JP2011110879A - ポリカーボネート樹脂成形体の製造方法、ポリカーボネート樹脂成形体、防眩製品および防護製品 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂成形体の製造方法、ポリカーボネート樹脂成形体、防眩製品および防護製品 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリカーボネート樹脂シートに保護フィルムを貼り合わせたままで熱曲げ成形しても良好な外観を有するポリカーボネート樹脂成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 ポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂層を基材に形成した積層体の少なくとも片面に保護フィルムを貼り合わせる工程、
裁断または打ち抜きにより形状加工する工程、
加熱しながら曲げ加工する工程、を含むポリカーボネート樹脂成形体の製造方法で、
前記保護フィルムが、105℃以上130℃以下の融解ピーク(A)および160℃以上175℃未満の融解ピーク(B)の少なくとも2つの融解ピークを有し、これら融解ピークの面積比[(A)/(B)]が35/65以上80/20以下であるポリカーボネート樹脂成形体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂成形体の製造方法、ポリカーボネート樹脂成形体、防眩製品および防護製品に関する。
ポリカーボネート樹脂シートを熱曲げして得られる成形体は、例えば、サングラスやスキーゴーグル、ヘルメットシールド、バイザー、保護面、オートバイの風防など、目、顔または体全体の保護材料として耐衝撃性が要求される用途に好んで用いられる。
このようにポリカーボネート樹脂シートを熱曲げ加工することによって得る方法は、熱曲げ加工前にハードコート機能や偏光機能などに代表される機能性を予めシートに施すことが可能であるため、加工後に同様の処理を行うよりも生産性が高く好んで用いられる製造方法である。
ポリカーボネート樹脂シートを熱曲げ加工する際には、従来保護フィルムを剥した後に成形を行ったり、ポリプロピレンなどに代表されるポリカーボネート樹脂シートの成形温度よりも高い融点を有する保護フィルムを貼り合わせて成形したりしている。
保護フィルムを剥した後に成形を行う場合は、成形型に直接ポリカーボネート樹脂シートが接触するため、成形型の表面精度を上げる必要があり、またポリカーボネート樹脂シートに異物が付着しないよう留意する必要があり作業性を著しく阻害する。
一方、ポリプロピレンなどの保護フィルムを貼り合わせて成形する場合でも、保護フィルムの表面状態や成形型の凹凸を転写しゆず肌などの外観品質上の問題点が発生しやすく、これを防止するために成形型の表面粗さ精度を上げたり、成形型を傷つけないよう注意を要したり、成形型にラバーを貼り付けたりする必要があった。
これらを改善するため、特許文献1には融点の異なる2枚の保護フィルムを用いることが示されている。この方法では、片側に2枚の保護フィルムを用いる必要があるため不経済であること、生産時の工程が煩雑になること、また貼り合わせ界面が片面2箇所ずつとなるため保護フィルムが1枚の場合と比べゴミやエアの噛み込みが起こりやすくなることなどの新たな不具合が生じやすい。またこの方法で成形体を得るために打ち抜きやギロチン式裁断を行う際に保護フィルムからの繊維状のバリ(髭)が発生する。これは保護フィルムが2枚重ねたまま打ち抜きを行うことにより、用いている保護フィルムは2枚とも打ち抜き時に1枚目の保護フィルムと2枚目の保護フィルムを切断するタイミングのずれによりわずかにずれが生じるために起こる。
この繊維状のバリが成形機内や保護フィルムの剥離する際などのライン汚染の原因となったり、成形体から保護フィルムを剥離する際にも断面に残りやすくこれを除去するための工数が必要となったり、必ずしも満足な結果には至っていない。
特許第3856107号公報
本発明は、上記に顧みてなされたものであり、ポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂積層体に保護フィルムを貼り合わせたままで熱曲げ成形しても良好な外観を有するポリカーボネート樹脂成形体の製造方法を提供することである。
上記課題は、下記(1)〜(6)に記載の本発明により達成される。
(1) ポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂層を基材に形成したポリカーボネート樹脂積層体の少なくとも片面に保護フィルムを貼り合わせる工程、
裁断または打ち抜きにより形状加工する工程、
加熱しながら曲げ加工する工程、を含むポリカーボネート樹脂成形体の製造方法で、
前記保護フィルムが、105℃以上130℃以下の融解ピーク(A)および160℃以上175℃未満の融解ピーク(B)の少なくとも2つの融解ピークを有し、これら融解ピークの面積比[(A)/(B)]が35/65以上80/20以下であるポリカーボネート樹脂成形体の製造方法。
(2) 前記加熱しながら曲げ加工する工程が、上記ポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂積層体を成形型に密着させ、賦形させる工程である、前記(1)に記載のポリカーボネート樹脂成形体の製造方法。
(3) 前記ポリカーボネート樹脂積層体が、偏光性薄膜の少なくとも片面にポリカーボネートを含有する樹脂を貼り合わせた積層体である、前記(1)または(2)に記載のポリカーボネート樹脂成形体の製造方法。
(4) 前記ポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂積層体の少なくとも片面に、紫外線硬化性樹脂組成物層を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂成形体の製造方法。
(5) 前記(1)から(4)のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されるポリカーボネート樹脂成形体。
(6) 前記(5)に記載のポリカーボネート樹脂成形体を用いて製造される防眩製品または防護製品。
本発明によれば、ポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂積層体の熱曲げ成形において、特定の種類の保護フィルムを貼り合わせることにより、外観良好かつ繊維状のバリ(髭)の発生が起こらない、熱曲げ成形しても、成形型からの転写やゴミやエアの噛み込みが少なく、生産性にも優れたポリカーボネート樹脂成形体の製造方法を提供することができる。
本発明は、ポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂層を基材に形成したポリカーボネート樹脂積層体の少なくとも片面に保護フィルムを貼り合わせる工程、
裁断または打ち抜きにより形状加工する工程、
加熱しながら曲げ加工する工程、を含むポリカーボネート樹脂成形体の製造方法で、
前記保護フィルムが、105℃以上130℃以下の融解ピーク(A)および160℃以上175℃未満の融解ピーク(B)の少なくとも2つの融解ピークを有し、これら融解ピークの面積比(A)/(B)が35/65以上80/20以下であるポリカーボネート樹脂成形体の製造方法であり、
前記保護フィルムを貼り合わせたままで熱曲げ成形しても、成形型からの転写やゴミやエアの噛み込みが少なく、生産性にも優れたポリカーボネート樹脂成形体の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法に用いる保護フィルムは、前述したポリカーボネート樹脂シートの熱曲げ加工に適した温度にて適度な柔軟性と耐熱性を与えるためにDSC(示差走査熱量計)を用いJIS K 7121に記載の方法により求められる融解ピーク温度(吸熱ピーク)として105℃以上130℃以下の融解ピーク(A)および160℃以上175℃以下の融解ピーク(B)の少なくとも2つのピークを有し、さらにJIS K 7122に記載の方法により求められるこの融解ピーク面積の比(A)/(B)が35/65以上80/20以下である必要がある。
このような融点の融解ピーク温度および融解ピーク面積比を有する保護フィルムを用いることにより、ポリカーボネート樹脂の熱成形温度で溶融するなどの不具合が生じることのない実用上問題ない耐熱性を有し、かつ、熱成形温度で適度な柔軟性を有するため、成形型の表面肌や真空孔または成形型に付着したゴミなどの転写を抑えることができる。
この範囲を逸脱した場合、成形温度により保護フィルムが成形金型や成形体への溶着が起こったり、成形温度による保護フィルムの柔軟性が不十分であったりするため良好な外観の成形体が得られず好ましくない。
また、ポリカーボネート樹脂シートに貼り合わせる保護フィルムは、片面に1枚のみで良いことから、打ち抜きや裁断時の繊維状のバリ(髭)発生が起こりにくく、バリが原因となるラインの汚染や、バリの除去作業を行う必要がない上、保護フィルムを貼り合わせる回数が一回で済むため、生産性にも優れる。
保護フィルムの組成としては、特に限定されるものではないが、不十分な加熱でも成形型に密着させることが出来る十分な伸び性を有する熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン樹脂、さらにはこれらの混合物を用いることが例として挙げられる。
前記の融解ピーク温度および融解ピーク面積の比を満たすことができればこれらに限らず、いずれの熱可塑性樹脂を用いても良い。
裁断または打ち抜きにより形状加工する工程としては、ギロチン、シャーリング、カッター、パネルソー、糸鋸、帯鋸、鋏、NCルーター、トムソン刃、ダイカッターなどを用いて、所望の形状や大きさに加工する。特に、所望の形状に短時間で打ち抜くことが可能かつ断面の仕上がりも良好となるトムソン刃を用いることが好ましい。
加熱しながら曲げ加工する工程としては、予め所望の形状にかたどられた成形型に密着させ、加熱による賦形を行うことによって得られる。
成形型に密着させる方法としては、特に限定されないが、真空吸引、雄型と雌型によるプレス、圧空などの方法から選ばれる。
なお、雄型と雌型によるプレスを行った後に真空吸引を行うなど、これらの方法を組み合わせた方法を用いても良い。加熱しながら曲げ加工する際の加熱方法についても曲げ加工に適した温度に制御できる方法であれば特に限定されるものではなく、成形型に密着させた状態で加熱炉を通しても良いし、加熱した成形型を用いても良い。
成形型としては、石膏型、木型、樹脂型(フェノール樹脂など)、金型などが挙げられる。金型としては、アルミニウム、鉄、銅、ステンレス合金などに代表される合金など、加熱と圧力に耐えうる材質であれば何を用いても良い。
熱曲げ成形前に用いるポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂積層体は、成形時のシワ入り防止や、成形時の気泡発生の抑制、後出の偏光性能を有するポリカーボネート樹脂積層体の色調変化を抑制するなどの目的で、あらかじめ予備乾燥または予備加熱して用いてもよい。
保護フィルムが溶融したり、得られる成形体の寸法変化やシワ入りによる外観不良が発生したりする可能性があるため、予備乾燥または予備加熱を行う場合は160℃以下であることが好ましい。
さらには、用いるポリカーボネート樹脂のガラス転移点以下に留めることがより好ましい。予備乾燥のみに限っては、長時間保護フィルムが高温下にさらされるため、105℃以下で行うことが特に好ましい。
また本発明の製造方法は、偏光性能を有するポリカーボネート樹脂積層体の成形体を得る上で非常に有効である。
偏光性能を有するポリカーボネート樹脂積層体は、例えば、ポリビニルアルコールを二色性色素で染色、延伸、ホウ酸処理を施すことによって得られる偏光性薄膜の少なくとも片面に、一軸延伸することによって得られるポリカーボネート樹脂を接着剤により貼り合わせる方法により作製することができる。
このようにして得られたポリカーボネート樹脂製偏光板は、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度を十分上回る温度、概ね165℃以上の温度で熱曲げ成形を行うと、ポリカーボネート樹脂の軟化により一軸延伸されたポリカーボネート樹脂の延伸方向が変化し直線偏光性が損なわれることから、偏光サングラスに代表されるような直線偏光性能が必要な成形体の用途への使用が困難となる。
また、偏光性薄膜を染色する際に用いられる二色性色素の耐熱性によっては成形後に色調変化が起こるが、他の成形方法、例えば成形前に加熱を行い軟化させた後に賦形を行う方法よりも、本発明の製造方法は低い樹脂温度で熱曲げ加工を行うことが出来るため色調変化が起こりにくい。
また、本発明の製造方法は、ポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂積層体の表面に、紫外線硬化型樹脂を塗布した後に紫外線で処理することによって得られる表面層を有する積層体の熱曲げ成形に適している。この表面層は耐擦傷性、防曇性、フォトクロミック性、偏光性を有していても良い。
本発明の製造方法を用いることにより、ポリカーボネート樹脂の軟化を起こさない温度で熱曲げが可能であるため、他の成形法と比較して、シワ入りや塗膜のクラックなどの外観欠点が起こりにくい。同様の理由から、反射防止コート、表面印刷、染色による着色などの処理を行った後に同様の製造方法を適用させても良い。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂には、用途によって着色剤、離型剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、エステル交換防止剤、帯電防止剤などの各種添加剤を適宜配合しても良い。
また、ポリエステル樹脂に代表される他の熱可塑性樹脂についても、ポリカーボネート樹脂の特徴である耐熱性や耐衝撃性が各用途上問題ない程度までは適宜配合しても良い。
本発明の製造方法によって、ポリカーボネート樹脂の耐衝撃性および耐熱性を生かしつつ、さらに偏光性能、耐擦傷性能、防曇性能を付加した外観良好な成形体を容易に得ることが出来る。
本発明の製造方法によって得られる成形体は、サングラス、ゴーグル、眼鏡、ヘルメットシールド、防護面、水中眼鏡、防毒マスク用透視板、オートバイ用風防、自動車のサンルーフ、船舶の窓板、各種監視カメラ用カバーなどに代表される、防眩製品または防護製品に用いることができる。
次に、本発明の具体的な実施例および比較例について説明する。
<実施例1>
<保護フィルムの作製>
プロピレン単独重合体(密度0.900g/cm、メルトフローレート(以下、MFRとする。)8g/10分)を40重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.919g/cm、MFRが8g/10分)60重量%とからなる混合物を基材層構成樹脂として用い、密直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.919g/cm、MFRが8g/10分)97.0重量%と水素添加テルペン樹脂3.0重量%とからなる混合物を接着剤層構成樹脂として用い、上記基材層構成樹脂と接着剤層構成樹脂とを共押出法により保護フィルム(全厚さ60μm,基材層厚さ45μm,接着剤層厚さ15μm)を作製した。
上記により得られた保護フィルムは、DSCで求めた融解ピーク温度(A)および(B)はそれぞれ120.9℃および166.0℃であり、このピークの面積比(A)/(B)は70/30であった。
<保護フィルムの貼り合わせ工程>
ポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂積層体として、厚み0.8mmのポリカーボネート樹脂製偏光板(住友ベークライト(株)社製、PDH1401)を用いて、この偏光板の両面に、上記作製した保護フィルムをゴムロールで圧着した。
<ポリカーボネート樹脂成形体の作製>
保護フィルムが両面に圧着されたポリカーボネート樹脂製偏光板をトムソン刃を用いて直径78mmの円状に打ち抜きを行った。
その後、成形機CPL32(レマ社製)を用いて150℃、4分間、中央1箇所に真空孔を有する半径88mmのアルミニウム製球面成形型に真空度0.09MPaにて真空吸引させることにより、ポリカーボネート樹脂成形体を得た。
得られたポリカーボネート樹脂成形体を用いて以下の評価を行った。
<外観評価>
得られたポリカーボネート樹脂成形体の保護フィルムを剥し、成形体の表面肌について目視で確認を行った。評価基準は下記の通りとした。
A:成形体の外観に不具合が無い場合
B:成形体に、ゆず肌状、凹凸などの外観不良や保護フィルムの溶着がある場合
<繊維状のバリ(髭)の発生評価>
得られたポリカーボネート樹脂成形体の保護フィルムを剥し、成形体の周辺部分に髭が残っていないか目視で確認を行った。評価基準は下記の通りとした。
A:成形体の周囲に髭の発生が無い場合
B:成形体の周囲に髭の発生がある場合
<実施例2>
プロピレン単独重合体(密度0.900g/cm、MFRが8g/10分)を80重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.919g/cm、MFRが8g/10分)20重量%とからなる混合物を基材層構成樹脂として用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて保護フィルムを作製した。
上記により得られた保護フィルムは、DSCで求めた融解ピーク温度(A)および(B)はそれぞれ121.0℃および166.0℃であり、このピークの面積比(A)/(B)は41/59であった。
保護フィルムの作製以外は、実施例1と同様の方法にてポリカーボネート樹脂成形体を作製し、同様に評価した。
<実施例3>
プロピレン単独重合体(密度0.900g/cm、MFRが8g/10分)を40重量%との直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.919g/cm、MFRが8g/10分)72重量%とからなる混合物を基材層構成樹脂として用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて保護フィルムを作製した。
上記により得られた保護フィルムは、DSCで求めた融解ピーク温度(A)および(B)はそれぞれ121.2℃および165.9℃であり、このピークの面積比(A)/(B)は79/21であった。
保護フィルムの作製以外は、実施例1と同様の方法にてポリカーボネート樹脂成形体を作製し、同様に評価した。
<実施例4>
プロピレン単独重合体(密度0.900g/cm、MFRが8g/10分)を28重量%と低密度ポリエチレン(密度0.919g/cm、MFRが8g/10分)72重量%とからなる混合物を基材層構成樹脂として用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて保護フィルムを作製した。
上記により得られた保護フィルムは、DSCで求めた融解ピーク温度(A)および(B)はそれぞれ108.2℃および165.9℃であり、このピークの面積比(A)/(B)は76/24であった。
保護フィルムの作製以外は、実施例1と同様の方法にてポリカーボネート樹脂成形体を作製し、同様に評価した。
<実施例5>
ポリカーボネート樹脂シートとして、両面に耐擦傷性塗膜を有する厚さ1.5mmのポリカーボネート樹脂シートであるポリカエースEC100R2B(住友ベークライト(株)社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリカーボネート樹脂成形体を作製した。
また、得られたポリカーボネート樹脂成形体を実施例1と同様に評価した。
<比較例1>
保護フィルムとして、DSCで求めた融解ピーク温度(A)および(B)がそれぞれ111.8℃および161.9℃であり、このピーク面積比(A)/(B)が9/91である厚み50μmの保護フィルム(EC−5001、スミロン(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリカーボネート樹脂成形体を作製した。
また、得られたポリカーボネート樹脂成形体を実施例1と同様に評価した。
<比較例2>
保護フィルムとしてDSCで求めた融解ピーク温度(A)および(B)はそれぞれ101.5℃および142.7℃であり、このピーク面積比(A)/(B)が41/59である保護フィルム(L−1210、日立化成工業(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリカーボネート樹脂成形体を作製した。
また、得られたポリカーボネート樹脂成形体を実施例1と同様に評価した。
<比較例3>
DSCで求めた融解ピーク温度が129.9℃の保護フィルム(FM−5300、大王加工紙工業(株)製)を、実施例1に記載のポリカーボネート樹脂製偏光板の両面にゴムロールで圧着した。
その後、この保護フィルムの上からさらに両面に、DSCで求めた融解ピーク温度が167.3℃の保護フィルム(EC−753、スミロン(株)製)をゴムロールで圧着して、保護フィルムが2枚積層されたポリカーボネート樹脂製偏光板を作製したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリカーボネート樹脂成形体を作製した。
また、得られたポリカーボネート樹脂成形体を実施例1と同様に評価した。


実施例1〜5に示されるように、本発明に示される製造方法により得られるポリカーボネート樹脂成形体は、外観良好であり、また保護フィルムが片面1枚ずつで熱曲げ成形を行うため繊維状のバリ(髭)の発生も起こらなかった。
本発明に示される製造方法を逸脱する比較例1〜3では、良好な外観のポリカーボネート樹脂成形体が得られなかったり、打ち抜きによる髭がポリカーボネート樹脂成形体に残ったり、実施例1〜5によって得られたポリカーボネート樹脂成形体よりも劣る結果となった。

Claims (6)

  1. ポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂層を基材に形成したポリカーボネート樹脂積層体の少なくとも片面に保護フィルムを貼り合わせる工程、
    裁断または打ち抜きにより形状加工する工程、
    加熱しながら曲げ加工する工程、を含むポリカーボネート樹脂成形体の製造方法で、
    前記保護フィルムが、105℃以上130℃以下の融解ピーク(A)および160℃以上175℃未満の融解ピーク(B)の少なくとも2つの融解ピークを有し、これら融解ピークの面積比[(A)/(B)]が35/65以上80/20以下であるポリカーボネート樹脂成形体の製造方法。
  2. 前記加熱しながら曲げ加工する工程が、前記ポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂積層体を成形型に密着させ、賦形させる工程である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂成形体の製造方法。
  3. 前記ポリカーボネート樹脂積層体が、偏光性薄膜の少なくとも片面にポリカーボネートを含有する樹脂を貼り合わせた積層体である、請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂成形体の製造方法。
  4. 前記ポリカーボネート樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂積層体の少なくとも片面に、紫外線硬化性樹脂組成物層を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂成形体の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されるポリカーボネート樹脂成形体。
  6. 請求項5に記載のポリカーボネート樹脂成形体を用いて製造される防眩製品または防護製品。
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