JP2011111553A - インプリント用硬化性組成物、硬化物および硬化物の製造方法 - Google Patents

インプリント用硬化性組成物、硬化物および硬化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パターンニング繰り返し耐性に優れたインプリント用硬化性組成物を提供する。
【解決手段】(A)光ラジカル発生剤と(B)重合性単量体を含むインプリント用硬化性組成物であって、前記(A)光ラジカル発生剤が、イミダゾール2量体であり、前記(B)重合性単量体の含有量が該組成物中の溶剤を除く成分の80重量%以上である、インプリント用硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、インプリント用硬化性組成物および該組成物を硬化させてなる硬化物、ならびに、硬化物の製造方法に関する。
光ナノインプリント法によってパターンを形成する場合、アクリレートモノマーと光重合開始剤を含む組成物を利用できることが報告されている(非特許文献1)。この文献では、インプリント法におけるパターン形成に関して記述はあるものの、組成物を硬化した後の硬化樹脂を、モールドから離型する際の硬化樹脂の基板に対する密着性に関して詳細な記載がない。しなしながら、かかる基板密着性は産業上重要である。
光インプリント工程において、パターニングの繰返し耐性に関しては、硬化樹脂と基板との密着性、および、硬化樹脂とモールドとの離型性(剥離力)が密接に関わっていると推察される。
光インプリント工程における硬化樹脂と基板の密着性の向上については、種々検討されており、例えば、特許文献1および特許文献2には、シランカップリング剤を添加することによって、基板との密着性が向上することが記載されている。
また、光インプリント工程における硬化樹脂とモールドとの離型性の向上については、特許文献3および特許文献4において、離型剤としてフッ素系材料やシリコン系材料を用いることが報告されている。
特開2007−84625号公報 特開2008−105414号公報 特開2007−1250号公報 特開2005−84561号公報
J.Vac.Sci.Technol.B 16(6), Nov/Dec 1996
しかしながら、本願発明者が上記課題を検討したところ、単純にシランカップリング剤と離型剤を組み合わせた場合、パターニング繰返し耐性に関して、一定の向上は見られるものの、実用上のレベルには到達していないことが分かった。本願発明はかかる課題を解決することを目的としたものであって、パターニング繰返し耐性に優れた硬化性組成物を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本願発明者らは、シランカップリング剤および離型剤以外の成分を検討することによって、パターニング繰り返し耐性を向上させることを検討した。そして、光ラジカル発生剤としてイミダゾールを用い、かつ、重合性単量体の含有量を80重量%以上とすることにより、パターニング繰り返し耐性を向上させることに成功した。特に、シランカップリング剤や離型剤以外の成分によって、パターニング繰り返し耐性を向上できた点において、本発明は極めて有為である。
具体的には、以下の手段により、本願発明の課題は解決された。
(1)(A)光ラジカル発生剤と(B)重合性単量体を含むインプリント用硬化性組成物であって、前記(A)光ラジカル発生剤が、イミダゾール2量体であり、前記(B)重合性単量体の含有量が該組成物中の溶剤を除く成分の80重量%以上である、インプリント用硬化性組成物。
(2)前記(A)光ラジカル発生剤が、ヘキサアリールビスイミダゾールである、(1)に記載のインプリント用硬化性組成物。
(3)さらに、(C)メルカプト化合物および/または置換メチルカルボン酸化合物を含有する(1)または(2)に記載のインプリント用硬化性組成物。
(4)さらに、(D)シランカップリング剤を含む(1)〜(3)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
(5)前記(D)シランカップリング剤が炭素炭素不飽和結合を有する、(4)に記載のインプリント用硬化性組成物。
(6)前記(D)シランカップリング剤が炭素炭素不飽和結合および窒素原子を有する(4)に記載のインプリント用硬化性組成物。
(7)前記(D)シランカップリング剤が炭素炭素不飽和結合およびアミノ基を有する(4)に記載のインプリント用硬化性組成物。
(8)さらに、増感剤を含む、(1)〜(7)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
(9)該組成物の粘度が、3〜30mPa・sである、(1)〜(8)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
(10)溶剤の含有量が該組成物の全成分の5重量%以下である、(1)〜(9)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
(11)(B)重合性単量体が、(メタ)アクリレートである、(1)〜(10)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
(12)(1)〜(11)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物を硬化してなる硬化物。
(13)(1)〜(11)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物を基材上に適用してパターン形成層を形成する工程と、
前記パターン形成層表面にモールドを押圧する工程と、
前記パターン形成層に光を照射する工程と、
を含むことを特徴とする硬化物の製造方法。
(14)さらに、光が照射された前記パターン形成層を加熱する工程を含むことを特徴とする(13)に記載の硬化物の製造方法。
本発明により、インプリントパターニング繰返し耐性に優れたインプリント用硬化性組成物を提供可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
また、本明細書中において、“メタ(アクリレート)”は“アクリレート”および“メタクリレート”を表し、“メタ(アクリル)”は“アクリル”および“メタクリル”を表し、“メタ(アクリロイル)”は“アクリロイル”および“メタクリロイル”を表す。さらに、本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が1,000以下の化合物をいう。本明細書中において、“官能基”は重合反応に関与する基をいう。
なお、本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本発明でいう“インプリント”は、好ましくは、1nm〜10mmのサイズのパターン転写をいい、より好ましくは、およそ10nm〜100μmのサイズ(ナノインプリント)のパターン転写をいう。
本発明のインプリント用硬化性組成物は、光ナノインプリントリソグラフィを適用可能な分野に広く適用することができる。本発明によれば、以下のような特徴を有するインプリント用硬化性組成物を提供しやすいという利点がある。
(1)室温での溶液流動性に優れるため、モールド凹部のキャビティ内に該組成物が流れ込みやすく、大気が取り込まれにくいためバブル欠陥を引き起こすことがなく、モールド凸部、凹部のいずれにおいても光硬化後に残渣が残りにくい。
(2)硬化後の硬化膜は機械的性質、塗膜と基材との密着性、および、塗膜とモールドとの剥離性に優れるため、モールドを引き剥がす際にパターン崩れや塗膜表面に糸引きが生じて表面荒れを引き起こすことがなく、良好なパターンを形成できる(良好なパターン転写精度)。
(3)塗布均一性に優れるため、大型基材への塗布・微細加工分野などに適する。
(4)光透過性、残膜性、耐擦傷性(硬化性)などの機械特性、耐溶剤性が高いので、各種の永久膜としてとして好適に用いることができる。
このため、本発明のインプリント用硬化性組成物は、例えば、これまで展開が難しかった半導体集積回路や液晶表示装置用部材(特に、液晶ディスプレイの薄膜トランジタ、液晶カラーフィルタの保護膜、スペーサー、その他の液晶表示装置用部材の微細加工用途等)に好適に適用でき、その他の用途、例えば、プラズマディスプレイパネル用隔壁材、フラットスクリーン、マイクロ電気機械システム(MEMS)、センサ素子、光ディスク、高密度メモリーデイスク等の磁気記録媒体、回折格子ヤレリーフホログラム等の光学部品、ナノデバイス、光学デバイス、光学フィルムや偏光素子、有機トランジスタ、カラーフィルタ、オーバーコート層、柱材、液晶配向用リブ材、マイクロレンズアレイ、免疫分析チップ、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、光導波路、光学フィルター、フォトニック液晶等の作製にも幅広く適用することができる。
本発明のインプリント用硬化性組成物(以下、単に「本発明の組成物」ということがある)は、(A)光ラジカル発生剤と(B)重合性単量体を含み、前記(A)光ラジカル発生剤が、イミダゾール2量体であり、前記(B)重合性単量体の含有量が該組成物中の溶剤を除く成分の80重量%以上である。以下にこれらを詳細に説明する。
(A)光ラジカル発生剤
本発明では、光ラジカル発生剤として、イミダゾール2量体を用いる。イミダゾール2量体は、好ましくは、ヘキサアリールビスイミダゾールであり、より好ましくはハロゲン原子を含むヘキサアリールビスイミダゾールであり、塩素原子、フッ素原子および臭素原子の少なくとも1種を含むヘキサアリールビスイミダゾールであることがさらに好ましい。このようなイミダゾールを用いることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。本発明で用いられるイミダゾール2量体の分子量は、好ましくは、590〜900である。
本発明で用いられるイミダゾール2量体の具体例としては、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール等が挙げられる。
この中で特に、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾールが好ましい。また、これらのイミダゾール2量体は、単独で用いてもよく、それらから選ばれる2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物において、イミダゾール2量体は、溶剤を除く成分に対し、0.1〜10重量%の割合で添加されることが好ましく、1〜5重量%の割合で添加されることがより好ましい。
(B)重合性単量体
本発明では、重合性単量体を、溶剤を除く成分の80重量%の割合で含み、好ましくは、80〜99重量%、より好ましくは90〜99重量%の割合で含む。重合性単量体を80重量%以下とすると、パターニング繰り返し耐性が劣ってしまう。これは、重合性単量体の含有量が80重量%以下の硬化性組成物をインプリント用硬化性組成物として用いる場合、通常、ポリマー成分が必要になる。しかしながら、本願発明者が検討した結果、ポリマー成分の含量を多くすると、パターニング繰り返し耐性が劣ってしまうことに基づく。従って、本願発明における重合性単量体は、分子量が1,000以下のものをいい、好ましくは、分子量200〜600のものである。
前記重合性単量体としては、例えば、エチレン性不飽和結合含有基を1〜6個有する重合性不飽和単量体;オキシラン環を有する化合物(エポキシ化合物);ビニルエーテル化合物;スチレン誘導体;フッ素原子を有する化合物;プロペニルエーテルまたはブテニルエーテル等を挙げることができ、光照射時の硬化性促進の観点から、エチレン性不飽和結合含有基を1〜6個有する重合性不飽和単量体が好ましく、1官能または多官能の(メタ)アクリレートが好ましい。
重合性単量体としては、具体的には、特開2009−206197号公報の段落番号0066〜0083に記載のものを好ましく採用できる。
本発明では、重合性単量体として、単官能(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリレートの両方を含むことが好ましく、単官能(メタ)アクリレートが、全重合性単量体の30〜60重量%を占めることが好ましく、40重量%以上50重量%未満であることがより好ましい。
(C)水素供与体
本発明の組成物には、メルカプト化合物および/または置換メチルカルボン酸を添加することが好ましい。これらの化合物は、水素供与体として働き、硬化を促進させる。本発明では、メルカプト化合物を添加することが特に好ましい。
これらの化合物の添加量は、組成物に対して5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。下限値は特に定めるものではないが、例えば、0.1重量%以上とすることができる。
本発明の組成物に好ましく用いられるメルカプト化合物としては、置換または無置換のアルキルメルカプタン、置換または無置換の芳香族メルカプタン、置換または無置換の複素芳香族メルカプタンが挙げられ、特にアルキルメルカプタンと複素芳香族メルカプタンが好ましい。
本発明で好ましく用いられるメルカプト化合物としては、ドデシルメルカプタン、カレンズMT PE1(昭和電工(株))、メルカプトプロピオン酸2エチルヘキシル、ビスメルカプトプロピオン酸エチル、トルエンチール、N−フェニルメルカプトベンゾイミダゾール、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトチアジアゾールが挙げられる。この中でも、N−フェニルメルカプトベンゾイミダゾール、カレンズMT PE1(昭和電工(株))が好ましい。
本発明に好ましく用いられる置換メチルカルボン酸としては、N−フェニルグリシン、フェニルチオメチルカルボン酸、N−フェニル−N−アニリドカルボニルメチル−メチルカルボン酸が挙げられる。
(D)シランカップリング剤
本発明の組成物は、シランカップリング剤を含んでいることが好ましい。シランカップリング剤を用いることにより、パターニング繰返し耐性がさらに向上する。この効果は、特に、後述する離型剤と併用することにより顕著である。
本発明の組成物に用いることのできるシランカップリング剤としては、例えば、特開2009−206197号公報の段落番号0101に記載のものを好ましく採用することができる。
本発明で用いるシランカップリング剤としては、特に好ましくは、アルコキシシリル基(シランカップリング基)を有し、かつ、炭素数4以上の有機基を有するものである。有機基の炭素数の上限は特に定めるものではないが、通常、20以下である。
本発明で用いるシランカップリング剤は、炭素炭素不飽和結合を有するシランカップリング剤が好ましい。炭素炭素不飽和結合としては、炭素炭素二重結合であっても、炭素炭素三重結合であってもよく、炭素炭素二重結合が好ましい。
本発明で用いるシランカップリング剤の分子量は、100〜600が好ましく、150〜500がより好ましい。
炭素炭素不飽和結合を含むシランカップリング剤としては、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
本発明では、さらに好ましくは、炭素炭素不飽和結合と窒素原子を共に有するシランカップリング剤が好ましく、炭素炭素不飽和結合とアミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
炭素炭素不飽和結合と窒素原子を共に有するシランカップリング剤としては下記の構造が挙げられる。下記に示すシランカップリング剤は、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物とアミノプロピル基を有するシランカップリング剤を混合することにより簡便に調整できる。
Figure 2011111553
上述シランカップリング剤は、例えば、本発明の組成物の溶剤を除く成分中に、0.1〜25質量%の範囲で含むことが好ましく、1〜15質量%の範囲で含むことがより好ましい。
離型剤
本発明の組成物は、離型剤を含んでいることが好ましい。離型剤を用いることにより、パターニング繰返し耐性がさらに向上する。この効果は、特に、上述のシランカップリング剤と併用することにより顕著である。
離型剤としては従来公知の離型剤、例えば、シリコーン系離型剤、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー(テフロンは登録商標)等の固形ワックス、フッ素系、リン酸エステル系化合物等が何れも使用可能である。また、これらの離型剤をモールドに付着させておくこともできる。
離型剤の具体例については、例えば、特開2009−206197号公報の段落番号0094〜0099に記載のものを好ましく採用することができる。
離型剤を本発明のインプリント用硬化性組成物に添加する場合、溶剤を除く組成物全量中に0.001〜10質量%の割合で配合することが好ましく、0.01〜5質量%の範囲で添加することがさらに好ましい。離型剤の含有量が0.01〜5質量%の範囲内にあると、モールドとインプリント用硬化性組成物層との剥離性向上効果が向上し、さらに組成物の塗工時のはじきによる塗膜面の面荒れの問題が生じたり、製品において基材自身や近接する層、例えば、蒸着層の密着性を阻害したり、転写時における皮膜破壊等(膜強度が弱くなりすぎる)が生じるのを抑制することができる。
増感剤
本発明の組成物は、増感剤を含んでいてもよい。増感剤を含むことにより、組成物の硬化感度が向上する傾向にある。増感剤は露光光源との吸収マッチングを考慮し、適宜選択できる。添加量は、本発明の組成物の溶剤を除く全量中に、5重量%以下で添加されることが好ましく、3重量%以下がより好ましい。下限値は特に定めるものではないが、例えば、0.1重量%以上とすることができる。
本発明で用いることができる増感剤としては、特開2000−10277号公報や特開2004−198446号公報に記載のジアミノベンゾフェノン系化合物、特開2004−198446号公報に記載のアミノフェニル−ベンゾイミダゾール/ベンゾオキサゾール/ベンゾチアゾール系化合物、特開2002−169282号公報等に記載のメロシアニン系化合物、特開2002−268239号公報等に記載のチアゾリデンケトン系化合物、特開2005−62415号公報等に記載のイミド系化合物、特開2005−107191号公報等に記載のアクリドン系化合物等が挙げられる。
その他の成分
本発明の組成物には前記成分の他に必要に応じて、ポリマー成分、酸化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、可塑剤、密着促進剤、熱重合開始剤、光塩基発生剤、着色剤、エラストマー粒子、光酸増殖剤、塩基性化合物、および、その他流動調整剤、消泡剤、分散剤等を添加してもよい。これらの添加剤については、特開2009−206197号公報の記載を参酌することができる。
また、本発明のインプリント用硬化性組成物には溶剤を用いることもできるが、実質的に無溶剤型組成物であることが好ましい。ここで、“実質的に無溶剤型組成物である"とは、組成物中に実質的に有機溶剤が含まれていない組成物を意味し、具体的には、組成物中の有機溶剤の含有量が、全組成物中、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下であり、さらに好ましくは2重量%以下であり、含有しないことが最も好ましい。すなわち本発明の組成物は、好ましくは前記のような1官能およびまたは2官能の他の単量体を反応性希釈剤として含むため、本発明の組成物の成分を溶解させるための有機溶剤は、必ずしも含有する必要がない。また、有機溶剤を含まなければ、溶剤の揮発を目的としたベーキング工程が不要となるため、プロセス簡略化に有効となるなどのメリットが大きい。このように、本発明の組成物は、必ずしも、有機溶剤を含むものではないが、反応性希釈剤では、溶解しない化合物などを、本発明の組成物として溶解させる場合や粘度を微調整する際など、任意に添加してもよい。本発明の組成物に好ましく使用できる有機溶剤の種類としては、光インプリント用硬化性組成物やフォトレジストで一般的に用いられている溶剤であり、本発明で用いる化合物を溶解および均一分散させるものであればよく、かつこれらの成分と反応しないものであれば特に限定されない。
前記有機溶剤としては、例えば、特開2009−206197号公報の段落番号0122〜0124の記載を参酌することができる。
また、本発明のインプリント用硬化性組成物の25℃における粘度は3〜30mPa・sであることが好ましい。本発明における粘度は特に述べない限り、25℃における粘度をいう。本発明のインプリント用硬化性組成物は、25℃における粘度を、3〜30mPa・sとすることにより、硬化前の微細凹凸パターンの形成能、塗布適性およびその他の加工適性を付与でき、硬化後においては解像性、ラインエッジラフネス性、残膜特性、基板密着性或いは他の諸点において優れた塗膜物性を付与できる。本発明の組成物の粘度が3mPa・s以上だと、基板塗布適性の問題や膜の機械的強度の低下が生じにくい。具体的には、組成物の塗布の際に面上ムラを生じにくく、塗布時に基板から組成物が流れ出にくい。一方、本発明の組成物の粘度が30mPa・s以下であると微細な凹凸パターンを有するモールドを光硬化性組成物に密着させた場合、モールドの凹部のキャビティ内に組成物が流れやすく、大気が取り込まれにくいためバブル欠陥を引き起こしにくく、モールド凸部において光硬化後に残渣が残るのを抑制することができる。本発明のインプリント用硬化性組成物の粘度としては、好ましくは5〜27mPa・sであり、より好ましくは7〜25mPa・sである。
一般的に、組成物の粘度を調整するには、粘度の異なる各種の単量体、オリゴマー、ポリマーをプレンドすることが可能である。本発明のインプリント用硬化性組成物の粘度を前記範囲内に設計するためには単量体の単体粘度が10mPa・s以下の化合物を用いて組成物を希釈し、組成物の粘度を調整することが好ましい。
[硬化物の製造方法]
次に、本発明のインプリント用硬化性組成物を用いた硬化物(特に、微細凹凸パターン)の製造方法について説明する。本発明の硬化物の製造方法では、本発明のインプリント用硬化性組成物を基板または支持体(基材)上に塗布してパターン形成層を形成する工程と、前記パターン形成層表面にモールドを圧接する工程と、前記パターン形成層に光を照射する工程と、を経て本発明の組成物を硬化することで、微細な凹凸パターンを形成することができる。特に本発明においては、硬化物の硬化度を向上させるために、更に、光照射後にパターン形成層を加熱する工程を含むことが好ましい。
本発明の硬化物の製造方法によって得られた硬化物は、パターン精密度、硬化性、光透過性に優れ、特に、液晶カラーフィルタの保護膜、スペーサー、その他の液晶表示装置用部材として好適に用いることができる。
具体的には、基材(基板または支持体)上に少なくとも本発明の組成物からなるパターン形成層を塗布し、必要に応じて乾燥させて本発明の組成物からなる層(パターン形成層)を形成してパターン受容体(基材上にパターン形成層が設けられたもの)を作製し、当該パターン受容体のパターン形成層表面にモールドを圧接し、モールドパターンを転写する加工を行い、微細凹凸パターン形成層を光照射および加熱により硬化させる。光照射および加熱は複数回に渡って行ってもよい。本発明のパターン形成方法(硬化物の製造方法)による光インプリントリソグラフィは、積層化や多重パターニングもでき、通常の熱インプリントと組み合わせて用いることもできる。
本発明のインプリント用硬化性組成物は、光インプリント法により微細なパターンを低コスト且つ高い精度で形成すること可能である。このため、従来のフォトリソグラフィ技術を用いて形成されていたものをさらに高い精度且つ低コストで形成することができる。例えば、基板または支持体上に本発明の組成物を塗布し、該組成物からなる層を露光、硬化、必要に応じて乾燥(ベーク)させることによって、液晶ディスプレイ(LCD)などに用いられる、オーバーコート層や絶縁膜などの永久膜や、半導体集積回路、記録材料、あるいはフラットパネルディスプレイなどのエッチングレジストとして適用することも可能である。特に本発明のインプリント用硬化性組成物を用いて形成されたパターンは、エッチング性にも優れ、フッ化炭素等を用いるドライエッチングのエッチングレジストとしても好ましく用いることができる。本発明のインプリント用硬化性組成物は、硬化後の光透過性に優れることから、特にオーバーコート層や絶縁膜などの永久膜を作製に好適である。
液晶ディスプレイ(LCD)などに用いられる永久膜(構造部材用のレジスト)や電子材料の基板加工に用いられるレジストにおいては、製品の動作を阻害しないようにするため、レジスト中の金属あるいは有機物のイオン性不純物の混入を極力避けることが望ましい。このため、本発明のインプリント用硬化性組成物中における金属または有機物のイオン性不純物の濃度としては、1000ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは100ppb以下にすることが好ましい。
以下において、本発明のインプリント用硬化性組成物を用いた硬化物の製造方法(パターン形成方法(パターン転写方法))について具体的に述べる。
本発明の硬化物の製造方法においては、まず、本発明の組成物を基材上に塗布してパターン形成層を形成する。
本発明のインプリント用硬化性組成物を基材上に塗布する際の塗布方法としては、一般によく知られた塗布方法、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート方法、スリットスキャン法などを挙げることができる。また、本発明の組成物からなるパターン形成層の膜厚は、使用する用途によって異なるが、0.05μm〜30μm程度である。また、本発明の組成物を、多重塗布により塗布してもよい。尚、基材と本発明の組成物からなるパターン形成層との間には、例えば平坦化層や接着剤層等の他の有機層などを形成してもよい。これにより、パターン形成層と基材とが直接接しないことから、基材に対するごみの付着や基材の損傷等を防止したり、パターン形成層と基材との密着性を向上したりすることができる。尚、本発明の組成物によって形成されるパターンは、基材上に有機層を設けた場合であっても、有機層との密着性に優れる。
本発明のインプリント用硬化性組成物を塗布するための基材(基板または支持体)は、種々の用途によって選択可能であり、例えば、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni,Cu,Cr,Feなどの金属基板、紙、SOG(Spin On Glass)、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等のポリマー基板、TFTアレイ基板、PDPの電極板、ガラスや透明プラスチック基板、ITOや金属などの導電性基材、絶縁性基材、シリコーン、窒化シリコーン、ポリシリコーン、酸化シリコーン、アモルファスシリコーンなどの半導体作製基板など特に制約されない。また、基材の形状も特に限定されるものではなく、板状でもよいし、ロール状でもよい。また、後述のように前記基材としては、モールドとの組み合わせ等に応じて、光透過性、または、非光透過性のものを選択することができる。
次いで、本発明の硬化物の製造方法においては、パターン形成層にパターンを転写するために、パターン形成層表面にモールドを(押圧)押接する。これにより、モールドの押圧表面にあらかじめ形成された微細なパターンをパターン形成層に転写することができる。
本発明で用いることのできるモールド材について説明する。本発明の組成物を用いた光インプリントリソグラフィは、モールド材および/または基材の少なくとも一方に、光透過性の材料を選択する。本発明に適用される光インプリントリソグラフィでは、基材の上に本発明のインプリント用硬化性組成物を塗布してパターン形成層を形成し、この表面に光透過性のモールドを押圧し、モールドの裏面から光を照射し、前記パターン形成層を硬化させる。また、光透過性基材上に光インプリント用硬化性組成物を塗布し、モールドを押し当て、基材の裏面から光を照射し、光インプリント用硬化性組成物を硬化させることもできる。
前記光照射は、モールドを付着させた状態で行ってもよいし、モールド剥離後に行ってもよいが、本発明では、モールドを密着させた状態で行うのが好ましい。
本発明で用いることのできるモールドは、転写されるべきパターンを有するモールドが使われる。前記モールド上のパターンは、例えば、フォトリソグラフィや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じてパターンが形成できるが、本発明では、モールドパターン形成方法は特に制限されない。
本発明において用いられる光透過性モールド材は、特に限定されないが、所定の強度、耐久性を有するものであればよい。具体的には、ガラス、石英、PMMA、ポリカーボネート樹脂などの光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示される。
本発明において光透過性の基材を用いた場合に使われる非光透過型モールド材としては、特に限定されないが、所定の強度を有するものであればよい。具体的には、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、SiC、シリコーン、窒化シリコーン、ポリシリコーン、酸化シリコーン、アモルファスシリコーンなどの基板などが例示され、特に制約されない。また、モールドの形状も特に制約されるものではなく、板状モールド、ロール状モールドのどちらでもよい。ロール状モールドは、特に転写の連続生産性が必要な場合に適用される。
本発明の硬化物の製造方法で用いられるモールドは、光インプリント用硬化性組成物とモールド表面との剥離性を向上させるために離型処理を行ったものを用いてもよい。このようなモールドとしては、シリコーン系やフッソ系などのシランカップリング剤による処理を行ったもの、例えば、ダイキン工業(株)製のオプツールDSXや、住友スリーエム(株)製のNovec EGC−1720等、市販の離型剤も好適に用いることができる。
本発明の組成物を用いて光インプリントリソグラフィを行う場合、本発明の硬化物の製造方法では、通常、モールド圧力を10気圧以下で行うのが好ましく、さらには3気圧以下が好ましい。モールド圧力を10気圧以下とすることにより、モールドや基板が変形しにくくパターン精度が向上する傾向にある。また、加圧が低いため装置を縮小できる傾向にある点からも好ましい。モールド圧力は、モールド凸部の光インプリント用硬化性組成物の残膜が少なくなる範囲で、モールド転写の均一性が確保できる領域を選択することが好ましい。
本発明の硬化物の製造方法中、前記パターン形成層に光を照射する工程における光照射の照射量は、硬化に必要な照射量よりも十分大きければよい。硬化に必要な照射量は、光インプリント用硬化性組成物の不飽和結合の消費量や硬化膜のタッキネスを調べて適宜決定される。
また、本発明に適用される光インプリントリソグラフィにおいては、光照射の際の基板温度は、通常、室温で行われるが、反応性を高めるために加熱をしながら光照射してもよい。光照射の前段階として、真空状態にしておくと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制、モールドと光インプリント用硬化性組成物との密着性向上に効果があるため、真空状態で光照射してもよい。また、本発明の硬化物の製造方法中、光照射時における好ましい真空度は、10-1Paから常圧の範囲である。
本発明のインプリント用硬化性組成物を硬化させるために用いられる光は特に限定されず、例えば、高エネルギー電離放射線、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光または放射線が挙げられる。高エネルギー電離放射線源としては、例えば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロトロン等の加速器によって加速された電子線が工業的に最も便利且つ経済的に使用されるが、その他に放射性同位元素や原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中性子線、陽子線等の放射線も使用できる。紫外線源としては、例えば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯等が挙げられる。放射線には、例えばマイクロ波、EUVが含まれる。また、LED、半導体レーザー光、あるいは248nmのKrFエキシマレーザー光や193nmArFエキシマレーザーなどの半導体の微細加工で用いられているレーザー光も本発明に好適に用いることができる。これらの光は、モノクロ光を用いてもよいし、複数の波長の異なる光(ミックス光)でもよい。
露光に際しては、露光照度を1mW/cm2〜50mW/cm2の範囲にすることが望ましい。1mW/cm2以上とすることにより、露光時間を短縮することができるため生産性が向上し、50mW/cm2以下とすることにより、副反応が生じることによる永久膜の特性の劣化を抑止できる傾向にあり好ましい。露光量は5mJ/cm2〜1000mJ/cm2の範囲にすることが望ましい。5mJ/cm2未満では、露光マージンが狭くなり、光硬化が不十分となりモールドへの未反応物の付着などの問題が発生しやすくなる。一方、1000mJ/cm2を超えると組成物の分解による永久膜の劣化の恐れが生じる。
さらに、露光に際しては、酸素によるラジカル重合の阻害を防ぐため、チッソやアルゴンなどの不活性ガスを流して、酸素濃度を100mg/L未満に制御してもよい。
本発明の硬化物の製造方法においては、光照射によりパターン形成層を硬化させた後、硬化させたパターンに熱を加えてさらに硬化させる工程(ポストベーク工程)を含むのが好ましい。尚、加熱は、光照射後のパターン形成層からモールドを剥離する前後のいずれに行ってもよいが、モールドの剥離後にパターン形成層を加熱するほうが好ましい。光照射後に本発明の組成物を加熱硬化させる熱としては、150〜280℃が好ましく、200〜250℃がより好ましい。また、熱を付与する時間としては、5〜60分間が好ましく、15〜45分間がさらに好ましい。
また、本発明の硬化物の製造方法によって形成されたパターンは、エッチングレジストとしても有用である。本発明のインプリント用組成物をエッチングレジストとして利用する場合には、まず、基材として例えばSiO2等の薄膜が形成されたシリコンウエハ等を用い、基材上に本発明の硬化物の製造方法によってナノオーダーの微細なパターンを形成する。その後、ウェットエッチングの場合にはフッ化水素等、ドライエッチングの場合にはCF4等のエッチングガスを用いてエッチングすることにより、基材上に所望のパターンを形成することができる。本発明のインプリント用硬化性組成物は、特にドライエッチングに対するエッチング耐性が良好である。
本発明のインプリント用硬化性組成物は、前記各成分を混合した後、例えば、孔径0.05μm〜5.0μmのフィルターで濾過することによって溶液として調製することができる。光インプリント用硬化性組成物の混合・溶解は、通常、0℃〜100℃の範囲で行われる。濾過は、多段階で行ってもよいし、多数回繰り返してもよい。また、濾過した液を再濾過することもできる。濾過に使用する材質は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッソ樹脂、ナイロン樹脂などのものが使用できるが特に限定されない。
上述のように本発明の硬化物の製造方法によって形成された硬化物は、液晶ディスプレイ(LCD)などに用いられる永久膜(構造部材用のレジスト)やエッチングレジストとして使用することができる。また、前記永久膜は、製造後にガロン瓶やコート瓶などの容器にボトリングし、輸送、保管されるが、この場合に、劣化を防ぐ目的で、容器内を不活性なチッソ、またはアルゴンなどで置換しておいてもよい。また、輸送、保管に際しては、常温でもよいが、より永久膜の変質を防ぐため、−20℃から0℃の範囲に温度制御してもよい。勿論、反応が進行しないレベルで遮光することが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[インプリント用硬化性組成物]
下記表に従って、光ラジカル発生剤、重合性単量体、水素供与体、シランカップリング剤、増感剤および離型剤を配合し、インプリント用硬化性組成物を調整した。
(A)光ラジカル発生剤
PI−1:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール(黒金化成製、biimidazole)
PI−2:Irg−379(チバスペシャルティーケミカルズ社製)
(B)重合性単量体
M−1:ベンジルアクリレート(ビスコート#160、大阪有機化学工業(株)社製)、1官能アクリル酸エステルモノマーである。
M−2:ブタンジオールジアクリレート(ビスコート#195、大阪有機化学工業(株)製)、2官能アクリル酸エステルモノマーである。
M−3:トリメチロールロパントリアクリレート(KAYARD M309、日本化薬(株)製)、3官能アクリル酸エステルモノマーである。
M−4:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(NKエステル A−TMMT、新中村化学工業(株)製)、多官能アクリル酸エステルモノマーである。
(C)水素供与体
H−1:N−フェニル-2-メルカプトベンゾイミダゾール(シグマ−アルドリッチ製、1-PHENYL-1H-BENZIMIDAZOL-2-YL HYDROSULFIDE)
H−2:カレンズMT PE1(昭和電工(株)製)
(D)シランカップリング剤
S−1:グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(KBE−403、信越化学工業(株)製)
S−2:γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学(株)製)、炭素炭素不飽和結合含有シランカップリング剤である。
SA−1:アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学工業(株)製)とブタンジオールジアクリレート(ビスコート#195、大阪有機化学工業(株)製)の1対1(モル等量)付加物、炭素炭素不飽和結合およびアミノ基含有シランカップリング剤である。
増感剤
X−1:ビスジエチルアミノベンゾフェノン(東京化成工業製、B0139)
離型剤
W−1:KF−352A(変性シリコーン、信越化学工業(株)製)
W−2:メガファックF780F(含フッ素化合物、大日本インキ化学工業(株)製)
バインダーポリマー
B−1:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレンを30/30/40の重量比でメチルエチルケトン(MEK)溶媒中で共重合させた。平均分子量Mw=27000(ポリスチレン換算)であった。得られたポリマーをMEKで固形分30重量%に調整した。表中の添加量は、バインダーポリマーの固形分を換算した値である。
[インプリント用硬化性組成物の評価]
各実施例および比較例の組成物をについて、粘度、パターニング繰り返し耐性について下記評価方法に従って測定・評価を行った。結果を下記表に示す。
<粘度測定>
粘度の測定は、東機産業(株)社製のRE−80L型回転粘度計を用い、25±0.2℃で測定した。測定時の回転速度は、0.5mPa・s以上5mPa・s未満は100rpmで行い、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpmで行い、10mPa・s以上は30mPa・s未満は20rpmで行い、30mPa・s以上60mPa・s未満は10rpmで行い、60mPa・s以上120mPa・s未満は5rpmで行い、120mPa・s以上は1rpmもしくは0.5rpmで行った。
尚、バインダーを添加した組成物は、バインダー溶液中に含まれるMEKを揮発させた後に、粘度測定を行った。
<繰返しパターニング耐性の評価>
各組成物を、膜厚3.0μmとなるようにガラス基板上にスピンコートした。スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするインプリント装置にセットした。次いで、モールドとして、直径20μmで深さ4.0μmの円筒型のパターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング(株)製の「SILPOT184」を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするものを用いた。すなわち、レジストに転写されるパターンは直径20μm、高さ4.0μmの円筒型の形状となる。装置内を真空とした後(真空度10Torr(約1.33kPa))、モールドを基板に圧着させ、窒素パージ(1.5気圧:モールド押し圧)を行い装置内を窒素置換した。これにモールドの裏面から照度10mW/cm2で露光量240mJ/cm2の条件で露光した。露光後、モールドを離し、レジストパターンを得た。
この操作を同一モールドを繰返し使用し、パターニングを20回毎に、転写後のパターン形状を光学顕微鏡にて観察し、転写されるべきパターン形状がモールド原版と比べ、10%以上異なった時のパターニング回数を、そのレジストのパターニング耐性として評価した。
尚、バインダーを添加した組成物については、メチルエチルケトンを用いて希釈した後、スピンコートにより製膜し、評価を行った。
Figure 2011111553
以上の結果により、ラジカル発生剤としてイミダゾール2量体を用い、かつ、重合性単量体を80重量%以上の比率で用いることにより、パターニング耐性を向上させることができることがわかった(実施例1〜7)。これに対し、ラジカル発生剤としてイミダゾール2量体以外のものを用いた場合、重合性単量体の比率が80重量%以上であっても、パターニング繰り返し耐性が著しく劣ることが分かった(比較例1)。また、重合性単量体の含量が80重量%未満の場合、例えば、比較例3では74重量%含んでいるが、パターニング繰り返し耐性は著しく劣ることが分かった。
さらに、ラジカル発生剤としてイミダゾール2量体を用い、かつ、重合性単量体を80重量%以上の比率で用いた場合において、シランカップリング剤を用いることにより、パターニング耐性を飛躍的に向上させることが分かった。特に、シランカップリング剤として、炭素炭素不飽和結合を有するものを用いるとより効果的であり、シランカップリング剤として炭素炭素不飽和結合とアミノ基を有するものを用いるとさらに効果的であることが分かった。
さらに、実施例1と実施例8の比較から、水素供与体を添加することにより、パターニング耐性がさらに向上することが確認された。また、実施例1と実施例9の比較から、増感剤を添加することにより、パターニング耐性がさらに向上することが確認された。

Claims (14)

  1. (A)光ラジカル発生剤と(B)重合性単量体を含むインプリント用硬化性組成物であって、前記(A)光ラジカル発生剤が、イミダゾール2量体であり、前記(B)重合性単量体の含有量が該組成物中の溶剤を除く成分の80重量%以上である、インプリント用硬化性組成物。
  2. 前記(A)光ラジカル発生剤が、ヘキサアリールビスイミダゾールである、請求項1に記載のインプリント用硬化性組成物。
  3. さらに、(C)メルカプト化合物および/または置換メチルカルボン酸化合物を含有する請求項1または2に記載のインプリント用硬化性組成物。
  4. さらに、(D)シランカップリング剤を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
  5. 前記(D)シランカップリング剤が炭素炭素不飽和結合を有する、請求項4に記載のインプリント用硬化性組成物。
  6. 前記(D)シランカップリング剤が炭素炭素不飽和結合および窒素原子を有する請求項4に記載のインプリント用硬化性組成物。
  7. 前記(D)シランカップリング剤が炭素炭素不飽和結合およびアミノ基を有する請求項4に記載のインプリント用硬化性組成物。
  8. さらに、増感剤を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
  9. 該組成物の粘度が、3〜30mPa・sである、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
  10. 溶剤の含有量が該組成物の全成分の5重量%以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
  11. (B)重合性単量体が、(メタ)アクリレートである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物を硬化してなる硬化物。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物を基材上に適用してパターン形成層を形成する工程と、
    前記パターン形成層表面にモールドを押圧する工程と、
    前記パターン形成層に光を照射する工程と、
    を含むことを特徴とする硬化物の製造方法。
  14. さらに、光が照射された前記パターン形成層を加熱する工程を含むことを特徴とする請求項13に記載の硬化物の製造方法。
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