JP2011124058A - リチウムイオン二次電池、車両及び電池搭載機器 - Google Patents

リチウムイオン二次電池、車両及び電池搭載機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 負極活物質層の外向き部にリチウムイオンが入り込むのを防止して、電池容量の低下を抑制したリチウムイオン二次電池、このリチウムイオン二次電池を搭載した車両及び電池搭載機器を提供する。
【解決手段】 リチウムイオン二次電池1は、正極集電板38の両面に配置された正極活物質層31,35を含む正電極板30と、負極集電板28の両面に配置された負極活物質層21,25を含む負電極板20と、セパレータ50と、を有し、正電極板と負電極板との間にセパレータを介してなる発電要素10、及び、発電要素に保持され、リチウムイオンを含む電解液60、を備え、正極活物質層のいずれの部位も負極活物質層に対向してなり、負極活物質層のうち、正電極板に対向せず発電要素の外側を向く外向き部21Bに、電解液の浸透を防ぐ浸透防止処理が施されてなる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、正電極板と負電極板との間にセパレータを介してなる発電要素を備えるリチウムイオン二次電池、このリチウムイオン二次電池を搭載した車両及び電池搭載機器に関する。
近年、ハイブリッド自動車やノート型パソコン、ビデオカムコーダなどのポータブル電子機器の駆動用電源に、リチウムイオン二次電池(以下、単に電池ともいう)が利用されている。
特許文献1には、負極(負電極板)の寸法を、正極(正電極板)よりも大きくしてなる非水二次電池(電池)において、正極の合剤(正極活物質層)及び/又は負極の合剤(負極活物質層)の端部1〜10mmをリチウムイオン不透過性材料で被覆してなる非水二次電池(電池)が開示されている。これにより、充電した状態における非水二次電池(電池)の自己放電を抑制する効果が生じる。
特開平9−134719号公報
ところで、特許文献1の非水二次電池に限らず、電池の負電極板(負極活物質層)は、充放電により負極活物質へのリチウムイオンの挿入・放出を行うために設けられている。しかし、製造の都合上、負極活物質層のうち、正電極板に対向せずに、正電極板と負電極板とセパレータとからなる発電要素の外部を向く外向き部を設ける場合がある。このような外向き部としては、例えば、捲回型の発電要素の一部をなす負電極板の外向き活物質層のうち、最外周に位置する部分や、積層型の発電要素をなす負電極板のうち、積層方向の最外側に位置する最外負電極板の外向き負極活物質層が挙げられる。
しかるに、このような外向き部にも、例えば、負極活物質層の他の部位からの拡散や、正極活物質層からの回り込みにより、リチウムイオンが移動してくることがある。ところが、この外向き部は正極活物質層(正電極板)に対向していないので、一旦外向き部に入り込んだリチウムイオンは、電池の放電の際にその外向き部から放出され難い。従って、この外向き部にリチウムイオンが入り込んだ分、以降、電池反応に利用できるリチウムイオンの量が減少してしまう、即ち、電池容量が低下してしまう。
なお、特許文献1の電池には、負極活物質層の外向き部についての、上述した課題も、それを解決するための技術についても記載はない。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、負極活物質層の外向き部にリチウムイオンが入り込むのを防止して、電池容量の低下を抑制したリチウムイオン二次電池、このリチウムイオン二次電池を搭載した車両及び電池搭載機器を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、正極集電板、及び、この正極集電板の両面に配置された正極活物質層を含む正電極板と、負極集電板、及び、この負極集電板の両面に配置された負極活物質層を含む負電極板と、セパレータと、を有し、上記正電極板と上記負電極板との間に上記セパレータを介してなる発電要素、及び、上記発電要素に保持され、リチウムイオンを含む電解液、を備え、上記正極活物質層のいずれの部位も上記負極活物質層に対向してなるリチウムイオン二次電池であって、上記負極活物質層のうち、上記正電極板に対向せず上記発電要素の外側を向く外向き部の少なくとも一部に、上記電解液の浸透を防ぐ浸透防止処理が施されてなるリチウムイオン二次電池である。
上述の電池では、負極活物質層の外向き部の少なくとも一部に、浸透防止処理が施されてなるので、この部分に電解液が浸透しない。このため、リチウムイオンが電解液を通じてその外向き部に入り込み、負極活物質層に吸蔵されたままとなるのを抑制又は防止することができる。かくして、電池容量の低下を抑制した電池とすることができる。
なお、発電要素としては、いずれも帯状の正電極板、負電極板及びセパレータを有し、これらを捲回軸の周りに捲回してなる捲回型発電要素や、セパレータを介在させつつ、正電極板と負電極板とを交互に積層してなる積層型発電要素が挙げられる。また、外向き部としては、例えば、発電要素が捲回体発電要素であり、負極集電板の両面に負極活物質層を設けた場合において、負極集電板の外側面に配置された外側負極活物質層のうち、最外周に位置する最外周外向き部が挙げられる。また、発電要素が積層型発電要素である場合に、負電極板のうち、積層型発電要素の積層方向の最外側に位置する最外負電極板において、負極集電板よりも積層方向外側に位置する最外負極活物質層が挙げられる。
また、浸透防止処理としては、例えば、被覆材料(次述)を溶媒に溶解又は分散したものを、負極活物質層の外向き部に塗布し乾燥する、フィルム状の被覆材料を外向き部に貼り付け、その後加熱溶着する、被覆材料を外向き部にこすりつける、粉末状の被覆材料を外向き部に吹き付け、その後加熱溶着するなどの処理が挙げられる。
なお、被覆材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリビニル系樹脂、ポリエーテル、ポリエステル、ポリイミド、ポリサルファイド、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、セルロース誘導体、等の有機高分子材料や、パラフィン系炭化水素、フッ素化パラフィン、フロロシリコン類等の撥液性材料が挙げられる。
さらに、上述のリチウムイオン二次電池であって、前記発電要素は、いずれも帯状の前記正電極板、前記負電極板及び前記セパレータを有し、これら上記正電極板、上記負電極板及び上記セパレータを、捲回軸の周りに捲回してなる捲回型発電要素であり、上記正電極板は、前記正極活物質層であって、前記正極集電板の、内側面に配置された内側正極活物質層、及び、外側面に配置された外側正極活物質層を含み、上記負電極板は、前記負極活物質層であって、前記負極集電板の、内側面に配置された内側負極活物質層、及び、外側面に配置された外側負極活物質層を含み、上記外側正極活物質層が上記内側負極活物質層に対向し、前記外向き部は、上記外側負極活物質層のうち、最外周に位置する最外周外向き部であるリチウムイオン二次電池とすると良い。
上述のリチウムイオン二次電池では、発電要素は上述の捲回型発電要素であり、外向き部は上述の最外周外向き部である。つまり、この電池は、捲回型発電要素を備え、外側負極活物質層のうち、最外周外向き部の少なくとも一部に浸透防止処理が施されてなる。従って、この部分への電解液の浸透を防止できる。このため、最外周外向き部のうち少なくとも浸透防止処理が施された部位について、リチウムイオンが電解液を通じて入り込み、負極活物質層に吸蔵されたままとなるのを抑制又は防止することができる。かくして、電池容量の低下を抑制した電池とすることができる。
さらに、上述のリチウムイオン二次電池であって、前記内側負極活物質層は、自身の巻き終わり部分に、前記セパレータを介して対向する前記外側正極活物質層が存在しない内側非対向部を有し、上記内側非対向部の少なくとも一部にも前記浸透防止処理が施されてなるリチウムイオン二次電池とすると良い。
ところで、内側負極活物質層には、捲回型発電要素の巻き終わり部分に、セパレータを介して対向する外側正極活物質層が存在しない内側非対向部を設ける場合がある。これは、正極活物質層が負極活物質層よりも大きい場合、正極活物質層から放出されたリチウムイオンが負極活物質層の端部に集中して、金属リチウムが析出する不具合を防止するためである。しかしながら、この内側非対向部には、前述の外向き部と同様、負極活物質層の他の部位からの拡散や、正極活物質層からの回り込みにより、リチウムイオンが入り込み、負極活物質層に吸蔵されたままとなる。従って、外向き部と同様、内側非対向部に入り込んだリチウムイオンの分だけ、電池容量が低下してしまう。
これに対し、上述の電池では、内側負極活物質層の内側非対向部について、その少なくとも一部に浸透防止処理が施されてなる。このため、リチウムイオンが、電解液を通じて内側非対向部に入り込み、負極活物質層に吸蔵されたままとなるのを抑制することができる。かくして、電池容量の低下を確実に抑制した電池とすることができる。
または、前述のリチウムイオン二次電池であって、前記発電要素は、前記セパレータを介在させつつ、前記正電極板と前記負電極板とを交互に積層してなる積層型発電要素であり、前記外向き部は、前記負電極板のうち、積層方向の最外側に位置する最外負電極板において、前記負極集電板よりも上記積層方向外側に位置する最外負極活物質層であるリチウムイオン二次電池とすると良い。
上述のリチウムイオン二次電池では、発電要素は上述の積層型発電要素であり、外向き部は上述の最外負極活物質層である。つまり、この電池は、積層型発電要素を備え、最外負極活物質層の少なくとも一部に浸透防止処理が施されてなる。従って、この部分への電解液の浸透を防止できる。このため、最外負極活物質層のうち少なくとも浸透防止処理が施された部位について、リチウムイオンが電解液を通じて入り込み、負極活物質層に吸蔵されたままとなるのを抑制又は防止することができる。かくして、電池容量の低下を抑制した電池とすることができる。
さらに、上述のいずれかのリチウムイオン二次電池であって、前記外向き部の周縁に、前記浸透防止処理が施されてなるリチウムイオン二次電池とすると良い。
発明者らの研究によれば、正極活物質層から外向き部に移動してくるリチウムイオンは、その外向き部の周縁から入り込みやすいことが判ってきた。
これに基づいて、上述の電池では、外向き部の周縁に浸透防止処理が施されてなるので、リチウムイオンが外向き部に入り込むのをより確実に低減することができる。
または、前述のいずれかのリチウムイオン二次電池であって、前記外向き部の全体に、前記浸透防止処理が施されてなるリチウムイオン二次電池とすると良い。
上述の電池では、外向き部の全体に浸透防止処理が施されてなるので、リチウムイオンが外向き部に入り込むのを確実に防止することができる。
或いは、本発明の他の態様は、前述のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池を搭載し、このリチウムイオン二次電池に蓄えた電気エネルギを動力源の全部又は一部に使用する車両である。
上述の車両は、電池容量の低下を抑制した電池を搭載しているので、安定した性能の動力源を有する車両とすることができる。
なお、車両としては、電池による電気エネルギを動力源の全部又は一部に使用する車両であれば良く、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド鉄道車両、フォークリフト、電気車いす、電動アシスト自転車、電動スクータが挙げられる。
或いは、本発明の他の態様は、前述のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池を搭載し、このリチウムイオン二次電池に蓄えた電気エネルギを駆動エネルギ源の全部又は一部に使用する電池搭載機器である。
上述の電池搭載機器は、電池容量の低下を抑制した電池を搭載しているので、安定した性能の駆動エネルギ源を有する電池搭載機器とすることができる。
なお、電池搭載機器としては、電池を搭載し、これをエネルギ源の全部又は一部に使用する機器であれば良く、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電池駆動の電動工具、無停電電源装置など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器が挙げられる。
実施形態1,変形形態1,2にかかる電池の斜視図である。 実施形態1,変形形態1,2の正電極板の斜視図である。 実施形態1,変形形態2の負電極板の斜視図である。 実施形態1の負電極板の斜視図である。 実施形態1,変形形態1,2の発電要素の断面図(図1中のA−A断面)である。 実施形態1の発電要素の拡大断面図(図5中のB部)である。 変形形態1の負電極板の斜視図である。 変形形態1の負電極板の斜視図である。 変形形態1の発電要素の拡大断面図(図5中のB部)である。 変形形態2の負電極板の斜視図である。 実施形態2にかかる電池の斜視図である。 実施形態2の発電要素の断面図(図11中のC−C断面)である。 実施形態3にかかる車両の説明図である。 実施形態4にかかるハンマードリルの説明図である。
(実施形態1)
次に、本発明の実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態1にかかる電池1について、図1を参照して説明する。
この電池1は、いずれも帯状の正電極板30、負電極板20及びセパレータ50を有し、これら正電極板30と負電極板20との間にセパレータ50を介してなる発電要素10と、この発電要素10に保持され、リチウムイオンを含む電解液60とを備えるリチウムイオン二次電池である(図1参照)。なお、電池1は、図1に示すように、発電要素10を電池ケース80に収容してなる。
この電池ケース80は、共にアルミニウム製の電池ケース本体81及び封口蓋82を有する。このうち電池ケース本体81は有底矩形箱形であり、この電池ケース80と発電要素10との間には、樹脂からなり、箱状に折り曲げた絶縁フィルム(図示しない)が介在させてある。また、封口蓋82は矩形板状であり、電池ケース本体81の開口を閉塞して、この電池ケース本体81に溶接されている。この封口蓋82には、発電要素10と接続している正極集電部材91及び負極集電部材92のうち、それぞれ先端に位置する正極端子部91A及び負極端子部92Aが貫通しており、図1中、上方に向く蓋表面82aから突出している。これら正極端子部91A及び負極端子部92Aと封口蓋82との間には、それぞれ絶縁性の樹脂からなる絶縁部材95が介在し、互いを絶縁している。さらに、この封口蓋82には矩形板状の安全弁97も封着されている。
また、電解液60は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを、体積比でEC:EMC=3:7に調整した混合有機溶媒に、溶質としてLiPF6を添加し、リチウムイオンを1mol/lの濃度とした非水電解液である。
また、発電要素10は、いずれも帯状の正電極板30、負電極板20及びセパレータ50を有し、これら正電極板30、負電極板20及びセパレータ50を、捲回軸AXの周りに扁平形状に捲回されてなる捲回型発電要素である(図1参照)。なお、この発電要素10の正電極板30及び負電極板20はそれぞれ、クランク状に屈曲した板状の正極集電部材91又は負極集電部材92と接合している(図1参照)。このうち、ポリエチレンからなる帯状のセパレータ50は、正電極板30と負電極板20との間に介在して、これらを離間させている。
また、正電極板30は、図2の斜視図に示すように、長手方向DAに延びる帯状で、アルミニウム製のアルミ箔38と、このアルミ箔38の両面(次述する外側面38X,内側面38Y)にそれぞれ帯状に配置された2つの正極活物質層31,35とを有している。なお、アルミ箔38は、発電要素10の内側、即ち捲回軸AX側を向く内側面38Y、及び、発電要素10の外側を向く外側面38Xを有している。また、発電要素10の断面図(図1のA−A断面)である図5、及び、拡大断面図(図5のB部)である図6に示すように、正極活物質層のうち、アルミ箔38の外側面38Xに配置されたものを外側正極活物質層31とし、内側面38Yに配置されたものを内側正極活物質層35とする。
外側正極活物質層31及び内側正極活物質層35は、いずれも、LiCoO2からなる正極活物質粒子(図示しない)と、アセチレンブラックからなる導電材(図示しない)と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる結着材(図示しない)とを含んでいる。
また、負電極板20は、図3,4の斜視図に示すように、長手方向DAに延びる帯状で、銅製の銅箔28と、この銅箔28の両面(次述する外側面28X,内側面28Y)にそれぞれ帯状に配置された2つの負極活物質層21,25とを有している。なお、銅箔28は、アルミ箔38と同様、発電要素10の内側を向く内側面28Y、及び、発電要素10の外側を向く外側面28Xを含む。また、図5,6に示すように、負極活物質層のうち、銅箔28の外側面28Xに配置されたものを外側負極活物質層21とし、内側面28Yに配置されたものを内側負極活物質層25とする。
外側負極活物質層21及び内側負極活物質層25は、いずれも、グラファイトからなる負極活物質粒子(図示しない)、及び、PVDFからなる結着材(図示しない)を含んでいる。
このうち、内側負極活物質層25は、図6に示すように、セパレータ50を介して、正電極板30の外側正極活物質層31と互いに対向して配置されている。なお、内側負極活物質層25は、その外側正極活物質層31と対向する内側対向部25Aと、内側負極活物質層25の巻き終わり部分(図5のB部)において、対向する外側正極活物質層31が存在しない内側非対向部25Bとを有する。
逆に、外側正極活物質層31は、いずれの部位も内側負極活物質層25に対向してなる。このように、本実施形態1にかかる電池1では、内側負極活物質層25が、内側非対向部25Bの分、外側正極活物質層31に比して、長手方向DAに大きい(長い)形態とされており、電池1を充電した際、負電極板20の内側負極活物質層25の巻き終わり側の端部に金属リチウムが析出するのを防止している。
一方、外側負極活物質層21は、図6に示すように、セパレータ50を介して、正電極板30の内側正極活物質層35と互いに対向して配置されている。なお、外側負極活物質層21は、その内側正極活物質層35と対向する外側対向部21Aと、正電極板30に対向せずに発電要素10の外側を向き、外側負極活物質層21の最外周に位置する最外周外向き部21Bとを有する。
逆に、内側正極活物質層35は、いずれの部位も外側負極活物質層21に対向してなる。
さらに、本実施形態1の電池1では、最外周外向き部21Bの全体に、電解液60の浸透を防ぐ浸透防止処理が施されている。具体的には、フッ素樹脂のポリテトラフルオロエチレンを溶媒に分散させたものを、最外周外向き部21Bに塗布し加熱乾燥する処理が施されている。この浸透防止処理によって、最外周外向き部21Bの表面には、ポリテトラフルオロエチレンの皮膜が形成される。これにより、最外周外向き部21Bの内部に電解液60が浸透するのを防止する。このため、電解液60を通じて、最外周外向き部21Bの内部にリチウムイオンが入り込むのを防止できる。
なお、本発明者らは、本実施形態1の電池1、即ち、負極活物質層21のうち、最外周外向き部21Bに電解液60の浸透防止処理を施した電池、及び、浸透防止処理を施していない比較電池C1について、電池容量の変化を調べた。
具体的には、最外周外向き部21Bに、ポリテトラフルオロエチレンの分散液を塗布し乾燥させた電池1と、負極活物質層のいずれにも浸透防止処理を施していない比較電池C1とを用意した。これら各電池を、それぞれ25℃の環境下で満充電(即ち、1Cの電流値で4.1V(満充電電圧)まで定電流充電し、その後、その電圧を保ちつつ電流値を0.05Cまで徐々に低下させて、60分間充電)にした。次いで、満充電の各電池について、1Cの電流値で2.5Vとなるまで定電流放電を行い、放電した放電容量(初期放電容量)をそれぞれ測定した。
測定後、再び各電池を25℃の環境下で満充電にして、25℃の環境下に50日間それぞれ静置した。
その後、各電池の放電容量(静置後放電容量)をそれぞれ測定し、静置前後での各電池の放電容量の変化について調べた。具体的には、各電池の、静置後放電容量を初期放電容量で除した電池容量維持率を算出した。
比較電池C1の電池容量維持率が90.0%であったのに対し、電池1の電池容量維持率は96.5%であり、電池1は、比較電池C1に比して、電池容量の低下が抑制できることが判る。これは、浸透防止処理を施していない、比較電池C1の最外周外向き部には、静置の間に、負極活物質層の他の部位からの拡散等によりリチウムイオンが電解液を通じて入り込む。しかるに、このリチウムイオンは、外側負極活物質層のうち、正電極板に対向しない最外周外向き部に入り込んだので、放電の際にそこから放出され難く、電池反応に利用されずに、最外周外向き部に吸蔵されたままとなる。
これに対し、浸透防止処理が施された電池1の最外周外向き部21Bには、電解液60が浸透しない。リチウムイオンは、電解液60内を移動するのであるから、静置している間に、電解液60が浸透しない最外周外向き部21Bには、リチウムイオンが入り込み、そこの負極活物質中にリチウムイオンが挿入されることもない。かくして、比較電池C1に比して電池1の電池容量の低下が抑制されたと考えられる。
以上より、本実施形態1にかかる電池1では、捲回型の発電要素10を備え、外側負極活物質層21の最外外向き部21Bに、浸透防止処理が施されてなるので、この部分に電解液60が浸透しない。このため、リチウムイオンが電解液60を通じて、この最外外向き部21Bに入り込み、負極活物質層(外側負極活物質層21)に吸蔵されたままとなるのを防止することができる。かくして、電池容量の低下を抑制した電池1とすることができる。
また、最外周外向き部21Bの全体に浸透防止処理が施されてなるので、リチウムイオンがその最外周外向き部21Bに入り込むのを確実に防止することができる。
次に、本実施形態1にかかる電池1の製造方法について説明する。
まず、負電極板20を作製する。具体的には、PVDFからなる結着材を溶解したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に前述したグラファイトからなる負極活物質粒子を投入し、混練してできたペースト(図示しない)を、長手方向DAに延びる帯状の銅箔28の外側面28X及び内側面28Yに塗布し、乾燥させた。その後、図示しないロールプレスで、乾燥させたペーストを圧縮して、高密度化した負極活物質層(外側負極活物質層21,内側負極活物質層25)を形成した。
次いで、ポリテトラフルオロエチレンを溶媒に分散させた分散液(図示しない)を、外側負極活物質層21のうち外側非対向部21Bとなる部位の全面に塗布し、加熱乾燥させ、負電極板20を作製した(図3,4参照)。
一方、結着材を溶解したNMP中に、正極活物質粒子及び導電材をそれぞれ投入し混練してできたペースト(図示しない)を、長手方向DAに延びる帯状のアルミ箔38の外側面38X及び内側面38Yに塗布し、乾燥させた。その後、図示しないロールプレスで乾燥させたペーストを圧縮し、正極活物質層(外側正極活物質層31,内側正極活物質層35)を有する正電極板30を作製した(図2参照)。
上述のように作製した負電極板20と正電極板30とを、これらの間にセパレータ50を介在させて捲回し、発電要素10とする。なお、負電極板20の内側負極活物質層25の内側対向部25Aに、セパレータ50を介して、正電極板30の外側正極活物質層31、また、外側負極活物質層21の外側対向部21Aに、セパレータ50を介して、正電極板30の内側正極活物質層35が、それぞれ対向するように、セパレータ50、負電極板20、セパレータ50、正電極板30の順に重ねて捲回する。
その後は、負電極板20(銅箔28)及び正電極板30(アルミ箔38)にそれぞれ負極集電部材92及び正極集電部材91を溶接し、電池ケース本体81に挿入し、前述した電解液60を注入後、封口蓋82で電池ケース本体81を溶接で封口する。かくして、電池1が完成する(図1参照)。
(変形形態1)
次に、本発明の変形形態1にかかる電池101について、図1,2,5,7〜9を参照しつつ説明する。
この電池101は、前述の実施形態1にかかる電池1と同様、内側負極活物質層の巻き終わり部分に、セパレータを介して対向する外側正極活物質層が存在しない内側非対向部を有している。但し、この内側非対向部にも浸透防止処理が施されてなる点で、電池1と異なり、それ以外は同様である。
そこで、実施形態1にかかる電池1と異なる点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略、又は、簡略化する。なお、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容のものには同番号を付して説明する。
変形形態1にかかる電池101は、いずれも帯状の正電極板30、負電極板120及びセパレータ50を有し、これら正電極板30と負電極板120との間にセパレータ50を介してなる発電要素110と、この発電要素110に保持され、リチウムイオンを含む電解液60とを備えるリチウムイオン二次電池である(図1参照)。
このうち負電極板120は、図7,8の斜視図に示すように、実施形態1と同様の銅箔28と、この銅箔28の両面(外側面28X,内側面28Y)にそれぞれ帯状に配置された2つの負極活物質層(外側負極活物質層21,内側負極活物質層125)とを有する。なお外側負極活物質層21及び内側負極活物質層125は、いずれも、実施形態1と同様、グラファイトからなる負極活物質粒子(図示しない)、及び、PVDFからなる結着材(図示しない)を含んでいる。
このうち、内側負極活物質層125は、図9に示すように、セパレータ50を介して、正電極板30の外側正極活物質層31と互いに対向して配置されている。なお、内側負極活物質層125は、その外側正極活物質層31と対向する内側対向部125Aと、内側負極活物質層125の巻き終わり部分(図5のB部)において、対向する外側正極活物質層31が存在しない内側非対向部125Bとを有する。
そして、この内側負極活物質層125の内側非対向部125Bにも、実施形態1の最外周外向き部21Bと同様の浸透防止処理が施されている点で、実施形態1と異なる。
具体的には、実施形態1と同様の、ポリテトラフルオロエチレンを溶媒に分散させたものを、内側非対向部125Bの全体に塗布し加熱乾燥する処理が施されている。この浸透防止処理によって、内側非対向部125Bの表面に、ポリテトラフルオロエチレンの皮膜が形成される。これにより、最外周外向き部21Bと共に、内側非対向部125Bの内部にも電解液60が浸透するのが防止されている。このため、電解液60を通じて、内側非対向部125Bの内部にリチウムイオンが入り込むのを防止できる。
この電池101についても、実施形態1の電池1と同様にして、電池容量の変化を調べたところ、比較例の比較電池C1はもちろん、電池1に比しても、より電池容量の低下が抑制されることを確認した。
このように、本変形形態1にかかる電池101では、内側負極活物質層125の内側非対向部125Bの全体について浸透防止処理が施されてなる。このため、最外周外向き部21Bと同様、リチウムイオンが、電解液60を通じて内側非対向部125Bに入り込み、負極活物質層(内側負極活物質層125)に吸蔵されたままとなるのを抑制することができる。かくして、電池容量の低下を確実に抑制した電池101とすることができる。
次に、本変形形態1にかかる電池101の製造方法について説明する。
まず、負電極板120を作製する。具体的には、実施形態1と同様、結着材を溶解したNMP中に負極活物質粒子を投入し、混練してできたペースト(図示しない)を、帯状の銅箔28の外側面28X及び内側面28Yに塗布し、乾燥させた。その後、図示しないロールプレスで、乾燥させたペーストを圧縮して、高密度化した負極活物質層(外側負極活物質層21,内側負極活物質層125)を形成した。
次いで、ポリテトラフルオロエチレンを溶媒に分散させた分散液(図示しない)を、外側負極活物質層21のうちの外側非対向部21Bの全面、及び、内側負極活物質層125のうちの内側非対向部125Bの全面にそれぞれ塗布し、加熱乾燥させ、負電極板120を作製した(図7,8参照)。
上述のように作製した負電極板120と、実施形態1と同様にして作製した正電極板30とを、これらの間にセパレータ50を介在させて捲回し、発電要素110とする。なお、負電極板120の内側負極活物質層125の内側対向部125Aに、セパレータ50を介して、正電極板30の外側正極活物質層31、また、外側負極活物質層21の外側対向部21Aに、セパレータ50を介して、正電極板30の内側正極活物質層35が、それぞれ対向するように、セパレータ50、負電極板20、セパレータ50、正電極板30の順に重ねて捲回する。
その後は、実施形態1と同様にして電池101が完成する(図1参照)。
(変形形態2)
次に、本発明の変形形態2にかかる電池201について、図1〜3,5,10を参照しつつ説明する。
この電池201は、最外周外向き部の周縁に浸透防止処理が施されてなる点で、前述の実施形態1にかかる電池1と異なり、それ以外は同様である。
この電池201の負電極板220は、図3,10の斜視図に示すように、実施形態1と同様の銅箔28と、この銅箔28の両面(外側面28X,内側面28Y)にそれぞれ帯状に配置された2つの負極活物質層(外側負極活物質層221,内側負極活物質層25)とを有している。なお、これら外側負極活物質層221及び内側負極活物質層25は、いずれも、実施形態1と同様、グラファイトからなる負極活物質粒子(図示しない)、及び、PVDFからなる結着材(図示しない)を含む。
このうち、外側負極活物質層221は、図10に示すように、実施形態1と同様の外側対向部21Aと、この外側対向部21Aの長手方向DAに隣接する最外周外向き部221Bとを有する。ここまでは、実施形態1にかかる電池1と同様である。但し、この最外周外向き部221Bは、自身の周縁部分に位置する周縁部221Eと、この周縁部221Eで囲まれた中央部221Cとからなる。
そして、この最外周外向き部221Bの周縁部221Eに、電解液60の浸透を防ぐ浸透防止処理が施されている点で、実施形態1と異なる。
具体的には、最外周外向き部221Bの周縁部221Eには、実施形態1と同様、ポリテトラフルオロエチレンを溶媒に分散させたものを塗布し加熱乾燥する処理が施されている。この浸透防止処理によって、最外周外向き部221Bの周縁部221Eの表面には、ポリテトラフルオロエチレンの皮膜が形成される。
本発明者らの研究によれば、正極活物質層31,35から最外周外向き部221Bに移動してくるリチウムイオンは、この最外周外向き部221Bの中でも、中央部221Cよりも周縁部221Eに向けて移動し、ここに多く入り込みやすいことが判ってきた。
これに対して、本変形形態2にかかる電池201では、最外周外向き部221Bの周縁部221Eに浸透防止処理が施されてなるので、リチウムイオンが最外周外向き部221Bに入り込むのをより確実に低減することができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2にかかる電池301について、図11,12を参照しつつ説明する。
この電池301は、複数の正電極板と複数の負電極板とを、セパレータを介して交互に積層してなる積層型発電要素を有する点で、前述の実施形態1にかかる電池1と異なる。
即ち、この電池301は、正電極板330、負電極板320(後述する最外負電極板320G,中間負電極板320T)及びセパレータ350を有する発電要素310と、この発電要素310に保持され、リチウムイオンを含む電解液60とを備えるリチウムイオン二次電池である(図11参照)。なお、電池301は、発電要素310を実施形態1と同様の電池ケース80に収容してなる(図11参照)。
このうち、発電要素310は、いずれも複数の正電極板330及び負電極板320を、セパレータ350を介して交互に積層してなる積層型発電要素である(図12参照)。なお、この発電要素310において正電極板330と負電極板320とでは、積層方向DL(図12中、左右方向)両方の最外側に、それぞれ最外負電極板320Gが配置されている形態となっている。このため、いずれの正電極板330も、負電極板320(最外負電極板320G、又は、負電極板320のうち、2枚の最外負電極板320Gの間に位置する中間負電極板320T)同士の間に挟まれることになる。従って、正電極板330の両面の正極活物質層331は、いずれも負電極板320の負極活物質層321に対向している。
正電極板330は、矩形板状でアルミニウム製のアルミ箔338と、このアルミ箔338の両面にそれぞれ配置された2つの正極活物質層331,331とを有している。
この正極活物質層331は、実施形態1と同様の、いずれも図示しない正極活物質粒子、導電材及び結着材を含んでいる。
一方、負電極板320は、矩形板状で銅製の銅箔328と、この銅箔328の両面にそれぞれ配置された2つの負極活物質層321,321とを有している。この負電極板320のうちの最外負電極板320Gにおける負極活物質層321のうち、銅箔328よりも積層方向DL外側に位置するものを最外負極活物質層321Gと呼ぶこととする。
このうち負極活物質層321(最外負極活物質層321Gを含む)は、実施形態1の負極活物質層21と同様、負極活物質粒子及び結着材を含む。
図12に示すように、最外負電極板320Gの最外負極活物質層321Gは、正電極板330に対向せず発電要素310の外側を向いて配置されている。
しかも、本実施形態2では、この最外負極活物質層321Gの全体に、電解液60の浸透を防ぐ浸透防止処理が施されている。具体的には、実施形態1と同様、ポリテトラフルオロエチレンを溶媒に分散させたものを、最外負極活物質層321Gに塗布し加熱乾燥する処理が施されている。この浸透防止処理によって、最外負極活物質層321Gの表面には、ポリテトラフルオロエチレンの皮膜が形成される。これにより、最外負極活物質層321Gの内部に電解液60が浸透するのを防止する。このため、電解液60を通じて、最外負極活物質層321Gの内部にリチウムイオンが入り込むのを防止できる。
本実施形態2にかかる電池301では、積層型の発電要素310を備え、最外負電極板320Gの最外負極活物質層321Gに、浸透防止処理が施されてなるので、この部分に電解液60が浸透しない。このため、リチウムイオンが電解液60を通じて、この最外負極活物質層321Gに入り込み、最外負極活物質層321Gに吸蔵されたままとなるのを防止することができる。かくして、電池容量の低下を抑制した電池301とすることができる。
次に、本実施形態2にかかる電池301の製造方法について説明する。
まず、負電極板320を作製する。具体的には、実施形態1と同様、結着材を溶解したNMP中に負極活物質粒子を投入し、混練してできたペースト(図示しない)を、矩形板状の銅箔328の両面に塗布し、乾燥させた。その後、図示しないロールプレスで、乾燥させたペーストを圧縮して、高密度化した負極活物質層321を有する負電極板を作製した。
次いで、最外負電極板320Gに用いる予定の負電極板について、片側の負極活物質層321の全面に、ポリテトラフルオロエチレンを溶媒に分散させた分散液(図示しない)を塗布し、加熱乾燥させた。これにより、浸透防止処理が施されてなる最外負電極板320Gを作製した。なお、浸透防止処理を施さなかった負電極板は中間負電極板320Tとして用いる。
一方、結着材を溶解したNMP中に、LiCoO2からなる正極活物質粒子及び導電材をそれぞれ投入し混練してできたペースト(図示しない)を、矩形板状のアルミ箔338の両面に塗布し、乾燥させた。その後、図示しないロールプレスで、乾燥させたペーストを圧縮した正電極板330を作製した。
上述のように作製した正電極板330、負電極板320との間に、セパレータ120を介在させて積層し、発電要素110とする。
具体的には、まず、正電極板330、セパレータ350、中間負電極板320T、セパレータ350の順に繰り返し積層する。
ついで、積層方向DLの最外側に位置する正電極板330の外側に、セパレータ350を介して、最外負電極板320Gを配置、積層する。なお、この際に、最外負電極板320Gの最外負極活物質層321Gが、正電極板330に対向せず、銅箔328よりも積層方向DL外側に配置する。さらに、最外負電極板320Gの積層方向DL外側にセパレータ350をそれぞれ配置、積層して、積層型の発電要素310ができあがる。
その後は、正電極板330(アルミ箔338)及び負電極板320(銅箔328)にそれぞれ正極集電部材91或いは負極集電部材92を溶接し、電池ケース本体81に挿入し、前述した電解液60を注入後、封口蓋82で電池ケース本体81を溶接で封口する。かくして、電池301が完成する(図11参照)。
(実施形態3)
本実施形態3にかかる車両400は、前述した電池1,101,201,301を複数含むバッテリパック410を搭載したものである。具体的には、図13に示すように、車両400は、エンジン440、フロントモータ420及びリアモータ430を併用して駆動するハイブリッド自動車である。この車両400は、車体490、エンジン440、これに取り付けられたフロントモータ420、リアモータ430、ケーブル450、インバータ460、及び、矩形箱形状のバッテリパック410を有している。このうちバッテリパック410は、前述した電池1,101,201,301を複数収容してなる。
本実施形態3にかかる車両400は、電池容量の低下を抑制した電池1,101,201,301を搭載しているので、安定した性能の動力源を有する車両400とすることができる。
(実施形態4)
また、本実施形態4のハンマードリル500は、前述した電池1,101,201,301を含むバッテリパック510を搭載したものであり、図14に示すように、バッテリパック510、本体520を有する電池搭載機器である。なお、バッテリパック510はハンマードリル500の本体520のうち底部521に可能に収容されている。
本実施形態4にかかるハンマードリル500は、電池容量の低下を抑制した電池1,101,201,301を搭載しているので、安定した性能の駆動エネルギ源を有する電池搭載機器とすることができる。
以上において、本発明を実施形態1〜4及び変形形態1,2に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態1等では、浸透防止処理として、例えば、ポリテトラフルオロエチレンからなる被覆材料を溶媒に分散したものを、外向き部に塗布し乾燥させる処理を施した。しかし、例えば、フィルム状の被覆材料を外向き部に貼り付け、その後加熱溶着する、被覆材料を外向き部にこすりつける、粉末状の被覆材料を外向き部に吹き付け、その後加熱溶着するなどの処理を施しても良い。
また、被覆材料として、フッ素樹脂のポリテトラフルオロエチレンを用いたが、例えば、それ以外のフッ素樹脂の他、前述した有機高分子材料や撥液性材料を用いても良い。
また、変形形態1では、内側負極活物質層の内側非対向部の全体に浸透防止処理を施した形態を示したが、その内側非対向部の一部(例えば、内側非対向部の周縁)に浸透防止処理を施しても良い。また、変形形態2では、外側負極活物質層の最外外向き部の周縁に浸透防止処理を施した形態を示したが、これに限定されず、最外外向き部の少なくとも一部に浸透防止処理が施されていれば良い。また、実施形態2では、最外負極活物質層の全体に浸透防止処理を施した形態を示したが、その最外負極活物質層の一部(例えば、最外負極活物質層の周縁)に浸透防止処理を施しても良い。
1,101,201,301 電池(リチウムイオン二次電池)
10,110,210 発電要素(捲回型発電要素)
20,120,220,320 負電極板
21,221 外側負極活物質層(負極活物質層)
21B,221B 最外周外向き部(外向き部)
25,125 内側負極活物質層(負極活物質層)
25B,125B 内側非対向部
28,328 銅箔(負極集電板)
28X 外側面
28Y 内側面
30,330 正電極板
31 外側正極活物質層(正極活物質層)
35 内側正極活物質層(正極活物質層)
38,338 アルミ箔(正極集電板)
38X 外側面
38Y 内側面
50,350 セパレータ
60 電解液
310 発電要素(積層型発電要素)
320G 最外負電極板
321 負極活物質層
321G 最外負極活物質層(外向き部)
331 正極活物質層
400 車両
500 ハンマードリル(電池搭載機器)
AX 捲回軸
DA 長手方向
DL 積層方向

Claims (8)

  1. 正極集電板、及び、この正極集電板の両面に配置された正極活物質層を含む正電極板と、負極集電板、及び、この負極集電板の両面に配置された負極活物質層を含む負電極板と、セパレータと、を有し、上記正電極板と上記負電極板との間に上記セパレータを介してなる発電要素、及び、
    上記発電要素に保持され、リチウムイオンを含む電解液、を備え、
    上記正極活物質層のいずれの部位も上記負極活物質層に対向してなる
    リチウムイオン二次電池であって、
    上記負極活物質層のうち、上記正電極板に対向せず上記発電要素の外側を向く外向き部の少なくとも一部に、上記電解液の浸透を防ぐ浸透防止処理が施されてなる
    リチウムイオン二次電池。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池であって、
    前記発電要素は、
    いずれも帯状の前記正電極板、前記負電極板及び前記セパレータを有し、これら上記正電極板、上記負電極板及び上記セパレータを、捲回軸の周りに捲回してなる捲回型発電要素であり、
    上記正電極板は、
    前記正極活物質層であって、前記正極集電板の、内側面に配置された内側正極活物質層、及び、外側面に配置された外側正極活物質層を含み、
    上記負電極板は、
    前記負極活物質層であって、前記負極集電板の、内側面に配置された内側負極活物質層、及び、外側面に配置された外側負極活物質層を含み、
    上記外側正極活物質層が上記内側負極活物質層に対向し、
    前記外向き部は、
    上記外側負極活物質層のうち、最外周に位置する最外周外向き部である
    リチウムイオン二次電池。
  3. 請求項2に記載のリチウムイオン二次電池であって、
    前記内側負極活物質層は、
    自身の巻き終わり部分に、前記セパレータを介して対向する前記外側正極活物質層が存在しない内側非対向部を有し、
    上記内側非対向部の少なくとも一部にも前記浸透防止処理が施されてなる
    リチウムイオン二次電池。
  4. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池であって、
    前記発電要素は、
    前記セパレータを介在させつつ、前記正電極板と前記負電極板とを交互に積層してなる積層型発電要素であり、
    前記外向き部は、
    前記負電極板のうち、積層方向の最外側に配置された最外負電極板において、前記負極集電板よりも上記積層方向外側に位置する最外負極活物質層である
    リチウムイオン二次電池。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池であって、
    前記外向き部の周縁に、前記浸透防止処理が施されてなる
    リチウムイオン二次電池。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池であって、
    前記外向き部の全体に、前記浸透防止処理が施されてなる
    リチウムイオン二次電池。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池を搭載し、このリチウムイオン二次電池に蓄えた電気エネルギを動力源の全部又は一部に使用する車両。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池を搭載し、このリチウムイオン二次電池に蓄えた電気エネルギを駆動エネルギ源の全部又は一部に使用する電池搭載機器。
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