JP2011086001A - 数値制御装置、制御プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークへの加工中に加工が中断されて再開するときに、工具及びワークの損傷を防ぐことができる数値制御装置、制御プログラム及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】数値制御装置では、タップ動作中にタップ戻し情報がバックアップRAMに記憶される。停電時にタップ動作が中断し、電源復帰時には主軸を逆回転させながら上昇させるタップ戻し動作が実行される。バックアップRAMにタップ戻し情報が記憶してある場合、CPUは、タップ戻し操作画面を表示し(S20)、キーボードによってキー入力を受付する(S21)。キー入力がタップ戻しモードの設定の場合(S22:YES)、CPUは、軸移動キーの押下による主軸の移動指令、及びテーブルの移動指令を無効にする(S30)。従って、数値制御装置は、ワークに対して工具が食いついた状態で工具又はワークを移動させることによりワーク及び工具が損傷するのを防ぐことができる。
【選択図】図14

Description

本発明は、数値制御装置、制御プログラム及び記憶媒体に関し、詳細には、ワークへの加工中に加工が中断して再開するときに、工具の位置を引き上げて復帰させる機能を備えた数値制御装置、制御プログラム及び記憶媒体に関する。
従来、数値制御によって制御される工作機械(数値制御装置)において、タップ加工中に停電又はエラー等で加工が中断して再開するときに、タップ工具をワークから抜くことができる所謂「タップ戻し機能」を備えたものがある。例えば、タップ加工時の主軸の回転数で主軸を逆回転させ、記憶されている送り速度とは逆方向の同一送り速度で工具を移動させ、ワークから工具を一定距離だけ引き抜いた後、早送りで特定位置へ復帰させるようにした数値制御方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特公平3−25293号公報
特許文献1に記載の数値制御方式は、前述した「タップ戻し機能」を実行する際、作業者が手動データ入力装置から再開スタート信号を入力していた。手動データ入力装置は、ワークを保持しているテーブル又は工具を備えた主軸を所望の位置へ移動するために作業者が操作する移動キーを備えている。作業者が該移動キーを押している間、テーブル又は主軸は移動する。それ故、従来の数値制御方式は、「タップ戻し機能」を実行する際、作業者が誤って移動キーを押すことがあった。前述の場合、ワークにタップ工具が食いついた状態で、テーブルが移動し、タップ工具及びワークは損傷するという問題が発生する。
また、従来の数値制御方式は、ドリルによる「穴空け加工」の場合も、加工が中断して再開するときに、ドリルをワークから抜く操作を誤って移動キーを押すことがあった。それ故、タップ工具の場合と同様に、ワークにドリルが食いついた状態で、テーブルが移動し、ドリル及びワークは損傷するという問題が発生する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ワークへの加工中に加工が中断されて再開するときに、工具及びワークの損傷を防ぐことができる数値制御装置、制御プログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の数値制御装置は、予め記憶手段に記憶した加工プログラム中の加工指令に基づいて主軸に装着された工具でワークに加工をしている間に、該加工が中断された際、前記工具又は前記ワークの移動を指示する移動指示手段が有効な手動運転モードで、前記工具を前記ワークから引き抜く工具抜き動作を行う工作機械の数値制御を行う数値制御装置において、前記加工の中断後、前記手動運転モードに変更するモード設定手段と、前記モード設定手段によって前記手動運転モードに変更した場合、前記移動指示手段による前記工具の回転軸と直交する方向への前記工具又は前記ワークの移動の指示を無効にする移動無効手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2に係る発明の数値制御装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記加工指令が生成された場合に該加工指令に関する情報を記憶する加工指令記憶手段を更に備え、前記モード設定手段は、前記加工指令記憶手段によって前記加工指令に関する情報が記憶されている場合に、前記手動運転モードに変更することを特徴とする。
請求項3に係る発明の数値制御装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記加工は、タップ動作であることを特徴とする。
請求項4に係る発明の数値制御装置の制御プログラムは、予め記憶手段に記憶した加工プログラム中の加工指令に基づいて主軸に装着された工具でワークに加工をしている間に、該加工が中断された際、前記工具又は前記ワークの移動を指示する移動指示手段が有効な手動運転モードで、前記工具を前記ワークから引き抜く工具抜き動作を行う工作機械の数値制御を行う数値制御装置の制御プログラムにおいて、前記加工の中断後、前記手動運転モードに変更するモード設定ステップと、前記モード設定ステップによって前記手動運転モードに変更した場合、前記移動指示手段による前記工具の回転軸と直交する方向への前記工具又は前記ワークの移動の指示を無効にする移動無効ステップとを備えたことを特徴とする。
請求項5に係る発明の記憶媒体は、請求項4に記載の制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
請求項1に係る発明の数値制御装置では、モード設定手段は、加工の中断後、手動運転モードに変更する。移動無効手段は、モード設定手段によって手動運転モードに変更した場合に、移動指示手段による工具の回転軸と直交する方向への工具又はワークの移動の指示を無効にすることができる。従って、数値制御装置は、加工中に動作が中断した場合に、ワークに工具が食いついた状態で、作業者が工具抜きの操作を誤って工具又はワークを工具の回転軸と直交する方向へ移動させるのを防止することができる。工具の回転軸と直交する方向への工具又はワークの移動を防止することができるので、数値制御装置は、工具及びワークが損傷するのを防止できる。
移動無効手段は、移動指示手段による工具の回転軸と直交する方向への工具又はワークの移動の指示を無効にする。即ち、移動指示手段による指示によって工具又はワークは工具の回転軸の軸方向へ移動することができる。従って、作業者は、ワークと工具の状況に応じて工具又はワークを工具の回転軸の軸方向に移動することができる。
請求項2に係る発明の数値制御装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え、加工指令記憶手段は、加工中の加工指令に関する情報を記憶する。モード設定手段は、加工指令記憶手段によって加工指令に関する情報が記憶されている場合に、手動運転モードに変更する。従って、数値制御装置は、加工指令記憶手段によって加工指令に関する情報が記憶されている場合に、移動指示手段による工具又はワークの移動の指示を無効にすることができる。
請求項3に係る発明の数値制御装置では、請求項1又は2に記載の発明に加え、ワークへの加工は、タップ動作である。従って、数値制御装置は、タップ動作中に動作が中断した場合に、ワークに工具が食いついた状態で、作業者がタップ戻しの操作を誤って工具又はワークを工具の回転軸と直交する方向へ移動させるのを防止することができる。
請求項4に係る発明の数値制御装置の制御プログラムでは、モード設定ステップは、手動運転モードに変更する。移動無効ステップは、モード設定手段によって手動運転モードに変更した場合に、移動指示手段による工具又はワークの移動の指示を無効にすることができる。従って、制御プログラムは、加工中に動作が中断した場合に、ワークに工具が食いついた状態で、工具又はワークの移動を防止することができる。工具又はワークの工具の回転軸と直交する方向への移動を防止することができるので、制御プログラムは、工具及びワークが損傷するのを防止できる。
請求項5に係る発明の記憶媒体は、請求項4に記載の制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であるので、請求項4に記載の効果を得ることができる。
工作機械1の正面図である。 工作機械1の斜視図(スプラッシュカバー4を省略)である。 主軸9に装着された工具13でワーク30を加工する状態を示す図である。 加工プログラムの一例を示す図である。 タップ動作の説明図である。 タップ戻し動作の説明図である。 数値制御装置50の電気的構成を示すブロック図である。 RAM53の概念図である。 バックアップRAM55の概念図である。 フラッシュメモリ57の概念図である。 戻し操作画面40の図である。 戻し操作画面40の図(タップ戻しモード中)である。 メインの制御処理のフローチャートである。 電源復帰処理のフローチャートである。 タップ戻し処理のフローチャートである。 タップ動作時の主軸回転数とZ軸下降量との対応関係を示したグラフである。 移動禁止処理のフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態である数値制御装置50について、図面を参照して説明する。図7に示す数値制御装置50は、制御コマンドの配列からなる加工プログラム(NCプログラム)を実行することによって、工作機械1のワークの加工動作を制御するものである。
図1,図2を参照して、工作機械1の構造について簡単に説明する。工作機械1は、ワークと工具とを相対移動させることで、ワークに所望の切削加工を施すことができる機械である。図1に示すように、工作機械1は、鉄製のベース2と、該ベース2の上部に設けられた機械本体3(図2参照)とを備えている。ベース2は、ベース2の上部に機械本体3の周囲を覆う箱状のスプラッシュカバー4を固定している。
スプラッシュカバー4は、正面に開口(図示外)を設けている。開口には、スライド式の一対の開閉扉5,6が設けられている。開口の右側には、工作機械1を操作するための操作パネル10が設けられている。操作パネル10の上部には、各種設定画面等を表示するディスプレイ11が設けられている。操作パネル10の下部には、各種操作キーを備えたキーボード12が設けられている。図2に示すように、機械本体3は、コラム21と、主軸ヘッド7と、主軸9と、工具交換装置25と、工具マガジン26と、テーブル15とを備えている。コラム21は、ベース2の上部後方に立設している。主軸ヘッド7は、コラム21の前面に沿って昇降可能に設けてある。主軸9は、主軸ヘッド7の下部に回転可能に支持されている。工具交換装置25は、主軸ヘッド7の右側に設けてあり、主軸9に装着された工具を自動的に交換する。工具マガジン26は、工具交換装置25の右側に設けてあり、複数の工具を格納する。テーブル15は、ベース2の上部に設置してあり、XY軸方向に移動可能に支持されている。
コラム21は、背面に制御ボックス22を設けている。制御ボックス22は、内側に工作機械1の動作を制御する数値制御装置50(図7参照)を収納している。
主軸ヘッド7は、コラム21の前面側に設けられたガイドレール(図示外)に沿って昇降自在に支持されている。コラム21の前面には、上下方向に延びる送りネジ(図示外)が回転可能に支持されている。送りネジは、上端部にZ軸モータ73(図7参照)の駆動軸を連結している。送りネジには、主軸ヘッド7がナット(図示外)を介して連結されている。主軸ヘッド7は、Z軸モータ73の駆動によって送りネジが正逆方向に回転することで昇降する。主軸ヘッド7は、主軸9を回転自在に支持している。主軸9は、主軸ヘッド7の上部に設けた主軸モータ8によって回転駆動する。主軸9は、装着穴(図示外)に工具13(図3参照)を装着する。
図2に示すように、テーブル15は、ベース2の上部にX軸方向(左右方向)及びY軸方向(前後方向)に移動可能に設けられている。テーブル15の移動機構は、テーブル15を支持する支持台16と、支持台16をX軸方向に移動させるX軸移動機構17と、支持台16をY軸方向に移動させるY軸移動機構18とを備えている。X軸移動機構17には、支持台16をX軸方向にガイドするX軸送りガイド(図示外)が設けられている。Y軸移動機構18には、Y軸送りガイド(図示外)が設けられている。支持台16は、サーボモータからなるX軸モータ71(図7参照)及びY軸モータ72(図7参照)によって、X軸方向及びY軸方向に移動制御される。
次に、工作機械1のワークの加工動作の一例であるタップ動作について説明する。タップ動作は、タップである工具13を主軸9に装着し、ワーク30に先に形成した穴に回転しながら該穴に侵入してねじを形成する動作である。タップ動作を行う場合は、加工プログラム(図4参照)に基づき、ワーク30に対してねじを形成する一連の工程が実行される。ねじを形成するためには、ドリルで穴を空ける「穴空け加工」と、穴の内側にねじを刻む「タップ加工」とが行われる。「G81」はドリル指令、「G74」はタップ指令である。まず、「G81」のドリル指令によって穴空け加工が行われる。次いで、「G74X−30.Y0.Z−8.R2.F5000 S5000」の指令に基づき、以下のタップ加工が行われる。
図5に示すように、ステップ1で、工具13はXY座標位置(−30.0)に位置決めされる。ステップ2で、工具13のZ軸はタップ動作開始(2)位置に位置決めされる(指令「R2」に基づく動作)。ステップ3で、下方向へのタップ動作はタップ動作開始位置から穴底まで実行される。ステップ4で、上方向へのタップ動作は穴底からタップ動作開始位置まで実行される。タップ動作は、ピッチ=1mmのタップで、送り速度(F)=5000mm/min、主軸回転数(S)=5000RPMで実行される。こうしてワーク30にねじが形成される。尚、ピッチは、送り速度を主軸回転数で除算した値となる。
次に、工作機械1のタップ戻し動作について説明する。図6に示すように、ステップ3で、停電や非常停止操作等の何らかの理由でタップ動作が中断した場合、電源復帰時に加工を再開するときは、工具13とワーク30の破損を防止するため、タップ戻し動作(工具抜き動作)を実行する。タップ戻し動作は、ステップ5で、主軸9を逆回転させながら工具13をワーク30から引き抜き、タップ動作開始位置まで移動させる。本実施形態では、タップ動作の中断位置からタップ動作開始位置まで連続で移動させるのではなく、所定量ずつ断続的に移動させるインチング動作を行うことができる。インチング動作は、主軸9を断続的に回転させながら工具13をワーク30から引き抜くことができる。従って、インチング動作は、ワーク30及び工具13の状態を確認しながらタップ戻し動作を実行できる。インチング動作の詳細については後述する。
図6に示すように、本実施形態では、通常のタップ戻し動作、又は最初のインチング動作の際に、主軸9をZ軸方向に所定量下降させてから、タップ戻し動作を実行させる。主軸9が高速回転である場合、又は軟らかい材質であるワーク30に対してタップ加工をしているときにタップ加工を中断した場合、主軸9のZ軸方向にはブレーキがかかるが、主軸9は慣性で若干回転してしまい、ワーク30に工具13が喰いついてしまうことがある。前記所定量下降は、いわゆるワークへのタップの喰いつきが発生してしまった場合に特に効果的である。タップの喰いつきが発生した場合、主軸9と工具13とに隙間Hが発生している可能性がある(図3参照)。該隙間Hが発生した状態で、従来のタップ戻し動作を行った場合には、工具13が折損したり、主軸9から工具13が外れて、装着した工具13を保持する主軸9内部の工具クランプ機構(図示外)が損傷したりする。主軸9が下降することで、隙間Hはなくなる。それ故、主軸9を下降した後は、タップ戻し動作を良好に行うことができる。主軸9のZ軸下降動作については後述する。
次に、タップ戻し情報について説明する。タップ戻し情報とは、タップ戻し動作を実行する際に必要な情報であって、例えば、タップ動作開始位置(x,y,z)と、ねじピッチ(mm)と、主軸回転数(RPM)と、ねじ種類(右ねじ/左ねじ)等を含むものである。タップ戻し情報は、タップ動作中に、加工プログラムに記載されたタップ指令に基づいて作成される。タップ戻し情報は、後述するバックアップRAM55の各種記憶エリア552〜555(図9参照)に各々記憶される。タップ戻し動作を実行する際に、バックアップRAM55に記憶されたタップ戻し情報が読み込まれる。読み込んだタップ戻し情報に基づき、タップ戻し動作が実行される。
次に、タップ戻し動作に必要なパラメータについて説明する。上記したように、本実施形態では、現在位置からタップ開始位置まで連続で移動させる通常のタップ戻し動作に加え、所定量ずつ断続的に移動させるインチング動作でタップ戻し動作を行うことができる。インチング動作は、所定量ずつ主軸9の位置を戻すので、1回の戻し移動量を設定する必要がある。戻し移動量は、主軸9のZ軸方向の上昇量、又は主軸9の戻し回転角度の何れかを設定できる。上昇量を設定した場合は、タップ戻し情報のねじピッチから、1回の主軸9の戻し回転角度を算出できる。戻し回転角度を設定した場合は、タップ戻し情報のねじピッチから、1回の主軸9の上昇量を算出できる。前述した上昇量又は回転角度は、後述するキーボード12によって設定する。
例えば、タップのピッチが1mmで、戻し回転角度を90度に設定した場合、1回の戻し動作として主軸9は0.25mm(1mm/(90度/360度))上昇する。この場合、後述するCPU51による制御処理では、0.25mmが単位動作当たりの目標位置として、RAM53の後述する戻し制御値記憶エリア532(図8参照)に記憶される。これとは逆に、タップのピッチが1mmで、上昇量を0.25mmに設定した場合、1回の戻し動作として主軸9は90度回転する。この場合、後述するCPU51による制御処理では、90度が単位動作当たりの目標位置として、RAM53の後述する戻し制御値記憶エリア532(図8参照)に記憶される。
図7を参照して、数値制御装置50の電気的構成について説明する。数値制御装置50は、CPU51、ROM52、RAM53、バックアップRAM55及びフラッシュメモリ57からなるマイクロコンピュータと、入力インタフェイス54と、入出力インタフェイス59とを備えている。バックアップRAM55には、バックアップ電源56が接続されている。入力インタフェイス54には、操作パネル10のキーボード12と、コラム21に設けられ、主軸9のZ軸における原点を検知するZ軸原点センサ77とが電気的に各々接続されている。キーボード12は、軸移動キーを備えている。軸移動キーは、テーブル15をX軸の+方向、−方向に移動させるためのキー、テーブル15をY軸の+方向、−方向に移動させるためのキー、主軸ヘッド7をZ軸の+方向、−方向に移動させるためのキーである。尚、軸移動キーを備えるキーボード12は、本発明の「移動指示手段」に相当する。
入出力インタフェイス59には、X軸モータ71を駆動させるX軸駆動回路61と、Y軸モータ72を駆動させるY軸駆動回路62と、Z軸モータ73を駆動させるZ軸駆動回路63と、主軸モータ8を駆動させる主軸駆動回路64と、操作パネル10のディスプレイ11を駆動させるためのディスプレイ駆動回路65とが電気的に接続されている。X軸モータ71、Y軸モータ72、Z軸モータ73、主軸モータ8には、それぞれモータの位置を検出するエンコーダ(図示外)を設けている。各エンコーダは、各軸駆動回路61、62、63、64に接続されている。各軸駆動回路61、62、63、64は、各モータ71、72、73,8の回転位置を記憶するRAM(図示外)及び1回転するごとに計数したカウンタ(図示外)を備えている。
図8を参照して、RAM53の各種記憶エリアについて説明する。RAM53には、インチング動作を実行する前に主軸9を一旦下降させる移動量(以下、Z軸下降量)を記憶するZ軸下降量記憶エリア531と、タップ戻し情報に基づいて算出されたタップ戻し動作の各種制御値を記憶する戻し制御値記憶エリア532とを少なくとも設けてある。
図9を参照して、バックアップRAM55の各種記憶エリアについて説明する。バックアップRAM55には、戻し情報フラグを記憶するための戻し情報フラグ記憶エリア551と、タップ動作の開始位置が記憶されるタップ動作開始位置記憶エリア552と、タップのピッチが記憶されるねじピッチ記憶エリア553と、タップ動作時の主軸回転数が記憶される主軸回転数記憶エリア554と、タップが右ねじか左ねじかを記憶するためのねじ種類記憶エリア555とを少なくとも設けてある。
戻し情報フラグは、タップ戻し情報がバックアップRAM55に登録されているか否かを記憶するものである。タップ戻し情報がバックアップRAM55に記憶されている場合は、戻し情報フラグ記憶エリア551に「1」が記憶され、タップ戻し情報が記憶されていない場合は「0」が記憶される。バックアップRAM55には、バックアップ電源56が接続されているので、停電時に電源が供給されない場合でも、バックアップ電源56から電源が供給される。それ故、停電によりタップ動作が中断しても、バックアップRAM55の記憶内容は保持される。
図10を参照して、フラッシュメモリ57の各種記憶エリアについて説明する。フラッシュメモリ57には、タップ戻し動作のパラメータを記憶するパラメータ記憶エリア571と、主軸9の現在位置を記憶する現在位置記憶エリア572と、インチング動作の最初で主軸9をZ軸方向に下降させる下降量を判定するテーブルを記憶するZ軸下降量判定テーブル記憶エリア573とを少なくとも設けてある。上述したように、パラメータ記憶エリア571には、タップ戻し動作における主軸9のタップ戻し最高回転数と、インチング動作における主軸9の戻し回転角度(又はZ軸方向の上昇量)とが各々記憶される。
Z軸下降量判定テーブル記憶エリア573に記憶されるテーブルには、主軸回転数と、主軸9を下降させる下降量とが対応付けられて記憶されている。タップ動作時の主軸回転数が高ければ高いほど、停電によるタップ動作中断時において、工具13が惰性で回転しようとする力が強くなり、工具13と主軸9との隙間が大きくなる。
本実施形態では、このような性質に基づき、図16に示すグラフのように、タップ動作時の主軸回転数が所定値未満(例えば、50RPM未満)の場合、最初のインチング動作で行われるZ軸下降動作を行わずに、所定値以上の場合には主軸回転数に応じたZ軸下降動作を行わせるようにする。タップ動作時の主軸回転数が所定値以上の場合は、主軸回転数に比例させてZ軸下降量を大きくする。従って、工具13と主軸9との隙間の大きさに応じて主軸9を下降することができ、工具13の折損又は主軸9の損傷を防ぐことができる。
図11,図12を参照して、タップ戻し操作画面40について説明する。タップ動作中に停電が起きて加工が中断され、電源が復帰すると、操作パネル10のディスプレイ11に、図11に示すタップ戻し操作画面40が表示される。バックアップRAM55の戻し情報フラグ記憶エリア551に「1」が記憶してある場合、バックアップRAM55の各記憶エリア552〜555にタップ戻し情報が記憶されている。この場合、タップ戻し操作画面40の下側に表示されたボタン表示欄42の右側に、「タップ戻し有効にする」ボタンと、「タップ戻し情報クリア」ボタンとが各々表示される。
ディスプレイ11の下側には、F0〜F7のファンクションキーが設けられている。F6キーの上に「タップ戻し情報クリア」ボタンが表示され、F7キーの上に「タップ戻し有効にする」ボタンが表示される。バックアップRAM55に記憶されているタップ戻し情報を消去する場合はF6キーを押下する。タップ戻しモードを設定する場合はF7キーを押下する。尚、バックアップRAM55に設けられた戻し情報フラグ記憶エリア551に「0」が記憶されている場合、「タップ戻し有効にする」ボタンと、「タップ戻し情報クリア」ボタンは、表示されることはない。
F7キーを押下してタップ戻しモードを設定した場合は、図12に示すように、ボタン表示欄42の上側に位置するメッセージ表示欄41に、「タップ戻しを行ってください。(操作方法はヘルプを参照してください。)」のメッセージが表示される。タップ戻し動作の準備が完了したことを報知する。その横には[ヘルプ]が表示される。メッセージ表示欄41の右側の直上には、「タップ戻しモード中」のメッセージが表示され、現在タップ戻しモードが設定されていることを報知している。ボタン表示欄42に表示されていた「タップ戻し有効にする」ボタンと、「タップ戻し情報クリア」ボタンとは何れも消えて、F7キーの上に、「タップ戻し無効にする」ボタンが表示される。タップ戻しモードを解除する場合にはF7キーを押下する。
タップ戻し操作画面40に「タップ戻しモード中」が表示されている場合に、作業者が、キーボード12に設けられた解除キー(図示外)と「F」キー(図示外)とを同時に押すと、現在位置からタップ動作開始位置まで主軸9を連続で戻す通常のタップ戻し動作が実行される。作業者が解除キーと「H」キー(図示外)とを同時に押すと、所定量ずつ断続的にタップ戻し動作を行うためのインチング動作が実行される。
図13のフローチャートを参照して、CPU51によるメインの制御処理について説明する。まず、作業者が操作パネル10において、加工プログラムを選択すると、CPU51はその加工プログラムを読み出し、1ブロック解釈する(S11)。CPU51は、解釈した1ブロックがタップ指令「G74」であるか否かを判断する(S12)。タップ指令でなければ(S12:NO)、その1ブロックで解釈された動作指令に基づき、CPU51は指定の動作を実行する(S14)。
一方、タップ指令であった場合(S12:YES)、そのタップ指令に基づき、CPU51はタップ戻し情報を作成し、バックアップRAM55の各種記憶エリア552〜555(図9参照)に各値を各々記憶する(S13)。このとき、CPU51はバックアップRAM55の戻し情報フラグ記憶エリア551に「1」を記憶する。CPU51は、タップ指令に基づき、ワーク30に対してタップ動作を実行する(S14)。タップ動作によって、ワーク30に先に形成された穴にねじが形成される。正常にねじが形成された場合、CPU51はバックアップRAM55の戻し情報フラグ記憶エリア551に「0」を記憶する。
次ブロックに移行し、CPU51はプログラムエンド「M30」であるか否かを判断する(S15)。プログラムエンドであれば(S15:YES)、CPU51は処理を終了する。プログラムエンドでなければ(S15:NO)、S11に戻って、CPU51は引き続き次の1ブロックを解釈し、S11以降の処理を繰り返す。
図14のフローチャートを参照して、CPU51による電源復帰処理について説明する。タップ動作中に停電が起きて加工が中断されると(戻し情報フラグ記憶エリア551に「1」が記憶されていると)、CPU51は電源復帰時においてディスプレイ11に図11に示すタップ戻し操作画面40を表示する(S20)。図11の画面は、手動運転モードであり、CPU51は、操作パネル10のキーボード12からキー入力(受付)がされるのを待機する(S21)。CPU51は、受付されたキー入力がタップ戻しモードの設定(図11のF7キー)であるか否かを判断する(S22)。タップ戻しモードの設定でなければ(S22:NO)、CPU51は各種キーに対応する処理を実行し(S23)、処理を終了する。
F7キーが押されて、タップ戻しモードの設定であった場合(S22:YES)、CPU51は、ディスプレイ11に、図12に示すタップ戻し操作画面40を表示する。続いて、CPU51は、主軸9(主軸ヘッド7)の移動又はテーブル15の移動を指示する軸移動キー(図示外)が押下されたか否かを判断する(S24)。軸移動キーが押下された場合(S24:YES)、ワーク30に対して工具13が喰いついた状態であれば、主軸9又はテーブル15を移動させると主軸9及びワーク30は損傷する場合がある。従って、CPU51は、軸移動キーの押下による主軸9の移動指令、及びテーブル15の移動指令を無効にし、主軸9の移動と、テーブル15のXY軸方向への移動とを何れも禁止して(S30)、処理を終了する。
そして、タップ戻しモードが設定されている状態で(S22:YES)、タップ戻しキー(図示外)が押下された場合(S24:NO、S25:YES)、即ち、解除キーと「F」キー、又は解除キーと「H」キーとが同時に押下された場合は、CPU51はタップ戻し処理を実行する(S28)。
図15のフローチャートを参照して、タップ戻し処理について説明する。CPU51は、押下されたキーがインチング動作の指示であるか否かを判断する(S41)。解除キーと「F」キーとが同時に押下された場合(S41:NO)、通常のタップ戻し動作であるので、CPU51はタップ動作が中断して停止した主軸9の現在位置を、フラッシュメモリ57の現在位置記憶エリア572(図10参照)に記憶する(S44)。
次いで、CPU51は、バックアップRAM55の各種記憶エリア552〜555からタップ戻し情報を読み出す(S45)。さらに、CPU51は、フラッシュメモリ57のパラメータ記憶エリア571からタップ戻し動作に必要な各種パラメータを読み出す(S46)。通常のタップ戻し動作の場合は、CPU51は、最大主軸回転数を読み出す。尚、最大主軸回転数は、予めフラッシュメモリ57に記憶している。バックアップRAM55の主軸回転数記憶エリア554に記憶された主軸回転数が最大主軸回転数を超えている場合、CPU51は最大主軸回転数を主軸回転数記憶エリア554に記憶する。
次いで、CPU51は、最初のタップ戻しか否かを判断する(S47)。最初のタップ戻しか否かは、RAM53(図7参照)に記憶したタップ戻しフラグで判断する。タップ戻しフラグが立っていない場合、CPU51は最初のタップ戻しであると判断する。通常のタップ戻し動作の場合は、タップ戻しフラグは立っておらず、最初のタップ戻しであるので(S47:YES)、CPU51はフラッシュメモリ57のZ軸下降量判定テーブル記憶エリア573に記憶されたテーブルを参照し、主軸9をワーク30に向けて移動させるZ軸下降動作を実行する(S48)。このとき、CPU51は、タップ戻しフラグを立てる。
図16に示すグラフのように、Z軸下降動作では、主軸回転数記憶エリア554に記憶された主軸回転数が所定値(例えば、50RPM)以上の場合は、Z軸下降量が設定される。主軸回転数が所定値未満の場合、Z軸下降量は設定されない。Z軸下降量は、RAM53のZ軸下降量記憶エリア531に記憶される。そして、Z軸下降量記憶エリア531に記憶されたZ軸下降量だけ、主軸9がZ軸方向に下降する。
Z軸下降動作は、主軸9が高回転数でタップ動作を行った場合に特に効果的である。この場合、主軸9と工具13との間に隙間Hが発生している可能性がある(図3参照)。主軸9が下降することで、該隙間Hをなくすことができる。それ故、タップ戻しのために主軸9を回転したときに工具13が主軸9から外れることがない。また、Z軸下降量は、主軸回転数記憶エリア554に記憶された主軸回転数に基づいて設定される。従って、工具13と主軸9との隙間の大きさに応じて主軸9を下降することができ、工具13の折損又は主軸9の損傷を防ぐことができる。
次いで、タップ戻し情報と、フラッシュメモリ57の現在位置記憶エリア572に記憶された現在位置(x,y,z)と、Z軸下降量記憶エリア531に記憶されたZ軸下降量とに基づき、CPU51はZ軸方向に下降した地点からタップ動作開始位置に主軸9を復帰させるために必要な主軸9のZ軸方向の上昇量、主軸回転数、主軸回転方向を決定する。主軸回転方向は、工具13が右ねじなら反時計回り、左ねじなら時計回りとなる。CPU51は、これらの値を通常のタップ戻し動作の制御値として、RAM53の戻し制御値記憶エリア532に記憶する。CPU51は、戻し制御値記憶エリア532に記憶された制御値に基づいてタップ戻し指令を生成する(S49)。
そして、CPU51は生成されたタップ戻し指令に基づいて通常のタップ戻し動作を実行する(S50)。この場合、Z軸方向に下降した位置からタップ動作開始位置まで主軸9が回転しながら連続で上昇することによって、ワーク30から工具13が引き抜かれる。そして、CPU51は処理を図14のS29に移行する。
ところで、ワーク30がアルミニウムのように軟らかい材質の場合、停電によって主軸9が停止しても工具13が惰性で回転しようとするので、ワーク30に対して工具13が喰いついてしまうことがある。この場合、通常のタップ戻し動作を行うと、ワーク30から工具13が喰いついたまま、主軸9から工具13が外れて、工具13が折損したり、主軸9内部の工具クランプ機構(図示外)が損傷したりする場合がある。このような場合、作業者はインチング動作を選択する。
作業者によって、解除キーと「H」キーとが同時に押され、インチング動作が選択された場合(S41:YES)、CPU51はバックアップRAM55の各種記憶エリア552〜555からタップ戻し情報を読み出す(S42)。さらに、CPU51はフラッシュメモリ57のパラメータ記憶エリア571からインチング動作に必要な各種パラメータを読み出す(S43)。まず、CPU51は最大主軸回転数を読み出す。バックアップRAM55の主軸回転数記憶エリア554に記憶された主軸回転数が最大主軸回転数を超えている場合、CPU51は、最大主軸回転数を主軸回転数記憶エリア554に記憶する。次いで、CPU51はインチング動作における1回の戻し移動量として設定された主軸9の戻し回転角度(又は、主軸9のZ軸方向の上昇量)を読み出す。
次いで、タップ戻し情報と、パラメータとして設定された主軸9の戻し回転角度とに基づき、CPU51は、1回の戻し動作で上昇させる主軸9の移動量を算出する。例えば、タップのピッチが1mmで、戻し回転角度を90度に設定した場合、1回の戻し動作として主軸9は0.25mm上昇する。この0.25mmが1回のインチング動作における目標位置となる。そして、CPU51は、主軸9の戻し回転角度、目標位置、主軸回転数、主軸回転方向をインチング動作の制御値として、RAM53の戻し制御値記憶エリア532(図8参照)に記憶する。
次いで、CPU51は、最初のタップ戻しか否かを判断する(S47)。タップ戻しフラグが立っていなければ、最初のタップ戻しであるので(S47:YES)、CPU51はフラッシュメモリ57のZ軸下降量判定テーブル記憶エリア573に記憶されたテーブルを参照し、上記と同様に、主軸9をワーク30に向けて移動させるZ軸下降動作を実行する(S48)。
そして、CPU51は、戻し制御値記憶エリア532に記憶された制御値に基づいてタップ戻し指令を生成する(S49)。CPU51は、タップ戻し指令に基づいてインチング動作を実行する(S50)。インチング動作では、タップ動作開始位置まで主軸9が一気に上昇せず、所定量だけ上昇するので、作業者は、工具13とワーク30との状況を確認できる。これで1回のインチング動作が終了し、CPU51は図14のS29に処理を移行する。なお、タップ戻しフラグが立っていれば、最初のインチング動作ではないので(S47:NO)、Z軸下降動作は実行しない。CPU51は、戻し制御値記憶エリア532に記憶された制御値に基づいてタップ戻し指令を生成する(S49)。CPU51は、タップ戻し指令に基づいてインチング動作を実行する(S50)。そして、CPU51は図14のS29に処理を移行する。
次に、CPU51は、主軸9の現在位置が、バックアップRAM55のタップ動作開始位置記憶エリア552に記憶されたタップ動作開始位置に到達したか否かを判断する(S29)。タップ動作開始位置まで復帰した場合(S29:YES)、CPU51はバックアップRAM55に記憶されているタップ戻し情報とタップ戻しフラグとをクリアし(S27)、処理を終了する。
そして、インチング動作において、主軸9がタップ動作開始位置まで復帰していない場合は(S29:NO)、CPU51は処理を終了する。さらに、作業者が解除キーと「H」キーとを再度押すことで、CPU51は上記キー入力処理(S21、S22、S24、S25、S28)を実行し、同じタップ生成指令に基づき、インチング動作を実行する(S41〜S46)。これにより、断続的に主軸9をワーク30から引き上げることができるので、作業者は、工具13とワーク30との状況を確認しながら、タップ戻し動作を行うことができる。なお、主軸9がタップ動作開始位置に復帰するまでは、タップ戻しフラグはクリアされないので、Z軸下降動作は実行されずに、インチング動作が実行される。そして、主軸9がタップ動作開始位置に復帰した場合(S29:YES)、CPU51はバックアップRAM55に記憶されているタップ戻し情報とタップ戻しフラグとをクリアし(S27)、処理を終了する。
なお、タップ戻しモード中に(S22:YES)、タップ戻し無効にするキーであるF7(図12参照)が押下された場合(S24:NO、S25:NO、S26:YES)、CPU51は図11の画面に切り替え(S27)、処理を終了する。また、タップ戻しモード中に(S22:YES)、軸移動キー、タップ戻しキー、キャンセルキーの何れも押されない場合、CPU51は処理を終了する。
以上説明において、図9に示すバックアップRAM55は、本発明の「加工指令記憶手段」に相当する。図14に示すS20の処理を実行するCPU51は、本発明の「モード設定手段」に相当する。図14に示すS30の処理を実行するCPU51は、「移動無効手段」に相当する。
以上説明したように、本実施形態の数値制御装置50では、タップ動作中にタップ戻し情報がバックアップRAM55に記憶される。停電時にタップ動作が中断し、電源復帰時にタップ戻し情報がバックアップRAM55に記憶してある場合には主軸9を逆回転させながら上昇させるタップ戻し動作が実行される。タップ戻し動作を実行する際には、主軸9が装着した工具13の移動、又はテーブル15のXY方向への移動を指示する軸移動キー(キーボード12)の押下による移動指令が無効となる。それ故、数値制御装置50は、作業者がタップ戻し動作の操作を誤って軸移動キー(キーボード12)を押下しても工具13又はテーブル15が移動することはない。従って、数値制御装置50は、主軸9又はテーブル15の移動によって工具13及びワーク30が損傷するのを防ぐことができる。
なお、本発明の数値制御装置、制御プログラム及び記憶媒体は、上記実施形態に限らず、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、最初のインチング動作を実行するときに、主軸9を一旦下降させてから上昇させたが、通常のタップ戻し動作が選択された場合でも、Z軸下降動作を行わせるようにしてもよい。また、主軸9の下降動作は、省略してもよい。
また、上記実施形態では、インチング動作のパラメータにおいて、戻し回転角度を設定し、1回の戻し動作における単位移動量を算出したが、主軸9の上昇量を設定し、1回の戻し動作における戻し回転角度を算出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、最初のインチング動作におけるZ軸下降量を、フラッシュメモリ57に記憶されたZ軸下降量判定テーブルを参照し、タップ動作時の主軸回転数に基づいて決定したが、タップ動作時の主軸回転数に関わらず、作業者がZ軸下降量を予め設定できるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、主軸9にタップである工具13を装着した場合に、タップ戻し動作において軸移動キーの押下による主軸9の移動指令、及びテーブル15の移動指令を無効にしたが、「穴空け加工」を行うドリルである工具を主軸9に装着した場合に、軸移動キーの押下による主軸9の移動指令、及びテーブル15の移動指令を無効にするようにしてもよい。
また、上記実施形態の工作機械1は、主軸9がZ軸方向にのみ移動可能であって、テーブル15をXY軸方向に移動させることにより、主軸9とテーブル15との相対の位置関係をXYZ軸方向において制御するものであるが、テーブル15の位置を固定し、主軸9がXYZ軸方向に移動するタイプの工作機械にも本発明の適用が可能である。
また、上記実施形態の工作機械1は、縦型のマシニングセンタであるが、横型のマシニングセンタにも本発明の適用が可能である。
また、本発明の制御プログラムを記憶する記憶媒体としては、ROM、RAM等の素子の他、種々の形態が考えられる。例えば、CD−ROM、フロッピー(登録商標)等でもよく、カードスロットへ挿入可能なプログラムカートリッジ等でもよく、インターネット上のファイルサーバであってもよい。
また、本実施形態では、図14に示すS30において、主軸9の移動、及びテーブル15の主軸9の回転軸と直交するXY軸方向への移動を禁止するようにしている。操作パネル10に設けた、主軸9を移動するZ軸移動キー(図示外)が押下された場合は、主軸9のZ軸方向への移動のみを許可するようにしてもよい。例えば、図17に示す移動禁止処理のように、操作パネル10に設けたZ軸移動キー(図示外)が押下されたか否かを判断する(S310)。Z軸移動キーが押下されない場合は(S310:NO)、XY軸方向へのテーブル15の移動を禁止し(S330)、Z軸移動キーが押下された場合は(S310:YES)、主軸9のZ軸方向の移動のみ許可する(S320)。作業者は、ワークと工具の状況に応じて主軸9をZ軸方向に移動できる。
1 工作機械
9 主軸
10 操作パネル
11 ディスプレイ
12 キーボード
13 工具
15 テーブル
16 支持台
17 X軸移動機構
18 Y軸移動機構
22 制御ボックス
30 ワーク
50 数値制御装置
51 CPU
52 ROM
53 RAM
55 バックアップRAM
56 バックアップ電源
57 フラッシュメモリ

Claims (5)

  1. 予め記憶手段に記憶した加工プログラム中の加工指令に基づいて主軸に装着された工具でワークに加工をしている間に、該加工が中断された際、前記工具又は前記ワークの移動を指示する移動指示手段が有効な手動運転モードで、前記工具を前記ワークから引き抜く工具抜き動作を行う工作機械の数値制御を行う数値制御装置において、
    前記加工の中断後、前記手動運転モードに変更するモード設定手段と、
    前記モード設定手段によって前記手動運転モードに変更した場合、前記移動指示手段による前記工具の回転軸と直交する方向への前記工具又は前記ワークの移動の指示を無効にする移動無効手段と
    を備えたことを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記加工指令が生成された場合に該加工指令に関する情報を記憶する加工指令記憶手段を更に備え、
    前記モード設定手段は、前記加工指令記憶手段によって前記加工指令に関する情報が記憶されている場合に、前記手動運転モードに変更することを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. 前記加工は、タップ動作であることを特徴とする請求項1又は2に記載の数値制御装置。
  4. 予め記憶手段に記憶した加工プログラム中の加工指令に基づいて主軸に装着された工具でワークに加工をしている間に、該加工が中断された際、前記工具又は前記ワークの移動を指示する移動指示手段が有効な手動運転モードで、前記工具を前記ワークから引き抜く工具抜き動作を行う工作機械の数値制御を行う数値制御装置の制御プログラムにおいて、
    前記加工の中断後、前記手動運転モードに変更するモード設定ステップと、
    前記モード設定ステップによって前記手動運転モードに変更した場合、前記移動指示手段による前記工具の回転軸と直交する方向への前記工具又は前記ワークの移動の指示を無効にする移動無効ステップと
    を備えたことを特徴とする数値制御装置の制御プログラム。
  5. 請求項4に記載の制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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