JP2011107413A - アクチュエータ、駆動モジュールおよび電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】形状記憶合金ワイヤの切断を抑制することができるアクチュエータ、駆動モジュールおよび電子機器を提供する。
【解決手段】被駆動体と、被駆動体を支持する支持体と、被駆動体を支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、駆動手段が、被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤ10と、形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子15A,15Bと、を備えるとともに、保持端子が支持体に支持固定されたアクチュエータにおいて、保持端子に形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部15bが形成され、保持部における形状記憶合金ワイヤが延出される側の側面61と、形状記憶合金ワイヤとが接しないように保持部に曲面部63が形成されている。
【選択図】図18
【解決手段】被駆動体と、被駆動体を支持する支持体と、被駆動体を支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、駆動手段が、被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤ10と、形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子15A,15Bと、を備えるとともに、保持端子が支持体に支持固定されたアクチュエータにおいて、保持端子に形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部15bが形成され、保持部における形状記憶合金ワイヤが延出される側の側面61と、形状記憶合金ワイヤとが接しないように保持部に曲面部63が形成されている。
【選択図】図18
Description
本発明は、アクチュエータ、駆動モジュールおよび電子機器に関するものである。例えば、光学系や可動部材を駆動して、焦点位置調整を行うアクチュエータ、駆動モジュールおよびそれらを用いた電子機器に関する。
従来から、カメラ機能付き携帯電話などの小型の電子機器において、撮像レンズユニットなどの被駆動体を駆動するためのアクチュエータとして、形状記憶合金ワイヤの伸縮を利用して被駆動体の駆動を行う駆動モジュールが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1の駆動モジュールは、支持体(シャーシ)上に移動可能に設けられた被駆動体が、通電量に応じて伸縮する形状記憶合金(Shape Memory Alloy、以下、SMAと略称する)ワイヤの中間部に係止されてなる駆動モジュールであって、SMAワイヤの端部をそれぞれ導通可能に保持するワイヤ保持部を有する保持端子を備え、該保持端子が支持体に支持固定されている。
例えば、特許文献1の駆動モジュールは、支持体(シャーシ)上に移動可能に設けられた被駆動体が、通電量に応じて伸縮する形状記憶合金(Shape Memory Alloy、以下、SMAと略称する)ワイヤの中間部に係止されてなる駆動モジュールであって、SMAワイヤの端部をそれぞれ導通可能に保持するワイヤ保持部を有する保持端子を備え、該保持端子が支持体に支持固定されている。
ところで、従来の駆動モジュール(アクチュエータ)では、保持端子のワイヤ保持部の間にSMAワイヤを挟持して支持固定する構成が採用されている。このようにしてワイヤ保持部に支持固定されたSMAワイヤが伸縮を繰り返すと、SMAワイヤとワイヤ保持部におけるSMAワイヤが延出される側の側面とが擦れ合い、SMAワイヤが金属疲労や保持部との接触で生じた傷により切断してしまう虞がある。また、ワイヤ保持部とSMAワイヤとが当接している領域においても、SMAワイヤが伸縮を繰り返すと、ワイヤ保持部とSMAワイヤとが擦れ合い、SMAワイヤが金属疲労により切断してしまう虞がある。
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、形状記憶合金ワイヤの切断を抑制することができるアクチュエータ、駆動モジュールおよび電子機器を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係るアクチュエータは、被駆動体と、該被駆動体を支持する支持体と、前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで前記被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定されたアクチュエータにおいて、前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、該保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されていることを特徴としている。
本発明に係るアクチュエータは、被駆動体と、該被駆動体を支持する支持体と、前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで前記被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定されたアクチュエータにおいて、前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、該保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されていることを特徴としている。
このように構成することで、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、形状記憶合金ワイヤと保持部の側面とが擦れ合うのを防止することができる。また、保持部の端部において形状記憶合金ワイヤへの応力集中を緩和することができる。つまり、アクチュエータの使用中に、形状記憶合金ワイヤが切断するのを抑制することができる。したがって、耐久性や信頼性に富んだアクチュエータを提供することができる。
また、本発明に係るアクチュエータは、被駆動体と、該被駆動体を支持する支持体と、前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで前記被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定されたアクチュエータにおいて、前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、少なくとも該保持部における前記形状記憶合金ワイヤと当接する領域に、厚さ0.1μm以上の金メッキが施されていることを特徴としている。
このように構成することで、保持端子の保持部と形状記憶合金ワイヤとの間に金メッキが介装されるため、保持端子に形状記憶合金ワイヤを支持固定する際に、保持端子と形状記憶合金ワイヤとが直接接触するのを防止することができる。したがって、形状記憶合金ワイヤが保持端子に形成される可能性のあるバリなどに接触しないため、形状記憶合金ワイヤが損傷するのを防止することができる。
また、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、保持部と形状記憶合金ワイヤとが擦れ合うことにより形状記憶合金ワイヤが切断されるのを抑制することができる。また、金メッキの厚さを0.1μm以上にすることにより、形状記憶合金ワイヤが経年的に切断されるのをより確実に抑制することができる。
また、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、保持部と形状記憶合金ワイヤとが擦れ合うことにより形状記憶合金ワイヤが切断されるのを抑制することができる。また、金メッキの厚さを0.1μm以上にすることにより、形状記憶合金ワイヤが経年的に切断されるのをより確実に抑制することができる。
また、本発明に係るアクチュエータは、被駆動体と、該被駆動体を支持する支持体と、前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで前記被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定されたアクチュエータにおいて、前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、該保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されているとともに、少なくとも該保持部における前記形状記憶合金ワイヤと当接する領域に、厚さ0.1μm以上の金メッキが施されていることを特徴としている。
このように構成することで、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、形状記憶合金ワイヤと保持部の側面とが擦れ合うのを防止することができる。つまり、アクチュエータの使用中に、形状記憶合金ワイヤが切断するのを抑制することができる。
また、保持端子の保持部と形状記憶合金ワイヤとの間に金メッキが介装されるため、保持端子に形状記憶合金ワイヤを支持固定する際に、保持端子と形状記憶合金ワイヤとが直接接触するのを防止することができる。したがって、形状記憶合金ワイヤが保持端子に形成される可能性のあるバリなどに接触しないため、形状記憶合金ワイヤが損傷するのを防止することができる。
また、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、保持部と形状記憶合金ワイヤとが擦れ合うことにより形状記憶合金ワイヤが切断されるのを抑制することができる。また、金メッキの厚さを0.1μm以上にすることにより、形状記憶合金ワイヤが経年的に切断されるのをより確実に抑制することができる。
したがって、耐久性や信頼性に富んだアクチュエータを提供することができる。
また、保持端子の保持部と形状記憶合金ワイヤとの間に金メッキが介装されるため、保持端子に形状記憶合金ワイヤを支持固定する際に、保持端子と形状記憶合金ワイヤとが直接接触するのを防止することができる。したがって、形状記憶合金ワイヤが保持端子に形成される可能性のあるバリなどに接触しないため、形状記憶合金ワイヤが損傷するのを防止することができる。
また、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、保持部と形状記憶合金ワイヤとが擦れ合うことにより形状記憶合金ワイヤが切断されるのを抑制することができる。また、金メッキの厚さを0.1μm以上にすることにより、形状記憶合金ワイヤが経年的に切断されるのをより確実に抑制することができる。
したがって、耐久性や信頼性に富んだアクチュエータを提供することができる。
また、前記保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側とは反対側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されていることを特徴としている。
このように構成することで、形状記憶合金ワイヤと保持部の反対側の側面とが擦れ合うのを防止することができる。つまり、形状記憶合金ワイヤの端部が破断するのを抑制することができ、形状記憶合金ワイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
また、本発明に係る駆動モジュールは、筒状または柱状の被駆動体と、該被駆動体を支持する支持体と、前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動可能に弾性保持する板ばね部材と、前記被駆動体を前記板ばね部材の復元力に抗して一定方向に沿って駆動させる駆動手段と、を有し、前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで、前記被駆動体を前記板ばね部材の復元力に抗して駆動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定された駆動モジュールにおいて、前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、該保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されていることを特徴としている。
このように構成することで、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、形状記憶合金ワイヤと保持部の側面とが擦れ合うのを防止することができる。つまり、駆動モジュールの使用中に、形状記憶合金ワイヤが切断するのを抑制することができる。したがって、耐久性や信頼性に富んだ駆動モジュールを提供することができる。
また、本発明に係る駆動モジュールは、被駆動体と、該被駆動体を支持する支持体と、前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで前記被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定された駆動モジュールにおいて、前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、少なくとも該保持部における前記形状記憶合金ワイヤと当接する領域に、厚さ0.1μm以上の金メッキが施されていることを特徴としている。
このように構成することで、保持端子の保持部と形状記憶合金ワイヤとの間に金メッキが介装されるため、保持端子に形状記憶合金ワイヤを支持固定する際に、保持端子と形状記憶合金ワイヤとが直接接触するのを防止することができる。したがって、形状記憶合金ワイヤが保持端子に形成される可能性のあるバリなどに接触しないため、形状記憶合金ワイヤが損傷するのを防止することができる。
また、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、保持部と形状記憶合金ワイヤとが擦れ合うことにより形状記憶合金ワイヤが切断されるのを抑制することができる。また、金メッキの厚さを0.1μm以上にすることにより、形状記憶合金ワイヤが経年的に切断されるのをより確実に抑制することができる。
また、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、保持部と形状記憶合金ワイヤとが擦れ合うことにより形状記憶合金ワイヤが切断されるのを抑制することができる。また、金メッキの厚さを0.1μm以上にすることにより、形状記憶合金ワイヤが経年的に切断されるのをより確実に抑制することができる。
また、本発明に係る駆動モジュールは、被駆動体と、該被駆動体を支持する支持体と、前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで前記被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定された駆動モジュールにおいて、前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、該保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されているとともに、少なくとも該保持部における前記形状記憶合金ワイヤと当接する領域に、厚さ0.1μm以上の金メッキが施されていることを特徴としている。
このように構成することで、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、形状記憶合金ワイヤと保持部の側面とが擦れ合うのを防止することができる。つまり、駆動モジュールの使用中に、形状記憶合金ワイヤが切断するのを抑制することができる。
また、保持端子の保持部と形状記憶合金ワイヤとの間に金メッキが介装されるため、保持端子に形状記憶合金ワイヤを支持固定する際に、保持端子と形状記憶合金ワイヤとが直接接触するのを防止することができる。したがって、形状記憶合金ワイヤが保持端子に形成される可能性のあるバリなどに接触しないため、形状記憶合金ワイヤが損傷するのを防止することができる。
また、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、保持部と形状記憶合金ワイヤとが擦れ合うことにより形状記憶合金ワイヤが切断されるのを抑制することができる。また、金メッキの厚さを0.1μm以上にすることにより、形状記憶合金ワイヤが経年的に切断されるのをより確実に抑制することができる。
したがって、耐久性や信頼性に富んだ駆動モジュールを提供することができる。
また、保持端子の保持部と形状記憶合金ワイヤとの間に金メッキが介装されるため、保持端子に形状記憶合金ワイヤを支持固定する際に、保持端子と形状記憶合金ワイヤとが直接接触するのを防止することができる。したがって、形状記憶合金ワイヤが保持端子に形成される可能性のあるバリなどに接触しないため、形状記憶合金ワイヤが損傷するのを防止することができる。
また、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、保持部と形状記憶合金ワイヤとが擦れ合うことにより形状記憶合金ワイヤが切断されるのを抑制することができる。また、金メッキの厚さを0.1μm以上にすることにより、形状記憶合金ワイヤが経年的に切断されるのをより確実に抑制することができる。
したがって、耐久性や信頼性に富んだ駆動モジュールを提供することができる。
また、前記保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側とは反対側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されていることを特徴としている。
このように構成することで、形状記憶合金ワイヤと保持部の反対側の側面とが擦れ合うのを防止することができる。つまり、形状記憶合金ワイヤの端部が破断するのを抑制することができ、形状記憶合金ワイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
また、本発明に係る電子機器は、上述した駆動モジュールを備えていることを特徴としている。
本発明に係る電子機器においては、形状記憶合金ワイヤの切断を抑制することができる駆動モジュールが用いられている。したがって、製品の耐久性および信頼性が向上した、高精度な電子機器を提供することができる。
本発明に係るアクチュエータによれば、形状記憶合金ワイヤが伸縮を繰り返す際に、形状記憶合金ワイヤと保持部の側面とが擦れ合うのを防止することができる。また、保持部の端部において形状記憶合金ワイヤへの応力集中を緩和することができる。つまり、アクチュエータの使用中に、形状記憶合金ワイヤが切断するのを抑制することができる。したがって、耐久性や信頼性に富んだアクチュエータを提供することができる。
次に、本発明に係る実施形態を図1〜図19に基づいて説明する。なお、本実施形態では、カメラ機能付き携帯電話などの小型の電子機器において、撮像レンズユニットなどの被駆動体を駆動させるアクチュエータとして機能する駆動モジュールおよびその製造方法について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る駆動モジュールの斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る駆動モジュールの概略構成を示す分解斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係る駆動ユニットの概略構成を示す分解斜視図である。図4は、本発明の実施形態に係る駆動ユニットの斜視図である。図5は、図4におけるA−A線に沿う断面図である。図6は、本発明の実施形態に係る駆動モジュールの側面図である。なお、一部の図面では見易さのため、例えば、レンズユニット12などの構成部材を適宜省略して図示している。
図1、図2に示すように、本実施形態の駆動モジュール1は、全体として箱型に形成されている。この駆動モジュール1は、組み立てて完成されたものが、電子機器などに取り付けられ、駆動モジュール1に制御信号や電力を供給する基板(不図示)上に嵌め込んだり、接着したりして固定される。駆動モジュール1は、基板上に位置するアダプタ30と、アダプタ30上に配設される駆動ユニット31と、駆動ユニット31を覆うように配設されたカバー11と、を備えている。
図3に示すように、駆動ユニット31は、被駆動体となるレンズ枠4、支持体となるモジュール枠5、板ばね部材となる上板ばね6及び下板ばね7、モジュール下板8、給電部材9、形状記憶合金(Shape Memory Alloy、以下、SMAと略称する)ワイヤ10を主な構成部材とするものであって、これら構成部材が一体に積層されることで1つのアクチュエータを構成する。
図3〜6に示すように、これらの部材の組立状態では、レンズ枠4は、モジュール枠5の内方に挿入され、上板ばね6、下板ばね7は、これらレンズ枠4とモジュール枠5とを図示上下方向から挟持した状態でカシメにより固定され、これらの図示下方側からモジュール下板8、給電部材9が、この順に積層されて、モジュール枠5の下方からカシメによりそれぞれ共に固定されている。なお、これらの積層体を上方側から覆うカバー11が、モジュール下板8に固定される。
なお、図中の符号Mは、レンズユニット12(図5参照)の光軸に一致する駆動モジュール1の仮想的な軸線であり、レンズ枠4の駆動方向を示している。以下では、説明を簡単にするため、分解された各構成部材の説明においても、組立時の軸線Mとの位置関係に基づいて、位置や方向を参照する場合がある。例えば、構成部材に明確な円、円筒面が存在しない場合でも、誤解のおそれのない限り、軸線Mに沿う方向を、単に軸方向、軸線Mを中心とする円の径方向、周方向を、単に径方向、周方向と称する場合がある。また、上下方向は、特に断らない限り、軸線Mを鉛直方向に配置し、駆動モジュール1の取付面が鉛直下方となる場合の配置における上下方向を指すものとする。
これら構成部材の中で、被駆動体となるレンズ枠4は、図3に示すように全体として筒状に形成されるものであって、その中央を貫通し、軸線Mに同軸に形成された筒状の収容部4Aの内周面4Fに雌ネジが形成されている(図5参照)。そして、収容部4Aには、適宜のレンズまたはレンズ群を外周部に雄ネジが形成された鏡筒に保持したレンズユニット12を螺合して固定できるようになっている。
レンズ枠4の外壁面4Bには周方向に略90度の間隔をおいて、径方向外方に向けて突出する突出部4C(凸部)が軸方向に延設されており、これら各突出部4Cの上端部と下端部とにおいて、軸線Mに直交する平面からなる端面4a、4b上には、軸線Mに沿う上方及び下方に向けてそれぞれ突出する上側固定ピン13A、下側固定ピン13Bが、それぞれ4本ずつ設けられている。上側固定ピン13Aは上板ばね6を保持し、下側固定ピン13Bは下板ばね7を保持するためのものである。
上側固定ピン13Aおよび下側固定ピン13Bの平面視の位置は、それぞれ異なっていてもよいが、本実施形態では、軸線Mに平行な同軸位置に配置されている。このため、上板ばね6、下板ばね7における、上側固定ピン13A、下側固定ピン13Bの挿通位置は、それぞれ共通化されている。
また、上側固定ピン13Aおよび下側固定ピン13Bの径方向の各中心位置は、異なっていてもよいが、本実施形態では、同一円周上に配置されている。このため、それぞれの中心位置は正方格子状に配置されている。
レンズ枠4の径方向外側には、1つの突出部4Cの下端側から、径方向外方に突出するようにガイド突起4Dが設けられている。このガイド突起4Dは、図4に示すように、その先端鍵部(係合部)4D1にSMAワイヤ10を係止し、このSMAワイヤ10の収縮によりガイド突起4Dを上方(矢印(イ)方向)に持ち上げて移動させるためのものである。また、ガイド突起4Dには軸線Mに平行に上方に延設された柱状のスプリング保持部33が形成されている。スプリング保持部33にはコイルスプリング34(図2参照)が挿通され、コイルスプリング34の付勢力によりレンズ枠4を下向きに付勢している。これによりSMAワイヤ10が周囲環境の影響などにより収縮してレンズ枠4を上昇させようとする動きを抑制することができる。なお、レンズ枠4は、熱カシメまたは超音波カシメが可能な熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート(PC)、液晶ポリマー(LCP)樹脂などにより一体成形されている。
モジュール枠5は、図3に示すように、平面視の外形が全体として略矩形状に形成され、かつその中央部に、軸線Mに同軸に形成された貫通孔からなる収容部5Aが形成された筒状の部材であって、この収容部5A内にレンズ枠4が収容される。モジュール枠5の上部及び下部の四隅には、軸線Mに直交する平面からなる端面5a、5bが形成され、端面5aから上方に向けて上側固定ピン14Aが、また端面5bから下方に向けて下側固定ピン14Bが、それぞれ4本ずつ設けられている。
上側固定ピン14Aは上板ばね6を保持し、下側固定ピン14Bは下板ばね7、モジュール下板8、給電部材9を保持するためのものである。なお、上側固定ピン14Aの平面視の位置は、下側固定ピン14Bの配置と異なっていてもよいが、本実施形態では、それぞれ軸線Mに平行な同軸位置に配置されている。このため、上板ばね6、下板ばね7における、上側固定ピン14A、下側固定ピン14Bの挿通位置は、それぞれ共通化されている。また、端面5a、5bの間の距離は、レンズ枠4の端面4a、4bの間の距離と同一距離に設定されている。
モジュール枠5の一隅の下部には平面視の溝幅がレンズ枠4のガイド突起4Dに軸方向に移動可能に嵌合する大きさを有する切欠き5Bが形成されている。この切欠き5Bは、レンズ枠4をモジュール枠5内に下方から挿入して収容した状態で、レンズ枠4のガイド突起4Dを貫通させ、ガイド突起4Dの先端鍵部4D1をモジュール枠5の径方向外部に突出させるとともに、レンズ枠4の周方向の位置決めを行うためのものである。
また、モジュール枠5の切欠き5Bに隣接する2つの隅部には、切欠き5Bが設けられた隅部と同方向側の側面において、SMAワイヤ10を保持するワイヤ保持部材(保持端子)15A、15B(図3、4参照)を取り付けるための一対の係止溝5Cが形成されている。
モジュール枠5の側面におけるワイヤ保持部材15A,15Bが配される位置には、ピン35A,35Bがそれぞれ形成されている。さらに、ピン35A,35Bが形成された下方には、接着剤が充填されてモジュール枠5とワイヤ保持部材15A,15Bとを固定する溝部36が形成されている。そして、ワイヤ保持部材15A,15Bをモジュール枠5に固定する際に、ワイヤ保持部材15A,15Bが回動するのを抑制することができる壁部35Cが形成されている。壁部35Cは、モジュール枠5の側面から側方(側面に対して鉛直方向)に延出されている。
また、モジュール枠5は、本実施形態ではレンズ枠4と同様に、熱カシメまたは超音波カシメが可能な熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート(PC)、液晶ポリマー(LCP)樹脂などにより一体成形されている。
ワイヤ保持部材15Aは、駆動モジュール1から給電部材9の一対の端子部9Cが突出される側の側面に取り付けられ、ワイヤ保持部材15Bは、駆動モジュール1から給電部材9の一対の端子部9Cが突出されない側の側面に取り付けられている。
図4に示すように、ワイヤ保持部材15A、15Bは、ワイヤ保持部15bにSMAワイヤ10の端部をカシメてなる鍵状に形成された金属板などの導電性部材である。ワイヤ保持部材15A,15Bには、モジュール枠5のピン35A,35Bに嵌合する貫通孔36A,36Bがそれぞれ形成されている。また、貫通孔36A,36Bの軸方向下方には接着剤を流し込むための貫通孔37A,37Bがそれぞれ形成されている。そして、モジュール枠5とワイヤ保持部材15A,15Bとを固定する際に、モジュール枠5の壁部35Cに当接して、ワイヤ保持部材15A,15Bの回動を抑止するための腕部38A,38Bがそれぞれ形成されている。係止溝5Cおよびピン35A,35Bに側方から嵌合させ、壁部35Cと腕部38A,38Bとを当接させることで、SMAワイヤ10の端部を位置決めして保持するものである。
ワイヤ保持部材15A、15Bは、SMAワイヤ10のワイヤ保持部15b(カシメ位置)と反対側に片状の端子部15aを備え、モジュール枠5に対する取付状態において、端子部15aがモジュール枠5の下方に積層されたモジュール下板8の下方にわずかに突出されるようになっている。
ここで、図7、図8に示すように、ワイヤ保持部材15A、15BにおけるSMAワイヤ10が挟持されるワイヤ保持部15bの両側面61,62と、SMAワイヤ10とが直接接触しないようにワイヤ保持部15bには曲面部63,64が形成されている。この曲面部63,64は、面取りまたは面押しして形成されている。また、SMAワイヤ10が延出される側の側面61に形成された曲面部63と、その反対側の側面62に形成された曲面部64と、を比較すると、曲面部63の曲率半径の方が曲面部64の曲率半径よりも大きくなっている。ここで、曲面部64を形成することにより、ワイヤ保持部15bをプレス加工で製造した際に生じるバリがSMAワイヤ10を傷めたり、バリ同士が接触してSMAワイヤ10を均一な力で保持できなくなるのを抑制することができる。なお、図7、図8はワイヤ保持部材15Aを図示しているが、ワイヤ保持部材15Bも同じ構成で形成されている。
また、ワイヤ保持部材15A、15Bのワイヤ保持部15bにおけるSMAワイヤ10と当接する領域65には、厚さ0.1μmの金メッキPが施されている。つまり、SMAワイヤ10はワイヤ保持部15bを折り曲げて挟持することによりワイヤ保持部15bに支持固定されるが、そのワイヤ保持部15bの内面になる領域65に金メッキPが施されている。
さらに、ワイヤ保持部15bは、平面視で湾曲形成されている(図4参照)。本実施形態のワイヤ保持部15bは、ワイヤ保持部15bをカシメてSMAワイヤ10を支持固定した後、別工程でさらにカシメてワイヤ保持部15bを湾曲させている。このようにワイヤ保持部15bを湾曲形成することにより、SMAワイヤ10とワイヤ保持部15bとの保持力がさらに強固に高められている。
また、一対のワイヤ保持部材15A、15Bによって両端が保持されたSMAワイヤ10は、モジュール枠の切欠き5Bから突出されたレンズ枠4のガイド突起4Dの先端鍵部4D1に下方から係止され、SMAワイヤ10の張力により、先端鍵部4D1を介して、レンズ枠4を上方に付勢している。
図3,4に示すように、モジュール枠5及びモジュール枠5内に挿入されたレンズ枠4のそれぞれの上部と下部には、それぞれ上板ばね6と下板ばね7とが積層されている。上板ばね6及び下板ばね7は、略同一形状に打ち抜かれた平板状の板ばね部材であり、例えば、ステンレス(SUS)鋼板などの金属板からなる。
上板ばね6(下板ばね7)の形状は、平面視の外形が、モジュール枠5の上側(下側)の端部と同様な略矩形状とされ、中央部に軸線Mと同軸でレンズ枠4の内周面4Fよりわずかに大きな円状の開口6C(7C)が形成され、全体としてリング状とされている。
上板ばね6(下板ばね7)の隅部近傍には、モジュール枠5の隅部近傍に形成された上側固定ピン14A(下側固定ピン14B)の配置位置に対応して、各上側固定ピン14A(下側固定ピン14B)にそれぞれ挿通可能な4つの貫通孔6B(7B)が形成されている。これにより、モジュール枠5に対する軸線Mに直交する平面内の位置決めが可能となっている。
また、上板ばね6(下板ばね7)には、レンズ枠4に形成された上側固定ピン13A(下側固定ピン13B)の配置位置に対応して、各上側固定ピン13A(下側固定ピン13B)にそれぞれ挿通可能な4つの貫通孔6A(7A)が形成されている。
また、開口6C(7C)の径方向外側には、リング部6F(7F)が形成され、軸線Mを挟んで互いに対角方向に対向する貫通孔6A(7A)の近傍位置から、周方向に略半円弧状に延びる4つのスリット6D(7D)がそれぞれ、略四分円弧ずつ径方向に重なった状態に形成されている。
これにより、上板ばね6(下板ばね7)の外側の矩形状枠体から、略四分円弧状に延ばされた4つのばね部6E(7E)が、それぞれ1つずつ貫通孔6A(7A)近傍に延ばされた板ばね部材が形成されている。
このように、上板ばね6(下板ばね7)の外形が、モジュール枠5の外形に略合わせた矩形状に設けられ、ばね部6E(7E)、リング部6F(7F)が開口6C(7C)に沿うリング状の領域に形成されている。そして、上板ばね6(下板ばね7)をモジュール枠5に固定する上側固定ピン14A(下側固定ピン14B)の配置に応じて、スペースに余裕のある隅部に被固定部である貫通孔6B(7B)が設けられるため、貫通孔6B(7B)の形状が、ばね部6E(7E)から離すことができるので、精密な打ち抜きによる製造やエッチングでの製造が容易となる。
モジュール下板8は、モジュール枠5の各下側固定ピン14Bを下板ばね7の貫通孔7Bに貫通させるとともに、モジュール枠5内に収容したレンズ枠4の各下側固定ピン13Bを下板ばね7の貫通孔7Aに貫通させた状態で、モジュール枠5との間で、下板ばね7を下方側から挟んで積層し、下板ばね7の矩形状の外形枠をモジュール枠5の端面5bに対して押圧状態に固定するものである。
モジュール下板8の形状は、モジュール枠5の外形と略同様の矩形状外形を有する板状部材であり、中央部に軸線Mを中心とする略円形状の開口8Aが厚さ方向に貫通して形成されている。そして、組立時に下板ばね7に積層される上面8a側には、レンズ枠4の各下側固定ピン13Bの配置位置に対応する位置に、後述するカシメ部との干渉を避けるための4つのU字状の凹部8Bが形成されている。また、モジュール下板8の周縁に位置する各隅部にはモジュール枠5の各下側固定ピン14Bの配置位置に対応して、これら下側固定ピン14Bをそれぞれ挿通させる貫通孔8Cが形成されている。モジュール下板8の材質は、例えば、電気絶縁性および遮光性を有する合成樹脂を採用している。また、モジュール下板8が電気絶縁性を有することで、給電部材9を下板ばね7に対して電気的絶縁状態で固定する絶縁部材となっている。
給電部材9は、それぞれ板状の金属板からなる一対の電極9a、9bからなる。電極9a、9bは、いずれも、モジュール下板8の外形に沿う略L字状の配線部9Bと、配線部の端部からモジュール下板8の外形の外側に突出する端子部9Cとを備える折れ線状の金属板からなる。そして、それぞれの配線部9Bには、モジュール下板8の下面から下方に突出されるモジュール枠5の下側固定ピン14Bのうち、モジュール下板8の外形に沿って隣り合う2つの下側固定ピン14Bを、それぞれ挿通させて、電極9a、9bをモジュール枠5に対して位置決めを行う2つの貫通孔9Aが設けられている。
また、図4に示すように、電極9a、9bの端子部9Cは、モジュール枠5において、ワイヤ保持部材15Aが取り付けられた側の側面から軸方向下方に並列して突出するように設けられている。
このため、電極9aには、貫通孔9Aと端子部9Cとの間の配線部9B上の側面に、ワイヤ保持部材15Aの端子部15aを電気的に接続するために凹状に切り欠かれた導電接続部9Dが設けられている。
一方、電極9bには、配線部9Bの側面におけるワイヤ保持部材15Bの端子部15aとの接続箇所に、切り欠かれた導電接続部9Dが形成されている。この導電接続部9Dにおいて、電極9bとワイヤ保持部材15Bとが電気的に接続されている。
それぞれの導電接続部9Dを、端子部15aと電気的に接続する手段としては、例えば、半田付けまたは導電性接着剤による接着を採用することができる。
図2に戻り、カバー11は、上面11Eの外縁部から下方側に、モジュール枠5を外嵌可能に覆う側壁部11Dが延ばされ、下方側に矩形状の開口11Cが形成された部材であり、上面11Eの中央部に軸線Mを中心とした円状の開口11Aが設けられている。開口11Aの大きさは、レンズユニット12を出し入れ可能な大きさとされる。
このように構成された駆動モジュール1の製造方法について順を追って説明する。
第1工程では、まず、モジュール枠5の収容部5A内に下方からレンズ枠4を挿入し、モジュール枠5の各端面5aと、レンズ枠4の端面4aとを同一高さに揃える。そして、モジュール枠5の各上側固定ピン14Aとレンズ枠4の各上側固定ピン13Aとに、上板ばね6の各貫通孔6B、6Aをそれぞれ挿通する。
第1工程では、まず、モジュール枠5の収容部5A内に下方からレンズ枠4を挿入し、モジュール枠5の各端面5aと、レンズ枠4の端面4aとを同一高さに揃える。そして、モジュール枠5の各上側固定ピン14Aとレンズ枠4の各上側固定ピン13Aとに、上板ばね6の各貫通孔6B、6Aをそれぞれ挿通する。
その後、上板ばね6の各貫通孔6A、6Bを貫通して上方に突き出された各上側固定ピン13A、14Aの先端部を、図示しないヒータチップにより熱カシメして、それぞれ第1の固定部であるカシメ部16と、第2の固定部であるカシメ部17を形成する(図4、5参照)。
このとき、レンズ枠4の端面4aとモジュール枠5の端面5aとは、同一平面上に整列されており、平板状の上板ばね6を変形させることなく配置して、熱カシメを行うことができる。そのため、変形する上板ばね6を押さえる必要がないので、容易にカシメを行うことができる。また、上板ばね6の変形による浮きなどの発生を防止することができる。また、各ヒータチップの高さを共通とすることができるので、カシメ部16、17を同時に形成しても、カシメ精度のバラツキを低減することができる。
次に、第2工程では、レンズ枠4の各下側固定ピン13Bに、下板ばね7の各貫通孔7Aをそれぞれ挿通する。その際、同時にモジュール枠5の各下側固定ピン14Bに、下板ばね7の各貫通孔7B、モジュール下板8の各貫通孔8C、給電部材9の各貫通孔9Aを挿通する。その後、下板ばね7の各貫通孔7Aを貫通して下方に突き出された各下側固定ピン13Bの先端部を、ヒータチップにより熱カシメして、第1の固定部であるカシメ部18(図5参照)を形成する。
このとき、レンズ枠4の端面4a、4b間の軸方向距離と、モジュール枠5の端面5a、5b間の軸方向距離とは等しいため、端面4b、5bは、同一平面上に整列されており、平板状の下板ばね7を変形させることなくモジュール下板8を積層配置して、熱カシメを行うことができるので、下板ばね7の変形による浮きなどの発生を防止することができる。また、各ヒータチップの高さを共通とすることができるので、カシメ部18を同時に形成しても、カシメ精度のバラツキを低減することができる。
次に、第3工程では、これら貫通孔7B、8C、9Aを貫通して下方に突き出された各下側固定ピン14Bの下端部を、ヒータチップにより熱カシメして、第2の固定部であるカシメ部19(図5参照)を形成する。
このとき、各ヒータチップの高さを共通とすることができるので、カシメ部19を同時に形成しても、カシメ精度のバラツキを低減することができる。また、モジュール下板8に凹部8Bが形成されているため、第2工程で形成されたカシメ部18は、モジュール下板8とは接触しない。
これら第1〜第3工程の作業を行うことによって、レンズ枠4とモジュール枠5の両端部に、上板ばね6、下板ばね7、モジュール下板8、給電部材9が積層固定される。
なお、上側固定ピン13Aと下側固定ピン13B、また上側固定ピン14Aと下側固定ピン14Bが、それぞれ同軸に設けられているため、第1〜第3工程のカシメにおいて、カシメ部16、18、カシメ部17、19をそれぞれ形成するためのヒータチップの平面上の位置がそれぞれ共通となる。そのため、各カシメにおいて、ヒータチップ位置を変更する必要がないため効率よくカシメ作業を行うことができる。
このように、板ばね部材(上板ばね6、下板ばね7)を熱カシメすることにより、カシメ部16〜19によってモジュール枠5およびレンズ枠4との間で挟持して固定することができるため、接着などで固定する場合に比べて、固化に要する時間が短く、組立時間を低減することができる。また、接着剤が硬化する際のガスの発生などによって、部品を汚染したりするおそれがない。また、経時的に安定した固定を行うことができる。その結果、固定部の信頼性を向上することができる。
また、ネジなどの固定部品を用いないため、部品点数が削減された簡素な構成となり、より軽量化、小型化が可能となる。特に、被駆動体であるレンズ枠4が軽量化されるため、高速、低消費電力の駆動が可能となる。
次に、第4工程(配設工程)では、一対のワイヤ保持部材15A、15Bを、モジュール枠5に固定する。具体的には、モジュール枠5に形成された2箇所のピン35A,35Bにワイヤ保持部材15A,15Bの貫通孔36A,36Bを嵌合するとともに、係止溝5Cにワイヤ保持部材15A,15Bをそれぞれ係止させる。また、ワイヤ保持部材15A、15Bの各端子部15aは、モジュール下板8の下方に突出され、それぞれ、モジュール下板8に固定された給電部材9である電極9a、9bの導電接続部9Dに係止されるか、もしくは近接して配置されている。
ここで、図9に示すように、このときのワイヤ保持部材15A、15Bのワイヤ保持部15bは、略90°程度すでに折り曲げられており、その折曲片15cはモジュール枠5に対して外方へ向かって折り曲げられている。また、本実施形態のワイヤ保持部材15A,15BにおけるSMAワイヤ10が挟持されるワイヤ保持部15bの両側面61,62と、SMAワイヤ10とが直接接触しないようにワイヤ保持部15bには曲面部63,64が形成されている。この曲面部63,64は、面取りまたは面押しして形成する。さらに、ワイヤ保持部材15A、15Bのワイヤ保持部15bにおけるSMAワイヤ10と当接する領域65には、厚さ0.1μmの金メッキPが施されている。
次に、第5工程(固定工程)では、貫通孔37A,37Bに熱硬化性接着剤を流し込み、モジュール枠5の溝部36内に充填する。溝部36に熱硬化性接着剤を充填したら、その接着剤を硬化させるために加熱炉の中に入れる。加熱炉内において、例えば約100℃で20〜30分程度加熱することにより接着剤が硬化してモジュール枠5とワイヤ保持部材15A,15Bとが接着固定される。
モジュール枠5とワイヤ保持部材15A,15Bとを接着固定した後、例えば、半田付けや導電性接着剤などを用いて、各端子部15aを、それぞれ導電接続部9Dに対して電気的に接続させる。
続いて、第6工程(ワイヤ取付工程)では、ワイヤ保持部材15A,15BにSMAワイヤ10を支持固定する。
具体的には、図10に示すように、一方10a側が把持部材51により把持されるとともに、他方10b側が錘52により張力がかけられたSMAワイヤ10に対して、治具53上に載置されたモジュール枠5(上記第5工程までを経たもの)を近づけていく。このとき、図11に示すように、SMAワイヤ10に対してモジュール枠5は斜め上方に配置されており、モジュール枠5をSMAワイヤ10に向かって斜め下方に移動させる。
そして、図12、図13に示すように、レンズ枠4の先端鍵部4D1にSMAワイヤ10が係止されるまでモジュール枠5を斜め下方へ移動させる。
そして、図12、図13に示すように、レンズ枠4の先端鍵部4D1にSMAワイヤ10が係止されるまでモジュール枠5を斜め下方へ移動させる。
続いて、図14、図15に示すように、SMAワイヤ10がワイヤ保持部材15A,15Bのワイヤ保持部15bの所望の位置にくるまでモジュール枠5をさらに斜め下方に移動させる。
続いて、図16に示すように、モジュール枠5を治具54を用いて下方へ移動させる。このとき、SMAワイヤ10の両端は移動しないため、SMAワイヤ10がワイヤ保持部15bの折曲片15cに所望の張力を有した状態で当接する。
このようにワイヤ保持部材15A,15Bの所定の位置にSMAワイヤ10が配置された状態でワイヤ保持部15bをカシメてSMAワイヤ10を支持固定する。このとき、先にSMAワイヤ10の一方10a側に配されたワイヤ保持部材15Bのワイヤ保持部15bをカシメるとともに、余分にはみだしたワイヤを切断する。ワイヤ保持部材15B側のカシメが終了した後に、他方10b側に配されたワイヤ保持部材15Aのワイヤ保持部15bをカシメるとともに、余分にはみだしたワイヤを切断する。このような順序でワイヤ保持部材15B,15Aをカシメることにより、SMAワイヤ10には所定の張力がかけられた状態でカシメることができる。つまり、製品ごとに誤差がなく、略一定の張力を保持した状態でSMAワイヤ10をモジュール枠5に取り付けることができる。
また、図17に示すように、本実施形態では、ワイヤ保持部15bの領域65に金メッキPを施しているため、カシメ時にワイヤ保持部15bとSMAワイヤ10とが直接接触するのを防止することができる。したがって、SMAワイヤ10がワイヤ保持部材15A,15Bに形成される可能性のあるバリなどに接触しないため、SMAワイヤ10が損傷するのを防止することができる。また、SMAワイヤ10が伸縮を繰り返す際に、ワイヤ保持部15bとSMAワイヤ10とが擦れ合うことによりSMAワイヤ10が切断されるのを抑制することができる。つまり、金メッキPが潤滑材料の機能を果たす。また、金メッキPの厚さを0.1μm以上にすることにより、SMAワイヤ10が経年的に切断されるのをより確実に抑制することができる。
さらに、図18に示すように、本実施形態では、ワイヤ保持部材15A,15Bにワイヤ保持部15bにおけるSMAワイヤ10が延出される側の側面61と、SMAワイヤ10とが直接接触しないようにワイヤ保持部15bに曲面部63を形成したため、SMAワイヤ10が伸縮を繰り返す際に、SMAワイヤ10とワイヤ保持部15bの側面61とが擦れ合うのを防止することができる。つまり、駆動モジュール1の使用中に、SMAワイヤ10が切断してしまうのを抑制することができる。したがって、耐久性や信頼性に富んだ駆動モジュール1を提供することができる。
続いて、ワイヤ保持部15bの本カシメを行う。ワイヤ保持部15bの本カシメでは、SMAワイヤ10が支持固定されたワイヤ保持部15bを平面視で湾曲させる。具体的には、SMAワイヤ10が伸縮する方向に対して湾曲するようにワイヤ保持部15bをカシメる。このように本カシメをすることにより、SMAワイヤ10とワイヤ保持部15との間の保持力をさらに高めることができる。したがって、SMAワイヤ10が経年的にワイヤ保持部材15A,15Bから脱落するのを抑制することができ、駆動モジュール1の長寿命化を図ることができる。
次に、第7工程では、モジュール枠5の上方から、カバー11を被せ、側壁部11Dとモジュール下板8とを接合する。例えば、側壁部11Dに係合爪などを設けてはめ込みによって接合したり、側壁部11Dとモジュール下板8とを接着、または溶着して接合したりする。なお、カバー11を被せる前に、ガイド突起4Dのスプリング保持部33にコイルスプリング34を挿通しておく。このようにコイルスプリング34を配置することにより、コイルスプリング34の一端はカバー11の上面11Eの裏面に当接され、他端はガイド突起4Dに当接されて、レンズ枠4を軸方向下方に付勢するように構成される。なお、本実施形態ではコイルスプリング34が、周囲温度が70℃のときにSMAワイヤ10が収縮しようとする力に抗する付勢力を有している。また、カシメ部16、17は、それぞれカバー11の上面11Eの裏面に対して、離間された状態にある。このようにして、駆動モジュール1本体の組み立てが完了する。
その後、駆動ユニット31の下方にアダプタ30を取り付けた後、基板上へ取り付ける。駆動モジュール1の基板上への取り付けは、接着、嵌め込みなどの固定手段を採用することができる。
なお、基板は、駆動モジュール1に付属する独立した部材であってもよいし、電子機器などに接続、配置された部材であってもよい。
さらに、カバー11の開口11Aを通じてレンズ枠4内にレンズユニット12を螺合して取り付ける。
このように、レンズユニット12を最後に取り付けているのは、組立作業により、レンズユニット12のレンズが汚れたり、ゴミなどが付着したりしないためであるが、例えば、駆動モジュール1をレンズユニット12が取り付けられた製品状態で出荷する場合や、カバー11の開口11Aをレンズユニット12の外形より小さくしたい場合、例えば開口絞りを兼用するような場合などには、この工程を、早い段階(第7工程の前)で実施してもよい。
以上のように駆動モジュール1の製造工程を構成することにより、駆動モジュール1の製造を自動化することが可能となる。つまり、モジュール枠5にワイヤ保持部材15A,15Bを先行して取り付け、その後、SMAワイヤ10をワイヤ保持部材15A,15Bに支持固定することにより、略一定の張力を保持したSMAワイヤ10の取り付けを自動化することができるようになる。したがって、製品の特性誤差の小さい高精度な駆動モジュール1を提供することができる。
次に、駆動モジュール1の動作について説明する。
駆動モジュール1は、端子部9Cに電力が供給されない状態では、SMAワイヤ10からの張力およびコイルスプリング34の付勢力、カシメ部16、18で上板ばね6及び下板ばね7からの復元力などのレンズ枠4に作用する力がつり合い、レンズユニット12が取り付けられたレンズ枠4が、軸方向の一定位置に保持される。
駆動モジュール1は、端子部9Cに電力が供給されない状態では、SMAワイヤ10からの張力およびコイルスプリング34の付勢力、カシメ部16、18で上板ばね6及び下板ばね7からの復元力などのレンズ枠4に作用する力がつり合い、レンズユニット12が取り付けられたレンズ枠4が、軸方向の一定位置に保持される。
端子部9Cから給電部材9に電力を供給すると、例えば、電極9a、ワイヤ保持部材15A、SMAワイヤ10、ワイヤ保持部15b、電極9bは、それぞれ導通されているため、SMAワイヤ10に電流が流れる。これにより、SMAワイヤ10にジュール熱が発生して、SMAワイヤ10の温度が上昇し、SMAワイヤ10の変態開始温度を超えると、SMAワイヤ10が温度に応じた長さに収縮する。
この結果、レンズ枠4のガイド突起4Dが、上方(図中の(イ)方向)に移動する。これにより、コイルスプリング34、上板ばね6、下板ばね7が、それぞれ変形し、変形量に応じた弾性復元力がレンズ枠4に付勢される。そして、この弾性復元力がSMAワイヤ10の張力とつり合う位置で、レンズ枠4が停止する。
このとき、上板ばね6、下板ばね7は、平行ばねを構成しているため、レンズ枠4は、軸方向のガイド部材などに沿わせなくても、正確に軸線M上に沿って移動される。このため、部品点数を削減し、小型化することが可能となっている。また、ガイド部材に対する摺動負荷も発生しないので、低消費電力を実現することが可能となる。
また、電力の供給を停止すると、SMAワイヤ10が伸長可能となり、レンズ枠4は、下方(図中の(ロ)方向)のつり合い位置まで移動する。
このようにして、電力供給量を制御することで、レンズ枠4を軸線M方向に駆動することができる。
このようにして、電力供給量を制御することで、レンズ枠4を軸線M方向に駆動することができる。
次に、曲面部63の有無および金メッキPの厚さについての有効性について表1を用いて説明する。
表1は、ワイヤ保持部材15A,15Bの面押し幅(曲面部の大きさ)および金メッキPの厚さを異なる条件にし、それぞれの条件で形成されたワイヤ保持部材15A,15BにSMAワイヤ10をカシメて支持固定し、SMAワイヤ10に通電することでSMAワイヤ10を所定回数伸縮させたときに、SMAワイヤ10がどれくらい切断されるかを測定したものである。
表1に示すように、比較例は面押し幅を0mm、つまり曲面部63を形成せず、金メッキPの厚さを0.05μmとした場合、実施例1は面押し幅を0.25mm、金メッキPの厚さを比較例と同じく0.05μmとした場合、実施例2は面押し幅を実施例1と同じく0.25mm、金メッキPの厚さを0.1μmとした場合である。
比較例1では、作動回数10万回(SMAワイヤ10の伸縮が10万回)で、20個のサンプル中6個のSMAワイヤ10が切断した。
実施例1では、作動回数30万回で、20個のサンプル中2個のSMAワイヤ10が切断した。つまり、曲面部63を形成することにより、比較例よりもSMAワイヤ10の耐久性が向上していることが分かる。
さらに実施例2では、作動回数100万回で、20個のサンプル全てのSMAワイヤ10が切断されなかった。つまり、金メッキPの厚さを0.1μmにすることにより、SMAワイヤ10の耐久性がさらに向上することが分かる。
実施例1では、作動回数30万回で、20個のサンプル中2個のSMAワイヤ10が切断した。つまり、曲面部63を形成することにより、比較例よりもSMAワイヤ10の耐久性が向上していることが分かる。
さらに実施例2では、作動回数100万回で、20個のサンプル全てのSMAワイヤ10が切断されなかった。つまり、金メッキPの厚さを0.1μmにすることにより、SMAワイヤ10の耐久性がさらに向上することが分かる。
したがって、ワイヤ保持部材15A,15Bに曲面部63を形成するとともに、領域65に厚さ0.1μm以上の金メッキPを施すことにより、SMAワイヤ10の耐久性を向上することができる。
本実施形態によれば、本実施形態のワイヤ保持部材15A、15Bのワイヤ保持部15bには、曲面部63,64を形成したため、SMAワイヤ10が伸縮する際に、SMAワイヤ10とワイヤ保持部15bの側面61,62とが直接接触するのを防止することができる。つまり、側面61,62にはワイヤ保持部材15A,15Bを製造する際にバリなどが形成される場合が多いが、そのようなバリとSMAワイヤ10とが擦れ合うのを防止することができる。したがって、駆動モジュール1の使用中に、SMAワイヤ10が金属疲労によって破断してしまうのを防止することができる。また、バリが生じていない場合であっても、曲面部63,64を形成することにより、ワイヤ保持部15bの端部においてSMAワイヤ10への応力集中を避けることができる。
また、ワイヤ保持部15bにおけるSMAワイヤ10と当接する領域65には厚さ0.1μmの金メッキPを施しているため、ワイヤ保持部材15A、15BにSMAワイヤ10を支持固定する際に、ワイヤ保持部材15A、15BとSMAワイヤ10とが直接接触するのを防止することができる。したがって、SMAワイヤ10がワイヤ保持部材15A、15Bに形成される可能性のあるバリなどに接触しないため、SMAワイヤ10が損傷するのを防止することができる。
また、金メッキPの厚さを0.1μm以上にすることにより、SMAワイヤ10が経年的に切断されるのをより確実に抑制することができる。つまり、SMAワイヤ10の耐久性を向上することができる。
したがって、耐久性や信頼性に富んだ駆動モジュール1を提供することができる。
したがって、耐久性や信頼性に富んだ駆動モジュール1を提供することができる。
次に、本発明の実施形態に係る電子機器について説明する。
図19(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る電子機器の表面、裏面の斜視外観図である。図19(c)は、図19(b)におけるF−F断面図である。
図19(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る電子機器の表面、裏面の斜視外観図である。図19(c)は、図19(b)におけるF−F断面図である。
図19(a)、(b)に示す本実施形態のカメラ付き携帯電話20は、上記実施形態の駆動モジュール1を備えた電子機器の一例である。
カメラ付き携帯電話20は、受話部22a、送話部22b、操作部22c、液晶表示部22d、アンテナ部22e、不図示の制御回路部などの周知の携帯電話の装置構成をカバー22内外に備えている。
カメラ付き携帯電話20は、受話部22a、送話部22b、操作部22c、液晶表示部22d、アンテナ部22e、不図示の制御回路部などの周知の携帯電話の装置構成をカバー22内外に備えている。
また、図19(b)に示すように、液晶表示部22dが設けられた側の裏面側のカバー22に、外光を透過させる窓22Aが設けられ、図19(c)に示すように、駆動モジュール1の開口11Aがカバー22の窓22Aを臨み、窓22Aの法線方向に軸線Mが沿うように、上記第一実施形態の駆動モジュール1が設置されている。
そして、駆動モジュール1は、基板2に機械的、電気的に接続されている。基板2は、不図示の制御回路部に接続され、駆動モジュール1に電力を供給できるようになっている。
このような構成によれば、窓22Aを透過した光を駆動モジュール1の不図示のレンズユニット12で集光し、撮像素子30上に結像することができる。そして、駆動モジュール1に制御回路部から適宜の電力を供給することで、レンズユニット12を軸線M方向に駆動し、焦点位置調整を行って、撮影を行うことができる。
また、このようなカメラ付き携帯電話20によれば、上記実施形態の駆動モジュール1を備えているため、SMAワイヤ10が使用中に切断されるのを抑制することができ、製品の信頼性が向上した、高精度なカメラ付き携帯電話20を提供することができる。また、駆動モジュール1の製造を自動化することができるため、製品の生産効率を向上することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、レンズ枠4を付勢するための板ばね部材である上板ばね6、下板ばね7に上側固定ピン13A、14A、下側固定ピン13B、14Bを挿通させて、これら固定ピンの先端部を熱カシメする場合の例で説明したが、板ばね部材の固定方法は、これに限定されない。例えば、超音波カシメなどで固定してもよいし、板ばね部材を、レンズ枠4やモジュール枠5に接着してもよい。本構造によれば、大きな接着面積が確保できるので接着剤を用いても大きな強度が得られる。
また、上記の説明では、モジュール枠5は、全体として略矩形状の部材として説明したが、略矩形状には限定されず、多角形状であってもよい。
また、上記の説明では、駆動モジュール1をレンズユニットの焦点位置調整機構に用いる場合の例で説明したが、駆動モジュールの用途はこれに限定されない。例えば、被駆動体を目標位置に移動させる適宜のアクチュエータとして他の部分に用いてもよい。例えば、レンズユニット12に代えて、ロッド部材などを螺合したり、レンズ枠4を他の形状に変えたりして、適宜のアクチュエータとして用いることができる。すなわち、被駆動体は、筒状の部材に限定されず、柱状の部材であってもよい。
また、上記の説明では、駆動モジュールを用いた電子機器として、カメラ付き携帯電話の例で説明したが、電子機器の種類はこれに限定されない。例えば、デジタルカメラ、パソコン内蔵のカメラなどの光学機器に用いてもよいし、情報読取記憶装置やプリンタなどの電子機器において、被駆動体を目標位置に移動させるアクチュエータとしても用いることができる。
また、本実施形態では、ワイヤ保持部材のワイヤ保持部に曲面部を形成するとともに、ワイヤ保持部におけるSMAワイヤが当接する領域に金メッキを施した場合の説明をしたが、いずれか一方のみ対応したワイヤ保持部材を用いてもよい。
さらに、本実施形態では、ワイヤ保持部材のワイヤ保持部の両側面に曲面部を形成した場合の説明をしたが、SMAワイヤが延出される側の側面のみに曲面部を形成したものを用いてもよい。
1…駆動モジュール 4…レンズ枠(被駆動体) 4D1…先端鍵部(係合部) 5…モジュール枠(支持体) 6…上板ばね(板ばね部材) 7…下板ばね(板ばね部材) 10…SMAワイヤ(形状記憶合金ワイヤ、駆動手段) 15A,15B…ワイヤ保持部材(保持端子) 15b…ワイヤ保持部(保持部) 20…カメラ付携帯電話(電子機器) 61,62…側面 63,64…曲面部
Claims (9)
- 被駆動体と、
該被駆動体を支持する支持体と、
前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、
前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで前記被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定されたアクチュエータにおいて、
前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、
該保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 被駆動体と、
該被駆動体を支持する支持体と、
前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、
前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで前記被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定されたアクチュエータにおいて、
前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、
少なくとも該保持部における前記形状記憶合金ワイヤと当接する領域に、厚さ0.1μm以上の金メッキが施されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 被駆動体と、
該被駆動体を支持する支持体と、
前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、
前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで前記被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定されたアクチュエータにおいて、
前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、
該保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されているとともに、
少なくとも該保持部における前記形状記憶合金ワイヤと当接する領域に、厚さ0.1μm以上の金メッキが施されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側とは反対側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 筒状または柱状の被駆動体と、
該被駆動体を支持する支持体と、
前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動可能に弾性保持する板ばね部材と、
前記被駆動体を前記板ばね部材の復元力に抗して一定方向に沿って駆動させる駆動手段と、を有し、
前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで、前記被駆動体を前記板ばね部材の復元力に抗して駆動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定された駆動モジュールにおいて、
前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、
該保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されていることを特徴とする駆動モジュール。 - 被駆動体と、
該被駆動体を支持する支持体と、
前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、
前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで前記被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定された駆動モジュールにおいて、
前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、
少なくとも該保持部における前記形状記憶合金ワイヤと当接する領域に、厚さ0.1μm以上の金メッキが施されていることを特徴とする駆動モジュール。 - 被駆動体と、
該被駆動体を支持する支持体と、
前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動させる駆動手段と、を有し、
前記駆動手段が、前記被駆動体の係合部に係合され、通電時の発熱により収縮することで前記被駆動体を移動させる形状記憶合金ワイヤと、該形状記憶合金ワイヤの両端部を保持する保持端子と、を備えるとともに、該保持端子が、前記支持体に支持固定された駆動モジュールにおいて、
前記保持端子に前記形状記憶合金ワイヤを挟持する保持部が形成され、
該保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されているとともに、
少なくとも該保持部における前記形状記憶合金ワイヤと当接する領域に、厚さ0.1μm以上の金メッキが施されていることを特徴とする駆動モジュール。 - 前記保持部における前記形状記憶合金ワイヤが延出される側とは反対側の側面と、前記形状記憶合金ワイヤとが接しないように前記保持部に曲面部が形成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の駆動モジュール。
- 請求項5〜8のいずれかに記載の駆動モジュールを備えていることを特徴とする電子機器。
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JP2009262269A JP2011107413A (ja) | 2009-11-17 | 2009-11-17 | アクチュエータ、駆動モジュールおよび電子機器 |
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-
2009
- 2009-11-17 JP JP2009262269A patent/JP2011107413A/ja not_active Withdrawn
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