JP2011091965A - ステータ用インシュレータ及びそれを用いる回転電機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステータ鉄心2Aの特定ティース部2Bには、軸方向の一端側から中央に向かって切欠き部7を形成し、その切欠き部7に位置検出センサの脚部を収容配置する。第1インシュレータ部材110Aはティース部2bに対して切欠き部7のある側から装着し、第2インシュレータ部材110Bは、ティース部2bに逆側から装着する。第1インシュレータ部材110Aの特定ティース部2Bを覆う部分の軸方向の延出長さを、第2インシュレータ部材110Bの対応部分の延出長さよりも短くする。これにより、第1インシュレータ部材110側のフランジ部59Aの先端の開き量が小さくなる。
【選択図】図7
Description
特許文献1に記載の回転電機は、ステータの外周側にロータの円筒壁が回転可能に配置され、ロータの円筒壁の内周に、異磁極が交互に配列されるようにマグネットが配置されるとともに、ステータに駆動用のコイルと位置検出センサが取り付けられている。
ステータのステータ鉄心は、複数のティース部が放射状に設けられ、各ティース部の外周にインシュレータを介してコイルが巻回されるとともに、各ティース部の先端に円周方向両側にT字状に張り出す爪片が一体に設けられている。各爪片は、ロータの内周面(マグネット)に近接状態で対向し、マグネットとの間で磁束の入出が行われるようになっている。
位置検出センサは、センサケース内に複数のセンサ素子と回路基板が収容され、センサケースに突設された複数の検出用の脚部にそれぞれ対応するセンサ素子が保持されている。そして、ステータ鉄心の特定ティース部の爪片には、軸方向の一端から中央側に向かって切欠き部が設けられ、その各切欠き部に位置検出センサの検出用の脚部が挿入配置されている。したがって、こうしてティース部間に配置された各センサ素子(検出用の脚部)はロータの内周のマグネットに近接状態で対向する。
特に、一方のインシュレータ部材の切欠きのあるフランジ部においては、切欠きのために軸方向の一端側で形状保持特性が低くなり、一方のインシュレータ部材を特定ティース部に被着したときに、先端部側(軸方向の中央側)が側方により大きく開く傾向にある。従来のインシュレータは、このことも関係して、上記の膨出領域がコイルの巻回時にコイルによって内側に引き込まれ易い。
これにより、第1インシュレータ部材がステータ鉄心の外面に軸方向の一端側から装着され、コイルの巻回時に、第1インシュレータ部材の特定ティース部を覆う領域に先端側を外側に開くようにな力が作用した場合であっても、第1インシュレータ部材の特定ティース部を覆う部分の軸方向長さが、第2インシュレータ部材の特定ティース部を覆う部分の軸方向長さよりも短く設定されていることから、第1インシュレータ部材の軸方向の先端側の開き量は小さく抑えられる。このため、第1インシュレータ部材の先端側縁部の側方への膨出量は抑制される。
これにより、第1インシュレータ部材の軸方向の延出端が屈曲片によって第2インシュレータ部材に当接し、第1インシュレータ部材と第2インシュレータ部材の間の隙間の発生が抑制される。
図1〜図3は、車両用エンジンの始動発電機として用いられるこの実施形態の回転電機1を示すものである。この回転電機1は、三相ブラシレス型の回転電機であり、エンジンブロック(図示せず)に固定されるステータ2と、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に固定されるロータ4と、ロータ4の回転位置を検出する位置検出センサ6とを備えている。
図8は、ロータ4の内周側を展開して示したものである。同図にも示すように、ロータ4の内周面には、複数のマグネット16が円周方向に沿って等間隔に取り付けられている。これらの各マグネット16は、ロータ4の軸方向に長い長方形状に形成され、一つを除き他のすべては、ロータ4の中心に向く側の面(内側面)がN極とS極のいずれかに着磁されている。そして、一つのマグネット16cは内側面がN極に着磁された主磁極部162の一端側(長尺方向の一端側)に、内側面がS極に着磁された短尺な副磁極部160が接合されている。
ここで、脚部80a,80b,80c,80d内に配置されるホールIC50a,50b,50c,50dのうちの、第1ホールIC50aと第2,第3,第4ホールIC50b,50c,50dとでは設置高さが異なり、図8に示すように、第1ホールIC50aは、ロータ4の内周面の軸方向の一端側に対峙する位置M1に配置され、第2,第3,第4ホールIC50b,50c,50dは、ロータ4の内周面の軸方向の中央側に対峙する位置M2に配置されている。これにより、第1ホールIC50aは、マグネット16cの副磁極部160を通る高さでマグネット16a,16b,16cの磁束の切り替わりを検出し、第2,第3,第4ホールIC50b,50c,50dは、マグネット16cの主磁極部162を通る高さでマグネット16a,16b,16cの磁束の切り替わりを検出する。
なお、同図中、S2,S3,S4は、第2,第3,第4ホールIC50b,50c,50dの出力に対応して生成されるパルス信号を示し、S1は、第1ホールIC50aの出力に対応して生成されるパルス信号を、Sv,Sw,Suは、V相,W相,U相の各出力電圧波形をそれぞれ示している。また、同図中T1は、第1ホールIC50aの出力(S1)がハイ状態のまま第4ホールIC50dの出力(S4)がハイからローに切り替わるタイミングであり、T2は、第1ホールIC50aの出力(S1)がハイ状態のまま第4ホールIC50dの出力(S4)がローからハイに切り替わるタイミング、T3は、タイミングT1を経た後に、第1ホールIC50aの出力(S1)がハイ状態のまま第3ホールIC50cの出力(S3)がローからハイに切り替わるタイミングである。制御装置では、信号S1,S2,S3,S4の変化からタイミングT1,T2,T3を求めることができる。
制御装置は、例えば、同図に示すように、信号S2,S3,S4に応じてV相,W相,U相の各コイル10の転流タイミングを制御し、信号S2,S3,S4と、信号S1とによってタイミングT1を求め、そのタイミングT1でエンジンの点火を制御する。
位置検出センサ6は、樹脂製のセンサケース60の内部に第1,第2,第3,第4ホールIC50a,50b,50c,50dと、この各ホールIC50a,50b,50c,50dに電気的に接続される回路基板34を収容し、そのセンサケース60がステータ2とエンジンブロックとに締結されるようになっている。
センサケース本体20の収容部22内には、上方側の開口から第1,第2,第3,第4ホールIC50a,50b,50c,50dと回路基板34とを含むセンサユニット32が収容される。また、センサケース本体20の底壁21の内側面には、センサユニット32を固定するための一対の係止クリップ70が突設されている。各係止クリップ70は、先端側がテーパ状に窄まった二つ割りのピン状の構造であり、相手嵌合孔に嵌入された状態で自身の弾性によって嵌合孔の縁部を係止する。
このとき、回路基板34に接続されている複数のリード線100aは、底壁21に設けられた引き出し孔72を通して収容部22の外部に引き出されているため、凝固前の充填剤150が外部に吸い出される毛細管現象を引き起こすことはない。
ただし、特定ティース部2Bの爪片3は、他のティース部2bと異なり、軸方向の一端側に切欠き部7が設けられているため、特定ティース部2Bを覆う第1インシュレータ部材110A側のティース保護部58Aは、第2インシュレータ部材110B側の対応するティース保護部58Bと形状及びサイズが異なっている。また、第1インシュレータ部材110A側の周壁57には、図6に示すようにコイル接続用の端子120がモールド成形によって固定設置されている。
これらの図に示すように、第1インシュレータ部材110A側のティース保護部58Aは、フランジ部59Aのうちの、特定ティース部2Bの爪片3の切欠き部7のある辺を覆う部分に、その切欠き部7に対応するように切欠き65が設けられ、軸方向の延出端に特定ティース部2B側の切欠き部7の底部に沿うように屈曲片61が設けられている。この屈曲片61には内側のコーナーが鈍角になるようにテーパ面61aが設けられている。
一方、第2インシュレータ部材110B側のティース保護部58Bは、フランジ部59Bに切欠きが設けられておらず、フランジ部59Bの張り出し幅がステータ鉄心2Aの軸方向に沿って一定となっている。
そして、ティース保護部58A(フランジ部59Aを含む)のうちの、特定ティース部2Bの爪片3の切欠き部7のある辺を覆う部分の軸方向の延出長さL1は、ティース保護部58B(フランジ部58Bを含む)の対応部分の軸方向の延出長さL2よりも短く設定されている。
なお、第1,第2インシュレータ部材110A,110Bの他のティース保護部58はすべて均等な軸方向長さに設定されているが、特定ティース部2Bに装着されるティース保護部58Aのうちでも、爪片3の切欠き部7のない辺を覆う部分の軸方向長さは、対応するティース保護部58Bの対応部分の軸方向長さと同じに設定されている。
したがって、このインシュレータ110を採用することにより、コイル10の巻回時にフランジ部59Aの端縁がコイル10に引き込まれるのを未然に防止することができる。
2…ステータ
2b…ティース部
2B…特定ティース部
3…爪片
7…切欠き部
10…コイル
61…屈曲片
80a,80b,80c,80d…脚部
110…インシュレータ
110A…第1インシュレータ部材
110B…第2インシュレータ部材
Claims (3)
- 放射状に複数のティース部が設けられたステータ鉄心と、前記各ティース部に巻回されるコイルを備え、前記ステータ鉄心の各ティース部の先端部に、円周方向両側に略T字状に張り出す爪片が設けられ、前記ステータ鉄心の複数のティース部のうちの特定ティース部の前記爪片に、位置検出センサの検出用の脚部が挿入配置される切欠き部が軸方向の一端側から中央側に向かって形成されている回転電機のステータに用いられ、
前記ステータ鉄心の外面に装着されて当該ステータ鉄心と前記コイルの間を絶縁するステータ用インシュレータであって、
前記ステータ鉄心の切欠き部の設けられる軸方向の一端側から前記複数のティース部の外面を覆う第1インシュレータ部材と、前記ステータ鉄心の軸方向の他端側から前記複数のティース部の外面を覆う第2インシュレータ部材とから成るに二分割構造とされているものにおいて、
前記第1インシュレータ部材の前記特定ティース部を覆う部分の軸方向長さが、前記第2インシュレータ部材の前記特定ティース部を覆う部分の軸方向長さよりも短く設定されていることを特徴とするステータ用インシュレータ。 - 前記第1インシュレータ部材の前記特定ティース部を覆う部分の軸方向の延出端には、前記特定ティース部の切欠き部の底部に沿う外向きの屈曲片が設けられ、その屈曲片の先端部が前記切欠き部の延長上で前記第2インシュレータ部材に突き合わされていることを特徴とする請求項1に記載のステータ用インシュレータ。
- 請求項1または2に記載のステータ用インシュレータを用いることを特徴とする回転電機。
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