量子化データを生成するための量子化手段と、前記量子化手段によって生成された量子化データを対応する相対走査毎に合成して、前記少なくとも2回の相対走査の各々に対応した合成量子化データを生成するための合成手段と、を具えたことを特徴とする。
以上の構成によれば、画像特性に応じた分割率に従って、複数回の相対走査に共通に対応する量子化データが生成される。これにより、画像の特性に応じてドットの重なり量を制御し上述した濃度ムラ抑制と粒状性抑制とのバランスを適切にとることができ、画像の特性にかかわらず高画質の記録を行うことが可能となる。
(A)〜(C)は、本発明の画像処理装置として機能するプリンタの概略構成を説明する図である。 2パスのマルチパス記録を説明する図である。 図1のプリンタの制御に係る主要部の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る2パス記録の記録データ生成処理(画像処理)を行うための構成を示すブロック図である。 図4に示した画像処理(画像データ分割処理→量子化処理→量子化データ合成処理)を模式的に表した図である。 (A)〜(C)は、誤差拡散処理を行う際の周囲画素に対する誤差分配係数を示す誤差分配マトリクスを表す図である。 第1の実施形態における、2値データを生成する排他的誤差拡散処理を示すフローチャートである。 記録媒体上に記録されたドットが記録媒体を覆う割合である「被覆率」を横軸に、「粒状度」を縦軸にして両者の関係を示す図である。 他の実施形態における、3値データを生成する排他的誤差拡散処理を示すフローチャートである。 3パス記録を行うための記録データの生成処理(画像処理)を行うための概略構成を示すブロック図である。 2回の走査で記録されるドットの配置状態を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、インクジェット記録装置を例にしているが、本発明は、インクジェット記録装置に限られるものではない。ドットを記録するための記録ヘッドと記録媒体の相対走査中に、記録手段によって記録媒体に画像を記録する方式の装置であれば、インクジェット記録装置以外の装置でも適用可能である。
本明細書において、「マルチパス記録」とは、記録ヘッドと記録媒体との相対走査(相対移動)によって記録媒体の同一領域に記録すべき画像を完成させる記録方式をいう。「記録ヘッドと記録媒体との相対走査(相対移動)」とは、記録媒体に対して記録ヘッドが相対的に移動(走査)する動作、あるいは、記録ヘッドに対して記録媒体が相対的に移動(搬送)する動作を指す。「同一領域」とは、ミクロ的には「1つの画素領域」を指し、マクロ的には「1回の相対走査で記録可能な領域」を指す。「画素領域(単に「画素」と呼ぶ場合もある)」とは、多値画像データによって階調表現可能な最小単位の領域を指す。一方、「1回の相対走査で記録可能な領域」とは、1回の相対走査中に記録ヘッドが通過する記録媒体上の領域、あるいは、この領域よりも小なる領域(例えば、1ラスター領域)を指す。例えば、シリアル型の記録装置において、図2に示されるようなM(Mは2以上の整数)パスのマルチパスモードを実行する場合、マクロ的には図中の1つの記録領域(ノズル配列幅の1/Mの幅の領域)を同一領域と定義することも可能である。
なお、以下では、「相対走査」のことを単に「走査」と称する。例えば、3パスのマルチパス記録の場合、1つの画素領域に対して3回の相対走査(第1相対走査、第2相対走査、第3相対走査)を行うが、これら第1〜第3の相対走査のことを夫々「第1走査」、「第2走査」、「第3走査」のように称する。
<記録装置の概略構成>
図1(A)は、本発明の画像処理装置として適用可能なフォトダイレクトプリンタ装置(以下、PDプリンタ)1000の概観斜視図である。PDプリンタ1000は、ホストコンピュータ(PC)からデータを受信して記録する機能、メモリカード等の記憶媒体に記憶されている画像を直接読取って記録する機能、またデジタルカメラやPDA等からの画像を受信して記録する機能を有している。
図1(A)において、1004は記録済みの用紙を積載可能な排出トレイを示し、1003は、本体内部に収納されている記録ヘッドカートリッジ或いはインクタンク等の交換を行う際に、ユーザが開閉することが可能なアクセスカバーを示す。上ケース1002に設けられた操作パネル1010には、記録に関する条件(例えば、記録媒体の種類、画像品位等)を各種設定するためのメニュー項目が表示され、ユーザは出力する画像の種類や用途に応じてこれら項目を設定することが出来る。1007は記録媒体を装置本体内へと自動的に給送する自動給送部、1009はメモリカードを装着可能なアダプタが挿入されるカードスロット、1012はデジタルカメラを接続するためのUSB端子を示す。PDプリンタ1000の後面には、PCを接続するためのUSBコネクタが設けられている。
図1(B)は、PDプリンタの内部構成の概要を示す斜視図である。記録媒体Pは、自動給送部1007によって搬送経路上に配置された搬送ローラ5001とこれに従動するピンチローラ5002とのニップ部に給送される。その後、記録媒体Pは、搬送ローラ5001の回転によって、プラテン5003上に案内支持されながら図中矢印A方向(副走査方向)に搬送される。ピンチローラ5002は、不図示のバネ等の押圧手段により、搬送ローラ5001に対して弾性的に付勢されている。これら搬送ローラ5001及びピンチローラ5002が記録媒体搬送方向の上流側にある第1搬送手段の構成要素をなす。
プラテン5003は、インクジェット形態の記録ヘッド5004の吐出口が形成された面(吐出面)と対向する記録位置に設けられ、記録媒体Pの裏面を支持することで、記録媒体Pの表面と吐出面との距離を一定の距離に維持する。プラテン5003上に搬送されて記録が行われた記録媒体Pは、回転する排出ローラ5005とこれに従動する回転体である拍車5006との間に挟まれてA方向に搬送され、プラテン5003から排紙トレイ1004に排出される。排出ローラ5005及び拍車5006が記録媒体搬送方向の下流側にある第2搬送手段の構成要素をなす。
以上のように、本実施形態のプリンタにおける記録媒体搬送のための構成として、記録ヘッドの上流側に搬送ローラ5001とピンチローラ5002の対が設けられ、下流側に排出ローラ5005と拍車5006の対が設けられる。
記録ヘッド5004は、その吐出口面をプラテン5003ないし記録媒体Pに対向させた姿勢で、キャリッジ5008に着脱可能に搭載されている。キャリッジ5008は、キャリッジモータE0001の駆動力により2本のガイドレール5009及び5010に沿って往復移動され、その移動の過程で記録ヘッド5004は記録信号に応じたインク吐出動作を実行する。キャリッジ5008が移動する方向は、記録媒体が搬送される方向(矢印A方向)と交差する方向(主走査方向)である。キャリッジ5008及び記録ヘッド5004の主走査(記録を伴う移動)と、記録媒体の搬送(副走査)とを交互に繰り返すことにより、記録媒体Pに対する記録が行われる。
図1(C)は、記録ヘッド5004を吐出口形成面から観察した場合の概略図である。図中、51はシアンノズル列、52はマゼンタノズル列、53はイエローノズル列、54はブラックノズル列をそれぞれ示す。各ノズル列の副走査方向における幅はdであり、1回の走査によって幅dの記録が可能となる。
ノズル列51〜54のそれぞれは、600dpi(ドット/インチ)すなわち約42μmの間隔で副走査方向に1200個のノズルを配列して構成されている。個々のノズルには、吐出口と、インクを吐出口まで導くためのインク路と、吐出口近傍のインク内に膜沸騰を生じさせる電気熱変換素子とが備えられている。このような構成において、吐出信号に応じて個々の電気熱変換素子に電圧パルスを印加することにより、電気熱変換素子近傍のインクに膜沸騰が生じ、発生した泡の成長に応じた量のインクが吐出口から液滴として吐出される。
<マルチパス記録>
本実施形態の記録装置はマルチパス記録を実行することができ、この記録では、記録ヘッド5004が1回の記録走査で記録可能な領域は、複数回の記録走査によって段階的に画像が形成される。各記録走査の間に記録ヘッド5004の幅dよりも小さな量の搬送動作を行うことにより、個々のノズルのばらつきに起因する濃度むらやスジを低減することができる。マルチパス記録を行うか否か、あるいはマルチパス数(同一領域に対し記録走査を行う回数)は、操作パネル1010からユーザが入力した情報や、ホスト装置から受信される画像情報によって、適宜定められるようになっている。
次に、上記記録装置にて実行可能なマルチパス記録の一例について図2を用いて説明する。ここでは、マルチパス記録の一例として2パス記録を例に挙げて説明するが、本発明は2パス記録に限定されるものではなく、3パス、4パス、8パス、16パス等の(Mは2以上の整数)パス記録であればよい。なお、本発明において好適に適用される「M(Mは2以上の整数)パスモード」とは、記録素子の配列範囲の幅よりも小なる量の記録媒体の搬送を介在させた記録素子群のM回の走査によって記録媒体上の同一領域に記録を行うモードである。このようなMパスモードでは、記録媒体の1回の搬送量を、記録素子の配列範囲の幅の1/Mの幅に対応した量に等しく設定するのが好ましく、このような設定を行うことで、上記同一領域の搬送方向における幅が記録媒体の1回の搬送量に対応する幅に等しくなる。
図2は、2パス記録の様子を模式的に示した図であり、4つの同一領域に相当する第1記録領域から第4記録領域に対して記録する場合の記録ヘッド5004と記録領域との相対的な位置関係を示している。この図2では、図1(C)に示される記録ヘッド5004のうちのある色の1つのノズル列(1つの記録素子群)51だけを示している。そして、以下では、ノズル列(記録素子群)51を構成する複数のノズル(記録素子)のうち、搬送方向上流側に位置するノズル群を上流側ノズル群51Aと称し、搬送方向下流側に位置するノズル群を下流側ノズル群51Bと称する。また、各同一領域(各記録領域)の副走査方向(搬送方向)における幅は、記録ヘッドの複数の記録素子の配列範囲の幅(1280ノズル幅)の約半分に相当する幅(640ノズル幅)に等しい。
第1走査では、上流側ノズル群51Aを用いて第1記録領域に記録されるべき画像の一部だけを記録する。この上流側ノズル群51Aによって記録される画像データは、個々の画素について、オリジナル画像データ(第1記録領域に最終的に記録すべき画像に対応した多値の画像データ)の階調値が約1/2に低減されたものとなっている。このような第1走査での記録終了後、Y方向に沿って640ノズル分の距離だけ記録媒体を搬送する。
次いで、第2走査では、上流側ノズル群51Aを用いて第2記録領域に記録されるべき画像の一部だけを記録すると共に、下流側ノズル群51Bを用いて第1記録領域に記録されるべき画像を完成させる。この下流側ノズル群51Bによって記録される画像データついても、オリジナル画像データ(第1記録領域に最終的に記録すべき画像に対応した多値の画像データ)の階調値が約1/2に低減されたものとなっている。これにより、第1記録領域には、階調値が約1/2に低減された画像データが2回記録されることになるので、オリジナル画像データの階調値が保存される。このような第2走査での記録終了後、記録媒体をY方向に640ノズル分の距離だけ搬送する。
次いで、第3走査では、上流側ノズル群51Aを用いて第3記録領域に記録されるべき画像の一部だけを記録すると共に、下流側ノズル群51Bを用いて第2記録領域に記録されるべき画像を完成させる。この後、記録媒体をY方向に640ノズル分の距離だけ搬送する。最後に、第4走査では、上流側ノズル群51Aを用いて第4記録領域に記録されるべき画像の一部だけを記録すると共に、下流側ノズル群51Bを用いて第3記録領域に記録されるべき画像を完成させる。この後、記録媒体をY方向に640ノズル分の距離だけ搬送する。他の記録領域に対しても同様な記録動作を行っていく。以上のような記録主走査と搬送動作とを繰り返すことにより、各記録領域に対して2パス記録が行われる。
<制御部電気仕様概要>
図3は、図1のPDプリンタ1000の制御に係る主要部の構成を示すブロック図である。図3において、前述の図面と共通する部分は同じ記号を付与して、それらの説明は省略する。以下の説明から明らかとなるように、PDプリンタ1000は画像処理装置として機能する。
図3において、3000は制御部(制御基板)を示し、3001は画像処理ASIC(専用カスタムLSI)を示している。3002はDSP(デジタル信号処理プロセッサ)を示し、内部にCPUを有し、後述する各種制御処理及び図4などに示されるような各種画像処理等を担当している。3003はメモリを示し、DSP3002のCPUの制御プログラムを記憶するプログラムメモリ3003a、及び実行時のプログラムを記憶するRAMエリア、画像データなどを記憶するワークメモリとして機能するメモリエリアを有している。3004はプリンタエンジンを示し、ここでは、複数色のカラーインクを用いてカラー画像を記録するインクジェットプリンタのプリンタエンジンが搭載されている。3005はデジタルカメラ(DSC)3012を接続するためのポートとしてのUSBコネクタを示す。3006はビューワ1011を接続するためのコネクタを示す。3008はUSBハブ(USB HUB)を示し、PDプリンタ1000がPC3010からの画像データに基づいて記録を行う際には、PC3010からのデータをそのままスルーし、USB3021を介してプリンタエンジン3004に出力する。これにより、接続されているPC3010は、プリンタエンジン3004と直接、データや信号のやり取りを行って記録を実行することができる(一般的なPCプリンタとして機能する)。3009は電源コネクタを示し、電源3019により、商用ACから変換された直流電圧を入力する。PC3010は一般的なパーソナルコンピュータ、3011は前述したメモリカード(PCカード)、3012はデジタルカメラ(DSC)をそれぞれ示す。なお、この制御部3000とプリンタエンジン3004との間の信号のやり取りは、前述したUSB3021又はIEEE1284バス3022を介して行われる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態は、多値データを分割して図2にて上述した2パスのマルチパス記録のデータ生成する場合に、2パスそれぞれの分割多値データの他、2パスに共通の分割多値データを生成する形態に関する。そして、その共通多値データの量子化データを各パスの量子化データに反映させるものである。さらに、本発明は、量子化データの生成において、多値画像データが持つ画像の特性に応じて、上述の多値データ分割における分割率を定める。
図4は、本実施形態に係る2パス記録を行うための記録データの生成処理(画像処理)を行う構成を示すブロック図である。図4の多値画像データ入力部401、色変換処理部402、色分解処理部403、階調補正処理部404、画像特性検知部409、分割率決定部410、画像データ分割部405、量子化部406、411、量子化データ合成部407は、およびプリントバッファ408、412、マスク処理部413は、図3の制御部3000に備えられている。以下では、図4を用いて、RGBの入力画像データから2パス分の2値データを生成するまでの処理の流れについて説明する。なお、図4に示す本実施形態の処理は、記録媒体搬送における記録媒体上の記録位置の総てに対して行われるが、特定の搬送制度が低い搬送位置に対応する記録位置にのみ行われてもよい。
図4において、多値画像データ入力部401は、デジタルカメラ3012やPC3010などの外部機器によって得られたRGB画像データを入力する。このRGB画像データは、色変換処理部402によって、プリンタの色再現域に依存するデバイスRGB画像データに変換される。デバイスRGB画像データは、色分解処理部403によって、プリンタで使用されるインク色に対応した多値(本例では256値)の画像データに変換される。本実施形態のプリンタはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色インクを用いる構成である。従って、デバイスRGB画像データ(R’G’B’)は、CMYKインクに対応する多値データ(C1、M1、Y1、K1)に変換されることになる。なお、色分解処理部403では、デバイスRGB画像データの各入力値(R’G’B入力値)とインク色に対応した多値画像データの各出力値(C1、M1、Y1、K1出力値)との対応関係を示した三次元ルックアップテーブル(LUT)が使用される。この際、テーブル格子点値から外れる入力値については、その周囲のテーブル格子点の出力値から補間によって出力値を算出する。
次に、階調補正処理部404によって階調補正処理が行われる。階調補正処理部404には、色分解処理部403によって生成された各インク色の多値データCMYKが入力される。階調補正処理部404は、この多値データC1、M1、Y1、K1に対して階調補正を施すことで階調補正済みの多値データC2、M2、Y2、K2を生成する。
画像特性検知部409は、後述されるように、多値画像データ入力部401から出力する画像データのRGB信号値に基づいて、肌色領域とそれ以外の領域を画素ごとに判別する。そして、分割率決定部410は、後述されるように、この領域情報に基づいて階調補正処理部404から得られる多値画像データを分割するための分割率を決定する。なお、上記の説明では画素ごとに肌色領域かそれ以外かを画素ごとに判別するとしたが、この例に限られない。例えば、ある広さを持った領域を構成する複数の画素のRGB信号値が後述される判定条件を満たす割合で判別するようにしてもよい。
次に、画像データ分割部405は、分割率決定部410が決定した分割率で、階調補正済みの多値データC2、M2、Y2、K2を、第1走査のみに対応する第1走査多値データ502、第2走査にのみに対応する第2走査多値データ504および第1走査と第2走査に共通する第1・第2走査共通多値データ503に分割する。そして、これら第1走査多値データ502、第1・第2走査共通多値データ503および第2走査多値データ504は、量子化部406に入力される。
量子化部406は、第1走査多値データ502、第1・第2走査共通多値データ503および第2走査多値データ504に対して量子化処理(本実施形態では2値化処理)を行う。これにより、第1走査多値データ502が量子化された第1走査量子化データ505、第1・第2走査共通多値データ503が量子化された第1・第2走査共通量子化データ506、および、第2走査多値データ504が量子化された第2走査量子化データ507が生成される。
本実施形態では、量子化処理として、排他的誤差拡散法による2値化処理を実行する。この排他的誤差拡散法の詳細については後述するが、概略、次のような処理である。すなわち、3つのプレ−ンに対応する第1〜第3の量子化データ(第1の量子化データとしての第1走査量子化データ、第2の量子化データとしての第2走査量子化データ、および第3の量子化データとしての第1・第2走査共通量子化データ)のそれぞれに基づき決定される記録画素(ドットが記録されることになる画素)が互いに排他的となるように、第1走査多値データ、第1・第2走査共通多値データおよび第2走査多値データに対して誤差拡散を行う処理である。要するに、第1走査量子化データ505に基づき決定される記録画素の位置と、第1・第2走査共通量子化データ506に基づき決定される記録画素の位置と、第2走査量子化データ507に基づき決定される記録画素の位置とが、記録媒体上で互い重ならないように、量子化結果を制御する。これにより、第1・第2走査共通量子化データに基づき決定される記録画素の量、言い換えれば、第1走査と第2走査で共にドットが記録されることになる画素の量を制御することができる。
量子化部406によって生成された第1走査量子化データ505、第1・第2走査共通量子化データ506、第2査量子化データ507は、量子化データ合成部407に入力される。具体的には、第1走査量子化データ505および第1・第2走査共通量子化データ506が第1量子化データ合成部407−1に入力され、第2走査量子化データ507および第1・第2走査共通量子化データ506が第2量子化データ合成部407−2に入力される。第1量子化データ合成部407−1は、第1走査量子化データ505と第1・第2走査共通量子化データ506との合成処理(本例では、論理和)によって、第1走査合成量子化データ508を生成する。一方、第2量子化データ合成部407−2は、第2走査量子化データ507と第1・第2走査共通量子化データ506との合成処理(本例では、論理和)によって、第2走査合成量子化データ509を生成する。
量子化データ合成部407によって生成された第1走査合成量子化データ508および第2走査合成量子化データ509はプリントバッファ408に転送される。そして、第1走査合成量子化データ508は第1走査用バッファ408−1に格納され、第2走査合成量子化データ509は第2走査用バッファ409−1に格納される。
そして、第1走査用バッファに格納された第1走査合成量子化データは第1走査の際に読み出されて記録ヘッド5004に転送され、第1走査合成量子化データに基づくドット記録が第1走査において実行される。同様に、第2走査用バッファに格納された第2走査合成量子化データは第2走査の際に読み出されて記録ヘッド5004に転送され、第2走査合成量子化データに基づくドット記録が第2走査において実行される。これにより、同一領域に対して記録すべき画像を2回の走査で完成させる。
次に、以上のような画像データ分割処理(405)、量子化処理(406)、量子化データ合成処理(407)の詳細について、それぞれのデータ値の変化を表した図5を参照しながら説明する。図5は、図4に示した画像処理(画像データ分割処理→量子化処理→量子化データ合成処理)それぞれをそれらデータ値の変化で表した図である。ここでは、4画素(副走査方向)×6画素(主走査方向)の計24画素に対応した多値画像データ501を処理する場合について説明する。この多値画像データ501は、図4の画像データ分割部405に入力されたC2、M2、Y2、K2の階調補正済みの多値データのうち、多値データK2に相当するものである。
まず、画像データ分割部405は、多値画像データ501を画素毎に3分割して、第1走査多値データ502、第2走査多値データ504および第1・第2走査共通多値データ503を生成する。この際、多値画像データ501の値をA、第1走査多値データ502の値をX、第2走査多値データ504の値をY、第1・第2走査共通多値データ503の値をZとした場合に、X+Y+2Z=Aを満たし且つXとYとZがほぼ同じ値となるように分割処理を行う。そのために本実施形態では、XYZの値が多値画像データの値「A」の約1/4(25%)となるように、上記分割処理を行う。より具体的には、「A」を4で除算したときの商αと余りβ(0〜3)を求め、この商αと余りβから下記のようにXYZを決定する。
・β=0の場合 → X=Y=Z=α
・β=1の場合 → X−1=Y=Z=α
・β=2の場合 → X−1=Y−1=Z=α
・β=3の場合 → X−1=Y=Z−1=α
このようにして決定されたX、Y、Zが、それぞれ、図5に示される第1走査多値データ502の値、第2走査多値データ504の値、第1・第2走査共通多値データ503の値となる。例えば、多値画像データの値Aが「160」の場合にはα=40、β=0となるので、X=Y=Z=α=40となる。なお、多値画像データ501は256値のデータであり、Aの値は0〜255のいずれかとなっている。
次いで、量子化部406は、第1走査多値データ502、第1・第2走査共通多値データ503および第2走査多値データ504に対して排他的誤差拡散処理を行う。この誤差拡散処理で使用される閾値は「128」である。また、誤差拡散処理を行う際の周囲画素に対する誤差分配係数を示す誤差分配マトリクスとしては、図6(A)に示すフロイドの誤差分配マトリックスを用いる。第1走査量子化データ505は、第1走査多値データ502を量子化して得られた2値データであり、「1」はドットが記録される画素、「0」はドットが記録されない画素を示している。同様に、第1・第2走査共通量子化データ506は第1・第2走査共通多値データ503を量子化して得られた2値データであり、第2走査量子化データ507は第2走査多値データ504を量子化して得られた2値データである。図5から明らかなように、これら2値の量子化データ505〜507の夫々によって定められる記録画素の位置は互いに重ならないようになっている。このように本実施形態では、2値の量子化データ505〜507によって定められる記録画素の位置が互いに排他的となるように、3つのプレーンの多値データ502〜504に対して誤差拡散処理を行う。以下、図7を参照して、排他的誤差拡散処理について説明する。
図7は、排他的誤差拡散処理を説明するためのフローチャートである。まず、図中の記号について説明する。XYZは、上述した通り、量子化部406に入力される3つのプレーンの多値データ(502、504、503)の値であり、0〜255の値を有している。Xerr、YerrおよびZerrは、既に量子化処理(2値化処理)が終了した周辺の画素から発生した累積誤差値である。なお、本例では、量子化処理によって発生した誤差がプレーン毎に保存されるようにするべく、各プレーンにて発生した量子化処理誤差を自プレーン内の周辺画素に分配するようにしている。Xt、YtおよびZtは、多値データの値(X、Y、Z)と累積誤差値(Xerr、Yerr、Zerr)との合計値である。X´、Y´およびZ´は、量子化処理(2値化処理)の結果である量子化データ(505、507、506)の値である。X´err、Y´errおよびZ´errは、着目画素における量子化処理によって生じた誤差値である。
本処理が開始されると、まず、ステップS1にて、着目画素についてXt、YtおよびZtを算出する。次いで、ステップS2にて、Xt、YtおよびZtを加算して得られる加算値(Xt+Yt+Zt)が閾値(128)以上であるか否かを判定する。加算値が閾値未満と判定された場合にはステップS3へ進み、着目画素がいずれの走査でも記録されないようにするべく、2値化結果をX´=Y´=Z´=0に決定する。また、この2値化処理によって発生した誤差を、X´err=Xt、Y´err=Yt、Z´err=Ztとして保存し、ステップS10へ進む。
一方、ステップS2にて、加算値が閾値以上であると判定された場合にはステップS4に進み、着目画素を記録画素に設定するためのプレーンを決定するべく、Xt、Yt、Ztの中から最大値のパラメータを1つ特定する。ただし、最大値のパラメータが2つ以上ある場合には、優先順位をZt、Xt、Ytの順として1つのパラメータを特定する。なお、優先順位はこれに限られるものではなく、XtやYtを第1優先としてもよい。
次いで、ステップ5では、ステップS4にて特定されたパラメータがXtであるか否かを判定する。Xtであると判定された場合にはステップS6へ進み、着目画素が第1走査でのみ記録されるようにするべく、2値化結果をX´=1、Y´=0、Z´=0に決定する。また、この2値化処理によって発生した誤差を、X´err=Xt−255、Y´err=Yt、Z´err=Ztとして保存し、その後、ステップS10へ進む。一方、ステップ5においてXtではないと判定された場合にはステップS7へ進み、ステップS4にて特定されたパラメータがYtであるか否かを判定する。Ytであると判定された場合にはステップS8へ進み、着目画素が第2走査でのみ記録されるようにするべく、2値化結果をX´=0、Y´=1、Z´=0に決定する。また、この2値化処理によって発生した誤差を、X´err=Xt、Y´err=Yt−255、Z´err=Ztとして保存し、その後、ステップS10へ進む。ステップS7においてYtではないと判定された場合にはステップS9へ進み、着目画素が第1走査と第2走査の両方で記録されるようにするべく、2値化結果をX´=0、Y´=0、Z´=1に決定する。また、この2値化処理によって発生した誤差を、X´err=Xt、Y´err=Yt、Z´err=Zt−255として保存し、その後、ステップS10へ進む。
ステップS10では、ステップS3、S6,S8あるいはS9にて保存されたX´err、Y´err、Z´errを、それぞれ、図6(A)の誤差分配マトリクスに従って、自プレーンの周辺画素に分配する。こうして、着目画素に対する量子化処理を終了しステップS11へ進む。ステップS11では、全画素について量子化処理が終了したか否かを判定し、全画素について終了していなければステップS1へ戻り、次の着目画素について上記と同様に処理し、全画素について終了していれば排他的誤差拡散処理を終了する。ステップS1において使用される累積誤差値(例えば、Xerr)は、ステップS10において1つあるいは複数の画素から分配される量子化誤差(例えば、X´err)の累積値である。
以上の排他的誤差拡散処理によって、図5に示されるように記録画素の位置が互いに重ならない3プレーンの量子化データ(第1走査量子化データ505(X´)、第1・第2走査共通量子化データ506(Y´)、第2走査量子化データ507(Z´))が生成される。換言すれば、他のデータと排他的に生成される第1・第2走査共通量子化データにおける(「1」(ドット記録))の量を、上述の分割率を媒介にして制御することができる。これにより、次に示すようにこの共通データが合成されて最終的に生成される第1、第2走査それぞれ量子化データによって記録され重なるドットの量を制御することが可能となる。
再び、図5を参照する。第1走査量子化データ505と第1・第2走査共通量子化データ506は、第1量子化データ合成部407−1によって合成処理(本例では、論理和)され、2値の第1走査合成量子化データ508が生成される。この第1走査合成量子化データ508において、「1」が付されている画素が第1走査において記録対象となる画素であり、「0」が付されている画素が第1走査において記録対象とならない画素である。また、斜線が施されている画素が第1走査と第2走査で共通して記録対象となる画素である。同様に、第2走査量子化データ507と第1・第2走査共通量子化データ506は、第2量子化データ合成部407−2によって合成処理(本例では、論理和)され、2値の第2走査合成量子化データ509が生成される。この第1走査合成量子化データ509において、「1」が付されている画素が第2走査において記録対象となる画素であり、「0」が付されている画素が第2走査において記録対象とならない画素である。また、斜線が施されている画素が第1走査と第2走査で共通して記録対象となる画素である。
以上のように本実施形態によれば、複数回の走査で共にドットが記録される画素を発生させることができるため、記録媒体の搬送誤差やキャリッジの移動誤差等により生じるドット被覆率の変動(画像濃度変動)を抑制することができる。また、複数回の走査に共通に対応する多値データを量子化することで、複数回の走査で共にドットが記録される画素(重なりドット)の量を制御することができ、重なりドットの量の多過ぎによる粒状性の悪化を抑制することができる。これにより、画像の濃度変動を抑制しつつも粒状性を低く抑えることができる。
なお、本実施形態では、X+Y+2Z=Aを満たし且つXとYとZがほぼ同じ値となるように分割処理を行っているが、これに限られるものではない。X+Y+2Z=Aを満たせば、分割処理前後での多値データの値を変えずに済むため、画像の濃度保存性は極めて優れたものになるが、X+Y+2Z=Aを満さずとも、X+Y+2Zの値が概ねAの値になれば画像濃度の保存性を十分に確保することができる。また、本実施形態の処理を実行すると、多値画像データ501の値が最高濃度値を示す値(255)であっても、図11(A)に示されるようにドットが記録されない画素が生じる。図11(A)のようなドット配置の場合、図11(B)のような100%ベタ画像のドット配置に比べて、画像濃度が低くなる。図11(A)のようなドット配置でも画像濃度は十分だが、より高濃度を実現したい場合には、X+Y+2Zの合計値がAの値以上となるように、X、YおよびZの値を設定することも可能である。
次に、以上説明した本実施形態の画像処理構成における、画像の特性に応じた分割率の定め方の詳細について説明する。本実施形態は、上述したように、多値画像データが現す画像における肌色領域とそれ以外の領域で上記第1・第2走査共通多値データを生成するための分割率を異ならせる。すなわち、上記の領域のいずれであるかに応じてドットの重なり量を異ならせるものである。
図5等で上述したとおり、第1・第2走査共通多値データの値Zは、Z={A−(X+Y)}/2で表される。ここで、Aは多値画像データの階調値、Xは分割された第1走査多値データの値、Yは同じく分割された第2走査多値データの値である。従って、重なり量に対応する値Zは、第1走査多値データの値Xと第2走査多値データYの値に応じて定まることになる。ここで、第1・第2走査共通多値データの値、第1走査多値データの値、および第2走査多値データの値それぞれの分割率は、Z、X、Yの多値画像データの値Aに対する割合として表すことができる。以下の説明では、この割合(分割率:%)をZ、X、Yで表すことにする。
画像における肌色領域、特に顔領域は粒状性が高いと写真画像としては不自然と感じ、また、低画質であると認識されやすい。そこで肌色領域、顔領域についてはそれ以外の領域と比較して、上記第1・第2走査共通多値データを生成するための分割率を小さくして粒状性の低減を図る。
このため、肌色領域あるいは顔領域の第1走査多値データと第2走査多値データを生成するための分割率X、YをそれぞれX1、Y1とする。また、肌色領域あるいは顔領域以外の第1走査多値データと第2走査多値データを生成するための分割率X、YをそれぞれX2、Y2とする。このとき、本実施形態では、分割率決定部410は、
Figure 2011124919
の関係を満たすよう分割率を定める。これにより、上記2つの領域の第1・第2走査共通多値データを生成する分割率Z1、Z2は、
Figure 2011124919
となる。すなわち、肌色領域あるいは顔領域の多値画像データを分割して第1・第2走査共通多値データを生成するための分割率が、それ以外の領域の場合の分割率より小さくなるようそれぞれの領域の分割率Z1、Z2を定める。
本実施形態では、(1)、(2)式の関係を満たすそれぞれの領域ごとの分割率X1、Y1およびZ1と、X2、Y2およびZ2を、領域に応じてテーブルとして定めておく。そして、分割率決定部410はこのテーブルを参照して、画像特性検知部409が検知した領域に応じて分割率を決定する。
図8は、記録媒体上に記録されたドットが記録媒体を覆う割合である「被覆率」を横軸に、「粒状度」を縦軸にして両者の関係を示す図である。同図は「被覆率」と「粒状度」の関係が直線(実践部分)で表される場合、すなわち、線形の関係の場合を示している。なお、この関係は線形の関係以外の場合もあり得る。
「被覆率」は、第1走査と第2走査で記録されるドットの重なり量が多いほどドット「被覆率」は低くなる。そして、このようにドットの「被覆率」が低いほどドットの重なりによる塊りが生じやすく「粒状度」は高くる。一方、第1走査と第2走査で記録されるドットの重なり量が少なほど、「被覆率」は高くなり、「粒状度」は低くなる。上記(1)式:X1>X2、Y1>Y2を満たす場合を図8で示すと、肌色あるいは顔領域の場合の分割率X1、Y1は同図のA領域に相当し、肌色もしくは顔領域以外の場合の分割率X2、Y2はB領域に相当する。このように、A領域は、「粒状度」低減を優先し、B領域は「被覆率」が低く濃度ムラ低減を優先する分割率である。
なお、通常のデフォルトの設定として、B領域の「被覆率」が低くドット重なり量を高くする分割率を設定としておき、肌色あるいは顔領域の画像の場合のみA領域の「被覆率」が高くする分割率を設定するようにしてもよい。
以上説明した画像における肌色領域は、どのような公知の方法を用いて検出してもよい。例えば次のように検出することができる。肌色領域の検出は、多値画像データ入力部401から出力される多値画像データのRGB信号の値から推定することができる。なお、以下の説明では、IEC(国際電気標準会議)が制定したsRGB色空間でのRGB値の場合について説明する。また、このRGB値はRGB信号それぞれ8ビットで256階調を表現できるものである。なお、その他の色空間(例えばAdobeRGB等)ではsRGBと同じ色になるようなRGB値の変換が必要となる。また、RGB値ではなくYCC色空間のように輝度値Yと色相C1、C2で表現される表色系の場合もsRGBと同じ色になるように値の変換を行えばよい。
通常、画像の肌色は、sRGB色空間においてYellowとRedの間に存在している。本実施形態では、この領域のRGB値が入力画像中にある場合は肌色領域とみなす。
具体的には、
信号値1:(Red、Green、Blue)=(255、255、0);イエロー
信号値2:(Red、Green、Blue)=(255、0、0);レッド
信号値3:(Red、Green、Blue)=(255、255、255);ホワイト
信号値4:(Red、Green、Blue)=(0、0、0);ブラック
である信号値1から信号値4の4点で囲まれる範囲内に画像のRGB値があるときを肌色領域とみなす。ただし、信号値1から信号値4の4点そのものは除外する。
なお、これは一例であって別の範囲の定義であってもよい。例えば、高彩度部とグレイ部周辺を10%除外して、
信号値1‘:(Red、Green、Blue)=(255、255、32);薄いイエロー
信号値2‘:(Red、Green、Blue)=(255、255、224);より薄いイエロー
信号値3‘:(Red、Green、Blue)=(255、32、32);薄いレッド
信号値4‘:(Red、Green、Blue)=(255、224、224);より薄いレッド
信号値5‘:(Red、Green、Blue)=(32、32、32);薄いブラック
である信号値1‘から信号値5’の5点で囲まれる範囲内のRGB値を肌色領域とみなすこともできる。
また、顔領域の検出は、公知の顔検出方法を用いることができ、画像中の顔領域を特定するものである。なお、この顔領域の検出は、図4に示す多値画像データ入力部401に画像データ入力する以前に不図示の処理部によって行われ、その検出結果の情報が画像特性検知部409に渡される。
なお、上記の第1走査多値データの分割率:X[%]+第2走査多値データの分割率:Y[%]=100のときは、第1・第2走査共通多値データ(を生成するための)の分割率がゼロになる。このため、ドット重なり量はゼロになる。
以上の実施形態によれば、画像に肌色領域あるいは顔領域がある場合、これらの領域の画質により影響する粒状性の抑制を優先的に行うことができるとともに、複数回の走査間の記録位置ずれの影響を受け難い高画質の画像を記録することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、多値画像データが表す画像の特性が空色領域か否かに応じてドットかなり量を定める、上記第1・第2走査共通多値データを生成するための分割率を異ならせる。
具体的には、空色領域の多値画像データを分割して第1走査多値データおよび第2走査多値データを生成するための分割率X、YをそれぞれX1、Y1とする。また、空色領域以外の多値画像データを分割して第1走査多値データおよび第1走査多値データを生成するための分割率X、YをそれぞれX2、Y2とする。このとき、分割率決定部410は、空色領域かまたは空色領域以外の領域かに応じて、
Figure 2011124919
の関係を満たすようにそれぞれの分割率X1、Y1またはX2、Y2を決定する。この結果、重なり量に対応する第1・第2走査共通多値データのそれぞれの領域の関係は、
Figure 2011124919
となる。
本実施形態では、第1の実施形態と同様、第1走査多値データ、第2走査多値データおよび第1走査・第2走査共通多値データそれぞれの領域ごとの分割率はテーブルとして定められている。そして、分割率決定部410は、このテーブルを参照して画像特性検知部409が検知した上記いずれかの領域に応じて分割率を決定する。
以上の本実施形態によれば、画像の空色領域に対して第1走査・第2走査共通多値データを生成するための分割率をそれ以外の領域より大きくするので、空色領域の特に濃度ムラが抑制され画像を記録することができる。また、これとともに、画像を完成する2回の走査間の記録位置ずれの影響を受け難い画像を記録することができる。
なお、空色領域の場合は、上記の例のように濃度ムラが目立つ場合と、粒状性が目立つ場合とがあり、一概にどちらが優先とは言えない。例えば、用いる記録媒体の種類やインクの特性に応じて濃度ムラが目立ったり、逆に粒状感が目立ったりすることがある。この場合は、使用する記録媒体やインクなどプリントシステムの特性に応じて、上記(3)、(4)式の関係を定めるようにすればよい。
空色領域の検出は、例えば、次のようにして行うことができる。
多値画像データ入力部401からのRGB信号値が、
信号値1:(Red、Green、Blue)=(0、0、255);ブルー
信号値2:(Red、Green、Blue)=(0、255、255);シアン
信号値3:(Red、Green、Blue)=(0、255、0);グリーン
信号値4:(Red、Green、Blue)=(128、255、0);イエロー−グリーン
信号値5:(Red、Green、Blue)=(255、255、255);ホワイト
信号値6:(Red、Green、Blue)=(0、0、0);ブラック
である信号値1から信号値6の6点で囲まれる範囲内にあるときを空色領域とみなす。なお、信号値6の点は上記範囲より除外する。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態は、多値画像がモノクロ画像かカラー画像かに応じて、上記第1・第2走査共通多値データを生成するための分割率を異ならせるものである。
ここで、モノクロ画像とは、画像データの信号値であるRGBの全ての値が、R=G=Bの関係になっている画像である。すなわち、無彩色で明るさ(明度、輝度、濃度等)のみが異なる画像であり、いわゆるグレースケール画像、白黒画像、白黒写真などと呼ばれている画像である。モノクロ画像をRGB値で表すと、R=G=B=0(ブラック)、R=G=B=128(グレイ)などとなる。
これに対して、カラー画像とは、画像データの信号値であるRGBの全ての値が、R=G=Bの関係以外のRGB値の組も含まれる画像である。すなわち、画像をRGB値で表すとき、R=G=B以外の関係のRGB値の画像データがある場合をカラー画像とする。例えば、通常のカラー写真はこのカラー画像に属する。
モノクロ画像の場合、図4に示す画像処理では、一般に色分解処理403でK(ブラック)インクを主体に用いるように設定されている。これは、Kインクを多用しCMYインクをあまり使用しないようにして色ズレや色ムラの発生を抑制するためである。また、図4に示す画像処理において、色分解処理部403、階調補正処理部404で、モノクロ画像用とカラー画像用で別の処理を行う。
以上のように、モノクロ画像は、Kインクを用いる分CMY色インクよりは記録媒体上に付与されるインク量は少なくなる。そのため濃度ムラに対しては発生しやすいという特性がある。
そこで、本実施形態では、画像がモノクロ画像のときは、カラー画像のときに比べて、第1・第2走査共通多値データを生成するための分割率を、カラー画像の場合より多くし、これにより、モノクロ画像において濃度ムラの低減を優先させる。
具体的には、画像特性検知部409は、多値画像データ入力部401に入力する画像がモノクロ画像かカラー画像かを検知する。そして、分割率決定部410は検知した画像に応じて以下のように分割率を決定する。
モノクロ画像の場合の第1走査多値データを生成するための分割率をX1、第2走査多値データを生成するための分割率をY1とし、カラー画像の場合の第1走査多値データを生成するための分割率をX2、第2走査多値データを生成するための分割率をY2とする。このとき、
Figure 2011124919
の関係を満たすテーブルとする。また、モノクロ画像およびカラー画像の第1・第2走査共通多値データを生成するための分割率をそれぞれZ1、Z2とする。このとき、
Figure 2011124919
の関係を満たすテーブルとする。
これにより、モノクロ画像の方がカラー画像よりも、第1・第2走査共通多値データを生成するための分割率、つまり重なり量を多くして濃度ムラを優先的に抑制することができる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態は、モノクロモードかカラーモードかに応じて、上記第1・第2走査共通多値データを生成するための分割率を異ならせるものである。
ここで、モノクロモードとは、プリンタドライバあるいは記録時に使用するアプリケーションの設定で強制的に画像データをモノクロ画像の信号値に変換するモードである。例えば、デフォルトでは、カラーモードが設定されており、モノクロモードの指示入力があると、モノクロ画像への変換が行われる。例えば、プリンタドライバでの設定では、「モノクロ記録」、「グレースケール記録」などの名称でチェックボックスが設定されている。この設定を有効にするとモノクロモードとなる。図4に示す画像処理構成において、多値画像データ入力部401に入力する画像データが上記のようにそれぞれのモードに応じた画像データとなっている。すなわち、モノクロモードの場合、既にモノクロ画像に変換された多値画像データが入力する。
モノクロモードおよびカラーモードの分割率の決定は、上記第3実施形態で説明したモノクロ画像およびカラー画像の場合とそれぞれ同じである。このため、本実施形態の分割率の決定の説明は省略する。
なお、上述した各実施形態の組み合わせも可能である。例えば、
モノクロモード時に、肌色、顔領域は粒状性抑制優先の設定で肌色領域以外は濃度ムラ抑制優先の設定にする。
モノクロモードではカラー画像からモノクロ画像に変換する前に肌色、顔領域の検知を実施し、その部分は粒状性抑制優先の設定しそれ以外の領域は濃度ムラ抑制優先の設定にする。
モノクロ画像の場合、肌色、顔領域は粒状性抑制優先の設定とし、肌色領域以外は濃度ムラ抑制優先の設定にする。
モノクロ画像の場合、顔領域の検知を行って領域を決定する。あるいは入力される多値画像データの信号値で肌色領域の明るさと予め定義した信号値の部分を肌色領域と判別し上記と同様の処理を行う。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、多値データの分割を行う場合、3つの多値データに対して相互に排他的な誤差拡散を行うものであるが、この誤差拡散を排他的なものとしなくてもよい。具体的には、3つの多値データに対して、図6(A)〜(C)に示す3種類の誤差分配マトリックスを用いて誤差拡散処理を行なってもよい。
図4に示す量子化部406には、画像データ分割部405に生成された第1走査多値データ502、第1・第2走査共通多値データ503および第2走査多値データ504が入力される。量子化部406は、第1走査多値データ502に対して2値の誤差拡散処理を行うことで、第1走査量子化データ505を生成する。この際、閾値(所定値)として「128」を用い、誤差分配マトリクスとして図6(B)に示される誤差分配マトリクスを用いる。また、量子化部406は、第1・第2走査共通多値データ503に対して2値の誤差拡散処理を行うことで、第1・第2走査共通量子化データ506を生成する。この際、閾値として「128」を用い、誤差分配マトリクスとして図6(A)に示される誤差分配マトリクスを用いる。さらに、第2走査多値データ504に対して2値の誤差拡散処理を行うことで、第2走査量子化データ507を生成する。この際、閾値として「128」を用い、誤差分配マトリクスとして図6(C)に示される誤差分配マトリクスを用いる。
このように3つのプレーン間で異なる誤差分配マトリクスを用いることで、3つのプレーンの量子化結果(量子化データ505〜507によって定められる記録画素の位置)を異なせることができる。これにより、第1走査と第2走査で共に記録される画素(重なりドット)を発生させつつ、第1走査のみで記録される画素および第2走査のみで記録される画素も発生させることができる。仮に、3つのプレーン間で同じ誤差分配マトリクスを用いたとすると、3つのプレーンの量子化結果がかなり類似してしまう。すると、第1走査で記録される画素と第2走査で記録される画素とがほぼ同じになり、最高濃度の画像を記録する場合であっても、その記録画素の殆ど全てでドットが重なる半面、半分の画素にはドットが記録されず白地が多くなる。このような場合、入力値に対する出力画像濃度が保存されにくい。しかし、本実施形態では、上述の通り、3つのプレーンの量子化結果が異なり、第1走査と第2走査で共に記録される画素のみならず、第1走査のみで記録される画素も第2走査のみで記録される画素も発生するため、出力画像濃度の保存性もある程度確保できる。
ところで、本実施形態の処理によって生成された2値の量子化データ505〜507にそれぞれによって定められる記録画素(「1」が割り当てられる画素)の位置は完全排他の関係にないため、記録画素の位置が重なる可能性もある。例えば、ある画素についての2値化結果が、量子化データ505および量子化データ506で共に「1」となる場合がある。従って、その後の合成処理として、上記第1の実施形態と同じように論理和処理を適用すると、量子化データ505〜507によって定められる記録画素の数よりも、合成処理後の記録画素の数が少なくなってしまう。すると、入力値に対する出力画像の濃度保存性が低下してしまう。この濃度低下が許容できる場合には、合成処理として論理和処理を適用可能である。一方、上記のような濃度低下が許容できない場合には、量子化データの値(「1」か「0」)を画素毎に加算し、その加算値が合成量子化データの値となるように、上記合成処理を実行すればよい。例えば、ある画素Aについて、量子化データ505および量子化データ506の値が共に「1」の場合には、第1走査合成量子化データ508の値を2(=1+1)とする。そして、このような加算値(0、1、2)に従った数のドットを各走査で記録する。こうすることで、入力値に対する出力画像の濃度保存性を低下させずに済む。
以上説明した実施形態によれば、第1の実施形態にて説明したのと同様、第1走査と第2走査で共に記録される画素(重なりドット)の量を制御することができるので、上述したような画像濃度変動と粒状性悪化を共に抑制することができる。これに加えて、本実施形態では、3つのプレーンの誤差拡散処理を独立に行っているので、第1の実施形態のような排他的誤差拡散処理を行う場合に比べて、処理速度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、3プレーンの量子化結果を異ならせるために、プレーン間で用いる誤差分配マトリックスを異ならせる場合について説明した。しかし、本実施形態はこれに限られるものではなく、例えば、プレーン間で用いる誤差分配マトリックスは同一とし、その代りに、プレーン間で用いる閾値を異ならせるようにしてもよい。また、誤差分配マトリックスと閾値の組合せをプレーン間で異ならせるようにしてもよい。
さらに他の実施形態として、第1および第2の実施形態では量子化部406において誤差拡散法による量子化処理を行っていたのに対して、量子化部406においてディザ法による量子化処理を行ってもよい。
この場合、図4に示す量子化部406には、画像データ分割部405に生成された第1走査多値データ502、第1・第2走査共通多値データ503および第2走査多値データ504が入力される。量子化部406は、第1走査多値データ502、第1・第2走査共通多値データ503および第2走査多値データ504に対して、それぞれ、異なるディザマトリクスを用いたディザ処理を行う。このように異なる3つのディザマトリクスを用いてディザ処理(量子化処理)を行うことにより、量子化結果の異なる3つの量子化データ505〜507を生成することができる。
このような実施形態によれば、上記の実施形態のように、出力画像濃度の保存性をある程度確保しつつ、画像濃度変動と粒状性悪化を共に抑制することができる。これに加えて、本実施形態では、3つのプレーンの多値データに対してディザ処理を独立に行っているので、処理速度の更なる高速化を実現することができる。更に、本実施形態では、3つの異なるディザマトリックスを用いたディザ処理を行っているので、各走査におけるドット配置や走査間での重なりドット配置の空間周波数の制御が、誤差拡散処理を行う場合に比べて容易となる。
さらに他の実施形態として、上記各実施形態では、多値データを分割する場合、量子化処理として2値化処理を行っていたが、量子化処理として3値化処理を行ってもよい。これ以外の点については上記実施形態と同様である。本実施形態では、上記各実施形態のいずれの2値化処理を3値化処理に置き換えてもよいが、ここでは、第1の実施形態の2値化処理を3値化処理に置き換えた場合について説明する。本実施形態では、3値に量子化された量子化データ505〜507の夫々によって定められる記録画素の位置が互いに重ならないように、多値データ502〜504に対して3値の排他的誤差拡散処理を行う。
図9は、3値の排他的誤差拡散処理を説明するためのフローチャートである。図9に示す記号(Xt、Xerr、X´等)の意味は、図7に示す記号の意味と同じである。本実施形態では、閾値として、第1の加算閾値(170)と第2の加算閾値(85)を用いる。また、3値化処理の結果であるX´、Y´、およびZ´の値は「0」、「1」、「2」のいずれかとなる。ここで、「0」はドットを記録しないことを示し、「1」は1つのドットを記録することを示し、「2」は2つのドットを記録することを示す。
本処理が開始されると、まず、ステップS1にて、着目画素についてXt、YtおよびZtを算出する。次いで、ステップS2にて、Xt、YtおよびZtを加算して得られる加算値At(=Xt+Yt+Zt)を取得する。次いで、ステップS3において、加算値Atが第1の加算閾値(170)以上であるか、加算値Atが第1の加算閾値未満且つ第2の加算閾値(85)以上であるか、加算値Atが第2の加算閾値未満であるかを判定する。
ステップS3において加算値Atが第2の加算閾値(85)未満と判定された場合にはステップS16へ進み、着目画素がいずれの走査でも記録されないようにするべく、3値化結果をX´=Y´=Z´=0に決定する。また、この3値化処理によって発生した誤差を、X´err=Xt、Y´err=Yt、Z´err=Ztとして保存し、ステップS17へ進む。
一方、ステップS3において加算値Atが第1加算閾値(170)以上であると判定された場合にはステップS4に進み、着目画素を記録画素(「1」)に設定するためのプレーンを決定するべく、Xt、Yt、Ztの中から最大値のパラメータを1つ特定する。ただし、最大値のパラメータが2つ以上ある場合には、優先順位をZt、Xt、Ytの順として1つのパラメータを特定する。なお、優先順位はこれに限られるものではなく、XtやYtを第1優先としてもよい。次いで、ステップ5では、ステップS4にて特定された最大のパラメータがXtであるか否かを判定する。Xtであると判定された場合にはステップS6へ進み、着目画素に第1走査で2つのドットが記録されるようにするべく、3値化結果をX´=2、Y´=0、Z´=0に決定する。また、この3値化処理によって発生した誤差を、X´err=Xt−255、Y´err=Yt、Z´err=Ztとして保存し、その後、ステップS17へ進む。一方、ステップ5においてXtではないと判定された場合にはステップS7へ進み、ステップS4にて特定された最大のパラメータがYtであるか否かを判定する。Ytであると判定された場合にはステップS8へ進み、着目画素に第2走査で2つのドットが記録されるようにするべく、3値化結果をX´=0、Y´=2、Z´=0に決定する。また、この3値化処理によって発生した誤差を、X´err=Xt、Y´err=Yt−255、Z´err=Ztとして保存し、その後、ステップS17へ進む。ステップS7においてYtではないと判定された場合にはステップS9へ進み、着目画素に第1走査と第2走査の両方で2ドットずつ記録されるようにするべく、2値化結果をX´=0、Y´=0、Z´=2に決定する。また、この2値化処理によって発生した誤差を、X´err=Xt、Y´err=Yt、Z´err=Zt−255として保存し、その後、ステップS17へ進む。
一方、ステップS3において加算値Atが第1の加算閾値(170)未満且つ第2の加算閾値(85)以上であると判定された場合にはステップS10に進む。そして、ステップS10において、着目画素を記録画素(「2」)に設定するためのプレーンを決定するべく、ステップS4と同様のルールに従って、Xt、Yt、Ztの中から最大値のパラメータを1つ特定する。次いで、ステップ11では、ステップS10にて特定された最大のパラメータがXtであるか否かを判定する。Xtであると判定された場合にはステップS12へ進み、着目画素に第1走査で1つのドットが記録されるようにするべく、3値化結果をX´=1、Y´=0、Z´=0に決定する。また、この3値化処理によって発生した誤差を、X´err=Xt−128、Y´err=Yt、Z´err=Ztとして保存し、その後、ステップS17へ進む。一方、ステップ11においてXtではないと判定された場合にはステップS13へ進み、ステップS10にて特定された最大のパラメータがYtであるか否かを判定する。Ytであると判定された場合にはステップS14へ進み、着目画素に第2走査で1つのドットが記録されるようにするべく、3値化結果をX´=0、Y´=1、Z´=0に決定する。また、この3値化処理によって発生した誤差を、X´err=Xt、Y´err=Yt−128、Z´err=Ztとして保存し、その後、ステップS17へ進む。ステップS13においてYtではないと判定された場合にはステップS15へ進み、着目画素に第1走査と第2走査の両方で1ドットずつ記録されるようにするべく、2値化結果をX´=0、Y´=0、Z´=1に決定する。また、この2値化処理によって発生した誤差を、X´err=Xt、Y´err=Yt、Z´err=Zt−128として保存し、その後、ステップS17へ進む。
ステップS17では、ステップS6、S8、S9、S12、S14、S15あるいはS16にて保存されたX´err、Y´err、Z´errを、それぞれ、図6(A)に示す誤差分配マトリクスに従って、自プレーンの周辺画素に分配する。こうして、着目画素に対する量子化処理を終了しステップS18へ進む。ステップS18では、全画素について量子化処理が終了したか否かを判定し、全画素について終了していなければステップS1へ戻り、次の着目画素について上記と同様に処理し、全画素について終了していれば排他的誤差拡散処理を終了する。以上のような排他的誤差拡散処理によって、記録画素の位置が互いに重ならない3プレーンの量子化データ(第1走査量子化データ505(X´)、第1・第2走査共通量子化データ506(Y´)、第2走査量子化データ507(Z´))が生成される。
以上の実施形態によれば、上記各実施形態で得られる効果に加え、2値化処理を行う上記実施形態よりも、階調表現にすぐれた画像を得ることができる。なお、画素領域に複数のドットを形成する場合、画素領域内の同じ位置に向けてインクを複数回吐出するようにしてもよいし、画素領域内の異なる位置に向けてインクを複数回吐出するようにしてもよい。
本実施形態は、第1の実施形態で説明した2値化処理を3値化処理に置き換えた場合に限られるものではなく、上述した3種類の誤差拡散マトリックスを用いる実施形態あるいはディザ法を用いる実施形態の2値化処理を3値化処理に置き換えてもよい。このように2値化処理を3値化処理に置き換える場合、量子化処理として、3値の誤差拡散処理あるいは3値のディザ処理を実行すればよい。この際、3値の量子化結果をプレーン間で異ならせるために、誤差分配マトリクスや閾値あるいはディザマトリクスをプレーン毎に異ならせることは、上記実施形態と同様である。このようにして量子化部406では、量子化結果の異なる3値の量子化データ505〜507が生成される。これら3値の量子化データによって定められる記録画素の位置は完全排他の関係にないため、記録画素の位置が重なる場合がある。従って、以降の合成処理としては、上記実施形態で説明したような量子化値を画素毎に加算するような合成処理を適用することが好ましい。
さらに他の実施形態として、上記各実施形態では、同一領域に記録すべき画像を2回の走査によって完成させる2パス記録について説明したが、本実施形態は3パス以上のマルチパス記録にも適用可能である。以下では、3パス以上のマルチパス記録の一例として、3パス記録の場合を例に説明する。なお、本実施形態の特徴は、画像データ分割処理、量子化処理および量子化データ合成処理にあり、これら画像処理を除く処理については上記実施形態と同様である。以下では、図10を参照しながら、画像データ分割処理、量子化処理および量子化データ合成処理についてだけ説明する。
図10は、図4に示した画像データ分割部405、量子化部406および量子化データ合成部407において実行される画像処理(画像データ分割処理→量子化処理→量子化データ合成処理)の流れを模式的に表した図である。第1の実施形態で説明したのと同様、画像データ分割部405には、階調補正済みの多値データK2(多値画像データ501)が入力される。
画像データ分割部405は、入力された多値画像データを、第1走査のみに対応する第1走査多値データ901、第2走査にのみに対応する第2走査多値データ902、第3走査にのみに対応する第3走査多値データ903、第1走査と第2走査に共通して対応する第1・第2走査共通多値データ904、第1走査と第3走査に共通して対応する第1・第3走査共通多値データ905、第2走査と第3走査に共通して対応する第2・第3走査共通多値データ906、および、第1走査と第2走査と第3走査の全てに共通して対応する第1・第2・第3走査共通多値データ907に分割する。
次いで、量子化部406は、これら7つのプレーンの多値データ901〜907に、第1の実施形態で説明したような2値の排他的誤差拡散を行う。これにより、第1走査量子化データ911、第2走査量子化データ912、第3走査量子化データ913、第1・第2走査共通量子化データ914、第1・第3走査共通量子化データ915、第2・第3走査共通量子化データ916および第1・第2・第3走査共通量子化データ917が生成される。
次いで、これら7つのプレーンの量子化データ911〜917が量子化データ合成部407に入力され、量子化データ911〜917は対応する走査毎に合成される。具体的には、第1走査量子化データ911、第1・第2走査共通量子化データ914、第1・第3走査共通量子化データ915および第1・第2・第3走査共通量子化データ917が第1量子化データ合成部407−1に入力される。そして、第1量子化データ合成部407−1は、量子化データ911、914、915、917を合成(本例では、論理和)して、第1走査合成量子化データ921を生成する。また、第2走査量子化データ912、第1・第2走査共通量子化データ914、第2・第3走査共通量子化データ916および第1・第2・第3走査共通量子化データ917が第2量子化データ合成部407−2に入力される。さらに、第2量子化データ合成部407−2は、量子化データ912、914、916、917を合成して、第2走査合成量子化データ922を生成する。さらに、第3走査量子化データ913、第1・第3走査共通量子化データ915、第2・第3走査共通量子化データ916および第1・第2・第3走査共通量子化データ917が第3量子化データ合成部407−3に入力される。第3量子化データ合成部407−3は、量子化データ913、915、916、917を合成して、第3走査合成量子化データ923を生成する。以上の処理によって、3パス分の記録データを生成することが可能となる。本実形態によれば、第1の実施形態で得られる効果を3パス以上のマルチパス記録において奏することができる。このように、記録ヘッドの記録媒体に対する相対走査毎にそれぞれの量子化データが合成される。
なお、本実施形態では、量子化処理として、第1の実施形態で説明したような排他的誤差拡散を適用したが、本実施形態で適用可能な量子化処理はこれに限られるものではい。例えば、3種類の誤差拡散マトリックスを用いる実施形態あるいはディザ法を用いる実施形態で説明したような独立誤差拡散処理や独立ディザ処理を適用することもできる。また、本実施形態で適用可能な量子化処理は2値化処理に限られるものではなく、他の実施形態で説明したような3値化処理あるいは4値以上の量子化処理であってもよい。
また、本実施形態では、第1、第2および第3の走査の全ての組み合わせについての共通多値データが生成されるように分割処理を行ったが、本実施形態で適用可能な分割処理はこれに限られるものではない。例えば、特定の走査(第1走査と第2走査)間でのみ重なりドットが発生するように共通多値データを生成してもよい。この場合、第1走査多値データ901、第2走査多値データ902、第3走査多値データ903に加え、共通多値データとして第1・第2走査共通多値データ904のみを生成し、第1・第3走査共通多値データ905、第2・第3走査共通多値データ906および第1・第2・第3走査共通多値データ907は生成しない。
本発明の技術思想は、少なくとも2回の走査で共にドットが記録される画素を発生させることにあるため、マルチパスの回数に関係なく、少なくとも2回に共通して対応する多値データを生成すれば、本発明の効果を得ることができる。従って、本発明では、M(Mは2以上の整数)回の走査によって記録を行う場合、M回の走査の各々に対応した多値データの他に、少なくとも2回の走査に共通して対応した多値データを生成すればよく、M回の走査全てに共通する多値データを生成することは必須ではない。
さらに他の実施形態として、上記各実施形態を適宜組み合わせて得られる形態も本発明の範囲に含まれる。
上記実施形態では、記録媒体に対する記録ヘッドの移動(相対走査)中に記録ヘッドからインクを吐出してマルチパス記録を行うシリアル方式の記録装置を用いる場合について説明したが、本発明を適用可能な記録装置はこれに限られるものではない。記録ヘッドに対する記録媒体の搬送(相対走査)中にインクを吐出してマルチパス記録を行うフルライン方式の記録装置も本発明において適用可能である。例えば、1つのインク色について1つの記録ヘッドを備え、この記録ヘッドに対して記録媒体を往復移動させることにより複数回の相対走査を行う構成がある。要するに、記録ヘッドと記録媒体との相対走査中にマルチパス記録を行う形態であれば本発明を適用することができる。
また、上記各実施形態では2値化処理あるいは3値化処理を例に挙げて説明したが、本発明で適用可能な量子化処理はこれに限られるものではなく、4値以上の量子化処理にも適用可能である。要するに、本発明では、N(Nは2以上の整数)値の量子化処理であれば適用可能である。従って、上述した各実施形態をN値化処理に変更した形態も本発明の範囲に含まれる。
さらに、上記各実施形態では、CMYKの4色のインクを用いる形態について説明したが、使用可能なインク色の種類の数はこれに限られるものではない。上記4色のインクに、淡シアン(Lc)や淡マゼンタインク(Lm)を加えたり、レッドインク(R)やブルーインク(B)等の特色インクを加えてもよい。また、上記実施形態では、複数色のインクが使用されるカラー記録モードを実行する場合について説明したが、本発明は単色インクが使用されるモノカラーモードにも適用可能である。更には、本発明は、カラープリンタのみならず、モノクロプリンタにも適用可能である。
上記各実施形態では、画像処理機能を有する制御部3000を備えた記録装置(画像形成装置)を例に、本発明の特徴的な画像処理を実行する画像処理装置を説明してきたが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。本発明の特徴的な画像処理が、プリンタドライバがインストールされたホスト装置(例えば、図3のPC3010)で実行される構成であっても構わない。このような場合、記録装置と接続されるホスト装置が、本発明の画像処理装置に該当する。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
405 画像データ分割部
406 量子化部
407 量子化データ合成部
408 プリントバッファ
409 画像特性検知部
410 分割率決定部
501 多値画像データ
502 第1走査多値データ
503 第1・第2走査共通多値データ
504 第2走査多値データ
505 第1走査量子化データ
506 第1・第2走査共通量子化データ
507 第2走査量子化データ
508 第1走査合成量子化データ
509 第2走査合成量子化データ

Claims (9)

  1. 複数色のインクを吐出するための記録手段と記録媒体との少なくとも2回の相対走査によって前記記録媒体の画素領域に画像を記録するために、当該画素領域に記録すべき画像に対応した多値画像データを処理する画像処理装置であって、
    前記多値画像データの画像特性を検知する検知手段と、
    前記検知手段が検知した画像特性に応じた分割率に従って、前記多値画像データを分割することで、前記少なくとも2回の相対走査のそれぞれに対応する多値データおよび前記少なくとも2回の相対走査のうちの少なくとも2回の相対走査に共通に対応する多値データを生成するための生成手段と、
    前記生成手段によって生成された多値データのそれぞれに量子化処理を実行して、前記少なくとも2回の相対走査の各々に対応する量子化データおよび前記少なくとも2回の相対走査に共通に対応する量子化データを生成するための量子化手段と、
    前記量子化手段によって生成された量子化データを対応する相対走査毎に合成して、前記少なくとも2回の相対走査の各々に対応した合成量子化データを生成するための合成手段と、
    を具えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記検知手段は、前記画像特性として、前記多値画像データが表す画像が肌色領域または肌色領域以外の領域であることを検知し、前記生成手段は、前記少なくとも2回の相対走査に共通に対応する多値データを生成するための分割率を、前記画像特性が前記肌色領域のときは前記画像特性が前記肌色領域以外の領域のときより小さくすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記検知手段は、前記画像特性として、前記多値画像データが表す画像が顔領域または顔領域以外の領域であることを検知し、前記生成手段は、前記少なくとも2回の相対走査に共通に対応する多値データを生成するための分割率を、前記画像特性が前記顔領域のときは前記画像特性が前記顔領域以外の領域のときより小さくすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記検知手段は、前記画像特性として、前記多値画像データが表す画像が空色領域または空色領域以外の領域であることを検知し、前記生成手段は、前記少なくとも2回の相対走査に共通に対応する多値データを生成するための分割率を、前記画像特性が前記空色領域のときは前記画像特性が前記空色領域以外の領域のときより大きくすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記検知手段は、前記画像特性として、前記多値画像データが表す画像がモノクロ画像またはカラー画像であることを検知し、前記生成手段は、前記少なくとも2回の相対走査に共通に対応する多値データを生成するための分割率を、前記画像特性が前記モノクロ画像のときは前記画像特性が前記カラー画像のときより大きくすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 複数色のインクを吐出するための記録手段と記録媒体との少なくとも2回の相対走査によって前記記録媒体の画素領域に画像を記録するために、当該画素領域に記録すべき画像に対応した多値画像データを処理する画像処理装置であって、
    前記記録媒体の画素領域に画像を記録するモードがモノクロモードまたはカラーモードのとき、それぞれのモードに応じた分割率に従って、前記多値画像データを分割することで、前記少なくとも2回の相対走査のそれぞれに対応する多値データおよび前記少なくとも2回の相対走査のうちの少なくとも2回の相対走査に共通に対応する多値データを生成するための生成手段と、
    前記生成手段によって生成された多値データのそれぞれに量子化処理を実行して、前記少なくとも2回の相対走査の各々に対応する量子化データおよび前記少なくとも2回の相対走査に共通に対応する量子化データを生成するための量子化手段と、
    前記量子化手段によって生成された量子化データを対応する相対走査毎に合成して、前記少なくとも2回の相対走査の各々に対応した合成量子化データを生成するための合成手段と、
    を具えたことを特徴とする画像処理装置。
  7. 前記生成手段は、前記少なくとも2回の相対走査に共通に対応する多値データを生成するための分割率を、前記モノクロモードのときは前記カラーモードのときより大きくすることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 複数色のインクを吐出するための記録手段と記録媒体との少なくとも2回の相対走査によって前記記録媒体の画素領域に画像を記録するために、当該画素領域に記録すべき画像に対応した多値画像データを処理するための画像処理方法であって、
    前記多値画像データの画像特性を検知する検知工程と、
    前記検知工程で検知した画像特性に応じた分割率に従って、前記多値画像データを分割することで、前記少なくとも2回の相対走査のそれぞれに対応する多値データおよび前記少なくとも2回の相対走査のうちの少なくとも2回の相対走査に共通に対応する多値データを生成するための生成工程と、
    前記生成工程で生成された多値データのそれぞれに量子化処理を実行して、前記少なくとも2回の相対走査の各々に対応する量子化データおよび前記少なくとも2回の相対走査に共通に対応する量子化データを生成するための量子化工程と、
    前記量子化工程で生成された量子化データを対応する相対走査毎に合成して、前記少なくとも2回の相対走査の各々に対応した合成量子化データを生成するための合成工程と、
    を有したことを特徴とする画像処理方法。
  9. コンピュータに読み取られることにより、当該コンピュータを請求項1から7のいずれかに記載の画像処理装置として機能させることを特徴とするプログラム。
JP2009282860A 2009-12-14 2009-12-14 画像処理装置及び画像処理方法 Pending JP2011124919A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009282860A JP2011124919A (ja) 2009-12-14 2009-12-14 画像処理装置及び画像処理方法
US12/955,444 US8488198B2 (en) 2009-12-14 2010-11-29 Image processing apparatus and image processing method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009282860A JP2011124919A (ja) 2009-12-14 2009-12-14 画像処理装置及び画像処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011124919A true JP2011124919A (ja) 2011-06-23

Family

ID=44142585

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009282860A Pending JP2011124919A (ja) 2009-12-14 2009-12-14 画像処理装置及び画像処理方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8488198B2 (ja)
JP (1) JP2011124919A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6423625B2 (ja) * 2014-06-18 2018-11-14 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69228030T2 (de) 1991-08-02 1999-06-10 Canon Kk Tintenstrahlaufzeichnungsverfahren
JPH10229501A (ja) * 1997-02-14 1998-08-25 Canon Inc 画像処理装置及び方法
JP4620817B2 (ja) 1998-05-29 2011-01-26 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法
JP4962224B2 (ja) * 2007-08-31 2012-06-27 セイコーエプソン株式会社 画像処理装置、画像処理方法およびコンピュータプログラム
JP4975002B2 (ja) * 2007-12-20 2012-07-11 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像形成装置および画像処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8488198B2 (en) 2013-07-16
US20110141524A1 (en) 2011-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8274704B2 (en) Image processing apparatus and method for selecting a processing mode based on attributes of original multivalued image data
JP5361650B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
US8830530B2 (en) Image processor and image processing method generating first and second multi-value density data or performing quantization based on an image characteristic
JP5328505B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
WO2010146862A1 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
WO2010146877A1 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP5436138B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
US8764152B2 (en) Image processing apparatus and image processing method
US9083925B2 (en) Image processing apparatus and method therefor
US10005289B2 (en) Printing apparatus, printing method, and non-transitory computer readable medium for storing program
US20110235071A1 (en) Image processing apparatus and image processing method
JP5341632B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP5404360B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP5165130B6 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP5596965B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
JP5517589B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
JP5460293B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP2010120185A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP2011124919A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP5564771B2 (ja) 印刷装置、印刷方法、コンピュータプログラム、記録媒体、印刷媒体、および、プリンタ
JP2010140090A (ja) 画像データ処理装置、画像形成装置および画像データ処理方法
US20180079212A1 (en) Printing apparatus, printing method, and non-transitory computer readable medium for storing program
JP2010064326A (ja) 印刷装置および印刷方法