JP2011094537A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジンの熱伝達の状態を合理的な態様で局部的に可変することで、冷却損失の低減とノック性能とを両立できるエンジンの冷却装置を提供する。
【解決手段】 冷却装置1Aは、ブロック側W/J511が設けられたシリンダブロック51、およびシリンダブロック51からの熱伝達を抑制可能な位置にガス通路525が設けられたシリンダヘッド52を有するエンジン50と、ガスの流通を許可、或いは禁止することでガス通路525におけるガスの流通状態を変更可能な開閉弁21と、機関運転状態が低回転高負荷である場合に、ブロック側W/J511に冷却水を流通させた状態で、ガス通路525にEGRガスを流通させるように開閉弁21を制御する制御手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明はエンジンの冷却装置に関する。
従来、エンジンでは一般に冷却水による冷却が行われている。また従来から、排気還流を行うエンジンが知られている。この点、特許文献1では、ウォータジャケットに近接し、且つエンジンの気筒列に沿うようにしてシリンダブロックに形成した内部通路を主要部分として有する排気還流路を備えたエンジンの排気還流装置が開示されている。このエンジンの排気還流装置は、これにより還流排気を効果的に冷却するとともに配管構造を簡素化している。
特開2008−82307号公報
ところで、図10に示すように、エンジン、とりわけ火花点火式内燃機関では排気損失や冷却損失など正味仕事に使われない熱が多く発生する。そしてエネルギ損失全体の大きな割合を占める冷却損失の低減は、熱効率(燃費)の向上にとって非常に重要な要素である。ところが、冷却損失を低減し、熱を有効に利用することは必ずしも容易ではなく、このことが熱効率向上の妨げとなっている。
冷却損失の低減が困難である理由としては、例えば一般的なエンジンは、局部的に熱伝達の状態を可変にする構成にはなっていないことが挙げられる。すなわち、一般的なエンジンでは構成上、冷却が必要な部位を必要な度合いだけ冷却することや、冷却損失が多く発生する部位への熱伝達を抑制することが困難なことが挙げられる。具体的にはエンジンの熱伝達の状態を可変にするにあたっては、一般にはエンジンの出力で駆動する機械式ウォータポンプにより、エンジン回転数に応じて冷却水の流量を変更することが行われている。ところが、冷却水の流量を全体的に調節するウォータポンプでは、仮に流量を可変にする可変ウォータポンプを用いた場合であっても、機関運転状態に応じて局部的に熱の伝達状態を可変にすることはできない。
また冷却損失を低減するにあたっては、例えばエンジンの断熱性を高めることも考えられる。そしてこの場合には、図11に示すように大幅な冷却損失の低減を期待できる。ところがこの場合には、エンジンの断熱性を高めることで、同時に燃焼室の内壁温度の上昇する。そしてこの場合には、これに伴い混合気の温度が上昇することで、ノッキングが誘発されるという問題があった。この点、特許文献1が開示するエンジンの冷却装置では、還流排気を効果的に冷却できる一方で、冷却水が還流排気の冷却に用いられるほか、還流排気がシリンダブロックの断熱性を高めると考えられることから、熱効率の向上を図る観点からは、ノッキングをより誘発し易くなると考えられる点で問題があった。
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、エンジンの熱伝達の状態を合理的な態様で局部的に可変することで、冷却損失の低減とノック性能とを両立できるエンジンの冷却装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は冷却媒体通路が設けられたシリンダブロック、および該シリンダブロックからの熱伝達を抑制可能な位置にガス通路が設けられたシリンダヘッドを有するエンジンと、前記ガス通路におけるガスの流通状態を変更可能な流通変更手段と、前記エンジンの運転状態が低回転高負荷である場合に、前記冷却媒体通路に冷却媒体を流通させた状態で、前記ガス通路に第1のガスを流通させるように前記流通変更手段を制御する制御手段と、を備えたエンジンの冷却装置である。
また本発明は前記流通変更手段が、前記第1のガスと、該第1のガスよりも低温の第2のガスとの間で前記ガス通路に流通させるガスを切替可能に構成されており、前記制御手段が、前記エンジンの運転状態が高回転高負荷である場合に、前記ガス通路に前記第2のガスを流通させるように前記流通変更手段をさらに制御する構成であることが好ましい。
また本発明は前記ガス通路を前記シリンダヘッドのうち、吸気ポートの周辺部に設けた構成であることが好ましい。
また本発明は前記第1のガスが、前記エンジンに還流される排気である構成であることが好ましい。
また本発明は前記ガス通路における第1のガスの流通を停止可能な流通停止手段をさらに備え、前記制御手段が、大量の排気還流を行う場合に、前記ガス通路における第1のガスの流通を停止するように前記流通停止手段をさらに制御する構成であることが好ましい。
また本発明は前記第2のガスが、貯気槽に蓄圧されるガスである構成であることが好ましい。
本発明によれば、エンジンの熱伝達の状態を合理的な態様で局部的に可変することで、冷却損失の低減とノック性能とを両立できる。
エンジンの冷却装置(以下、単に冷却装置と称す)1Aを模式的に示す図である。 エンジン50を1気筒につき断面で模式的に示す図である。 ECU70Aを模式的に示す図である。 機関運転状態の分類を模式的に示す図である。 ECU70Aの動作をフローチャートで示す図である。 クランク角度に応じた燃焼室55の熱伝達率および表面積割合を示す図である。 冷却装置1Bを模式的に示す図である。 ECU70Bの動作をフローチャートで示す図である。 ECU70Cの動作をフローチャートで示す図である。 火花点火式内燃機関の一般的なヒートバランスの内訳を全負荷の場合と部分負荷の場合とについてそれぞれ示す図である。 シリンダの内壁温度および熱透過率を基準となるベースエンジンの場合と断熱性を高めた場合とについてそれぞれ示す図である。なお、図11では断熱性を高めた場合として、シリンダの壁厚増加とともに材質変更を行った場合と、より断熱性の高い空気断熱を行った場合とについてそれぞれ示している。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
図1に示す冷却装置1Aは図示しない車両に搭載されており、ウォータポンプ(以下、W/Pと称す)11と、ラジエータ12と、サーモスタット13と、流量調節弁14と、開閉弁21と、排気還流装置30と、排気管40と、エンジン50とを備えている。W/P11は冷却媒体圧送手段であり、冷却媒体である冷却水を圧送するとともに、圧送する冷却水の流量を可変にする可変W/Pとなっている。W/P11が圧送する冷却水はエンジン50に供給される。
エンジン50はシリンダブロック51およびシリンダヘッド52を備えている。シリンダブロック51には第1の冷却媒体通路であるブロック側ウォータジャケット(以下、ブロック側W/Jと称す)511が形成されている。ブロック側W/J511はシリンダブロック51に複数(ここでは2つ)の冷却系統を形成している。一方、シリンダヘッド52には第2の冷却媒体通路であるヘッド側ウォータジャケット(以下、ヘッド側W/Jと称す)521が形成されている。ヘッド側W/J521はシリンダヘッド52に複数(ここでは4つ)の冷却系統を形成している。W/P11が圧送する冷却水は具体的にはブロック側W/J511およびヘッド側W/J521に供給される。
この点、冷却装置1Aでは複数の冷却水循環経路が形成されている。
冷却水循環経路としては、例えばブロック側W/J511が組み込まれた循環経路であるブロック側循環経路C1がある。このブロック側循環経路C1を流通する冷却水は、W/P11から吐出された後、ブロック側W/J511を流通し、さらにサーモスタット13を介するか、或いはラジエータ12およびサーモスタット13を介してW/P11に戻るようになっている。ラジエータ12は熱交換器であり、流通する冷却水と空気との間で熱交換を行うことで冷却水を冷却する。サーモスタット13はW/P11に入口側から連通する流通経路を切り替える。具体的にはサーモスタット13は、冷却水温が所定値未満の場合にラジエータ12をバイパスする流通経路を連通状態にし、所定値以上の場合にラジエータ12を流通する流通する流通経路を連通状態にする。
また冷却水循環経路としては、例えばヘッド側W/J521が組み込まれた循環経路であるヘッド側循環経路C2がある。このヘッド側循環経路C2を流通する冷却水は、W/P11から吐出された後、流量調節弁14およびヘッド側W/J521を流通し、さらにサーモスタット13を介するか、或いはラジエータ12およびサーモスタット13を介してW/P11に戻るようになっている。流量調節弁14はヘッド側循環経路C2のうち、循環経路C1、C2が分岐した後の部分、且つシリンダヘッド52よりも上流側の部分に設けられている。
流量調節弁14はシリンダヘッド52の冷却能力を調整可能な冷却能力調整手段となっている。この点、流量調節弁14は具体的には、ヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を全体的に調節することで、シリンダヘッド52の冷却能力を全体的に調整可能な冷却能力調整手段となっている。
またこのように設けられた流量調節弁14は、シリンダブロック51の冷却能力を抑制することなく、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段となっている。さらにこのように設けられた流量調節弁14は、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するようにヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を調節した場合に、シリンダブロック51の冷却能力を高めるようにブロック側W/J511を流通する冷却水の流量を調節可能な冷却能力調整手段となっている。
冷却装置1Aでは、ブロック側循環経路C1を流通する冷却水が、W/P11によって圧送された後、一巡するまでの間にヘッド側W/J521を流通することがないようになっている。また、冷却装置1Aではヘッド側循環経路C2を流通する冷却水が、W/P11によって圧送された後、一巡するまでの間にブロック側W/J511を流通することがないようになっている。すなわち冷却装置1Aでは、ブロック側W/J511とヘッド側W/J521とが互いに異なる冷却媒体循環経路に組み込まれている。
排気還流装置30は、EGR配管31とEGR流量調節弁32とを備えており、エンジン50に排気を還流させる。EGR配管31は排気管40とエンジン50の吸気系(図示省略)とを連通しており、排気還流経路C3を形成している。EGR流量調節弁32はエンジン50に還流される排気(以下、EGRガスと称す)の流量を調節する。排気還流経路C3には、分岐経路としてEGR分岐経路C4が設けられている。この点、シリンダヘッド52にはガス通路525が設けられており、EGR分岐経路C4にはガス通路525が組み込まれている。すなわちEGR分岐経路C4は、第1のガスであるEGRガスをガス通路525に分岐して導入する経路となっている。また、EGR分岐経路C4には開閉弁21が設けられている。開閉弁21は、ガス通路525におけるガスの流通状態を変更可能な流通変更手段であり、さらに具体的には具体的にはガス通路525におけるガスの流通を許可、或いは禁止することで、ガス通路525におけるガス流通状態を変更可能な流通変更手段となっている。
次にエンジン50についてさらに具体的に説明する。図2に示すように、シリンダブロック51にはシリンダ51aが形成されている。シリンダ51aにはピストン53が設けられている。シリンダブロック51には断熱性の高いガスケット54を介してシリンダヘッド52が固定されている。ガスケット54はその高い断熱性でシリンダブロック51からシリンダヘッド52への熱伝達を抑制する。シリンダ51a、シリンダヘッド52およびピストン53は、燃焼室55を形成している。シリンダヘッド52には燃焼室55に吸気を導く吸気ポート52aと、燃焼室55から燃焼ガスを排出する排気ポート52bが形成されている。シリンダヘッド52には、燃焼室55の上部略中央に臨むようにして点火プラグ56が設けられている。
ブロック側W/J511は、具体的には第1の部分冷却媒体通路である複数の部分W/J511a、部分W/J511bを備えている。部分W/J511aはシリンダ51aの周辺部、且つ上部に設けられている。そして部分W/J511aはシリンダ51aの壁面のうち、筒内に流入した吸気が当たる部分に対応させて設けられている。この点、エンジン50は本実施例では筒内に正タンブル流を生成するエンジンとなっており、筒内に流入した吸気が当たる部分は、さらに具体的にはシリンダ51aの壁面上部、且つ排気側の部分となっている。部分W/J511bはシリンダ51aの周辺部、且つ下部に設けられている。部分W/J511a、511bは例えばシリンダ51aの周辺部に円筒状の空間を形成するとともに、当該空間にコの字状の内溝が形成されたスリーブ57、58をそれぞれ挿入することで形成できる。部分W/J511a、511bはブロック側W/J511が形成する2系統の冷却系統に別個に組み込まれている。
ヘッド側W/J521は、具体的には第2の部分冷却媒体通路である複数の部分W/J521a、部分W/J521b、部分W/J521cおよび部分W/J521dを備えている。部分W/J521aは吸気ポート52aの周辺部に、部分W/J521bは排気ポート52bの周辺部に、部分W/J521cは点火プラグ56の周辺部にそれぞれ設けられている。また、部分W/J521dは吸排気弁52a、52b間や、その他の部分を冷却するために設けられている。部分W/J521aから部分W/J524dまではヘッド側W/J521が形成する4系統の冷却系統に別個に組み込まれている。
ガス通路525は、シリンダブロック51からの熱伝達を抑制可能な位置に設けられている。具体的にはガス通路525はシリンダヘッド52のうち、吸気ポート52aの周辺部に設けられており、さらに具体的にはシリンダヘッド52のうち、吸気ポート52aとシリンダブロック51との間の部分に設けられている。この点、ガス通路525は熱負荷の高い排気ポート52bの周辺部や点火プラグ56の周辺部を避けるべく、吸気ポート52aの周辺部に設けられている。
さらに冷却装置1Aは図3に示すECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)70Aを備えている。ECU70AはCPU71、ROM72、RAM73等からなるマイクロコンピュータと入出力回路75、76とを備えている。これらの構成は互いにバス74を介して接続されている。ECU70Aには、エンジン50の回転数を検出するためのクランク角センサ81や、吸入空気量を計測するためのエアフロメータ82や、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ83や、冷却水の温度を検知する水温センサ84などの各種のセンサ・スイッチ類が電気的に接続されている。この点、エンジン50の負荷はエアフロメータ82やアクセル開度センサ83の出力に基づきECU70Aで検出される。またECU70AにはW/P11や流量調節弁14や開閉弁21やEGR流量調節弁32などの各種の制御対象が電気的に接続されている。
ROM72はCPU71が実行する種々の処理が記述されたプログラムやマップデータなどを格納するための構成である。CPU71がROM72に格納されたプログラムに基づき、必要に応じてRAM73の一時記憶領域を利用しつつ処理を実行することで、ECU70Aでは各種の制御手段や判定手段や検出手段や算出手段などが機能的に実現される。
この点、ECU70Aでは具体的には例えば、シリンダブロック51からシリンダヘッド52への熱伝達を抑制するための制御である熱伝達抑制制御を行う制御手段が機能的に実現される。制御手段は、具体的には機関運転状態が高負荷である場合に熱伝達抑制制御を行うように実現され、さらに具体的には機関運転状態が低回転高負荷である場合に熱伝達抑制制御を行うように実現される。また制御手段は、EGRガスの流通を許可するように開閉弁21を制御することで(すなわち開閉弁21を開弁することで)熱伝達抑制制御を行うように実現される。
また、制御手段は基本的にEGRガスの流通を許可するようにEGR流量調節弁32を制御するよう実現される。
このほか制御手段はW/P11や流量調節弁14も制御するとともに、機関運転状態が高負荷である場合だけでなく、他の運転状態においてもエンジン50の運転を成立させるための制御を行うように実現される。
この点、機関運転状態は具体的にはエンジン50の回転数および負荷のほか、冷間運転時であるか否か、または機関始動時であるか否かに応じて図4に示す6つの区分D1からD6までに分類されている。そして制御手段が制御を行うにあたっては、具体的には以下に示すように区分D1からD6まで毎に満たすべき要求を設定するとともに、設定した要求を満たすための制御指針を定めている。
まず、機関運転状態が区分D1に対応するアイドル状態である場合には、吸気昇温による燃焼速度向上、および触媒活性のための排気昇温という2つの要求を設定している。またこれに応じた吸気ポート52aとシリンダ51a上部との昇温、および排気ポート52bの昇温という2つの制御指針を定めている。
この点、吸気ポート52aの昇温を図るにあたっては、例えば流量調節弁14を閉弁、或いは小さな開度で開弁することや、開閉弁21を開弁することができる。また、シリンダ51a上部の昇温を図るにあたっては、例えばW/P11を停止、或いは低吐出量で駆動することができる。また、排気ポート52bの昇温を図るにあたっては、例えば流量調節弁14を閉弁、或いは小さな開度で開弁することができる。
また機関運転状態が、区分D2に対応する軽負荷である場合には、熱効率向上(冷却損失低減)、および吸気昇温による燃焼速度向上という2つの要求を設定している。またこれに応じたシリンダヘッド52の断熱、および吸気ポート52aとシリンダ51a上部との昇温という2つの制御指針を定めている。
この点、シリンダヘッド52の断熱を図るにあたっては、例えば流量調節弁14を閉弁、或いは小さな開度で開弁することや、開閉弁21を開弁することができる。また吸気ポート52aの昇温を図るにあたっては、例えば流量調節弁14を閉弁、或いは小さな開度で開弁することや、開閉弁21を開弁することができる。またシリンダヘッド52上部の昇温を図るにあたっては、例えばW/P11を停止、或いは低吐出量で駆動することができる。
また機関運転状態が、区分D3に対応する低回転高負荷である場合には、ノッキングの低減、および熱効率向上(冷却損失低減)という要求を設定している。またこれに応じた吸気ポート52aとシリンダ51a上部との冷却、およびシリンダヘッド52の断熱という制御指針を定めている。
この点、吸気ポート52aの冷却を図るにあたっては、例えば流量調節弁14を全開、或いは大きな開度で開弁することや、開閉弁21を閉弁することができる。またシリンダ51a上部の冷却を図るにあたっては、例えばW/P11を機関運転時に適用される最大吐出量、或いは高吐出量で駆動することができる。またシリンダヘッド52の断熱を図るにあたっては、例えば流量調節弁14を閉弁、或いは小さな開度で開弁することや、開閉弁21を開弁することができる。
また機関運転状態が、区分D4に対応する高回転高負荷である場合には、信頼性確保、およびノッキングの低減という2つの要求を設定している。またこれに応じた点火プラグ56周りと吸排気弁52a、52b間と排気ポート52bとの冷却、および吸気ポート52aの冷却という2つの制御指針を定めている。
この点、点火プラグ56周りと吸排気弁52a、52b間と排気ポート52bとの冷却を図るにあたっては、例えば流量調節弁14を全開にすることができる。また吸気ポート52aの冷却を図るにあたっては、例えば流量調節弁14を全開にすることや、開閉弁21を閉弁することができる。またW/P11については、例えば機関運転時に適用される最大吐出量で駆動することができる。
また区分D5に対応する機関冷間時には、機関暖機促進、および吸気昇温による燃焼速度向上という2つの要求を設定している。またこれに応じたシリンダヘッド52の熱伝達促進、および吸気ポート52aとシリンダ51a上部との昇温という2つの制御指針を定めている。
この点、シリンダヘッド52の熱伝達促進を図るにあたっては、シリンダヘッド52での冷却水の受熱の寄与が大きいことを考慮して、例えば流量調節弁14を開弁することができる。また吸気ポート52aの昇温を図るにあたっては、例えば流量調節弁14を閉弁、或いは小さな開度で開弁することや、開閉弁21を開弁することができる。またシリンダ51a上部の昇温を図るにあたっては、例えばW/P11を停止、或いは低吐出量で駆動することができる。
また区分D6に対応する機関始動時には、着火性向上、および燃料気化促進という2つの要求を設定している。またこれに応じた吸気ポート52aの昇温、および点火プラグ56周りとシリンダ51a上部との昇温という2つの制御指針を定めている。
この点、吸気ポート52aの昇温を図るにあたっては、例えば流量調節弁14、を閉弁、或いは小さな開度で開弁することや、開閉弁21を開弁することができる。また点火プラグ56周りの昇温を図るにあたっては、例えば流量調節弁14、を閉弁、或いは小さな開度で開弁することができる。またシリンダ51a上部の昇温を図るにあたっては、例えばW/P11を停止、或いは低吐出量で駆動することができる。
これに対して冷却装置1Aでは、全体的な制御の整合性や簡素化などを考慮し、制御手段がさらに具体的にはW/P11、流量調節弁14および開閉弁21について以下に示す制御を行うよう実現される。
すなわち制御手段は、機関運転状態が区分D1に対応するアイドル状態である場合と、機関運転状態が区分D2に対応する軽負荷である場合と、区分D5に対応する機関冷間時と、区分D6に対応する機関始動時においては、W/P11を停止するための制御を行うとともに、流量調節弁14を閉弁するための制御を行い、さらにガス通路525にEGRガスを流通させるように開閉弁21を制御するよう実現される。
また制御手段は、機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合には、W/P11を高吐出量で駆動するための制御を行うとともに、流量調節弁14を閉弁、或いはシリンダヘッド52への冷却水の流通を抑制しつつ、シリンダヘッド52における冷却水の沸騰を抑制可能な態様(以下、沸騰抑制態様と称す)で開弁するための制御を行い、さらにガス通路525にEGRガスを流通させるように開閉弁21を制御するよう実現される。
また制御手段は、機関運転状態が区分D4に対応する高回転高負荷である場合は、機関運転時に適用される最大吐出量でW/P11を駆動するための制御を行うとともに、流量調節弁14を全開にするための制御を行い、さらにガス通路525のEGRガスの流通を停止するように開閉弁21を制御するよう実現される。
この点、機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合に、流量調節弁14を沸騰抑制態様で開弁するための制御を行うにあたっては、制御手段は具体的には例えばあらゆる条件において冷却水の沸騰を抑制できる必要最小限の開度で流量調節弁14を開弁することや、シリンダヘッド52を流通する冷却水の温度を検出或いは推定するとともに、当該冷却水の温度に基づいて流量調節弁14を間欠的に開弁することや、所定の回転数以上で流量調節弁14を開弁することなどができる。これによりシリンダヘッド52の冷却能力を抑制するにあたり、冷却水の沸騰を抑制しつつ、流量調節弁14が必要以上に開弁されることを抑制できる。
そして冷却装置1Aでは、制御手段の制御のもと、区分D3において流量調節弁14がこのようにシリンダヘッド52を流通する冷却水の流量を低下させることで、エンジン50を流通する冷却水の流量を局部的に低下させる。
そして冷却装置1Aでは、流量調節弁14が全開でない場合にシリンダヘッド52への冷却水の流通を抑制することで、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制していることになる。この点、冷却装置1Aではさらに具体的には、流量調節弁14を閉弁するか、或いは沸騰抑制態様で流量調節弁14を開弁している場合にシリンダヘッド52の冷却能力を抑制していることになる。
またこの場合には、シリンダブロック51の冷却能力を高めるようにブロック側W/J511を流通する冷却水の流量が調整されるところ、冷却装置1Aでは、区分D3においてこのようにしてブロック側W/J511に冷却水を流通させた状態で、制御手段がガス通路525にEGRガスを流通させるように開閉弁21を制御するよう実現されることになる。
次にECU70Aで行われる処理を図5に示すフローチャートを用いて説明する。ECU70Aは機関始動時であるか否かを判定する(ステップS1)。肯定判定であれば、ECU70Aは開閉弁21を開弁するとともに(ステップS21A)、W/P11を停止する(ステップS22)。なお、EGR流量調節弁32は基本的にEGRガスの流通を許可する状態に制御されている。一方、ステップS1で否定判定であれば、ECU70Aは機関冷間時であるか否かを判定する(ステップS5)。機関冷間時であるか否かは、例えば冷却水温が所定値(例えば75℃)以下であるか否かで判定できる。ステップS5で肯定判定であれば、ステップS21Aに進む。一方、ステップS5で否定判定であれば、ECU70Aはエンジン50の回転数および負荷を検出する(ステップS11)。
続いてECU70Aは検出した回転数および負荷に対応する区分を判定する(ステップS12からS14まで)。具体的には対応する区分が区分1であれば、ステップS12の肯定判定からステップS21Aに進み、対応する区分が区分2であれば、ステップS13の肯定判定からステップS21Aに進む。一方、対応する区分が区分3であれば、ステップS14の肯定判定からステップS31Aに進む。このときECU70Aは、開閉弁21を開弁するとともに(ステップS31A)、W/P11を高吐出量で駆動し(ステップS32)、さらに流量調節弁14を閉弁する(ステップS33)。また対応する区分が区分4であれば、ステップS14の否定判定からステップS41Aに進む。このときECU70Aは開閉弁21を閉弁するとともに(ステップS41A)、W/P11を機関運転時に適用される最大吐出量で駆動し(ステップS42)、さらに流量調節弁14を開弁する(ステップS43)。
次に冷却装置1Aの作用効果について説明する。ここで、エンジン50のクランク角度に応じた燃焼室55の熱伝達率および表面積割合は、図6に示すようになっている。図6に示すように熱伝達率は、圧縮行程上死点付近で高まることがわかる。そして表面積割合については、圧縮行程上死点付近でシリンダヘッド52とピストン53の表面積割合が大きくなることがわかる。したがって冷却損失については、シリンダヘッド52の温度の影響力が大きいことがわかる。一方、ノッキングについては圧縮端温度に依存するところ、圧縮端温度に影響する吸気圧縮行程ではシリンダ51aの表面積割合が大きいことがわかる。したがってノッキングについてはシリンダ51aの温度の影響力が大きいことがわかる。
これに対して、冷却装置1Aではかかる知見に基づき、エンジン50の運転状態が低回転高負荷である場合に、開閉弁21を開弁することで、ガス通路525にEGRガスを流通させる。そしてこれにより、シリンダブロック51からシリンダヘッド52への熱伝達を抑制することで、シリンダヘッド52でより多くの冷却損失が発生することを抑制でき、以って冷却損失を低減できる。
また冷却装置1Aでは、エンジン50の運転状態が低回転高負荷である場合に、さらにW/P11を駆動するとともに流量調節弁14を閉弁することで、ブロック側W/J511に冷却水を流通させた状態で開閉弁21を開弁する。そしてこれにより吸気を冷却できることから、ノッキングの発生も抑制できる。
すなわち冷却装置1Aでは、上述した知見に基づく合理的な態様で熱伝達の状態を局部的に可変することでシリンダヘッド52の断熱(冷却損失の低減)を図るとともに、シリンダブロック51の冷却を図ることでノッキングの発生も抑制できる。そして、このようにして冷却損失の低減とノック性能とを両立させることで、熱効率を向上させることができる。
また冷却装置1Aでは、エンジン50の運転状態が低回転高負荷である場合に、流量調節弁14を閉弁することで、冷却水によるシリンダヘッド52の冷却を停止する。そしてこれによっても、冷却損失の低減を図ることができる。この点、冷却装置1Aでは、ガス通路525にEGRガスを流通させることで、エンジン50の断熱効果を高めることができ、これによりガス通路525を設けることなく、ヘッド側W/J521の冷却水の流通を停止した場合と比較して、熱効率の向上代を大きくすることができる。
また冷却装置1Aでは、エンジン50の運転状態がアイドル状態である場合に、開閉弁21を開弁するとともにW/P11の駆動を停止することで、吸気の温度を高めるとともに、エンジン50の冷却を停止する。そしてこれにより、燃焼速度向上による未燃損失の低減と冷却損失の低減を図ることができる。またこれにより排気ポート52bの冷却を停止できることから、排気温度を高温に保ち、触媒の活性状態を維持することもできる。
また冷却装置1Aでは、エンジン50の運転状態が軽負荷である場合に、開閉弁21を開弁するとともに、W/P11の駆動を停止する。そしてこれにより、未燃損失の低減と冷却損失の低減を図ることができる。またこれにより燃焼改善を図り、以ってEGR運転領域やリーンバーン運転領域を拡大することもできる。
また冷却装置1Aでは、エンジン50の運転状態が高回転高負荷である場合には、開閉弁21を閉弁するとともに、W/P11を駆動し、さらに流量調節弁14を開弁することで、ガス通路525のEGRガスの流通を停止するとともに、ブロック側W/J511およびヘッド側W/J521に冷却水を流通させる。そしてこれにより、機関各部を冷却できることから信頼性を確保できるとともに、ノッキングの発生を抑制することができる。
また冷却装置1Aでは、機関冷間時に開閉弁21を開弁するとともにW/P11の駆動を停止することで、未燃損失の低減と冷却損失の低減を図ることができ、これにより機関暖機を促進することができる。
また冷却装置1Aでは、機関始動時に開閉弁21を開弁するとともにW/P11の駆動を停止することで、着火性向上や燃料の気化促進を図ることができる。
すなわち冷却装置1Aは、主に低回転高負荷時に熱効率の向上を図ることができる一方で、他の運転状態においてもエンジン50の運転を成立させることができ、この結果、特定の運転状態だけでなく、通常行われるエンジン50の運転全体として見ても熱効率の向上を図ることができる。
また冷却装置1Aでは、ガス通路525に流通させるガスとしてEGRガスを用いることで、排気還流装置30と部品(例えばEGR配管31)を共用することも可能になる。このため冷却装置1Aでは、ガス通路525に流通させるガスとして他のガスを用いる場合と比較して、部品点数を削減でき、以ってコストの低減を図ることもできる。また冷却装置1Aでは、比較的熱負荷の低い吸気ポート525の周辺部に設けたガス通路525にEGRガスを流通させることで、エンジン50の信頼性を確保できるとともにEGRガスの冷却を図ることもできる。
図7に示すように本実施例にかかる冷却装置1Bは、開閉弁21の代わりに切替弁22Aを備えている点と、貯気槽25をさらに備えている点と、ECU70Aの代わりにECU70Bを備えている点以外、冷却装置1Aと実質的に同一のものとなっている。またECU70Bは、制御手段が以下に示すように実現される点と、開閉弁21の代わりに切替弁22Aが制御対象として電気的に接続されている点以外、ECU70Aと実質的に同一のものとなっている。このためECU70Bについては図示省略する。
貯気槽25は蓄圧タンクであり、具体的には図示しないエアコンプレッサによって圧縮空気が蓄圧される。貯気槽25に蓄圧される圧縮空気はEGRガスよりも低温の第2のガスとなっている。
切替弁22AはEGR分岐経路C4に設けられており、切替弁22Aには貯気槽25が接続されている。切替弁22Aはガス通路525におけるガスの流通状態を変更するにあたり、EGRガスと圧縮空気との間でガス通路525に流通させるガスを切替可能に構成された流通変更手段となっている。
ECU70Bでは、ガス通路525におけるガスの流通状態を変更するにあたり、制御手段が開閉弁21の代わりに切替弁22Aを制御するように実現される。この点、ECU70Bでは制御手段が、機関運転状態が高回転高負荷以外である場合に、ガス通路525にEGRガスを流通させるように切替弁22Aを制御するよう実現される。一方、ECU70Bでは制御手段が、エンジン50の運転状態が高回転高負荷である場合には、ガス通路525に圧縮空気を流通させるように切替弁22Aを制御するように実現される。
次にECU70Bの動作を図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本フローチャートはステップS21A、S31AおよびS41Aの代わりにステップS21B、S31BおよびS41Bが設けられている点以外、図5に示すフローチャートと同一のものとなっている。さらにステップS21B、S31Bについては、切替弁22Aを制御対象とするものの、ガス通路525にEGRガスを流通させる点ではECU70Aと同様である。このためここでは特にステップS41Bについて説明する。機関運転状態が高回転高負荷である場合、ECU70Bは切替弁22Aを圧縮空気側に切り替えるとともに(ステップS41B)、W/P11を駆動し(ステップS42)、さらに流量調節弁14を開弁する(ステップS43)。
次に冷却装置1Bの作用効果について説明する。冷却装置1Bでは、機関運転状態が高回転高負荷である場合に、切替弁22Aを圧縮空気側に切り替えることで、EGRガスよりも低温の圧縮空気をガス通路525に供給できる。このため冷却装置1Bでは機関各部の冷却を促進でき、この結果、信頼性をさらに好適に確保することができる。またこれにより、冷却装置1Bでは吸気温度の低下を図ることもでき、以ってノッキングの発生もさらに好適に抑制できる。さらに冷却装置1Bでは、貯気槽25から圧縮空気を供給するようにしたことで、圧縮空気を素早くガス通路525に供給することができる点で、ガス通路525にガスを好適に供給できる。このように冷却装置1Bは、主に低回転高負荷時に熱効率の向上を図ることができるとともに、他の運転状態として特に信頼性の低下やノッキングの発生が懸念される高回転高負荷時においてさらに信頼性およびノック性能を高めることができる点で、エンジン50の運転を好適に成立させることもできる。
本実施例にかかる冷却装置1Cは、切替弁22Aの代わりに切替弁22Bを備えるとともに、ECU70Bの代わりにECU70Cを備えている点以外、冷却装置1Bと実質的に同一のものとなっている。切替弁22Bは、さらにガス通路525におけるガスの流通を許可、或いは禁止するように構成されている点以外、切替弁22Aと実質的に同一のものとなっている。またECU70Cは制御手段が以下に示すように実現される点以外、ECU70Bと実質的に同一のものとなっている。このため冷却装置1CおよびECU70Cについては図示省略する。
ECU70Cでは制御手段が、大量の排気還流を行う場合(以下、大量EGRを行う場合と称す)に、ガス通路525におけるEGRガスの流通を停止するように切替弁22Bを制御するようさらに機能的に実現される。この点、本実施例では切替弁22Bが流通変更手段であると同時に、ガス通路525のEGRガスの流通を停止可能な流通停止手段となっている。なお、例えば切替弁22Aを切替弁22Bに変更することなく、ガス通路525におけるガスの流通を許可、或いは禁止する流通停止手段をさらに備えることも可能である。また、実施例1で前述した冷却装置1Aにおいて、開閉弁21を流通停止手段とした上で制御手段に同様の変更を適用することも可能である。
次にECU70Cの動作を図9に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本フローチャートはステップS2、S3およびS4が追加されている点と、ステップS21B、S31BおよびS41Bの代わりにステップS21C、S31CおよびS41Cが設けられている点以外、図8に示すフローチャートと同一のものとなっている。またステップS21C、S31CおよびS41Cについては、切替弁22Bを制御対象とする点以外、実質的な変更がないため、ここでは特にステップS2、S3およびS4について説明する。ステップS1の否定判定に続いて、ECU70Cは大量EGRを行う条件(大量EGR条件)が成立しているか否かを判定する(ステップS2)。否定判定であれば切替弁22Bを開弁し(ステップS4)、その後ステップS5に進む。一方、ステップS2で肯定判定であれば、ECU70Cは切替弁22Bを閉弁し(ステップS3)、その後ステップS5に進む。
次に冷却装置1Cの作用効果について説明する。ここで、大量EGR(例えばEGR率60%以上の場合)は、例えば近年の深刻な環境問題に鑑み、高い次元で排気エミッションを改善するために行われる。これに対して冷却装置1Cでは、大量EGR条件が成立している場合には切替弁22Bを閉弁することで、大量EGRに必要なEGRガス量を確保することができる。このため冷却装置1Cでは、必要なEGRガス量が確保できなかった場合に発生し得る排気エミッションの悪化をさらに抑制できる点で、エンジン50の運転をさらに好適に成立させることができる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば上述した実施例では、エンジン50の運転を成立させるにあたって好適であることなどから、W/P11が冷却媒体圧送手段である場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、冷却媒体圧送手段は例えばエンジンの出力で駆動する機械式W/Pであってもよい。
また上述した実施例では、エンジン50の運転を成立させるにあたって、前述の制御指針に基づいて制御手段が行う制御の一例について説明した。
しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、制御手段はエンジンの運転を成立させるにあたってその他の適宜の制御を行ってもよい。この点、例えばシリンダブロックに設けられた第1の冷却媒体通路が複数の第1の部分冷却媒体通路を備えるとともに、シリンダヘッドに設けられた第2の冷却媒体通路が第2の部分冷却媒体通路を備える場合に、これら第1および第2の部分冷却媒体通路それぞれに対応させて複数の部分冷却能力調整手段を備えるとともに、前述の制御指針に基づいて、冷却媒体圧送手段や、冷却能力調整手段や、流量変更手段や、部分冷却能力調整手段を適宜制御してもよい。これにより、エンジンの運転をさらに好適に成立させることもできる。
また、制御手段は主にエンジン50を制御する各ECU70で実現することが合理的であるが、例えばその他の電子制御装置や専用の電子回路などのハードウェアやこれらの組み合わせによって実現されてもよい。また制御手段は、例えば複数の電子制御装置や複数の電子回路等のハードウェアや電子制御装置と電子回路等のハードウェアとの組み合わせによって分散制御的に実現されてもよい。
1 冷却装置
11 W/P
12 ラジエータ
13 サーモスタット
14 流量調節弁
21 開閉弁
22 切替弁
30 排気還流装置
40 排気管
50 エンジン
51 シリンダブロック
511 ブロック側W/J
52 シリンダヘッド
521 ヘッド側W/J
525 ガス通路
70 ECU

Claims (6)

  1. 冷却媒体通路が設けられたシリンダブロック、および該シリンダブロックからの熱伝達を抑制可能な位置にガス通路が設けられたシリンダヘッドを有するエンジンと、
    前記ガス通路におけるガスの流通状態を変更可能な流通変更手段と、
    前記エンジンの運転状態が低回転高負荷である場合に、前記冷却媒体通路に冷却媒体を流通させた状態で、前記ガス通路に第1のガスを流通させるように前記流通変更手段を制御する制御手段と、を備えたエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの冷却装置であって、
    前記流通変更手段が、前記第1のガスと、該第1のガスよりも低温の第2のガスとの間で前記ガス通路に流通させるガスを切替可能に構成されており、
    前記制御手段が、前記エンジンの運転状態が高回転高負荷である場合に、前記ガス通路に前記第2のガスを流通させるように前記流通変更手段をさらに制御するエンジンの冷却装置。
  3. 請求項2記載のエンジンの冷却装置であって、
    前記ガス通路を前記シリンダヘッドのうち、吸気ポートの周辺部に設けたエンジンの冷却装置。
  4. 請求項1から3いずれか1項記載のエンジンの冷却装置であって、
    前記第1のガスが、前記エンジンに還流される排気であるエンジンの冷却装置。
  5. 請求項4記載のエンジンの冷却装置であって、
    前記ガス通路における第1のガスの流通を停止可能な流通停止手段をさらに備え、
    前記制御手段が、大量の排気還流を行う場合に、前記ガス通路における第1のガスの流通を停止するように前記流通停止手段をさらに制御するエンジンの冷却装置。
  6. 請求項2から5いずれか1項記載のエンジンの冷却装置であって、
    前記第2のガスが、貯気槽に蓄圧されるガスであるエンジンの冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017501325A (ja) * 2013-11-08 2017-01-12 アカーテース パワー,インク. 対向ピストンエンジンの冷間始動方法。
JP2020016216A (ja) * 2018-07-27 2020-01-30 本田技研工業株式会社 内燃機関の冷却構造

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