JP2011103540A - 電力増幅器 - Google Patents

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学 中村
Yoichi Okubo
陽一 大久保
Taizo Ito
太造 伊藤
Fumitake Kawanabe
史壮 川鍋
Yasuhiro Takeda
康弘 武田
Toshio Nojima
俊雄 野島
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Abstract

【課題】 DPDと2次高調波注入とを組み合わせた電力増幅器において、高効率且つ低歪で、広帯域信号のシステムに適用可能な電力増幅器を提供する。
【解決手段】 プッシュプル増幅器と、当該プッシュプル増幅器で発生する5次歪を補償する2次高調波を発生する2次高調波発生回路と、3次歪を補償するデジタルプリディストーション回路とを有し、プッシュプル増幅器が、基本波と2次高調波とを合成して増幅する第1,第2の増幅回路と、第1,第2の増幅回路から出力された信号中の2次高調波の位相を調整して他方の増幅回路における2次高調波を短絡させる可変位相器と、第1、第2の増幅回路から出力された信号中の基本波を逆相で合成する合成器とを備え、2次高調波注入により3次歪に影響を与えることなく5次歪を補償し、広帯域化を可能とする電力増幅器としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、無線送信機に用いられる電力増幅器に係り、特に低歪、高効率で、広帯域システムに適用することができる電力増幅器に関する。
[先行技術の説明]
電力増幅器には、高効率と低歪の特性が要求されている。
最近では、効率のよいドハティ増幅器と、デジタル処理で歪を補償するDPD(Digital Pre-Distortor)とを組み合わせた電力増幅器が一般的となっている。
[従来の電力増幅器:図5]
従来の電力増幅器の構成について図5を用いて説明する。図5は、ドハティ増幅器とDPDとを組み合わせた従来の電力増幅器の構成ブロック図である。
図5に示すように、従来の電力増幅器は、入力端子1と、DPD2′と、D/A変換器3と、アップコンバータ4と、ドハティ増幅器6と、方向性結合器7と、出力端子12と、ダウンコンバータ8と、A/D変換器9と、歪検出部10と、制御部11と、発振器13とを備えている。
更に、DPD2′は、ドハティ増幅器6で発生する3次歪及び5次歪を補償するものであり、入力信号の2乗を算出する2乗回路201と、3乗を算出する乗算器202と、3乗成分に制御部11からの係数a3を乗算する乗算器203と、入力信号の4乗を算出する4乗回路205と、5乗を算出する乗算器206と、5乗成分に制御部11からの係数a5を乗算する乗算器207と、乗算器203と207の出力を加算するから加算器204とから構成される。
また、ドハティ増幅器6は、分配器601と、AB級にバイアスされ小信号入力時に動作するキャリア増幅回路602と、伝送線路603と、伝送線路604と、C級にバイアスされたピーク増幅回路605と、伝送線路606と、合成点607と、インピーダンス変換器608とを備えている。
伝送線路603は、キャリア増幅回路602が高効率になるよう負荷インピーダンスが調整されている。
伝送線路606は、小信号入力時に合成点607からピーク増幅回路を見たときのインピーダンスが開放に近い状態になるように調整されたものである。
また、伝送線路604は、伝送線路603と伝送線路606の位相差を補償する。
また、歪検出部10は、ドハティ増幅器6の出力信号中の3次及び5次の歪を検出し、歪値として制御部11に出力する。
制御部11は、歪検出部10から入力される3次及び5次の歪値が最小になるよう、DPDに係数a3、a5を出力する。係数については後で説明する。
[従来の電力増幅器における動作:図5]
上記構成の電力増幅器における動作について説明する。
入力端子1から入力された信号は、DPD2′においてドハティ増幅器6で発生する非線形歪(3次歪、5次歪)の逆特性を備えた歪を注入され、D/A変換器3でアナログ信号に変換され、アップコンバータ4でRF周波数に変換され、ドハティ増幅器6に入力される。
ドハティ増幅器6では、入力信号は分配器601で分配され、キャリア増幅回路602及びピーク増幅回路605でそれぞれ増幅され、合成器607で合成され、インピーダンス変換されて出力端子12に出力される。
また、ドハティ増幅器6の出力信号は、方向性結合器7で分岐されて、ダウンコンバータ8でIF周波数に変換され、A/D変換器9でデジタル信号に変換されて、歪検出部10で歪検出され、制御部11で、歪が小さくなるよう、DPD2′の係数a3及びa5を適応制御する。
発振器13は、D/A変換器3、A/D変換器9、デジタル回路のDPD2′、制御部11、歪検出部10にクロック信号を供給する。図では各部へ同じ周波数のクロック信号を供給するように記載しているが、必ずしも同じである必要はない。
[DPD2′の動作]
次に、DPD2′の動作について具体的に説明する。
DPD2′は、ドハティ増幅器6が持つ非線形特性を補償するものであるが、非線形特性はべき級数で近似することができる。そのため、それを補償するDPD2′もべき級数で表すことが可能である。
DPD2′の入力信号をx(t)、出力信号をy(t)とし、5次歪まで考慮した場合、出力信号y(t)は数1(式1)のように表すことができる。
Figure 2011103540
ここで、a3とa5はそれぞれ3次、5次の係数であり、制御部11は、ドハティ増幅器6の出力に含まれる歪が最小となるように、これらの係数を制御するものである。
[従来の電力増幅器のDPDにおけるスペクトラム:図6]
従来の電力増幅器のDPDにおける出力スペクトラムについて図6を用いて説明する。図6は、従来の電力増幅器のDPDにおける出力スペクトラムを示す模式説明図である。
図6に示すように、DPDで5次歪まで補償することを想定すると、信号帯域の5倍の帯域における処理が必要になる。
上記従来の電力増幅器はWCDMA、WiMAX、LTE等、信号帯域が20MHzのシステムに適用されており、100MHzの帯域について歪補償処理を行っている。
[広帯域信号のシステムへの適用]
ところで、次世代の通信方式としては、更に広帯域のシステムが提案されている。
例えば、5次歪まで補償する場合、信号帯域が20MHzの時には100MHzの帯域があれば歪補償が可能であるが、信号帯域が40MHzでは200MHz、100MHzになると500MHzの帯域が必要となる。
このような広帯域においてDPDで歪補償を行うためには、デジタル回路やD/A変換器、A/D変換器のクロック周波数を高くしなければならず、消費電力の増加や部品コストの増大を招くことになる。
そのため、図5に示したような、ドハティ増幅器とDPDとを組み合わせて、5次歪まで補償する従来の電力増幅器をそのまま広帯域の次世代通信に適用するのは困難である。
[アナログPD]
DPDの代わりに、アナログPD(Pre-Distortor)を用いる方法も考えられるが、アナログPDは、DPDに比べて歪補償性能や温度特性が劣り、アナログPDのみを用いるのは現実的ではない。
そこで、寄与分の大きい3次歪を性能のよいDPDで補償し、DPDでは高速クロックが必要となってしまう5次歪をアナログPDで補償することが考えられる。
アナログPDで5次歪を補償する方法としては、2次高調波を注入する方法が知られている(非特許文献1参照)。
電力増幅器に2次高調波を注入したときの増幅器出力に含まれる3次歪(IM3)と5次歪(IM5)は、数2(式2)、数3(式3)で表される。
Figure 2011103540
Figure 2011103540
ここで、aは入力信号の振幅、An(n=2,3,4,5)は電力増幅器の各次数の非線形歪係数、C2は注入する2次高調波の係数を表す。
IM5にはC2を含む項が2つあり、C2を調整することによりIM5を低減することが可能であり、2次高調波の注入で5次歪を補償できるものである。
しかし、IM3は、a3の項にC2を含んでおり、これは、2次高調波注入がIM3に影響を与えることを示している。
つまり、2次高調波注入は、5次歪を独立に補償するものではなく、3次歪にも影響を及ぼすため、3次歪のみをDPDで補償することは困難となる。
2次高調波注入による電力増幅器5次歪み補償のドレイン電流依存性,平成19年度電気情報関係学会北海道支部連合大会No.109
しかしながら、従来の、DPDと2次高調波注入とを組み合わせた電力増幅器では、2次高調波注入によって5次歪だけでなく3次歪にも影響を与えてしまうため、DPDで3次歪を補償することが困難となってしまうという問題点があった。
本発明は、上記実状に鑑みて為されたもので、DPDと2次高調波注入とを組み合わせた電力増幅器において、2次高調波注入により、3次歪に影響を与えることなく5次歪のみを補償して、高効率且つ低歪で、広帯域信号のシステムに適用可能な電力増幅器を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、プッシュプル増幅器を備えた電力増幅器であって、プッシュプル増幅器で発生する5次歪を補償するような2次高調波を発生する2次高調波発生回路と、プッシュプル増幅器で発生する3次歪を補償するデジタルプリディストーション回路とを有し、プッシュプル増幅器が、基本波と2次高調波とを合成して増幅する第1の増幅回路と、基本波の逆相と2次高調波の逆相とを合成して増幅する第2の増幅回路と、第1の増幅回路から出力された信号中の2次高調波の位相を調整して第2の増幅回路における2次高調波を短絡させると共に、第2の増幅回路から出力された信号中の2次高調波の位相を調整して第1の増幅回路における2次高調波を短絡させる可変位相器と、第1の増幅回路から出力された信号中の基本波と、第2の増幅回路から出力された信号中の基本波の逆相とを、逆相で合成する合成器とを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、プッシュプル増幅器を備えた電力増幅器であって、プッシュプル増幅器で発生する5次歪を補償するような2次高調波を発生する2次高調波発生回路と、プッシュプル増幅器で発生する3次歪を補償するデジタルプリディストーション回路とを有し、プッシュプル増幅器が、基本波と2次高調波とを合成して増幅する第1の増幅回路と、基本波の逆相と2次高調波の逆相とを合成して増幅する第2の増幅回路と、第1の増幅回路から出力された信号中の2次高調波の位相を調整して第2の増幅回路における2次高調波を短絡させると共に、第2の増幅回路から出力された信号中の2次高調波の位相を調整して第1の増幅回路における2次高調波を短絡させる可変位相器と、第1の増幅回路から出力された信号中の基本波と、第2の増幅回路から出力された信号中の基本波の逆相とを、逆相で合成する合成器とを備えた電力増幅器としているので、プッシュプル増幅器の出力における2次高調波をキャンセルして、高調波注入により3次歪に影響を与えることなく5次歪を補償でき、DPDでは3次歪のみを補償してクロック周波数を低減でき、また、2次高調波を各増幅回路の出力端で短絡とすることで効率を向上でき、低歪、高効率で広帯域システムに適用可能な電力増幅器を実現できる効果がある。
本発明の実施の形態に係る電力増幅器の概略構成ブロック図である。 DPD2の構成ブロック図である。 増幅器5の構成ブロック図である。 本電力増幅器のDPDにおける出力スペクトラムを示す模式説明図である。 ドハティ増幅器とDPDとを組み合わせた従来の電力増幅器の構成ブロック図である。 従来の電力増幅器のDPDにおける出力スペクトラムを示す模式説明図である。
[発明の概要]
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る電力増幅器は、2つの増幅回路がプッシュプル構造に接続された増幅器の入力に、2次高調波を注入することによって5次歪を補償し、更に、3次歪を補償するDPDを備えた電力増幅器としており、プッシュプル構造とすることで2次歪をキャンセルして、3次歪に含まれていた2次高調波の影響を排除することができ、DPDで高速クロックを要することなく3次歪のみを補償することができ、更に一方の増幅回路から出力された2次高調波を他方の増幅回路の出力に注入してドレイン端子で2次高調波を短絡させるようにして効率を向上させ、高効率・低歪で、広帯域信号のシステムに適用可能な電力増幅器を実現するものである。
[本実施の形態に係る電力増幅器の構成:図1]
本発明の実施の形態に係る電力増幅器の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る電力増幅器の概略構成ブロック図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る電力増幅器(本電力増幅器)は、入力端子1と、DPD2と、D/A変換器3と、アップコンバータ4と、増幅器5と、方向性結合器7と、ダウンコンバータ8と、A/D変換器9と、歪検出部10と、制御部11と、発振器13と、出力端子12とから構成されている。
上記構成部分の内、D/A変換器3と、アップコンバータ4と、方向性結合器7と、ダウンコンバータ8と、A/D変換器9と、歪検出部10の構成及び動作は、従来の電力増幅器と同様であるためここでは説明を省略する。
また、制御部11におけるDPD適応制御は、従来とほぼ同様であるが、3次歪の係数a3のみについて行われる。
本電力増幅器の特徴部分として、増幅器5は、2次高調波発生回路51と、プッシュプル増幅器52とを備え、プッシュプル増幅器52の入力に2次高調波を注入することで5次歪を補償し、更に、プッシュプル増幅器52において2次高調波を処理することで効率を向上させると共に、出力の2次高調波をキャンセルするものである。これにより、増幅器5は、5次歪のみを独立して補償するものとなり、3次歪に影響を与えることなく5次歪を補償する。増幅器5の具体的な構成については後で説明する。
また、本電力増幅器のDPD2は、3次歪を補償するものである。DPD2の構成については後述する。
更に、発振器13から供給されるクロックの周波数は、従来の3/5の周波数となっている。
[本電力増幅器の動作:図1]
本電力増幅器の動作について簡単に説明する。
本電力増幅器では、DPD2において、増幅器5で発生する3次歪の逆特性の歪が付加され、D/A変換器3でアナログ信号に変換され、アップコンバータ4でRF周波数に変換され、増幅器5に入力される。
増幅器5では、2次高調波発生回路51で入力信号の2次高調波が生成されて、プッシュプル増幅器52に入力され、プッシュプル増幅器52では基本波と2次高調波の合成信号が増幅されて、基本波成分が出力される。
ここで、増幅器5では、2次高調波注入によって5次歪が補償されると共に、プッシュプル増幅器52で2次高調波の成分がキャンセルされるので、増幅器5の出力に2次高調波の影響はない。
増幅器5の構成及び動作については後で詳細に説明する。
増幅器5の出力は、出力端子12に出力されると共に、方向性結合器7を介して分岐され、ダウンコンバータ8でIF周波数に変換されて、A/D変換器9でデジタル信号に変換され、歪検出部10で、残留している3次歪が検出されて、制御部11が3次歪が最小になるよう、係数a3を調整してDPD2に出力する。
このようにして本電力増幅器の動作が行われるものである。
[DPD2の構成:図2]
次に、DPD2の構成について図2を用いて説明する。図2は、DPD2の構成ブロック図である。
本電力増幅器では、5次歪は増幅器5で補償されるため、DPD2は、3次歪のみを補償すればよく、増幅器5で発生する3次歪成分の逆特性の3次歪成分を生成して入力信号に注入するものとなっている。
図2に示すように、DPD2は、2乗回路201と、乗算器202と、乗算器203と、加算器204とを備えている。
そして、DPD2は、数4(式4)に示すように、3次までのべき級数で表される。
Figure 2011103540
そして、上記DPD2において、入力信号は、2乗回路201で2乗され、乗算器202で3乗が算出され、乗算器203で制御部11からの出力される係数a3と乗算されて3次歪成分が生成され、加算器203で入力信号に加算されて、D/A変換器3に出力される。
係数a3は、従来と同様に制御部11によって適応的に制御される。
[増幅器5の構成:図3]
次に、増幅器5の構成について図3を用いて説明する。図3は、増幅器5の構成ブロック図である。
図3に示すように、増幅器5は、第1の分配器501と、遅延線502と、第2の分配器503と、2乗回路504と、可変減衰器505と、可変位相器506と、第3の分配器507と、第1の入力整合回路508と、第1の増幅回路509と、第1のデュプレクサ510と、第1の出力整合回路511と、第2の入力整合回路512と、第2の増幅回路513と、第2のデュプレクサ514と、第2の出力整合回路515と、可変位相器516と、合成器517とから構成されている。
上記構成部分の内、2乗回路504、可変減衰器505、可変位相器506は図1に示した2次高調波発生回路51に相当する。また、第2の分配器503、第3の分配器507、第1の入力整合回路508、第1の増幅回路509、第1のデュプレクサ510、第1の出力整合回路511、第2の入力整合回路512、第2の増幅回路513、第2のデュプレクサ514、第2の出力整合回路515、可変位相器516、合成器517で構成される部分が図1に示したプッシュプル増幅器52に相当する。
各構成部分について説明する。
第1の分配器501は、アップコンバータ4から入力された入力信号を同相分配する。
遅延線502は、2次高調波発生回路側と遅延を合わせるため、第1の分配器501からの一方の信号を一定時間遅延させる。
第2の分配器503は、遅延された信号を第1の入力整合回路508と、第2の入力整合回路512に逆相分配する。
2乗回路504は、第1の分配器501で分配された他方の信号を2乗して2次高調波を発生する。
可変減衰器505は、発生された2次高調波の振幅を調整する。
可変位相器506は、2次高調波の位相を調整する。
可変減衰器505及び可変位相器506は、増幅器5で発生する5次歪を補償するよう調整されている。
第3の分配器507は、振幅及び位相が調整された2次高調波を、第1の入力整合回路508と第2の入力整合回路512に逆相分配する。
第1の入力整合回路508は、基本波と2次高調波で整合をとっており、第2の分配器503からの基本波と、第3の分配器507からの2次高調波を同相合成して第1の増幅回路509に出力する。
第1の増幅回路509は、入力された基本波と2次高調波の合成信号を増幅し、第1のデュプレクサ510に出力する。
第1のデュプレクサ510は、入力された信号中の基本波と2次高調波を分離して、基本波を第1の出力整合回路511に出力し、2次高調波を可変位相器516に出力する。
同様に、第2の入力整合回路512は、基本波と2次高調波で整合をとっており、第2の分配器503からの基本波(逆相)と、第3の分配器507からの2次高調波(逆相)を同相合成して第2の増幅回路513に出力する。
第2の増幅回路513は、入力された基本波と2次高調波の合成信号を増幅し、第2のデュプレクサ514に出力する。
第2のデュプレクサ514は、入力された信号中の基本波と2次高調波を分離して、基本波を第2の出力整合回路515に出力し、2次高調波を可変位相器516に出力する。
可変位相器516は、デュプレクサ510,514から出力された2次高調波の位相を変換し、それぞれ反対側の増幅回路513,509のドレイン端子で2次高調波を短絡とするよう調整されており、2次高調波短絡による増幅器効率の向上を図るものである。効率向上については後で説明する。
第1の出力整合回路511及び第2の出力整合回路515は、基本波に整合されており、基本波を合成器517に出力する。
合成器517は、第1の出力整合回路511及び第2の出力整合回路515から出力される基本波を逆相で合成する。
[増幅器5の動作:図3]
増幅器5の動作について説明する。
増幅器5に入力された信号は、第1の分配器501で同相に分配され、一方は遅延線502で遅延され、第2の分配器503で、第1の入力整合回路508と第2の入力整合回路512に出力逆相に分配される。
第1の分配器501で分配された信号の他方は、2乗回路504で2乗されて2次高調波が生成され、2次高調波は可変減衰器505で振幅を調整され、可変位相器506で位相を調整されて、第3の分配器507で、第1の入力整合回路508と第2の入力整合回路512に出力逆相に分配される。
第1の入力整合回路508で、第2の分配器503からの基本波信号と、第3の分配器507からの2次高調波とが同相で合成され、第1の増幅回路509で増幅されて、第1のデュプレクサ510で基本波と2次高調波に分離される。
同様に、第2の入力整合回路512では、第2の分配器503からの基本波信号と、第3の分配器507からの2次高調波とが同相で合成され、第2の増幅回路513で増幅されて、第2のデュプレクサ514で基本波と2次高調波に分離される。
そして、各デュプレクサからの基本波成分は、出力整合回路511又は515を介して合成器517で逆相に合成され、増幅器5の出力となる。
また、第1のデュプレクサ510から出力された2次高調波は、可変位相器516を介して第2の増幅回路513の出力に注入され、第2の増幅回路513のドレイン端子において2次高調波を短絡とする。
同様に、第2のデュプレクサ514から出力された2次高調波は、可変位相器516を介して第1の増幅回路509の出力に注入され、第1の増幅回路509のドレイン端子において2次高調波を短絡とする。
このようにして、増幅器5の動作が行われる。
[5次歪の補償:図3]
次に、5次歪の補償について図3を用いて説明する。
増幅器5において、基本波のみに注目すると、第2の分配器503で逆相分配された信号は、入力整合回路508及び512を介して2つの増幅回路509,513に入力され、デュプレクサと出力整合回路を介して合成器517で合成されている。
すなわち、増幅器5は基本的にはプッシュプル構造である。
プッシュプル増幅器では、偶数次歪をキャンセルすることが知られている。但し、ここでは、2次高調波のみをキャンセルする構成としており、4次以上の偶数次歪はキャンセルされない。
従って、増幅器5の出力に含まれる3次歪(IM3)と5次歪(IM5)は、数5(式5)、数6(式6)で表される。
Figure 2011103540
Figure 2011103540
数6から、IM5については、2次高調波の係数C2を調整することによって、a5の項を全てキャンセルすることができ、2次高調波の注入で5次歪を補償できるものである。また、IM3におけるのa5の項は、IM5を5倍したものであるから同様にキャンセルされる。
また、増幅器5のIM3(数5)を、従来の電力増幅器におけるIM3(数2)と比較してみると、a3の係数に2次歪A2の項がなくなっている。すなわち、増幅器5の出力のIM3には、2次高調波の影響成分であるC2の項が含まれておらず、3次歪は2次高調波の影響を受けていないことがわかる。
このように、本電力増幅器では、プッシュプル構成の増幅器に2次高調波を注入することにより、3次歪に影響を与えることなく5次歪のみを補償することができるものである。
[高効率化:図3]
次に、増幅器5における2次高調波処理による高効率化について図3を用いて説明する。
分配器507で逆相に分配された2次高調波は、入力整合回路を介して増幅回路509,513に入力される。増幅回路509,513から出力された2次高調波は、デュプレクサ510,514で基本波と分離され、可変位相器516を介して接続される。
第1のデュプレクサ510から出力された2次高調波は、可変位相器516を介して第2の増幅回路513の出力に注入されてドレイン端子で短絡となり、同様に、第2のデュプレクサ514から出力された2次高調波は、第2の増幅回路513の出力に注入されてドレイン端子で短絡となる。
すなわち、増幅器5は、一方の増幅回路から出力された2次高調波を可変位相器516を介して他方の増幅回路に送出し、そのドレイン端子で2次高調波を短絡とするよう、可変位相器516を調整しているものである。このことは、偶数次高調波を短絡とし、奇数次高調波を開放として、電流及び電圧の波形の重なりを少なくして効率を向上させるF級増幅器において、2次高調波のみを処理することと同等となる。
このように、本電力増幅器は、プッシュプル構成の2つの増幅回路から出力された2次高調波を、可変位相器516を介して接続し、それぞれ他方の増幅回路のドレイン端子で2次高調波が短絡となるよう調整しているので、効率を向上させることができるものである。
[本電力増幅器のDPDにおけるスペクトラム:図4]
次に、本電力増幅器のDPD2における出力スペクトラムについて図4を用いて説明する。図4は、本電力増幅器のDPDにおける出力スペクトラムを示す模式説明図である。
上述したように、本電力増幅器の増幅器5では5次歪を補償し、増幅器5の出力には3次歪のみが残留しているので、DPD2では3次歪のみを補償すればよい。従って、図4に示すように、信号帯域の3倍の帯域を処理すればよく、図6に示した5次歪まで補償する場合の3/5の帯域幅ですむ。これにより、発振器13から供給されるクロック周波数を従来の3/5にすることができ、消費電力及び部品コストを低減することができるものである。
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係る電力増幅器によれば、DPD2を備え、2次高調波を発生する2乗回路504と、2次高調波の振幅及び位相を5次歪を補償するよう調整する可変減衰器505及び可変位相器506と、2次高調波を逆相で分配する分配器507と、2次高調波と基本波を合成する第1,第2の入力整合回路508,512と、第1、第2の増幅回路509,513と、基本波と2次高調波を分離する第1、第2のデュプレクサ510,514と、基本波のインピーダンスを調整する第1、第2の出力整合回路511,515と、第1、第2の出力整合回路510,514からの出力を逆相で合成する合成器517と、第1、第2のデュプレクサ510,514からの2次高調波を接続する可変位相器516とを備え、プッシュプル構成の増幅器に調整された2次高調波を注入し、更に、増幅回路509,513から出力された2次高調波を可変位相器516を介して反対側の増幅回路のドレイン端子に注入し、2次高調波を短絡させるようにしているので、増幅器5では3次歪に影響を与えることなく5次歪を補償できると共に、増幅器5の出力の2次高調波をキャンセルでき、また、2次高調波の短絡で増幅回路の効率を向上させることができ、更に、DPD2では3次歪のみを補償すればよいので、クロック周波数を3/5に低減して消費電力や部品コストを抑えることができる効果があり、これにより、5次歪まで補償し、且つ高効率で広帯域システムに適用できる電力増幅器を実現できる効果がある。
尚、本電力増幅器では、分配器503と合成器517を逆相で構成しているが、同相の分配器と合成器を用いてもよい。
本発明は、低歪、高効率で、広帯域システムに適用することができる電力増幅器に適している。
1…入力端子、 2…DPD、 3…D/A変換器、 4…アップコンバータ、 5…増幅器、 6…ドハティ増幅器、 7…方向性結合器、 8…ダウンコンバータ、 9…A/D変換器、 10…歪検出部、 11…制御部、 12…出力端子、 13…発振器、 51…2次高調波発生回路、 52…プッシュプル増幅器、 201…2乗回路、 202,203,206,207…乗算器、 204…加算器、 205…4乗回路、 …乗算器、 501,503,507…分配器、 502…遅延線、 504…2乗回路、 505…可変減衰器、 506…可変位相器、 508,512…入力整合回路、 509,513…増幅回路、 510,514…デュプレクサ、 511,515…出力整合回路、 516…可変位相器、 517…合成器、 601…分配器、 602…キャリア増幅回路、 603,604,606…伝送線路、 605…ピーク増幅回路、 607…合成点、 608…インピーダンス変換器

Claims (1)

  1. プッシュプル増幅器を備えた電力増幅器であって、
    前記プッシュプル増幅器で発生する5次歪を補償するような2次高調波を発生する2次高調波発生回路と、
    前記プッシュプル増幅器で発生する3次歪を補償するデジタルプリディストーション回路とを有し、
    前記プッシュプル増幅器が、
    基本波と前記2次高調波とを合成して増幅する第1の増幅回路と、
    前記基本波の逆相と前記2次高調波の逆相とを合成して増幅する第2の増幅回路と、
    前記第1の増幅回路から出力された信号中の2次高調波の位相を調整して前記第2の増幅回路における2次高調波を短絡させると共に、前記第2の増幅回路から出力された信号中の2次高調波の位相を調整して前記第1の増幅回路における2次高調波を短絡させる可変位相器と、
    前記第1の増幅回路から出力された信号中の基本波と、前記第2の増幅回路から出力された信号中の基本波の逆相とを、逆相で合成する合成器とを備えたことを特徴とする電力増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017046122A (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 住友電気工業株式会社 歪補償装置

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