JP2011110657A - 加工用砥粒、加工具、加工液およびそれらを用いた加工方法 - Google Patents

加工用砥粒、加工具、加工液およびそれらを用いた加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011110657A
JP2011110657A JP2009269617A JP2009269617A JP2011110657A JP 2011110657 A JP2011110657 A JP 2011110657A JP 2009269617 A JP2009269617 A JP 2009269617A JP 2009269617 A JP2009269617 A JP 2009269617A JP 2011110657 A JP2011110657 A JP 2011110657A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
particles
abrasive
machining
workpiece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009269617A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5603591B2 (ja
Inventor
Miyuki Yamada
美幸 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Admatechs Co Ltd
Original Assignee
Admatechs Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Admatechs Co Ltd filed Critical Admatechs Co Ltd
Priority to JP2009269617A priority Critical patent/JP5603591B2/ja
Publication of JP2011110657A publication Critical patent/JP2011110657A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5603591B2 publication Critical patent/JP5603591B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】硬質な被加工材であっても、効率的に加工できる加工用砥粒を提供する。
【解決手段】本発明の加工用砥粒は、ダイヤモンドからなる主粒子と、サイアロン粒子かなる副粒子とを少なくとも混合した混合砥粒からなることを特徴とする。これにより、高価なダイヤモンド粒子の使用量を抑制しつつも、従来よりも遙かに優れた加工性が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬質な被加工材であっても、切断、切削、研削または研磨などの加工を効率的に行うことを可能とする加工用砥粒と、その加工用砥粒を用いた加工具または加工液、さらにはそれら加工具または加工液を用いた加工方法に関する。
高精度な切断、切削、研削または研磨などの加工を行うために、硬質な微粒子からなる加工用砥粒が様々な分野で用いられている。例えば、電子デバイス材料である各種単結晶板の研磨やその単結晶板を得るために単結晶塊をスライスする切断、また、光ケーブルの光コネクタ端面の研磨などである。
その一例として、電子デバイス用として、シリコン(Si)単結晶、炭化ケイ素(SiC)単結晶、窒化ガリウム(GaN)単結晶などからなる単結晶体(塊)を薄くスライスした単結晶板を得る場合について具体的に説明する。この場合、高価な単結晶体の切り代をできるだけ少なくして、単結晶体を高精度に薄くスライスすることが求められる。これに適したスライス(切断)方法として、ワイヤーソーが用いられる。ワイヤーソーによるスライス(切断)は、被加工材である単結晶体に対して、細いワイヤーを高速で摺動させることにより行われる。このワイヤーソーによるスライスは、砥粒が固定されたワイヤーを用いる固定砥粒式と、砥粒の固定されていないワイヤーへ、砥粒を分散液中に分散させたスラリー(加工液)を供給しつつスライスする遊離砥粒式とに大別される。それぞれの方式には長短があるが、最近では、環境性能や後工程の簡素化などの点で有利な固定砥粒式ワイヤーソーが多用されつつある。このようなワイヤーソーおよびその製造方法に関する提案として、例えば、下記の特許文献1または特許文献2などがある。
別の一例として、大容量の情報を効率的に伝達できる光ファイバー同士を接続する光コネクタの接続端面を研磨する場合がある。効率的で安定した通信には、その光コネクタの端面を高品質に研磨することが不可欠であり、光コネクタ端面は幾重にも研磨されて鏡面に仕上げられる。この光コネクタの端面の研磨には、微細な加工用砥粒からなる研磨層を有する研磨フィルム、研磨シート、研磨テープ、研磨砥石、研磨布等の研磨材が使用される。このような光コネクタ端面の研磨に関する提案が、例えば、下記の特許文献3などにある。
特許3078020号公報 特開2006−123024号公報 特開2008−260815号公報
本発明は、このような従来技術とは別に、硬質な被加工材に対しても、種々の加工を効率的に行うことができる加工用砥粒、この加工用砥粒を用いた加工具または加工液、さらにはこれら加工具または加工液を用いた加工方法を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、硬質な被加工材の研磨等に多用されるダイヤモンド粒子に窒素(N)を含む金属化合物粒子を加えて各種加工をすることにより、従来よりも遙かに高い加工性が得られることを新たに見出した。本発明者は、この成果を発展させることにより以降に述べる本発明を完成するに至った。
《加工用砥粒》
(1)本発明の加工用砥粒は、ダイヤモンドからなる主粒子と、窒素(N)を含む金属化合物かなる副粒子とを少なくとも混合した混合砥粒からなることを特徴とする。
(2)本発明の加工用砥粒は、ダイヤモンドからなる主粒子(以下適宜「ダイヤモンド粒子」という。)のみならず、Nを含む金属化合物からなる副粒子(以下適宜「化合物粒子」という。)とからなる。この加工用砥粒を用いることで、硬質な被加工材に対しても、効率的に切断、切削、研削または、研磨などの加工を行うことができる。例えば、この加工用砥粒を用いた固定砥粒式ワイヤーソーまたは遊離砥粒式ワイヤーソーにより、各種単結晶体を効率的にスライスできる。また、その加工用砥粒を用いた研磨材により光コネクタの端面などを高精度に効率よく研磨することもできる。
(3)もっとも、本発明の加工用砥粒により、優れた加工性が得られる理由は必ずしも定かではない。現状では次のように考えられる。
すなわち、Nを含む金属化合物はからなる副粒子は、単に高強度、高剛性であるのみならず、研磨粒子として最適な粒径に調整するためにボールミル等を用いて粉砕して製造されるため、鋭利な粒形をしているものが多い。
このような副粒子がダイヤモンド粒子(主粒子)の周囲に存在することにより、その副粒子がダイヤモンド粒子の移動を抑制し、ダイヤモンド粒子は従来よりも長くその加工部に滞留するようになる。このため加工中、ダイヤモンド粒子の密度が加工部で高まり易くなって、加工性が向上したと考えられる。
こうして本発明の加工用砥粒を用いれば、加工作業の大幅な効率化が図れた。また、従前と同等以上の加工性を達成しつつ、高価なダイヤモンド粒子の使用量を抑制することも可能となり、加工作業の低コスト化が図られるようになった。
(4)ところで、本発明に係る副粒子は、上述したような作用効果を発揮するものであれば、その組成や構造が特に限定されるものではない。もっとも、このような副粒子が、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、酸素(O)およびNからなる金属化合物の一種であるサイアロンから構成されるサイアロン粒子であると好適である。
サイアロン粒子は、セラミックス粒子の中でも非常に硬質、高強度または高剛性であって、本発明に係る砥粒に適している。このようなサイアロン粒子は、当然にダイヤモンド粒子には及ばないまでも、ダイヤモンド粒子に近接する優れた特性をもち、ダイヤモンド粒子と協調しまたは相乗することによって、上述したような優れた加工性を発現すると考えられる。
しかも、このようなサイアロン粒子の共存により、従来と同等以上の加工性を確保しつつも、高価なダイヤモンド粒子の使用量の低減が可能となる。勿論、サイアロン粒子は、ダイヤモンド粒子よりも格段に廉価であり、入手も用意である。こうして本発明の加工用砥粒を用いれば、著しい加工性の向上と大幅な低コスト化との両立を容易に図ることが可能である。
(5)さらに、副粒子を構成するサイアロン粒子がSiAlONで表される無機金属化合物からなる場合、ダイヤモンドからなる主粒子と副粒子との間の比重が近接する(具体的には、サイアロン:3.2/ダイヤモンド:3.6)。このため、加工時に両粒子に作用する種々の力(慣性力、遠心力など)も近接したものとなり、両粒子は加工部において、均一的に分布しつつ共存し易い。こうして、副粒子にSiAlON粒子を用いた場合、前述した主粒子と副粒子との協調による加工性が、より一層向上し安定的に発揮されると考えられる。
《加工具》
本発明は、上述したような加工用砥粒に限らず、それを用いた加工具としても把握される。すなわち本発明は、基材と、該基材の表面に形成され被加工材を加工する加工層とからなる加工具であって、前記加工層は、上述した本発明の加工用砥粒とこの加工用砥粒を前記基材の表面に固定する固定材と、からなることを特徴とする加工具であってもよい。
《加工液》
また本発明は、上述の加工用砥粒を用いた加工液としても把握される。すなわち本発明は、上述した本発明の加工用砥粒と、この加工用砥粒を分散させる分散液とからなり、被加工材の切断、切削または研削に用いられることを特徴とする加工液であってもよい。
《加工方法》
さらに本発明は、上述したような加工用砥粒、加工具または加工液に限らず、それらを用いて、被加工材を加工する加工方法としても把握される。
例えば、本発明の加工液を用いる場合であれば、砥粒を分散液中に分散させた加工液(研磨スラリー等)を加工部へ供給する加工液供給工程と、この加工液の供給された被加工材の加工部を加工する加工工程と、を備える加工方法とすればよい。
《その他》
(1)本明細書でいう「加工性」は、例えば切断速度、切削速度、研削速度または研磨速度などの加工効率を示す指標や、加工面の平面度、平坦度、表面粗さ等の加工精度を示す指標などにより評価される。いずれの指標を用いるかは、被加工材や加工方法により適宜選択される。
(2)本明細書でいう「x〜y」は、特に断らない限り、下限値xおよび上限値yを含む。また、本明細書に記載した種々の下限値または上限値は、任意に組合わされて「a〜b」のような範囲を構成し得る。さらに、本明細書に記載した範囲内に含まれる任意の数値を、数値範囲を設定するための上限値または下限値とすることができる。
発明の実施形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、以下の実施形態を含め、本明細書で説明する内容は、本発明の加工用砥粒のみならず、加工用砥粒を用いた加工具または加工液さらにはそれらを用いた加工方法にも適宜適用される。上述した本発明の構成に、以降に示す構成中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成を付加することができる。なお、いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《加工用砥粒》
本発明の加工具に係る砥粒は、主粒子と副粒子とから主になる。
(1)主粒子
本発明に係る主粒子は、被加工材の加工を主に担う粒子であって、副粒子よりも被加工材の加工性が高い粒子である。本発明に係る主粒子は、主にダイヤモンド粒子からなるが、ダイヤモンド粒子のみである必要はなく、被加工材の加工に有効な他の硬質粒子(副粒子以外)を含有していてもよい。
主粒子の粒径や配合量は特に限定されず、被加工材の種類や特性、要求される加工性などに応じて適宜選択され得る。本発明の加工用砥粒の場合、副粒子を含有することにより、主粒子の含有量を減少させても、十分な加工性が確保され得る。そこで主粒子は、加工用砥粒全体を100質量%(以下単に「%」という。)としたときに、5〜90%さらには20〜85%さらには40〜83%であると、加工性と経済性を両立できて好適である。主粒子が過少では効率的な加工が困難となり、過多では加工用砥粒が高価となる。
また主粒子の平均粒径(D)は0.5〜10μm、1〜5μmさらには2〜4μm程度であると、加工性の向上を図れて好ましい。この平均粒径が過小では加工効率が低下し、過大では均一な加工が困難となり大きなスクラッチを生じ得る。
なお、本明細書でいう「平均粒径」は、具体的にはレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、LA−750:堀場製作所製)を用いて分散媒中に粒子を分散させてフローセル測定することにより自動測定される粒度分布の、積算値50%の粒径(メジアン径)より特定される。
(2)副粒子
本発明に係る副粒子は、主粒子による加工を補助する粒子である。勿論、副粒子は、それ自体が被加工材の加工を担う粒子であってもよいが、主粒子よりも被加工材の加工性が低い粒子である。
本発明に係る副粒子は、主にNを含む金属化合物からなる粒子であるが、この副粒子もNを含む金属化合物からなる粒子のみによって構成される必要はなく、被加工材の加工に有効な他の硬質粒子(主粒子以外)を含有していてもよい。また、この金属化合物の組成も問わないが、例えば、このような金属化合物として、窒化ジルコニウム、窒化珪素、窒化アルミニウムなどがある。そして前述したように、副粒子がサイアロン粒子からなると特に好適である。
副粒子の粒径や配合量は特に限定されず、被加工材の種類や特性、要求される加工性などに応じて適宜選択され得る。本発明に係る副粒子は、少なくとも主粒子による被加工材の加工を補助し、さらには主粒子と協調して加工性を高める範囲で、加工具中に含有されていれば足る。そこで副粒子は、加工用砥粒全体を100質量%としたときに、1〜40%、5〜30%さらには10〜20%であると好適である。主粒子が過少でも過多でも加工効率が低下し得る。なお、副粒子は主粒子に比較して安価であるため、副粒子の含有量が増加しても大幅なコスト高とはならない。
副粒子の平均粒径(d)は、0.01〜3μm、0.05〜2μmさらには0.1〜1μm程度であると、加工性の向上を図れて好ましい。この平均粒径が過小では効率的な加工が困難となり、過大では均一な加工が困難となったりスクラッチが大きくなって好ましくない。
(3)本発明に係る砥粒は、このような主粒子と副粒子とから主に構成されるが、両粒子を混合した砥粒全体として観ると、主粒子(M)に対する副粒子(m)の質量比(m/M)は0.1〜9、0.2〜7さらには0.25〜5であると好適である。この質量比が過小では不経済であり、過大では加工性の向上が望めない。さらに、後述する加工液全体または加工具の加工層全体を100%としたときに、主粒子と副粒子との合計からなる砥粒濃度は5〜90%さらには10〜85%であると好適である。この砥粒濃度が過小では加工性の向上を望めず、過大では不経済である。
また主粒子に対する副粒子の平均粒径比(d/D)は、0.05〜0.8、0.1〜0.5さらには0.15〜0.35であると好ましい。平均粒径比が過大になると(1に近づくと)、主粒子と副粒子との粒径差が縮まり、副粒子と被加工材との接触関係が主粒子と被加工材との接触関係に近づく。このため、主粒子による加工性が副粒子によって相対的に阻害され易くなり、主粒子と副粒子との協調または相乗に依る加工性の向上があまり望めなくなる。平均粒径比が過小になると、相対的に主粒子の粒径が大きくなる結果、被加工材の加工面に大きなスクラッチが形成されたり、副粒子が主粒子を加工部に留める作用が弱くなり、良好な加工を効率的に行うことが困難となる。
本発明の加工用砥粒は、上述した主粒子および副粒子以外に、金属酸化物、金属硫化物または金属炭化物などからなる種々の改質粒子を含有していてもよい。改質粒子は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウムまたは炭化ケイ素などの砥粒からなる。
なお、主粒子以外の副粒子や改質粒子は、シランカップリング剤により表面処理されていてもよい。これにより、砥粒粒子間の分散性や後述の固定材との親和性と向上させ得る。
《加工具》
加工具は、基材の表面に加工層を形成したものである。
基材は、その種類、材質などを問わない。基材の形態も、線状、膜状、塊状などいずれでもよい。基材は、例えば、ワイヤー、フィルムまたはシートなどである。ちなみに、フィルムまたはシートが例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート等からなると、剛性や強度が確保され、加工層も安定的に形成され得る。
加工層は、加工用砥粒が固定材によって基材表面に固定されてできた層である。加工層の厚さや形態は、加工具や被加工材の種類に応じて適宜決定される。基材の表面に加工用砥粒を固定する固定材(いわゆるバインダー)は、例えば樹脂や金属などが用いられる。固定材に用いる樹脂には、例えば、エステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などがある。このような固定材は、適宜、加熱や架橋剤などによって硬化または強化される。また固定材に用いる金属には、例えば、メッキ材、ロー材、ハンダ材などがある。いずれにしても固定材は、基材の材質や形態、加工具の仕様や生産性などを考慮して、適宜選択され得る。
なお、この固定材は、加工層全体を100質量%としたときに、1〜30%さらには5〜20%であると好ましい。固定材が過小では加工用砥粒を基材表面に十分に固定できず、過大では相対的に加工用砥粒が減少して加工具の加工性が低下する。
さらに、基材と加工層との接着性の向上、加工層のパターニング等のために、基材の表面に接着層を形成しておいてもよい。例えば、固定材が樹脂の場合なら、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等を基材表面に付着させて接着層を形成し得る。
《加工液》
加工液は、加工用砥粒と分散液とからなり、具体的には加工用砥粒が分散液中に均一に分散した懸濁液(加工スラリー)である。本発明の加工液は、研磨以外の加工、すなわち、切断、切削または研削などに好適である。
分散液は、その種類やpHなどは問わない。分散液は、水でも油でもよいが、加工する被加工材の汚染などを抑止するために、不純なイオンなどを除去しイオン交換水などを用いると好ましい。さらに本発明に係る分散液は、被加工材や加工段階に応じて、酸性物質、アルカリ性物質、酸化剤、酸化物溶解剤、砥粒分散剤、キレート剤、糖類などから選択された少なくとも1種の添加剤を適量含有した混合液でもよい。
《加工方法》
本発明の加工方法は、上述した加工具や加工液を用いて被加工材を加工する方法である。被加工材の切断には、例えば、(マルチ)ワイヤーソー、(マルチ)ブレードソー、内周歯切断、外周歯切断などがある。被加工材の研削には、センターレス研削、ロータリー研削、ホーニング研削、面取り研削などがある。被加工材の研磨には、ラッピング研磨、ポリッシング研磨、化学的機械研磨などがある。
《被加工材》
被加工材の種類や形状は特に問わない。被加工材は、例えば、電子デバイス材料(ウエハ)に用いられるシリコン単結晶体でもよいし、より硬質な炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などの単結晶体でもよい。また、被加工材は光コネクタに用いられるフェルール(ジルコニア製、金属製等)でもよい。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
《研磨フィルムの製作》
光ケーブルの光コネクタの端面を研磨するために用いる研磨フィルム(加工具)を次のようにして製作した。
(1)フィルム(基材)
基材として、厚さ75μmのポリエステル製フィルム(東洋紡績(株)社製)を用意した。
(2)砥粒(加工用砥粒)
砥粒として、ダイヤモンド粒子(主粒子)と、SiAlONで表される無機金属化合物であるサイアロン粒子(副粒子)と、SiOで表される無機酸化物であるシリカ粒子を用意した。いずれの粒子も市販されているものであり、各粒子の平均粒径は、ダイヤモンド粒子:2μm(トーメイダイヤ(株)製)、サイアロン粒子:0.5μm(ケーワイシー(株)製)、シリカ粒子:0.5μmであった。
(3)バインダー(固定材)および希釈溶媒
先ず、砥粒を上記のフィルム上へ固定するバインダー(固定材)として、ポリエステル系樹脂(バイロン200、東洋紡社製)と、架橋剤であるイソシアネート系硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)とを用意した。希釈溶媒として、メチルエチルケトンとトルエンとを質量比1:2で混合した混合溶媒を用意した。
(4)砥粒の固定
上述した砥粒、バインダーおよび希釈溶媒を、ビーズミル、ボールミル等のメディアを用いた分散機により表1に示す質量割合で均一に混合して、2種の塗料を調製した(調製工程)。この塗料を上述したフィルム上へスプレー塗布して、均一な塗膜を形成した(塗布工程)。
さらにこのフィルムを150℃x5分間加熱して、フィルム上の塗膜を乾燥および硬化(重合反応)をさせた。こうして、各種砥粒がバインダーにより固定された厚さ7μmの研磨層(加工層)を有する研磨フィルムが得られた。
《研磨および研磨量の測定》
表1に示すそれぞれの研磨フィルムを用いて、ジルコニアからなるφ2.5mmの光コネクタの端面を研磨(加工)した。具体的には、研磨機(株式会社精工技研製、SPF−120A)を用いて、弾性パッドに貼り付けた各研磨フィルム上に研磨液である蒸留水を滴下して、光コネクタの端面を研磨した研磨時間は表1に示す種々の時間で行った。なお弾性パッドは硬度80のウレタンラバーである。
こうして研磨を終えたそれぞれの光コネクタの端面をクリーニングした後、研磨前後の光コネクタの長さを測定した。光コネクタの長さの変化で、それぞれの研磨フィルムの研磨性を指標し、その結果を表1に示した。
《研磨性の評価》
表1に示す試料No.1と試料No.C1とを比較すれば明らかなように、研磨フィルムの研磨層を構成する各種砥粒の粒径や混合割合は同一であるにも拘わらず、副粒子の種類を変更することで、研磨性が大きく変化した。すなわち、副粒子として、サイアロン粒子(試料No.1)を用いた場合、シリカ粒子(試料No.C1)を用いた場合よりも、研磨性が40〜60%向上することが明らかとなった。特に、初期段階(研磨時間が10分の場合)において、研磨性が約60%も向上することが明らかとなった。このため、試料No.C1のシリカ粒子を用いた場合なら30分間要した研磨作業を、試料No.1のサイアロン粒子を用いれば、10分間で終えることができる。よって、研磨作業を非常に効率的に行えることが明らかとなった。
ちなみに、このような優れた特性を発現する試料No.1の場合、主粒子であるダイヤモンド粒子に対する副粒子であるサイアロン粒子の質量比は0.27である。また、加工層全体に対して、副粒子は17%、主粒子と副粒子の合計は80質量%であった。
また、その主粒子であるダイヤモンド粒子の平均粒径(D)は3.5μmで、副粒子であるサイアロン粒子の平均粒径(d)は0.5μmであり、それらの平均粒径比(d/D)は約0.14であった。従って、この試料No.1で用いた砥粒はいずれも、本発明の加工用砥粒の範囲内にある。
Figure 2011110657

Claims (11)

  1. ダイヤモンドからなる主粒子と、窒素(N)を含む金属化合物かなる副粒子とを少なくとも混合した混合砥粒からなることを特徴とする加工用砥粒。
  2. 前記副粒子は、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、酸素(O)および窒素(N)からなるサイアロン粒子である請求項1に記載の加工用砥粒。
  3. 前記主粒子(M)に対する前記副粒子(m)の質量比(m/M)は0.1〜9である請求項1または2に記載の加工用砥粒。
  4. 前記主粒子の平均粒径(D)は0.5〜10μmであり、
    前記副粒子の平均粒径(d)は0.01〜3μmであり、
    該主粒子に対する該副粒子の平均粒径比(d/D)は0.05〜0.8である請求項1〜3のいずれかに記載の加工用砥粒。
  5. 前記サイアロン粒子は、SiAlONで表される無機金属化合物からなる請求項2または4に記載の加工用砥粒。
  6. 基材と、該基材の表面に形成され被加工材を加工する加工層とからなる加工具であって、
    前記加工層は、請求項1〜5のいずれかに記載の加工用砥粒と該加工用砥粒を前記基材の表面に固定する固定材と、
    からなることを特徴とする加工具。
  7. 前記基材は、被加工材の切削に用いられるワイヤーまたは被加工材の研磨に用いられるフィルム若しくはシートである請求項6に記載の加工具。
  8. 前記固定材は、樹脂または金属である請求項6または7に記載の加工具。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の加工用砥粒と、該加工用砥粒を分散させる分散液とからなり、被加工材の切断、切削または研削に用いられることを特徴とする加工液。
  10. 請求項6〜8のいずれかに記載の加工具を用いて被加工材を加工することを特徴とする加工方法。
  11. 請求項9に記載の加工液を用いて被加工材を加工することを特徴とする加工方法。
JP2009269617A 2009-11-27 2009-11-27 加工用砥粒、加工具、加工液およびそれらを用いた加工方法 Active JP5603591B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009269617A JP5603591B2 (ja) 2009-11-27 2009-11-27 加工用砥粒、加工具、加工液およびそれらを用いた加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009269617A JP5603591B2 (ja) 2009-11-27 2009-11-27 加工用砥粒、加工具、加工液およびそれらを用いた加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011110657A true JP2011110657A (ja) 2011-06-09
JP5603591B2 JP5603591B2 (ja) 2014-10-08

Family

ID=44233403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009269617A Active JP5603591B2 (ja) 2009-11-27 2009-11-27 加工用砥粒、加工具、加工液およびそれらを用いた加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5603591B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011140095A (ja) * 2010-01-07 2011-07-21 Noritake Co Ltd 電着ワイヤー工具およびその製造方法
KR101192542B1 (ko) 2011-08-19 2012-10-17 이화다이아몬드공업 주식회사 이종 다이아몬드 지립을 이용한 와이어 쏘우 제조 방법
WO2021044870A1 (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 光コネクタ研磨用パッド

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4959387A (ja) * 1972-10-12 1974-06-08
JPS57149961U (ja) * 1981-03-18 1982-09-20
JPS6029279A (ja) * 1983-07-29 1985-02-14 Nippon Gureen Kenkyusho:Kk ビトリファイドボンド超砥粒砥石の製造方法
JPH11188610A (ja) * 1997-12-25 1999-07-13 Teru Kagaku Kogyo Kk 高硬度無機質固体材料の鏡面研磨方法
JP2000094336A (ja) * 1998-09-28 2000-04-04 Seiko Epson Corp 砥石および切断ブレード
JP2002178265A (ja) * 2000-09-27 2002-06-25 Samsung Corning Co Ltd 陰極線管パネルフェース面研磨のための超研磨材砥石組成物とこれを用いた超研磨材工具およびその製造方法
JP2011515306A (ja) * 2007-03-22 2011-05-19 エレメント シックス (プロダクション)(プロプライエタリィ) リミテッド 研磨材成形体

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4959387A (ja) * 1972-10-12 1974-06-08
JPS57149961U (ja) * 1981-03-18 1982-09-20
JPS6029279A (ja) * 1983-07-29 1985-02-14 Nippon Gureen Kenkyusho:Kk ビトリファイドボンド超砥粒砥石の製造方法
JPH11188610A (ja) * 1997-12-25 1999-07-13 Teru Kagaku Kogyo Kk 高硬度無機質固体材料の鏡面研磨方法
JP2000094336A (ja) * 1998-09-28 2000-04-04 Seiko Epson Corp 砥石および切断ブレード
JP2002178265A (ja) * 2000-09-27 2002-06-25 Samsung Corning Co Ltd 陰極線管パネルフェース面研磨のための超研磨材砥石組成物とこれを用いた超研磨材工具およびその製造方法
JP2011515306A (ja) * 2007-03-22 2011-05-19 エレメント シックス (プロダクション)(プロプライエタリィ) リミテッド 研磨材成形体

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6014032263; 'Evaluation of Silicon Nitride Ceramic Cutting Tools With Diamond Coatings' Materials Science Forum Vols.591-593, 2008, pp.537-542 *

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011140095A (ja) * 2010-01-07 2011-07-21 Noritake Co Ltd 電着ワイヤー工具およびその製造方法
KR101192542B1 (ko) 2011-08-19 2012-10-17 이화다이아몬드공업 주식회사 이종 다이아몬드 지립을 이용한 와이어 쏘우 제조 방법
WO2021044870A1 (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 光コネクタ研磨用パッド
JP2021037580A (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 光コネクタ研磨用パッド
CN113165140A (zh) * 2019-09-03 2021-07-23 Ntt尖端技术株式会社 光连接器研磨用垫
JP7264775B2 (ja) 2019-09-03 2023-04-25 エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 光コネクタ研磨用パッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP5603591B2 (ja) 2014-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI118180B (fi) Optisille pinnoille soveltuva kiillotusformulaatio
JP5281758B2 (ja) 研磨用組成物
CN101588895B (zh) 磁盘用玻璃基板的制造方法
KR20160119082A (ko) 연마용 연마입자와 그 제조 방법과 연마 방법과 연마 장치와 슬러리
JP2000336344A (ja) 研磨剤
CN109848821A (zh) 一种镍合金的绿色环保化学机械抛光方法
KR20070085030A (ko) 연마 테이프 및 방법
US11781244B2 (en) Seed crystal for single crystal 4H—SiC growth and method for processing the same
KR20140091571A (ko) 연마용 조성물
WO2015118927A1 (ja) 研磨用砥粒とその製造方法と研磨方法と研磨装置とスラリー
KR20080059606A (ko) 폴리싱 슬러리 및 그 사용 방법
WO2015059987A1 (ja) 研磨用組成物およびそれを用いた研磨加工方法
JP5603591B2 (ja) 加工用砥粒、加工具、加工液およびそれらを用いた加工方法
JP2006205265A (ja) 研磨方法および研磨用組成物
KR101891189B1 (ko) 연마 공구 및 그 제조방법 그리고 연마물의 제조방법
JP2009289873A (ja) シリコンウェーハの研磨方法
JP2010228009A (ja) 研磨用パッド及び研磨方法
JP2002355763A (ja) 合成砥石
CN111234706A (zh) 一种水基研磨组合物及其制备方法
JP4557105B2 (ja) 研磨用組成物
JP4301434B2 (ja) 研磨砥粒及び研磨具
JP2002273661A (ja) 多孔質金属砥石
JP2005205542A (ja) サファイア研磨用砥石およびサファイア研磨方法
JP6916634B2 (ja) 研磨用砥粒
JP2003117806A (ja) 多結晶セラミックスの鏡面研磨方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140805

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5603591

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250