JP2011098061A - カッティングバルーンカテーテル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バルーンの収縮状態において、血管壁を傷つけない新規な構造のカッティングバルーンカテーテルを提供することにある。
【解決手段】本発明の特徴とするところは、カテーテル本体の遠位端側に取り付けられたバルーンと、前記バルーンの遠位端側に設けられた第1管体と、前記バルーンの近位端側に設けられた第2管体と、前記第1管体と前記第2管体のいずれか一方が摺動可能であって、膨張または収縮される前記バルーンの外面に延接され、前記第1管体と前記第2管体とを接続する超弾性ワイヤと、前記超弾性ワイヤの外面に設けられた突出部と、を具備し、前記超弾性ワイヤが、超弾性力を利用して、収縮状態では前記突出部の先端をバルーンの外面により近接されるコントロール部位を有するカッティングバルーンカテーテルにある。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の特徴とするところは、カテーテル本体の遠位端側に取り付けられたバルーンと、前記バルーンの遠位端側に設けられた第1管体と、前記バルーンの近位端側に設けられた第2管体と、前記第1管体と前記第2管体のいずれか一方が摺動可能であって、膨張または収縮される前記バルーンの外面に延接され、前記第1管体と前記第2管体とを接続する超弾性ワイヤと、前記超弾性ワイヤの外面に設けられた突出部と、を具備し、前記超弾性ワイヤが、超弾性力を利用して、収縮状態では前記突出部の先端をバルーンの外面により近接されるコントロール部位を有するカッティングバルーンカテーテルにある。
【選択図】図2
Description
本発明は、血管の狭窄部位となる血栓を切削するカッティングバルーンカテーテルに関する。
従来から、血管の内面に凝固血液や粥腫による血栓が生じた場合には、血栓で狭窄された血管にバルーンカテーテルを挿入して膨らませることで、拡張圧によって血管形成を行わせる方法が知られている。但し、石灰化胃病変等の硬い血栓が生じた場合には、前記態様ではうまく血管形成できないことがある。よって、バルーンの表面にブレードを固定し、バルーンの拡張圧にて血栓を除去する態様である、いわゆるカッティングバルーンカテーテルが知られている(特許文献1:特表2008−529740)。
しかしながら、このようなカッティングバルーンカテーテルは、使用前にはバルーンにラッピングされた中にブレードが隠れる形で収納されているが、一旦拡張されるとブレードがバルーン表面に対し外向きに突出した状態のままである。よって、当該カッティングバルーンカテーテルは、血管から抜き去る場合に、血管壁を傷つけるおそれがある。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バルーンの収縮状態において、血管壁を傷つけない新規な構造のカッティングバルーンカテーテルを提供することにある。
本発明の特徴とするところは、カテーテル本体の遠位端側に取り付けられたバルーンと、前記バルーンの遠位端側に設けられた第1管体と、前記バルーンの近位端側に設けられた第2管体と、前記第1管体と前記第2管体のいずれか一方が摺動可能であって、膨張または収縮される前記バルーンの外面に延接され、前記第1管体と前記第2管体とを接続する超弾性ワイヤと、前記超弾性ワイヤの外面に設けられた突出部と、を具備し、前記超弾性ワイヤが、超弾性力を利用して、収縮状態では前記突出部の先端をバルーンの外面により近接されるコントロール部位を有するカッティングバルーンカテーテルにある。
本発明に従う構造とされたカッティングバルーンカテーテルにおいては、超弾性力を利用したワイヤを用いて、バルーンの収縮状態では突出部を血管壁に向けないように形状付けされているので、バルーン部分を血管から抜き去る場合に、血管壁を傷つけない機能を発揮できる。
その上、本発明に従う構造とされたカッティングバルーンカテーテルにおいては、バルーンの膨張状態では突出部を血管壁方向に向けるが、超弾性力を利用したワイヤを用いているので、再度、バルーンの収縮状態に戻すと突出部を血管壁に向けないような機能を発揮できる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
本発明でいうカッティングバルーンカテーテルの近位端側には、例えば、圧力流体給排口、または、ガイドワイヤ取出口等が設けられていることが望ましい。当該近位端側は、治療の際には人体から露出されているので、前記口部から、バルーンを膨張または収縮するために圧力流体を供給または排出、または、ガイドワイヤの挿入等の操作ができる。
本発明の実施形態としてのカッティングバルーンカテーテルにおいて、バルーンの膨張状態の遠位端側を、図1に示す。本発明の実施形態としてのカッティングバルーンカテーテルの遠位端側には、バルーンが取り付けられている。
カッティングバルーンカテーテル1の遠位端側は、カテーテル本体2、バルーン3、第1管体4、第2管体5、第1管体4と第2管体5とを接続する超弾性ワイヤ6、超弾性ワイヤの外面に設けられた突出部7およびコントロール部位8によって構成されている。
本発明のカッティングバルーンカテーテル1には、長尺のカテーテル本体2が備えられている。カテーテル本体2は、挿入対象となる血管に挿入可能な太さと、目的とする治療部位まで達する長さを有している。また、カテーテル本体2は、血管に沿って湾曲可能な軟質材料によって形成されており、素材として、例えば、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフッ化ビニリデン等の合成樹脂材料、ステンレス鋼,ニッケル−チタン合金等の金属材料及びこれらの組み合わせによって成形されたものが好適に採用される。
また、カテーテル本体2は、それぞれ長尺チューブ状とされた内シャフトとディスタールシャフトによって構成されており、ディスタールシャフトの中央孔に内シャフトが挿通されていると共に、内シャフトの遠位端側がディスタールシャフトの遠位端側から軸方向で突出していることが望ましい。さらに、内シャフトの遠位端側には、遠位端側に向かって縮径する略筒状とされた先端チップが取り付けられていることが望ましい。
バルーン3は、略袋状形状であって、素材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレン、シリコンゴム、ラテックスゴム等が挙げられる。その中でも、バルーン3の素材は、製造上の観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはナイロンが望ましい。
バルーン3は、ディスタールシャフトから突出した内シャフトの遠位端側を取り囲むように配置されていることが望ましい。バルーン3の配置は、例えば、バルーン3の近位端側をディスタールシャフトの遠位端側に固着し、バルーン3の内部空間が調圧用ルーメンに連通されている一方、バルーン3の遠位端側が、内シャフトの遠位端側に溶着されると共に先端チップに固着されるような態様が望ましい。また、バルーン3は、膨張または収縮の方法を特に限定しないが、カッティングバルーンカテーテルの近位端側からの流体の供給または排出する態様が望ましい。当該流体の供給または排出によって、バルーン3は、膨張または収縮され、その状態を以後膨張状態または収縮状態と記す。
第1管体4および第2管体5は、それぞれ、バルーン3の遠位端側および近位端側に設けられる。第1管体4および第2管体5の配置としては、いずれか一方が摺動可能に配置されればよい。第1管体4および第2管体5は、望ましい配置の態様として、血管内で膨張および収縮を繰り返しても超弾性ワイヤ5がバルーン3から脱落しにくいという観点から、第1管体がカテーテル本体に固定され、第2管体がカテーテル本体と摺動可能であることが挙げられる。
第1管体4がカテーテル本体に固定するとは、特にその方法を限定しないが、例えば、接着または溶着等が挙げられる。ここでいう接着とは、接着剤により固定されることが望ましい。その接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シアノアクリルレート系接着剤、ウレタン系接着剤等が挙げられる。
第2管体5がカテーテル本体に摺動可能とは、特にその方法を限定しないが、例えば、第2管体5の内孔がカテーテル本体2の径より大きいために、長手方向前後にスライドされる態様または接触部位で回転される態様等が挙げられる。
第1管体4および第2管体5の素材としては、例えば、樹脂、金属、合金等が挙げられるが、カテーテル本体との接合の観点から、特にステンレス鋼、SUS304を使用することが望ましい。
超弾性ワイヤ6は、バルーン3の外面に固着されているのでなく、バルーン3の外面に延接されている。また、超弾性ワイヤ6は、超弾性を有す、つまり、曲げたり伸ばしたりしても、その力を除くとすぐ元の形状に回復する性質を有している。超弾性ワイヤ6の素材としては、公知の超弾性材料であれば問題なく、例えば、ニッケル−チタン合金等が挙げられる。超弾性ワイヤ6の形状は、特に限定されないが、例えば、平面ワイヤ形状、凸状ワイヤ形状、円状ワイヤ形状等が挙げられる。
さらに、超弾性ワイヤ6は、その接続本数を特に限定しない。超弾性ワイヤ6は、1本または複数本用いることが可能であるが、第1管体4と第2管体5に接続しバルーン3の外面に延接しやすいという観点から、バルーン3の外周に所定間隔をおいて4本設けた構成が望ましい。
超弾性ワイヤ6が第1管体4と第2管体5とを接続するとは、超弾性ワイヤ6が第1管体4と第2管体5に接していればよく、第1管体4と第2管体5のいずれか一方の摺動によっても超弾性ワイヤ6が接している態様をいう。その態様は、特にその方法限定することなく、例えば、超弾性ワイヤ6が第1管体4と第2管体5にそれぞれ固定されている、または、超弾性ワイヤ6が第1管体4に固定され、第2管体5には孔を有し超弾性ワイヤ6がその孔を挿通している等、挙げられるが、超弾性を有する材料で接続されているため、第1管体4と第2管体5にそれぞれ固定されている態様の方が望ましい。
突出部7は、血栓を切削する機能を有し、超弾性ワイヤの外面に設けられている。突出部7は、例えば、超弾性ワイヤ6の一部を鋭利にする態様、または、別素材のブレードを超弾性ワイヤ6に接続する態様等が挙げられるが、製造上の観点から、超弾性ワイヤ6の一部を鋭利にする態様の方が望ましい。
本発明で用いられる超弾性ワイヤ6は、バルーンの収縮状態で突出部7が血管壁に接触しない機能を有すように、製造段階で形付けられる。その上、本発明で用いられる超弾性ワイヤ6は、バルーンの膨張状態で突出部7を血管壁方向に向ける機能を有すように製造段階で形付けられる。そして、バルーンを収縮状態に戻し、バルーン部分を血管から抜き去る場合には、超弾性ワイヤ6が超弾性を利用しているので、再度、突出部7を血管壁に向けないような機能を有す。当該機能は、コントロール部位8を有すことによって実現され、その具体的態様のバルーンの収縮状態を図2に示す。
図2は、本発明の実施形態としてのカッティングバルーンカテーテルのバルーンの収縮状態の遠位端側の概略が示されている。図2は、コントロール部位8が、超弾性ワイヤ6の屈折部位であることを示している。超弾性ワイヤ6の形状は前述したように特に限定されないが、平面ワイヤ形状の場合であれば、超弾性ワイヤ6が斜め長手方向へ適宜の角度に屈折部位で折り返されれば、本発明の目的が達成される。つまり、平面ワイヤ形状の超弾性ワイヤ6は、屈折部位によって折り返されるよう製造段階で形付けられる。そして、バルーンが膨張状態になれば、超弾性ワイヤの屈折部位における二辺の角度が約45〜90度開くことになる。その上で、屈折部位で折り返される二辺の超弾性ワイヤが斜め長手方向へ適宜の角度を有すようにする。本発明は、これらの態様によって、バルーンの収縮状態で突出部7が血管壁に接触しない機能を有し、バルーンの膨張状態で突出部7を血管壁方向に向ける機能を有すことが可能になる。なお、超弾性ワイヤ6の屈折部位は、その数を特に限定しないが、製造上の観点から、1箇所または2箇所が望ましい。
図3は、本発明の第2の実施形態として、超弾性ワイヤ6の屈折部位がそれぞれ遠位端側および近位端側に有し、屈折部位が波状形状であることを示している。本発明の第2の実施形態は、屈折部位を波状形状と示しているが、必ずしも波状でなければいけない訳でなく、バルーンが膨張状態になれば、超弾性ワイヤが屈折部位によって折り返されればよい。屈折部位を波状形状の全長は、バルーン3における膨張状態のときの遠位端側および近位端側テーパー部の斜面の一辺の長さと同じが望ましい。本発明は、これらの態様によって、バルーンの収縮状態で突出部7が血管壁に接触しない機能を有し、バルーンの膨張状態で突出部7を血管壁方向に向ける機能を有すことが可能になる。
図4は、バルーンの膨張状態の図1のカッティングバルーンカテーテルのA−A断面図が示されている。突出部7は血管壁方向に向いている。図5は、バルーンの収縮状態の図2のカッティングバルーンカテーテルのB−B断面図が示されている。突出部7は血管壁に接触しない方向に向いている。例えば、突出部7は、超弾性ワイヤ6B−B断面の接線方向に向いていることが望ましい。これらの態様が、コントロール部位8を有すことによって実現される。
1:カッティングバルーンカテーテル、2:カテーテル本体、3バルーン、4:第1管体、5:第2管体、6:超弾性ワイヤ、7:突出部、8:コントロール部位
Claims (4)
- カテーテル本体の遠位端側に取り付けられたバルーンと、
前記バルーンの遠位端側に設けられた第1管体と、
前記バルーンの近位端側に設けられた第2管体と、
前記第1管体と前記第2管体のいずれか一方が摺動可能であって、膨張または収縮される前記バルーンの外面に延接され、前記第1管体と前記第2管体とを接続する超弾性ワイヤと、
前記超弾性ワイヤの外面に設けられた突出部と、を具備し、
前記超弾性ワイヤが、超弾性力を利用して、収縮状態では前記突出部の先端をバルーンの外面により近接されるコントロール部位を有するカッティングバルーンカテーテル。 - 前記コントロール部位が、前記超弾性ワイヤの屈折部位であることを特徴とする請求項1に記載のカッティングバルーンカテーテル。
- 前記超弾性ワイヤが平面ワイヤ形状であって、前記超弾性ワイヤが斜め長手方向へ適宜の角度に前記屈折部位で折り返されることを特徴とする請求項2に記載のカッティングバルーンカテーテル。
- 前記屈折部位が前記超弾性ワイヤの遠位端側および近位端側に有し、前記屈折部位が波状形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカッティングバルーンカテーテル。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018012398A1 (ja) * | 2016-07-13 | 2018-01-18 | テルモ株式会社 | カッティングデバイスおよび処置方法 |
CN108355230A (zh) * | 2018-03-09 | 2018-08-03 | 鼎科医疗技术(苏州)有限公司 | 多导丝药物球囊扩张导管及其使用方法 |
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JP2020526370A (ja) * | 2018-05-18 | 2020-08-31 | ディーケー メディカル テクノロジー カンパニー, リミテッドDk Medical Technology Co., Ltd. | カッティングバルーン及びバルーンカテーテル |
CN114642477A (zh) * | 2022-02-25 | 2022-06-21 | 广东博迈医疗科技股份有限公司 | 血管钙化斑块切割设备 |
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2009
- 2009-11-06 JP JP2009254546A patent/JP2011098061A/ja active Pending
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