JP2011111937A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、簡単な構造で、位相の可変を行う組付けカムのミスアライメントに対する耐性が高められる内燃機関の可変動弁装置を提供する。
【解決手段】本発明の可変動弁装置は、カム面22cを有する組付けカム22aが組み付けられた組付けカム付きシャフト部材14と、同シャフト部材14とは別に、固定カム12が一体的に形成されたカムシャフト部材13とを有する構造において、組付けカム22aのカム面22cを、固定カム12のカム面12aのカム幅cよりも大きなカム幅寸法で形成することとした。同構成によると、大きくなった組付けカム22aのカム面22cによって、タペットなど摺動部材9のカム当接面9aとの接触状態を良好に保つことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸気バルブまたは一対の排気バルブを駆動する組付けカムが組み付けられた組付けカム付きシャフト部材を備えて構成される内燃機関の可変動弁装置に関する。
自動車に搭載されるレシプロ式のエンジン(内燃機関)では、エンジンの排出ガスの対策やポンピングロスの改善を図るために、シリンダヘッドに可変動弁装置を搭載することが行なわれつつある。
可変動弁装置には、エンジンで多く採用されているマルチバルブ(一対の吸気バルブ、一対の排気バルブ)のバルブ間の位相を可変させて、マルチバルブの開いている期間を変更させる構造がある。
この可変動弁装置は、通常のシャフトに固定カムを一体に形成するカムシャフトでは実現が難しい。そのため、吸気・排気側に、クランク出力で駆動される複数のカムシャフト(カムシャフト部材)を備えるエンジンでは、同可変動弁装置の構成のため、例えば特許文献1,2のように吸気バルブまたは排気バルブを駆動するカムシャフトのうち、位相の可変が求められるカムシャフトについては、別体な部品である組付けカムを組み付けて構成される組付けカム付きシャフト部材を用いて、カム位相の可変を可能とし、カム位相を行わないカムシャフトについては、固定カムが一体に形成された通常のカムシャフト部材を用いることが行われる。
さらに述べるならば特許文献1,2の組付けカム付きシャフト部材は、気筒毎の一対の吸気バルブ(または一対の排気バルブ)の配置にならい、同シャフト部材の外側に、基準の位相をなす基準固定カムを固定するとともに、同じカム幅を有する組付けカムを周方向に変位可能に組み付けた構造が用いられる。組付けカムの位相は、カム位相変更機構により、基準固定カムを基準として変更され、基準固定カム、組付けカムのカム変位が、タペット部材(あるいはロッカ部材など)の従動部材を介して、各バルブへ伝えられ、一対の吸気バルブ(または一対の排気バルブ)の開いている期間を大きく変更させる。
特開2009−144521号公報 特開2009−144522号公報
ところで、組付けカムシャフト部材は、通常の固定カムが一体に形成されるカムシャフト部材とは異なり、別体な部品である組付けカムがシャフトに組み付くため、組付けカムとシャフトとの間には、組付けカムの可変動作に必要な微小なクリアランスが存在する。
ところが、このクリアランスは、組付けカムのカム面のミスアライメントを発生させる。このため、組付けカムのカム幅端部とタペットやロッカなどのカム当接部との接触が生じることがある。これは、フリクションの増大や偏磨耗の要因となる。しかも、ミスアライメントによって、クリアランスの不安定さを生み、組付けカムとシャフトとの間に働く偏荷重も大きくなり、フリクション増による応答性の悪化や該部位の摩耗も生じる。
さらに述べるならば、シャフトに固定カムが一体に固定された一般的なカムシャフトでは一対のカム間にカムジャーナルを有する場合、双方のカムが概ね同一のバルブリフトやタイミングである場合には前記カムジャーナル幅に均等にバルブリフト荷重が働くため、ミスアライメントは大きくならないが、組付けカム付きカムシャフトを用いて、可変動弁装置で基準固定カムと組付けカムの位相をずらした場合、カムジャーナル幅方向の前後に時間差でバルブリフト荷重が働くため、さらなるミスアライメントが発生する。このミスアライメントは、基準固定カム、組付けカムのカム面はタペットやロッカのカム当接部との接触面積が減り、高荷重となり、良好な潤滑状態が保てなくなるため、当該接触部のフリクションの増大や偏磨耗の要因となる。
可変動弁装置は、こうしたことがあると、可変性能がばらついてしまう。そのため、ミスアライメントを直す加工や組立精度の向上やミスアライメントに耐える耐摩耗性の高い材料や表面処理の採用ことが考えられるが、いずれも高コストであり、代わりになる技術が求められている。
そこで、本発明の目的は、簡単な構造で、位相の可変を行う組付けカムのミスアライメントに対する耐性が高められる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するため、組付けカムが組み付けられた組付けカム付きシャフト部材と、同シャフト部材とは別に、固定カムが一体的に形成されたカムシャフト部材とを備えた構造において、組付けカムのカム面を、固定カムのカム面のカム幅よりも大きなカム幅寸法で形成することとした。
請求項2に記載の発明は、組付けカム付きシャフト部材に、組付けカムとは別に複数の吸気バルブまたは排気バルブのいずれかを駆動する基準固定カムが一体的に形成される構造の場合、基準固定カムのカム面は、カムシャフト部材に一体的に形成された固定カムのカム面のカム幅よりも大きなカム幅寸法で形成することとした。
請求項3に記載の発明は、組付けカムのカム面は、基準固定カムのカム面のカム幅よりも大きなカム幅寸法で形成することとした。
請求項1の発明によれば、組付けカムのカム面のミスアライメントによるタペットやロッカのカム当接部との接触面積が維持され、良好な潤滑状態が保たれ、フリクションの増大や偏磨耗が抑制される。
したがって、簡単な構造で、位相の可変を行う組付きカムのミスアライメントに対する耐性を高めることができる。
請求項2の発明によれば、組付けカムのカム位相の基準をなす基準固定カムのカム面のミスアライメントに対する耐性も高めることができる。
請求項3の発明によれば、基準固定カム、組付けカムはそれぞれの最適なカム幅となり、スプリット可変に伴うミスアライメントに有効に対応でき、フリクション増による応答性の悪化や偏摩耗を効果的に抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係る可変動弁装置を搭載した内燃機関の平面図。 図1中のI−I線に沿う可変動弁装置の断面図。 カムが一体に形成されたカムシャフトを示す断面図。 可変動弁装置の各部の構造を示す分解斜視図。 可変動弁装置の可変特性を示す線図。 カム幅の変化がもたらすカムとタペットとの接触状態の違いを説明するための図。 本発明の第2の実施形態の要部を示す平面図。
以下、本発明を図1〜図6に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1は内燃機関、例えば複数気筒のレシプロエンジン(以下、単にエンジンという)の平面を示し、図2は図1中のI−I線に沿う断面を示していて、同図中1は同エンジンのシリンダブロック、2は同シリンダブロック1の頭部に搭載されたシリンダヘッドを示している。
このうちシリンダブロック1には、図1および図2に示されるようにエンジンの前後方向に沿って複数の気筒3(一部気筒だけ図示)が形成されている。これら各気筒3内には、クランクシャフト(図示しない)からコンロッド(図示しない)を介して分かれた各ピストン4が往復動可能に収められる。
シリンダヘッド2の下面には、各気筒3に対応してそれぞれ燃焼室5が形成されている。各燃焼室5には、吸気を行なう一対の吸気ポート7(2個)、排気を行なう一対の排気ポート(図示しない)が開口している。各吸気ポート7には、ステム端にそれぞれ有底筒形のタペット9(従動部材)が装着された一対の吸気バルブ10(2個)が設けられている。そして、各タペット9の頂面9aに形成されている球面状のクラウニング(カム当接面)がシリンダヘッド2の上部に臨んでいる。各排気ポート(図示しない)には、同様にタペットが付いた一対の排気バルブ(いずれも図示しない)が設けられ、同様に、バルブ基端部がシリンダヘッド2の上部に臨んでいる。これら吸気バルブ10、排気バルブ(図示しない)にて、吸気ポート7、排気ポート(図示しない)が開閉される。さらに各燃焼室5には、図示はしないが点火プラグがそれぞれ設けられる。
またシリンダヘッド2の上部左右には、クランクシャフトの軸出力で駆動される吸気側の動弁装置6a、同じく排気側の動弁装置6bが設けられている。動弁装置6aは吸気用のカムシャフト14を有し、動弁装置6bは排気用のカムシャフト13(いずれも本願の複数のシャフト部材に相当)を有していて、これらカムシャフト13,14を用いて、各気筒3で所定の燃焼サイクル(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4サイクル)が繰り返し行なわれるようにしている。動弁装置6a,6bのうち、排気側の動弁装置6bには、例えば図3に示される通常のカムシャフト13を用いた構造が用いられる。具体的には、固定カムである排気カムを一体的に形成したカムシャフト部材、詳しくは複数気筒分の排気カム12を削り出し加工によりシャフト13aと共に形成したカムシャフト13が用いられる。このカムシャフト13が、気筒3が並ぶ方向に回転自在に組み付けられ、各排気カム12のカム面12aをタペットの頂面のクラウニング(図示しない)に当接させる。これで、各排気カム12のカム変位を排気バルブ(図示しない)に伝える。
また吸気側の動弁装置6aのカムシャフト14には、排気側のカムシャフト13とは異なり、図4に示されるようなカム面を有する別体な組付けカムを組み付けて構成されるカムシャフト部材、いわゆる組立カム構造のカムシャフトが用いられている。このカムシャフト14を用いて、図2に示されるようなスプリット式の可変動弁装置15を構成している。
すなわちカムシャフト14のシャフトは、例えば図2および図4に示されるようなパイプ部材で構成されたアウタカムシャフト17a内に、制御部材をなす中実の軸部材で構成されたインナカムシャフト17bを回動可能に収めた二重シャフト17で形成される。この二重シャフト17も排気側のカムシャフト13と同様、気筒3が並ぶ方向に沿って配置される。この二重シャフト17のうちの一方の端部(片側)、すなわちアウタカムシャフト17aの一方の端部は、アウタカムシャフト17a端に取着されたブラケット37を介して、シリンダヘッド2の一方の端部(片側)に設置してある軸受部18aに回動自在に支持される。またアウタカムシャフト17aの中間部は、タペット9,9間に設置した中間の軸受部18bに回転自在に支持される。これで、両シャフト17a,17b共、同一軸心を中心に回転できるようにしている。なお、アウタカムシャフト17aとインナカムシャフト17bとの間は、クリアランスにより相対変位可能となっている。
アウタカムシャフト17aには、気筒毎の一対の吸気バルブ10と対応して、一対(2個:複数)の吸気カム19がそれぞれ設けられている。吸気カム19は、いずれも、基準の位相を定める固定カム20(本願の基準固定カムに相当)とそれとは別な可動側のカムローブ22(本願の組付けカムに相当)とを組み合わせて構成される。
すなわち、基準側となる固定カム20は、アウタカムシャフト17aのうちの片側のタペット、例えば左側のタペット9と対応した外周部分に一体的に設けられている。具体的には固定カム20は、板カムで形成され、アウタカムシャフト17aの外側に嵌めることにより固定、具体的には圧入により固定してある。この固定カム20の外周面に形成されているカム面20aが左側のタペット9のクラウニングを施した頂部9aと当接し、固定カム20のカム変位が左側の吸気バルブ10bに伝えられる。
カムローブ22は、板カムで形成されたカム山部22aを有している。このカム山部22aに、安定性を確保するための部分、すなわち中空のボス部22bが組み合わさり、カムローブ全体を構成している。カム山部22aおよびボス部22bは、アウタカムシャフト17aの外側に周方向に回動(変位)自在に嵌められ、カム山部22aを残る右側のタペット9の直上に配置させている。このカム山部22aの外周面に形成されているカム面22cが右側のタペット9のクラウニングを施した頂部9aと当接し、カム山部22aのカム変位が右側の吸気バルブ10aに伝えられる。
ボス部22bとインナカムシャフト17bとは、連結部材、例えば二重シャフト17の直径方向を貫通するように圧入された圧入ピン24により、内・外シャフト17a,17bの相対変位を許しながら連結されている。この連結により、カム山部22a(カムローブ22)を固定カム20に対し相対変位可能にしている。すなわち、図4に示されるように圧入ピン24がそれぞれ通過するアウタカムシャフト17aの周壁部分には、圧入ピン24を逃がす孔、例えば遅角方向に延びる一対の長孔26が形成されていて、インナカムシャフト17bがアウタカムシャフト17aに対し相対変位できるようにしている。これで、カム山部22aが、基準となる固定カム20の位相から大きく遅角するまで可変できるようにしている。なお、図4中14aは、インナカムシャフト17bに形成された圧入孔、14bは、ボス部22bの周壁部分に形成された圧入孔をそれぞれ示している。
二重シャフト17の例えば一方の端部には、内・外シャフト17a,17bを相対変位させるカム位相変更機構25が装着され、固定カム20を基準にカムローブ22のカム位相が変更可能な可変動弁装置15を構成している。
カム位相変更機構25は、例えば図2および図4に示されるように複数の遅角室30を周方向沿いに有する円筒形のハウジング31内に、軸部32の外周部から放射状に複数のベーン33が突き出たベーン部34を回動自在に収め、各ベーン33で各遅角室30内を仕切る回動ベーン構造が用いてある。なお、ハウジング31の外周部にはタイミングスプロケット39が設けられている。同スプロケット39は、タイミングチェーン40を介して、排気側のカムシャフト13端に装着したタイミングスプロケット13aと共にクランクシャフト(図示しない)につながる。ハウジング31は、固定ボルト36によって、アウタカムシャフト17a端のブラケット37(図2に図示)に連結され、残るベーン部34の軸部32は、固定ボルト38によって、インナカムシャフト17bの軸端に連結され、ベーン33が遅角室30内を回動変位すると、インナカムシャフト17bがアウタカムシャフト17aに対して相対的に変位する。
さらに述べると、カム山部22aのカム位相は、ハウジング31とベーン部34との間をむすぶように設けた戻り用スプリング部材42(図2だけに図示)の付勢力により、基準となる固定カム20のカム位相に揃えられる。また各遅角室30は、ハウジング31やブラケット37や軸受部18aに形成された各種油路43(図2に一部しか図示せず)を介して、オイルコントロールバルブ44(以下、OCV44という)、油圧供給部45(例えばオイルを供給するオイルポンプを有して装置で構成)に接続される。つまり、吸気側のカムシャフト14は、各遅角室30内にオイルが供給されると、カム山部22aを固定カム20から遅角方向へ変位させるというスプリット可変が行なわれる。
すなわち、スプリット可変を説明すると、クランクシャフトからの軸出力は、タイミングチェーン40、タイミングスプロケット39、ハウジング31、ブラケット37を経て、アウタシャフト17aに伝わり、固定カム20を回転駆動させ、タペット9を介して左側の吸気バルブ10bを開閉させる。ここで、OCV44から油圧が各遅角室30の反対側の進角室(図示しない)に供給されると、戻り用スプリング部材42の付勢力との協同により、カム山部22aは、図5中のA状態の如く固定カム20のカム位相に揃えられるから、右側の吸気バルブ10aは、左側の固定カム20と同じ位相を保ったまま開閉される。OCV44を通じて、油圧供給部45の油圧が遅角室30内へ供給されると、油圧出力にしたがい、ベーン33は遅角室30内を当初位置から遅角側へ変位する。このとき油圧の出力制御により、例えばベーン33が遅角室30内の途中まで変位させると、インナカムシャフト17bは、途中位置まで遅角方向に変位する。このときの変位が圧入ピン24を介してカムローブ22に伝わり、カム山部22aを遅角方向に変位させる。すると、図5中のB状態に示されるように基準となる左側の吸気バルブ10bの開閉時期はそのまま変わらず、右側の吸気バルブ10aの開閉時期だけが変わる。つまり、右側の吸気バルブ10aは、左側の吸気バルブ10bの開閉期間の途中から、カム山部22aのカムプロフィルにしたがい開閉される。また油圧の出力制御により、ベーン33を最遅角位置まで変位させると、図5中のC状態に示されるように左側の吸気バルブ10bの開閉時期はそのままに変わらずに、右側の吸気バルブ10aは、左側の吸気バルブ10bの開閉時期と交錯した状態を保ちながら、左側の吸気バルブ10bから最も遅角した時期で開閉する。つまり左右の吸気バルブ10の開弁期間は、エンジンの状態に応じて、最も小さい開弁期間αから最も大きい開弁期間βまでの範囲内で可変される(スプリット可変)。
こうした固定カム20に対しカムローブ22を位相させる可変動弁装置15は、カムローブ22が回動可能であるために、同装置15特有の問題が伴う。
すなわち、吸気側のカムシャフト14(組付けカム付きシャフト部材)は、カムが一体に形成された排気側のカムシャフト13とは異なり、組付けカムであるカムローブ22が変位できることが求められるため、アウタカムシャフト17aとの間には、変位させるのに必要な微小なクリアランスが存在する。しかも、クリアランスには、カムローブ22やアウタカムシャフト17aの部品公差や双方の部品を組み付けるときの組立公差が加わるため、カム山部22aは広範囲を変位しやすく、カム面22cの姿勢はばらつきやすい(一定でない)。このため、図6(a)に示されるようにカム面22cは、カム軸中心に対してミスアライメントが生じやすくなる。
さらに固定カム20を基準としてカム山部22aのカム位相を可変する構造は、図5中のB、Cの状態では、バルブリフト荷重が時間差で固定カム20、カム山部22aに働くため、それによってもミスアライメントが生じる。この点を説明すると、シャフトにカムが一体的に固定された一般的なカムシャフト(排気用のカムシャフト13)では、固定カム位置に有るカムとカムローブ位置に有るカムの間にカムジャーナルを有する場合、双方のカムが概ね同一のバルブリフトやタイミングである場合は前記カムジャーナル幅に均等にバルブリフト荷重が働くため、ミスアライメントは大きくならない。しかし、可変動弁装置15で、固定カム20とカムローブ22の位相をずらした場合、カムジャーナル18b幅方向の前後に時間差でバルブリフト荷重が働くため、大きなミスアライメントが発生する。
こうしたカム面22cのミスアライメントが生じると、図6(a)に示されるようにタペット9のカム当接面の所定位置であるクラウニングを施した頂部9aとカム幅端部との接触が生じることがある。また、バルブリフトが設計されたカム通りに行われないことが起こる。このようなことが発生すると、図6(a)に示されるようにカム面22cはタペット9のカム当接部との接触面積が減り、高荷重となり、良好な潤滑状態が保てなくなるため、当該接触部のフリクションの増大や偏磨耗の要因となる。
そこで、組付けカムのカム幅と通常のシャフト一体のカムのカム幅とが同じではなく、異ならせるという考えを採用して、上記の点を改善した。具体的には、図1に示されるように位相の可変を行うカム山部22aのカム面22cのカム幅寸法aを、カムが一体に形成されたカムシャフトのカム幅寸法、ここでは排気側のカムシャフト13の排気カム12(固定カム)のカム面12aのカム幅寸法cよりも大きくした(a>c)。
これにより、図6(b)に示されるようにミスアライメントが生じてもタペット9のカム当接面のクラウニングを施した頂面9aと、カム山部22aのカム幅端部との接触が避けられる。つまり、カム面22cのミスアライメントによる頂面9a(カム当接部)との接触面積が維持される。これにより、カム山部22aと頂面9aとにおける接触部の荷重が分散でき、最大荷重も低下する。
また基準側の固定カム20のカム面20aのカム幅寸法bも、排気側のカムシャフト13の排気カム12(シャフトと一体の固定カム)のカム面12aのカム幅寸法cよりも大きくしてある。これにより、固定カム20についても、同様にカム面20aのカム幅端部と頂面9aとの接触は避けられ、カム面20aのミスアライメントによる頂面9a(カム当接部)との接触面積が維持される。
これは、カム山部22aのカム幅を大きくすると、カム山部22aのカム面22cにおけるミスアライメントに対する許容範囲は増す。しかも、カム山部22a自体の安定性も増すから、カム山部22aを回動するためのクリアランスや組立公差の影響が抑えられることによる。これは基準側の固定カム20のカム幅を大きくしたことについてもいえる。
したがって、簡単な構造で、位相の可変を行うカムのミスアライメントに対する耐性が高められる。これは、カム山部22aが固定カム20を基準に周方向に変位するスプリット可変に伴うミスアライメント、すなわちカムジャーナル幅方向の前後に時間差でバルブリフト荷重が働くときに発生するミスアライメントに対しても同様である。
それ故、カムシャフト14は、従来カムと同様にシリンダヘッド2に組み付けることができ(図2)、面倒なアライメント作業やその前の各部品の加工精度向上を抑えることができる(加工精度が不要)。さらには、ミスアライメントによるカム山部22a(組付けカム)とアウタカムシャフト17aの摺動面に働く偏荷重の最大値も小さくなり、フリクション増による応答性の悪化や偏摩耗も抑制できる。しかも、カム山部22aの傾きは、カム幅寸法を大きくしたことで抑えられるから、カム山部22aの不安定さを要因としたフリクションや偏磨耗の発生が抑えられ、良好な可変性能を確保することができる。加えて、設計どおりのバルブリフトが得られるため、性能低下やNVHの悪化もない。そのうえ、アウタカムシャフト17aは、曲げ剛性の低いパイプ部材で形成されているので、カム山部22aのカム幅が大きくなると、カム山部22aからアウタカムシャフト17aへと伝わる力が分散され、良好な可変性能が保たれる。
特に図2および図4に示されるようにカム山部22aのカム幅寸法aは、基準となる固定カム20のカム幅寸法bよりも大きくしてある(a>b,a>c,b>c)。このようにそれぞれ最適なカム幅とすることで、部品公差、組立公差の影響やスプリット可変に伴うミスアライメントに有効に対応できる。
なお、こうした効果は、タペット9のカム当接面のクラウニングをカム面22c側に設けた場合についても同様に得られることはいうまでもない。
図7は本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、第1の実施形態のような固定カム20(第1カム)とカムローブ22(第2カム)とを組み付けた二重シャフト17(シャフト部材)の一方の端部に位相変更装置25を設けて、固定カム20に対しカムローブ22の位相を可変する可変動弁装置15ではなく、さらに固定カム20の位相とカムローブ22の位相を一体に可変させる機能を加えた可変動弁装置50に、本発明を適用したものである。
すなわち可変動弁装置50は、固定カム20(基準固定カム)とカムローブ22(組付けカム)とを組み付けた二重シャフト17の一方の端部、例えばエンジン後部側の端部に第1の実施形態と同じ構造の位相変更機構25(第1)を連結し、他方のエンジン前部側の端部に、VVTといった回動ベーン構造で形成される第2の位相変更機構51を連結して、アウタカムシャフト17aとインナカムシャフト17bの相対変位による位相の可変の他に、アウタカムシャフト17aとインナカムシャフト17bの一体な回動変位から、固定カム20とカムローブ22との位相が一体に可変されるようにしたものである。
本発明を可変動弁装置50に適用しても第1の実施形態と同様な効果を奏する。但し、図7において第1の実施形態同一部分には同一符号を付してその説明を省略した。
なお、本発明は上述したいずれの実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば実施形態では、タペットでカム変位を受けてバルブを駆動する構造を挙げたが、これに限らず、他の従動部材、例えばロッカ部材でカム変位を受けてバルブを駆動する構造に本発明を適用してもよい。ロッカ部材でバルブを駆動する場合、ロッカ部材のカム側に1つのカム当接面をもち、バルブ側に二股状のバルブ駆動部をもち、1つのカムで複数のバルブを駆動するときがあるが、この場合にはカム幅寸法は、実カム幅を駆動弁数で割った1弁当り寸法を指す(=実カム軸/駆動弁数)。もちろん、本発明は上述した実施形態のような一対の吸気カムの位相を相対的に変更する可変動弁装置に限らず、図示はしないが一対の排気カムの位相を相対的に変更する可変動弁装置に適用してもよい。
10 吸気バルブ
12 排気カム(固定カム)
12a 排気カムのカム面
13 排気側のカムシャフト(カムシャフト部材)
14 吸気側のカムシャフト(組付けカム付きシャフト部材)
15 可変動弁装置
19 吸気カム
20 固定カム(基準固定カム)
20a 固定カムのカム面
22a カム山部(組付けカム)
22c カム山部のカム面
25 カム位相変更機構
a カム山部のカム幅
b 固定カムのカム幅
c 排気カム(固定カム)のカム幅

Claims (3)

  1. 内燃機関のクランク出力により駆動される複数のシャフト部材を備える可変動弁装置であって、
    前記複数のシャフト部材は、
    前記吸気バルブまたは前記排気バルブを駆動するカム面を有する組付けカムが組み付けられた組付けカム付きシャフト部材と、
    前記組付けカム付きシャフト部材とは別に、固定カムが一体的に形成されたカムシャフト部材と、を備え、
    前記組付けカムのカム面は、前記固定カムのカム面のカム幅よりも大きなカム幅寸法で形成されてなる
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記吸気バルブまたは前記排気バルブは、一気筒に対して複数設けられており、
    前記組付けカム付きシャフト部材には、前記組付けカムとは別に前記複数の吸気バルブまたは排気バルブのいずれかを駆動する基準固定カムが一体的に形成されており、
    前記基準固定カムのカム面は、前記カムシャフト部材に一体的に形成された前記固定カムのカム面のカム幅よりも大きなカム幅寸法で形成されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記組付けカムは、前記組付けカム付きシャフト部材の外側に周方向に変位可能に組み付けられており、
    前記組付けカムの位相を前記基準固定カムに対して変更するカム位相変更機構をさらに備えており、
    前記組付けカムのカム面は、前記基準固定カムのカム面のカム幅よりも大きなカム幅寸法で形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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