JP2011106350A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分割噴射を実施するにあたり、要求噴射量が噴射できなくなるおそれを低減させた燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】バッテリ電力をチャージして燃料噴射弁へ供給する電力供給手段と、エンジンの運転状態に基づき1燃焼サイクル当りに噴射させる燃料の要求噴射量を算出する要求噴射量算出手段と、要求噴射量を複数回に分割して噴射する分割噴射を実施するに先立ち、その分割回数を設定する分割回数設定手段と、分割噴射の実施期間中におけるエンジン回転速度、及び分割回数設定手段により設定された分割回数に基づき、噴射可能期限までに要求噴射量を噴射できるか否かを判定する噴射可否判定手段S22と、噴射可否判定手段S22により噴射不能であると判定された場合に、分割回数設定手段により設定された分割回数を減らすように修正する分割回数修正手段S24,S25と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、直噴式の火花点火エンジンに適用された、燃料噴射制御装置に関する。
火花点火式エンジンの1燃焼サイクル当りに噴射させる燃料の要求噴射量は、エンジン回転速度及び吸気量等のエンジン運転状態に基づき算出するのが一般的である。但し、燃焼室へ燃料を直接噴射させる直噴式のものにおいては、要求噴射量を1度に噴射させると、燃焼室を形成するシリンダ壁面やピストンに燃料が付着してしまい、燃焼状態が所望する状態にならなくなることが懸念される。
そこで、要求噴射量を複数回に分割して噴射(分割噴射)することで、噴射燃料の前記付着を抑制させる手法が特許文献1〜6等に開示されている。ちなみに、分割噴射を実施せずにシリンダ壁面等に燃料が付着すると、スモーク発生の原因となる。また、付着燃料が潤滑油に混入し、その後、潤滑油から蒸気燃料として燃焼室に混入して空燃比を変化させるといった問題が生じる。
ところで、一般的な燃料噴射弁は、電動アクチュエータにより弁体を開弁作動させて噴孔から燃料を噴射させる構成である。そして上記特許文献4には、開弁始動時にはバッテリ電力をチャージして電動アクチュエータへ供給することで、開弁の応答性を向上させて噴射量を高精度で制御できるようにする旨が記載されている。そして、上記分割噴射にかかる噴射間のインターバル時間が不足してチャージ時間が不足すると、開弁の応答性を十分に確保できなくなり、開弁時間に対する噴射量が過少となり、ひいては実噴射量が要求噴射量よりも少なくなってしまう。
したがって、十分なチャージ時間を確保しつつ噴射可能期限までに要求噴射量を噴射できるといった条件を満たしつつ、燃料の付着抑制を図るべく分割回数をできるだけ多く設定することが要求される。ここで、圧縮行程期間中に燃料を噴射するにあたり、その噴射時期が遅いほど、上昇するピストン上面が噴孔に近づいた状況での噴射となるので、噴射された燃料がピストン上面に付着しやすくなる。そこで、上述した噴射可能期限を越えて遅いタイミングで噴射することを禁止することで、ピストン上面に噴射燃料が付着することの回避を図ることが要求されており、これにより、上述したスモーク発生及び空燃比変化による排気エミッションの悪化防止を図っている。なお、上記噴射可能期限の一例として、圧縮行程が開始してから所定クランク角度(例えば20℃A)に達した時点が挙げられる。
特開2001−323834号公報 特開2008−101528号公報 特開2008−57387号公報 特開2008−223601号公報 特開2001−90592号公報 特開2001−98991号公報
しかしながら、上記条件を満たすように分割回数を設定し、その設定にしたがって分割噴射を実施したとしても、エンジン搭載車両がスリップ走行や急加速走行した場合には、分割噴射を実施している最中にエンジン回転速度が急上昇して、噴射可能期限までに要求噴射量を噴射できなくなる場合がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、分割噴射を実施するにあたり、噴射可能期限までに要求噴射量が噴射できなくなり、排気エミッションが悪化するのを防ぐ燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、電動アクチュエータにより弁体を開弁作動させて噴孔から燃料を噴射させる燃料噴射弁を備え、前記噴孔から燃焼室へ燃料を直接噴射させる直噴式の火花点火エンジンに適用され、バッテリ電力をチャージして前記電動アクチュエータへ供給する電力供給手段と、前記エンジンの運転状態に基づき、1燃焼サイクル当りに噴射させる燃料の要求噴射量を算出する要求噴射量算出手段と、前記要求噴射量を複数回に分割して噴射する分割噴射を実施するに先立ち、その分割回数を設定する分割回数設定手段と、前記分割噴射の実施期間中におけるエンジン回転速度、及び前記分割回数設定手段により設定された分割回数に基づき、噴射可能期限までに前記要求噴射量を噴射できるか否かを判定する噴射可否判定手段と、前記噴射可否判定手段により噴射不能であると判定された場合に、前記分割回数設定手段により設定された分割回数を減らすように修正する分割回数修正手段と、を備えることを特徴とする。
要するに、分割噴射の実施に先立ち分割回数を設定した後に、その設定した分割回数と、分割噴射の実施期間中におけるエンジン回転速度とに基づき、噴射可能期限までに要求噴射量を噴射できるか否かを判定する。つまり、分割噴射の実施前に設定した分割回数のままで要求噴射量を噴射できるのかを、分割噴射の実施期間中に再確認する。そして、この再確認により噴射不能であることが判明した場合に、既に設定された分割回数を減らすように修正する。
したがって、分割噴射を実施している最中にエンジン回転速度が急上昇したとしても、分割回数を減らすよう修正されるので、十分なチャージ時間を確保したままで噴射可能期限までに要求噴射量が噴射できなくなるおそれを低減でき、ひいては、噴射した燃料がピストンに付着して排気エミッションが悪化するのを防ぐことができる。
但し、このように分割回数を減らすと、シリンダ壁面等への燃料付着の抑制効果は低減する。しかしながら、要求噴射量が噴射できなくなるといった問題は、燃料付着の問題よりも優先して解決すべき問題である。つまり上記発明は、エンジン回転速度が急上昇した場合には、分割回数を維持させて燃料付着の抑制効果を維持させることよりも、分割回数を減らしてでも要求噴射量が噴射できなくなるおそれを低減させることを優先させた発明であると言える。
請求項2記載の発明では、前記分割回数修正手段は、前記噴射可否判定手段の判定時点が噴射実施中であれば、当該噴射とその次に予定されていた噴射とを結合することで、前記分割回数修正手段は分割回数を減らすよう修正し、前記噴射可否判定手段の判定時点が噴射実施中でなければ、次に予定されていた噴射とさらにその次に予定されていた噴射とを結合することで、分割回数を減らすよう修正することを特徴とする。
これによれば、噴射不能であると判定されて分割回数を減らすように修正するにあたり、噴射可否判定手段の判定時点が噴射実施中であれば当該噴射とその次に予定されていた噴射とを結合し、噴射実施中でなければ次に予定されていた噴射とさらにその次に予定されていた噴射とを結合する。そのため、噴射不能であると判定された場合に、できるだけ早期のタイミングで噴射を結合させるので、修正したにも拘わらず噴射不能となってしまうといったおそれを低減できる。
請求項3記載の発明では、前記噴射可否判定手段の判定時点で未噴射が複数存在する場合に、複数の前記未噴射のうち噴射量の少ないもの同士を結合することで、前記分割回数修正手段は分割回数を減らすよう修正することを特徴とする。
先述した通り、複数の未噴射を結合して分割回数を減らすと燃料付着の抑制効果は低減する。しかし、複数の未噴射のうち噴射量の多いものを結合する場合に比べて、上記発明の如く噴射量の少ないもの同士を結合(例えば最も少ないものと2番目に少ないものとを結合)させた方が、燃料付着抑制効果の低減度合いを少なくできる。
請求項4記載の発明では、前記噴射可否判定手段の判定時点で未噴射が複数存在する場合であって、複数の前記未噴射の全てを結合しても前記噴射可能期限までに前記要求噴射量を噴射できないと判定した場合には、前記噴射可否判定手段の判定時点から前記噴射可能期限まで分割することなく噴射を継続させることを特徴とする。
これによれば、例えば、噴射可否判定手段の判定時点が噴射中であれば、その噴射及び以降の未噴射全てを結合して噴射可能期限まで噴射を継続させることとなる。また、前記判定時点が噴射間のインターバル中(チャージ中)であれば、電動アクチュエータへ供給する電力のチャージが十分になされていることを条件として、そのチャージを途中で切り上げて噴射可能期限まで噴射を継続させることも可能である。したがって、上記発明によれば、未噴射の全てを結合しても要求噴射量を噴射できない状況下において、いち早く噴射を開始してその噴射を噴射可能期限まで継続させるので、要求噴射量に対する実噴射量の不足分を最小限に抑えることができる。
なお、「チャージが十分になされている」といった上記条件に関し、電力供給手段でバッテリ電力をチャージする時間(チャージ時間)が予め設定した所定時間に達している場合に「チャージが十分になされている」と判定すればよい。ちなみに、前記所定時間は、その時のバッテリ電圧が高いほど短くするよう可変設定してもよい。
請求項5記載の発明では、前記エンジン回転速度を逐次算出する回転速度算出手段を備え、前記噴射可否判定手段は、前記エンジン回転速度が算出されるタイミングで前記判定を逐次実施することを特徴とする。
上記発明に反し、例えば所定時間周期で噴射可否判定手段による判定を実施すると、エンジン回転速度が高速の時には、回転速度算出手段によるエンジン回転速度の逐次算出周期よりも前記判定の周期が長くなるので、最新のエンジン回転速度に基づく判定ができなくなる。また、エンジン回転速度が低速の時には、回転速度算出手段によるエンジン回転速度の逐次算出周期よりも前記判定の周期が短くなるので、同じ回転速度に基づき複数回判定することになり、無駄な判定処理が増えて処理負荷増大を招く。
この点を鑑みた上記発明では、エンジン回転速度が算出されるタイミングで前記判定を実施するので、最新のエンジン回転速度に基づく判定が実施できるとともに、上述した処理負荷の増大を回避できる。
本発明の第1実施形態において、燃料噴射制御装置の制御対象となる燃料噴射弁の構成を示す図。 図1のEDUの概略回路構成を示す図。 図2の構成によるEDUの作動の一態様を示す図。 第1実施形態において、分割噴射を実施する時の噴射信号の一態様を示す図。 第1実施形態において、分割噴射に用いる各種設定を行う処理手順を示すフローチャート。 第1実施形態において、確認処理の手順を示すフローチャート。 分割噴射期間中にエンジン回転速度NEが急上昇した場合において、図6の確認処理を実施している現時点が分割噴射中でない場合の修正内容の一例を示すタイムチャート。 分割噴射期間中にエンジン回転速度NEが急上昇した場合において、図6の確認処理を実施している現時点が分割噴射中である場合の修正内容の一例を示すタイムチャート。 本発明の第2実施形態において、(a)は分割回数修正前の噴射信号、(b)は分割回数修正後の噴射信号の一例を示すタイムチャート。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態にかかる燃料噴射制御装置、及びその制御対象となる燃料噴射弁10の断面図を示す図である。当該燃料噴射弁10は、直噴式の火花点火エンジンに搭載されており、複数気筒の各々に設けられている。各々の燃料噴射弁10の作動は、制御ユニット(ECU20)から出力される指令信号により、駆動ユニット(EDU30)を介して制御される。
燃料噴射弁10は、内部に燃料通路11aを形成するとともに先端部に噴孔11bが形成された筒形状のボデー11と、ボデー11内部に収容される弁体12と、弁体12を駆動させる電動アクチュエータ13と、を備えて構成されている。ボデー11の内周面に形成されている弁座11cから弁体12が離座すると、高圧ポート14から供給される高圧燃料が、燃料通路11aを通じて噴孔11bから噴射される。一方、弁体12が弁座11cに着座すると噴孔11bからの燃料噴射が停止される。
電動アクチュエータ13は、電磁ソレノイド131aを有するステータ131及びアーマチャ132を備えて構成されている。EDU30から電磁ソレノイド131aへ電力供給されると、アーマチャ132はステータ131に吸引される。すると、アーマチャ132と連結された弁体12は、スプリング15の弾性力に抗してリフトアップ作動して弁座11cから離座する。つまり、電磁ソレノイド131aへ電力供給している期間は噴孔11bから噴射される。よって、1回の開弁により噴射される燃料の噴射量は、電力供給時間により制御される。一方、前記電力供給を停止させると、スプリング15の弾性力により弁体12はリフトダウン作動して弁座11cに着座し、噴孔11bからの燃料噴射が停止される。
なお、各気筒の燃料噴射弁10は、噴孔11bがエンジンの燃焼室Eに露出するよう配置されている。また、図示は省略しているが、燃料タンク内の燃料を高圧ポンプにより蓄圧容器(デリバリパイプ)へ圧送しており、蓄圧容器に蓄圧された高圧燃料が各気筒の燃料噴射弁10の高圧ポート14へ分配されるよう構成されている。そして、各気筒の燃料噴射弁10による燃料噴射は、所定のクランク角度の位相差でもって噴射開始される。
次に、燃料噴射弁10の作動を制御する燃料噴射制御装置、つまり、電磁ソレノイド131aへの電力供給状態を制御するECU20及びEDU30について説明する。
ECU20は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等を有して構成され、ECU20には、エアフローメータ21、空燃比センサ22、クランク角センサ23、アクセルポジションセンサ(図示省略)及び排気温度センサ等の各種センサの出力信号が入力される。
ECU20は、一定時間毎に実行すべき基本ルーチンにおいて、各種センサの出力信号の入力、エンジン回転速度NEの演算などを実行する。基本ルーチンにおいてECU20が入力した各種信号やECU20が演算して得られた各種制御値は、ECU20のRAMに一時的に記憶される。特に、クランク角センサ23の検出値に基づきエンジン回転速度NEを算出するとともに、エアフローメータ21の検出値に基づき吸気量を算出し、これらの速度NE及び吸気量(エンジン負荷)に基づき、燃料の目標噴射量(要求噴射量)及び目標噴射時期を所定周期で繰り返し演算する。
そしてECU20は、演算した目標噴射量及び目標噴射時期に基づき、EDU30へ噴射信号(制御信号)を出力する。EDU30は、高電圧を発生する回路を有するとともに、発生させた高電圧の電力を噴射信号に基づき燃料噴射弁10(電磁ソレノイド131a)へ供給する装置である。
次に、EDU30の概略回路構成を図2に基づいて説明する。
EDU30はユニット化されており、複数気筒(図2の例では4気筒)に設けられた燃料噴射弁10の電磁ソレノイド131aへの通電を行うための接続端子31a,31bが設けてある。これらの接続端子31a,31bは、各気筒に対応する電磁ソレノイド131aと電気接続されている。なお、接続端子31aは電源側のもので、接続端子31bは接地側のものである。
また、EDU30は、燃料噴射弁10の電磁ソレノイド131aに印加させる高電圧を発生する高電圧発生回路33,34(電力供給手段)を備えている。高電圧発生回路33,34は、車載バッテリBの電圧(12V)を昇圧するDC−DCコンバータ33と、DC−DCコンバータ33で昇圧した高圧の電力をチャージ(逐電)する昇圧コンデンサ34と、を備えて構成される。
また、EDU30に備えられたスイッチング素子SW1,SW2,SW3は、ECU20からの制御信号である噴射信号によりON・OFF作動し、燃料噴射弁10の電磁ソレノイド131aへの電力供給状態を制御する。つまり、電磁ソレノイド131aに対し、昇圧コンデンサ34にチャージされた高電圧の電力を供給するか、車載バッテリBの給電による低電圧の電力を供給するか、いずれの電力をも供給しないかを切り替え制御する。
EDU30には、スイッチング素子SW1,SW2,SW3の各ゲートへ、ECU20からの噴射信号に応じた指令信号を出力する制御回路38が備えられている。そして、スイッチング素子SW3に対する指令信号により、各気筒の電磁ソレノイド131aのいずれに通電させるかが選択される。つまり、指令信号によりON作動したスイッチング素子SW3に対応する燃料噴射弁10が噴射可能な状態となる。
また、スイッチング素子SW1,SW2に対する指令信号により、噴射するよう選択された燃料噴射弁10に対し、昇圧コンデンサ34からの高電圧電力及び車載バッテリBからの低電圧電力のいずれを供給するかが切り替えられる。例えば、低電圧電力を供給する場合には、スイッチング素子SW2をON作動させるとともにスイッチング素子SW1をOFF作動させる。また、高電圧電力を供給する場合には、スイッチング素子SW1をON作動させるとともにスイッチング素子SW2をOFF作動させる。
なお、スイッチング素子SW1をOFF作動させている期間中は、DC−DCコンバータ33からの高電圧電力が昇圧コンデンサ34にチャージされ、スイッチング素子SW1をON作動させている期間中は、昇圧コンデンサ34にチャージされた電力が電磁ソレノイド131aへ放電可能となる。
次に、弁体12を1回だけ開閉作動させた場合におけるEDU30の作動の一態様を、図3を用いて説明する。
図3(a)はECU20からEDU30へ出力される噴射信号を示し、当該信号のオン期間中は噴射させ、オフ期間中は噴射を停止させる。図3(b)はスイッチング素子SW1,SW2の作動状態を示し、スイッチング素子SW1のオン期間中は高電圧電力が燃料噴射弁10の電磁ソレノイド131aに供給され、スイッチング素子SW2のオン期間中は低電圧電力が電磁ソレノイド131aに供給される。図3(c)は昇圧コンデンサ34の電圧変化(チャージ状態)を示す。図3(d)は電磁ソレノイド131aへ印加する電圧の変化を示す。図3(e)は電磁ソレノイド131aを流れる駆動電流の変化を示す。図3(f)は弁体12のリフト量変化を示す。
そして、噴射信号により噴射指令がなされると(図3(a)参照)、先ず、スイッチング素子SW1を1回オンさせて(図3(b)参照)、昇圧コンデンサ34から電磁ソレノイド131aへ放電する(図3(c)参照)。これにより、高電圧電力が電磁ソレノイド131aへ供給され、印加電圧が急激に上昇するとともに駆動電流が急激に上昇する(図3(d)(e)参照)。その結果、弁体12が弁座11cから離座を開始して開弁を開始する(図3(f)参照)。
上述の如くスイッチング素子SW1のオン作動により高電圧電力を供給させた後には、スイッチング素子SW1をオフ作動させるとともにスイッチング素子SW2をオン作動させて低電圧電力を電磁ソレノイド131aへ供給させる。この低電圧電力供給では、スイッチング素子SW2のオン・オフ切り替え作動を複数回繰り返す(図3(b)参照)。これにより、車載バッテリBから電磁ソレノイド131aへ低電圧電力が繰り返し供給されるとともに、一定の駆動電流(定電流)が流れる(図3(d)(e)参照)。その結果、高電圧電力供給により最大リフト位置までリフトアップ作動した弁体12は、そのリフト位置を保持される(図3(f)参照)。
その後、噴射信号により噴射停止指令がなされると(図3(a)参照)、両スイッチング素子SW1,SW2をオフ作動させる(図3(b)参照)。すると、電磁ソレノイド131aへの電力供給が停止され(図3(d)(e)参照)、弁体12がスプリング15の弾性力により閉弁作動(リフトダウン)を開始する(図3(f)参照)。以上により、噴射指令を1回オン・オフさせることで、弁体12の1回の開閉作動が完了する。
なお、スイッチング素子SW1をオフ作動させて昇圧コンデンサ34からの放電を終了した時点から、次回の放電時点までの期間、昇圧コンデンサ34へはDC−DCコンバータ33から充電される。また、複数気筒の燃料噴射弁10への高電圧電力供給は1つの昇圧コンデンサ34から行われるので、いずれの燃料噴射弁10についても開弁開始がなされていない期間において、昇圧コンデンサ34への充電が為されることとなる。
開弁作動に関し、噴射指令がなされた時点から弁体12がリフトアップを開始するまでには応答遅れ時間T10を要し、前記噴射指令の時点から弁体12が最大リフト量に達するまでには応答遅れ時間T20を要する(図3(f)参照)。また、閉弁作動に関しては、噴射停止指令がなされるとほぼ同時に弁体12はリフトダウンを開始する。噴射停止指令がなされた時点から弁体12が弁座11cに着座して噴射が完了するまでには応答遅れ時間T30を要する。
このように、閉弁作動時には噴射停止指令に対して弁体12は直ぐに閉弁作動を開始するのに対し、開弁作動時には噴射指令に対して弁体12が開弁作動を開始するのに応答遅れ時間T10を要する。1回の開弁にかかる噴射量は、噴射指令時間Tq(噴射信号オン時間)により制御しているため、前記応答遅れ時間T10が長いと、目標噴射量に対する実噴射量のずれが大きくなる。すると、実空燃比を目標空燃比(例えば理論空燃比)に精度良く合わせることが困難となり、ひいては排気エミッションの悪化を招く。
そこで本実施形態では、噴射指令時には先ず高電圧電力を電磁ソレノイド131aへ供給して駆動電流を急激に上昇させることで、前記応答遅れ時間T10の短縮を図っている。そして、弁体12が開弁作動を開始した後については、そのリフト位置を保持させるのに高電圧電力は不要となるため、低電圧電力の供給に切り替えている。要するに、噴射指令が為されると、先ず昇圧コンデンサ34により高電圧駆動させ、その後、車載バッテリBにより定電流駆動させる。図3(b)中の符号T40は高電圧駆動させる期間を示し、符号T50は定電流駆動させる期間を示す。
ところで、エンジン回転速度NE及び吸気量に基づき1燃焼サイクル当りに噴射させる燃料の要求噴射量を算出することは先述した通りであるが、このように算出した要求噴射量を弁体12の1回の開閉で噴射させようとすると、燃焼室Eを形成するシリンダ壁面やピストンに液状の噴射燃料が付着してしまい、燃焼状態が所望する状態にならなくなることが懸念される。また、燃焼室Eにおける混合気中の燃料分布を均一にすることが困難となる。
そこで本実施形態では、要求噴射量を複数回に分割して噴射(分割噴射)することで、噴射燃料の前記付着を抑制させるとともに、噴射燃料の分布均一化を図っている。ちなみに、分布が不均一になると燃焼状態が不安定になることが懸念される。また、前記付着が生じると、スモーク増大等の排気エミッション悪化を招くとともに、以下に説明する燃料希釈の問題が生じる。
すなわち、シリンダ壁面等に付着した燃料は、ピストンの潤滑油中に混入してしまい、燃料が希釈されて実空燃比がリーン状態となり排気エミッション悪化を招く。また、上記混入の後、暖機運転が進み潤滑油温度が上昇するにしたがい、混入した燃料が気化して燃焼室Eに混入することとなる。その結果、実空燃比がリッチ状態となり排気エミッション悪化を招く。
上記分割噴射を実施するにあたり、分割回数を増やして1回の噴射量を少なくさせるほど、上述した噴射燃料の付着抑制及び均一化の効果を促進できる。但し、1回の噴射量を少なくするには限度があるので、1回の噴射量が下限量より少なくならないよう分割回数を設定している。つまり、1回の噴射信号オン時間Tq(図3(a)及び図4(b)参照)が下限時間より短くならないよう分割回数を設定している。
また、分割回数を増やすほど、昇圧コンデンサ34を用いた高電圧駆動の実施回数が増えるため、昇圧コンデンサ34へのチャージ時間Tc(図4(b)参照)を十分に確保できるよう分割回数を設定している。
図4(b)中の符号ts,teは分割噴射の開始時点及び終了時点を示し、符号tupは噴射可能期限を示す。ここで、圧縮行程期間中に燃料を噴射するにあたり、その噴射時期が遅いほど、上昇するピストン上面が噴孔11bに近づいた状況での噴射となるので、噴射された燃料がピストン上面に付着しやすくなる。そこで、上述した噴射可能期限tupを設定し、噴射可能期限tupを越えて遅いタイミングで噴射することを禁止することで、ピストン上面に噴射燃料が付着することの回避を図っている。なお、このような噴射可能期限tupの一例として、圧縮行程が開始してから所定クランク角度(例えば20℃A)に達した時点が挙げられる。
要するに、噴射可能期限tupは、圧縮行程にて上昇するピストン上面が噴孔11bに対して所定距離まで近づいた時点となるよう設定されている。ちなみに、吸気量が多いほど、圧縮行程中の燃焼室内の気流が乱れた状態となるので、上記付着が生じにくくなる。よって、吸気量が多いほど噴射可能期限tupを遅くするよう、噴射可能期限tupを可変設定してもよい。
そして、この噴射可能期限tup内に分割噴射が終了するよう分割回数を設定している。つまり、図中の余裕時間Trを確保して分割噴射終了時点teが噴射可能期限tupよりも遅くならないよう分割回数を設定している。
このように分割回数を設定する処理の手順を、図5を用いて説明する。なお、当該処理は、ECU20が有するマイクロコンピュータにより、所定の時間周期(例えばマイコンが有するCPUの演算周期)で繰り返し実行される。
先ず、ステップS10(要求噴射量算出手段、分割回数設定手段)において、エンジン回転速度NE及び吸気量に基づき、先述した要求噴射量、分割回数、休止インターバル時間Tiを設定する。続くステップS11では、ステップS10で算出した要求噴射量及び分割回数に基づき分割噴射量(噴射信号オン時間tq)を算出する。続くステップS12では、ステップS10で設定した休止インターバル時間Ti、及びステップS11で算出した噴射信号オン時間tqと、直近のNE算出処理で算出したエンジン回転速度NEとに基づきチャージ時間Tcを算出し、算出したチャージ時間Tcが予め設定した時間(十分なチャージ時間)を確保できているか否かを判定する。
チャージ時間Tcが不十分であると判定された場合には(S12:NO)、続くステップS13において、ステップS10で設定したチャージ時間Tcを、十分なチャージ時間を確保できるように加算して長くする。ステップS13の処理の後、或いはチャージ時間Tcが十分であると判定された場合には(S12:YES)、続くステップS14において、設定した休止インターバル時間Ti、噴射信号オン時間tqに基づき、分割噴射が噴射可能範囲に収まるか否か、つまり、分割噴射終了時点teが噴射可能期限tup以内に収まるか否かを判定する。
噴射可能範囲に収まると判定された場合には(S14:YES)、分割噴射量が下限量以上であるか否か、つまり、噴射信号オン時間tqが最低噴射時間以上であるか否かを判定する。そして、分割噴射量が下限量以上であると判定された場合には(S15:YES)、続くステップS16において、上記設定による休止インターバル時間Ti及び噴射信号オン時間tqに基づき、後述する分割噴射の設定を実施する。
一方、噴射可能範囲に収まらないと判定された場合(S14:NO)、或いは分割噴射量が下限量以上でないと判定された場合には(S15:NO)、続くステップS17(分割回数設定手段)において、ステップS10で設定した分割回数を1回減らし、ステップS11の処理に戻る。要するに、チャージ時間Tcを十分に確保させた上で、噴射可能範囲に収め、かつ、最低噴射時間以上であるとの条件を満たしていない場合には分割回数を減らし、上記条件を満たすまで分割回数を1回ずつ減らしていく。
上記ステップS16の設定処理では、分割噴射を開始させた時点で噴射信号をオンにするとともに、タイマにより噴射信号オン時間tqの計時開始処理S16a(図4(b)参照)を実施する。その後、噴射信号オン時間tqが経過した時点で、噴射信号をオフにするとともに、タイマにより休止インターバル時間Tiの計時開始処理S16b(図4(b)参照)を実施する。その後、両計時開始処理S16a,S16bを繰り返し、設定した回数の分割噴射がなされた時点で、タイマによる計時を終了させて分割噴射を終了させる。
ところで、クランク角センサ23の検出値に基づきエンジン回転速度NEを算出するNE算出処理Sne(図4(a)参照)は、クランク角センサ23の検出値(パルス数)が所定量だけECU20に入力される毎に実施される。つまり、所定のクランク角だけクランク軸が回転する毎に、NE算出処理SneはNE割込み処理として実施される。一方、図5のステップS16による分割噴射の設定処理S16a,S16b(図4(b)参照)は、所定時間周期で、時間割込み処理として繰り返し実行される。なお、NE算出処理Sneを実施している時のECU20は回転速度算出手段に相当する。
ところで、図5による分割噴射の設定処理は、分割噴射を開始する時点tsより前に実施されるものであり、分割噴射を開始した時点ts以降にエンジン回転速度NEが急上昇した場合には、噴射可能範囲に収まらなくなることが懸念される。この懸念に対し本実施形態では、図5による設定処理が終了した以降(或いは分割噴射の開始時点ts以降)から分割噴射の終了時点teまでの期間中、分割噴射中のエンジン回転速度NEに基づいて、図5で設定した分割回数の妥当性について確認する確認処理S20(図6参照)を実施する。
この確認処理S20は、ECU20が有するマイクロコンピュータにより、分割噴射実施期間中において、所定のクランク角度が回転する毎に繰り返し実施される。つまり、NE算出処理Sneが実施される毎にNE割込み処理として実施される。
先ず、図6のステップS21においてNE割込み時間をモニタする。つまり、先述したNE算出処理Sneによりエンジン回転速度NEの算出(更新)が為されたタイミングをモニタするとともに、最新のエンジン回転速度NEを取得する。続くステップS22(噴射可否判定手段)では、現在実施されている分割噴射について、図5の設定処理で算出した休止インターバル時間Ti、噴射信号オン時間Tq、及びステップS21で取得した最新のエンジン回転速度NEに基づき、余裕時間Trが確保できているか否かを判定する。
余裕時間Trが確保できていると判定された場合には図6の処理を一旦終了し、確保できていないと判定された場合には、以降の処理S23〜S25により、図5の処理で設定した分割回数を、1回分だけ減らすよう修正する。換言すれば、未だ行われていない分割噴射(未噴射)が複数残っている場合には、これら複数の未噴射のうち2つ以上の未噴射を結合させることで、分割回数を減らして休止インターバルの実施回数を減らす。
このように分割回数を減らすよう修正する手順についてより詳細に説明すると、先ずステップS23では、確認処理S20を実施している現時点が、分割噴射中であるか否かを判定する。分割噴射中でないと判定されれば(S23:NO)、続くステップS24(分割回数修正手段)において、次に予定されている分割噴射と、さらにその次に予定されている分割噴射とを結合させる。一方、分割噴射中であると判定されれば(S23:YES)、続くステップS25(分割回数修正手段)において、当該分割噴射と、その次に予定されている分割噴射とを結合させる。なお、分割噴射中でないと判定された場合において、次の分割噴射が最後の分割噴射である場合には、昇圧コンデンサ34へのチャージ量が所定量以上となっていることを条件として、次の分割噴射を直ぐに開始させることが望ましい。
なお、チャージ量が所定量以上となっているか否かを判定するにあたり、チャージ時間Tcが予め設定した所定時間に達していればチャージ量が所定量以上であると判定してもよいし、昇圧コンデンサ34の電圧が所定値以上であればチャージ量が所定量以上であると判定してもよい。
図7及び図8は、分割噴射期間中にエンジン回転速度NEが急上昇した場合において、上記確認処理S20を実行することによる分割噴射回数の修正内容を説明するタイムチャートである。図7は、確認処理S20を実施している現時点が分割噴射中でない場合の修正内容の一例を示し、図8は、分割噴射中である場合の修正内容の一例を示す。
図7(b)及び図8(b)では、エンジン回転速度NEが急上昇して噴射可能期限tupが早くなったことに伴い、分割噴射終了時点teが噴射可能期限tupよりも遅くなった状況であって、確認処理S20による分割回数の修正前の状況を示す。そして、確認処理S20が分割噴射中でない時に為された図7の場合、次に予定されている分割噴射Tq(1)と、さらにその次に予定されている分割噴射Tq(2)とを結合させて、1回の分割噴射Tq(3)を実施するよう修正している。つまり、1回分の休止インターバル時間Ti(1)を無くすよう修正している。
一方、確認処理S20が分割噴射中に為された図8の場合、その時の分割噴射Tq(4)と、その次に予定されている分割噴射Tq(5)とを結合させて、1回の分割噴射Tq(6)を実施するよう修正している。つまり、1回分の休止インターバル時間Ti(2)を無くすよう修正している。
以上により、本実施形態によれば、分割噴射の実施に先立ち図5の処理を実施して分割回数を設定した後に、その設定した分割回数と、分割噴射の実施期間中におけるエンジン回転速度NEとに基づき、噴射可能期限tupまでに要求噴射量を噴射できるか否かを判定する(S22)。つまり、分割噴射の実施前に設定した分割回数のままで要求噴射量を噴射できるのかを、分割噴射の実施期間中に再確認する。そして、この再確認により噴射不能であることが判明した場合に、既に設定された分割回数を減らすように修正する。
したがって、分割噴射を実施している最中にエンジン回転速度が急上昇したとしても、分割回数を減らすよう修正されるので、十分なチャージ時間(休止インターバル時間Ti)を確保したままで噴射可能期限tupまでに要求噴射量が噴射できなくなるおそれを低減できる。
さらに本実施形態によれば、確認処理S20を、NE算出処理Sneが為されるタイミングでNE割込み処理として実施するので、最新のエンジン回転速度NEに基づき確認処理S20を実施できるとともに、確認処理S20の実施回数が不必要に増大することを回避してマイコンの処理負荷増大を回避できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、分割噴射の設定にあたり、複数の分割噴射時間Tq(分割噴射量)を同一の時間に設定している。これに対し、図9に示す本実施形態では、分割噴射の各々を異なる噴射時間Tq(分割噴射量)に設定している。そして、確認処理S20により複数の未噴射を結合するにあたり、噴射量が最も少ないものと、2番目に少ないものとを結合させる。
図9(a)は分割回数修正前の噴射信号を示し、図9(b)は確認処理S20による分割回数修正後の噴射信号を示す。そして、修正前において、複数の未噴射のうち噴射量が最も少ない分割噴射Tq(7)(噴射信号オン時間Tqが最も短いもの)と、2番目に少ない分割噴射Tq(8)とを結合させて、1回の分割噴射Tq(9)を実施するよう修正している。これにより、分割回数を1回分減らして、休止インターバルTiの回数を1回分減らしている。
ここで、複数の未噴射を結合して分割回数を減らすと、先述した「噴射燃料の付着抑制及び均一化の効果」は低減する。しかし、複数の未噴射のうち噴射量の多いものを結合する場合に比べて、本実施形態の如く噴射量の少ないもの同士を結合させた方が、上記効果の低減度合いを少なくできる。つまり、複数の未噴射のうち噴射量が最も少ない分割噴射Tq(7)を結合する本実施形態によれば、上記効果の低減度合いを少なくできる。
ところで、本実施形態では、噴射量が最も少ない分割噴射Tq(7)が、確認処理S20の実施時点から直近の分割噴射ではない場合には、確認処理S20の実施時点から他の分割噴射を実施した後に2つの分割噴射Tq(7)(8)を結合することになる。これに対し、上記第1実施形態によれば、確認処理S20の実施時点が噴射実施中であれば、当該噴射Tq(4)とその次に予定されていた噴射Tq(5)とを結合して分割回数を減らすよう修正し、確認処理S20の実施時点が噴射実施中でなければ、次に予定されていた噴射Tq(1)とさらにその次に予定されていた噴射Tq(2)とを結合することで、分割回数を減らすよう修正する。そのため、噴射可能期限tupまでに要求噴射量を噴射できないと判定された場合に、できるだけ早期のタイミングで噴射を結合させるので、修正したにも拘わらず噴射不能となってしまうといったおそれを低減できる。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、確認処理S20を実施している現時点が分割噴射中でない場合には、次回の分割噴射Tq(1)(2)を結合しているが、確認処理S20を実施した時点から次回の分割噴射Tq(1)を開始するまでの間、休止インターバルTi期間として噴射を停止させている。
これに対し本実施形態では、図6の確認処理S20において、噴射可能期限tupまでに要求噴射量を噴射できないと判定した場合(S22:余裕時間Tr無し)に、以降の未噴射の全てを結合した場合に、要求噴射量を噴射できるか否かを判定する。そして、全ての未噴射分を結合しても噴射可能期限tupまでに要求噴射量を噴射できないと判定した場合には、確認処理S20を実施した時点から、噴射可能期限tupまで分割することなく噴射を継続させる。
したがって、確認処理S20を実施している現時点が分割噴射中でない場合には、休止インターバルTi期間が経過して次回の分割噴射が開始されるのを待たずして、直ぐに噴射を開始させるとともに、その噴射を噴射可能期限tupまで分割することなく継続させる。そのため、いち早く噴射を開始してその噴射を噴射可能期限まで継続させるので、要求噴射量に対する実噴射量の不足分を最小限に抑えることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・分割噴射の設定にあたり、複数の分割噴射時間Tq(分割噴射量)を同一の時間に設定することに換え、各々異なる噴射時間Tq(分割噴射量)に設定してもよい。
・確認処理S20により複数の分割噴射を結合するにあたり、本発明は2つの分割噴射を結合させることに限定されるものではなく、3つ以上の分割噴射を結合させるようにしてもよい。
10…燃料噴射弁、11b…噴孔、12…弁体、131a…電磁ソレノイド(電動アクチュエータ)、33…DC−DCコンバータ(高電圧発生回路(電力供給手段))、34…昇圧コンデンサ(高電圧発生回路(電力供給手段))、S10…要求噴射量算出手段、S10,S17…分割回数設定手段、S22…噴射可否判定手段、S24,S25…分割回数修正手段、Sne…回転速度算出手段。

Claims (5)

  1. 電動アクチュエータにより弁体を開弁作動させて噴孔から燃料を噴射させる燃料噴射弁を備え、前記噴孔から燃焼室へ燃料を直接噴射させる直噴式の火花点火エンジンに適用され、
    バッテリ電力をチャージして前記電動アクチュエータへ供給する電力供給手段と、
    前記エンジンの運転状態に基づき、1燃焼サイクル当りに噴射させる燃料の要求噴射量を算出する要求噴射量算出手段と、
    前記要求噴射量を複数回に分割して噴射する分割噴射を実施するに先立ち、その分割回数を設定する分割回数設定手段と、
    前記分割噴射の実施期間中におけるエンジン回転速度、及び前記分割回数設定手段により設定された分割回数に基づき、噴射可能期限までに前記要求噴射量を噴射できるか否かを判定する噴射可否判定手段と、
    前記噴射可否判定手段により噴射不能であると判定された場合に、前記分割回数設定手段により設定された分割回数を減らすように修正する分割回数修正手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記分割回数修正手段は、
    前記噴射可否判定手段の判定時点が噴射実施中であれば、当該噴射とその次に予定されていた噴射とを結合することで、前記分割回数修正手段は分割回数を減らすよう修正し、
    前記噴射可否判定手段の判定時点が噴射実施中でなければ、次に予定されていた噴射とさらにその次に予定されていた噴射とを結合することで、分割回数を減らすよう修正することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記噴射可否判定手段の判定時点で未噴射が複数存在する場合に、複数の前記未噴射のうち噴射量の少ないもの同士を結合することで、前記分割回数修正手段は分割回数を減らすよう修正することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記噴射可否判定手段の判定時点で未噴射が複数存在する場合であって、複数の前記未噴射の全てを結合しても前記噴射可能期限までに前記要求噴射量を噴射できないと判定した場合には、前記噴射可否判定手段の判定時点から前記噴射可能期限まで分割することなく噴射を継続させることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記エンジン回転速度を逐次算出する回転速度算出手段を備え、
    前記噴射可否判定手段は、前記エンジン回転速度が算出されるタイミングで前記判定を逐次実施することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料噴射制御装置。
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