JP2011091759A - 電流源、増幅回路、電子回路、集積回路装置及び電子機器 - Google Patents

電流源、増幅回路、電子回路、集積回路装置及び電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2011091759A
JP2011091759A JP2009245684A JP2009245684A JP2011091759A JP 2011091759 A JP2011091759 A JP 2011091759A JP 2009245684 A JP2009245684 A JP 2009245684A JP 2009245684 A JP2009245684 A JP 2009245684A JP 2011091759 A JP2011091759 A JP 2011091759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
resistor
transistor
differential
current source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009245684A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Maki
克彦 牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2009245684A priority Critical patent/JP2011091759A/ja
Publication of JP2011091759A publication Critical patent/JP2011091759A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Electrical Variables (AREA)
  • Amplifiers (AREA)

Abstract

【課題】温度変動バラツキ等を低減できる電流源、電子回路、増幅回路、集積回路装置及び電子機器等の提供。
【解決手段】電流源は、一端が第1の電源ノードVSSに接続される抵抗Rと、ソースに抵抗Rの他端が接続され、ゲートに第1の電源ノードVSSが接続されるデプレッション型のトランジスターTRとを含み、トランジスターTRのしきい値電圧は負の温度特性を有し、抵抗Rの抵抗値は正の温度特性を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流源、増幅回路、電子回路、集積回路装置及び電子機器等に関する。
小信号増幅を行う増幅回路には、テール電流を生成する電流源が設けられる。例えば特許文献1には、外部電源電圧の電圧調整を行って、調整後の電圧を内部回路に供給するレギュレーターが開示されている。このレギュレーターが有する増幅回路には、テール電流を生成する電流源が設けられている。
このような増幅回路に設けられる電流源では、基準電圧生成回路を別個に設け、基準電圧生成回路により生成された基準電圧をトランジスターのゲート電極に入力することで、テール電流を生成する手法が一般的である。
しかしながら、この手法では、増幅回路の他に基準電圧発生回路を別個に設ける必要があるため、この基準電圧生成回路において流れる電流のパスの分だけ電流パスの本数が増えてしまい、低消費電力化の妨げとなるという課題がある。
また特許文献2には、ゲートとソースが接続されたデプレッション型トランジスターと、このデプレッション型トランジスターのソースと接地電位との間に挿入されてバックゲートバイアス電圧を供給する抵抗素子とを有する電流源が開示されている。この特許文献2の従来技術では、デプレッション型トランジスターのソースに対して、抵抗素子で発生する電圧降下がバックゲートバイアス電圧として印加されるようになるため、製造プロセスの変動に起因するしきい値電圧のバラツキを低減できる。
しかしながら、この特許文献2の電流源では、しきい値電圧のバラツキを低減することは可能であるが、温度変動バラツキの低減については何ら考慮されていない。
特開2001−92544号公報 特開昭63−169113号公報
本発明の幾つかの態様によれば、温度変動バラツキ等を低減できる電流源、電子回路、増幅回路、集積回路装置及び電子機器等を提供できる。
本発明の一態様は、一端が第1の電源ノードに接続される抵抗と、ソースに前記抵抗の他端が接続され、ゲートに前記第1の電源ノードが接続されるデプレッション型のトランジスターとを含み、前記トランジスターのしきい値電圧は負の温度特性を有し、前記抵抗の抵抗値は正の温度特性を有する電流源に関係する。
本発明の一態様では、デプレッション型のトランジスターのソースと第1の電源ノードの間に抵抗が設けられ、デプレッション型のトランジスターのゲートは第1の電源ノードに接続される。このような構成の電流源によれば、デプレッション型のトランジスターのソースに設けられた抵抗により回路的に負帰還がかかる構成になっているため、安定した定電流の生成が可能になる。更に本発明の一態様では、トランジスターのしきい値電圧は負の温度特性を有し、抵抗の抵抗値は正の温度特性を有する。従って、しきい値電圧の負の温度特性と抵抗値の正の温度特性の相殺により、テール電流の温度依存性を低減でき、温度変動バラツキの低減等を図れる。
また本発明の一態様では、前記抵抗は、Nウェルにより形成されるNウェル抵抗であってもよい。
このようにすれば、電流源の抵抗の抵抗値に正の温度特性を持たせることが可能になる。
また本発明の他の態様は、上記に記載の電流源と、前記電流源に直列に設けられた増幅部と、前記増幅部に直列に設けられた負荷部とを含む増幅回路に関係する。
本発明の他の態様によれば、電流源のテール電流生成のための基準電圧を生成する回路を不要にすることができるため、電流源と増幅部と負荷部を有する増幅回路において、電流パスの本数を減らすことが可能になる。
また本発明の他の態様は、上記に記載の電流源を有する差動部と、前記差動部の出力ノードに接続される出力部とを含み、前記差動部は、第1の差動トランジスター及び第2の差動トランジスターと、前記第1の差動トランジスター及び前記第2の差動トランジスターと第2の電源ノードとの間に設けられるカレントミラー回路を含む増幅回路に関係する。
本発明の他の態様によれば、電流源のテール電流生成のための基準電圧を生成する回路を不要にすることができるため、差動部と出力部を有する増幅回路において、電流パスの本数を減らすことが可能になる。
また本発明の他の態様では、前記出力部は、前記差動部の出力ノードにより制御される駆動トランジスターと、前記駆動トランジスターと前記第1の電源ノードとの間に設けられる第2の電流源を含み、前記第2の電流源は、一端が前記第1の電源ノードに接続される第2の抵抗と、ソースに前記第2の抵抗の他端が接続され、ゲートに前記第1の電源ノードが接続されるデプレッション型の第2のトランジスターとを含み、前記第2のトランジスターのしきい値電圧は負の温度特性を有し、前記第2の抵抗の抵抗値は正の温度特性を有してもよい。
このようにすれば、出力部の電流源のテール電流についても、温度依存性を低減することが可能になる。
また本発明の他の態様では、前記差動部は、非反転入力端子と反転入力端子の間にオフセット電圧を有してもよい。
このようにすれば、このオフセット電圧を利用した様々な演算増幅処理等を実現できる。
また本発明の他の態様では、前記第1の差動トランジスターのゲート電極の導電性と、前記第2の差動トランジスターのゲート電極の導電性を異ならせることで、前記オフセット電圧が設定されてもよい。
このようにすれば、第1、第2の差動トランジスターのゲート電極の導電性を異ならせることで得られる仕事関数差電圧により、オフセット電圧を設定できるようになる。
また本発明の他の態様では、前記第1の差動トランジスターは、デプレッション型のトランジスターであり、前記第1の差動トランジスターのゲート電極に、前記第1の電源ノードが接続されてもよい。
このようにすれば、第1の差動トランジスターに電流を流すための基準電圧等の生成を不要にできる。
また本発明の他の態様では、前記第1の差動トランジスターのW/L比と、前記第2の差動トランジスターのW/L比を異ならせる、或いは前記カレントミラー回路を構成する第1のカレントミラー用トランジスターのW/L比と前記カレントミラー回路を構成する第2のカレントミラー用トランジスターのW/L比を異ならせることで、前記オフセット電圧が設定されてもよい。
このようにすれば、第1、第2の差動トランジスターのW/L比を異ならせたり、第1、第2のカレントミラー用トランジスターのW/L比を異ならせることで、オフセット電圧を設定できるようになる。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の増幅回路と、演算増幅用回路素子を含み、前記電流源の前記抵抗は、Nウェルにより形成されるNウェル抵抗であり、前記Nウェル抵抗である前記抵抗の形成領域上に、前記演算増幅用回路素子がレイアウト配置される電子回路に関係する。
このようにすれば、1つの領域を用いて、電流源の抵抗であるNウェル抵抗と、演算増幅用回路素子をレイアウト配置できるようになるため、レイアウト効率を向上できる。
また本発明の他の態様では、演算増幅用回路素子として、ポリシリコン層で形成されたポリ抵抗を含み、前記Nウェル抵抗である前記抵抗の形成領域上に、演算増幅用回路素子である前記ポリ抵抗がレイアウト配置されてもよい。
このようにすれば、1つの領域を用いて、電流源の抵抗であるNウェル抵抗と、演算増幅用回路素子であるポリ抵抗をレイアウト配置できるようになるため、レイアウト効率を向上できる。
また本発明の他の態様では、演算増幅用回路素子として、第1の電極が第1のポリシリコン層で形成され、第2の電極が第2のポリシリコン層で形成されたキャパシターを含み、前記Nウェル抵抗である前記抵抗の形成領域上に、演算増幅用回路素子である前記キャパシターがレイアウト配置されてもよい。
このようにすれば、1つの領域を用いて、電流源の抵抗であるNウェル抵抗と、演算増幅用回路素子であるキャパシターをレイアウト配置できるようになるため、レイアウト効率を向上できる。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の増幅回路を含む集積回路装置に関係する。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の電子回路を含む集積回路装置に関係する。
また本発明の他の態様は、上記に記載の集積回路装置を含む電子機器に関係する。
本実施形態の電流源の構成例。 本実施形態の電流源を含む増幅回路の第1の構成例。 本実施形態の電流源を含む差動型の増幅回路の第2の構成例。 本実施形態の電流源を含む差動型の増幅回路の第3の構成例。 仕事関数差電圧の説明図。 本実施形態の電流源を用いた電子回路であるレギュレーターの構成例。 本実施形態の電流源を用いた電子回路であるレギュレーターの詳細な構成例。 レギュレーターの比較例の構成例。 図9(A)、図9(B)はテール電流の温度依存性等を比較した図。 図10(A)、図10(B)はテール電流値のバラツキ等を比較した図。 図11(A)、図11(B)は抵抗のレイアウト配置例。 本実施形態の電流源を用いた電子回路である定電流生成回路の構成例。 本実施形態の電流源を用いた電子回路である定電流生成回路の詳細な構成例。 図14(A)、図14(B)は本実施形態の電流源を用いた電子回路の他の構成例。 図15(A)、図15(B)は本実施形態の電流源を用いた電子回路の他の構成例。 集積回路装置の構成例。 電子機器の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.電流源
図1に本実施形態の電流源の構成例を示す。図1に示すように本実施形態の電流源は、デプレッション型のトランジスターTRと、抵抗Rを含む。抵抗Rは、その一端がVSSノード(広義には第1の電源ノード)に接続される。デプレッション型のN型のトランジスターTRは、そのソースに抵抗Rの他端が接続され、そのゲートにVSSノード(第1の電源ノード)が接続されるトランジスター(NMOSトランジスター)である。このような構成の電流源にすることで、安定したテール電流ITLの生成が可能になる。
例えばトランジスターTRのしきい値電圧の上昇等によりTRに流れるテール電流ITLが小さくなると、TRのソースノードN1の電圧が低くなる。そしてトランジスターTRのソースノードN1の電圧が低くなると、TRのゲート・ソース間電圧は大きくなるため、TRに流れる電流を大きくする方向に働き、これによりTRに流れるテール電流ITLが一定に保たれる。
一方、トランジスターTRのしきい値電圧の減少等によりTRに流れるテール電流ITLが大きくなると、TRのソースノードN1の電圧が高くなる。そしてトランジスターTRのソースノードN1の電圧が高くなると、TRのゲート・ソース間電圧は小さくなるため、TRに流れるテール電流ITLを小さくする方向に働き、これによりTRに流れるテール電流ITLが一定に保たれる。
このように図1の構成の電流源では、自己完結的に電流を生成し電圧を発生する構成になっており、ソースに設けられたソース抵抗Rにより回路的に負帰還がかかる構成になっている。従って、トランジスターTRや抵抗Rにバラツキが生じた場合にも、生成されるテール電流ITLのバラツキは、トランジスターTRや抵抗Rのバラツキよりも小さくなるため、安定したテール電流の生成が可能になる。
また図1では、トランジスターTRは、デプレッション型のN型トランジスターとなっており、そのゲート電極にはVSSの電圧(第1の電源ノードの電圧。グラウンド電圧)が設定される。即ちトランジスターTRはデプレッション型のN型トランジスターであるため、そのゲート電極にVSSが設定されても電流が流れる。従って、トランジスターTRのゲート電極をVSSに設定すれば済み、このゲート電極に設定される基準電圧の生成回路を別に用意する必要がないため、電流パスの本数を減らすことができる。即ち基準電圧生成回路の電流パスの分だけ電流パスの本数を減らすことができるため、低消費電力化を図れる。
更にトランジスターTRのしきい値電圧は負の温度特性を有し、抵抗Rの抵抗値は正の温度特性を有する。例えば抵抗RはNウェルにより形成されるNウェル抵抗であり、このNウェル抵抗は正の温度特性を有する。従って、温度が上がると、トランジスターTRのしきい値電圧が減少する一方で、抵抗Rの抵抗値は増加するため、電流源に流れるテール電流ITLはほぼ一定に保たれる。また温度が下がると、トランジスターTRのしきい値電圧が増加する一方で、抵抗Rの抵抗値は減少するため、電流源に流れるテール電流ITLはほぼ一定に保たれる。従って、テール電流ITLの温度特性をフラットな特性に近づけることが可能になる。
即ち、抵抗Rにより負帰還をかける構成だけでは、温度バラツキまでは低減できないが、トランジスターTRに負の温度特性を持たせる一方で、抵抗Rに正の温度特性を持たせることで、温度バラツキの低減についても実現できるようになる。
2.増幅回路
図2に本実施形態の電流源を含む増幅回路の第1の構成例を示す。図2はシングルエンド型の増幅回路の構成例である。この増幅回路は、図1で説明した電流源ISと、増幅部APと、負荷部LDを含む。
増幅部APは、電流源ISに直列に設けられる。図2では、この増幅部APは、そのゲート電極に入力信号INが入力されるN型のトランジスターTRA(NMOSトランジスター)により構成される。このトランジスターTRAのソースは、電流源ISのデプレッション型トランジスターTRのドレインに接続される。
電流源ISは、そのゲート電極がVSSノードに接続されたN型のトランジスターTRと、TRのソースとVSSノードの間に設けられた抵抗Rを含む。デプレッション型のトランジスターTRは負の温度特性を有し、抵抗Rは正の温度特性を有する。この抵抗Rは例えばNウェル抵抗により形成される。
負荷部LDは、増幅部APに直列に設けられる。図2では、この負荷部LDは、そのゲート電極及びドレインが接続されるP型のトランジスターTRL(PMOSトランジスター)により構成される。このトランジスターTRLのドレインは、増幅部APのトランジスターTRAのドレインに接続されており、これらのドレインの接続ノードN3から、入力信号INを増幅した出力信号Qが出力される。
図2の構成によれば、電流源ISのテール電流ITLの生成のための基準電圧を生成する回路を別個に設ける必要がない。従って、この基準電圧生成回路の電流パスの分だけ電流パスの本数を減らすことができるため、低消費電力化を図れる。そして電流源ISのテール電流ITLを利用して、入力信号INの小信号増幅処理を実現できる。
図3に本実施形態の電流源を含む増幅回路の第2の構成例を示す。図3は差動型の増幅回路の構成例である。この増幅回路は、差動部DFと、差動部DFの出力ノードNC1に接続される出力部QBを含む。
差動部DFは、第1、第2の差動トランジスターTC1、TC2と、トランジスターTC4及びTC5により構成されるカレントミラー回路と、電流源ISC1を含む。
差動トランジスターTC1は、カレントミラー用のトランジスターTC4と電流源ISとの間に設けられ、そのゲート電極に非反転側差動入力信号INP(広義には第1の差動入力信号)が入力される。この差動トランジスターTC1のゲート電極が、非反転入力端子(広義には第1の差動入力端子)になる。
差動トランジスターTC2は、カレントミラー用のトランジスターTC5と電流源ISとの間に設けられ、そのゲート電極に反転側差動入力信号INN(広義には第2の差動入力信号)が入力される。この差動トランジスターTC2のゲート電極が、反転入力端子(広義には第2の差動入力端子)になる。
電流源ISC1は、そのゲート電極がVSSノードに接続されたN型のトランジスターTC3と、TC3のソースとVSSノードの間に設けられた抵抗RC1を含む。デプレッション型のトランジスターTC3は負の温度特性を有し、抵抗RC1は正の温度特性を有する。この抵抗RC1は例えばNウェル抵抗により形成される。
カレントミラー用のP型のトランジスターTC4及びTC5は、N型の差動トランジスターTC1、TC2とVDDノード(広義には第2の電源ノード)との間に設けられる。トランジスターTC4とTC5は、そのゲート電極がノードNC2に接続されており、これによりカレントミラー回路が構成される。
出力部QBは、直列に設けられる駆動トランジスターTDRC及び第2の電流源ISC2を含む。駆動トランジスターTDRCは、差動部DFの出力ノードNC1により制御される。具体的には差動部DFの出力ノードNC1は駆動トランジスターTDRCのゲート電極に接続される。そして駆動トランジスターTDRCと電流源ISCの間のノードNC4が、増幅回路の出力信号Qの出力ノードになる。
電流源ISC2は、そのゲート電極がVSSノードに接続されたN型のトランジスターTC6と、TC6のソースとVSSノードの間に設けられた抵抗RC2を含む。デプレッション型のトランジスターTC6は負の温度特性を有し、抵抗RC2は正の温度特性を有する。この抵抗RC2は例えばNウェル抵抗により形成される。
図3の構成によれば、電流源ISC1、ISC2のテール電流ITL1、ITL2を生成するための基準電圧を生成する回路を別個に設ける必要がない。従って、この基準電圧生成回路の電流パスの分だけ電流パスの本数を減らすことができるため、低消費電力化を図れる。そして電流源ISC1、ISC2のテール電流を利用して、差動入力信号INP、INNの小信号差動増幅処理を実現できる。なお図3の構成を、通常のオペアンプではなくコンパレーターとして用いるようにしてもよい。
図4に本実施形態の電流源を含む増幅回路の第3の構成例を示す。図4が図3と異なるのは、図4の増幅回路では、その非反転入力端子と反転入力端子の間にオフセット電圧VOFFを有する点である。具体的には、差動トランジスターTC1のゲート電極の導電性と、差動トランジスターTC2のゲート電極の導電性を異ならせることで、オフセット電圧VOFFである仕事関数差電圧VWDが設定される。
例えば差動トランジスターTC1のゲート電極がN型である場合には、差動トランジスターTC2のゲート電極はP型になる。そしてTC1は例えばデプレッション型のN型トランジスター(NMOSトランジスター)になり、TC2は例えばエンハンスメント型のN型トランジスターになる。例えば差動トランジスターTC1、TC2は、基板の不純物濃度やチャネルの不純物濃度は同じであるが、ゲート電極の導電性が異なっており、ゲート電極の不純物濃度が異なっている。
具体的には、MOSトランジスターのしきい値電圧は、Vth=φMS−QSS/COX+2φ+Q/COXと表すことができる。ここでφMSは、ゲート電極と基板(Pウェル)の仕事関数差であり、QSSは酸化膜内の固定電荷であり、COXはゲート酸化膜の単位面積当たりの容量であり、φはフェルミ準位であり、Qは空乏層内の電荷である。差動トランジスターTC1のN型ゲート電極の不純物濃度や差動トランジスターTC2のP型ゲート電極の不純物濃度の設定により、差動トランジスターTC1のしきい値電圧は例えば−0.2V〜−0.5V程度に設定でき、差動トランジスターTC2のしきい値電圧は例えば0.5V〜0.8V程度に設定できる。
また図4では、トランジスターTC1はデプレッション型のN型トランジスターとなっている。そして、トランジスターTC1のゲート電極は、VSSの電圧(第1の電源ノードの電圧。グラウンド電圧)に設定されている。即ちトランジスターTC1はデプレッション型のN型トランジスターであるため、そのゲート電極にVSSが設定されても電流が流れる。従って、トランジスターTC1のゲート電極に設定される基準電圧の生成回路を別に用意する必要がないため、電流パスの本数を減らすことができ、低消費電力化を図れる。
図5は仕事関数差電圧を説明するためのバンド図である。図5に示すように、非反転入力端子側の差動トランジスターTC1のN型ゲート電極とPウェルとの仕事関数と、反転入力端子側の差動トランジスターTC2のP型ゲート電極とPウェルとの仕事関数の差が、仕事関数差電圧VWDになる。
なお、差動部DFの非反転入力端子と反転入力端子の間のオフセット電圧(第1、第2の差動入力端子間のオフセット電圧)は、図5のような仕事関数差電圧以外により設定してもよい。例えば差動トランジスターTC1のW/L比(電流供給能力)と、差動トランジスターTC2のW/L比を異ならせてオフセット電圧を設定してもよい。或いは、カレントミラー回路を構成する第1のカレントミラー用トランジスターTC4のW/L比と、カレントミラー回路を構成する第2のカレントミラー用トランジスターTC5のW/L比を異ならせることで、オフセット電圧が設定してもよい。
このように仕事関数差電圧VWDの設定に加えて、差動トランジスターやカレントミラー用トランジスターのW/L比(電流供給能力)も設定すれば、オフセット電圧VOFFの微調整等が可能になる。例えば仕事関数差電圧VWDが0.9V程度である時に、1Vのオフセット電圧を利用したい場合には、1.0Vと0.9Vの差分である0.1Vの電圧を、差動トランジスターやカレントミラー用トランジスターのW/L比を異ならせる調整により設定する。こうすることでオフセット電圧VOFFを微調整して、例えば後述するようなレギュレーターにより生成される定電圧の微調整を行ったり、定電流生成回路により生成される定電流の微調整を行うことが可能になる。
3.電子回路、レギュレーター
以下、本実施形態の増幅回路を含む電子回路について説明する。この電子回路は、本実施形態の電流源を含む増幅回路と、演算増幅用回路素子を含む。この演算増幅用回路素子は、増幅回路を用いた演算増幅処理に使用される回路素子であり、例えば抵抗、キャパシター、或いはインダクターなどの受動素子である。
本実施形態では、電流源を構成する抵抗(図1〜図4の抵抗R、RC1、RC2)としては、例えばNウェルにより形成されるNウェル抵抗を用いる。そして、後述する図11(A)、図11(B)に示すように、このNウェル抵抗の形成領域上に、演算増幅用回路素子をレイアウト配置する。例えば演算増幅用回路素子が、ポリシリコン層で形成されたポリ抵抗である場合には、電流源の抵抗であるNウェル抵抗の形成領域上に、演算増幅用回路素子であるポリ抵抗をレイアウト配置する。また演算増幅用回路素子が、第1の電極が第1のポリシリコン層で形成され、第2の電極が第2のポリシリコン層で形成されたキャパシターである場合には、Nウェル抵抗の形成領域上に、演算増幅用回路素子であるキャパシターをレイアウト配置する。こうすることで、少ないレイアウト面積で様々な演算増幅処理等を実現できる。
図6に、このような電子回路の一例であるレギュレーター(定電圧生成回路)の構成例を示す。このレギュレーターは、増幅回路AMと、第1、第2の抵抗RB1、RB2を含む。更に位相補償用のキャパシターC0を含む。
増幅回路AMは、非反転入力端子(第1の差動入力端子)と反転入力端子(第2の差動入力端子)の間にオフセット電圧VOFFを有する差動型の増幅回路(オペアンプ)である。即ち一般的な差動型の増幅回路では、仮想接地の場合に非反転入力端子と反転入力端子の間の電圧差はほぼ0Vになるが、図6の増幅回路AMでは、非反転入力端子と反転入力端子の間に、仕事関数差電圧等によるオフセット電圧VOFFが設定される。
抵抗RB1、RB2は、増幅回路AMの出力ノードNQ1とVSSノード(第1の電源ノード)との間に直列に設けられる。そして出力ノードNQ1の電圧が、抵抗RB1、RB2により電圧分割され、分割電圧が接続ノードNQ2に生成される。
位相補償用キャパシターC0は、抵抗RB1とRB2の接続ノードNQ2に一端が接続されるキャパシターである。図6では位相補償用キャパシターC0の他端はVSSノードに接続される。なお、キャパシターC0の他端をVDDノード(第2の電源ノード)等に接続してもよい。このキャパシターC0は、例えば第1層のポリシリコンと第2層のポリシリコンからなる構造のキャパシターや、MIM(Metal-Insulator-Metal)構造のキャパシターや、ゲートキャパシターなどにより実現できる。
そして図6のレギュレーターでは、抵抗RB1とRB2の接続ノードNQ2の信号(電圧)が、増幅回路AMの非反転入力端子(正側端子)に帰還(正帰還)される。また、増幅回路AMの出力ノードNQ1の信号(電圧)が、増幅回路AMの反転入力端子(負側端子)に帰還(負帰還)される。具体的には、増幅回路AMの非反転入力端子には接続ノードNQ2が接続され、増幅回路AMの反転入力端子には出力ノードNQ1が接続される。
例えば一般的な差動型の増幅回路では、非反転入力端子と反転入力端子の両方に対して信号を帰還する接続は行われない。この点、図6の増幅回路AMは、非反転入力端子と反転入力端子の間にオフセット電圧VOFFを有する増幅回路であるため、このような帰還接続が可能になる。そしてこのような帰還接続を採用することで、負帰還はボルテージフォロワ的になり、正帰還は抵抗分割でフィードバック量を調整して、出力電圧を決定できるようになる。
具体的には、抵抗RB1、RB2の抵抗値をR1、R2とする。すると図6のレギュレーターは、Q1=VREG=VOFF×{(R1+R2)/R1}の定電圧を生成する。
例えば従来のレギュレーターでは、定電圧生成用の基準電圧を生成する回路が必要であった。従って、その基準電圧生成回路に電流パスが存在するため、その電流パスの分だけ電力が無駄に消費されてしまう。
これに対して図6のレギュレーターでは、このような基準電圧生成回路を設けなくても、増幅回路AMのオフセット電圧VOFFを基準電圧として、Q1=VREG=VOFF×{(R1+R2)/R1}の定電圧が生成される。従って、基準電圧生成回路の電流パスの分だけ、電流パスの本数が減るため、低消費電力化を実現できる。
また図6では、増幅回路AMの出力ノードNQ1の信号を増幅回路AMの反転入力端子に帰還(負帰還)させると共に、抵抗RB1とRB2の接続ノードNQ2の信号を非反転入力端子に帰還(正帰還)させている。そして、この接続ノードNQ2に対して位相補償用のキャパシターC0を設けている。このようにすることで、回路の発振を防止して、回路の安定動作を実現できる。従って、図6のレギュレーターによれば、回路の安定動作と低消費電力化とを両立できる。
また一般的なレギュレーターの設計手法では、何らかの基準電圧(例えば1V)をもとに、電圧生成用の演算増幅回路が演算増幅(例えば1.5倍の演算増幅)を行って、演算増幅後の電圧(例えば1.5V)を生成する。そしてバッファリング用の増幅回路(例えばボルテージフォロワ接続の増幅回路)が、演算増幅後の電圧のバッファリングを行うことで、レギュレーターの電流供給能力を確保する。
この手法によれば、演算増幅の部分とバッファリングの部分というように2つのステージに分けて設計を行うことができるため、設計を容易化できる。即ち、演算増幅を行いながらバッファリングを行うという回路構成は、回路の安定化という観点からは設計が非常に難しくなる。演算増幅を行うと、帰還抵抗を介した負帰還が必要になるが、帰還抵抗や帰還容量に起因する位相遅れに対しての安定性確保と、電流供給能力の両立を考えながら設計を行うのは、困難を極めるからである。
この点、図6のレギュレーターは、演算増幅とバッファリングを1つの増幅回路で実現する構成になっている。即ち、演算増幅用の設計という視点は正帰還側に持ち込まれ、バッファリング用の設計という視点は負帰還側に持ち込まれており、この点において従来の一般的なレギュレーターの設計手法とは異なっている。
図7に図6のレギュレーターの詳細な構成例を示す。図7に示すように増幅回路AMは、差動部DFと、差動部DFの出力ノードNB1に接続される出力部QBを含む。更に位相補償用のキャパシターCC及び抵抗RCを含むことができる。
差動部DFは、第1、第2の差動トランジスターTB1、TB2と、トランジスターTB4及びTB5により構成されるカレントミラー回路と、電流源ISB1を含む。差動トランジスターTB1のゲート電極は、抵抗RB1とRB2の接続ノードNQ2に接続される。差動トランジスターTB2のゲート電極は、出力ノードNQ1に接続される。差動トランジスターTB1、TB2は、そのゲート電極の導電性が異なり、これらのTB1、TB2のしきい値電圧の差が仕事関数差電圧VWDになる。
出力部QBは、直列に設けられる駆動トランジスターTDR及び第2の電流源ISB2を含む。そして駆動トランジスターTDRと第2の電流源ISB2の間の接続ノードNQ1の信号が、差動部DFのトランジスターTB2のゲート電極である反転入力端子(第2の差動入力端子)に入力されて帰還される。また抵抗RB1とRB2の接続ノードNQ2の信号が、差動部DFのトランジスターTB1のゲート電極である非反転入力端子(第1の差動入力端子)に入力されて帰還される。位相補償用のキャパシターCC及び抵抗RCは、差動部DFの出力ノードNB1と出力部QBの出力ノードNQ1の間に設けられる。
抵抗RB1、RB2は、出力部QBの出力ノードNQ1とVSSノードの間に設けられる。位相補償用のキャパシターC0は、抵抗RB1とRB2の接続ノードNQ2とVSSノードの間に設けられる。
第1の電流源ISB1は、第1の電流源用抵抗RB3と第1の電流源用のトランジスターTB3を含む。電流源用抵抗RB3は、その一端がVSSノード(第1の電源ノード)に接続される。電流源用トランジスターTB3は、そのソースに電流源用抵抗RB3の他端が接続され、そのゲートにVSSノードが接続されるデプレッション型のトランジスター(NMOSトランジスター)である。
同様に、第2の電流源ISB2は、第2の電流源用抵抗RB4と第2の電流源用トランジスターTB6を含む。電流源用抵抗RB4は、その一端がVSSノード(第1の電源ノード)に接続される。電流源用トランジスターTB6は、そのソースに電流源用抵抗RB4の他端が接続され、そのゲートにVSSノードが接続されるデプレッション型のトランジスター(NMOSトランジスター)である。
このように図7では、電流源ISB1、ISB2として、図1等で説明した電流源を用いている。このようにすることで、温度変動や製造プロセス変動があった場合にも、電流源ISB1、ISB2に流れるテール電流ITL1、ITL2のバラツキを最小限に抑えることができ、安定したテール電流ITL1、ITL2の生成が可能になる。
また図7の回路において各トランジスターを小信号解析用にモデル化し、入力からQ1への伝達関数H1(S)を解くと、極及び零点は、下式(1)〜(6)のように求まる。なお、gmTDR、rdsTDRは、駆動トランジスターTDRの小信号解析用モデルのgm、rdsであり、R1、R2は抵抗RB1、RB2の抵抗値である。また、図7のトランジスターTB4、TB5については、gm素子に加えてrdsやゲート・ソース容量を有するモデルを使用している。また、極の解に関しては、数式をそのまま解くと複雑になりすぎるため、簡略化しても影響が少ない部分については簡略化する操作を行っている。即ち、分子・分母から主要項を抜き出して記述し直す簡略化操作を、例えば下式(1)、(2)において行っている。また図7では、差動のトランジスターTB1、TB2は同一サイズであり、カレントミラー回路を構成するトランジスターTB4、TB5も同一サイズであると想定している。従って、下式(1)〜(6)では、適宜、これらの一方を他方で置き換える操作を行っている。
Figure 2011091759
Figure 2011091759
このように、位相補償用キャパシターC0を設けた場合の入力からQ1への伝達関数H1(S)では、極は上式(1)、(2)、(3)のP1、P2、P3になり、零点は上式(4)、(5)、(6)のZ1、Z2、Z3になる。一方、Q2への伝達関数H2(S)では、極はP1、P2、P3になり、零点はZ1、Z3になり、零点Z2は存在しない。
また極P3と零点Z1は周波数も近く、負の極と負の零点は、ゲイン、位相の両周波数特性において互いに相殺する関係にあるため、これらの極P3及び零点Z1については無視することが可能である。更に、零点Z3は、gmTDR・RC=1になるように抵抗RCの抵抗値を設定することで、高周波に飛ばすことができる。
このように極P3、零点Z1、Z3については解析対象から外すことができる。従って、Q1への伝達関数H1(S)では、上式(1)、(2)の極P1、P2と、上式(5)の零点Z2だけを考慮すればよく、零点Z2が存在しないQ2への伝達関数H2(S)では、上式(1)、(2)の極P1、P2だけを考慮すればよい。
そして、位相補償用のキャパシターC0を設けた場合のQ1への伝達関数H1(S)では、極P1により位相が90度遅れる。また極P2によっても位相が90度遅れるが、これは零点Z2との相殺が、gmTDRの調整及びRB1の抵抗値の選択により調整可能である。具体的にはRB1の抵抗値R1を十分に大きくすると共に、gmTDRを大きくすること(電流を増やす、W/L比を大きくする)で調整できる。これにより位相は、結局、極P1による90度の遅れだけになる。
一方、キャパシターC0を設けた場合のQ2への伝達関数H2(S)では、極P1により位相が90度遅れる。また極P2によっても位相が90度遅れるが、Q1への伝達関数H1(S)の場合とは異なり、零点Z2が存在しないため、位相は180度の遅れになる。
以上のように、キャパシターC0を設け、極P2による位相遅れを零点Z2で相殺することで、Q1への伝達関数では極P1による90度の位相遅れになる。従って、図7に示すようにQ1を反転入力端子に帰還することで、発振が防止されて、回路動作が安定となる。即ち、反転入力端子への帰還である負帰還では、位相遅れが120度程度以下であれば、位相余裕が60度以上になるため、回路の安定動作を確保できる。従って、位相遅れが90度である出力Q1を反転入力端子に負帰還することで、回路の発振動作が防止され、回路の安定動作を確保できる。
またキャパシターC0を設けることで、Q2への伝達関数は、極P1とP2による180度の位相遅れになる。従って、図7に示すように、位相遅れが180度である出力Q2を非反転入力端子に正帰還することで、発振が防止されて、回路動作が安定化する。
この場合に図7では、RB1の抵抗値を高くし(必然的にRB2の抵抗値も高くし)、結果的にノードNQ1からVSSに流れる消費電流を削減し、gmTDRを大きくすることで、回路の安定動作を実現する。
例えば図7のレギュレーターでの電流パスは、電流源ISB1のパス、電流源ISB2のパス、抵抗RB1及びRB2のパスである。このうち、抵抗RB1及びRB2のパスについては、RB1、RB2を例えば高抵抗のポリシリコン抵抗で形成し、その抵抗値を例えば50Mオーム以上にすることで、この電流パスで流れる電流を限りなく少なくできる。またRB1の抵抗値R1を大きくすることで、前述のように極P2による位相の遅れを、零点Z2で相殺して位相を戻すことが可能になり、回路動作も安定化できる。
また、極P2による位相の遅れを零点Z2で相殺するためには、駆動トランジスターTDRのgmTDRを大きくする必要があり、このため、図7のレギュレーターの消費電流は、電流源ISB2に流れるテール電流ITL2が支配的になる。即ち、テール電流ITL1とRB1及びRB2に流れる電流については十分に絞ることができるため、テール電流ITL2が全体の消費電流において支配的になる。
一方、図7では、電流源ISB2を、負の温度特性を有するデプレッション型のトランジスターTB6及び正の温度特性を有するPウェルの抵抗RB4で構成している。これにより、後述する図9(A)〜図10(B)に示すように、温度変動や電源電圧変動やプロセス変動に起因するテール電流ITL2のバラツキを低減できる。従って、設計マージンをそれほど広くとる必要がなくなるため、全体の消費電流において支配的なテール電流ITL2の値を、低消費電流側に十分に近づけることが可能になる。これにより、レギュレーターの消費電流を更に削減することが可能になる。
図8に、図7のレギュレーターの比較例となるレギュレーターの構成例を示す。この比較例は、図7に比べて、電流源ISB1、ISB2の構成が異なる。
図8の比較例では、トランジスターTG1、TG2により構成される基準電圧生成回路REFGにより基準電圧VRが生成される。そしてこの基準電圧VRがトランジスターTG3、TG4のゲート電極に入力されることで、電流源ISB1、ISB2でのテール電流ITL1、ITL2が生成される。
図8の比較例では、基準電圧生成回路REFGでの電流IRGの電流パスの分だけ、図7に比べて電流パスの本数が多くなる。従って、消費電流が大きくなってしまう。これに対して図7のレギュレーターでは、図8に比べて電流パスの本数を少なくできるため、低消費電力化を図れる。
図9(A)、図9(B)は、本実施形態の構成の電流源で生成されるテール電流と、図8の構成の電流源で生成されるテール電流の温度依存性や電源電圧依存性を比較した図である。
なお図9(A)、図9(B)では、図7の電流源ISB1、ISB2の抵抗RB3、RB4が、正の温度特性を有するNウェル抵抗である場合と、フラットな温度特性を有するポリ抵抗である場合を、比較して示している。
図9(A)に示すように、デプレッション型のトランジスターTB3、TB6、Nウェルの抵抗RB3、RB4で電流源ISB1、ISB2を構成すると、テール電流ITL(ITL1、ITL2)の温度特性をほぼフラットにすることができる。従って、温度変動によるテール電流ITLの変動を抑制できる。
これに対して、図8の比較例のように電流源を構成すると、テール電流ITL(ITL1、ITL2)の温度特性はフラットにならず、温度変動によってテール電流ITLも変動してしまう。抵抗RB3、RB4を、ポリ抵抗で構成した場合も同様である。
また図9(B)に示すように、デプレッション型のトランジスターTB3、TB6、抵抗RB3、RB4で電流源ISB1、ISB2を構成すると、電源電圧が変化した場合にもテール電流ITLをほぼ一定に保てる。従って、電源電圧変動によるテール電流ITLの変動を抑制できる。これは抵抗RB3、RB4を、ポリ抵抗で構成した場合も同様である。
これに対して、図8の比較例のように電流源を構成すると、電源電圧が変化した場合に、テール電流ITLも変化してしまう。従って、電源電圧変動によるテール電流ITLの変動を抑制できず、この点において本実施形態の構成の電流源の方が有利となる。
図10(A)は、本実施形態の構成の電流源で生成されるテール電流と図8の比較例の構成の電流源で生成されるテール電流のバラツキを比較したヒストグラムである。図10(A)ではモンテカルロ法を用いてヒストグラムを作成している。また図10(B)にテール電流の平均値、最大値、最小値、分散を示す。
図10(A)に示すように、本実施形態の構成の電流源によれば、抵抗によるフィードバックのため、トランジスターのしきい値電圧のバラツキやゲート長寸法のバラツキなどの製造プロセス変動に起因するテール電流のバラツキを抑制できる。従って、精度の高いテール電流の生成が可能になる。
4.レイアウト配置
図11(A)、図11(B)に抵抗のレイアウト配置例を示す。図11(A)は平面図であり、図11(B)は断面図である。
図7では、抵抗RB1、RB2(広義には演算増幅用回路素子)については、ポリ抵抗で形成する一方で、差動部DFや出力部QBの電流源用の抵抗RB3、RB4については、正の温度特性を有するNウェル抵抗で形成する。RB3、RB4をNウェル抵抗で形成して正の温度特性を持たせることで、デプレッション型のトランジスターTB3、TB6のしきい値電圧の負の温度特性との間の相殺が可能になり、電流源ISB1、ISB2のテール電流ITL1、ITL2の温度特性をフラットにすることが可能になる。
一方、消費電力を低減するためには、RB1、RB2に流れる電流や、電流源ISB1、ISB2で流れるテール電流ITL1、ITL2の電流値を小さくする必要があり、これらの電流値を小さくするためには、抵抗RB1、RB2、RB3、RB4の抵抗値を大きくする必要がある。
しかしながら、抵抗RB1〜RB4の抵抗値を大きくしようとすると、抵抗RB1〜RB4のレイアウト面積が大きくなってしまい、集積回路装置の大規模化を招く。
そこで本実施形態では図11(A)、図11(B)に示すレイアウト手法を採用している。
即ち図11(A)において、図7の抵抗RB1やRB2は、ポリシリコン層により形成されるポリ抵抗になっており、抵抗RB3やRB4は、Nウェルにより形成されるNウェル抵抗になっている。そして図11(A)に示すように、Nウェル抵抗である抵抗RB3やRB4の形成領域上に、ポリ抵抗である抵抗RB1やRB2をレイアウト配置する。即ち、Nウェル抵抗である抵抗RB3やRB4と、ポリ抵抗である抵抗RB1やRB2とが、平面視においてオーバーラップするようにレイアウト配置される。
具体的には、図11(A)において抵抗RB1やRB2は複数のポリ抵抗ユニットにより構成される。即ち、複数のポリ抵抗ユニットが蛇状に配置され、隣り合うポリ抵抗ユニットは、メタル配線及びコンタクトを介して接続される。そして抵抗RB1やRB2の一端はタップTPP1になり、他端はタップTPP2になる。図7を例にとれば、抵抗RB1では、タップTPP1にはノードNQ1が接続され、タップTPP2にはノードNQ2が接続される。抵抗RB2では、タップTPP1にはノードNQ2が接続され、タップTPP2にはVSSが接続される。
また抵抗RB3やRB4は複数のNウェル抵抗ユニットにより構成される。即ち、複数のNウェル抵抗ユニットが蛇状に配置され、隣り合うNウェル抵抗ユニットは、メタル配線及びコンタクトを介して接続される。そして抵抗RB3やRB4の一端はタップTPN1になり、他端はタップTPN2なる。図7を例にとれば、抵抗RB3では、タップTPN1にはトランジスターTB3のソースが接続され、タップTPN2にはVSSが接続される。抵抗RB4では、タップTPN1にはトランジスターTB6のソースが接続され、タップTPN2にはVSSが接続される。なおポリ抵抗やNウェル抵抗のレイアウト配置は図11(A)に限定されず、種々の変形実施が可能である。
また図11(A)では、各ポリ抵抗ユニットはその長手方向が紙面に対して横方向(第1の方向)になるように配置され、Nウェル抵抗ユニットはその長手方向が紙面に対して縦方向(第1の方向に直交する第2の方向)になるように配置されている。このようにすれば、タップTPP1及びTPP2の取り出し場所と、タップTPN1及びTPN2の取り出し場所を、別の場所にできるため、信号配線のレイアウトを簡素化・効率化できる。
図11(A)、図11(B)の手法によれば、集積回路装置の1つの領域を用いて、抵抗RB1とRB3やRB2とRB4をレイアウト配置できる。従って、レイアウト効率を向上でき、集積回路装置の小面積化を図れる。
また図11(A)、図11(B)では、1つの領域に2つの抵抗(ポリ抵抗、Nウェル抵抗)を配置できるため、各抵抗の抵抗値を高くするために各抵抗のレイアウト面積が大きくなっても、全体のレイアウト面積の増加については最小限に抑えることができる。従って、各抵抗の抵抗値を大きくして回路の低消費電力化を図ることも容易になる。
特に本実施形態では、抵抗RB3、RB4をNウェル抵抗で形成すれば、その上に別の回路素子をレイアウト配置できる点に着目している。そこで、正の温度特性の抵抗RB3、RB4についてはNウェル抵抗で実現し、抵抗RB1、RB2についてはポリ抵抗で実現し、Nウェル抵抗の上にポリ抵抗を形成することで、レイアウト面積のコンパクト化を図る。
この場合に、Nウェル抵抗とポリ抵抗を同じ場所にレイアウト配置することで、一方の抵抗からの電圧により他方の抵抗の抵抗値が変動してしまうおそれもある。しかしながら、Nウェル抵抗については、その精度は重視されておらず、その抵抗値が高ければ十分であるため、ポリ抵抗からの電圧による抵抗値変動はそれほど問題にならない。一方、ポリ抵抗については、その抵抗値を高くして行くと、その上下の素子からの電圧による抵抗値の変動の影響を、より受けやすくなる。しかしながら、図7のNウェル抵抗RB3、RB4に印加される電圧は0Vに近いため、ポリ抵抗への悪影響はそれほど問題にならないという利点がある。
5.定電流生成回路
図12に、電子回路の一例である定電流生成回路の構成例を示す。この定電流生成回路は、差動部DFと出力部QBを含む。
差動部DFには、トランジスターTA1とTA2が、第1、第2の差動トランジスターとして設けられる。例えばトランジスターTA1のゲート電極が、差動部DFの非反転入力端子(第1の差動入力端子)になり、トランジスターTA2のゲート電極が、差動部DFの反転入力端子(第2の差動入力端子)になる。
また出力部QBは、抵抗RA1と、抵抗RA1に直列に設けられる駆動トランジスターTDR(PMOSトランジスター)を含む。即ちP型の駆動トランジスターTDRと抵抗RA1はVDDとVSSの間に直列に設けられる。
そして図12では、差動部DFの非反転入力端子(第1の差動入力端子)が、第1の基準電圧VRF1に設定される。また出力部QBの駆動トランジスターTDRと抵抗RA1との間の接続ノードNA4の信号(電圧)が、差動部DFの反転入力端子(第2の差動入力端子)に帰還される。そして差動部DFの出力ノードNA1により駆動トランジスターTDRが制御される。例えば差動部DFの出力ノードNA1により駆動トランジスターTDRのゲート電極を制御することで、抵抗RA1に流れる電流IA1が制御される。
図12の構成によれば、抵抗RA1には、仕事関数差電圧VWDに対応する電圧が印加される。そして仕事関数差電圧VWDは負の温度特性を有し、抵抗RA1の抵抗値も負の温度特性を有するため、抵抗RA1に流れる電流IA1の温度依存性を低減できる。従って、よりフラットな温度特性の定電流IREFの生成が可能になる。
また図12の構成では、ノードNA4の電圧が差動部DFに帰還されて、駆動トランジスターTDRのゲート電極が制御される。従って、例えば電源電圧変動や製造プロセスバラツキ等があった場合にも、ノードNA4の信号による帰還制御が行われることで、定電流IREFのバラツキを低減できる。
図13に図12の定電流生成回路の更に詳細な構成例を示す。図13では差動部DFが、電流源ISAと、第1、第2の差動トランジスターとなるトランジスターTA1、TA2と、カレントミラー回路を構成するトランジスターTA4、TA5を含む。
出力部QBは、直列に設けられる駆動トランジスターTDR及び抵抗RA1と、直列に設けられるトランジスターTA6及びTA7を含む。そして駆動トランジスターTDRと抵抗RA1の間の接続ノードNA4の信号が、差動部DFのトランジスターTA2のゲート電極である反転入力端子(第2の差動入力端子)に入力されて帰還される。また差動部DFのトランジスターTA1のゲート電極である非反転入力端子(第1の差動入力端子)は、VSS(第1の電源ノードの電圧)に設定される。
また差動部DFのトランジスターTA1とTA4の間の出力ノードNA1の信号により、出力部QBのP型のトランジスターTDR、TA6のゲート電極が制御される。ここでトランジスターTDRとTA6のトランジスター比(W/L)の設定により、抵抗RA1に流れる電流IA1と定電流IREFの電流比が設定される。
そしてN型のトランジスターTA7は、そのゲートとドレインがノードNA5に接続され、ノードNA5からのバイアス電圧VBSが、集積回路装置の各アナログ回路に供給される。各アナログ回路は、このバイアス電圧VBSを用いることで、定電流IREFに対応する定電流を得ることができる。
また図13の回路では、ノードNA4の信号がトランジスターTA2のゲート電極に帰還されている。従って、そしてトランジスターTA1のゲート電極はVSSに設定されているため、ノードNA4の電圧が仕事関数差電圧VWDになるように、差動部DFの出力ノードNA1により駆動トランジスターTDRのゲート電極が帰還制御される。従って、電源電圧変動等があった場合にも、精度の高い定電流IREFを生成できる。
また図13では、電流源ISAは、トランジスターTA3と抵抗RA2を含み、図1等で説明した本実施形態の構成の電流源になっている。そして、トランジスターTA1とTA3は、デプレッション型のN型トランジスターとなっており、これらのゲート電極にはVSSの電圧が設定される。即ちTA1とTA3はデプレッション型のN型トランジスターであるため、そのゲート電極にVSSが設定されても電流が流れる。従って、トランジスターTA1とTA3のゲート電極をVSSに設定すれば済み、これらのゲート電極に設定される基準電圧の生成回路を別に用意する必要がないため、電流パスの本数を減らすことができる。即ち基準電圧生成回路の電流パスの分だけ電流パスの本数を減らすことができるため、低消費電力化を図れる。
また図13の定電流生成回路において、電流源ISAを構成する抵抗RA2は、正の温度特性を有するNウェル抵抗で形成できる。一方、抵抗RA1(広義には演算増幅用回路素子)は、例えば負の温度特性を有するポリシリコン抵抗により形成できる。そして図11(A)、図11(B)で説明したように、Nウェル抵抗RA2の形成領域上に、演算増幅用回路素子であるポリ抵抗RA1をレイアウト配置する。
即ち図13の回路では、負の温度特性の抵抗RA1と正の温度特性の抵抗RA2の両方が必要になっている。そこで、正の温度特性の抵抗RA2についてはNウェル抵抗で実現し、負の温度特性の抵抗RA1についてはポリ抵抗で実現する。そして、Nウェル抵抗RA2上に、平面視においてオーバーラップするようにポリ抵抗RA1をレイアウト配置する。このようにすれば、集積回路装置の1つの領域を用いて、抵抗RA1とRA2の両方をレイアウト配置できるため、レイアウト面積のコンパクト化を図れる。また図13のNウェル抵抗RA2に印加される電圧は0Vに近いため、このNウェル抵抗RA2の電圧がポリ抵抗RA1に及ぼす悪影響もそれほど問題にならないという利点がある。
6.電子回路の他の構成例
本実施形態の増幅回路を適用できる電子回路としては、図6、図7のレギュレーターや図12、図13定電流生成回路以外にも、様々な回路が考えられる。
例えば図14(A)は電子回路の1つである反転増幅回路の構成例である。この反転増幅回路は、増幅回路AMと、演算増幅用回路素子である抵抗RD1、RD2を含む。具体的には、入力信号INのノードと増幅回路AMの反転入力端子のノードND1の間に抵抗RD1が設けられ、ノードND1と出力信号QのノードND2の間に抵抗RD2が設けられる。
増幅回路AMとしては、図3の構成の増幅回路を用いることができる。この増幅回路AMは本実施形態の構成の電流源ISC1を含み、この電流源ISC1の抵抗RC1はNウェル抵抗で形成される。また演算増幅用回路素子である抵抗RD1、RD2はポリシリコン抵抗で形成される。そして図11(A)、図11(B)で説明したように、Nウェル抵抗RC1の形成領域上に、演算増幅用回路素子であるポリ抵抗RD1、RD2をレイアウト配置することで、レイアウト面積のコンパクト化を図れる。
図14(B)は電子回路の1つである積分回路の構成例である。この積分回路は、増幅回路AMと、演算増幅用回路素子である抵抗RE1、キャパシターCE1を含む。具体的には、入力信号INのノードと増幅回路AMの反転入力端子のノードNE1の間に抵抗RE1が設けられ、ノードNE1と出力信号QのノードNE2の間にキャパシターCE1が設けられる。
増幅回路AMとしては、図3の構成の増幅回路を用いることができ、この増幅回路AMは、Nウェル抵抗RC1を有する電流源ISC1を含む。また演算増幅用回路素子である抵抗RE1はポリシリコン抵抗で形成され、演算増幅用回路素子であるキャパシターCE1は、その第1の電極が第1のポリシリコン層で形成され、その第2の電極が第2のポリシリコン層で形成される。
そして図11(A)、図11(B)で説明したように、Nウェル抵抗RC1の形成領域上に、演算増幅用回路素子であるポリ抵抗RE1やキャパシターCE1をレイアウト配置することで、レイアウト面積のコンパクト化を図れる。
図15(A)は電子回路の1つであるレギュレーターの他の構成例である。このレギュレーターは、増幅回路AMと、駆動トランジスターTF1と、演算増幅用回路素子である抵抗RF1、RF2を含む。抵抗RF1とRF2の電圧分割ノードNF1が増幅回路AMの反転入力端子に帰還され、増幅回路AMの出力ノードNF2により駆動トランジスターTF1のゲート電極を制御することで、ノードNF3に出力信号Qである定電圧が生成される。
増幅回路AMとしては、図3の構成の増幅回路を用いることができ、この増幅回路AMは、Nウェル抵抗RC1を有する電流源ISC1を含む。また演算増幅用回路素子である抵抗RF1、RF1はポリシリコン抵抗で形成される。
そして図11(A)、図11(B)で説明したように、Nウェル抵抗RC1の形成領域上に、演算増幅用回路素子であるポリ抵抗RF1、RF2をレイアウト配置することで、レイアウト面積のコンパクト化を図れる。
図15(B)は電子回路の1つであるローパスフィルターの構成例である。このローパスフィルターは、増幅回路AMと、抵抗RH1、RH2と、キャパシターCH1を含む。具体的には、入力信号INのノードと増幅回路AMの非反転入力端子のノードNH1の間に抵抗RH1が設けられ、ノードNH1とVSSノードの間にキャパシターCH1が設けられ、増幅回路AMの反転入力端子のノードNH2と出力信号QのノードNH3の間に抵抗RH2が設けられる。
増幅回路AMとしては、図3の構成の増幅回路を用いることができ、この増幅回路AMは、Nウェル抵抗RC1を有する電流源ISC1を含む。また演算増幅用回路素子である抵抗RH1、RH1はポリシリコン抵抗で形成され、演算増幅用回路素子であるキャパシターCH1は、その第1の電極が第1のポリシリコン層で形成され、その第2の電極が第2のポリシリコン層で形成される。
そして図11(A)、図11(B)で説明したように、Nウェル抵抗RC1の形成領域上に、演算増幅用回路素子であるポリ抵抗RH1、RH2やキャパシターCH1をレイアウト配置することで、レイアウト面積のコンパクト化を図れる。
なお本実施形態が適用される電子回路は、図6、図7、図12、図13、図14(A)〜図15(B)に示した構成の回路に限定されず、少なくとも図1で示したような電流源が用いられる回路であればよい。
7.集積回路装置
図16に、本実施形態の増幅回路や電子回路を含む集積回路装置の構成例を示す。図17は、集積回路装置がRFの無線通信用ICである場合の例である。この集積回路装置は、受信回路30、復調回路36、送信回路40、変調回路46、クロック生成回路48、制御回路50、定電流生成回路60、レギュレーター100、パワーオンリセット回路110を含む。
受信回路30は、低ノイズアンプLNA、ミキサー32、フィルター部34を含む。低ノイズアンプLNAは、アンテナANTから入力されるRFの受信信号を低ノイズで増幅する処理を行う。ミキサー32は、増幅後の受信信号と、クロック生成回路48からのローカル信号(局所周波数信号)のミキシング(混合)処理を行って、ダウンコンバージョンを実行する。フィルター部34は、ダウンコンバージョン後の受信信号のフィルター処理を行う。具体的には、フィルター部34は、複素フィルターなどで実現されるバンドパスのフィルター処理を行い、イメージ除去を行いながらベースバンド信号を抽出する。
復調回路36は、受信回路30からの信号に基づいて復調処理を行う。例えば送信側においてFSK(周波数シフトキーイング)で変調された信号の復調処理を行い、復調後の受信信号を制御回路50に出力する。
変調回路46は、制御回路50からの送信信号の変調処理を行う。例えば送信信号をFSKで変調し、変調後の送信信号を送信回路40に出力する。そして送信回路40は、パワーアンプPAにより増幅した送信信号をアンテナANTに対して出力する。
クロック生成回路48は、VCO(電圧制御発振器)などにより構成されるPLL回路を有し、各種のクロック信号やミキサー32へのローカル信号等を生成する。
制御回路50(ロジック回路)は、集積回路装置の全体の制御や、ベースバンドでのデジタル処理などを実行する。また制御回路50は、例えばリンク層回路52やホストI/F(インターフェース)54を有し、リンク層のプロトコル処理や、外部のホストとのインターフェース処理などを実行する。
定電流生成回路60は、例えば図12、図13で説明した構成の回路であり、受信回路30、送信回路40、クロック生成回路48などの集積回路装置内の各アナログ回路に対して定電流を供給する。そして各アナログ回路は、供給された定電流を用いて、信号増幅処理、信号検出処理、或いは信号フィルタリング処理などの各種のアナログ処理を行う。
このようにすれば、各アナログ回路は、本実施形態の定電流生成回路60で生成された安定した温度特性の定電流を用いて、アナログ処理を行うことができるため、アナログ処理の特性の向上を図れる。また定電流生成回路60として例えば図12、図13の構成を採用すれば、電流パスの本数を減らすことができるため、例えば待機時等における電力の消費を最小限に抑えることが可能になる。
レギュレーター100は、例えば図6、図7で説明した構成の回路であり、外部電源電圧VDDEを受けて、電圧調整後の電源電圧VDDAを、パワーオンリセット回路110、制御回路50に供給する。パワーオンリセット回路110は、外部電源電圧VDDEの投入時等に、パワーオンリセット信号XRSTを制御回路50に出力する。このパワーオンリセット回路110が含むコンパレーターとしては、例えば図4に示すような構成の回路を用いることができる。
例えば図16において、制御回路50等へのクロック供給を停止すると共に、受信回路30や送信回路40等の動作をディスイネーブル状態に設定することで、待機モード(スリープモード)が実現される。そして、この待機モードにおいては、レギュレーター100やパワーオンリセット回路110での消費電力が、集積回路装置の消費電力において支配的になる。
この点、本実施形態によれば、レギュレーター100やパワーオンリセット回路110での電流パスの本数を最小限に抑えることができる。従って、レギュレーター100やパワーオンリセット回路110での電力消費を最小限に抑えることができ、集積回路装置の待機モードでの消費電力を削減できる。
なお本実施形態の増幅回路や電子回路が適用される集積回路装置は、図16のような無線通信用ICには限定されず、様々なタイプの集積回路装置に適用できる。例えばセンサーからのセンサー信号から所望信号を検出する検出装置にも適用できる。このような検出装置としては、振動子を用いて角速度情報や加速度情報などの物理量を検出する装置などがある。
8.電子機器
図17に本実施形態の集積回路装置310を含む電子機器の構成例を示す。この電子機器は、アンテナANT、集積回路装置310、ホスト320、検出装置330、センサー340、電源部350を含む。なお本実施形態の電子機器は図17の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば検出装置、センサー、電源部等)を省略したり、他の構成要素(例えば操作部、出力部)を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
集積回路装置310は、図16のような回路構成で実現される無線回路装置であり、アンテナANTからの信号の受信処理や、アンテナANTへの信号の送信処理を行う。ホスト320は、電子機器の全体の制御を行ったり、集積回路装置310や検出装置330の制御を行う。検出装置330は、センサー340(物理量トランスデューサ)からのセンサー信号に基づいて種々の検出処理(物理量の検出処理)を行う。例えばセンサー信号から所望信号を検出する処理を行って、A/D変換後のデジタルデータをホスト320に出力する。センサー340は、例えば煙センサー、光センサー、人感センサー、圧力センサー、生体センサー、ジャイロセンサーなどである。電源部350は、集積回路装置310、ホスト320、検出装置330等に電源を供給するものであり、例えば乾電池(丸形乾電池等)やバッテリーなどにより電源を供給する。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(第1の差動入力端子、第2の差動入力端子、第1の電源ノード、第2の電源ノード、演算増幅用回路素子等)と共に記載された用語(非反転入力端子、反転入力端子、VSSノード、VDDノード、抵抗・キャパシター等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また電流源、増幅回路、電子回路、集積回路装置、電子機器の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。
TR トランジスター、R 抵抗、ITL テール電流、IS 電流源、
AP 増幅部、LD 負荷部、AM 増幅回路、DF 差動部、QB 出力部、
TC1、TC2 第1、第2の差動トランジスター、
TDRC 駆動トランジスター、ISC1、ISC2 電流源、
30 受信回路、32 ミキサー、34 フィルター部、
36 復調回路、40 送信回路、46 変調回路、48 クロック生成回路、
50 制御回路、52 リンク層回路、54 ホストI/F、60 定電流生成回路、
100 レギュレーター、110 パワーオンリセット回路、120 ロジック回路、
310 集積回路装置、320 ホスト、330 検出装置、
340 センサー、350 電源部

Claims (15)

  1. 一端が第1の電源ノードに接続される抵抗と、
    ソースに前記抵抗の他端が接続され、ゲートに前記第1の電源ノードが接続されるデプレッション型のトランジスターとを含み、
    前記トランジスターのしきい値電圧は負の温度特性を有し、
    前記抵抗の抵抗値は正の温度特性を有することを特徴とする電流源。
  2. 請求項1において、
    前記抵抗は、Nウェルにより形成されるNウェル抵抗であることを特徴とする電流源。
  3. 請求項1又は2に記載の電流源と、
    前記電流源に直列に設けられた増幅部と、
    前記増幅部に直列に設けられた負荷部とを含むことを特徴とする増幅回路。
  4. 請求項1又は2に記載の電流源を有する差動部と、
    前記差動部の出力ノードに接続される出力部とを含み、
    前記差動部は、
    第1の差動トランジスター及び第2の差動トランジスターと、
    前記第1の差動トランジスター及び前記第2の差動トランジスターと第2の電源ノードとの間に設けられるカレントミラー回路を含むことを特徴とする増幅回路。
  5. 請求項4において、
    前記出力部は、
    前記差動部の出力ノードにより制御される駆動トランジスターと、
    前記駆動トランジスターと前記第1の電源ノードとの間に設けられる第2の電流源を含み、
    前記第2の電流源は、
    一端が前記第1の電源ノードに接続される第2の抵抗と、
    ソースに前記第2の抵抗の他端が接続され、ゲートに前記第1の電源ノードが接続されるデプレッション型の第2のトランジスターとを含み、
    前記第2のトランジスターのしきい値電圧は負の温度特性を有し、
    前記第2の抵抗の抵抗値は正の温度特性を有することを特徴とする増幅回路。
  6. 請求項4又は5において、
    前記差動部は、非反転入力端子と反転入力端子の間にオフセット電圧を有することを特徴とする増幅回路。
  7. 請求項6において、
    前記第1の差動トランジスターのゲート電極の導電性と、前記第2の差動トランジスターのゲート電極の導電性を異ならせることで、前記オフセット電圧が設定されることを特徴とする増幅回路。
  8. 請求項7において、
    前記第1の差動トランジスターは、デプレッション型のトランジスターであり、
    前記第1の差動トランジスターのゲート電極に、前記第1の電源ノードが接続されることを特徴とする増幅回路。
  9. 請求項6乃至8のいずれかにおいて、
    前記第1の差動トランジスターのW/L比と、前記第2の差動トランジスターのW/L比を異ならせる、或いは前記カレントミラー回路を構成する第1のカレントミラー用トランジスターのW/L比と前記カレントミラー回路を構成する第2のカレントミラー用トランジスターのW/L比を異ならせることで、前記オフセット電圧が設定されることを特徴とする増幅回路。
  10. 請求項3乃至9のいずれかに記載の増幅回路と、
    演算増幅用回路素子を含み、
    前記電流源の前記抵抗は、Nウェルにより形成されるNウェル抵抗であり、
    前記Nウェル抵抗である前記抵抗の形成領域上に、前記演算増幅用回路素子がレイアウト配置されることを特徴とする電子回路。
  11. 請求項10において、
    演算増幅用回路素子として、ポリシリコン層で形成されたポリ抵抗を含み、
    前記Nウェル抵抗である前記抵抗の形成領域上に、演算増幅用回路素子である前記ポリ抵抗がレイアウト配置されることを特徴とする電子回路。
  12. 請求項10又は11において、
    演算増幅用回路素子として、第1の電極が第1のポリシリコン層で形成され、第2の電極が第2のポリシリコン層で形成されたキャパシターを含み、
    前記Nウェル抵抗である前記抵抗の形成領域上に、演算増幅用回路素子である前記キャパシターがレイアウト配置されることを特徴とする電子回路。
  13. 請求項3乃至9のいずれかに記載の増幅回路を含むことを特徴とする集積回路装置。
  14. 請求項10乃至12のいずれかに記載の電子回路を含むことを特徴とする集積回路装置。
  15. 請求項13又は14に記載の集積回路装置を含むことを特徴とする電子機器。
JP2009245684A 2009-10-26 2009-10-26 電流源、増幅回路、電子回路、集積回路装置及び電子機器 Pending JP2011091759A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009245684A JP2011091759A (ja) 2009-10-26 2009-10-26 電流源、増幅回路、電子回路、集積回路装置及び電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009245684A JP2011091759A (ja) 2009-10-26 2009-10-26 電流源、増幅回路、電子回路、集積回路装置及び電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011091759A true JP2011091759A (ja) 2011-05-06

Family

ID=44109563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009245684A Pending JP2011091759A (ja) 2009-10-26 2009-10-26 電流源、増幅回路、電子回路、集積回路装置及び電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011091759A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104460812A (zh) * 2014-12-31 2015-03-25 西安电子科技大学 一种原边反馈变换器的输出整流二极管温度补偿电路
CN109582076A (zh) * 2019-01-09 2019-04-05 上海晟矽微电子股份有限公司 基准电流源
US10747248B2 (en) 2018-03-26 2020-08-18 Seiko Epson Corporation Oscillator
WO2021241257A1 (ja) * 2020-05-27 2021-12-02 ローム株式会社 定電圧生成回路
WO2023007897A1 (ja) * 2021-07-30 2023-02-02 株式会社アドバンテスト 保護回路及びスイッチ制御装置
WO2024024334A1 (ja) * 2022-07-25 2024-02-01 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 バッファ回路及び撮像装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104460812A (zh) * 2014-12-31 2015-03-25 西安电子科技大学 一种原边反馈变换器的输出整流二极管温度补偿电路
US10747248B2 (en) 2018-03-26 2020-08-18 Seiko Epson Corporation Oscillator
CN109582076A (zh) * 2019-01-09 2019-04-05 上海晟矽微电子股份有限公司 基准电流源
CN109582076B (zh) * 2019-01-09 2023-10-24 上海晟矽微电子股份有限公司 基准电流源
WO2021241257A1 (ja) * 2020-05-27 2021-12-02 ローム株式会社 定電圧生成回路
WO2023007897A1 (ja) * 2021-07-30 2023-02-02 株式会社アドバンテスト 保護回路及びスイッチ制御装置
WO2024024334A1 (ja) * 2022-07-25 2024-02-01 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 バッファ回路及び撮像装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011091759A (ja) 電流源、増幅回路、電子回路、集積回路装置及び電子機器
TWI294996B (en) Low drop-out voltage regulator circuit and method with common-mode feedback
TWI584100B (zh) 具備電壓產生電路之半導體裝置
JP5285371B2 (ja) バンドギャップ基準電圧回路
US20150145609A1 (en) Clock signal generation circuit, detection device, sensor, electronic apparatus, and moving object
US20040150382A1 (en) Voltage regulator and semiconductor integrated circuit
JP5487880B2 (ja) レギュレーター、集積回路装置及び電子機器
KR100788346B1 (ko) 밴드 갭 기준전압 발생회로
US20160308497A1 (en) Low drop out voltage regulator and method therefor
JP4990028B2 (ja) 半導体集積回路装置
US10797643B2 (en) Oscillation circuit, microcomputer and electronic device
US7576613B2 (en) Regulated cascode circuits and CMOS analog circuits including the same
US7990207B2 (en) Constant voltage circuit, constant voltage supply system and constant voltage supply method
JP2007219856A (ja) 定電圧電源回路
CN105634438A (zh) 低通滤波器
JP4088247B2 (ja) 電圧減算回路及びそれを用いた強度検波回路
KR101036923B1 (ko) 반도체 장치
JP2000075941A (ja) 半導体装置
JP2004022647A (ja) 半導体集積回路
JP2011120058A (ja) 集積回路装置及び電子機器
JP5987403B2 (ja) 回路装置、発振装置及び電子機器
JP2012039548A (ja) ダイナミック増幅器
JP2007140799A (ja) リファレンス回路
JP2007148561A (ja) 安定化電源回路
CN103391069A (zh) 电路装置及电子设备