JP2010020177A - 駆動モジュールおよびそれを備える電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化を図るとともに、落下衝撃による板ばね部材の塑性変形を抑制することができる駆動モジュールおよびそれを備える電子機器を提供する。
【解決手段】
筒状または柱状の被駆動体4と、被駆動体を内側に収容する筒状の支持体5と、被駆動体を支持体に対して一定方向に沿って移動可能に弾性保持する板ばね部材7と、を備え、板ばね部材が、支持体の軸方向端部に固定される外側リング7Gと、被駆動体の軸方向端部に固定される内側リング7Fと、外側リングと内側リングとの間で周方向に延び、両端部が外側リングおよび内側リングにそれぞれ連結されたばね部7Eと、を有した駆動モジュールにおいて、支持体は、ばね部の長さ方向の少なくとも中央部に相当する周方向の位置に、凹陥部5Fを備え、凹陥部は、支持体の軸方向端部から軸方向中央部に向かって、かつ、支持体の半径方向内側から半径方向外側に向かって形成されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、駆動モジュールおよびそれを備える電子機器に関するものである。例えば、光学系や可動部材を駆動して、焦点位置調整を行ったり、アクチュエータとして用いたりするのに好適となる駆動モジュールおよびそれを備える電子機器に関する。
従来から、カメラ機能付き携帯電話などの小型の電子機器において、撮像レンズユニットなどの被駆動体と、この被駆動体を内周部に備えたモジュール枠と、モジュール枠の両端面に保持された板ばねと、を備えたレンズ駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1のレンズ駆動装置では、被駆動体(可動部材)の両端面に当接可能な板ばね(ホルダバネ)がモジュール枠(光学系筐体)に保持されており、板ばねが被駆動体の両側から付勢することにより、被駆動体の位置を最適な位置に保持している。なお、板ばねは、外側リングがモジュール枠に保持されるとともに、内側リングが被駆動体に保持され、外側リングと内側リングとを繋ぐ部分がばねとして機能するように構成されている。
特開2005−173431号公報
近年、このような電子機器はさらに小型化を図ろうとしているため、レンズ駆動装置も小型化が進められている。特許文献1のレンズ駆動装置などにおいて小型化を図ろうとすると、板ばねの外側リング部分が小さくなり、外側リングと内側リングとを繋ぐばね部分とモジュール枠の壁部との隙間が減少することとなる。図8に示すように、このような構成のレンズ駆動装置において、光軸の直角方向(モジュール枠5の側壁5E方向)からの落下衝撃Sが加わった場合、落下衝撃Sの方向とは反対方向にレンズ枠4が矢印Mの方向に移動する。すると、板ばね7はレンズ枠4と固定ピン13Bと接合されているため、板ばね7のばね部7Eの一部(7Ea)が圧縮される方向に力が加わり、ばね部7Eaは外周リング7G方向(矢印Z方向)へ座屈変形を起し、モジュール枠5の側壁5Eと接触し、ばね部7Eaが塑性変形してしまうことがあった。このばね部7Eaが塑性変形すると、被駆動体が傾いたり、光軸方向に対して浮きが生じたりしてしまう。例えば、浮きが生じると被駆動体の初期位置が変化するため、無限遠での焦点がずれてしまい、被駆動体(レンズユニット)の移動量の減少にもなるという問題があった。
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、小型化を図るとともに、落下衝撃による板ばね部材の塑性変形を抑制することができる駆動モジュールおよびそれを備える電子機器を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係る駆動モジュールは、筒状または柱状の被駆動体と、該被駆動体を内側に収容する筒状の支持体と、前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動可能に弾性保持する板ばね部材と、を備え、該板ばね部材が、前記支持体の軸方向端部に固定される外側リングと、前記被駆動体の軸方向端部に固定される内側リングと、前記外側リングと前記内側リングとの間で周方向に延び、両端部が前記外側リングおよび前記内側リングにそれぞれ連結されたばね部と、を有した駆動モジュールにおいて、前記支持体は、前記ばね部の長さ方向の少なくとも中央部に相当する周方向の位置に、凹陥部を備え、該凹陥部は、前記支持体の前記軸方向端部から軸方向中央部に向かって、かつ、前記支持体の半径方向内側から半径方向外側に向かって形成されていることを特徴としている。
このように構成することで、駆動モジュールに支持体の軸直角方向からの落下衝撃が加わった際に、板ばね部材のばね部が側方(支持体の径方向)に変形するが、支持体に凹陥部が形成されたことによりばね部と支持体との衝突を回避することができる。したがって、駆動モジュールに落下衝撃が加わっても、板ばね部材のばね部に塑性変形が生じるのを抑制することができ、被駆動体の傾きや浮きの発生を抑制することができる。
また、凹陥部を大きくすることにより、ばね部の変形量を凹陥部内に抑えることができるため、支持体の小型化を図ることができる。結果として、支持体とばね部との隙間を大きくする必要がないため、駆動モジュールの小型化を図ることができる。
また、前記凹陥部が、前記支持体の前記軸方向端部から軸方向中央部に向かって所定高さ形成され、かつ、前記支持体の径方向に貫通された貫通部と、該貫通部に連接するように前記支持体の前記軸方向端部から軸方向中央部に向かって少なくとも前記被駆動体の移動可能範囲に対応した高さまで形成され、かつ、前記支持体の半径方向内側から半径方向外側に向かって形成された段差部と、で構成されていることを特徴としている。
このように構成することで、被駆動体が位置している確率が高い初期位置付近に対しては、支持体を径方向に貫通し、軸方向に所定高さ有する貫通部を形成することで、駆動モジュールに対しての落下衝撃に対してばね部の塑性変形が発生するのをより確実に抑制することができる。また、被駆動体の移動可能範囲に対応する位置に段差部を形成することにより、被駆動体が移動可能範囲内のどの位置にいても駆動モジュールの落下衝撃によるばね部の塑性変形の発生を抑制することができる。また、このように貫通部と段差部とを形成することにより支持体の強度を確保することができる。したがって、駆動モジュールの小型化を図るとともに、落下衝撃による不具合の発生を抑制することができる。
また、本発明に係る電子機器は、上述した駆動モジュールを備えたことを特徴としている。
本発明に係る電子機器においては、小型化を図るとともに、落下衝撃による板ばね部材の塑性変形を抑制することができる駆動モジュールが用いられている。したがって、小型かつ高精度な電子機器を提供することができる。
本発明に係る駆動モジュールによれば、駆動モジュールに支持体の軸直角方向からの落下衝撃が加わった際に、板ばね部材のばね部が側方(支持体の径方向)に変形するが、支持体に凹陥部が形成されたことによりばね部と支持体との衝突を回避することができる。したがって、駆動モジュールに落下衝撃が加わっても、板ばね部材のばね部に塑性変形が生じるのを抑制することができ、被駆動体の傾きや浮きの発生を抑制することができる。
また、凹陥部を大きくすることにより、ばね部の変形量を凹陥部内に抑えることができるため、支持体の小型化を図ることができる。結果として、支持体とばね部との隙間を大きくする必要がないため、駆動モジュールの小型化を図ることができる。
次に、本発明に係る駆動モジュールの実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る駆動モジュールの斜視図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る駆動モジュールの概略構成を示す分解斜視図である。図3は、本発明の第一実施形態に係る駆動ユニットの概略構成を示す分解斜視図である。図4は、本発明の第一実施形態に係る駆動ユニットの斜視図である。図5は、図4におけるA−A線に沿う断面図である。図6は、本発明の第一実施形態に係る駆動モジュールの側面図である。図7は、本発明の第一実施形態に係るモジュール枠の背面斜視図である。図8は、本発明の第一実施形態に係る駆動ユニットの下板ばねまで取り付けられた状態を示す背面斜視図である。図9は、本発明の第一実施形態に係る上板ばねの平面図である。なお、一部の図面では見易さのため、例えば、レンズユニット12などの構成部材を適宜省略して図示している。
図1、図2に示すように、本実施形態の駆動モジュール1は、全体として箱型に形成されている。この駆動モジュール1は、組み立てて完成されたものが、電子機器などに取り付けられ、駆動モジュール1に制御信号や電力を供給する基板(不図示)上に嵌め込んだり、接着したりして固定される。駆動モジュール1は、基板上に位置するアダプタ30と、アダプタ30上に配設される駆動ユニット31と、駆動ユニット31を覆うように配設されたカバー11と、を備えている。
図3に示すように、駆動ユニット31は、被駆動体となるレンズ枠4、支持体となるモジュール枠5、板ばね部材となる上板ばね6及び下板ばね7、モジュール下板8、給電部材9、形状記憶合金(Shape Memory Alloy、以下、SMAと略称する)ワイヤ10を主な構成部材とするものであって、これら構成部材が一体に積層されることで1つのアクチュエータを構成する。
図3〜6に示すように、これらの部材の組立状態では、レンズ枠4は、モジュール枠5の内方に挿入され、上板ばね6、下板ばね7は、これらレンズ枠4とモジュール枠5とを図示上下方向から挟持した状態でかしめにより固定され、これらの図示下方側からモジュール下板8、給電部材9が、この順に積層されて、モジュール枠5の下方からかしめによりそれぞれ共に固定されている。なお、これらの積層体を上方側から覆うカバー11が、モジュール下板8に固定される。
なお、図中の符号Mは、レンズユニット12(図5参照)の光軸に一致する駆動モジュール1の仮想的な軸線であり、レンズ枠4の駆動方向を示している。以下では、説明の簡単のため、分解された各構成部材の説明においても、組立時の軸線Mとの位置関係に基づいて、位置や方向を参照する場合がある。例えば、構成部材に明確な円、円筒面が存在しない場合でも、誤解のおそれのない限り、軸線Mに沿う方向を、単に軸方向、軸線Mを中心とする円の径方向、周方向を、単に径方向、周方向と称する場合がある。また、上下方向は、特に断らない限り、軸線Mを鉛直方向に配置し、駆動モジュール1の取付面が鉛直下方となる場合の配置における上下方向を指すものとする。
これら構成部材の中で、被駆動体となるレンズ枠4は、図3に示すように全体として筒状に形成されるものであって、その中央を貫通し、軸線Mに同軸に形成された筒状の収容部4A(被駆動体本体)の内周面4Fに雌ネジが形成されている。そして、収容部4Aには、適宜のレンズまたはレンズ群を外周部に雄ネジが形成された鏡筒に保持したレンズユニット12を螺合して固定できるようになっている。
レンズ枠4の外壁面4Bには周方向に略90度の間隔をおいて、径方向外方に向けて突出する突出部4C(凸部)が軸方向に延設されており、これら各突出部4Cの上端部と下端部とにおいて、軸線Mに直交する平面からなる端面4a、4b上には、軸線Mに沿う上方及び下方に向けてそれぞれ突出する上側固定ピン13A、下側固定ピン13Bが、それぞれ4本ずつ設けられている。上側固定ピン13Aは上板ばね6を保持し、下側固定ピン13Bは下板ばね7を保持するためのものである。
上側固定ピン13Aおよび下側固定ピン13Bの平面視の位置は、それぞれ異なっていてもよいが、本実施形態では、軸線Mに平行な同軸位置に配置されている。このため、上板ばね6、下板ばね7における、上側固定ピン13A、下側固定ピン13Bの挿通位置は、それぞれ共通化されている。
また、上側固定ピン13Aおよび下側固定ピン13Bの径方向の各中心位置は、異なっていてもよいが、本実施形態では、同一円周上に配置されている。このため、それぞれの中心位置は正方格子状に配置されている。
レンズ枠4の径方向外側には、1つの突出部4Cの下端側から、径方向外方に突出するようにガイド突起4D(突起部)が設けられている。このガイド突起4Dは、図4に示すように、その先端鍵部4D1にSMAワイヤ10を係止し、このSMAワイヤ10の収縮によりガイド突起4Dを上方(矢印(イ)方向)に持ち上げて移動させるためのものである。また、ガイド突起4Dには軸線Mに平行に上方に延設された柱状のスプリング保持部33が形成されている。スプリング保持部33にはコイルスプリング34(図2参照)が挿通され、コイルスプリング34の付勢力によりレンズ枠4を下向きに付勢している。これによりSMAワイヤ10が周囲環境の影響などにより収縮してレンズ枠4を上昇させようとする動きを抑制することができる。なお、レンズ枠4は、熱かしめまたは超音波かしめが可能な熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート(PC)、液晶ポリマー(LCP)樹脂などにより一体成形されている。
モジュール枠5は、図3に示すように、平面視の外形が全体として略矩形状に形成され、かつその中央部に、軸線Mに同軸に形成された貫通孔からなる収容部5Aが形成された、筒状の部材であって、この収容部5A内にレンズ枠4が収容される。
モジュール枠5の上部及び下部の四隅には、軸線Mに直交する平面からなる端面5a、5bが形成され、端面5aから上方に向けて上側固定ピン14A(第2の固定ピン部)が、また端面5bから下方に向けて下側固定ピン14B(第2の固定ピン部)が、それぞれ4本ずつ設けられている。
上側固定ピン14Aは上板ばね6を保持し、下側固定ピン14Bは下板ばね7、モジュール下板8、給電部材9を保持するためのものである。なお、上側固定ピン14Aの平面視の位置は、下側固定ピン14Bの配置と異なっていてもよいが、本実施形態では、それぞれ軸線Mに平行な同軸位置に配置されている。このため、上板ばね6、下板ばね7における、上側固定ピン14A、下側固定ピン14Bの挿通位置は、それぞれ共通化されている。また、端面5a、5bの間の距離は、レンズ枠4の端面4a、4bの間の距離と同一距離に設定されている。
モジュール枠5の一隅の下部には平面視の溝幅がレンズ枠4のガイド突起4Dに軸方向に移動可能に嵌合する大きさを有する切欠き5Bが形成されている。この切欠き5Bは、レンズ枠4をモジュール枠5内に下方から挿入して収容した状態で、レンズ枠4のガイド突起4Dを貫通させ、ガイド突起4Dの先端鍵部4D1をモジュール枠5の径方向外部に突出させるとともに、レンズ枠4の周方向の位置決めを行うためのものである。
また、モジュール枠5の切欠き5Bに隣接する2つの隅部には、切欠き5Bが設けられた隅部と同方向側の側面において、SMAワイヤ10を保持するワイヤ保持部材15A、15B(図3、4参照)を取り付けるための一対の係止溝5Cが形成されている。
また、モジュール枠5の側壁5Eには、ワイヤ保持部材15A,15Bが配される位置にピン35A,35Bがそれぞれ形成されている。さらに、ピン35A,35Bが形成された下方には、接着剤が充填されてモジュール枠5とワイヤ保持部材15A,15Bとを固定する溝部36が形成されている。そして、ワイヤ保持部材15A,15Bをモジュール枠5に固定する際に、ワイヤ保持部材15A,15Bが回動するのを抑制することができる壁部35Cが形成されている。壁部35Cは、モジュール枠5の側壁5Eから側方(側面に対して鉛直方向)に延出されている。
ここで、図3〜図7に示すように、モジュール枠5の側壁5Eの下端(下板ばね7が配される側)には、切欠き部5Fが四辺ともに形成されている。切欠き部5Fの幅W1は、ばね部7E(後に詳述)が落下衝撃の際に変形し得る領域に対応する大きさで、かつ、モジュール枠5の構造上(強度上)支障のない大きさで形成されている。また、図7に示すように、切欠き部5Fの高さH1は、ばね部7Eが初期位置に配されている状況およびレンズ枠4が移動してばね部7Eが変形している状況で、落下衝撃の際にばね部7Eが変形し得る領域に対応する高さで、かつ、モジュール枠5の構造上支障のない高さで形成されている。
さらに、モジュール枠5の側壁5Eにおける内面5Gには、切欠き部5Fに連接されてモジュール枠5の軸方向に沿って、かつ、モジュール枠5の内側から外側に向かって段差部5Hが形成されている。段差部5Hの幅は、切欠き部5Fと略同一の幅で形成されており、段差部5Hの高さH2は、レンズ枠4の移動可能範囲を全てカバーできる高さ、つまり、高さH1とH2との合計がレンズ枠4の移動可能範囲以上になるように形成されている。また、段差部5Hの幅および高さH2は、モジュール枠5の構造上支障のない高さで形成されている。
また、モジュール枠5は、本実施形態ではレンズ枠4と同様に、熱かしめまたは超音波かしめが可能な熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート(PC)、液晶ポリマー(LCP)樹脂などにより一体成形されている。
図4に示すように、ワイヤ保持部材15Aは、駆動モジュール1から給電部材9の一対の端子部9Cが突出される側の側面に取り付けられ、ワイヤ保持部材15Bは、駆動モジュール1から給電部材9の一対の端子部9Cが突出されない側の側面(端子部9Cが配された面と隣接する面)に取り付けられている。
ワイヤ保持部材15A、15Bは、ワイヤ保持部15bにSMAワイヤ10の端部をかしめてなる鍵状に形成された金属板などの導電性部材である。ワイヤ保持部材15A,15Bには、モジュール枠5のピン35A,35Bに勘合する貫通孔36A,36Bがそれぞれ形成されている。また、貫通孔36A,36Bの下方には接着剤を流し込むための貫通孔37A,37Bがそれぞれ形成されている。そして、モジュール枠5とワイヤ保持部材15A,15Bとを固定する際に、モジュール枠5の壁部35Cに当接して、ワイヤ保持部材15A,15Bの回動を抑止するための腕部38A,38Bがそれぞれ形成されている。係止溝5Cおよびピン35A,35Bに側方から嵌合させ、壁部35Cと腕部38A,38Bとを当接させることで、SMAワイヤ10の端部を位置決めして保持するものである。
ワイヤ保持部材15A、15Bは、図4に示すように、SMAワイヤ10のかしめ位置と反対側に片状の端子部15aを備え、モジュール枠5に対する取付状態において、端子部15aがモジュール枠5の下方に積層されたモジュール下板8の下方にわずかに突出されるようになっている。
また、一対のワイヤ保持部材15A、15Bによって両端が保持されたSMAワイヤ10は、モジュール枠の切欠き5Bから突出されたレンズ枠4のガイド突起4Dの先端鍵部4D1に下方から係止され、SMAワイヤの張力により、先端鍵部4D1を介して、レンズ枠4を上方に付勢している。
図3,4に示すように、モジュール枠5及びモジュール枠5内に挿入されたレンズ枠4のそれぞれの上部と下部には、それぞれ上板ばね6と下板ばね7とが積層されている。
上板ばね6及び下板ばね7は、略同一形状に打ち抜かれた平板状の板ばね部材であり、例えば、ステンレス(SUS)鋼板などからなる金属板である。以下には、下板ばね7の構成を説明するが、上板ばね6の構成も略同一である。
図8、図9に示すように、下板ばね7(上板ばね6)の形状は、平面視の外形が、モジュール枠5の下側(上側)の端部と同様な略矩形状とされ、中央部に軸線Mと同軸で、レンズ枠4の内周面4Fよりわずかに大きな円状の開口7C(6C)が形成され、全体としてリング状とされている。
下板ばね7(上板ばね6)の隅部近傍には、モジュール枠5の隅部近傍に形成された下側固定ピン14B(上側固定ピン14A)の配置位置に対応して、各下側固定ピン14B(上側固定ピン14A)にそれぞれ挿通可能な4つの貫通孔7B(6B)が形成されている。これにより、モジュール枠5に対する軸線Mに直交する平面内の位置決めが可能となっている。
また、下板ばね7(上板ばね6)には、レンズ枠4に形成された下側固定ピン13B(上側固定ピン13A)の配置位置に対応して、各下側固定ピン13B(上側固定ピン13A)にそれぞれ挿通可能な4つの貫通孔7A(6A)が設けられている。
また、開口7C(6C)の径方向外側には、リング部7F(6F)が形成され、軸線Mを挟んで互いに対角方向に対向する貫通孔7A(6A)の近傍位置から、周方向に略半円弧状に延びる4つのスリット7D(6D)がそれぞれ、略四分円弧ずつ径方向に重なった状態に形成されている。
これにより、下板ばね7(上板ばね6)の外側の矩形状枠体7G(6G)から、略四分円弧状に延ばされた4つのばね部7E(6E)が、それぞれ1つずつ貫通孔7A(6A)近傍に延ばされた板ばね部材が形成されている。
このように、下板ばね7(上板ばね6)の外形が、モジュール枠5の外形に略合わせた矩形状に設けられ、ばね部7E(6E)、リング部7F(6F)が開口7C(6C)に沿うリング状の領域に形成されている。そして、下板ばね7(上板ばね6)をモジュール枠5に固定する下側固定ピン14B(上側固定ピン14A)の配置に応じて、スペースに余裕のある隅部に被固定部である貫通孔7B(6B)が設けられるため、貫通孔7B(6B)の形状が、ばね部7E(6E)から離すことができるので、精密な打ち抜きによる製造やエッチングでの製造が容易となる。
モジュール下板8は、モジュール枠5の各下側固定ピン14Bを下板ばね7の貫通孔7Bに貫通させるとともに、モジュール枠5内に収容したレンズ枠4の各下側固定ピン13Bを下板ばね7の貫通孔7Aに貫通させた状態で、モジュール枠5との間で、下板ばね7を下方側から挟んで積層し、下板ばね7の矩形状の外形枠をモジュール枠5の端面5bに対して押圧状態に固定するものである。
モジュール下板8の形状は、モジュール枠5の外形と略同様の矩形状外形を有する板状部材であり、中央部に軸線Mを中心とする略円形状の開口8Aが厚さ方向に貫通して形成されている。そして、組立時に下板ばね7に積層される上面8a側には、レンズ枠4の各下側固定ピン13Bの配置位置に対応する位置に、後述するかしめ部との干渉を避けるための4つのU字状の凹部8Bが形成されている。また、モジュール下板8の周縁に位置する各隅部にはモジュール枠5の各下側固定ピン14Bの配置位置に対応して、これら下側固定ピン14Bをそれぞれ挿通させる貫通孔8Cが形成されている。モジュール下板8の材質は、例えば、電気絶縁性および遮光性を有する合成樹脂を採用している。また、モジュール下板8が電気絶縁性を有することで、給電部材9を下板ばね7に対して電気的絶縁状態で固定する絶縁部材となっている。
給電部材9は、それぞれ板状の金属板からなる一対の電極9a、9bからなる。電極9a、9bは、いずれも、モジュール下板8の外形に沿う略L字状の配線部9Bと、配線部の端部からモジュール下板8の外形の外側に突出する端子部9Cとを備える折れ線状の金属板からなる。そして、それぞれの配線部9Bには、モジュール下板8の下面から下方に突出されるモジュール枠5の下側固定ピン14Bのうち、モジュール下板8の外形に沿って隣り合う2つの下側固定ピン14Bを、それぞれ挿通させて、電極9a、9bをモジュール枠5に対して位置決めを行う2つの貫通孔9Aが設けられている。
本実施形態では、図4に示すように、電極9a、9bの端子部9Cは、モジュール枠5において、ワイヤ保持部材15Aが取り付けられた側の側面から軸方向下方に並列して突出するように設けられている。
このため、電極9aには、貫通孔9Aと端子部9Cとの間の配線部9B上の側面に、ワイヤ保持部材15Aの端子部15aを電気的に接続するために凹状に切り欠かれた導電接続部9Dが設けられている。
また、電極9bには、配線部9Bの側面におけるワイヤ保持部材15Bの端子部15aとの接続箇所に、切り欠かれた導電接続部9Dが形成されている。この導電接続部9Dにおいて、電極9bとワイヤ保持部材15Bとが電気的に接続されている。
それぞれの導電接続部9Dを、端子部15aと電気的に接続する手段としては、例えば、半田付けまたは導電性接着剤による接着を採用することができる。
カバー11は、上面11Eの外縁部から下方側に、モジュール枠5を外嵌可能に覆う側壁部11Dが延ばされ、下方側に矩形状の開口11Cが形成された部材であり、上面11Eの中央部に軸線Mを中心とした円状の開口11Aが設けられている。開口11Aの大きさは、レンズユニット12を出し入れ可能な大きさとされる。
このような構成の駆動モジュール1の組立方法について順を追って説明する。
第1工程では、まず、モジュール枠5の収容部5A内に下方からレンズ枠4を挿入し、モジュール枠5の各端面5aと、レンズ枠4の端面4aとを同一高さに揃える。そして、モジュール枠5の各上側固定ピン14Aとレンズ枠4の各上側固定ピン13Aとに、上板ばね6の各貫通孔6B、6Aをそれぞれ挿通する。
その後、上板ばね6の各貫通孔6A、6Bを貫通して上方に突き出された各上側固定ピン13A、14Aの先端部を、図示しないヒータチップにより熱かしめして、それぞれ第1の固定部であるかしめ部16と、第2の固定部であるかしめ部17を形成する(図4、5参照)。
このとき、レンズ枠4の端面4aとモジュール枠5の端面5aとは、同一平面上に整列されており、平板状の上板ばね6を変形させることなく配置して、熱かしめを行うことができる。そのため、変形する上板ばね6を押さえる必要がないので、容易にかしめを行うことができる。また、上板ばね6の変形による浮きなどの発生を防止することができる。
また、各ヒータチップの高さを共通とすることができるので、かしめ部16、17を同時に形成しても、かしめ精度のバラツキを低減することができる。
次に、第2工程では、レンズ枠4の各下側固定ピン13Bに、下板ばね7の各貫通孔7Aをそれぞれ挿通する。その際、同時にモジュール枠5の各下側固定ピン14Bに、下板ばね7の各貫通孔7B、モジュール下板8の各貫通孔8C、給電部材9の各貫通孔9Aを挿通する。その後、下板ばね7の各貫通孔7Aを貫通して下方に突き出された各下側固定ピン13Bの先端部を、ヒータチップにより熱かしめして、第1の固定部であるかしめ部18(図5参照)を形成する。
このとき、レンズ枠4の端面4a、4b間の軸方向距離と、モジュール枠5の端面5a、5b間の軸方向距離とは等しいため、端面4b、5bは、同一平面上に整列されており、平板状の下板ばね7を変形させることなくモジュール下板8を積層配置して、熱かしめを行うことができるので、下板ばね7の変形による浮きなどの発生を防止することができる。
また、各ヒータチップの高さを共通とすることができるため、かしめ部18を同時に形成しても、かしめ精度のバラツキを低減することができる。
次に、第3工程では、これら貫通孔7B、8C、9Aを貫通して下方に突き出された各下側固定ピン14Bの下端部を、ヒータチップにより熱かしめして、第2の固定部であるかしめ部19(図5参照)を形成する。
このとき、各ヒータチップの高さを共通とすることができるため、かしめ部19を同時に形成しても、かしめ精度のバラツキを低減することができる。
また、モジュール下板8に凹部8Bが形成されているため、第2工程で形成されたかしめ部18は、モジュール下板8とは接触しない。
これら第1〜第3工程の作業を行うことによって、レンズ枠4とモジュール枠5の両端部に、上板ばね6、下板ばね7、モジュール下板8、給電部材9が積層固定される。
なお、上側固定ピン13Aと下側固定ピン13B、また上側固定ピン14Aと下側固定ピン14Bが、それぞれ同軸に設けられているため、第1〜第3工程のかしめにおいて、かしめ部16、18、かしめ部17、19をそれぞれ形成するためのヒータチップの平面上の位置がそれぞれ共通となる。そのため、各かしめにおいて、ヒータチップ位置を変更する必要がないため効率よくかしめ作業を行うことができる。
このように、板ばね部材を熱かしめすることにより、かしめ部によって支持体および被駆動体との間で挟持して固定することができるので、接着などで固定する場合に比べて、固化に要する時間が短いため、組立時間を低減することができる。また、接着剤が硬化する際のガスの発生などによって、部品を汚染したりするおそれがない。また、経時的に安定した固定を行うことができる。その結果、固定部の信頼性を向上することができる。
また、ねじなどの固定部品を用いないため、部品点数が削減された簡素な構成となり、より軽量化、小型化が可能となる。特に、被駆動体であるレンズ枠4が軽量化されるため、高速、低消費電力の駆動が可能となる。
次に、第4工程では、SMAワイヤ10が取り付けられた一対のワイヤ保持部材15A、15Bを、モジュール枠5に固定する。具体的には、モジュール枠5に形成された2箇所のピン35A,35Bにワイヤ保持部材15A,15Bの貫通孔36A,36Bを嵌合するとともに、係止溝5Cにワイヤ保持部材15A,15Bをそれぞれ係止させる。その際、SMAワイヤ10の中央部を、ガイド突起4Dの先端鍵部4D1に係止させ、かつ、この先端鍵部4D1を下側から支持するように掛け渡す。また、ワイヤ保持部材15A、15Bの各端子部15aは、モジュール下板8の下方に突出され、それぞれ、モジュール下板8に固定された給電部材9である電極9a、9bの導電接続部9Dに係止されるか、もしくは近接して配置されている。
次に、第5工程では、貫通孔37A,37Bに熱硬化性接着剤を流し込み、モジュール枠5の溝部36内に充填する。溝部36に熱硬化性接着剤を充填したら、その接着剤を硬化させるために加熱炉の中に入れる。加熱炉内において、例えば約100℃で20〜30分程度加熱することにより接着剤が硬化してモジュール枠5とワイヤ保持部材15A,15Bとが接着固定される。
ここで、接着剤を加熱して固定する際に、SMAワイヤ10も加熱されるため、SMAワイヤ10は収縮する。したがって、ワイヤ保持部材15A,15Bがピン35A,35Bを中心にガイド突起4Dの方向(SMAワイヤ10が収縮する方向)へ回動しようとする。本実施形態では、モジュール枠5に壁部35Cを形成するとともに、ワイヤ保持部材15A,15Bに腕部38A,38Bを形成し、壁部35Cと腕部38A,38Bとが当接することにより、上述のようにワイヤ保持部材15A,15Bが回動するのを抑止することができる。つまり、ワイヤ保持部材15A,15Bの回動が抑止された状態(ワイヤ保持部材15A,15Bの位置が固定された状態)で、接着剤を硬化させることができ、ワイヤ保持部材15A,15Bを精度良く位置決めすることができる。
モジュール枠5とワイヤ保持部材15A,15Bとを接着固定した後、例えば、半田付けや導電性接着剤などを用いて、各端子部15aを、それぞれ導電接続部9Dに対して電気的に接続させる。
次に、第6工程では、モジュール枠5の上方から、カバー11を被せ、側壁部11Dとモジュール下板8とを接合する。例えば、側壁部11Dに係合爪などを設けてはめ込みによって接合したり、側壁部11Dとモジュール下板8とを接着、または溶着して接合したりする。なお、カバー11を被せる前に、ガイド突起4Dのスプリング保持部33にコイルスプリング34を挿通しておく。このようにコイルスプリング34を配置することにより、コイルスプリング34の一端はカバー11の上面11Eの裏面に当接され、他端はガイド突起4Dに当接されて、レンズ枠4を軸方向下方に付勢するように構成されている。なお、本実施形態ではコイルスプリング34が、周囲温度が70℃のときにSMAワイヤ10が収縮しようとする力に抗する付勢力を有している。また、かしめ部16、17は、それぞれカバー11の上面11Eの裏面に対して、離間された状態にある。
以上で、駆動モジュール1本体の組み立てが完了する。
その後、駆動ユニット31の下方にアダプタ30を取り付けた後、基板上へ取り付ける。駆動モジュール1の基板上への取り付けは、接着、嵌め込みなどの固定手段を採用することができる。
なお、基板は、駆動モジュール1に付属する独立した部材であってもよいし、電子機器等に接続、配置された部材であってもよい。
さらに、カバー11の開口11Aを通じてレンズ枠4内にレンズユニット12を螺合して取り付ける。
このように、レンズユニット12を最後に取り付けているのは、組立作業により、レンズユニット12のレンズが汚れたり、ゴミなどが付着したりしないためであるが、例えば、駆動モジュール1をレンズユニット12が取り付けられた製品状態で出荷する場合や、カバー11の開口11Aをレンズユニット12の外形より小さくしたい場合、例えば開口絞りを兼用するような場合などには、この工程を、早い段階(第6工程の前)で実施してもよい。
次に、駆動モジュール1の動作について説明する。
駆動モジュール1は、端子部9Cに電力が供給されない状態では、SMAワイヤ10からの張力およびコイルスプリング34の付勢力、かしめ部16、18で上板ばね6及び下板ばね7から弾性的に付勢される付勢力等のレンズ枠4に作用する力がつり合い、レンズユニット12が取り付けられたレンズ枠4が、軸方向の一定位置に保持される。
端子部9Cから給電部材9に電力を供給すると、例えば、電極9a、ワイヤ保持部材15A、SMAワイヤ10、ワイヤ保持部15b、電極9bは、それぞれ導通されているため、SMAワイヤ10に電流が流れる。これにより、SMAワイヤ10にジュール熱が発生して、SMAワイヤ10の温度が上昇し、SMAワイヤ10の変態開始温度を超えると、SMAワイヤ10が温度に応じた長さに収縮する。
この結果、レンズ枠4のガイド突起4Dが、上方(図中の(イ)方向)に移動する。これにより、コイルスプリング34、上板ばね6、下板ばね7が、それぞれ変形し、変形量に応じた弾性復元力がレンズ枠4に付勢される。そして、この弾性復元力がSMAワイヤ10の張力とつり合う位置で、レンズ枠4が停止する。
このとき、上板ばね6、下板ばね7は、平行ばねを構成しているため、レンズ枠4は、軸方向のガイド部材などに沿わせなくても、正確に軸線M上に沿って移動される。このため、部品点数を削減し、小型化することが可能となっている。また、ガイド部材に対する摺動負荷も発生しないので、低消費電力を実現することが可能となる。
また、電力の供給を停止すると、SMAワイヤ10が伸長可能となり、レンズ枠4は、下方(図中の(ロ)方向)のつり合い位置まで移動する。
このようにして、電力供給量を制御することで、レンズ枠4を軸線M方向に駆動することができる。
次に、駆動モジュール1が落下したときの駆動ユニット31(特に下板ばね7)の動きについて説明する。
まず、図8に示すように、レンズ枠4が初期位置、つまり下板ばね7のばね部7E、リング部7Fおよび枠体7Gと、が略面一で下板ばね7の付勢力が働いていない状態のときに駆動モジュール1が落下して、モジュール枠5の側壁5Eから落下した場合の説明をする。落下衝撃Sが矢印方向から加わった場合、つまり、モジュール枠5の側壁5Eaを下にして落下した場合、レンズ枠4は落下衝撃Sの方向に対向する方向(矢印M方向)に移動する。このとき、下板ばね7とレンズ枠4とは下側固定ピン13Bで接合されているため、リング部7Fも矢印M方向に移動しようとする。一方、モジュール枠5と下板ばね7とは下側固定ピン14Bで接合されているため、枠部7Gは落下衝撃Sの方向と同じ方向に移動しようとする。すると、モジュール枠5の側壁5Eaの両側壁5Eに対応する位置にある一方のばね部7Eaは、径方向外側に膨らむように(矢印Z方向)圧縮変形し、他方のばね部7Ebは周方向に引っ張られるように変形しようとする。また、径方向外側に膨らむように変形するばね部7Eaは、枠体7Gの上方(上板ばね6側)に乗り越えるようにしてさらに径方向外側に膨らむように変形しようとする。
ここで、本実施形態ではモジュール枠5に切欠き部5Fを形成したため、径方向外側に膨らむように変形したばね部7Eaはモジュール枠5の内面5Gに衝突せず、ばね部7Eに塑性変形による変形箇所が発生するのを抑制することができる。また、落下衝撃の影響が無くなれば、レンズ枠4および下板ばね7は初期位置に戻る。なお、切欠き部5Fは軸方向の高さH1を有しているため、レンズ枠4が初期位置以外の位置に配されている状態で同様に落下衝撃Sが加わっても、同様にばね部7Eの塑性変形を抑制することができる。
なお、従来の駆動ユニットでは、径方向外側に膨らむように変形したばね部7Eはモジュール枠5の内面5Gに衝突してばね部7Eのいずれかの箇所(ばね部7Eの根元部分が多い)に塑性変形による上方への突出部が形成されていた。
次に、レンズ枠4が移動可能範囲の上限付近に位置している状態のときに駆動モジュール1が落下して、モジュール枠5の側壁5Eから落下した場合の説明をする。モジュール枠5の側壁5Eのある一面5Eaを下にして落下した場合、上述と同じように下板ばね7のばね部7Ea,7Ebは変形する。
ここで、本実施形態ではモジュール枠5に切欠き部5Fに連なるように段差部5Hを形成したため、ばね部7Eaはモジュール枠5の段差部5Hが形成された領域内であれば径方向外側に膨らむように変形してもモジュール枠5に衝突することを回避することができるため、ばね部7Eaに塑性変形による変形箇所が発生するのを抑制することができる。また、落下衝撃Sの影響が無くなれば、レンズ枠4および下板ばね7は径方向初期位置に戻る。
また、モジュール枠5に形成した切欠き部5Fおよび段差部5Hは、モジュール枠5の構造的な強度を確保した上で形成されているため、落下により破損したりすることもない。
本実施形態によれば、駆動モジュール1にモジュール枠5の軸直角方向(モジュール枠5の側壁5E側)からの落下衝撃が加わった際に、下板ばね7のばね部7Eが径方向外側に膨らむように変形するが、側壁5Eに切欠き部5Fおよび段差部5Hを形成したため、ばね部7Eと側壁5Eとの衝突を抑制することができる。したがって、駆動モジュール1に落下衝撃が加わっても、下板ばね7のばね部7Eに塑性変形が生じるのを抑制することができ、レンズ枠4の傾きや浮きの発生を抑制することができる。
また、レンズ枠4が位置している確率が高い初期位置付近に対しては、モジュール枠5の側壁5Eを貫通した切欠き部5Fを形成することで、駆動モジュール1に対しての落下衝撃に対して下板ばね7のばね部7Eの塑性変形が発生するのをより確実に抑制することができる。また、レンズ枠4の移動可能範囲に対応するモジュール枠5の側壁5E(内面5G)に段差部5Hを形成することにより、レンズ枠4が移動可能範囲内のどの位置にいても駆動モジュール1の落下衝撃によるばね部7Eの塑性変形の発生を抑制することができる。また、このように切欠き部5Fと段差部5Hとを形成することによりモジュール枠5の強度を確保することができる。したがって、駆動モジュール1の小型化を図るとともに、落下衝撃による不具合の発生を抑制することができる。
次に、本発明の実施形態に係る電子機器について説明する。
図10(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る電子機器の表面、裏面の斜視外観図である。図10(c)は、図10(b)におけるF−F断面図である。
図10(a)、(b)に示す本実施形態のカメラ付き携帯電話20は、上記実施形態の駆動モジュール1を備えた電子機器の一例である。
カメラ付き携帯電話20は、受話部22a、送話部22b、操作部22c、液晶表示部22d、アンテナ部22e、不図示の制御回路部などの周知の携帯電話の装置構成をカバー22内外に備えている。
また、図10(b)に示すように、液晶表示部22dが設けられた側の裏面側のカバー22に、外光を透過させる窓22Aが設けられ、図10(c)に示すように、駆動モジュール1の開口11Aがカバー22の窓22Aを臨み、窓22Aの法線方向に軸線Mが沿うように、上記第一実施形態の駆動モジュール1が設置されている。
そして、駆動モジュール1は、基板2に機械的、電気的に接続されている。基板2は、不図示の制御回路部に接続され、駆動モジュール1に電力を供給できるようになっている。
このような構成によれば、窓22Aを透過した光を駆動モジュール1の不図示のレンズユニット12で集光し、撮像素子30上に結像することができる。そして、駆動モジュール1に制御回路部から適宜の電力を供給することで、レンズユニット12を軸線M方向に駆動し、焦点位置調整を行って、撮影を行うことができる。
このようなカメラ付き携帯電話20によれば、上記実施形態の小型化を図るとともに、落下衝撃による不具合の発生を抑制することができる駆動モジュール1を備えるため、小型化が可能になるとともに、高精度・高信頼性を確保することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、駆動手段にSMAワイヤ10を用いた場合を用いて説明したが、駆動コイルとマグネットとを用いたボイスコイル方式やリニアモータなどの駆動手段を用いた場合にも採用できる。つまり、駆動手段は、レンズ枠4をモジュール枠5に対して一定方向に沿って駆動する駆動手段であれば、これらには限定されない。本発明はレンズ枠4に付勢するために板ばね部材を採用している構造のものに採用できる。
また、本実施形態では、レンズ枠4を付勢するための板ばね部材である上板ばね6、下板ばね7に上側固定ピン13A、14A、下側固定ピン13B、14Bを挿通させて、これら固定ピンの先端部を熱かしめする場合の例で説明したが、板ばね部材の固定方法は、これに限定されない。例えば、超音波かしめなどで固定してもよいし、板ばね部材を、レンズ枠4やモジュール枠5に接着してもよい。本構造によれば、大きな接着面積が確保できるので接着剤を用いても大きな強度が得られる。
また、上記の説明では、モジュール枠5は、全体として略矩形状の部材として説明したが、略矩形状には限定されず、多角形状であってもよい。
また、上記の説明では、駆動モジュール1をレンズユニットの焦点位置調整機構に用いる場合の例で説明したが、駆動モジュールの用途はこれに限定されない。例えば、被駆動体を目標位置に移動させる適宜のアクチュエータとして他の部分に用いてもよい。例えば、レンズユニット12に代えて、ロッド部材などを螺合したり、レンズ枠4を他の形状に変えたりして、適宜のアクチュエータとして用いることができる。すなわち、被駆動体は、筒状の部材に限定されず、柱状の部材であってもよい。
また、上記の説明では、駆動モジュールを用いた電子機器として、カメラ付き携帯電話の例で説明したが、電子機器の種類はこれに限定されない。例えば、デジタルカメラ、パソコン内蔵のカメラなどの光学機器に用いてもよいし、情報読取記憶装置やプリンタなどの電子機器において、被駆動体を目標位置に移動させるアクチュエータとしても用いることができる。
さらに、本実施形態ではモジュール枠5に切欠き部5Fと段差部5Hを形成したが、切欠き部5Fの部分を段差部5Hと同じ厚みの凹陥部として形成してもよい。また、切欠き部5Fを大きくして、段差部5Hをなくしてもよい。
本発明の第一実施形態における駆動モジュールの斜視図である。 本発明の第一実施形態における駆動モジュールの構成を示す分解斜視図である。 本発明の第一実施形態における駆動ユニットの構成を示す分解斜視図である。 本発明の第一実施形態における駆動ユニットを示す斜視図である。 図4のA−A線に沿う断面図である。 本発明の第一実施形態における駆動モジュールの側面図である。 本発明の第一実施形態におけるモジュール枠の背面斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る駆動ユニットの下板ばねまで取り付けられた状態を示す背面斜視図である。 本発明の第一実施形態における上板ばねの平面図である。 本発明の実施形態における電子機器の図面であり、(a)表面斜視図、(b)裏面斜視図、(c)(b)のF−F線に沿う断面図である。
符号の説明
1…駆動モジュール 4…レンズ枠(被駆動体) 5…モジュール枠(支持体) 5F…切欠き部(凹陥部、貫通部) 5H…段差部(凹陥部) 6…上板ばね(板ばね部材) 7…下板ばね(板ばね部材) 6E,7E…ばね部 6F,7F…リング部(内側リング) 6G,7G…枠体(外側リング) 20…カメラ付携帯電話(電子機器)

Claims (3)

  1. 筒状または柱状の被駆動体と、
    該被駆動体を内側に収容する筒状の支持体と、
    前記被駆動体を前記支持体に対して一定方向に沿って移動可能に弾性保持する板ばね部材と、を備え、
    該板ばね部材が、前記支持体の軸方向端部に固定される外側リングと、前記被駆動体の軸方向端部に固定される内側リングと、前記外側リングと前記内側リングとの間で周方向に延び、両端部が前記外側リングおよび前記内側リングにそれぞれ連結されたばね部と、を有した駆動モジュールにおいて、
    前記支持体は、前記ばね部の長さ方向の少なくとも中央部に相当する周方向の位置に、凹陥部を備え、
    該凹陥部は、前記支持体の前記軸方向端部から軸方向中央部に向かって、かつ、前記支持体の半径方向内側から半径方向外側に向かって形成されていることを特徴とする駆動モジュール。
  2. 前記凹陥部が、
    前記支持体の前記軸方向端部から軸方向中央部に向かって所定高さ形成され、かつ、前記支持体の径方向に貫通された貫通部と、
    該貫通部に連接するように前記支持体の前記軸方向端部から軸方向中央部に向かって少なくとも前記被駆動体の移動可能範囲に対応した高さまで形成され、かつ、前記支持体の半径方向内側から半径方向外側に向かって形成された段差部と、で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動モジュール。
  3. 請求項1または2に記載の駆動モジュールを備えたことを特徴とする電子機器。
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