JP2011104572A - リポソームの製造方法およびフロー製造装置 - Google Patents
リポソームの製造方法およびフロー製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011104572A JP2011104572A JP2009265652A JP2009265652A JP2011104572A JP 2011104572 A JP2011104572 A JP 2011104572A JP 2009265652 A JP2009265652 A JP 2009265652A JP 2009265652 A JP2009265652 A JP 2009265652A JP 2011104572 A JP2011104572 A JP 2011104572A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- emulsification
- liposome
- emulsion
- solvent removal
- liposomes
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Cosmetics (AREA)
- Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
Abstract
【解決手段】W1/Oエマルションを調製する一次乳化工程と、W1/O/W2エマルションを調製する二次乳化工程と、W1/O/W2エマルションから油相(O)の有機溶媒を除去してリポソームを形成させる溶媒除去工程とを含むリポソームの製造方法であって、溶媒除去工程は、二次乳化工程で調製されたW1/O/W2エマルションの連続的な供給を受けて、たとえば、W1/O/W2エマルションを溶媒除去用の流路に導入し、そこを流下させながら有機溶媒を蒸発させ、流路下流末端に到達するまでにリポソームが製造されるような方法により、リポソームを連続的に製造するものであることを特徴とする、リポソームの連続的な製造方法。
【選択図】図1
Description
利用に好適なリポソーム製剤の、効率的な製造方法・製造装置の研究開発が進められている。
高分子材料含む有機溶液、および(ii)核酸を含有する第一の水溶液と混合された有機溶媒を含む、第一のエマルションを混合チャンバーに連続的に供給する工程;(c)界面活性剤
を含有する、第二の水溶液を混合チャンバーへ連続的に供給する工程;(d)混合チャンバ
ー内の第一のエマルションおよび第二の水溶液を連続的に乳化し、第二のエマルションを生成し、この第二のエマルションが、核酸、高分子材料、水、および有機溶媒を含んでいる工程;(e)第二のエマルションを混合チャンバーから溶媒除去部へと連続的に移す工程
;および(f)溶媒除去部内の第二のエマルションから有機溶媒を除去し、核酸包含微粒子
の水性分散液を生成する工程を含み、第一のエマルションおよび第二の水溶液の少なくとも一方が、分散安定剤を更に含む、核酸包含微粒子調製のための拡張性のある連続法が記載されている(請求項1)。また、上記混合チャンバーとしてホモジナイザーを備えるものを用いることが、上記有機溶媒を除去するために蒸発、加熱、部分真空等を用いることが記載されている(請求項17,20,21,24)。
しかしながら、脂質二重膜で形成された、平均粒径が数百nm程度と微少なリポソームの製造に上記のような装置または方法を適用することは、特許文献1および2のいずれにも記載されていない。
おける乳化法としては、たとえば撹拌乳化法が好ましい。
本発明のリポソームの製造方法は、下記のような一次乳化工程、二次乳化工程および溶媒除去工程を有し、必要に応じてその他の工程を適宜組み合わせることができるものである。
一次乳化工程は、内水相(W1)および油相(O)をリポソーム用混合脂質成分(F1)を用いて乳化しW1/Oエマルションを調製する工程である。
二次乳化工程は、一次乳化工程で調製されたW1/Oエマルションおよび外水相(W2)をリポソーム用混合脂質成分(F2)を用いて乳化し、W1/O/W2エマルションを調製する工程である。この二次乳化工程では、W1/O/W2エマルションの溶媒除去工程への連続的な供給に同調させて、一次乳化工程で調製されたW1/Oエマルションの連続的な供給を受けながら、W1/O/W2エマルションが連続的に調製される。
ることなく順次溶媒除去工程に運ばれるため液滴同士の接触、凝集を低減し、多胞リポソームの形成を抑制することができることから好適である。なお、膜乳化法としては、あらかじめ大きな粒径のW1/O/W2エマルションを調製した後に、孔径の小さな膜を通過させることでより小さな粒径のW1/O/W2エマルションを調製するようなプレミックス膜乳化法を用いてもよい。プレミックス膜乳化法は、必要とされるエネルギーが小さく、また処理量が多く、リポソームの調製を迅速化することができるため好適である。
溶媒除去工程は、二次乳化工程により調製されたW1/O/W2エマルションから油相(O)の有機溶媒を除去し、混合脂質成分(F1)および(F2)からなる脂質二重膜を有するリポソームを形成させる工程である。有機溶媒の除去の進行につれて、リポソームを構成する脂質の水和が進み、多胞リポソームが解けて単胞のリポソーム状態にばらける、あるいはW1/O/W2エマルションの界面に近い位置から単胞のリポソームがちぎれて形成されるものと考えられる。この溶媒除去工程では、二次乳化工程で調製されたW1/O/W2エマルションの連続的な供給を受けながら、リポソームが連続的に形成される。
、二次乳化工程で調製されたW1/O/W2エマルションの溶媒除去工程への連続的な供給が行われることが望ましい。溶媒除去工程は、有機溶媒の蒸発を促進するために減圧下で行うことが好ましいが、この減圧は、W1/O/W2エマルションを引き込む引圧としても作用するため、ポンプのように能動的に送液する手段を用いなくとも、W1/O/W2エマルションの供給を受けることが可能となる。さらに、このような減圧の作用は、二次乳化部におけるW1/Oエマルションの分散相から連続相への流れを生み出すこともでき、従来の膜乳化法で行われていた分散相から連続相に向けての加圧を不要化または低減することもできる。
必要に応じて用いられるその他の工程としては、リポソームの粒径を所望の範囲(たとえば50〜500nm程度)に調整し、W1/O/W2エマルションから副次的に形成された多胞リポソームをばらして単核リポソームにすることができる整粒工程や、リポソームを保管に適した形態にする(使用時に水性溶媒中に再分散させる)ための乾燥粉末化工程など、従来のリポソームの製造にも用いられていた各種の工程が挙げられる。これらの工程は、溶媒除去工程の後に設けられ、溶媒除去工程から引き続き連続的に行われるようにしてもよい。
本発明のリポソームの製造装置は、上述したような本発明の製造方法を実施する手段を備えたものである。以下、図1を参照しながらリポソーム製造装置1について説明する。
内水相(W1)および油相(O)をリポソーム用混合脂質成分(F1)を用いて乳化しW1/Oエマルションを調製するための一次乳化部10は、公知の乳化用の装置・機器類その他適切な手段を用いて構成することができる。たとえば、一次乳化工程における好ま
しい方法として挙げた撹拌乳化法により乳化する場合、内水相をなす水性溶媒ないし水性溶液、油相をなす有機溶媒ないし有機溶液、および混合脂質成分などを投入する容器(図示せず)と、これらの原料を乳化するホモジナイザーのような攪拌機(図示せず)とにより一次乳化部を構成することができる。上記攪拌機としては、たとえば高速攪拌機(Excel-Auto HOMOGENIZER 日本精機、ディスクタービン翼)、高圧ホモジナイザー(ナノマイザ
ー NM2-L200AR-D 吉田機械工業)、プレミックス膜乳化(SPGインラインミキサー IM-125 SPGテクノ社)のような製品を用いることができる。
一次乳化部で調製されたW1/Oエマルションおよび外水相(W2)をリポソーム用混合脂質成分(F2)を用いて乳化し、W1/O/W2エマルションを調製するための二次乳化部20は、公知の膜乳化法用の装置・機器類その他適切な手段を用いて構成することができる。たとえば、二次乳化工程で用いられる好ましい方法として挙げた膜乳化法(マイクロチャネル乳化法またはSPG膜を用いた乳化法)により乳化する場合、図1に示したように、開口(図示せず)からW/Oエマルションが供給される分散相20aと、分散相20aと連続相20cの境界に位置し、W/Oエマルションが通過する際に液滴を形成するための細孔を有する乳化膜20b(マイクロチャネルまたはSPG膜)と、一方端部の開口(図示せず)から外水相(W2)が供給され、他方端部の開口(図示せず)から膜乳化で形成された液滴を含んだ外水相(つまりW1/O/W2エマルション)が排出される、外水相の流れが生じる連続相20cとにより、二次乳化部20を構成することができる。このような二次乳化部としては、たとえばマイクロチャネル乳化(EP3-0610 イーピ
ーテック社)、SPG膜乳化(高速ミニキット KH-125 SPGテクノ社)のような製品を
用いることができる。
中に設ける必要はない。
一次乳化部および二次乳化部は、それぞれ別個のユニットにより形成されていても、両者が一体的となったユニット(二段階乳化ユニット)で形成されていてもよい。
二次乳化部で調製されたW1/O/W2エマルションの連続的な供給を受けながら、W1/O/W2エマルションから油相の有機溶媒を除去してリポソームを連続的に形成させるための溶媒除去部30は、公知の各種の溶媒除去(回収)用の装置・機器類その他適切な手段を用いて構成することができる。たとえば、図1に示したように、内部を減圧することのできるチャンバー30a、チャンバー内部でW1/O/W2エマルションから蒸発した有機溶媒を回収するための有機溶媒凝縮装置、冷媒循環装置などからなる溶媒回収装置30b、チャンバー内部を減圧し、有機溶媒を溶媒回収装置に吸引させるためのポンプ等の減圧装置30c、チャンバー30a内に設置され、W1/O/W2エマルションから有機溶媒を蒸発させて連続的にリポソームを製造するための溶媒除去流路30d、および溶媒除去流路30dの末端に設置され、当該流路を流下し終えたリポソーム分散液を回収するためのリポソーム分散液受容器30eを用いて、溶媒除去部30を構成することができる。なお、上記のようなチャンバー30aと溶媒回収装置30bとが一体的に形成されている溶媒除去装置を用いてもよい。
じて、溶媒除去部はチャンバー内部または溶媒除去流路を直接的に加熱するための加熱手段を備えていてもよい。
本発明の製造方法において、必要に応じて用いられるその他の工程として挙げられた整粒工程を行うための手段としては、たとえば、ポリカーボネート膜またはセルロース膜(孔径0.1〜0.4μm)をフィルターとして装着した静圧式押出し装置(日油リポソーム社製「エクストルーダー」、野村マイクロサイエンス社製「リポナイザー」など)を用いることができる。また、乾燥粉末化工程を行うための手段としては、公知の各種の乾燥装置、好ましくは凍結乾燥装置を用いることができる。
・混合脂質成分(F1)・(F2)
一次乳化工程で用いる混合脂質成分(F1)は主としてリポソームの脂質二重膜の内膜を構成し、二次乳化工程で用いる混合脂質成分(F2)は主として外膜を構成する。混合脂質成分(F1)および(F2)は、同一の組成であっても、異なる組成であってもよい。
内水相(W1)および外水相(W2)としては、水および必要に応じて水と混合する他の溶媒からなる水性溶媒に、必要に応じて浸透圧調整のための塩類・糖類、pH調整のための緩衝液、その他の機能性成分(たとえば分散安定剤)などが添加された水溶液が用いられる。一方、油相(O)としては、水性溶媒と混合しない有機溶媒(ヘキサン、クロロホルム等)に、必要に応じて各種の機能性成分が添加された有機溶液が用いられる。たとえば、ヘキサンを主成分(50体積%以上)とする有機溶媒は、得られるナノサイズのW1/Oエマルションの単分散性が良好であるため好ましい。
本発明において、リポソームに内包させるべき物質(薬剤類と総称する)は特に限定されるものではなく、リポソームの用途に応じて医薬品、化粧品、食品などの分野で知られ
ている各種の物質を用いることができる。
リエン系抗真菌剤、ピリミジン系抗真菌剤、アゾール系抗真菌剤、キャンディン系抗真菌剤、ニューキノロン系合成抗菌剤、抗酸化性剤、抗炎症剤、血行促進剤、美白剤、肌荒れ防止剤、老化防止剤、発毛促進性剤、保湿剤、ホルモン剤、ビタミン類、核酸(DNAもしくはRNAのセンス鎖もしくはアンチセンス鎖、プラスミド、ベクター、mRNA、siRNA等)、タンパク質(酵素、抗体、ペプチド等)、ワクチン製剤(破傷風などのトキソイドを抗原とするもの;ジフテリア、日本脳炎、ポリオ、風疹、おたふくかぜ、肝炎などのウイルスを抗原とするもの;DNAまたはRNAワクチン等)などの薬理的作用を有する物質や、色素・蛍光色素、キレート化剤、安定化剤、保存剤などの製薬助剤が挙げられる。
本発明では、必要に応じて二次乳化工程の外水相に分散安定剤を配合してもよい。分散安定剤としては、従来用いられているカゼインナトリウムなどの物質を用いてもよいが、自己による分子集合体を形成しない分散安定剤または自己による分子集合体を形成するがその体積平均粒径が10nm以下である分散安定剤(以下「特定分散安定剤」という。)用いることが好ましい。このような特定分散安定剤は、薬剤類の内包率の向上および単核リポソームの効率的な形成に寄与するとともに、得られたリポソーム分散液から容易に分離除去することができる。
外水相に配合されている場合、および一定の濃度以上で分子集合体を形成する物質(典型的には臨界ミセル濃度を有する界面活性剤)がそれに達しない濃度で分散剤として外水相に配合されている場合、これら両方の場合を指す。また、「自己による分子集合体を形成するがその体積平均粒径が10nm以下である分散剤」を含有する外水相とは、分子集合体を形成しうるもののその体積平均粒径が10nm以下である物質が分散剤として外水相に配合された場合を指す。
レン(30)グリコール、数平均分子量9600)などの製品や、重量平均分子量が1000〜8000のポリエチレングリコールなどが挙げられる。
本発明の製造方法または製造装置(必要により整粒工程または整粒装置を用いてもよい)により最終的に製造されるリポソームの形態や用途は特に限定されるものではないが、たとえば医療用のリポソーム製剤として用いる場合は、体積平均粒径は好ましくは50〜1,000nmであり、より好ましくは50〜300nmである。このようなサイズのリポソームは、毛細血管を閉塞するおそれがほとんどなく、またがん組織近辺の血管にできる間隙を通過することもできるため、医薬品等として人体に投与されて使用する上で好都合である。
以下に述べる実施例および比較例の一次乳化工程で得られたW1/Oエマルションの平均粒径およびCV値は、下記の方法に従って測定した。
(一次乳化工程によるW1/Oエマルションの製造)
ホスファチジルコリン含量が95%である卵黄レシチン「COATSOME NC-50」(日油株式会社)0.3g、コレステロール(Chol)0.152gおよびオレイン酸(OA)0.108gを含むヘキサン15mLを有機溶媒相(O)とし、カルセイン(0.4mM)を含む
トリス−塩酸緩衝液(pH8、50mmol/L)5mLを内水相用の水分散相(W1)とした。50mLのコック付きビーカーにこれらの混合液を入れ、直径20mmのプローブをセットした超音波分散装置(UH−600S、株式会社エスエムテー)により、25℃にて15分間超音波を照射し(出力5.5)、乳化処理を行った。上記方法に従って測定したところ、この一次乳化工程で得られたW1/Oエマルションは平均粒径約220nmの単分散W/Oエマルションであることが確認され、CV値は33%であった。
続いて、上記一次乳化工程により得られたW1/Oエマルションの入った50mLのコック付きビーカーのコックを開き、医療用エクステンションチューブX2-25で接続された
実験用クロスフロー型マイクロチャネル乳化装置モジュールへ、得られた分散相を移送できるようセットした。モジュール出口に接続されたラインを移動相(外水相)で満たし、ラインの入り口から移動相が供給され、ラインの出口を桐山ロート用吸引鐘様の容器にチューブで接続し、チューブの先を吸引鐘様の容器の中まで導入してらせん形の傾斜スライダー状流路に接続した。吸引鐘様の容器の上部に取り付けられたコックに接続された減圧装置(ダイアフラムポンプ:DIVAC 0.6L、東京理化機械)で容器内を減圧にし、分散相がマイクロチャネルを通過し、移動相が吸引鐘様の容器へと吸引されるよう、バルブを調整した。移動相のライン中に生成したW1/O/W2エマルションが、吸引鐘様の容器中に導入され、スライダー状流路を通過して、回収ビンに落下するのに要する時間が15分になる様にスライダー状流路の長さと傾斜を設定し、回収ビンにリポソーム懸濁液を回収した。このときの減圧度は750 mmHgに設定し、3時間減圧した後に減圧を解除して、回収ビ
ンを取り出した。この結果、微細なリポソーム粒子の懸濁液が得られ、この粒子内にはカルセインが含まれていることが確認された。
外水相溶液(W2)であるトリス−塩酸緩衝液(pH8、50mmol/L)を、3%のアルカリ処理ゼラチン(等電点約5)を含むトリス−塩酸緩衝液(pH8、50mmol/L)に変更した以外は、実施例1と同様にしてリポソーム懸濁液を回収した。
(一次乳化工程によるW1/Oエマルションの製造)
実施例1と同様に、W1/Oエマルションを製造した。
続いて、上記一次乳化工程により得られたW1/Oエマルションを分散相とし、実験用クロスフロー型マイクロチャネル乳化装置モジュールを使用して、マイクロチャネル乳化法によるW1/O/W2エマルションの製造を行った。
次に、上記W1/O/W2エマルションを蓋のない開放ガラス製容器に移し替え、常圧(760mmHg)で室温下で約20時間、撹拌子により撹拌し、ヘキサンを揮発させた。微細
なリポソーム粒子の懸濁液は得られず、凝集状態が光学顕微鏡で観察された。
外水相溶液(W2)であるトリス−塩酸緩衝液(pH8、50mmol/L)を、3%のアルカリ処理ゼラチン(等電点約5)を含むトリス−塩酸緩衝液(pH8、50mmol/L)に変更した以外は、比較例1と同様にしてリポソーム懸濁液を回収した。微細な
リポソーム粒子の懸濁液が得られ、この粒子内にはカルセインが含まれていることが確認された。
上記実施例および比較例で得られたリポソームの内包率を、下記の方法に従って測定した(結果は表1)。
、日本分光株式会社)により測定した。次に0.01M,CoCl2トリス塩酸緩衝液3
0μLを加えて外水相に漏出したカルセインの蛍光をCo2+により消光することで、ベシクル内の蛍光強度(Fin)を測定した。さらに、カルセインを加えないでサンプルと同じ条件でベシクルを作製し、脂質自身が発する蛍光(Fl)を測定した。内包率は下記式よ
り算出した;
内包率E(%) = (Fin−Fl)/(Ftotal−Fl)×100
(ミクロンサイズの凝集状粒子の数の観察方法)
上記実施例および比較例で得られたリポソーム分散液に残るミクロンサイズの粒子の数を、光学顕微鏡で観察することにより評価した(結果は表1)。
比較例1では分散安定剤を使用せずにリポソーム製造をこころみたが、(W1/O/W2エマルションの製造)および(有機溶媒相の除去によるリポソームの製造)の工程の乳化状態が悪く、光学顕微鏡による観察で大きな凝集塊および10μm程度の凝集塊(多包リポソーム)が多数見られた。一方、比較例2では分散安定剤にアルカリ処理ゼラチンを使用することで乳化状態が改善し、光学顕微鏡による観察で大きな凝集塊は見つからず、目視では確認できないナノ粒子が得られていたが、実施例2と比較すると、CV値がやや高く、内包率がやや低かった。
10 一次乳化部
20 二次乳化部
20a 分散相
20b 乳化膜
20c 連続相
25 外水相貯蔵容器
30 溶媒除去部
30a チャンバー
30b 溶媒回収装置
30c 減圧装置(ポンプ)
30d 溶媒除去流路
30e リポソーム分散液受容器
40 供給制御手段
Claims (18)
- 内水相(W1)および油相(O)をリポソーム用混合脂質成分(F1)を用いて乳化しW1/Oエマルションを調製する一次乳化工程と、
前記一次乳化工程で調製されたW1/Oエマルションおよび外水相(W2)をリポソーム用混合脂質成分(F2)を用いて乳化しW1/O/W2エマルションを調製する二次乳化工程と、
前記二次乳化工程で調製されたW1/O/W2エマルションから油相(O)の有機溶媒を除去してリポソームを形成させる溶媒除去工程とを含むリポソームの製造方法であって、
前記溶媒除去工程は、前記二次乳化工程で調製されたW1/O/W2エマルションの連続的な供給を受けて、リポソームを連続的に製造するものであることを特徴とする、リポソームの連続的な製造方法。 - 前記溶媒除去工程におけるリポソームの連続的な製造が、W1/O/W2エマルションを溶媒除去流路に導入し、そこを流下させながら有機溶媒を蒸発させ、溶媒除去流路末端に到達するまでにリポソームを形成させることによりなされるものである、請求項1に記載のリポソームの製造方法。
- 前記二次乳化工程で調製されたW1/O/W2エマルションの溶媒除去工程への連続的な供給が、溶媒除去工程を減圧下で行うことによりなされるものである、請求項1または2に記載のリポソームの製造方法。
- 前記二次乳化工程で調製されたW1/O/W2エマルションの溶媒除去工程への連続的な供給が、溶媒除去工程における減圧度およびW1/O/W2エマルションの送液圧力を検知した結果に基づいて、一定の速度でなされるように制御されるものである、請求項1〜3のいずれかに記載のリポソームの製造方法。
- 前記二次乳化工程における乳化法が膜乳化法である、請求項1〜4のいずれかに記載のリポソームの製造方法。
- 前記膜乳化法がマイクロチャネル乳化法またはSPG膜を用いた乳化法である、請求項5に記載のリポソームの製造方法。
- 前記一次乳化工程における乳化法が撹拌乳化法である、請求項1〜6のいずれかに記載のリポソームの製造方法。
- 前記溶媒除去工程が750〜180mmHgの減圧下で行われる、請求項1〜7のいずれかに記載のリポソームの製造方法。
- 前記一次乳化工程がさらにリポソームに内包させるべき物質を添加した上で行われる、請求項1〜8のいずれかに記載のリポソームの製造方法。
- 前記二次乳化工程における外水相(W2)が分散安定剤を含有する、請求項1〜9のいずれかに記載のリポソームの製造方法。
- 前記分散安定剤が、自己による分子集合体を形成しない分散安定剤または自己による分子集合体を形成するがその分子集合体の体積平均粒径が10nm以下である分散安定剤である、請求項10に記載のリポソームの製造方法。
- 内水相(W1)および油相(O)をリポソーム用混合脂質成分(F1)を用いて乳化しW1/Oエマルションを調製する一次乳化部と、
前記一次乳化部で調製されたW1/Oエマルションおよび外水相(W2)をリポソーム用混合脂質成分(F2)を用いて乳化しW1/O/W2エマルションを調製する二次乳化部と、
前記二次乳化部で調製されたW1/O/W2エマルションから油相(O)の有機溶媒を除去してリポソームを形成させる溶媒除去部を含むリポソームの製造装置であって、
前記溶媒除去部は、前記二次乳化部で調製されたW1/O/W2エマルションの連続的な供給を受けて、リポソームを連続的に製造するものであることを特徴とする、リポソームの製造装置。 - 前記溶媒除去部におけるリポソームの連続的な製造のために、W1/O/W2エマルションを導入して流下させながら有機溶媒を蒸発させる溶媒除去流路を備える、請求項12に記載のリポソームの製造装置。
- 前記溶媒除去部は減圧装置を備え、前記減圧装置を用いて前記二次乳化部で調製されたW1/O/W2エマルションの前記溶媒除去部への連続的な供給を行う、請求項12または13に記載のリポソームの製造装置。
- 前記二次乳化部で調製されたW1/O/W2エマルションの前記溶媒除去部への連続的な供給のために、前記溶媒除去部における減圧度およびW1/O/W2エマルションの送液圧力を検知する部材およびその検知結果に基づいて供給速度を一定に制御する部材を含む供給制御手段を備える、請求項12〜14のいずれかに記載のリポソームの製造装置。
- 前記二次乳化部における乳化法が膜乳化法である、請求項12〜15のいずれかに記載のリポソームの製造方法。
- 前記膜乳化法がマイクロチャネル乳化法またはSPG膜を用いた乳化法である、請求項16に記載のリポソームの製造装置。
- 前記一次乳化部における乳化法が撹拌乳化法である、請求項12〜17のいずれかに記載のリポソームの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009265652A JP2011104572A (ja) | 2009-11-20 | 2009-11-20 | リポソームの製造方法およびフロー製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009265652A JP2011104572A (ja) | 2009-11-20 | 2009-11-20 | リポソームの製造方法およびフロー製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011104572A true JP2011104572A (ja) | 2011-06-02 |
Family
ID=44228694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009265652A Pending JP2011104572A (ja) | 2009-11-20 | 2009-11-20 | リポソームの製造方法およびフロー製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011104572A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013022482A (ja) * | 2011-07-15 | 2013-02-04 | Konica Minolta Holdings Inc | リポソームを製造する方法 |
JP2013255912A (ja) * | 2012-05-15 | 2013-12-26 | Chiba Univ | リポソームおよびその作製方法 |
JP2019513757A (ja) * | 2016-04-25 | 2019-05-30 | シャンハイ トフロン サイエンス アンド テクノロジー カンパニー リミテッド | サイズをカスタマイズ可能なマイクロスフェアの効率的な製造装置 |
WO2020203032A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 日東電工株式会社 | エマルションの製造方法および製造装置 |
CN114669085A (zh) * | 2022-01-28 | 2022-06-28 | 南京宁源科生物技术有限公司 | 一种药用颗粒的有机溶剂去除装置 |
CN114669085B (zh) * | 2022-01-28 | 2024-05-31 | 南京宁源科生物技术有限公司 | 一种药用颗粒的有机溶剂去除装置 |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5128187A (ja) * | 1974-08-31 | 1976-03-09 | Asahi Chemical Ind | Renzokukendakujugoho |
JPH04293537A (ja) * | 1991-03-20 | 1992-10-19 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | リポソーム調製装置とその装置を使用するリポソーム調製方法 |
WO2001083594A1 (fr) * | 2000-04-28 | 2001-11-08 | Tanabe Seiyaku Co., Ltd. | Procede de preparation d'une microsphere |
JP2004035446A (ja) * | 2002-07-02 | 2004-02-05 | Tendou Seiyaku Kk | 微小球体の製造方法およびその製造装置 |
JP2006016573A (ja) * | 2004-07-05 | 2006-01-19 | Honda Motor Co Ltd | マイクロカプセル及び熱輸送流体 |
JP2007038117A (ja) * | 2005-08-02 | 2007-02-15 | Fujifilm Holdings Corp | 粒子製造方法 |
JP2007222807A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Nisso Engineering Co Ltd | 修復型マイクロカプセルの製造方法 |
WO2008140081A1 (ja) * | 2007-05-14 | 2008-11-20 | Konica Minolta Holdings, Inc. | リポソームおよびリポソームの製造方法 |
WO2009142018A1 (ja) * | 2008-05-23 | 2009-11-26 | 国立大学法人筑波大学 | ベシクルの製造方法、この製造方法によって得られるベシクルおよびベシクルを製造するためのw/o/wエマルション |
JP2010248171A (ja) * | 2009-03-23 | 2010-11-04 | Konica Minolta Holdings Inc | 二段階乳化によるリポソーム製造方法 |
-
2009
- 2009-11-20 JP JP2009265652A patent/JP2011104572A/ja active Pending
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5128187A (ja) * | 1974-08-31 | 1976-03-09 | Asahi Chemical Ind | Renzokukendakujugoho |
JPH04293537A (ja) * | 1991-03-20 | 1992-10-19 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | リポソーム調製装置とその装置を使用するリポソーム調製方法 |
WO2001083594A1 (fr) * | 2000-04-28 | 2001-11-08 | Tanabe Seiyaku Co., Ltd. | Procede de preparation d'une microsphere |
JP2004035446A (ja) * | 2002-07-02 | 2004-02-05 | Tendou Seiyaku Kk | 微小球体の製造方法およびその製造装置 |
JP2006016573A (ja) * | 2004-07-05 | 2006-01-19 | Honda Motor Co Ltd | マイクロカプセル及び熱輸送流体 |
JP2007038117A (ja) * | 2005-08-02 | 2007-02-15 | Fujifilm Holdings Corp | 粒子製造方法 |
JP2007222807A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Nisso Engineering Co Ltd | 修復型マイクロカプセルの製造方法 |
WO2008140081A1 (ja) * | 2007-05-14 | 2008-11-20 | Konica Minolta Holdings, Inc. | リポソームおよびリポソームの製造方法 |
WO2009142018A1 (ja) * | 2008-05-23 | 2009-11-26 | 国立大学法人筑波大学 | ベシクルの製造方法、この製造方法によって得られるベシクルおよびベシクルを製造するためのw/o/wエマルション |
JP2010248171A (ja) * | 2009-03-23 | 2010-11-04 | Konica Minolta Holdings Inc | 二段階乳化によるリポソーム製造方法 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6013013654; 市川創作ほか: '多相エマルションを基材とした高内包率脂質ベシクルの調整' 膜シンポジウム2009要旨集 , 20091110, 37-40頁, 日本膜学会 * |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013022482A (ja) * | 2011-07-15 | 2013-02-04 | Konica Minolta Holdings Inc | リポソームを製造する方法 |
JP2013255912A (ja) * | 2012-05-15 | 2013-12-26 | Chiba Univ | リポソームおよびその作製方法 |
JP2019513757A (ja) * | 2016-04-25 | 2019-05-30 | シャンハイ トフロン サイエンス アンド テクノロジー カンパニー リミテッド | サイズをカスタマイズ可能なマイクロスフェアの効率的な製造装置 |
WO2020203032A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 日東電工株式会社 | エマルションの製造方法および製造装置 |
JP2020163288A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 日東電工株式会社 | エマルションの製造方法および製造装置 |
JP7325993B2 (ja) | 2019-03-29 | 2023-08-15 | 日東電工株式会社 | エマルションの製造方法および製造装置 |
CN114669085A (zh) * | 2022-01-28 | 2022-06-28 | 南京宁源科生物技术有限公司 | 一种药用颗粒的有机溶剂去除装置 |
CN114669085B (zh) * | 2022-01-28 | 2024-05-31 | 南京宁源科生物技术有限公司 | 一种药用颗粒的有机溶剂去除装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5754319B2 (ja) | 特定の分散剤を含有する外水相を利用する二段階乳化法によるリポソームの製造方法、ならびに当該リポソームの製造方法を用いるリポソーム分散液またはその乾燥粉末の製造方法 | |
CN104001437B (zh) | 一种粒径均一的Pickering乳液、制备方法及其应用 | |
Tsai et al. | Liposomal microencapsulation using the conventional methods and novel supercritical fluid processes | |
JP5741442B2 (ja) | リポソームの製造方法 | |
JP5983608B2 (ja) | 溶解助剤を利用したリポソーム含有製剤およびその製造方法 | |
JP5494054B2 (ja) | 二段階乳化によるリポソーム製造方法 | |
JP5853453B2 (ja) | リポソームを製造する方法 | |
JP2011104572A (ja) | リポソームの製造方法およびフロー製造装置 | |
US10485760B2 (en) | Method for producing liposome | |
WO2011062255A1 (ja) | 混合有機溶媒を油相として用いる二段階乳化によるリポソームの製造方法 | |
JP5838970B2 (ja) | 水溶性脂質を内水相に添加する二段階乳化法による単胞リポソームの製造方法およびその製造方法により得られる単胞リポソーム | |
JP5649074B2 (ja) | ナノサイズの一次乳化物を利用する二段階乳化によるリポソーム製造方法 | |
JP2012102043A (ja) | 単胞リポソームの製造方法、単胞リポソームの分散液とその乾燥粉末及びそれらの製造方法 | |
JP2019042679A (ja) | pH感受性リポソーム | |
Ossai et al. | Preparation of lipid vesicles having suitable size for drug delivery with high entrapment of hydrophilic molecules using multiple emulsions | |
Blynskaya et al. | Perspectives of the development of pharmaceutical nanotechnology | |
JP5904555B2 (ja) | リポソームの製造方法 | |
ES2719654T3 (es) | Proceso continuo para la elaboración de nanopartículas y nanopartículas obtenidas mediante dicho proceso | |
US12005143B2 (en) | Method for producing liposome and apparatus for producing liposome | |
JP2003095926A (ja) | 脂肪酸含有リポソーム分散液 | |
JP2019167300A (ja) | 生体適合性粒子の製造方法 | |
JP2005028254A (ja) | エマルション製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120918 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130305 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130326 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20130924 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |