JP2011101308A - 信号処理装置、信号伝送方法、及びデータ復元方法 - Google Patents

信号処理装置、信号伝送方法、及びデータ復元方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な制御により省電力化することが可能な信号処理装置を提供すること。
【解決手段】第1データから、周波数f1を有する第1クロックに同期した第1データ信号を生成する第1信号生成部と、第2データから、周波数f2=N*f1を有する第2クロックに同期し、かつ、第1クロックの1/2周期について振幅を合計した値が0となる第2データ信号を生成する第2信号生成部と、第1信号生成部により生成された第1データ信号と、第2信号生成部により生成された第2データ信号と、を加算して加算信号を生成する信号加算部と、信号加算部により生成された加算信号を送信する信号送信部と、第1信号生成部を常時動作させ、第2データを送信する場合に第2信号生成部を動作させ、第2データを送信しない場合には第2信号生成部の動作を停止させる制御回路と、を備える、信号処理装置が提供される。
【選択図】図10

Description

本発明は、信号処理装置、信号伝送方法、及びデータ復元方法に関する。
携帯電話やノート型のパーソナルコンピュータ(以下、ノートPC)等の情報処理装置は、ユーザが操作する本体部分と、情報が表示される表示部分とを接続するヒンジ部分に可動部材が用いられていることが多い。ところが、ヒンジ部分には多数の信号線や電力線が配線されており、配線の信頼性を維持する工夫が求められる。まず、考えられるのが、ヒンジ部分を通る信号線の数を減らすことである。そこで、本体部分と表示部分との間においては、パラレル伝送方式ではなく、シリアル伝送方式でデータの伝送処理が行われるようにする。このようにシリアル伝送方式を用いると信号線の本数が低減される。
さて、シリアル伝送方式の場合、データは符号化されてから伝送される。その際、符号化方式としては、例えば、NRZ(Non Return to Zero)符号方式やマンチェスター符号方式、或いは、AMI(Alternate Mark Inversion)符号方式等が用いられる。例えば、下記の特許文献1には、バイポーラ符号の代表例であるAMI符号を利用してデータ伝送する技術が開示されている。また、同文献には、データクロックを信号レベルの中間値で表現して伝送し、受信側で信号レベルに基づいてデータクロックを再生する技術が開示されている。
特開平3−109843号公報
しかしながら、ノートPCのような情報処理装置においては、上記の符号を用いるシリアル伝送方式を用いても、依然としてヒンジ部分に配線される信号線の本数が多い。例えば、ノートPCの場合、表示部分に伝送されるビデオ信号の他、LCDを照明するためのLEDバックライトに関する配線が存在し、これらの信号線を含めると数十本程度の信号線がヒンジ部に配線されることになる。但し、LCDは、Liquid Crystal Displayの略である。また、LEDは、Light Emitting Diodeの略である。
上記のような理由から、直流成分を含まず、かつ、受信信号からクロック成分を容易に抽出することが可能な符号化方式(以下、新方式)が開発された。この新方式に基づいて生成された伝送信号は直流成分を含まないため、直流電源に重畳して伝送することができる。さらに、この伝送信号から極性反転周期を検出することにより、受信側でPLLを用いずにクロックを再生することが可能になる。そのため、複数の信号線を纏めることが可能になり、信号線の本数を減らすことができると共に、消費電力及び回路規模の低減が実現される。但し、PLLは、Phase Locked Loopの略である。
消費電力を減らす他の方法としては、例えば、データ伝送に関する回路(以下、伝送回路)を間欠動作させる方法が知られている。この方法は、伝送すべきデータ量が少ない場合に伝送回路を一定の周期で間欠動作させるというものである。伝送回路を間欠動作させることにより、伝送回路の動作時間を低く抑えることが可能になる。その結果、伝送回路の動作に費やされる電力量を低減させることができる。但し、間欠動作により低減される電力量は、間欠動作の周期に依存する。つまり、間欠動作の周期が長いほど伝送回路の動作時間が大きく低減されるため、消費電力が大きく低減される。
しかし、伝送回路は、起動・停止する際に一定の時間を要する。そのため、間欠動作の周期を短くし過ぎると回路の動作時間率を小さく出来ず、消費電力低減の効果が小さくなる。一方、データの伝送に遅延が発生しないようにするには、間欠動作の周期を一定の時間以内に制限することが必要になる。例えば、制御データやセンサデータ等、許容される遅延時間が短いデータの伝送を考慮すると、間欠動作の周期は短時間に制限されてしまう。こうした理由から、伝送回路の間欠動作により低減可能な消費電力には限界があった。
そこで、本件発明者は、制御データやセンサデータ等のデータ量が少ないことに注目し、比較的単純な制御方法により、伝送回路の起動・停止に起因する伝送遅延の影響を抑えつつ、消費電力を効果的に低減することが可能なデータ伝送方法及び伝送回路の動作制御方法を考案した。本発明の目的とするところは、当該データ伝送方法及び伝送回路の動作制御方法、及び当該データ伝送方法及び伝送回路の動作制御方法を実現することが可能な信号処理装置、信号伝送方法、及びデータ復元方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1のデータから、周波数f1を有する第1のクロックに同期した第1のデータ信号を生成する第1信号生成部と、第2のデータから、周波数f2=N*f1(Nは自然数)を有する第2のクロックに同期し、かつ、前記第1のクロックの1/2周期について振幅を合計した値が0となる第2のデータ信号を生成する第2信号生成部と、前記第1信号生成部により生成された第1のデータ信号と、前記第2信号生成部により生成された第2のデータ信号と、を加算して加算信号を生成する信号加算部と、前記信号加算部により生成された加算信号を送信する信号送信部と、前記第1信号生成部を常時動作させ、前記第2のデータを送信する場合に前記第2信号生成部を動作させ、前記第2のデータを送信しない場合には前記第2信号生成部の動作を停止させる制御回路と、を備える、信号処理装置が提供される。
また、上記の信号処理装置は、前記信号送信部により送信された加算信号を受信する信号受信部と、前記第1のクロックの1周期毎に前記信号受信部により受信された加算信号の振幅値を平均して前記第1のデータ信号を復元する第1信号復元部と、前記信号受信部により受信された加算信号から前記第1信号復元部により復元された第1のデータ信号を減算して前記第2のデータ信号を復元する第2信号復元部と、前記第1信号復元部により復元された第1のデータ信号から前記第1のデータを復元する第1データ復元部と、前記第2信号復元部により復元された第2のデータ信号から前記第2のデータを復元する第2データ復元部と、をさらに備えていてもよい。
また、前記制御回路は、前記第1信号復元部及び前記第1データ復元部を常時動作させ、前記第2のデータを受信する場合に前記第2信号復元部及び前記第2データ復元部を動作させ、前記第2のデータを受信しない場合には前記第2信号復元部及び前記第2データ復元部の動作を停止させるように構成されていてもよい。
また、前記制御回路は、前記第2信号復元部及び前記第2データ復元部の動作を制御するための制御データを前記第1のデータとして前記第1信号生成部に入力し、前記制御データは、前記第1信号生成部、前記信号加算部、前記信号生成部、前記信号受信部、前記第1信号復元部、前記第1データ復元部を介して伝送され、前記第2信号復元部及び前記第2データ復元部に入力され、前記第2信号復元部及び前記第2データ復元部は、前記制御データに応じて動作を開始又は停止するように構成されていてもよい。
前記第1信号生成部は、前記第1のデータを直流成分が抑圧されたシンボル列に符号化し、当該シンボル列に基づいて前記第1のデータ信号を生成するように構成されていてもよい。
また、前記第2信号生成部は、前記第2のクロックを生成するクロック生成部を含み、前記第2信号復元部は、前記第2のクロックを再生するクロック再生部を含み、前記制御回路は、前記第2信号生成部及び前記第2信号復元部の動作を制御する際に、少なくとも前記クロック生成部及び前記クロック再生部の動作を制御するように構成されていてもよい。
また、上記の信号処理装置は、画像データを表示する表示部と、前記画像データを出力する演算処理部と、をさらに備え、前記演算処理部により出力された画像データは、前記第2のデータとして前記第2信号生成部、前記信号加算部、前記信号送信部、前記信号受信部、前記第2信号復元部、前記第2データ復元部を介して伝送され、前記表示部に入力されるように構成されていてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1のデータから、周波数f1を有する第1のクロックに同期した第1のデータ信号を生成する第1信号生成ステップと、第2のデータから、周波数f2=N*f1(Nは自然数)を有する第2のクロックに同期し、かつ、前記第1のクロックの1/2周期について振幅を合計した値が0となる第2のデータ信号を生成する第2信号生成ステップと、前記第1信号生成ステップで生成された第1のデータ信号と、前記第2信号生成ステップで生成された第2のデータ信号と、を加算して加算信号を生成する加算ステップと、前記加算ステップで生成された加算信号を送信する送信ステップと、前記第1信号生成ステップの処理を常時実行し、前記第2のデータを送信する場合に前記第2信号生成ステップの処理を実行し、前記第2のデータを送信しない場合には前記第2信号生成ステップの処理を停止するように制御する制御ステップと、を含む、信号伝送方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1のデータから生成され、周波数f1を有する第1のクロックに同期した第1のデータ信号と、第2のデータから生成され、周波数f2=N*f1(Nは自然数)を有する第2のクロックに同期し、かつ、前記第1のクロックの1/2周期について振幅を合計した値が0となる第2のデータ信号と、を加算して得られる加算信号の振幅値を、前記第1のクロックの1周期毎に平均して前記第1のデータ信号を復元する第1信号復元部と、前記加算信号から前記第1信号復元部により復元された第1のデータ信号を減算して前記第2のデータ信号を復元する第2信号復元部と、前記第1信号復元部により復元された第1のデータ信号から前記第1のデータを復元する第1データ復元部と、前記第2信号復元部により復元された第2のデータ信号から前記第2のデータを復元する第2データ復元部と、を備える、信号処理装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1のデータから生成され、周波数f1を有する第1のクロックに同期した第1のデータ信号と、第2のデータから生成され、周波数f2=N*f1(Nは自然数)を有する第2のクロックに同期し、かつ、前記第1のクロックの1/2周期について振幅を合計した値が0となる第2のデータ信号と、を加算して得られる加算信号の振幅値を、前記第1のクロックの1周期毎に平均して前記第1のデータ信号を復元する第1信号復元ステップと、前記加算信号から前記第1信号復元ステップで復元された第1のデータ信号を減算して前記第2のデータ信号を復元する第2信号復元ステップと、前記第1信号復元ステップで復元された第1のデータ信号から前記第1のデータを復元する第1データ復元ステップと、前記第2信号復元ステップで復元された第2のデータ信号から前記第2のデータを復元する第2データ復元ステップと、を含む、データ復元方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、比較的単純な制御方法により、伝送回路の起動・停止に起因する伝送遅延の影響を抑えつつ、消費電力を効果的に低減することが可能なデータ伝送方法及び伝送回路の動作制御方法が実現可能になる。
シリアル伝送方式を採用した携帯端末の構成例を示す説明図である。 AMI符号の信号波形を示す説明図である。 新方式に係る携帯端末10の機能構成例を示す説明図である。 新方式に係る符号化方法の一例を示す説明図である。 新方式に係る符号化方法を用いて得られる多値信号の周波数スペクトラムの一例を示す説明図である。 低域に配置される狭帯域信号と高域に配置される広帯域信号とで構成される伝送信号の周波数スペクトラムの一例を示す説明図である。 広帯域信号の搬送波、データクロック、データ、符号の関係を示す説明図である。 低域に配置される狭帯域信号と高域に配置される広帯域信号とで構成される伝送信号の周波数スペクトラムの一例を示す説明図である。 低域に配置される狭帯域信号と高域に配置される広帯域信号とで構成される伝送信号の周波数スペクトラムの一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る信号伝送方法を実現することが可能な送信側の構成例を示す説明図である。 同実施形態に係る信号伝送方法を実現することが可能な送信側の構成例を示す説明図である。 同実施形態に係る信号伝送方法により伝送される高速データと低速データとの時間的な関係を示す説明図である。 同実施形態に係る高速データの構成を示す説明図である。 同実施形態に係る信号伝送方法に適用可能な2値符号の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る信号伝送方法に適用可能な3値符号の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る信号伝送方法に適用可能な5値符号の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る信号伝送方法を実現することが可能な送信側の具体的な構成例を示す説明図である。 同実施形態に係る信号伝送方法を実現することが可能な受信側の具体的な構成例を示す説明図である。 同実施形態に係る信号伝送方法を実現することが可能な受信側の具体的な構成例のうち、クロックの再生に係る構成を詳細に示す説明図である。 同実施形態に係る信号伝送方法を実現することが可能な受信側の具体的な構成例のうち、データの復号に係る構成を詳細に示す説明図である。 パーシャル・レスポンス符号を生成するための生成回路の構成例を示す説明図である。 データ1に対応するパーシャル・レスポンス符号の信号波形を示す説明図である。 3ビットの高速データをパーシャル・レスポンス符号に符号化して得られる信号波形を示す説明図である。 同実施形態に係る伝送信号の生成方法を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、図1を参照しながら、シリアル伝送方式を採用した携帯端末10の装置構成について説明する。次いで、図2を参照しながら、AMI符号の信号波形及びその特性について説明する。次いで、図3を参照しながら、新方式に係る携帯端末10の機能構成について説明する。次いで、図4を参照しながら、新方式に係る符号化方法について説明する。
次いで、図5〜図9を参照しながら、低域に狭帯域信号が位置し、高域に広帯域信号が位置する周波数スペクトラムを持つ信号を伝送する際に生じる問題点について説明する。次いで、図10、図11を参照しながら、本発明の一実施形態に係る信号伝送方法、及びこの方法を実現することが可能な送信側及び受信側の構成について説明する。次いで、図12、図13を参照しながら、本実施形態に係る高速データと低速データとの間の関係について説明する。次いで、図14A〜図14Cを参照しながら、高速データの伝送に適用可能な符号の構成について説明する。
次いで、図15、図16を参照しながら、本実施形態に係る信号伝送方法を実現することが可能な送信側及び受信側の具体的な構成について詳細に説明する。次いで、図17を参照しながら、高速データ及び低速データの復号に用いるクロックの再生方法、及びこの方法を実現することが可能なクロック再生回路の構成について説明する。次いで、図18を参照しながら、低速データを復号するための復号部の具体的な構成について説明する。次いで、図19A〜図19C、図20を参照しながら、パーシャル・レスポンス符号を適用した場合の高速データの信号波形及び信号伝送方法について説明する。
最後に、本実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について簡単に説明する。
(説明項目)
1:はじめに
1−1:シリアル伝送方式について
1−2:新方式(多値伝送方式)について
2:実施形態
2−1:信号伝送方法・動作制御方法の概要
2−2:信号伝送方法の詳細
2−2−1:送信側の構成
2−2−2:受信側の構成
3:まとめ
<1:はじめに>
以下で本発明の一実施形態に係る技術について詳細な説明を行うが、これに先立ち、本実施形態の技術を適用可能なシリアル伝送方式、及び上記の新方式について説明する。
[1−1:シリアル伝送方式について]
まず、図1を参照しながら、シリアル伝送方式を採用した携帯端末10の装置構成について簡単に説明する。図1は、シリアル伝送方式を採用した携帯端末10の装置構成の一例を示す説明図である。
図1には、携帯端末10の一例として携帯電話が模式的に描画されている。しかし、以下で説明する技術の適用範囲は携帯電話に限定されない。例えば、ノートPC等の情報処理装置や各種の携帯型電子機器にも適用可能である。また、以下の説明においては、一例として画像データが伝送されるケースについて述べるが、伝送される信号の種類はこれに限定されない。例えば、制御データや音声データ等の信号が伝送されてもよい。
図1に示すように、携帯端末10は、主に、操作部12と、ヒンジ部14と、表示部16と、を有する。操作部12は、ベースバンドプロセッサ22(BBP)と、パラレル信号ライン24と、シリアライザ26とを有する。ヒンジ部14には、シリアル信号ライン28が配線されている。また、表示部16は、主に、デシリアライザ30と、パラレル信号ライン32と、液晶部34(LCD)と、を有する。但し、LCDは、Liquid Crystal Displayの略である。
液晶部34は、表示部16に設けられている。液晶部34は、画像データを表示する表示手段の一例である。ここでは一例としてLCDを示したが、表示部16に設けられる表示手段の種類はこれに限定されない。例えば、表示部16に設けられる表示手段は、OELD(Organic Electro−Luminescent Display)やPDP(Plasma Display Panel)等であってもよい。
また、ヒンジ部14は、表示部16と操作部12とを接続する部材(以下、接続部材)により形成される。この接続部材は、例えば、表示部16をZ−Y平面内で180度回転できるようにしたり、或いは、X−Z平面内で表示部16を回転できるようにしたりする可動構造を有している。また、この接続部材は、自由な方向に表示部16を配置できるような可動構造を有していてもよい。
また、ベースバンドプロセッサ22は、携帯端末10の通信制御やアプリケーションの実行機能を提供する演算処理部の一例である。ベースバンドプロセッサ22は、制御データや画像データ等をパラレル信号の形で出力する。例えば、画像データのパラレル信号は、表示部16に伝送され、液晶部34における画面表示に用いられる。このようなパラレル信号をそのまま伝送するには、多数の信号線が必要になる。例えば、一般的な携帯電話の画面表示に用いられるパラレル信号線の本数は約50本である。
そのため、パラレル伝送方式を採用する一般的な折り畳み式携帯電話の場合、ヒンジ部分に約50本のパラレル信号線が配線されている。そのため、ヒンジ部分の可動範囲は、多くの場合、一方向に限られている。仮に、図1に示した携帯端末10のように、Z−Y平面内で180度回転できるようにすると、ヒンジ部分に配線された約50本のパラレル信号線に捻れや引っ張りの力が加わり、その力が強いとパラレル信号線が断線してしまう。そのため、パラレル伝送方式を採用する一般的な折り畳み式携帯電話の場合、ヒンジ部分の可動範囲が限られていた。
しかし、デザイン性やユーザの利便性を向上させるために、断線の危険を回避しつつ、ヒンジ部分の可動範囲を広げる工夫が求められている。こうした要求を受けて、図1に示すようなシリアル伝送方式の携帯端末10が考案されたのである。携帯端末10は、操作部12から表示部16に信号を伝送する際、パラレル信号を一旦シリアル信号に変換してから伝送する。そのため、携帯端末10のヒンジ部14に配線される信号線の本数は、パラレル伝送方式を採用する一般的な携帯電話に比べて格段に少ない。以下、携帯端末10の構成について、より詳細に説明する。
携帯端末10は、ヒンジ部14に配線されたシリアル信号ライン28を通じ、シリアル伝送方式に基づいて画像データ等のデータを伝送する。そのため、操作部12には、シリアライザ26が設けられている。シリアライザ26は、ベースバンドプロセッサ22から出力されたパラレル信号をシリアル化するものである。一方、表示部16には、デシリアライザ30が設けられている。デシリアライザ30は、シリアル信号ライン28を通じて伝送されるシリアル信号をパラレル化するものである。
ベースバンドプロセッサ22から出力されたパラレル信号は、パラレル信号ライン24を介してシリアライザ26に入力される。パラレル信号が入力されると、シリアライザ26は、入力されたパラレル信号をシリアル化してシリアル信号を生成する。シリアライザ26により生成されたシリアル信号は、シリアル信号ライン28を通じてデシリアライザ30に入力される。シリアル信号が入力されると、デシリアライザ30は、入力されたシリアル信号をパラレル化してパラレル信号を生成する。デシリアライザ30により生成されたパラレル信号は、パラレル信号ライン32を通じて液晶部34に入力される。
上記の通り、シリアル信号ライン28は、データ信号の伝送に利用される。但し、シリアル信号ライン28は、データ信号とクロックとを共に伝送するために利用されてもよい。シリアル信号ライン28の配線数kは、一般的な携帯電話のヒンジ部分に配線されるパラレル信号ラインの配線数nよりも大幅に少ない(1≦k≪n)。また、シリアル信号ライン28の配線数kは、電源ラインにデータ信号及びクロックを重畳して伝送する方式(例えば、上記の新方式等)を利用した場合、1程度にまで低減される。
このように、シリアル伝送方式を採用すると、一般的な携帯電話で用いられるパラレル伝送方式を採用した場合に比べ、ヒンジ部14に配線される信号線の数を大幅に低減させることができる。ヒンジ部14に配線される信号線の本数が減ることにより、信号線の信頼性を維持しつつ、ヒンジ部14の可動範囲を大きくすることができる。例えば、信号線の本数を1本程度に減らすと、ヒンジ部14の変形に伴う信号線のねじれや引っ張り等が生じ難くなるため、信号線が断線する危険性は大幅に低くなる。
以上、携帯端末10の装置構成について簡単に説明した。シリアル伝送方式を採用した携帯端末10の装置構成は概ね上記の通りである。上記のように、シリアル伝送方式を採用することにより、ヒンジ部14に配線される信号線の本数を減らすことができる。但し、信号線の本数は、シリアル信号ライン28に流れる信号の特性や伝送方法に依存する。例えば、直流成分を含まないデータ信号を電源ラインに重畳して伝送する伝送方式の場合、データラインと電源ラインとを1〜2本程度に纏めることができるようになる。
ところで、多くの場合、シリアル信号ライン28に流れるデータ信号は符号化されている。つまり、データを送信する際、携帯端末10は、データを符号化して符号化データに変換し、符号化データに基づいて生成されたデータ信号をシリアル信号ライン28で伝送する。また、携帯端末10は、シリアル信号ライン28で伝送されたデータ信号の振幅値をコンパレータにより検出し、符号化データを復元する。さらに、携帯端末10は、符号化データを復号して元のデータを復元する。
符号化データの復号処理は、符号化データの生成時に用いたクロックが利用される。このクロックは、通常、PLLを用いてデータ信号から再生される。しかし、最近、PLLを用いずにデータ信号からクロックを再生することが可能な符号化方法(新方式)が考案された。この符号化方法を用いると、データ信号の受信側(例えば、表示部16)にPLLを設けずに済むようになり、消費電力を低減することができる。また、PLLを設けない分だけ回路規模を縮小することができる。携帯端末10のような小型の電子機器においては、省電力化が強く求められており、新方式の符号化方法を用いることが望まれる。
[1−2:新方式(多値伝送方式)について]
ここで、図2〜図4を参照しながら、新方式の符号化方法について簡単に説明する。なお、以下では、AMI符号をベースとする新方式の符号化方法に関して具体的な説明を試みるが、新方式の符号化方法に適用可能な符号の種類はAMI符号に限定されない。例えば、パーシャル・レスポンス符号、マンチェスター符号、CMI符号、その他のバイポーラ符号やバイフェーズ符号等も適用対象に含まれる。
(AMI符号の信号波形について)
まず、AMI符号について簡単に説明する。図2を参照しながら、AMI符号の信号波形、及びAMI符号の特性について簡単に説明する。図2は、AMI符号の信号波形の一例を示す説明図である。AMI符号は、データ0を電位0で表現し、データ1を電位A又は−A(Aは任意の正数)で表現することで得られる。但し、電位Aと電位−Aとは交互に繰り返される。つまり、電位Aでデータ1が表現された後、再びデータ1が現れた場合、そのデータ1は電位−Aで表現される。このように極性反転を繰り返してデータが表現されるため、AMI符号は、ほとんど直流成分を含まない符号となる。
AMI符号と同様の特性を持つ符号としては、例えば、PR(1,−1)、PR(1,0,−1)、PR(1,0,…,−1)等で表現されるパーシャル・レスポンス符号が挙げられる。このように極性反転を利用してデータを表現する伝送符号のことをバイポーラ符号と呼ぶ。なお、後述する新方式の符号化方法には、ダイコード符号やバイフェーズ符号等を利用することも可能である。但し、以下の説明においては、デューティ100%のAMI符号をベースとする符号化方法について述べる。
図2には、期間T1〜T14のAMI符号が模式的に記載されている。図中において、データ1は、タイミングT2、T4、T5、T10、T11、T12、T14に現れている。タイミングT2において電位Aである場合、タイミングT4では電位−Aとなる。また、タイミングT5では電位Aとなる。このように、データ1に対応する振幅は、プラスとマイナスとが交互に反転する。なお、プラス・マイナスが交互に反転する特性を極性反転と呼ぶことにする。一方、データ0に関しては全て電位0で表現される。
こうした表現によりAMI符号は直流成分をほとんど含まない符号となる。但し、タイミングT6、…、T9に見られるようにデータの組み合わせによっては電位0が連続する区間が現れてしまう。このように電位0が連続すると、PLLを用いずに信号波形からクロック成分を取り出すことが難しくなる。つまり、受信側にPLLを設けることが必要になる。このような問題に鑑み、AMI符号(又は同等の特性を有する符号)にクロックを重畳して伝送する方法(新方式の符号化方法)が考案された。
(携帯端末10の機能構成)
以下、図3を参照しながら、新方式に係る携帯端末10の機能構成について説明する。図3は、新方式に係る携帯端末10の機能構成の一例を示す説明図である。但し、図3は、シリアライザ26、及びデシリアライザ30の機能構成を中心に描画した説明図であり、他の構成要素に関する記載を省略している。
(シリアライザ26)
まず、シリアライザ26について説明する。図3に示すように、シリアライザ26は、P/S変換部102と、エンコーダ104と、ドライバ106と、PLL部108と、タイミング制御部110と、により構成される。
図3に示すように、シリアライザ26には、ベースバンドプロセッサ22から、パラレル信号(P−DATA)と、パラレル信号用クロック(P−CLK)とが入力される。シリアライザ26に入力されたパラレル信号は、P/S変換部102によりシリアル信号に変換される。P/S変換部102により変換されたシリアル信号は、エンコーダ104に入力される。エンコーダ104は、シリアル信号にヘッダ等を付加して送信フレームを生成する。さらに、エンコーダ104は、生成した送信フレームを後述する新方式の符号化方法により符号化して伝送信号を生成する。
ここで、図4を参照しながら、エンコーダ104における符号化信号の生成方法について説明する。図4は、新方式に係る符号化方法の一例を示す説明図である。なお、図4には、AMI符号をベースとする符号化方法が記載されている。しかし、新方式の符号化方法に用いることが可能な符号の種類はこれに限定されず、AMI符号と同等の特性を有する他の符号を同様に用いることができる。例えば、新方式の符号化方法は、バイポーラ符号やパーシャル・レスポンス符号等に応用することもできる。
図4(C)の符号波形は、新方式の符号化方法により生成されたものである。この符号波形は、データ1を複数の電位A1(−1、−3、1、3)で表現し、データ0を電位A1とは異なる複数の電位A2(−2、2)で表現することにより得られたものである。この符号波形の特徴は、クロックの半周期毎に極性反転する点、及び連続して同じ電位とならない点にある。例えば、タイミングT6、…、T9においてデータ0が続く区間を参照すると、電位が−2、2、−2、2となっている。そのため、同じデータ値が連続して現れても、振幅の立ち上がり、立ち下がりの両エッジを検出することにより、PLLを用いずにクロック成分を検出することが可能になる。
このような符号波形は、例えば、図4(A)に示すようなAMI符号の符号波形に、図4(B)に示すようなクロックを同期加算する方法により得られる。この方法を実現するため、エンコーダ104は加算器ADDを備えている。まず、エンコーダ104は、入力されたシリアル信号をAMI符号に符号化し、図4(A)に示すようなAMI符号の符号波形を生成する。次いで、エンコーダ104は、生成したAMI符号の符号波形を加算器ADDに入力する。さらに、エンコーダ104は、図4(B)に示すようなクロックを発生させて加算器ADDに入力する。
但し、クロックは、図4(B)に示すように、AMI符号の伝送速度Fbの半分の周波数(Fb/2)を有する。さらに、このクロックは、AMI符号の振幅に比べてN倍(N>1;図4の例ではN=2)の大きさの振幅を有する。このように、AMI符号と、そのAMI符号が持つ振幅よりも大きな振幅を有するクロックとを加算することにより、図4(C)に示すように、クロックの半周期毎に振幅がゼロクロスする符号波形が得られる。このとき、AMI符号の符号波形とクロックとはエッジを揃えて同期加算される。このようにしてエンコーダ104により新方式の符号波形(伝送信号)が生成される。
なお、新方式の符号波形は1つのデータに対して複数の振幅レベルを有する。例えば、図4(C)に例示した新方式の符号波形は、振幅レベルとして3、2、1、−1、−2、−3の6値を取り得るものである。そのうち、2、−2はデータ0に対応し、3、1、−1、−3はデータ1に対応する。つまり、新方式の符号は多値符号(図4の例では6値符号)である。また、新方式の符号波形が持つ周波数スペクトラムは、図5に示すような形状になる。上記の通り、新方式の符号にはクロック成分が含まれているため、周波数スペクトラムにも、クロック周波数Fb/2の位置に線スペクトルが現れている。
以上、エンコーダ104による符号化方法、及びエンコーダ104により生成される符号波形の特徴について説明した。なお、ここでは説明を簡単にするためにAMI符号とクロックとを同期加算して新方式の符号波形を生成する方法について述べたが、所定の符号則に基づいてデータを新方式の符号波形に直接エンコードする方法もある。例えば、図4の例では、所定の符号則に基づいてデータ列0、1、0、1、1、0、…、1から振幅レベル2、−1、2、−3、3、−2、…、−1を決定することで、その決定結果に基づいて新方式の符号波形が生成される。
再び図3を参照する。上記のようにしてエンコーダ104により符号化されたシリアル信号は、ドライバ106に入力される。ドライバ106は、入力されたシリアル信号をLVDSによる差動伝送方式でデシリアライザ30に伝送する。一方、シリアライザ26に入力されたパラレル信号用クロックは、PLL部108に入力される。
PLL部108は、パラレル信号用クロックからシリアル信号用クロックを生成し、P/S変換部102、及びタイミング制御部110に入力する。タイミング制御部110は、入力されるシリアル信号用クロックに基づいてエンコーダ104によるシリアル信号の送信タイミングを制御する。このようにしてシリアライザ26からデシリアライザ30にシリアル信号が伝送される。
(デシリアライザ30)
次に、デシリアライザ30について説明する。図3に示すように、デシリアライザ30は、主に、レシーバ112と、デコーダ114と、S/P変換部116と、タイミング制御部120と、クロック検出部118と、により構成される。なお、クロック検出部118は、PLLを持たない。
さて、デシリアライザ30には、LVDSによる差動伝送方式でシリアライザ26からシリアル信号が伝送される。このシリアル信号は、レシーバ112により受信される。レシーバ112により受信されたシリアル信号は、デコーダ114、及びクロック検出部118に入力される。デコーダ114は、入力されたシリアル信号のヘッダを参照してデータの先頭部分を検出し、エンコーダ104により符号化されたシリアル信号を復号する。
ここで、再び図4を参照しながら、デコーダ114による復号方法について説明する。上記の通り、シリアル信号は、エンコーダ104により6値の振幅レベルを持つ符号波形に符号化されている。そこで、デコーダ114は、複数の閾値レベルを基準にして閾値判定を行い、各振幅レベルをコンパレートする。そして、デコーダ114は、閾値判定により得られた各振幅レベルを元のデータに変換することで、エンコーダ104により符号化されたシリアル信号を復号する。
例えば、図4(C)に示す4つの閾値(L1、L2、L3、L4)を用いることにより、データ1に対応する振幅レベルA1(−1、−3、1、3)と、データ0に対応する振幅レベルA2(−2、2)とが判別される。まず、デコーダ114は、入力された信号の振幅レベルと上記の4つの閾値レベルとを比較し、振幅レベルがA1であるか、A2であるかを判定する。次いで、デコーダ114は、振幅レベルがA1と判定されたタイミングでデータ1を出力し、振幅レベルがA2と判定されたタイミングでデータ0を出力することにより、エンコーダ104により符号化されたシリアル信号を復号する。
再び図3を参照する。このようにしてデコーダ114により復元されたシリアル信号はS/P変換部116に入力される。S/P変換部116は、入力されたシリアル信号をパラレル信号(P−DATA)に変換する。S/P変換部116で変換されたパラレル信号は、液晶部34に入力される。パラレル信号が映像信号である場合、液晶部34により映像信号に基づいて映像が表示される。
さて、上記の復号処理を実行するにはクロックが必要になる。このクロックは、クロック検出部118により供給される。クロック検出部118は、レシーバ112により受信した信号からクロック成分を検出する。そして、クロック検出部118は、検出したクロック成分を用いて元のクロックを再生する。先に述べた通り、新方式の符号波形は、AMI符号にクロックを同期加算して得られるものである。そして、この符号波形は、クロックの半周期毎に極性が反転する。そのため、クロック成分は、受信信号の振幅レベルがゼロクロスするタイミングを検出することで得られる。つまり、クロック検出部118は、PLLを用いずにクロックを再生することができる。そして、PLLを設けずに済む分だけ、デシリアライザ30の消費電力及び回路規模を低減させることが可能になる。
クロック検出部118は、受信信号から検出したクロック成分を用いて元のクロックを再生する。そして、クロック検出部118により再生されたクロックは、デコーダ114、及びタイミング制御部120に入力される。デコーダ114に入力されたクロックは、デコーダ114における復号処理に用いられる。また、タイミング制御部120は、クロック検出部118から入力されたクロックに基づいて受信タイミングを制御する。また、タイミング制御部120に入力されたクロックは、パラレル信号用クロック(P−CLK)に変換され、液晶部34に向けて出力される。
なお、デコーダ114、及びクロック検出部118で実施される閾値判定処理は、各閾値に対応するコンパレータを用いて実行される。例えば、クロック検出部118は、閾値L0を持つコンパレータの出力結果に基づいてクロック成分を抽出する。また、デコーダ114は、6値の振幅レベル3、2、1、−1、−2、−3を判定するために、4つの閾値L1(2.5)、L2(1.5)、L3(−1.5)、L4(−2.5)を持つコンパレータを利用する。そして、これらコンパレータの出力結果に基づいて振幅レベルが判定される。さらに、その判定結果に基づいて元のNRZデータが復元される。
このように、直流成分を含まず、極性反転周期からクロック成分を検出することが可能な新方式の符号を利用することで、デシリアライザ30にて実行されるクロックの検出にPLLを用いずに済み、携帯端末10の消費電力が大きく低減する。なお、上記の例ではLVDSによる差動伝送方式が例示されていたが、直流電源から供給される電力信号に新方式の符号波形を重畳して伝送することも可能である。このような構成にすることで、ヒンジ部14の可動範囲をさらに拡大することが可能になる。
(省電力化に関する考察)
近年、携帯端末10の省電力化を進めるために、上記の新方式に係る符号化方法も含め、様々な方法が検討されている。例えば、高速なデータ伝送が求められる場合にはデータの伝送に係る回路(伝送回路)を常時動作させ、低速なデータ伝送しか求められない場合には伝送回路の動作を間欠的な動作に切り替えるという、動作制御の方法が提案されている。例えば、動画の再生が行われている場合、液晶部34に表示された画像が頻繁に更新されるため、連続して大量のデータが表示部16に送られる。一方、時計情報の更新、小さな表示オブジェクトの表示、制御情報の伝達の際には少量のデータしか表示部16に送られない。そのため、データの伝送が行われない場合又は伝送速度が小さい場合に伝送回路の動作が停止又は間欠動作に切り替えられ、その間は伝送回路の動作時間率が低減するため、消費電力が抑制される。
但し、伝送回路を停止又は間欠動作させる場合、伝送回路の起動・停止に一定の時間を要するため、間欠周期を短くしすぎると動作時間率を小さく出来ず、消費電力の低減を実現することが出来ない。一方、消費電力を低減させるために間欠動作の周期を長くすると、その時間分だけ伝送遅延が発生してしまう。例えば、素早い伝送が求められる制御データ等の場合、伝送遅延により制御処理に支障を来すことにもなりかねない。そこで、本件発明者は、データ量は少ないが素早い伝送を求められるデータ(以下、低速データ)の伝送に用いる伝送回路を常時動作させておき、データ量が多く、高い伝送速度が求められるデータ(以下、高速データ)の伝送に用いる伝送回路を間欠動作させる方法について検討を行った。また、低速データの信号と高速データの信号とを重畳して伝送する方法について検討を行った。
低速データの信号は、低速データの値(又は符号化データの値)に応じて低い周波数の搬送波を変調することにより得られる。一方、高速データの信号は、高速データの値(又は符号化データの値)に応じて高い周波数の搬送波を変調することにより得られる。両信号を重畳して得られる周波数スペクトラムは、図6に示すように、高速データの信号に対応する広帯域信号が高域に、低速データの信号に対応する狭帯域信号が低域に配置された形状となる。両信号の中心周波数が十分に離れていれば、帯域濾波器等を利用して両信号を重畳した重畳信号から各信号を容易に分離することができる。しかし、各信号の周波数スペクトラムの広がりが大きいと信号間の干渉が大きくなる。その結果、各信号を正しく分離することが難しくなり、伝送誤り率が増加してしまう。このような問題を解消するには、広帯域信号を低域において十分減衰させればよい。
さて、図6に例示した広帯域信号における搬送波、データクロック、データ、符号(変調波)の関係は、図7に例示されている。搬送波は、広帯域信号の中心周波数を持つ。また、データクロックは、その立ち下がりでデータの変化点を示す。そして、データと搬送波とを掛け合わせたものが広帯域信号(符号(変調波))となる。図7に示すように、搬送波とデータクロックとのタイミングがずれていると、広帯域信号に半端なタイミングが生じてしまう。
このような半端なタイミングが生じていると、広帯域信号の波形に基づいてクロックを再生する際に正しいタイミングを持つクロックの再生が難しくなる。この問題を解決するためには、図9に示すように、搬送波の周波数を広帯域信号の帯域幅(主波の幅)で除した値が整数になるようにすればよい。但し、図9に示すように、広帯域信号と狭帯域信号との間に未使用の帯域が生じてしまう。このように、未使用の帯域が生じると、広帯域信号における伝送速度の低下に繋がる。
また、広帯域信号を低域において十分減衰させる方法としては、図8に示すように、広帯域信号の低域成分をフィルタでカットする方法が考えられる。例えば、AMI符号等の直流成分を持たないベースバンド信号の低域成分をフィルタでカットし、カットされた位置に狭帯域信号を配置する方法が考えられる。しかし、この方法を適用すると、低域成分がフィルタでカットされることにより広帯域信号に歪みが生じてしまう。その結果、広帯域信号の伝送品質が低下してしまう。
<2:実施形態>
上記のような問題点に鑑み、本件発明者は、低速データの信号(低域の狭帯域信号)と高速データの信号(高域の広帯域信号)とが干渉することなく共存可能な符号化方法及び伝送方法を考案した。この方法を適用すると、簡単な制御で高速データに用いる伝送回路の動作・停止を切り替えることが可能になる。そのため、簡単な制御で消費電力の低減を図ることが可能になる。以下、本発明の一実施形態に係る信号伝送方法、及び伝送回路の動作制御方法について説明する。なお、伝送回路と表現した場合、その表現は、送信回路、受信回路の両方を念頭に置いて記述されている場合がある。
[2−1:信号伝送方法・動作制御方法の概要]
まず、図10〜図14Cを参照しながら、本実施形態に係る信号伝送方法・動作制御方法の概要について説明する。図10は、本実施形態に係る信号伝送方法・動作制御方法を実現することが可能な送信側の構成例を示す説明図である。図11は、本実施形態に係る信号伝送方法・動作制御方法を実現することが可能な受信側の構成例を示す説明図である。図12は、本実施形態に係る信号伝送方法を適用した場合における伝送時の高速データと低速データとの間の時間的な関係を示す説明図である。図13、図14A〜図14Cは、本実施形態に係る高速データの構成及び符号化方法の一例を示す説明図である。
(送信側の構成)
まず、送信側の構成について説明する。図10に示すように、送信側の構成には、低速データ送信部202と、高速データ送信部204と、制御回路206と、加算器208とが含まれる。低速データ送信部202は、低速データの送信に用いる伝送回路の一例である。高速データ送信部204は、高速データの送信に用いる伝送回路の一例である。また、制御回路206は、低速データ送信部202の動作、及び高速データ送信部204の動作を制御する回路である。そして、加算器208は、低速データ送信部202から出力された低速データ信号と、高速データ送信部204から出力された高速データ信号とを加算する回路である。
データ量の小さい低速送信データは、低速データ送信部202に入力される。また、データ量の大きい高速送信データは、高速データ送信部204に入力される。低速送信データが入力されると、低速データ送信部202は、その低速送信データを符号化して低速伝送用符号化データを生成し、低速伝送用符号化データに基づいて得られた低速データ信号を出力する。また、高速送信データが入力されると、高速データ送信部204は、その高速送信データを符号化して高速伝送用符号化データを生成し、高速伝送用符号化データに基づいて得られた高速データ信号を出力する。
低速データ送信部202から出力された低速データ信号は、加算器208に入力される。また、高速データ送信部204から出力された高速データ信号は、加算器208に入力される。低速データ信号及び高速データ信号が入力されると、加算器208は、これら低速データ信号と高速データ信号とを加算して加算信号(送信信号)を出力する。加算器208から出力された加算信号は、所定の信号ラインを通じて受信側へと伝送される。低速送信データは、例えば、制御データ、センサデータ、音声データ等である。高速送信データは、例えば、液晶部34に表示される画像データ等である。所定の信号ラインは、例えば、シリアル信号ライン28である。
また、高速送信データが高速データ送信部204に入力されていない場合、制御回路206は、高速データ送信部204の動作を停止させる。このとき、制御回路206は、高速データ信号の生成及び送信に用いるクロックの生成回路も停止させる。逆に、高速送信データが高速データ送信部204に入力されると、制御回路206は、クロックの生成回路も含め、高速データ送信部204の動作を開始させる。
当然のことながら、高速データ信号のデータクロックは、低速データのデータクロックよりも周波数が高い。また、高速データ信号の生成に用いる搬送波の周波数は、低速データ信号の生成に用いる搬送波の周波数よりも高い。そのため、高速データ送信部204には高速な動作が求められる。結果として、高速データ送信部204は、動作時に低速データ送信部202に比べて多くの電力を消費してしまう。つまり、高速データ送信部204の消費電力は、低速データ送信部202の消費電力よりも大きい。
従って、制御回路206により高速データ送信部204の動作を制御することで、送信側の消費電力を効果的に抑制することが可能になる。一方、制御回路206は、低速データ送信部202を常時動作させる。低速データ送信部202が常時動作していることにより、低速データ送信部202の動作開始・動作停止に伴う遅延が発生しなくなる。そのため、低速送信データは、低速データ送信部202から素早く送信される。その結果、制御データやセンサデータ等、許容される遅延時間の短いデータが素早く受信側に伝達され、伝送遅延に伴う不具合の発生を回避することが可能になる。
(受信側の構成)
次に、受信側の構成について説明する。図11に示すように、受信側の構成には、低速データ受信部212と、高速データ受信部214と、制御回路216とが含まれる。低速データ受信部212は、低速データの受信に用いる伝送回路の一例である。高速データ受信部214は、高速データの受信に用いる伝送回路の一例である。また、制御回路216は、低速データ受信部212、及び高速データ受信部214の動作を制御する回路である。なお、低速データ受信部212、及び高速データ受信部214には、送信側の加算器208により生成された加算信号(受信信号)が入力される。
加算信号が入力されると、低速データ受信部212は、加算信号から低速データ信号を分離する。そして、低速データ受信部212は、分離した低速データ信号から低速送信データを復元し、復元した低速送信データを低速受信データとして出力する。また、低速データ受信部212は、加算信号から分離した低速データ信号を高速データ受信部214に入力する。低速データ信号及び加算信号が入力されると、高速データ受信部214は、低速データ信号を用いて加算信号から高速データ信号を分離する。そして、高速データ受信部214は、分離した高速データ信号から高速送信データを復元し、復元した高速送信データを高速受信データとして出力する。
また、高速送信データが送信されていない場合、制御回路216は、高速データ受信部214の動作を停止させる。このとき、制御回路216は、高速データ信号の分離及び高速送信データの復元に用いるクロックの生成回路も停止させる。逆に、高速送信データが送信された場合、制御回路216は、クロックの生成回路も含め、高速データ受信部214の動作を開始させる。但し、高速送信データが送信されたか否かを示すデータ(以下、動作制御データ)は、低速送信データの形で送信される。そのため、動作制御データは、低速データ受信部212により受信され、制御回路216に入力される。そして、制御回路216は、入力された動作制御データに応じて高速データ受信部214の動作を制御する。
制御回路216は、低速データ受信部212を常時動作させる。低速データ受信部212が常時動作していることにより、低速データ受信部212の動作開始・動作停止に伴う遅延の発生が生じなくなる。そのため、動作制御データが送信された場合、低速データ受信部212は、動作制御データを素早く受信できるようになる。また、動作制御データに限らず、低速送信データを低速データ受信部212により素早く受信できるようになる。その結果、制御データやセンサデータ等、許容される遅延時間の短いデータを素早く受信することが可能になり、伝送遅延に伴う不具合の発生を回避することができる。
(符号化方法)
次に、図12、図13、図14A〜図14Cを参照しながら、本実施形態の信号伝送方法に係る符号化方法について説明する。上記の通り、本実施形態に係る信号伝送方法は、低速データ信号と高速データ信号とを加算して伝送する方法である。そのため、図12に示すように、本実施形態に係る信号伝送方法は、同じ時間内で両信号が同時に送受信されるタイミングが存在する。そこで、低速データ信号と高速データ信号との干渉を避ける工夫が求められる。
こうした要求に対し、本件発明者は、図13に示すように、低速データ信号の半周期毎にDCオフセットが0となる高速データ信号を送信する方法を考案した。ここで言うDCオフセットとは、ある期間における振幅値の合計値である。例えば、図14Aは、DCオフセットが0となる2値信号の波形を示したものである。図14Aの例では、振幅値が{+1,−1,+1,−1,−1,+1,−1,+1}となっており、これら振幅値の合計は0となる。つまり、図14Aに例示した期間において、この2値信号のDCオフセットは0である。同様に、図14BにはDCオフセットが0の3値信号の一例が、図14CにはDCオフセットが0の5値信号の一例が示されている。
低速データ信号の半周期毎にDCオフセットが0になる高速データ信号と、低速データ信号とを加算して得られた加算信号は、次の方法を用いて低速データ信号と高速データ信号とに分離される。まず、この加算信号の振幅値を低速データ信号の半周期毎に平均化する。例えば、ある区間で低速データ信号の振幅値が1、その区間で高速データ信号の振幅値が{−1,1,−1,1}(DCオフセット=0)の場合、その区間で加算信号の振幅値{0,2,0,2}を平均すると(0+2+0+2)/4=1になる。つまり、加算信号の振幅値を低速データ信号の半周期毎に平均化することで高速データ信号の振幅値が0になってしまうのである。
従って、加算信号から低速データ信号を容易に分離することができる。また、低速データ信号が得られると、加算信号から低速データ信号を減算することにより高速データ信号が得られる。つまり、平均化処理及び減算処理により加算信号から低速データ信号と高速データ信号とを容易に分離することが可能になる。なお、低速データ信号の半周期毎にDCオフセットが0となる高速データ信号は、上記の高速データ送信部204により生成される。また、上記の平均化処理は、上記の低速データ受信部212により実行される。そして、上記の減算処理は、上記の高速データ受信部214により実行される。
上記の符号化方法、及び信号伝送方法を適用することにより、低速データ信号と高速データ信号との干渉が回避される。また、制御データ等、低速送信データを素早く送受信することができるため、伝送遅延に伴う不具合が回避される。さらに、高速データ送信部204、高速データ受信部214の動作を制御することにより、消費電力が効果的に低減される。以上説明したように、本実施形態に係る信号伝送方法・動作制御方法は、信号間の干渉を回避し、低速送信データの伝送遅延を回避しつつ、消費電力を効果的に低減するものである。
[2−2:信号伝送方法の詳細]
以下、本実施形態に係る信号伝送方法について、より具体的に説明する。なお、以下の説明では、動作制御に関する構成要素の記載は省略している。
(2−2−1:送信側の構成)
まず、図15を参照しながら、本実施形態に係る送信側の構成について、より詳細に説明する。図15は、本実施形態に係る送信側の構成例をより詳細に示したものである。
図15に示すように、送信側の構成には、PS変換部232、236、符号化部234、238、及び加算器240が含まれる。PS変換部232は、パラレルデータの形で入力される高速送信データをシリアル化する手段である。そして、符号化部234は、高速送信データを符号化し、高速データ信号を生成する手段である。また、PS変換部236は、パラレルデータの形で入力される低速送信データをシリアル化する手段である。さらに、符号化部238は、低速送信データを符号化し、低速データ信号を生成する手段である。また、加算器240は、高速データ信号と低速データ信号とを加算する手段である。
PS変換部232には、高速送信データがパラレルデータの形で入力される。例えば、ベースバンドプロセッサ22から出力され、パラレル信号ライン24を介してシリアライザ26に入力される画像データは、高速送信データの一例である。また、PS変換部232には、高速データ用のワードクロック、及びビットクロックが入力される。
PS変換部232は、ワードクロックが示すタイミングで高速送信データを取り込み、パラレルデータをシリアルデータに変換する。そして、PS変換部232は、ビットクロックが示すタイミングでシリアルデータに変換された高速送信データを出力する。PS変換部232により出力された高速送信データは、符号化部234に入力される。なお、1ワードを何ビットに設定するかは実施の態様に応じて適宜設定される。
符号化部234には、PS変換部232から入力される高速送信データの他、高速データ用のビットクロック及びシンボルクロックが入力される。高速送信データが入力されると、符号化部234は、ビットクロックが示すタイミングで高速送信データを取り込み、取り込んだ高速送信データを符号化する。このとき、符号化部234は、高速送信データを符号化し、低速データ信号の半周期(1/2シンボルクロック(低速))毎にDCオフセットが0となる符号化データを生成する。さらに、符号化部234は、生成した符号化データに基づいて高速データ信号を生成し、シンボルクロックが示すタイミングで出力する。符号化部234により生成された高速データ信号は、加算器240に入力される。
一方、PS変換部236には、低速送信データがパラレルデータの形で入力される。例えば、ベースバンドプロセッサ22から出力され、パラレル信号ライン24を介してシリアライザ26に入力される表示制御データは、低速送信データの一例である。また、PS変換部236には、低速データ用のワードクロック、及びビットクロックが入力される。低速送信データが入力されと、PS変換部236は、ワードクロック及びビットクロックを用いて低速送信データをシリアル化する。PS変換部236によりシリアル化された低速送信データは、符号化部238に入力される。
符号化部238には、PS変換部236から入力される低速送信データの他、低速データ用のビットクロック及びシンボルクロックが入力される。低速送信データが入力されると、符号化部238は、ビットクロックが示すタイミングで低速送信データを取り込む。そして、符号化部238は、取り込んだ低速送信データを符号化して符号化データを生成する。さらに、符号化部238は、生成した符号化データに基づいて低速データ信号を生成し、シンボルクロックが示すタイミングで低速データ信号を出力する。但し、低速送信データの符号化に用いられる符号は、直流成分を含まない符号であることが好ましい。
符号化部238により出力された低速データ信号は、加算器240に入力される。高速データ信号及び低速データ信号が入力されると、加算器240は、高速データ信号と低速データ信号とを加算して加算信号を生成し、生成した加算信号を受信側に向けて出力する。この加算信号は、例えば、シリアル信号ライン28を通じて受信側に伝送される。
(2−2−2:受信側の構成)
次に、図16〜図18を参照しながら、本実施形態に係る受信側の構成について、より詳細に説明する。図16〜図18は、本実施形態に係る送信側の構成例をより詳細に示したものである。
図16に示すように、受信側の構成には、クロック再生回路252と、復号部254(低速)と、SP変換部256と、遅延回路258と、減算器260と、復号部262(高速)と、SP変換部264とが含まれる。クロック再生回路252は、各種のクロックを再生する手段である。復号部254は、加算信号から低速データ信号を分離し、低速送信データを復元する手段である。SP変換部256は、復号部254により復元された低速送信データ(以下、低速データ)をパラレル化する手段である。
遅延回路258は、復号部254により低速データ信号が分離される間、減算器260に入力される加算信号を遅延させる手段である。減算器260は、加算信号から低速データ信号を減算する手段である。復号部262は、高速データ信号から高速送信データを復元する手段である。そして、SP変換部264は、復号部262により復元された高速送信データ(以下、高速データ)をパラレル化する手段である。
送信側から伝送された加算信号(受信信号)は、クロック再生回路252、復号部254、及び遅延回路258に入力される。加算信号が入力されると、クロック再生回路252は、加算信号から低速データ用のワードクロック、ビットクロック、シンボルクロック、及び、高速データ用のワードクロック、ビットクロック、シンボルクロックを再生する。
クロック再生回路252により再生された低速データ用のワードクロックは、SP変換部256に入力される。また、低速データ用のビットクロックは、復号部254、SP変換部256に入力される。さらに、低速データ用のシンボルクロックは、復号部254、及び遅延回路258に入力される。また、クロック再生回路252により再生された高速データ用のワードクロックは、SP変換部264に入力される。そして、高速データ用のビットクロックは、復号部262、及びSP変換部264に入力される。さらに、高速データ用のシンボルクロックは、復号部262に入力される。ここで、クロック再生回路252の構成について、図17を参照しながら、より詳細に説明する。
図17は、クロック再生回路252の詳細な構成例を示す説明図である。図17に示すように、クロック再生回路252は、低速データ用シンボルクロック再生部272と、低速データ用ビットクロック再生部274と、低速データ用ワードクロック再生部276と、高速データ用シンボルクロック再生部278と、高速データ用ビットクロック再生部280と、高速データ用ワードクロック再生部282と、により構成される。
クロック再生回路252に入力された加算信号は、まず、低速データ用シンボルクロック再生部272に入力される。低速データ用シンボルクロック再生部272は、加算信号から低速データ用のシンボルクロックを再生する。そして、低速データ用シンボルクロック再生部272により再生された低速データ用シンボルクロックは、復号部254に向けて出力される。さらに、低速データ用シンボルクロックは、低速データ用ビットクロック再生部274、低速データ用ワードクロック再生部276、高速データ用シンボルクロック再生部278に入力される。
低速データ用シンボルクロックが入力されると、低速データ用ビットクロック再生部274は、低速データ用シンボルクロックに基づいて低速データ用ビットクロックを再生する。また、低速データ用ワードクロック再生部276は、低速データ用シンボルクロックに基づいて低速データ用ワードクロックを再生する。また、低速データ用シンボルクロックが入力されると、高速データ用シンボルクロック再生部278は、低速データ用シンボルクロックに基づいて高速データ用シンボルクロックを再生する。
高速データ用シンボルクロック再生部278により再生された高速データ用シンボルクロックは、高速データ用ビットクロック再生部280、及び高速データ用ワードクロック再生部282に入力される。高速データ用シンボルクロックが入力されると、高速データ用ビットクロック再生部280は、高速データ用シンボルクロックに基づいて高速データ用ビットクロックを再生する。また、高速データ用ワードクロック再生部282は、高速データ用シンボルクロックに基づいて高速データ用ワードクロックを再生する。
低速データ用シンボルクロック、低速データ用ビットクロック、低速データ用ワードクロック、高速データ用シンボルクロック、高速データ用ビットクロック、高速データ用ワードクロックの間には所定の関係が存在する。そのため、上記のように低速データ用シンボルクロックから順次、低速データ用ビットクロック、低速データ用ワードクロック、高速データ用シンボルクロック、高速データ用ビットクロック、高速データ用ワードクロックが生成される。なお、各クロックの生成順序や生成方法については、上記の例に限定されず、実施の態様に応じて適宜変更可能である。
再び図16を参照する。クロック再生回路252から低速データ用シンボルクロックが入力されると、復号部254は、低速データ用シンボルクロックの半周期(1シンボル期間)毎に加算信号の振幅値を平均して低速データ信号を復元する。先に述べた通り、本実施形態においては、低速データ信号の1シンボル期間に高速データ信号のNシンボル(N≧2;Nは自然数)が含まれるよう、高速データ信号の生成時に符号化する方法が用いられている。また、低速データ信号の1シンボル期間で高速データ信号の振幅値を合計すると0になるような符号が用いられている。
そのため、低速データ用シンボルクロックの半周期毎に加算信号の振幅値を平均することで、高速データ信号の成分を0にすることができる。この平均処理は、例えば、次の3ステップで実行される。
(S1)クロック再生回路252から入力された高速データ用シンボルクロックが示すタイミングで加算信号の振幅値をサンプリングするステップ。
(S2)ステップS1でサンプリングされた振幅値を低速データ用シンボルクロックの半周期(1シンボル期間)にわたって積算し、積算値を算出するステップ。
(S3)ステップS3で算出された積算値を低速データの1シンボル期間に含まれる高速データのシンボル数Nで割り、平均値を算出するステップ。
これら3ステップにより得られた各シンボル期間の平均値を振幅値として持つ信号が低速データ信号である。また、これら平均値のデータ列は、低速データである。つまり、上記3ステップにより低速データが復号される。ここで、復号部254の具体的な構成について、図18を参照しながら、より詳細に説明する。図18は、復号部254の具体的な構成例を示す説明図である。
図18に示すように、復号部254は、例えば、加算器292と、レジスタ294と、復号回路298と、制御回路296とにより構成される。加算器292には、加算信号(受信信号)が入力される。レジスタ294、制御回路296には、高速データ用シンボルクロックが入力される。また、制御回路296、復号回路298には、低速データ用シンボルクロックが入力される。そして、復号回路298には、低速データ用ビットクロックが入力される。
レジスタ294は、加算器292による加算結果を保持する。また、加算器292には、加算信号に加え、レジスタ294により出力された信号が入力される。そして、加算器292は、加算信号とレジスタ294により出力された信号とを加算する。そのため、レジスタ294がリセット、ホールドするタイミングを適切に制御することにより、低速データの1シンボル期間にわたって加算信号の振幅値を積算することができる。
レジスタ294の制御は、制御回路296により行われる。制御回路296は、高速データ用シンボルクロック及び低速データ用シンボルクロックが示すタイミングに基づいてリセット信号及びホールド信号を出力する。制御回路296により出力されたリセット信号及びホールド信号は、レジスタ294に入力される。レジスタ294は、入力されたリセット信号、ホールド信号に応じてリセット、ホールドの動作を実行する。
レジスタ294は、リセット信号の入力に応じて、低速データの1シンボルの先頭でレジストの値を0とする。また、レジスタ294は、ホールド信号の入力に応じて、高速データ用シンボルクロックに同期して加算器292の出力をホールドする。このような動作により、低速データの各シンボルの最後には、高速データの影響が取り除かれたデータが得られる。レジスタ294の出力は、復号回路298に入力される。復号回路298は、レジスタ294の出力、低速データ用シンボルクロック、及び低速データ用ビットクロックを用いて低速データを復元する。
再び図16を参照する。上記のようにして低速データを復元すると、復号部254は、クロック再生回路252により入力された低速データ用ビットクロックが示すタイミングで低速データを出力する。復号部254により出力された低速データは、SP変換部256に入力される。また、復号部254により復元された低速データ信号は、減算器260に入力される。
低速データが入力されると、SP変換部257は、クロック再生回路252により入力された低速データ用ビットクロックが示すタイミングで低速データを取り込み、シリアルデータの形で入力された低速データをパラレルデータの形に変換する。そして、SP変換部257は、パラレルデータの形に変換された低速データをクロック再生回路252により入力された低速データのワードクロックが示すタイミングで出力する。このようにして低速データが受信される。
一方、加算信号が入力されると、遅延回路258は、加算信号の出力タイミングを調整し、クロック再生回路252により入力された低速データ用シンボルクロックが示すタイミングで加算信号を出力する。遅延回路258により出力された加算信号は、減算器260に入力される。このように加算信号を所定時間遅延させ、その出力タイミングを調整することにより、復号部254から減算器260に入力される低速データ信号のタイミングと加算信号のタイミングとが同期する。
低速データ信号及び加算信号が入力されると、減算器260は、加算信号から低速データ信号を減算し、高速データ信号を復元する。そして、減算器260により復元された高速データ信号は、復号部262に入力される。復号部262は、クロック再生回路252により入力される高速データ用シンボルクロックが示すタイミングで高速データ信号を取り込み、高速データ信号から高速データを復元する。そして、復号部262は、復元した高速データをクロック再生回路252から入力される高速データ用ビットクロックが示すタイミングで出力する。
復号部262から出力された高速データは、SP変換部264に入力される。高速データが入力されると、SP変換部264は、クロック再生回路252により入力される高速データ用ビットクロックが示すタイミングで高速データを取り込み、シリアルデータの形で入力される高速データをパラレルデータの形に変換する。そして、SP変換部264は、クロック再生回路252により入力される高速データ用ワードクロックが示すタイミングでパラレルデータの形に変換された高速データを出力する。このようにして高速データが受信される。
以上、本実施形態に係る信号伝送方法を実現することが可能な送信側及び受信側の構成について詳細に説明した。上記の構成を適用することにより、高速データ信号と低速データ信号との干渉を回避することが可能になる。
(具体例:パーシャル・レスポンス符号)
ここで、高速データにパーシャル・レスポンス符号を用いるケースについて紹介する。パーシャル・レスポンス符号は、図19Aに示す回路(減算器302、遅延回路304)を用いて生成される。つまり、入力データを1クロック分だけ遅延させ、符号を反転させることで、入力データをパーシャル・レスポンス符号に変換することができる。例えば、入力データ1に対するパーシャル・レスポンス符号の波形は、図19Bのようになる。一方、入力データ0に対するパーシャル・レスポンス符号は0である。
例えば、低速データの1シンボル期間に高速データのシンボルが4シンボル含まれるようにすると、図19Cに例示した低速データ信号と高速データ信号との関係が得られる。パーシャル・レスポンス符号は、直流成分を含まない符号である。そのため、図19Cの例からも明らかなように、高速データの4シンボル分でDCオフセットは0となる。なお、図19Cの例では、低速データの1シンボル期間で3ビットの高速データが伝送される。4ビット目を0としているのは、低速データの各シンボル期間の最後をシンボル値0にリセットするためである。このような構成することで、パーシャル・レスポンス符号が、低速データの隣り合うシンボル期間に跨らなくなる。
このように、パーシャル・レスポンス符号を用いた場合、低速データの1シンボル期間の中で高速データのシンボル値を合計すると0になるため、高速データ信号と低速データ信号とを加算しても、両信号は互いに干渉による影響を及ぼさない。なお、パーシャル・レスポンス符号を用いた場合、低速データ信号(L)、高速データ信号(H)、加算信号(C)は、図20に示すような信号波形となる。
以上、本実施形態の信号伝送方法を実現するための符号化方法にパーシャル・レスポンス符号を適用した場合の具体的な構成例について説明した。なお、高速データの生成に用いる符号としては、パーシャル・レスポンス符号の他、例えば、マンチェスター符号、AMI符号等、低速データの1シンボル期間中でシンボル値の合計を0にできる任意の符号を用いることができる。また、低速データの生成に用いる符号としては、例えば、直流成分を持たない任意の符号が用いられる。
(補足)
ここで、上記説明の中で登場した高速データ、低速データの性質、及び動作制御方法について説明を補足する。携帯端末10の操作部12と表示部16との間でやり取りされるデータには、例えば、液晶部34に表示される表示データ、表示部16に搭載されたカメラで撮像された撮像データ、音声データ、各種センサのデータ、液晶部34及びカメラを制御するための制御データがある。表示データ、撮像データは高速データである。一方、音声データ、各種センサのデータ、制御データは低速データである。
また、各種センサデータや制御データの一部は、許容可能な遅延時間が短い。そのため、低速データ用の伝送回路(送信回路、受信回路)で長い遅延時間が発生するのを回避する必要がある。また、低速データ用の伝送回路、及び高速データ用の伝送回路の制御を単純化することも求められる。本実施形態に係る動作制御方法は、低速データ用の伝送回路を常時動作させる方式を採用している。そのため、許容可能な遅延時間が短い低速データの伝送機会が生じても、伝送回路の起動時間に起因する伝送遅延が発生しない。また、高速データ用の伝送回路については、高速データの有無に応じて動作の開始・停止が適切に制御されるため、簡単な制御により、消費電力を効率的に低減することができる。
以上、本実施形態に係る信号伝送方法について詳細に説明した。
<3:まとめ>
最後に、本発明の実施形態に係る技術内容について簡単に纏める。ここで述べる技術内容は、例えば、PC、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯情報端末、情報家電、カーナビゲーションシステム等、種々の情報処理装置に対して適用することができる。
上記の情報処理装置の機能構成は、例えば、次のように表現することができる。当該情報処理装置は、次のような第1信号生成部、第2信号生成部、信号加算部、信号送信部、及び制御回路を有する。上記の第1信号生成部は、第1のデータから、周波数f1を有する第1のクロックに同期した第1のデータ信号を生成する。また、上記の第2信号生成部は、第2のデータから、周波数f2=N*f1(Nは自然数)を有する第2のクロックに同期し、かつ、前記第1のクロックの1周期について振幅を合計した値が0となる第2のデータ信号を生成する。
上記の第1のデータは、第2のクロックに比べて低い周波数f1を持つ第1のクロックに同期して送信される。そのため、第1のデータの伝送速度は、第2のデータよりも小さい。第1のデータの例としては、例えば、制御データ、センサデータ、音声データ等が挙げられる。制御データ、センサデータ、音声データ等のデータは、多くの場合、データ量が小さい。また、これらのデータは、許容可能な遅延時間が短い。
一方、上記の第2のデータは、第1のクロックに比べて高い周波数f2を持つ第2のクロックに同期して送信される。そのため、第2のデータの伝送速度は、第1のデータよりも大きい。第2のデータの例としては、例えば、画面上に表示される画像データやカメラ機能により撮影された画像データ等が挙げられる。画像データ等のデータは、多くの場合、データ量が大きい。また、これらのデータは、制御データ、センサデータ、音声データ等のデータに比べて許容可能な遅延時間が長い。
第1及び第2のデータには、上記のような特性の違いがある。もちろん、第1のデータに画像データ等が含まれていたり、第2のデータに音声データ等が含まれていたりしてもよい。但し、許容可能な遅延時間、及びデータ量の多少に応じて、第1のデータとして送信されるデータの種類と、第2のデータとして送信されるデータの種類とを使い分ける方が好ましい。
また、上記の信号加算部は、前記第1信号生成部により生成された第1のデータ信号と、前記第2信号生成部により生成された第2のデータ信号と、を加算して加算信号を生成する。そして、上記の信号送信部は、前記信号加算部により生成された加算信号を送信する。このように、本実施形態に係る情報処理装置は、第1のデータ信号と第2のデータ信号とを加算して送信する。
上記の通り、第1のデータ信号は、周波数f1を持つ第1のクロックに同期している。また、第2のデータ信号は、周波数f1のN倍の周波数f2を持つ第2のクロックに同期している。そのため、第1のデータ信号と第2のデータ信号とを加算すると、第1のデータ信号の振幅値が一定値となる第1のクロックの1/2周期の間に、第2のデータ信号の振幅変動が第2のクロックのN/2周期分だけ重畳された加算信号が得られる。
上記の通り、第2のデータ信号は、第1のクロックの1/2周期について振幅を合計した値が0となるように設定されている。そのため、加算信号の振幅値を第1のクロックの1/2周期毎に平均すると、第2のデータ信号の振幅成分が0となり、第1のデータ信号の成分が得られる。つまり、上記のような第2のデータ信号の生成方法を適用すると、加算信号から第1のデータ信号を容易に分離することが可能になる。さらに、加算信号から第1のデータ信号を減算することにより第2のデータ信号を容易に分離することが可能になる。
上記のように、本実施形態の技術を用いると、第1のデータ信号と第2のデータ信号とを同時に伝送することが可能になる。また、第2のデータの入力が停止されても、第1のデータが正しく伝送される。つまり、第1のデータ信号と第2のデータ信号との独立性が保たれている。そのため、第2のデータ信号の送信に関する構成要素の動作を停止させても、第1のデータの伝送には影響を与えずに済む。また、比較的低速な第1のクロックに同期して第1のデータ信号を送信するための構成要素は、比較的消費電力が少ない。
そこで、上記の制御回路は、前記第1信号生成部を常時動作させ、前記第2のデータを送信する場合に前記第2信号生成部を動作させ、前記第2のデータを送信しない場合には前記第2信号生成部の動作を停止させる。このように、第1のデータ信号の送信に関する構成要素を常時動作させておき、第2のデータ信号の送信に関する構成要素を間欠動作させることにより、伝送遅延を抑制しつつ、消費電力を効果的に低減させることができる。なお、上記の第2信号生成部の動作制御に伴い、第2のクロックを生成するためのクロック生成器の動作制御も上記の制御回路により行われる。
(備考)
上記の低速データ送信部202、符号化部238は、第1信号生成部の一例である。上記の高速データ送信部204、符号化部234は、第2信号生成部の一例である。上記の加算器208は、信号加算部、信号送信部の一例である。上記の低速データ受信部212、高速データ受信部214は、信号受信部の一例である。上記の低速データ受信部212、復号部254は、第1信号復元部、第1データ復元部の一例である。上記の高速データ受信部214、遅延回路258、減算器260、復号部262は、第2信号復元部、第2データ復元部の一例である。上記のクロック再生回路252は、クロック再生部の一例である。上記の低速データ送信部202は、クロック生成部を含む。また、上記のベースバンドプロセッサ22は、演算処理部の一例である。上記の携帯端末10は、信号処理装置の一例である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 携帯端末
12 操作部
14 ヒンジ部
16 表示部
22 ベースバンドプロセッサ
24、32 パラレル信号ライン
26 シリアライザ
28 シリアル信号ライン
30 デシリアライザ
34 液晶部
102 P/S変換部
104 エンコーダ
106 ドライバ
108 PLL部
110 タイミング制御部
112 レシーバ
114 デコーダ
116 S/P変換部
118 クロック検出部
120 タイミング制御部
202 低速データ送信部
204 高速データ送信部
206 制御回路
208 加算器
212 低速データ受信部
214 高速データ受信部
216 制御回路
232、236 PS変換部
234、238 符号化部
240 加算器
252 クロック再生回路
254、262 復号部
256、264 SP変換部
258 遅延回路
260 減算器
272 低速データ用シンボルクロック再生部
274 低速データ用ビットクロック再生部
276 低速データ用ワードクロック再生部
278 高速データ用シンボルクロック再生部
280 高速データ用ビットクロック再生部
282 高速データ用ワードクロック再生部
292 加算器
294 レジスタ
296 制御回路
298 復号回路
302 減算器
304 遅延回路

Claims (10)

  1. 第1のデータから、周波数f1を有する第1のクロックに同期した第1のデータ信号を生成する第1信号生成部と、
    第2のデータから、周波数f2=N*f1(Nは自然数)を有する第2のクロックに同期し、かつ、前記第1のクロックの1/2周期について振幅を合計した値が0となる第2のデータ信号を生成する第2信号生成部と、
    前記第1信号生成部により生成された第1のデータ信号と、前記第2信号生成部により生成された第2のデータ信号と、を加算して加算信号を生成する信号加算部と、
    前記信号加算部により生成された加算信号を送信する信号送信部と、
    前記第1信号生成部を常時動作させ、前記第2のデータを送信する場合に前記第2信号生成部を動作させ、前記第2のデータを送信しない場合には前記第2信号生成部の動作を停止させる制御回路と、
    を備える、信号処理装置。
  2. 前記信号送信部により送信された加算信号を受信する信号受信部と、
    前記第1のクロックの1周期毎に前記信号受信部により受信された加算信号の振幅値を平均して前記第1のデータ信号を復元する第1信号復元部と、
    前記信号受信部により受信された加算信号から前記第1信号復元部により復元された第1のデータ信号を減算して前記第2のデータ信号を復元する第2信号復元部と、
    前記第1信号復元部により復元された第1のデータ信号から前記第1のデータを復元する第1データ復元部と、
    前記第2信号復元部により復元された第2のデータ信号から前記第2のデータを復元する第2データ復元部と、
    をさらに備える、請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記制御回路は、前記第1信号復元部及び前記第1データ復元部を常時動作させ、前記第2のデータを受信する場合に前記第2信号復元部及び前記第2データ復元部を動作させ、前記第2のデータを受信しない場合には前記第2信号復元部及び前記第2データ復元部の動作を停止させる、請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記制御回路は、前記第2信号復元部及び前記第2データ復元部の動作を制御するための制御データを前記第1のデータとして前記第1信号生成部に入力し、
    前記制御データは、前記第1信号生成部、前記信号加算部、前記信号生成部、前記信号受信部、前記第1信号復元部、前記第1データ復元部を介して伝送され、前記第2信号復元部及び前記第2データ復元部に入力され、
    前記第2信号復元部及び前記第2データ復元部は、前記制御データに応じて動作を開始又は停止する、請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 前記第1信号生成部は、前記第1のデータを直流成分が抑圧されたシンボル列に符号化し、当該シンボル列に基づいて前記第1のデータ信号を生成する、請求項4に記載の信号処理装置。
  6. 前記第2信号生成部は、前記第2のクロックを生成するクロック生成部を含み、
    前記第2信号復元部は、前記第2のクロックを再生するクロック再生部を含み、
    前記制御回路は、前記第2信号生成部及び前記第2信号復元部の動作を制御する際に、少なくとも前記クロック生成部及び前記クロック再生部の動作を制御する、請求項5に記載の信号処理装置。
  7. 画像データを表示する表示部と、
    前記画像データを出力する演算処理部と、
    をさらに備え、
    前記演算処理部により出力された画像データは、前記第2のデータとして前記第2信号生成部、前記信号加算部、前記信号送信部、前記信号受信部、前記第2信号復元部、前記第2データ復元部を介して伝送され、前記表示部に入力される、請求項6に記載の信号処理装置。
  8. 第1のデータから、周波数f1を有する第1のクロックに同期した第1のデータ信号を生成する第1信号生成ステップと、
    第2のデータから、周波数f2=N*f1(Nは自然数)を有する第2のクロックに同期し、かつ、前記第1のクロックの1/2周期について振幅を合計した値が0となる第2のデータ信号を生成する第2信号生成ステップと、
    前記第1信号生成ステップで生成された第1のデータ信号と、前記第2信号生成ステップで生成された第2のデータ信号と、を加算して加算信号を生成する加算ステップと、
    前記加算ステップで生成された加算信号を送信する送信ステップと、
    前記第1信号生成ステップの処理を常時実行し、前記第2のデータを送信する場合に前記第2信号生成ステップの処理を実行し、前記第2のデータを送信しない場合には前記第2信号生成ステップの処理を停止するように制御する制御ステップと、
    を含む、信号伝送方法。
  9. 第1のデータから生成され、周波数f1を有する第1のクロックに同期した第1のデータ信号と、第2のデータから生成され、周波数f2=N*f1(Nは自然数)を有する第2のクロックに同期し、かつ、前記第1のクロックの1/2周期について振幅を合計した値が0となる第2のデータ信号と、を加算して得られる加算信号の振幅値を、前記第1のクロックの1周期毎に平均して前記第1のデータ信号を復元する第1信号復元部と、
    前記加算信号から前記第1信号復元部により復元された第1のデータ信号を減算して前記第2のデータ信号を復元する第2信号復元部と、
    前記第1信号復元部により復元された第1のデータ信号から前記第1のデータを復元する第1データ復元部と、
    前記第2信号復元部により復元された第2のデータ信号から前記第2のデータを復元する第2データ復元部と、
    を備える、信号処理装置。
  10. 第1のデータから生成され、周波数f1を有する第1のクロックに同期した第1のデータ信号と、第2のデータから生成され、周波数f2=N*f1(Nは自然数)を有する第2のクロックに同期し、かつ、前記第1のクロックの1/2周期について振幅を合計した値が0となる第2のデータ信号と、を加算して得られる加算信号の振幅値を、前記第1のクロックの1周期毎に平均して前記第1のデータ信号を復元する第1信号復元ステップと、
    前記加算信号から前記第1信号復元ステップで復元された第1のデータ信号を減算して前記第2のデータ信号を復元する第2信号復元ステップと、
    前記第1信号復元ステップで復元された第1のデータ信号から前記第1のデータを復元する第1データ復元ステップと、
    前記第2信号復元ステップで復元された第2のデータ信号から前記第2のデータを復元する第2データ復元ステップと、
    を含む、データ復元方法。
JP2009256228A 2009-11-09 2009-11-09 信号処理装置、信号伝送方法、及びデータ復元方法 Withdrawn JP2011101308A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113870784A (zh) * 2021-09-28 2021-12-31 京东方科技集团股份有限公司 一种显示装置和驱动方法

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