JP2011089961A - 分光器およびそれを備えた測光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分光器およびそれを用いた測光装置において、受光素子の波長に対する感度のばらつきが生じる広帯域の分光測定であっても、高精度な分光測定を行うことができるようにする。
【解決手段】絞りを通して入射される被測定光束Lを波長に応じて分散させて一定方向に沿って波長が変化するスペクトル像ISmを形成するグレーティングと、スペクトル像ISmの像面においてスペクトル像ISmの波長変化方向Sに沿って複数の受光素子18aが線状に配列されたラインセンサー18とを有する分光器15であって、グレーティングと、ラインセンサー18の複数の受光素子18aとの間の光路上に配置され、グレーティングから複数の受光素子18aに向かう光束の透過率を波長変化方向Sに沿って変化させるカラーバランス調整スリット17備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、ポリクロメータ型の分光器およびそれを備えた測光装置に関する。
従来、スリットから入射する光束をプリズムや回折格子といった波長分散素子にて分光し、分光スリット像を半導体の光検出素子の配列上に結像して、分光強度分布を各光検出素子から出力される光電流の強弱として取り出すポリクロメータ型の分光器が知られている。また、このような分光器を備えた種々の測光装置、例えば分光反射率測定装置などが知られている。
ポリクロメータ型の分光器では、光検出器として、主にシリコン半導体を用いた受光部を有する受光素子が1列に配列されたラインセンサー(1次元受光素子アレイ)が使われている。また、測定に用いる光源としては、タングステンランプなどの白色光源が用いられる。
このような測光装置として、特許文献1には、白色光源からの光束を被検面に入射させ、前記被検面からの反射光を分光器で分光した後に受光素子に受光させて前記被検面の反射率を測定する反射率測定機において、前記白色光源から前記被検面に至るまでの間に、反射光を前記受光素子で検出したときの前記受光素子の検出強度の波長に依存するばらつきを減少させる補正手段を設けたことを特徴とする反射率測定機が記載されている。
この補正手段の例としては、波長380nmから780nmの範囲で、検出強度が高くなる波長域の光量をカットし、検出強度が低くなる波長域の出力が、検出強度が高くなる領域の出力の1%以上になるように補正する光学フィルタと、同じく波長380nmから780nmの範囲で、検出強度が低くなる波長域の光束を出射し、この光束を前記白色光源からの光束に合成するように配置された補償用光源とが挙げられている。
特開2007−139632号公報
しかしながら、上記のような従来の分光器およびそれを備えた測光装置では、以下のような問題があった。
前記測定装置は蒸着膜の分光反射率測定等に用いられている。近年、光学部品の蒸着膜に要求される波長範囲が可視域から近紫外域(波長350nm〜400nm)、あるいは近赤外域(波長900nm〜1000nm)に広がってきている。従来の1次元受光素子アレイを用いた分光器では、受光素子にシリコン半導体を用いているため、このような、可視域から近紫外域、あるいは近赤外域に広がるような広帯域での分光測定に対応できないという問題がある。
この理由は、受光素子に用いられるシリコン半導体の感度が、近紫外域および近赤外域では可視域に比べて低いためである。なお、近紫外域については光源として使われるタングステンランプの分光輝度が近紫外域で低いことも理由の1つに挙げられる。
受光素子の感度が低いと、光信号に対する暗電流ノイズの割合が増えて、SN比が悪くなり、測定値の誤差が大きくなる。一般的にこのようなSN比を改善するためには、光信号の積分強度を増やせばよく、受光素子の受光時間を長く取ることが行われるが、そうすると、感度の高い可視波長を受光している受光素子の電荷が先に飽和してしまうため、可視域での測定誤差が大きくなってしまう。
特許文献1に記載の技術によれば、白色光源から被検面までの間に光学フィルターまたは補償用光源からなる補正手段を備えることで、被検面での反射光の分光分布をある程度調整することができるためSN比をある程度は向上することができるが、近紫外域から近赤外域にわたる広帯域の測定では、分光分布の補正も広帯域に行う必要があるため、光学フィルターや補償用光源を白色光源から被検面までの間に配置した補正手段では補正特性を所望特性に合わせて作製することができなくなるという問題がある。
複数の補正特性を有する光学フィルターや補償用光源を組み合わせることも考えられるが、部品点数が多くなるため、高価な装置になるという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、受光素子の波長に対する感度のばらつきが生じる広帯域の分光測定であっても、簡素な構成で高精度な分光測定を行うことができる分光器およびそれを用いた測光装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、絞りを通して入射される被測定光束を波長に応じて分散させて一定方向に沿って波長が変化するスペクトル像を形成する波長分散光学系と、前記スペクトル像の像面において前記スペクトル像の波長変化方向に沿って複数の受光素子が線状に配列された1次元受光素子アレイとを有する分光器であって、前記波長分散光学系と、前記1次元受光素子アレイの前記複数の受光素子との間の光路上に配置され、前記波長分散光学系から前記複数の受光素子に向かう光束の透過率を前記波長変化方向に沿って変化させる光量規制部材を備える構成とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の分光器において、前記光量規制部材の透過率特性は、前記スペクトル像を構成し前記受光素子によって受光される波長光のうち、少なくとも前記受光素子の感度が最大となる波長光の透過位置における透過率が、前記受光素子の感度が最小となる波長光の透過位置における透過率よりも小さく設定された構成とする。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の分光器において、前記光量規制部材の透過率特性は、前記波長変化方向における中間部の透過位置で最小となり、前記波長変化方向における両端部の透過位置に向かって漸次増大する透過率分布を有する構成とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の分光器において、前記光量規制部材は、前記波長変化方向および該波長変化方向に直交する方向に沿って光学的な開口を有し、該開口の前記波長変化方向に直交する方向の開口幅の大きさが、前記波長変化方向に沿って変化されている開口板からなる構成とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の分光器において、前記光量規制部材は、前記波長変化方向に沿って透過率が変化されたNDフィルターからなる構成とする。
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の分光器において、前記NDフィルターは、前記波長変化方向に沿う透過率分布が可変とされた透過率可変フィルターからなる構成とする。
請求項7に記載の発明では、測光装置において、請求項1〜6に記載の分光器を備えた構成とする。
本発明の分光器およびそれを備えた測光装置によれば、光量規制部材により、受光素子の波長に対する感度に応じて、1次元受光素子アレイの各受光素子の受光量を受光素子の波長に対する感度に応じて調整することができるため、受光素子の波長に対する感度のばらつきが生じる広帯域の分光測定であっても、簡素な構成で高精度な分光測定を行うことができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る測光装置の概略構成を示す模式的な装置構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る測光装置の光源部から出射される光束の断面形状を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る分光器の絞りにおける反射像の様子を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る分光器の波長分散光学系の結像の様子を説明するための模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る分光器の光量規制部材および1次元受光素子アレイの位置関係を示す模式的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る分光器の光量規制部材および1次元受光素子アレイの位置関係を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る分光器の1次元受光素子アレイの模式的な分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る分光器の光量規制部材の開口幅の変化を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る分光器の光量規制部材の有無による測定系の波長特性の一例を示すグラフ、およびそれらの波長特性を規格化して示すグラフである。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る分光器の光量規制部材を示す模式的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る分光器の光量規制部材の透過率分布の一例を示す模式的なグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る分光器の主要部の概略構成を示す模式的な斜視図である。 被測定光束の分光強度分布の一例、およびこの被測定光束が本発明の第2の実施形態に係る光量規制部材によって、光量規制された後の分光強度分布を示す模式的なグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る分光器の光量規制部材の透過率分布の一例を示す模式的なグラフである。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る分光器およびそれを備えた測光装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る測光装置の概略構成を示す模式的な装置構成図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る測光装置の光源部から出射される光束の断面形状を示す模式図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る分光器の絞りにおける反射像の様子を示す模式図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る分光器の波長分散光学系の結像の様子を説明するための模式図である。図5は、本発明の第1の実施形態に係る分光器の光量規制部材および1次元受光素子アレイの位置関係を示す模式的な斜視図である。図6は、本発明の第1の実施形態に係る分光器の光量規制部材および1次元受光素子アレイの位置関係を示す模式的な断面図である。図7は、本発明の第1の実施形態に係る分光器の1次元受光素子アレイの模式的な分解斜視図である。図8は、本発明の第1の実施形態に係る分光器の光量規制部材の開口幅の変化を示すグラフである。横軸は波長変化方向である長手方向に沿う位置hを、縦軸は波長変化方向に直交する方向の開口幅wをそれぞれ示す。
なお、各図は模式図であり、見易さのために各部材の大きさや形状は誇張されている(以下の図面も同様)。
本実施形態の反射率測定装置100は、例えば、レンズなどの光学素子の表面の分光反射率を測定する測光装置である。
反射率測定装置100に用いる被検体は特に限定されないが、以下では一例として、図1に示すように、第1面8aが凸球面、第2面8bが平面からなる凸平レンズからなる被検体8の第1面8aの分光反射率を測定する場合の例で説明する。
反射率測定装置100の概略構成は、光源部1、本体部2、対物レンズ7、観察光学系10、ピンホール板11、シャッター13、および分光器15を備える。
光源部1は、被検体8を照射するための照明光束Lを発生させる白色光源であり、例えば、タングステンランプやハロゲン光源などを採用することができる。光源部1には、輪帯状に光ファイバを束ねたライトガイド1aが接続されており、光源部1の内部で発生された照明光束Lは、ライトガイド1aを通して伝送され、ライトガイド1aの出射口1bから本体部2の内部に出射されるようになっている。
このため、出射口1bから出射される照明光束Lは、図2に示すように、光軸に直交する光束の断面形状が輪帯状の光束として放射される。
本体部2の内部には、ライトガイド1aから出射される照明光束Lの光路上に、出射口1b側から、ピンホール板3と、ビームスプリッタ4と、結像レンズ5と、ビームスプリッタ6とがこの順に間隔をおいて配置されている。
照明光束Lの光路は水平方向には限定されないが、以下では、一例として、図1に示すような水平方向に光軸が設けられている場合の例で説明する。
ピンホール板3の中心には、照明光束Lのうちの一部を透過して発散する照明光束Lを形成するピンホール3aが設けられている。
ビームスプリッタ4は、ピンホール3aを透過した照明光束Lの一部を結像レンズ5側に透過させるとともに、結像レンズ5側から水平に入射する光束の一部を、上方に向かって反射させる光分岐素子である。
結像レンズ5は、ビームスプリッタ4を介した焦点位置がピンホール3aの中心に一致して設けられた正の屈折力を有するレンズまたはレンズ群である。このため、ビームスプリッタ4および結像レンズ5を透過した照明光束Lは、平行光としてビームスプリッタ6側に出射される。
ビームスプリッタ6は、照明光束Lの一部を本体部2の下方に配置された対物レンズ7に向けて反射し、対物レンズ7を通って下方側から入射する光束の一部を結像レンズ5に向かう水平方向に反射するとともに、対物レンズ7を通って下方側から入射する光束の他を上方向に透過させる光分岐素子である。
対物レンズ7は、ビームスプリッタ6によって反射された照明光束Lを被検体8の被検面である第1面8aに結像させるとともに、第1面8aからの反射光束L10を集光して、反射光束L11として上方に出射する光学素子である。
対物レンズ7の下方側の光軸上には、対物レンズ7に対して位置移動可能に設けられた被検体保持部9が設けられている。被検体8は、この被検体保持部9によって第1面8aが対物レンズ7に対向する位置関係に配置されている。このため、測定者は、被検体保持部9の位置を調整することによって、被検体保持部9に保持された被検体8の第1面8a上の適宜位置に対物レンズ7の焦点位置を一致させる位置調整を行えるようになっている。
観察光学系10は、対物レンズ7による被検体8の被検面の拡大像を観察するためのもので、ビームスプリッタ6の上方に配置され、ビームスプリッタ6から上方に透過した反射光束L13を集光できるようになっている。
ピンホール板11は、ピンホール3aよりも大きい径を有するピンホール11aを中心に備える円板状の絞りであり、ピンホール11aの中心が、ビームスプリッタ4によって反射された光軸上で結像レンズ5の焦点に一致するように配置されている。
したがって、ピンホール3a、11aは、結像レンズ5に対して共焦点の位置関係にある。
対物レンズ7の焦点位置が第1面8aに合わされた場合には、図1に示すように、対物レンズ7によって平行光とされた反射光束L11のうち、ビームスプリッタ6で水平方向に反射された反射光束L12が、結像レンズ5で集光され、その一部がビームスプリッタ4で上方に反射されて、ピンホール11a内の中心部に像を結ぶ。
この場合、ピンホール11aがピンホール3aと共焦点になっているため、ピンホール11a内に形成される像は、第1面8aで反射されたピンホール3aの像であり、図3に示すように、ピンホール11aの内径より小さい範囲に第1面反射像12aになっている。したがって、反射光束L12は遮光されることなくピンホール板11のピンホール11aを通過することができる。
また、ビームスプリッタ4とピンホール板11との間には、ピンホール11aを下側から覆う範囲に進退可能に設けられ、進出時にビームスプリッタ4で反射された反射光束L12を遮光してピンホール11aへの通過を阻止できるようにしたシャッター13が配置されている。
このため、シャッター13を適宜タイミングで進出させることにより、反射光束L12の分光器15への入射を規制することができる。
一方、図1に示すように、第2面8bで反射された反射光束L20は、対物レンズ7、ビームスプリッタ6、結像レンズ5、ビームスプリッタ4を経て、反射光束L21として、ピンホール板11上に到達する。
この場合、第2面8bは、対物レンズ7の焦点位置に対してデフォーカス位置になっており、第2面8b上では、ピンホール3aのデフォーカス位置の像に対応して輪帯状の像が形成されている。このため、図3に示すように、ピンホール板11上でも、ピンホール3aのデフォーカス位置の像に対応して、ピンホール3aより大きな内径を有する輪帯状の第2面反射像12bが結ばれる。
したがって、反射光束L21は、シャッター13が退避された状態でも、全光量がピンホール板11によって遮光され、分光器15の内部には到達できないようになっている。
分光器15は、ピンホール板11のピンホール11aを通過した光束を被測定光束として分光測定を行うものであり、ピンホール板11を挟んで、本体部2の上部に配置されている。
分光器15の概略構成は、グレーティング16(波長分散光学系)、ラインセンサー18(1次元受光素子アレイ)、カラーバランス調整スリット17(光量規制部材)、および演算処理部20を備える。
グレーティング16は、ピンホール板11を通して入射される被測定光束Lを波長に応じて分散させて一定方向に沿って波長が変化するスペクトル像を形成する光学素子である。本実施形態では、凹面鏡の表面に回折格子が形成された構成を有している。
グレーティング16の凹面鏡の光軸Rは、鉛直軸上を進む被測定光束Lの光軸Qに対して、図1の紙面内で図示右側に向かって斜め下側に傾斜して配置されている。このため、グレーティング16の像面における波長変化方向Sは、図1の紙面内で水平方向左側から右側に向かって斜め上方に向かう方向になっている。
したがって、被測定光束Lは、グレーティング16の凹面鏡の光軸に対して斜めに入射し、グレーティング16の回折格子によって波長の大きさに応じた回折方向に回折されるとともに、グレーティング16の凹面鏡によって所定の像面に波長変化方向Sに沿う略線状に結像される。
また、被測定光束Lがグレーティング16の光軸Rに対して斜め入射されているため、軸外光束の影響により被測定光束Lの結像位置には非点収差が生じる。
このため、図4に示すように、焦点面の前側にはメリジオナル焦点面30が、後側にはサジタル焦点面31が形成される。被測定光束Lとして単色光が結像される場合には、ピンホール3aの像は、メリジオナル焦点面30では波長変化方向Sに幅が狭く波長変化方向Sと直交する方向の幅が広い細長の楕円像Pとなり、サジタル焦点面31では、逆に波長変化方向Sに直交する方向に幅が狭く波長変化方向Sに幅が広い細長の楕円像Pとなる。
本実施形態の被測定光束Lは、連続スペクトルを有する白色光であるから、グレーティング16によって、これらの単色光の像が波長変化方向Sに連続的に連なった状態に相当する波長変化方向Sに長い帯状または線状のスペクトル像が得られる。
例えば、メリジオナル焦点面30では、グレーティング16で分光された特定波長の近赤外光束LUR、可視光束LVL、近紫外光束LUVは、それぞれ図4の図示左側から右側に向かう波長変化方向Sにおける特定の位置にそれぞれ楕円像Pとして結像され、全体として波長変化方向Sに長い帯状のスペクトル像ISmが形成される。
ここで、近赤外光束LURは、波長が900nm〜1000nmの範囲にある光束を意味し、近紫外光束LUVは、波長が350nm〜400nmの範囲にある光束を意味する。
ラインセンサー18は、図5、6、7に示すように、スペクトル像の像面においてスペクトル像の波長変化方向Sに沿って、光電変換を行う複数の受光素子18aが線状に配列された1次元受光素子アレイである。例えば、CCDラインセンサーやCMOSラインセンサーなどを採用することができる。本実施形態では、シリコン半導体によって受光素子18aが形成されたCCDラインセンサーを用いている。
ラインセンサー18は、演算処理部20に電気的に接続され、各受光素子18aによって光電変換された光信号を、受光素子18aごとに、演算処理部20に送出できるようになっている。
各受光素子18aの受光面18bは、波長分解能を高めるため、配列方向に幅が狭く、配列方向と直交する方向に幅が広い矩形状に設けられている。
これら各受光素子18aは、は、ラインセンサー18のパッケージ部18eに設けられた凹穴の内部に、各受光面18bが一定の平面上に整列するように配置され、凹穴の内縁部に設けられた窓枠部18dにカバーガラス19が嵌め込まれることによって、凹穴内に封止されている。
また、本実施形態の各受光素子18aの受光面18bは、図6に示すように、波長変化方向Sに直交する面内では、グレーティング16によって回折されて受光素子18aに入射される入射光束の光軸Oが、受光面18bの法線Nに対して受光面18bの端部A(一端)の側に向かって傾くように、傾斜して配置されている。
本実施形態のラインセンサー18の配置位置は、グレーティング16のメリジオナル焦点面30に各受光素子18aの受光面18bが整列し、グレーティング16による波長変化方向Sが、受光素子18aの配列方向に一致するように配置される。
この場合、受光素子18aの配列方向の両端部は、それぞれ短波長と長波長との分光位置に対応している。本実施形態では、短波長側には近紫外光束LUVが、長波長側には近赤外光束LURが分光される。以下では波長変化方向Sにおける相対位置関係を表す場合、短波長側をUV側、長波長側をUR側と称する場合がある。
このように各受光素子18aの矩形状の受光面18bの長手方向がメリジオナル焦点面に結像される楕円像Pの長手方向と一致されている。したがって、各受光素子18aでは、スペクトル像のうち、受光素子18aの配列位置に応じた狭帯域の波長を有する光成分のみを効率的に受光することができるため、波長分解能を高めることができる。
また、分光器15では、グレーティング16に入射する被測定光束LのNA(開口数)を調整して、楕円像Pの長手方向の幅が、受光素子18aの受光面18bの長手方向の幅内に収まるようにしておくことが好ましい。この場合、入射光が、すべて各受光面18bの範囲内に入射して、全受光量を光信号に変換することできる。このため、照明光束の光量を有効利用して分光測定を行うことができる。
カバーガラス19は、被測定光束を透過させる適宜のガラス材料を採用することができる。ただし、本実施形態では、図7に示すように、ラインセンサー18の長手方向の略中心部の受光素子18aからUR側の端部の受光素子18aまでを覆う範囲に、波長300nm〜500nmの短波長光を遮光し、波長600nm以上の長波長光を透過させる波長特性を有する長波長透過コート層19aを設けている。これにより、UV側の2次回折光がUR側の受光素子18aに入射することを防止でき、2次回折光の影響による測定誤差を低減することができる。
カラーバランス調整スリット17は、図5に示すように、グレーティング16とラインセンサー18との間の光路上に配置され、グレーティング16からラインセンサー18に向かう光束の透過率を波長変化方向Sに沿って変化させるものである。
本実施形態では、分光測定の波長範囲の光を遮光する板部材に分光測定の波長範囲の光を一様に透過させる開口17aを設けた開口板を採用している。カラーバランス調整スリット17の材質としては、例えば、黒色の表面処理が施された金属板などを採用することができる。
本実施形態の開口17aの形状は、一例として、距離Hの範囲で波長変化方向Sに延ばされた直線状の長手エッジ17bと、長手エッジ17bに向かって略弓状に突出された長手エッジ17cと、これらのUR側、UV側の端部でそれぞれ波長変化方向Sに直交する方向に延ばされた直線状の短手エッジ17e、17dとで囲まれた、全体として凹平レンズのレンズ断面状の形状に形成されている。
長手エッジ17cの形状は、例えば、両端部には、長手エッジ17bに対して距離W(ただし、W<H)だけ離れた平行な直線部分を有し、これらの中間部に、波長変化方向Sの中心側に向かうにつれて長手エッジ17bに対する距離が、距離Wから最小値w(ただし、w<W)まで減少し、さらに最小値wから増大して距離Wになるような、長手エッジ17b側に凸の曲線部分が設けられている。
このため、開口17aの波長変化方向Sに直交する方向の開口幅wは、短手エッジ17eから短手エッジ17dに向かう波長変化方向Sでの位置を位置hとして、図8に直線200c、曲線200b、および直線200aで示されるグラフで表される。直線200c、200aは、w=Wの直線であり、曲線200bは、h=Hで最小値wをとる上に凸の曲線である。曲線200bの関数形は特に限定されないが、本実施形態では一例として2次関数を採用している。
このような開口17aの形状は、本実施形態では、カラーバランス調整スリット17を除いた測定系の波長特性、すなわち、カラーバランス調整スリット17を除き、被検体8として分光特性が平坦なサンプルを測定した場合に測定される光信号出力の分布に応じて設定している。
測定系の波長特性に関与する主な特性としては、光源部1の分光スペクトル、グレーティング16の回折効率、および受光素子18aの波長に対する感度分布を挙げることができる。
本実施形態の光源部1の分光スペクトルは、例えば、波長約900nmでピーク値をとり、波長約300nmから波長約700nmの間でピーク値の0%から約80%まで略直線的に増大し、波長約700nmから波長約1200nmの間では、ピーク値の約80%以上の緩やかな山形を描く、といった分布を示す。したがって、近紫外域から近赤外域の測定範囲では、高輝度部が長波長側の偏った特性を有する。
また、本実施形態のグレーティング16の回折効率は、例えば、波長約400nmでピーク値をとり、波長約200nmから波長約400nmの間で0%から100%まで急峻に増大し、波長約400nmから長波長側では、波長約800nmで約40%に、波長1200nmで約20%になるように減少する、といった特性を示す。したがって、近紫外域から近赤外域の測定範囲では、高効率部が短波長側の偏った特性を有する。
また、本実施形態の受光素子18aはシリコン半導体を用いているため、可視波長に対する感度に比べると近紫外波長や近赤外波長の感度が低い。具体的には、波長約760nmで最大のピーク感度となり、波長約760nmから短波長側に向かって感度が波形に変動しながら低下して行き、波長約400nmでピーク感度の約40%程度に下がり、波長約400nmから緩やかに感度が低下して波長約200nmで、ピーク感度の約15%程度になり、長波長側では、波長約760nmから緩やかに感度が低下して、波長約850nmでピーク感度の約80%程度となり、波長約850nmから略感度がなくなる波長約1100nmに向かって急峻に感度が低下する、といった特性を示す。したがって、近紫外域から近赤外域の測定範囲では、高感度を有する部分が可視波長の長波長側で高感度となる特性を有する。
これらの特性の積をとることで測定系の波長特性が得られるため、本実施形態の測定系の波長特性は、近紫外域から近赤外域の測定範囲の略中心に当たる波長約700nmから波長約750nmの帯域の波長感度が高くなり、短波長側、長波長側に向かってそれぞれ波長感度が減少する全体として山形の分布を備える。
そこで、本実施形態カラーバランス調整スリット17では、一例として、波長約715nmの分光位置に対応するh=Hの位置で開口幅wを最小値wとし、波長変化方向Sの両端部での開口幅wは最大値Wに設定している。これにより、開口17aは、波長変化方向Sにおける中間部の透過位置で最小となり、波長変化方向Sにおける両端部の透過位置に向かって漸次増大する透過率特性を有している。
また、カラーバランス調整スリット17は、図6に示すように、長手エッジ17bが波長変化方向Sと平行、かつラインセンサー18の各受光素子18aの受光面18bに略平行となるように、ラインセンサー18に近接して配置されている、
カラーバランス調整スリット17の波長変化方向Sに直交する方向の配置位置は、長手エッジ17bは、カラーバランス調整スリット17、ラインセンサー18を受光面18bの法線Nの方向から見たとき、受光面18bの端部Aの反対側の端部B(他端)を見ることができるように、図示右側にずらして配置されている。
このような位置関係により、開口17aは、開口幅wが狭くなる位置ほど、受光面18bの中心線Cに対して受光面18bの端部B側に偏心して配置されている。
すなわち、図6の実線の長手エッジ17b、17cは、w=wとなるh=Hの位置の断面を示しており、開口17aの中心は中心線Cに対して端部B側に偏心している。
一方、図6に実線の長手エッジ17bと二点鎖線の長手エッジ17cとは、w=Wとなる位置での開口17aの断面を示しており、開口17aの中心は、受光面18bの中心線Cに略一致している。このため、法線Nから見たとき、長手エッジ17b、17cの間に、受光面18bの端部A、Bを両方とも見ることができるように開口されている。
このような配置によれば、受光面18bへの入射光束Linの一部が受光面18bや、カバーガラス19で反射されて反射光束Loutが発生する場合に、反射光束Loutを開口17aから逃がすことができる。
演算処理部20は、ラインセンサー18から送出された光信号に、例えば暗電流補正や時間平均処理など適宜の信号処理を施してから、被検体8の反射光量の分光強度分布を求めるものである。また、被検体8の反射光量の分光強度分布を、分光反射率が既知の基準試料において同様に取得した分光強度分布に基づいて、分光反射率に換算する演算を行うものである。
次に、本実施形態の反射率測定装置100の光路、動作とともに、本実施形態の分光器15の作用について説明する。
図1に示すように、光源部1で発生された白色光は、ライトガイド1aを介して出射口1bに導かれ、出射口1bから、光軸に直交する断面が周方向に略均一な光強度分布を有する輪帯状とされた照明光束Lが出射される。
照明光束Lは、水平方向に進んでピンホール板3を照射し、ピンホール板3のピンホール3aによって整形されて、発散光である照明光束Lとして、ビームスプリッタ4に入射する。
照明光束Lは、一部がビームスプリッタ4を透過して直進して結像レンズ5に到達し、結像レンズ5により集光されて、平行光束としてビームスプリッタ6側に出射される。
ビームスプリッタ6に到達した照明光束Lは、ビームスプリッタ6によって一部が下方に反射されて、対物レンズ7に入射し、対物レンズ7によって被検体8の近傍に結像される。
第1面8aで反射された反射光束L10は、対物レンズ7によって集光され、一部がビームスプリッタ6を透過し反射光束L13として観察光学系10に入射する。これにより、測定者は観察光学系10を通して、第1面8aでの反射像を観察することができる。
測定者は、反射率測定装置100によって分光反射率測定を行うために、観察光学系10を見ながら被検体保持部9を昇降させ、被検体8の第1面8aの測定を行いたい位置に対物レンズ7の焦点を合わせる調整を行う。これにより、観察光学系10では、第1面8aの表面で反射したピンホール3aの像を観察することができる。
この調整状態では、第1面8aの反射光束L10は、対物レンズ7によって平行光束化されて、反射光束L11としてビームスプリッタ6側に出射され、一部がビームスプリッタ6で水平方向に反射され、反射光束L12として結像レンズ5の光軸上に入射する。
反射光束L12は、結像レンズ5によって集光されてビームスプリッタ4に入射し、その一部がビームスプリッタ4で上方に反射されてピンホール板11に向かう。
また、反射光束L12は、ピンホール3aと共焦点の関係にあるピンホール11aの中心に第1面反射像12aを結んだ後、発散し、被測定光束Lとして、分光器15に入射する。
このとき、ピンホール11aの内径はピンホール3aの内径より大きいため、上述したように、反射光束L12は光量損失することなくピンホール11aを通過する。
ここで、ピンホール11aを通過させるためには、シャッター13を開放しておく。ただし、受光素子18aの露光量を調整する必要がある場合には、シャッター13を適宜タイミングで閉止し、露光時間を調整する。
一方、被検体8の第2面8bで反射された反射光束L20は、同様の光路をたどって、ビームスプリッタ4によって反射光束L21として反射され、図3に示すように、ピンホール板11のピンホール11aの外周側に第2面反射像12bを形成するため、ピンホール板11によって遮光され、分光器15には入射されない。
このため、ピンホール板11は、分光測定のノイズ光となる反射光束L21などの光を遮光し、分光器15に入射する被測定光束Lとして、第1面8aにおける反射光束L10のみを入射させる絞りになっている。これにより反射率測定装置100では、被検体8の被検面以外からの反射光の影響を受けることなく、被検面の表面反射率を正確に測定することができる。
分光器15に入射した被測定光束Lは発散しつつ、グレーティング16に到達し、グレーティング16の回折格子によって回折されて波長変化方向Sに沿って分光されるとともに、グレーティング16の凹面鏡によって、全体として集光される。
このため、被測定光束Lは、図5に模式的に示すように、カラーバランス調整スリット17の近傍では、光束の断面が波長変化方向Sに沿って延びる帯状の光束Iとなって進む。ここで、本実施形態の光束Iの波長変化方向Sに沿う長さは、Hよりわずかに長く、波長変化方向Sに直交する方向の幅はWよりわずかに狭くなっている。
光束Iは、カラーバランス調整スリット17によって透過率が規制され、開口17aの内側の光束Iのみがラインセンサー18側に透過する。そして、メリジオナル焦点面30に整列されたラインセンサー18の各受光面18b上に、ピンホール3aのスペクトル像ISmを形成する。
スペクトル像ISmは、図5に示すように、カラーバランス調整スリット17の開口17aによって、開口17aと同様な略凹平レンズの断面状の形状に空間変調される。
このため、開口17aの波長変化方向Sと直交する方向の開口幅の分布に対応して、波長変化方向Sに沿って光束Iの透過率が変化される。すなわち、UR側およびUV側の波長光は、開口幅Wに対応して略100%透過されてそれぞれの分光位置の受光素子18aに到達し、可視光域の波長光は、約715nmの分光位置である位置hの開口幅wに対応して約715nmの波長光の透過率が最小となり、より短波長側およびより長波長側では、漸次100%に向かって透過率が増大されている。
したがって、受光素子18aの感度が低いUR側およびUV側の分光位置の受光素子18aでは、相対的に受光量が大きく、受光素子18aの感度が高い可視光域の分光位置の受光素子18aでは、相対的に受光量が小さくなっている。すなわち、受光素子18aの感度に応じて、被測定光束Lの透過率を変化させることで、スペクトル像のカラーバランス(波長バランス)を調整していることになる。
これにより、測定系の波長特性に起因する受光素子18aの光信号のゲインのばらつきを低減することができる。また、開口17aの形状を2次関数に限らず、測定系の波長特性に合わせてより細かく変化させて、適宜の形状に設定すれば、光信号のゲインを均一化することも可能である。
すなわち、光源部1の分光輝度特性を補正したり、グレーティング16の回折効率によるムラを補正したり、ラインセンサー18の受光素子18aの分光感度特性を補正したりすることができる。
なお、光信号の絶対値は、シャッター13の開放時間を調整することによってラインセンサー18における各受光素子18aの露光時間を変えることで調整することができる。このため、得られた光信号が一部の受光素子18aで飽和する場合には、露光時間を低減し、全体の光信号が小さすぎて測定精度が低下しそうな場合には、露光時間を増やす調整を行う。
このように、測定系の波長特性が補正されることで、第1面8aの分光反射率特性に応じて分光強度分布が形成される場合にも、カラーバランス調整スリット17を有しない場合に比べて、光信号の大きさのばらつきが小さくなる。このため、受光素子18aが飽和しない範囲で露光時間の長さを調整しても、感度が悪い受光素子18aの光信号が著しく小さくなることがないから、SN比が良好な分光測定を行うことができる。
また、受光面18bの反射率は、可視光域では約30%から約40%あり、受光面18bでの反射光がカラーバランス調整スリット17の裏面側で多重反射を繰り返すと測定ノイズとなる。
本実施形態では、図6に示すように、カラーバランス調整スリット17の開口17aは、開口幅wが狭くなる位置ほど、受光面18bの中心線Cに対して受光面18bの端部B側に偏心して配置されている。これにより、受光面18bの法線Nに対して端部A側に傾いて入射する入射光束Linによる受光面18bでの反射光束Loutは、開口17a内を通って逃がされることになる。このため、反射光束Loutがカラーバランス調整スリット17の裏面で反射して受光面18bへの再入射することによるノイズ光を抑制することができる。
各受光素子18aの受光面18b上に形成されたスペクトル像ISmは、各受光素子18aによって光電変換され、光信号として演算処理部20に送出される。
演算処理部20では、送出された光信号に、例えば暗電流補正や時間平均処理など適宜の信号処理を施してから分光強度分布の測定値を算出する。そして、予め被検体8と同様に測定され、演算処理部20に記憶された基準試料の分光強度分布を用いて、分光反射率を算出する。
本実施形態のカラーバランス調整スリット17の作用を具体例に基づいて説明する。
図9(a)は、本発明の第1の実施形態に係る分光器の光量規制部材の有無による測定系の波長特性の一例を示すグラフである。横軸は波長(nm)、縦軸は光信号である。本グラフでは、光信号出力の相対比較ができればよいので、縦軸は、任意単位(a.u.)で示している。図9(b)は、図9(a)の波長特性を規格化して示すグラフである。横軸は波長(nm)、縦軸は光信号を示す。
図9(a)において、曲線202は、上記に説明したような特性を有する光源部1の分光スペクトル、グレーティング16の回折効率、および受光素子18aの波長に対する感度分布の積をとって得られる測定系の波長特性の一例を示す。また、曲線201は、分光器15においてカラーバランス調整スリット17を設置し、カラーバランス調整スリット17によって補正された測定系の波長特性を示す。
本例に用いたカラーバランス調整スリット17の開口17aは、h=0、Hでの透過率が100%、h=Hでの透過率が25%となるようにした。
まず、カラーバランス調整スリット17を外した場合の測定系の波長特性は、曲線202に示すように、波長350nmから610nmの間で光信号が漸次増大し、波長610nmで極大値をとってから、わずかに減少して波長630nmで極小値をとってから、さらに増大して、波長750nmで最大値をとり、波長1050nmまでの間で漸次減少している。すなわち、全体的には波長750nmにピークを有する山形の変化を示している。
これに対して、カラーバランス調整スリット17によって補正された測定系の波長特性は、開口17aの透過率が波長約715nmを中心にして約25%まで落とされているため、近赤外域および近紫外域に比べて可視域における長波長側の透過率が低減され、光信号のゲインが低減されている。この結果、分光強度分布は、曲線201に示すように、波長350nmから570nmの間で光信号が緩やかに増大して、波長570nmで極大値をとってから、ごくわずかに減少して波長670nmで極小値をとってから、さらにごくわずかに増大して、波長790nmで、波長570nmと略同じ極大値をとり、波長1050nmまでの間で緩やかに減少し、きわめて緩やかな2峰性の変化を示している。
光信号の絶対値は、350nmおよび1050nmの近傍では比較例と略同じであるのに対して、最大値は約1/4になっている。また、光信号の絶対値の波長間でのばらつきは、比較例に比べて格段に小さくなり、よりなだらか、かつ平坦に近い分布になっている。
図9(b)のグラフの曲線211、212は、図9(a)の曲線201、202に対応し、これらの補正された測定系の波長特性および補正無しの測定系の波長特性をそれぞれの光信号の最大値で規格化したものである。図9(b)に示すように、光信号の最大値に対する波長350nm、1050nmの光信号の比率は、曲線212ではそれぞれ2%、5%であるのに対して、曲線211ではそれぞれ10%、18%である。
また、光信号の最大値に対する光信号の比率が50%以上となる波長範囲は、曲線212が波長530nmから870nm(幅340nm)であるのに対し、曲線211では、波長430nmから950nm(幅520nm)になっている。同様に波長350nmから570nm、および波長770nmから1050nmの範囲で、光信号の比率は曲線211が曲線212を上回っている。また、波長570nmから770nmの範囲では、曲線212と曲線211との光信号の比率は10%以下に収まっている。
つまり、補正された測定系の波長特性は、補正無しの場合に比べて、光信号の最大値と、近紫外域および近赤外域の光信号との差が小さくなっている。このため、可視波長を受光する受光素子18aの飽和を回避できる範囲で、露光時間を延ばすことで、近紫外域から可視域を経て近赤外域までの全範囲にわたって、良好な大きな光信号を取得することができ、特に、近紫外域および近赤外域での光信号の大きさを比較例に比べて格段に大きくすることができるので、分光測定の測定精度を向上することができる。
このように本実施形態の分光器15は、グレーティング16とラインセンサー18との間にカラーバランス調整スリット17を設けることにより、受光素子の波長に対する感度に応じて、各受光素子18aの受光量を受光素子18aの波長に対する感度に応じて調整することができる。このため、受光素子18aの感度が高い波長光で受光素子18aを飽和させることなく、かつ受光素子18aの感度が低い波長光での受光量を相対的に増大させることができる。この結果、受光素子18aの波長に対する感度のばらつきが増大する広帯域の分光測定であっても、高精度な分光測定を行うことができる。
また、本実施形態の反射率測定装置100は、このような分光器15を備えることにより、簡素な構成で高精度の分光反射率測定を行うことができる。
本実施形態では、各受光素子18a上の光量分布を、受光素子18aの分光感度特性に応じて変えるため、グレーティング16で分光して被測定光束Lの波長分布を空間分布に変換したのちに、カラーバランス調整スリット17によって各分光位置での透過率を規制している。
カラーバランス調整スリット17は遮光部材に適宜形状の開口17aを形成するだけなので製作が容易であり、簡素な構成となる。また、測定系の波長特性が異なる場合でも開口17aの形状を変更するだけ対応することができる。
一方、測定系の波長特性を補正する他の方法として、光源部1の内部、または、本体部2内に、誘電体多層膜等によって波長分布を規制する光学フィルターを設け、分光器15に入射する被測定光束Lの波長分布特性を制御して、受光素子18aの感度が高い波長光の光強度を低減することも考えられる。
しかしながら、誘電帯多層膜による光学フィルターでは多層膜内での光の干渉を利用しているため、低波長域の波長の高調波が、広波長域の光量分布に影響を与えるという問題がある。例えば、380nmの高調波は、2倍の波長である760nm以上の波長の光量分布に影響を与えることになる。このため、誘電帯多層膜による光学フィルターでは、せいぜい380nm〜840nm程度の範囲の狭い波長帯でしか波長分布を制御できない。
したがって、本実施形態のように、350nm〜1050nmといった広帯域の精密な分光測定には対応できないものである。
また、短波長側、長波長側を規制する複数の光学フィルターを組み合わせることも考えられるが、部品点数が増えるため、高価となり構成も複雑になってしまう。
[変形例]
次に、本実施形態の変形例の反射率測定装置および分光器について説明する。
図10は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る分光器の光量規制部材を示す模式的な斜視図である。図11は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る分光器の光量規制部材の透過率分布の一例を示す模式的なグラフである。横軸は波長変化方向Sである長手方向に沿う位置h、縦軸は透過率T(%)を示す。
本変形例の反射率測定装置100Aは、図1に示すように、上記第1の実施形態の反射率測定装置100の分光器15に代えて、分光器15のカラーバランス調整スリット17をカラーバランス調整フィルター17A(光量規制部材)に代えた分光器15Aを備える。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
カラーバランス調整フィルター17Aは、図10に示すように、細長い矩形板状の部材であり、幅d×長さH(ただし、H>d)の矩形状の有効フィルター領域17fの透過率が、短手方向には一様で、長手方向には位置hによって変化するように設けられた透過率分布型のNDフィルターである。
カラーバランス調整フィルター17Aは、グレーティング16と、ラインセンサー18との間の光路上において、有効フィルター領域17fの長手方向が波長変化方向Sに沿うように配置される。
有効フィルター領域17fの短手方向の幅dは、被測定光束Lの短手方向幅よりも大きな幅であれば、適宜の幅に設定することができる。幅dは被測定光束Lの短手幅に対して適宜余裕を持たせておくことが好ましい。この場合、有効フィルター領域17fの短手方向に沿う透過率は一様とされるため、被測定光束Lが有効フィルター領域17fから外れない範囲では、有効フィルター領域17fの位置ずれが透過率分布に影響することがない。このため、短手方向の位置ずれによって透過率が変化するカラーバランス調整スリット17に比べて、短手方向の配置精度を緩めることができる。
また、本変形例では、カラーバランス調整フィルター17Aの裏面でラインセンサー18からの反射光を反射させないため、カラーバランス調整フィルター17Aとラインセンサー18との光軸方向の位置は、上記第1の実施形態のカラーバランス調整スリット17の配置位置よりも離しておくことが好ましい。
カラーバランス調整フィルター17Aの具体的な構成としては、例えば、矩形のガラス板上に、分光測定範囲の波長光を均一に減光する減光膜を、例えば蒸着やスパッタリングなどによって形成したものを採用することができる。
本変形例のカラーバランス調整フィルター17Aの透過率分布は、図11に示すように、受光素子18aの感度が最大となる波長約715nmの分光位置に対応するh=Hの位置で透過率Tを最小値Tとし、波長変化方向Sの両端部での透過率Tは最大値T(ただし、T<T≦100(%))に設定している。これにより、透過率分布が、上記第1の実施形態のカラーバランス調整スリット17と同様に、波長変化方向Sにおける中間部の透過位置で最小となり、波長変化方向Sにおける両端部の透過位置に向かって漸次増大する透過率特性を備えている。
本変形例の分光器15Aは、上記第1の実施形態の分光器15が、カラーバランス調整スリット17の開口17aの波長変化方向Sに直交する方向の開口幅を波長変化方向Sに沿って変えることによって波長変化方向Sに沿う透過率分布を変更していたのに対して、カラーバランス調整フィルター17Aによって、透過率自体を変更した場合の例になっている。
カラーバランス調整フィルター17Aは、透過率分布型のNDフィルターなので、誘電帯多層膜を用いた光学フィルターに比べて、設計、製造が容易であり、安価かつ簡素な構成となる。
このため、上記第1の実施形態と同様に、受光素子の波長に対する感度のばらつきが生じる広帯域の分光測定であっても、簡素な構成で高精度な分光測定を行うことができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る分光器およびそれを備えた測光装置について説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る分光器の主要部の概略構成を示す模式的な斜視図である。
本実施形態の反射率測定装置100Bは、図1に示すように、上記第1の実施形態の反射率測定装置100の分光器15に代えて、分光器15のカラーバランス調整スリット17を透過率規制部27に代えた分光器15Bを備える。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
透過率規制部27は、図12に示すように、カラーバランス調整スリット17に代えてグレーティング16とラインセンサー18との間の光路上に配置された透過型液晶パネル27a(光量規制部材)と、透過型液晶パネル27aの液晶画素の透過率を制御するため透過型液晶パネル27aに電気的に接続された透過率分布制御部27bとからなる。
透過型液晶パネル27aの有効画素領域27fは、上記第1の実施形態の変形例のカラーバランス調整フィルター17Aの有効フィルター領域17fと同様に、幅d×長さHの矩形状に設けられている。この有効画素領域27fには、短手方向および長手方向に沿って、矩形状の多数の液晶画素が格子状に配列されている。各液晶画素は、透過率分布制御部27bによって、それぞれ独立に駆動可能とされ、これにより、各液晶画素の透過率を、液晶の消光比に応じて最小値Tminから最大値Tmaxまでの間で、多段階に濃度を変化させることができる。
透過型液晶パネル27aは、液晶の偏光特性を用いているため、入射光の偏光が同じであれば各液晶画素の透過率は入射光の波長には依存しないのでNDフィルターの一種になっている。
また、有効画素領域27fは、グレーティング16とラインセンサー18との間の光路上で、上記第1の実施形態の変形例の有効フィルター領域17fとまったく同様な位置関係に配置される。
このため、透過型液晶パネル27aは、NDフィルターであって、波長変化方向Sに沿う透過率分布が可変とされた透過率可変フィルターになっている。
次に、分光器15Bの作用について説明する。
図13(a)は、被測定光束の分光強度分布の一例を示す模式的なグラフである。図13(b)は、本発明の第2の実施形態に係る光量規制部材によって、光量規制された後の分光強度分布を示す模式的なグラフである。横軸は波長、縦軸は光強度を示す。図14は、本発明の第2の実施形態に係る分光器の光量規制部材の透過率分布の一例を示す模式的なグラフである。横軸は波長変化方向Sである長手方向に沿う位置h、縦軸は透過率T(%)を示す。
本実施形態によれば、透過率分布制御部27bによって、透過型液晶パネル27aの透過率分布を液晶画素単位で多段階に変化させることができる。このため、例えば、被検体8に必要な分光測定の波長範囲や光源部1の分光輝度分布などに応じて、分光測定ごとに、透過率分布を変更することができる。
本実施形態は、上記第1の実施形態やその変形例のような透過率が滑らかに変化する透過率分布も実現できるが、液晶画素単位で、急峻に透過率が変化する透過率分布も容易に実現できる。このため、被測定光束Lの分光強度分布が、階段状をしている場合や、鋭いピークをしている場合などの測定において、特に有効である。
例えば、図13(a)の曲線203に示すように、被測定光束Lが、短波長側の波長λから波長λ(ただし、λ>λ)までは略一定の光強度Iを有し、波長λを越えると急激に光強度が低下して、波長λ(ただし、λ>λ)で光強度I(ただし、I<I)に低下し、波長λから波長λ(ただし、λ>λ)では、光強度Iからきわめて緩やかに低下して略平坦な変化を示す階段状の分光強度分布を測定する場合を例にとる。このとき、ラインセンサー18の受光素子18aを飽和させないためには、図13(b)の曲線204に示すように、波長λから波長λまでの光強度Iを光強度I(ただし、I<I<I)に低減する必要があるとする。
このような場合、本実施形態では、透過率分布制御部27bによって、透過型液晶パネル27aの透過率分布を、例えば、図14に示すような透過率分布特性とすればよい。
すなわち、透過型液晶パネル27a上で、波長λからλに対応する分光位置である位置0からhまでは、直線205cに示すように、各液晶画素の透過率Tを最大値Tmaxとし、位置hから、波長λに対応する分光位置である位置hまでは、直線205bに示すように、透過率Tmaxから透過率Tminまで直線的に減少させ、位置hから位置Hまでは、直線205aに示すように、透過率Tminに保持する透過率分布とすればよい。
また、特に図示しないが、位置hからhまでもTmaxとして、位置hの前後で、透過率がTmaxからTminに切り替わる急峻な階段状の透過率分布としてもよい。
このような階段状の分光反射率を持った光学素子としては、例えば、ダイクロイックミラー等の光学素子を挙げることができる。すなわち、本実施形態の分光器15によれば、ダイクロイックミラー等の光学素子誘電体多層膜の分光反射率を精度よく測定することができる。
このよう透過率分布のパターンは、各液晶画素の駆動電圧のデータとして容易に数値化することができ、種々の透過率分布を容易に設定することができる。
また、これらの数値化された透過率分布のデータを演算処理部20に記憶しておき、ラインセンサー18からの光信号の大きさを、これらの透過率分布のデータに基づいて、実際の光強度分布に換算し、図13(a)のような階段状の光強度分布の絶対値を復元することもできる。すなわち、分光反射率測定以外にも、広帯域でダイナミックレンジの高い分光強度分布測定を行うことができる。
なお、上記の第1の実施形態およびその変形例の説明では、光量規制部材の透過率分布が、波長変化方向の中間部で最小値をとり、両端部側に向かって透過率が100%となる場合の例で説明したが、このような透過率分布は、一例であり、必要に応じて、適宜の透過率分布を採用することができる。
例えば、両端部での透過率は等しくなくてもよく、近赤外側、および近紫外側のいずれか一方をやや低い透過率としてもよい。
また、上記第3の実施形態で示したように、近赤外側、および近紫外側のいずれか一方の透過率が高く、他方の透過率が低い階段状の透過率分布としてもよい。
また、特定の波長帯域で、局所的に透過率が増大するまたは減少するような透過率分布としてもよい。
また、上記第1の実施形態の説明では、光量規制部材である開口板の開口が、貫通孔で構成された場合の例で説明したが、開口は、被測定光束が透過することができる光学的な開口であればよい。このため、開口板は、例えば、ガラス板の表面に部分的に遮光膜を形成し、遮光膜を除く部分がガラス板により光学的な開口部となっている部材も好適に採用することができる。
また、上記第1の実施形態の説明では、開口板の開口の形状が一定の場合の例で説明したが、例えば羽根板などを可動に保持した可動部材によって、開口板の開口形状を変更できるようにしてもよい。
また、上記の第1の実施形態の変形例(第1変形例)では、カラーバランス調整フィルター17Aは、グレーティング16とラインセンサー18との間の光路上に配置された場合の例で説明したが、この第1変形例は、さらに、カラーバランス調整フィルター17Aの裏面にカバーガラス19に施した長波長透過コート層19aを設け、長波長透過コート層19aが設けられたカラーバランス調整フィルターを、カバーガラス19の代わりに用いる構成に変形してもよい(第2変形例)。
この第2変形例では、部品点数を削減して部品コストを低減することができる。
また、カラーバランス調整フィルターを窓枠部18dに固定することで、カラーバランス調整フィルターの位置決めを、容易かつ高精度に行うことができるため、組立の作業性を向上することができる。
この第2変形例は、光量規制部材が、1次元受光アレイ素子に一体化され、波長分散光学系と、1次元受光素子アレイの複数の受光素子との間の光路上に配置された場合の例になっている。
また、上記の第2の実施形態の説明では、NDフィルターが、透過型液晶パネル27aからなる透過率可変フィルターである場合の例で説明したが、透過率可変フィルターは、液晶デバイスには限定されず、濃度分布を可変できる他の光学デバイスを採用してもよい。
他の光学デバイスの例としては、例えば、エレクトロクロミックを挙げることができる。
また、上記の説明では、ラインセンサー18のカバーガラス19が、ガラス板の表面に長波長透過コート層19aが設けられた場合の例で説明したが、カバーガラス18bは、長波長透過コート層19aと同様の透過率特性を有する色ガラスフィルターに置き換えてもよい。好適な色ガラスフィルターの例としては、例えばシャープカットフィルタO−58(商品名;HOYA CANDEO OPTRONICS(株)製)などの例を挙げることができる。
また、上記の説明では、波長分散光学系は、凹面鏡の表面に回折格子が設けられた構成の場合の例で説明したが、レンズ光学系と回折格子とを組み合わせた光学系や、レンズ光学系とプリズムとを組み合わせた光学系などから構成されていてもよい。
また、上記の説明では、被測定光束Lが、ラインセンサー18の受光面18bに斜め入射する場合の例で説明したが、受光面18bでの反射光の再入射を防止できる場合には、垂直入射(入射角0°)させてもよい。
また、上記の説明では、測光装置が、分光反射率を測定する反射率測定装置である場合の例で説明したが、測光装置は、本発明の分光器を備えることで、被測定光束の分光測定を行う装置であれば、反射率測定装置には限定されない。
また、上記の各実施形態、各変形例で説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせて実施することができる。
例えば、光量規制部材として、開口板とNDフィルターとを組合せた構成としてもよい。
1 光源部
2 本体部
3a、11a ピンホール
5 結像レンズ
7 対物レンズ
8 被検体
8a 第1面
13 シャッター
15、15A、15B 分光器
16 グレーティング(波長分散光学系)
17 カラーバランス調整スリット(光量規制部材、開口板)
17A カラーバランス調整フィルター(光量規制部材、NDフィルター)
17a 開口
17f 有効フィルター領域
18 ラインセンサー(1次元受光素子アレイ)
18a 受光素子
18b 受光面
19 カバーガラス
19a 長波長透過コート層
20 演算処理部
27 透過率規制部
27a 透過型液晶パネル(光量規制部材、NDフィルター、透過率可変フィルター)
27b 透過率分布制御部
27f 有効画素領域
30 メリジオナル焦点面
31 サジタル焦点面
100、100A、100B 反射率測定装置
、L 照明光束
UR 近赤外光束
UV 近紫外光束
VL 可視光束
A 端部(受光面の一端)
B 端部(受光面の他端)
C 中心線
Sm スペクトル像
L 被測定光束
N 法線
O 光軸(波長分散光学系からの入射光束の光軸)
S 波長変化方向
w 開口幅(波長変化方向に直交する方向の開口幅)

Claims (7)

  1. 絞りを通して入射される被測定光束を波長に応じて分散させて一定方向に沿って波長が変化するスペクトル像を形成する波長分散光学系と、前記スペクトル像の像面において前記スペクトル像の波長変化方向に沿って複数の受光素子が線状に配列された1次元受光素子アレイとを有する分光器であって、
    前記波長分散光学系と、前記1次元受光素子アレイの前記複数の受光素子との間の光路上に配置され、前記波長分散光学系から前記複数の受光素子に向かう光束の透過率を前記波長変化方向に沿って変化させる光量規制部材を備えることを特徴とする分光器。
  2. 前記光量規制部材の透過率特性は、
    前記スペクトル像を構成し前記受光素子によって受光される波長光のうち、少なくとも前記受光素子の感度が最大となる波長光の透過位置における透過率が、前記受光素子の感度が最小となる波長光の透過位置における透過率よりも小さく設定されたことを特徴とする請求項1に記載の分光器。
  3. 前記光量規制部材の透過率特性は、
    前記波長変化方向における中間部の透過位置で最小となり、前記波長変化方向における両端部の透過位置に向かって漸次増大する透過率分布を有することを特徴とする請求項2に記載の分光器。
  4. 前記光量規制部材は、
    前記波長変化方向および該波長変化方向に直交する方向に沿って光学的な開口を有し、該開口の前記波長変化方向に直交する方向の開口幅の大きさが、前記波長変化方向に沿って変化されている開口板からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分光器。
  5. 前記光量規制部材は、
    前記波長変化方向に沿って透過率が変化されたNDフィルターからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分光器。
  6. 前記NDフィルターは、
    前記波長変化方向に沿う透過率分布が可変とされた透過率可変フィルターからなることを特徴とする請求項5に記載の分光器。
  7. 請求項1〜6に記載の分光器を備えたことを特徴とする測光装置。
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