JP2011104475A - 液滴吐出方法及び液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出方法及び液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】計測時間を短くし、生産効率の向上を図ることが可能な液滴吐出装置及び液滴吐出方法を提供する。
【解決手段】第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量と第1〜第Nの吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて各ノズルの吐出量の差を第1〜第Nの係数として求める工程と、第1〜第Nの係数を記憶する工程と、第1の全吐出パターンに対する新たな第2の全吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する工程と、第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を記憶する工程と、第1〜第Nの係数と第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて第1〜第Nの吐出パターンに対応する各ノズルの推定吐出量を演算する工程と、第1〜第Nの吐出パターンに対応するノズルごとの推定吐出量を記憶する工程と、各ノズルの推定吐出量に基づいて液滴吐出ヘッドの吐出動作を制御する工程と、を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、液滴吐出方法及び液滴吐出装置に関するものである。
近年、液滴吐出法を用いた成膜技術が注目されている。この液滴吐出法によれば、膜の形成材料を含んだ微小な液状体を所望の位置に配置することが可能である。これにより、微細な膜パターンを形成することができ、フォトリソグラフィ法を用いる場合よりもパターニングが容易化される。また、膜の形成材料の無駄を少なくし歩留まりを良くすることができ、製造コストを低くすることができる。
例えば、液滴吐出法に用いられる液滴吐出ヘッドは、X方向に並んだ複数の吐出ユニットを備えている。各吐出ユニットは、液状体の貯留部、ノズル、液状体を加圧しノズルから押し出すピエゾ素子を備えている。このような液滴吐出ヘッドで成膜面上をY方向に捜査しつつ、吐出ユニットから液状体を吐出させて液状体を配置している。
液滴吐出ヘッドにあっては、複数の吐出ユニットにおける液状体の吐出量を均一にすることが重要である。吐出量にばらつきが生じていると、走査方向に膜厚のばらつきを生じてしまうからである。例えば、液滴吐出法により画像表示装置等のカラーフィルターを製造する場合、カラーフィルターに膜厚のばらつきを生じると、これが走査方向に沿うスジムラとして視認され、表示品質が損なわれてしまう。
吐出量のばらつきを小さくする方法としては、各吐出ユニットの吐出量を制御する方法が提案されている。例えば、特許文献1では、液滴の吐出量が設定値と大きく異なる吐出ユニットの吐出動作を規制して、吐出量のばらつきを小さくしている。このような技術を適用する上で、各吐出ユニットの吐出量を正確に知ることは極めて重要である。吐出量が設定値に対してどの程度異なっているかを知ることで、吐出量の制御を良好に行うことができるからでる。
吐出量を評価する方法の一つとして、吐出された液状体の形状から体積を算出する方法が知られている。この方法では、先ず、検査用基板上に液滴吐出ヘッドにより液状体を配置する。次に、配置された液状体に含まれる溶媒や分散分散媒等の液状成分を蒸発させて、液状体に含まれる固体成分を固形体にする。そして、検査用基板に平行な計測面における固形体の輪郭を光干渉法により計測する。この計測は、検査用基板と計測面との間の距離を変化させて複数の計測面において行う。
各計測面において固形体の輪郭に囲まれる面積を算出することにより、この計測面での固形体の断面積が求まる。これにより、固形体の底面からの距離(高さ)に対する固形体の断面積が求まり、断面積を高さで積分することにより固形体の体積が求まる。吐出した液状体の組成は既知であるので、固形体の体積から液状体の体積を逆算することができる。これにより、各吐出ユニットの吐出量を評価することができる。
特開2003−159787号公報
しかしながら、この方法により各吐出ユニットの吐出量を効率よく評価することは、以下の理由により困難である。
この評価方法では、各吐出ユニットから吐出された液状体の体積を計測するには、実際に描画するときと同じ吐出パターンで検査パターンを描画し、各吐出ユニットの吐出量を計測している。このため、各吐出ユニットの吐出量が変動する場合、具体的には液滴吐出ヘッドの交換作業等のメンテナンス(ヘッドメンテナンス)を行った場合には、その度に検査パターンの描画が必要となり、計測に時間がかかってしまう。また、実際の描画時に用いる吐出パターンが複数存在する場合には、吐出パターンごとに吐出量が変動するため、複数回の計測が必要となりさらに計測に時間がかかってしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、計測時間を短くし、生産効率の向上を図ることが可能な液滴吐出方法及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の液滴吐出方法は、液状体を吐出させる複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出方法であって、前記複数のノズルの全ノズルから前記液状体を吐出して第1の全吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する工程と、前記第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を記憶する工程と、前記複数のノズルのうちの所定のノズルから前記液状体を吐出して第1〜第Nの吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する工程と、前記第1〜第Nの吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を記憶する工程と、前記第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量と前記第1〜第Nの吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて各ノズルの吐出量の差を第1〜第Nの係数として求める工程と、前記第1〜第Nの係数を記憶する工程と、前記第1の全吐出パターンに対する新たな第2の全吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する工程と、前記第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を記憶する工程と、前記第1〜第Nの係数と前記第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて前記第1〜第Nの吐出パターンに対応する各ノズルの推定吐出量を演算する工程と、前記第1〜第Nの吐出パターンに対応するノズルごとの推定吐出量を記憶する工程と、各ノズルの推定吐出量に基づいて前記液滴吐出ヘッドの吐出動作を制御する工程と、を有することを特徴とする。
この液滴吐出方法によれば、予め実際の描画前に、第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量と第1〜第Nの吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて、第1の全吐出パターンのうち第1〜第Nの吐出パターンに対応する各ノズルの吐出量の差が第1の係数として求められる。ところで、実際の描画時に液滴吐出ヘッドの交換等のメンテナンスを行った場合など吐出量が変化する際はその度に検査パターンの描画が必要となる。しかしながら、本発明では、前記第1〜第Nの係数とメンテナンス後の第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて、第1〜第Nの吐出パターンに対応する各ノズルの推定吐出量を求めることができる。つまり、予め描画前に全吐出パターンと第1〜第Nの吐出パターンとにおける各ノズルからの吐出を1回のみ行うだけで、実際の描画時に用いる吐出パターンを計測する必要がない。したがって、計測時間を短くし、生産効率を向上させることができる。また、実際の描画に用いる吐出パターンが複数ある場合であっても、複数回の計測を必要とせず、計測時間を短くし、生産効率を向上させることができる。
また、上記液滴吐出方法は、前記液滴吐出ヘッドには前記複数のノズルに対応して設けられた複数の圧電駆動素子が備えられ、前記液滴吐出ヘッドの吐出動作を制御する工程において、前記複数の圧電駆動素子に入力するパルス幅を調整してもよい。
この液滴吐出方法によれば、複数の圧電駆動素子に印加する駆動電圧を調整する場合に比較して吐出量の微調整を行うことができる。したがって、所定の吐出パターンに対応する各ノズルからの吐出量を均一にすることができる。
本発明の液滴吐出装置は、液状体を吐出させる複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドと、前記複数のノズルの全ノズルから前記液状体を吐出して第1の全吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する第1の測定部と、前記第1の測定部の測定結果を記憶する第1の記憶部と、前記複数のノズルのうちの所定のノズルから前記液状体を吐出して第1〜第Nの吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する第2の測定部と、前記第2の測定部の測定結果を記憶する第2の記憶部と、前記第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量と前記第1〜第Nの吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて各ノズルの吐出量の差を第1〜第Nの係数として求める第1の演算部と、前記第1の演算部の演算結果を記憶する第3の記憶部と、前記第1の全吐出パターンに対する新たな第2の全吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する第3の測定部と、前記第3の測定部の測定結果を記憶する第4の記憶部と、前記第1〜第Nの係数と前記第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて前記第1〜第Nの吐出パターンに対応する各ノズルの推定吐出量を演算する第2の演算部と、前記第2の演算部の演算結果を記憶する第5の記憶部と、各ノズルの推定吐出量に基づいて前記液滴吐出ヘッドの吐出動作を制御する駆動部と、前記第1〜第3の測定部、前記第1〜第5の記憶部、前記第1〜第2の演算部、前記駆動部を制御する制御装置と、を有することを特徴とする。
本発明の液滴吐出装置によれば、予め実際の描画前に、制御装置の制御により、第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量と第1〜第Nの吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて、第1の全吐出パターンのうち第1〜第Nの吐出パターンに対応する各ノズルの吐出量の差を第1の係数として求める演算が第1の演算部によって行われる。ところで、実際の描画時に液滴吐出ヘッドの交換等のメンテナンスを行った場合など吐出量が変化する際はその度に検査パターンの描画が必要となる。しかしながら、本発明では、前記第1〜第Nの係数とメンテナンス後の第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて、第1〜第Nの吐出パターンに対応する各ノズルの推定吐出量を求める演算が第2の演算部によって行われる。つまり、予め描画前に全吐出パターンと第1〜第Nの吐出パターンとにおける各ノズルからの吐出を1回のみ行うだけで、実際の描画時に用いる吐出パターンを計測する必要がない。このため、メンテナンスの度に吐出パターンを計測する場合に比べて、計測時間を短くすることができる。したがって、生産効率に優れた液滴吐出装置が提供できる。また、実際の描画に用いる吐出パターンが複数ある場合であっても、複数回の計測を必要とせず、計測時間を短くすることが可能な、生産効率に優れた液滴吐出装置が提供できる。
また、上記液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドには前記複数のノズルに対応して設けられた複数の圧電駆動素子が備えられ、前記制御装置は、前記複数の圧電駆動素子に入力するパルス幅を調整する制御を行ってもよい。
この構成によれば、複数の圧電駆動素子に印加する駆動電圧を調整する場合に比較して吐出量の微調整を行うことができる。したがって、所定の吐出パターンに対応する各ノズルからの吐出量を均一にすることができる。
本発明に係る液滴吐出装置の概略構成を示す平面図である。 液滴吐出ヘッドの概略構成を示す図である。 吐出量の評価装置の構成図である。 液滴吐出装置の制御系を示すブロック図である。 本発明に係る液滴吐出方法の工程を示すフローチャートである。 吐出量のばらつき補正前の液滴吐出ヘッドの吐出特性を示す図である。 吐出量のばらつき補正前後の液滴吐出ヘッドの吐出特性を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
図1は、本発明に係る液滴吐出装置の一例を示す概略平面図である。この液滴吐出装置は、液滴吐出法により液状体をワーク(被処理基板)に配置するものである。配置される液状体は、膜材料等の固体成分を含有しており、乾燥させると固体成分が残留するものである。液状体は、固体成分を分散媒(溶媒)に分散(溶解)させた分散液(溶液)等である。液状体の具体例としては、顔料や染料等を含んだカラーフィルター材料や、UVインク、金属配線等の導電膜パターンの形成材料である金属粒子を含んだコロイド溶液等が挙げられる。また、液滴吐出装置1は、本発明に係る液滴吐出方法を行うものである。
図1に示すように、液滴吐出装置1は、図示略の支持台上に設けられたワークステージ11と、ワークステージ11よりも高い位置に設けられたキャリッジ13と、図示略の解析装置と、記憶装置と、制御装置とを備えている。
なお、キャリッジ13の下(キャリッジ13と平面視重なる位置)には液滴吐出ヘッド12(図2参照)が設けられている。また、ワークステージ11の上面には、ワークWを載置することが可能になっている。ワークステージ11及び液滴吐出ヘッド12は、図示略の制御装置に電気的に接続されており位置制御されるようになっている。また、前記の制御装置は、液滴吐出ヘッド12の吐出動作を制御するようになっている。このような構成により、ワークWを走査しつつ液滴吐出ヘッド12からワークWの所定の領域に液状体を配置することが可能になっている。
以下、図1に示したXYZ直交座標系に基づいて説明する。このXYZ直交座標系において、X方向及びY方向がワークステージ11の面方向と平行となっており、Z方向がワークステージ11の面方向と直交している。実際には、XY平面が水平面に平行な面に設定されており、Z方向が鉛直上方向に設定されている。成膜時には、例えば主走査方向に沿って液状体を配置した後に副走査方向の位置を調整し、再度、主走査方向に沿って液状体を配置する。ここでは、ワークステージ11の移動方向であるY方向が主走査方向、液滴吐出ヘッド12の移動方向であるX方向が副走査方向に設定されている。
ワークステージ11は、真空吸着装置(図示略)等を備えており、載置されたワークWを着脱可能に固定することができる。ワークステージ11には、ステージ移動装置111が設けられている。ステージ移動装置111は、ボールネジまたはリニアガイド等の軸受け機構を備え、前記の制御装置から入力される制御信号に基づいて、ワークステージ11をY方向に移動させる。これにより、載置されたワークWをY方向の所定の位置に移動させることができる。
液滴吐出装置1は、3種類(赤・緑・青)のカラーフィルター材料の各々に対応して、3つの液滴吐出ヘッド12を備えている。3つの液滴吐出ヘッド12は、いずれもキャリッジ13に取付けられており、キャリッジ13には、キャリッジ移動装置131が設けられている。キャリッジ移動装置131は、前記の制御装置から入力される制御信号に基づいて、キャリッジ13をX方向に移動させることや、Z軸周りに(具体的には、キャリッジ回転軸13aを中心として矢印Θ方向に)回転させることが可能になっている。これにより、液滴吐出ヘッド12の所定の位置に移動させることができる。
3つの液滴吐出ヘッド12の各々は、多数の吐出ユニットU(図2参照)を備えている。吐出ユニットUの各々は、前記の制御装置からの描画データや制御信号に基づいて、液状体を吐出する。3種類のカラーフィルター材料である3種類の液状体は、それぞれ図示略のタンクに貯留されている。貯留された液状体は、その種類ごとに図示略のチューブを通って、対応する液滴吐出ヘッド12に供給される。
図2は、液滴吐出ヘッド12の概略構成を示す図である。図2(a)は液滴吐出ヘッド12においてワークWとの対向面を示す平面図、図2(b)は図2(a)のA−A線矢視断面図である。
図2(a)に示すように液滴吐出ヘッド12は、主走査方向(Y方向)と略直交して配列された複数の吐出ユニットUを備えている。ここでは、Y方向において互いに離れて2群の吐出ユニット群が配置されている。2群の吐出ユニット群の各々は、X方向に沿って配列された複数(例えば180個)の吐出ユニットUから構成されている。一方の吐出ユニット群を構成する吐出ユニットUは、他方の吐出ユニット群を構成する吐出ユニットUの間に配置されている。複数の吐出ユニットUで共通のノズルプレート121が設けられている。ノズルプレート121には、吐出ユニットUごとにノズル125が設けられている。ノズル125は、吐出ユニットUの配列方向(X方向)に沿って配列されている。
ノズル125は、液状体の貯留室122と連通している。貯留室122は、液状体の供給路123を経て複数の吐出ユニットUで共通のリザーバ124と連通している。供給路123の詳細な形状を図示しないが、貯留室122からリザーバ124に液状体が逆流しないようになっている。リザーバ124は、図示略のチューブと接続されている。吐出ユニットUから吐出される液状体は、図示略のタンクからチューブ、リザーバ124、供給路123を経て貯留室122内に充填される。
図2(b)に示すように、吐出ユニットUは、ノズルプレート121、振動板128、及び流路形成基板127を有している。ノズルプレート121、振動板128及び流路形成基板127に囲まれた領域に、液状体の貯留室122や供給路123が構成されている。すなわち、振動板128は、貯留室122の壁面の一部になっている。
振動板128には、吐出ユニットUごとに圧電駆動素子129が設けられている。圧電駆動素子129は、図示略の一対の電極、及びこれら電極間に挟持された圧電体からなっている。前記した制御装置は、複数の吐出ユニットUの各々における圧電駆動素子129に、所定のタイミングで駆動電圧波形を供給する。なお、圧電駆動素子129は、例えばピエゾ駆動素子である。
圧電駆動素子129に駆動電圧波形が供給されると、圧電体の伸縮により、貯留室122の壁面の一部の振動板128が面方向に変位し、貯留室122の容積が変化する。貯留室122の容積が最小になると、容積減少分の液状体がノズル125からワークW側に押し出されて吐出される。液状体の吐出量は、貯留室122の容積変化量に基づいており、圧電体の変位量、すなわち一対の電極の間に印加される電圧値若しくは入力されるパルス幅により調整可能である。
吐出量を調整する方法としては、吐出ユニットUごとについて個別に調整する方法や、複数の吐出ユニットUを複数のグループに分割して、グループごとに調整する方法が挙げられる。グループごとに調整すれば、駆動信号を生成する回路等の駆動回路を吐出ユニットUごとに設ける必要がなくなり、装置コストを低減することや装置を小型にすることが可能になる。
また、ワークWの所定の領域に対して複数回数の吐出動作を行う場合には、吐出回数を調整する方法により、所定の領域に配置される液状体の総量を調整することもできる。所定領域に対して吐出動作を行う吐出ユニットUとして、吐出量が相対的に多いものと相対的に少ないものとを組み合わせて用いることにより、所定の領域に配置される液状体の総量を調整することもできる。
図3は、前記のような構成の液滴吐出装置1に基づいて液滴吐出ヘッドの吐出量を評価する方法を示す図である。図3(a)は、吐出量の評価に用いる、評価装置17及び試験片2の構成を示す模式図であり、図3(b)は試験片2の拡大図である。
図3(a)に示すように、本実施形態では試験片2及び評価装置17を用いて吐出量を評価する。評価装置17は、液滴吐出装置1のキャリッジ13に取り付けられている。試験片2は、ワークWに固定されており、ワークWはワークステージ11に着脱可能に固定されている。
評価装置17は、撮像部(CCDカメラ)171、光学系172、照明部173、制御部174、及び記憶部175を備えている。照明部173から射出された照明光の一部は、試験片2に配置された撮像対象物の表面で反射して、光学系172を経てCCDカメラ171に入射するようになっている。
CCDカメラ171は、受光した光を電荷に変換する受光素子や、この電荷を読出す電荷結合素子等を有している。光学系172は、単数又は複数のレンズ群により構成されている。CCDカメラ171により撮像される画像は、光学系172により撮像対象物に対して例えば6〜10倍程度に拡大される。照明部173は、撮像対象物とCCDカメラ171との間の光軸を環状に囲んだリング照明により構成されている。
図3(b)に示すように、試験片2は、受理層21とベース層22とからなっている。受理層21は、ベース層22に当接して設けられており、ベース層22はワークWに固定される部分である。
受理層21は、液滴吐出ヘッド12から吐出される液状体に含まれる液体成分の少なくとも一部の成分を吸収する材質のものである。液状体に含まれる液体成分は、固体成分を溶解する溶媒や分散させる分散媒等である。例えば、液状体として、固体成分を分散媒に分散させた分散液を用いる場合には、受理層21は分散媒を吸収する材質のものが選択される。また、液状体として、固体成分を分散媒に分散させた分散液と、この固体成分と同一あるいは別の固体成分を溶媒に溶解させた溶液との混合液を用いる場合には、受理層21は分散液と溶媒との少なくとも一方を吸収する材質のものから選択される。受理層21は、略均一な厚みになっており、受理層21の厚みは、吐出量に応じて適宜設定される。例えば、吐出量が微量であるほど、受理層21の厚みを薄くすることにより評価精度を高くすることができる。具体的には、吐出量が数ピコリットル程度の場合、受理層21の厚みを10μm程度にすることができる。
ベース層22は、吐出される液状体のうちの受理層21に吸収される吸収成分を吸収しない材質のものである。例えば、ベース層22の形成材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)を用いることができる。ベース層22の厚みは、受理層21に対する吸収成分をベース層22が通さない厚みに設定されていることが好ましく、またワークWに安定して固定可能な厚みに設定されていることが好ましい。このような観点から、本実施形態のベース層22の厚みが、数百μm〜数mm(ここでは120μm)程度に設定されている。このような構成により、液滴吐出ヘッド12の吐出ユニットUから試験片2に向けて液状体を吐出し、試験片2に配置された液状体の面積や受理層21の厚みを基に、液滴吐出ヘッド12の吐出量を求めることができる。
図4は、液滴吐出装置の制御系を示すブロック図である。液滴吐出装置1の制御系は、評価装置17が備えるCCDカメラ等の各種検査用カメラを有する画像処理部(測定部)と、画像処理部で得られた各種吐出量データを記憶する記憶部と、記憶部に保存された各種データに基づいて演算処理を行う演算部と、液滴吐出ヘッド12、ステージ移動装置111、キャリッジ移動装置131等を駆動する各種ドライバを有する駆動部と、これら各部を含め液滴吐出装置1を統括制御する制御装置とを有している。
駆動部は、液滴吐出ヘッド12の吐出動作を制御するヘッドドライバと、ステージ移動装置111、キャリッジ移動装置131等の各駆動モーターをそれぞれ駆動制御するモータードライバとを有している。ヘッドドライバは、制御装置の指示に従って所定の駆動波形を生成・印加して、液滴吐出ヘッド12を吐出駆動制御する。また、モータードライバは、例えばX軸モータードライバ、Y軸モータードライバ、ヘッドΘ軸モータードライバ等を有し、これらは制御装置の指示に従って、ステージ移動装置111、キャリッジ移動装置131等の各駆動モーターを駆動制御する。
ここで、液滴吐出装置1によるワークWへの一連の実描画処理について簡単に説明する。先ず、ワーク搬出入エリアに移動させたワークステージ11にワークWをセットする。この際、液状体を吐出する前の準備として、画像処理部が備えるワーク認識カメラによるワークのアライメントマークの画像認識結果に基づいて、ワークアライメント動作を行う。
そして、ワークWに対し、液滴吐出ヘッド12を相対的に移動させながら液状体を吐出させる。具体的には、ステージ移動装置111によりワークWをY方向に移動させながら、ワークWに対して液滴吐出ヘッド12から液状体を吐出・着弾させる主走査と、キャリッジ移動装置131により液滴吐出ヘッド12をX方向に移動させる副走査を繰り返し行って、ワークWの全域に液状体の描画を行う。
(液滴吐出方法)
図5は、本発明に係る液滴吐出方法の工程を示すフローチャートである。この液滴吐出方法は、実描画処理の前において液滴吐出ヘッド12の各ノズル125からの液状体の吐出量を検査し、液滴吐出ヘッド12の交換作業等のメンテナンス(ヘッドメンテナンス)が行われた場合はその後に各ノズル125の吐出量を推定するものである。この液滴吐出方法により、ヘッドメンテナンスが行われなかった場合には、実描画処理の前に検査された各ノズル125の吐出量に基づいて実描画時における各ノズルの吐出量の補正を行う。一方、ヘッドメンテナンスが行われた場合には、ヘッドメンテナンス後の推定された各ノズル125の吐出量に基づいて実描画時における各ノズルの吐出量の補正を行うようになっている。
本液滴吐出方法では先ず、装置を所定の位置に配置して装置の位置合わせを行う。具体的には、キャリッジ移動装置131によりキャリッジ13をX軸方向に移動させたり、ステージ移動装置111によりワークステージ11をY軸方向に移動させたりすることで、ワークWを液滴吐出ヘッド12の直下に配置する。これにより、ワーク上に固定された検査用の試験片2が液滴吐出ヘッド12の複数のノズル125に対向するように配置される。
次に、検査用の試験片2に、複数のノズル125の全ノズルから液状体を吐出して全吐出パターン(第1の全吐出パターン)における吐出量をノズルごとに測定する(図5のステップS1)。
具体的には、吐出ユニットU1〜U180の全吐出ユニットに対応する全駆動圧電素子129に駆動信号を供給する。これにより、液滴吐出ヘッド12の全ノズルから液状体が吐出される。そして、評価装置17を用いることにより全ノズルから液状体が吐出されたパターン(第1の全吐出パターン)におけるノズルごとの吐出量が得られる。
次に、第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を記憶する(図5のステップS2)。
次に、検査用の試験片2に、複数のノズル125のうちの所定のノズルから液状体を吐出して第1〜第Nの吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する(図5のステップS3)。本実施系形態では、第1〜第3の吐出パターンにおいて測定する。
具体的には、全吐出量測定工程の後に、キャリッジ移動装置131によりキャリッジ13をX軸方向に移動させたり、ステージ移動装置111によりワークステージ11をY軸方向に移動させたりする。これにより、液状体が配置されていない新たな試験片2が液滴吐出ヘッド12の複数のノズル125に対向するように配置される。次に、吐出ユニットU1〜U180のうち所定の吐出ユニットに対応する駆動圧電素子に駆動信号を供給する。これにより、液滴吐出ヘッド12の複数のノズル125のうちの所定のノズルから液状体が吐出される。そして、評価装置17を用いることにより所定のノズルからの液状体の吐出されたパターン(第1の吐出パターン、a←1)におけるノズルごとの吐出量が得られる。
次に、第1の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を記憶する(図5のステップS4)。
図6は、吐出量のばらつき補正前の液滴吐出ヘッドの吐出特性を示す図である。図6(a)は第1の吐出パターンにおけるノズル番号と吐出量との関係、図6(b)は第2の吐出パターンにおけるノズル番号と吐出量との関係、図6(c)は第3の吐出パターンにおけるノズル番号と吐出量との関係を示している。図6において、横軸はノズル列のノズル番号1〜40、縦軸は各ノズル番号に対応するノズルの吐出量を示している。なお、図6においては、便宜上ノズル番号41〜180の図示を省略している。また、全吐出パターンにおける全ノズルからの液状体の吐出量は、離散的なデータであるが、便宜上平滑線でつないで示している。本図では、吐出量のばらつき補正前の液滴吐出ヘッドの吐出特性の一例として、第1〜第3の3種の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を示している。
図6に示すように、吐出量のばらつきの補正前の実線を見ると、左端部における吐出量が相対的に多くなる傾向があることがわかる。また、所定の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量が変動していることがわかる。例えば、液状体を吐出していないノズル(例えば図6(a)のノズル番号19)の隣のノズル(例えば図6(a)のノズル番号20)を見ると、液状体の吐出量が増加している。これは、液滴吐出ヘッド内において貯留室122が連通しており、液状体を吐出していないノズルの隣のノズルから液状体が吐出された場合には負圧が発生しない。このため、液状体を吐出していないノズルの隣のノズルからは液状体の吐出量が増加すると考えられている。また、実際の描画時に用いる吐出パターンが複数存在する場合には、吐出パターンごとに吐出量が変動することがわかる。
図6(a)に示すように、第1の吐出パターンは、複数のノズルのうちの所定のノズル番号(例えばノズル番号1〜10、20〜30)から液状体が吐出される吐出パターンとなっている。この第1の吐出パターンでは、吐出ユニットU1〜U180のうち所定の吐出ユニット(例えばU1〜U10、U20〜U30)に対応する駆動圧電素子に駆動信号を供給する。これにより、第1の吐出パターンにおけるノズルから液状体が吐出される。そして、評価装置17を用いることにより第1の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量が得られる。
図6(b)に示すように、第2の吐出パターンは、複数のノズルのうちの所定のノズル番号(例えばノズル番号5〜15、25〜35)から液状体が吐出される吐出パターンとなっている。この第2の吐出パターンでは、吐出ユニットU1〜U180のうち所定の吐出ユニット(例えばU5〜U15、U25〜U35)に対応する駆動圧電素子に駆動信号を供給する。これにより、第2の吐出パターンにおけるノズルから液状体が吐出される。そして、評価装置17を用いることにより第2の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量が得られる。
図6(c)に示すように、第3の吐出パターンは、複数のノズルのうち所定のノズル番号(例えばノズル番号10〜20、30〜40)から液状体が吐出される吐出パターンとなっている。この第3の吐出パターンでは、吐出ユニットU1〜U180のうち所定の吐出ユニット(例えばU10〜U20、U30〜U40)に対応する駆動圧電素子に駆動信号を供給する。これにより、第3の吐出パターンにおける所定のノズルから液状体が吐出される。そして、評価装置17を用いることにより第3の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量が得られる。
次に、第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量及び第1の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量に基づいて、第1の全吐出パターンのうち第1の吐出パターンに対応する各ノズルの吐出量の差を係数(第1の係数)として求める(図5のステップS5)。係数(ここでは第1の係数)を求める式は、例えば下記の式(1)で表される。
係数=INP/INA ・・・・(1)
なお、式(1)において、INAは全吐出パターン(ここでは第1の全吐出パターン)におけるノズルごとの吐出量であり、INPは所定の吐出パターン(ここでは第1の吐出パターン)におけるノズルごとの吐出量である。
式(1)において、第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量、第1の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量をそれぞれ代入することにより、第1の吐出パターンに対応する第1の係数が得られる。
次に、第1の吐出パターンにおける係数を記憶する(図5のステップS5)。
なお、同様に第2の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量、第3の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量をそれぞれ代入することにより、第2の吐出パターンに対応する第2の係数、第3の吐出パターンに対応する第3の係数、をそれぞれ得ることができる。
次に、制御装置は、実際の描画対象となる第1〜第Nの吐出パターンの検査が終了したか否か(b>N?)を判断する(図5のステップS7)。本実施形態では、第1〜第3の吐出パターンの検査を行うので、b(b←a+1)が4のとき、第1〜第3の吐出パターンの検査が終了したものと判断される。
該判断が可の場合、つまり実際の描画対象となる第1〜第3の吐出パターンの検査が終了したと判断された場合、制御装置は、吐出量の変化の有無を判断する。(図5のステップS8)。
一方、該判断が否の場合、つまり実際の描画対象となる第1〜第3の吐出パターンの検査が終了していないと判断された場合(例えば第2の吐出パターン、第3の吐出パターンの少なくとも一方が不足していると判断された場合)、制御装置は、第1の吐出パターンに対する新たな吐出パターン(例えば第2の吐出パターン、第3の吐出パターン)に対応する各ノズルから液状体を吐出するように駆動制御を行う。そして、検査用の試験片2に、第1の吐出パターンに対応するノズルと異なるノズルから液状体を吐出して、第2の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量及び第3の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を測定する(図5のステップS3)。
次に、第2の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量、第3の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を記憶する(図5のステップS4)。
次に、記憶部に記憶・保存された第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量及び第2の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量に基づいて、第1の全吐出パターンのうち第2の吐出パターンに対応する各ノズルの吐出量の差を係数(第2の係数)として求める。また、第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量及び第3の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量に基づいて、第1の全吐出パターンのうち第3の吐出パターンに対応する各ノズルの吐出量の差を係数(第3の係数)として求める(図5のステップS5)。なお、第2の係数及び第3の係数は式(1)により得られる。
次に、第2の吐出パターンにおける第2の係数、第3の吐出パターンにおける第3の係数、を記憶する(図5のステップS6)。以上の工程により、不足していた推定吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量が記憶され、実際の描画対象となる吐出パターンが全て記憶される。
ところで、実際の描画時に液滴吐出ヘッド12の交換作業等のメンテナンス(ヘッドメンテナンス)を行った場合は、ヘッドメンテナンスの前後で全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量が変動する。このため、従来の液滴吐出方法ではヘッドメンテナンスの度に検査パターンの描画が必要となり、計測に時間がかかっていた。また、実際の描画時に用いる吐出パターンが複数存在する場合には、吐出パターンごとに吐出量が変動するため、ヘッドメンテナンスの度に複数回の計測が必要となりさらに計測に時間がかかっていた。
そこで、本発明に係る液滴吐出方法では、ヘッドメンテナンスが行われなかった場合には、実描画処理の前に求められた第1〜第3の係数に基づいて実描画時における各ノズルの吐出量の補正を行うようになっている。一方、ヘッドメンテナンスが行われた場合には、ヘッドメンテナンス後に推定されたノズルごとの吐出量に基づいて実描画時における各ノズルの吐出量の補正を行うようになっている。具体的に、本実施形態では、制御装置は、吐出量の変化有無(ヘッドメンテナンスが行われたか否か)を判断する(図5のステップS8)。
該判断が否の場合、つまりヘッドメンテナンスが行われていないと判断された場合、制御装置は、第1〜第3の係数に基づいて、各ノズルにおける吐出量が所定の適正量に近づくように液滴吐出ヘッド12の吐出動作を制御する(図5のステップS13)。
一方、該判断が有の場合、つまりヘッドメンテナンスが行われたと判断された場合、制御装置は、ヘッドメンテナンス後の液滴吐出ヘッドの全ノズルから液状体を吐出するように駆動制御を行う。そして、検査用の試験片2に、ヘッドメンテナンス後の液滴吐出ヘッド12の複数のノズル125の全ノズルから液状体を吐出して全吐出パターン(第2の全吐出パターン)における吐出量をノズルごとに測定する(図5のステップS9)。
具体的には、ヘッドメンテナンス後の吐出ユニットU1〜U180の全吐出ユニットに対応する全駆動圧電素子129に駆動信号を供給する。これにより、ヘッドメンテナンス後の液滴吐出ヘッド12の全ノズルから液状体が吐出される。そして、評価装置17を用いることにより全ノズルから液状体が吐出されたパターン(第2の全吐出パターン)におけるノズルごとの吐出量が得られる。この第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量は、ヘッドメンテナンス前に測定された第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量と異なっている。
次に、第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を記憶する(図5のステップS10)。
次に、検査用の試験片2に、ヘッドメンテナンス後の複数のノズル125のうちの所定のノズルから液状体を吐出することなしに、第1〜第3の吐出パターンに対応する各ノズルの推定吐出量を算出する(図5のステップS11)。
具体的には、制御装置からの駆動信号により、演算部が記憶部に保存された第1〜第3の係数及び第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量に基づいて、第1〜第3の吐出パターンに対応する各ノズルの推定吐出量を演算する。
次に、第1〜第3の吐出パターンに対応するノズルごとの推定吐出量を記憶する(図5のステップS12)。
以上の工程により、不足していた吐出パターンに対応するノズルごとの推定吐出量が記憶され、実際の描画対象となる第1〜第3の吐出パターンに対応する推定吐出量が全て記憶される。
そして、制御装置は、各ノズルの推定吐出量に基づいて、各ノズルにおける吐出量が所定の適正量に近づくように液滴吐出ヘッド12の吐出動作を制御する(図5のステップS13)。
具体的には、第1の吐出パターン、第2の吐出パターン、第3の吐出パターンに対応するノズルごとの推定吐出量に基づいて、複数のノズルにおける吐出量が所定の適正値に近づくように圧電駆動素子に印加する駆動電圧や入力するパルス幅を調整する。すなわち、各ノズルにおける吐出量が所定の適正値よりも大きい場合は、圧電駆動素子に印加する駆動電圧や入力するパルス幅を小さくする調整を行う。一方、各ノズルにおける吐出量が所定の適正値よりも小さい場合は、圧電駆動素子に印加する駆動電圧や入力するパルス幅を大きくする調整を行う。
図7は、吐出量のばらつき補正前後の液滴吐出ヘッドの吐出特性を示す図である。図7において、横軸はノズル列のノズル番号1〜180、縦軸は各ノズル番号に対応するノズルからの吐出量を示している。図7に示すように、インク吐出量のばらつきの補正前の実線を見ると、両端部と中央部のノズルにおけるインク吐出量が相対的に多くなる傾向があることがわかる。
図7に示すように、補正前に比べて補正後は、液滴吐出ヘッド全体として吐出量のばらつきが格段に低減される。このように吐出量を補正した液滴吐出ヘッドをカラーフィルターの形成に用いれば、均一な膜厚のカラーフィルターを形成することができ、膜厚ばらつきによりスジムラを生じることが防止される。
本発明の液滴吐出方法、液滴吐出装置1によれば、予め実際の描画前に、予め実際の描画前に、第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量と第1〜第3の吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて、第1の全吐出パターンのうち第1〜第3の吐出パターンに対応する各ノズルの吐出量の差が第1の係数として求められる。ところで、実際の描画時に液滴吐出ヘッドの交換等のメンテナンスを行った場合など吐出量が変化する際はその度に検査パターンの描画が必要となる。しかしながら、本発明では、前記第1〜第3の係数とメンテナンス後の第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて、第1〜第3の吐出パターンに対応する各ノズルの推定吐出量を求めることができる。つまり、予め描画前に全吐出パターンと第1〜第3の吐出パターンとにおける各ノズルからの吐出を1回のみ行うだけで、実際の描画時に用いる吐出パターンを計測する必要がない。したがって、計測時間を短くし、生産効率を向上させることができる。また、実際の描画に用いる吐出パターンが複数ある場合であっても、複数回の計測を必要とせず、計測時間を短くし、生産効率を向上させることができる。
なお、上記実施形態では、制御装置が行う液滴吐出ヘッドの吐出動作の制御として、圧電駆動素子に印加する駆動電圧を調整したり、入力するパルス幅を調整したりしているが、より好ましくは、入力するパルス幅を用いて調整するのがよい。これにより、印加する駆動電圧を調整する場合に比較して吐出量の微調整を行うことができるので、所定の吐出パターンに対応する各ノズルからの吐出量を均一にすることができる。
また、前記実施形態では、第1の吐出パターンに加えて、第2の吐出パターン、第3の吐出パターンの例を説明したが、これに限らない。さらに、第4の吐出パターン、第5の吐出パターンなどこれ以上の吐出パターンを加えてもよい。このように第4の吐出パターン以上の吐出パターンを用いる場合でも、本発明により計測時間を短くし生産効率を向上させることができる。
また、前記実施形態では、液状体として固体成分を分散媒に分散させた分散液を用いた例を説明したが、液状体として、固体成分を溶媒に溶解させた溶液を用いてもよいし、液状体として、固体成分を分散媒に分散させた分散液と、この固体成分と同一あるいは別の固体成分を溶媒に溶解させた溶液との混合液を用いてもよい。このような液状体を用いる場合でも、本発明により高効率で所定のパターンの吐出量を計測することが可能である。
1…液滴吐出装置、12…液滴吐出ヘッド、125…ノズル、129…圧電駆動素子

Claims (4)

  1. 液状体を吐出させる複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出方法であって、
    前記複数のノズルの全ノズルから前記液状体を吐出して第1の全吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する工程と、
    前記第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を記憶する工程と、
    前記複数のノズルのうちの所定のノズルから前記液状体を吐出して第1〜第Nの吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する工程と、
    前記第1〜第Nの吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を記憶する工程と、
    前記第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量と前記第1〜第Nの吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて各ノズルの吐出量の差を第1〜第Nの係数として求める工程と、
    前記第1〜第Nの係数を記憶する工程と、
    前記第1の全吐出パターンに対する新たな第2の全吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する工程と、
    前記第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量を記憶する工程と、
    前記第1〜第Nの係数と前記第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて前記第1〜第Nの吐出パターンに対応する各ノズルの推定吐出量を演算する工程と、
    前記第1〜第Nの吐出パターンに対応するノズルごとの推定吐出量を記憶する工程と、
    各ノズルの推定吐出量に基づいて前記液滴吐出ヘッドの吐出動作を制御する工程と、
    を有することを特徴とする液滴吐出方法。
  2. 前記液滴吐出ヘッドには前記複数のノズルに対応して設けられた複数の圧電駆動素子が備えられ、
    前記液滴吐出ヘッドの吐出動作を制御する工程において、前記複数の圧電駆動素子に入力するパルス幅を調整することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出方法。
  3. 液状体を吐出させる複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルの全ノズルから前記液状体を吐出して第1の全吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する第1の測定部と、
    前記第1の測定部の測定結果を記憶する第1の記憶部と、
    前記複数のノズルのうちの所定のノズルから前記液状体を吐出して第1〜第Nの吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する第2の測定部と、
    前記第2の測定部の測定結果を記憶する第2の記憶部と、
    前記第1の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量と前記第1〜第Nの吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて各ノズルの吐出量の差を第1〜第Nの係数として求める第1の演算部と、
    前記第1の演算部の演算結果を記憶する第3の記憶部と、
    前記第1の全吐出パターンに対する新たな第2の全吐出パターンにおける吐出量をノズルごとに測定する第3の測定部と、
    前記第3の測定部の測定結果を記憶する第4の記憶部と、
    前記第1〜第Nの係数と前記第2の全吐出パターンにおけるノズルごとの吐出量とに基づいて前記第1〜第Nの吐出パターンに対応する各ノズルの推定吐出量を演算する第2の演算部と、
    前記第2の演算部の演算結果を記憶する第5の記憶部と、
    各ノズルの推定吐出量に基づいて前記液滴吐出ヘッドの吐出動作を制御する駆動部と、
    前記第1〜第3の測定部、前記第1〜第5の記憶部、前記第1〜第2の演算部、前記駆動部を制御する制御装置と、
    を有することを特徴とする液滴吐出装置。
  4. 前記液滴吐出ヘッドには前記複数のノズルに対応して設けられた複数の圧電駆動素子が備えられ、
    前記制御装置は、前記複数の圧電駆動素子に入力するパルス幅を調整する制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出装置。
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