JP2011085970A - 品質予測装置、品質予測方法、プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

品質予測装置、品質予測方法、プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】指数平滑法を用いて少ない分割数で十分な精度を有するモデルを作成し品質予測する品質予測装置を提供する。
【解決手段】品質予測装置は、操業データに含まれる変数からなる全体領域を複数の局所領域に分割する分割パターン候補を作成する分割パターン候補作成部と、各分割パターン候補について活性度関数を算出する活性度関数算出部と、各分割パターン候補について、各局所領域に対する、現在の品質予測値を計算する指数平滑関数と活性度関数とに基づいて、全体領域における品質予測値を算出する関係式を導出して、全体領域における品質予測値を算出し、品質予測値と品質データとの予測誤差が最小となる分割パターンを選択する最小誤差分割パターン選択部と、予測誤差の収束状態を判定する学習誤差評価部と、十分に収束した分割パターンの関係式から品質予測値を出力する品質予測値出力部と、指数平滑係数を算出する指数平滑係数算出部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、製造プロセスにおける品質予測装置、品質予測方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、より詳細には、鉄鋼プロセスのような生産ラインにて操業条件を変更することで、複数種類の製品を作り分ける製造プロセスにおいて、過去に製造された製品の品質情報を製造順番に並べた時系列品質データより品質予測モデルを作成し、品質予測を行う場合に用いる品質予測装置、品質予測方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
鉄鋼や半導体などの製造プロセスにおいては、顧客からの製品の注文に応じて、顧客の製品に対する要求仕様から製品を製造するための操業条件を決定し、製品を製造する。製造の途中において、これまでに通過した工程(上工程)での操業実績並びに今後の通過工程(下工程)での操業予定条件に基づいて、製品が要求仕様を満足するかが評価される。場合によっては、下工程の操業条件を変更する作業や、顧客への不良品の流出を回避するために、出荷前検査を重点的に実施する作業が行われることもある。したがって、製造の過程において、製品の品質を予測することは、非常に重要である。このため、従来から、製造プロセスの操業オペレータや技術担当者により、操業条件から製品の品質を推定する作業が行われている。
品質を予測する一般的な方法(以下「第1の方法」と称する。)として、同一の製品を製造する場合は、例えば操業標準等で定められたように、操業条件が一定となるように操業が行われる。このとき、特に鉄鋼プロセスのような高温・高荷重等の厳しい環境下で製品が製造される場合には、例えば圧延機のミル定数などの設備の特性が徐々に変化する。このため、全く同じ操業条件でも製造タイミングによって、品質が異なる状況が発生する。このような状況から、操業オペレータや担当者は、直前までに製造された製品の品質の実績を参照し、更に過去の経験や製造プロセスに関する知識も加味して、現在製造中の製品の品質を予測する作業を行っている。
また、上記のような同一の製造条件(すなわち、入力条件)であっても、製造タイミングで品質(すなわち、出力)が変化する状況は、最終品質のみならず、例えば鉄鋼プロセスの熱間圧延における捲き取り温度などの中間プロセス状態量や、更には、捲き取り温度を制御するための熱間圧延ランナウトテーブルでの冷却制御モデルの学習係数のような制御パラメータについても生ずる。これより、これらに対しても直前までに製造された製品での実績を参照して適性値を予測することが必要となる。
しかしながら、この第1の方法では、操業オペレータ・担当者の知識や熟練度に、予測精度が大きく影響されてしまうという問題があった。更には、短時間で多数の製品が製造される場合には、処理すべき情報量が多く、かつ高速処理が必要となり、人間では対応できないという問題もあった。
そこで、第2の方法として、特許文献1には、人間の記憶のみに頼るのではなく、過去の品質データを用いて、計算機を援用して予測を行う方法が提案されている。第2の方法では、蓄積された品質の時系列データを解析して、現在製造中の製品の品質を予測する実用的で簡便な方法として広く利用されている指数平滑法を用いている。指数平滑法では、新たなデータの値は過去の値の影響を受け、影響の強さは現在に近いほど強く、過去に遡るほど弱くなると仮定し、時系列に含まれるデータに対して重み付けを行い、新たなデータの予測値を計算する。第2の方法は、指数平滑法で品質を予測する方法において、平滑化定数をN個の時系列データを用いて理論的な最適解より算出し、予測値と実績との差で定義される予測誤差の標準偏差に基づいて予測値の上下限範囲も推定可能とする手法である。
ここで、一般に、製造プロセスの品質データは、複数の製品に関するデータが含まれているために、十分な精度が得るためには、データを適正な条件で分割して、各分割について指数平滑を行う必要がある。しかし、特許文献1の手法では、データの分割については全く考慮されておらず、本手法を製造プロセスの品質予測に適用した場合は、予測精度が大きく劣化するという問題がある。
第3の方法として、特許文献2には、熱延仕上げ圧延におけるセットアップ計算を対象に、圧延ロールと被圧延材の摩擦係数を指数平滑法で推定するにあたり、平滑化係数を別個に設定するべき圧延条件の区分を人間が設定して、該区分ごとに指数平滑を行う方法が開示されている。この第3の方法は、比較的高い精度が確保でき、実プロセスでもよく利用されている方法であるが、区分は担当者の経験に基づいて決定されるために担当者の熟練度に依存し、予測精度も担当者に依存する。また人間は、板厚や目標捲き取り温度など複数存在する圧延条件に対し、その一つだけに着目して区分を決定し、それを複数の圧延条件に対して機械的に組み合わせて区分を作成する。このため、殆どデータが存在しない区分が発生して、精度が劣化するという問題がある。また区分が細分化しやすくなるため、精度が劣化した場合のメンテナンス負荷が高くなるという実用上の問題もある。
特開2004−110300号公報 特開平9−29316号公報
坂本慶行ら著「情報量統計学」共立出版株式会社(1983年)、43ページ
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、過去に製造された製品の品質情報を製造順番に並べた時系列品質データより指数平滑法にて品質予測を行う手法において、十分な精度を有し、かつメンテナンス負荷が軽減された、新規かつ改良された品質予測装置、品質予測方法、プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、製造プロセスにおける品質予測装置であって、複数の製品に関する操業データおよび品質データを記憶するデータベースから、所定の選択条件に該当する操業データおよび品質データを抽出するデータ抽出部と、抽出された操業データについて、操業データに含まれる変数が値としてとる領域を全体領域として、当該全体領域を複数の局所領域に分割する分割パターン候補を複数個作成する分割パターン候補作成部と、各分割パターン候補について、各局所領域での品質予測値が全体領域内の予測値に寄与する割合である寄与率を表す活性度関数を算出する活性度関数算出部と、各分割パターン候補について、各局所領域に対する、過去の品質データと過去の品質予測値とから現在の品質予測値を計算するための指数平滑法に基づき設定された指数平滑関数と、活性度関数とに基づいて、全体領域における品質予測値を算出する関係式を導出し、該関係式と過去の品質データと過去の品質予測値とに基づいて全体領域における品質予測値を算出し、当該全体領域における品質予測値と品質データとの差である予測誤差が最小となる分割パターンを選択する最小誤差分割パターン選択部と、最小誤差分割パターン選択部により選択された分割パターンの品質予測値と、予め設定された評価基準値との比較結果に基づいて、予測誤差の収束が十分であるか否かを判定する学習誤差評価部と、学習誤差評価部にて収束が十分であると判定された分割パターンの関係式を用いて、品質予測値を出力する品質予測値出力部と、指数平滑関数において、現在の品質予測値に対する過去の品質予測の影響の強さを決定する指数平滑係数を算出する指数平滑係数算出部と、を備えることを特徴とする、品質予測装置が提供される。
本発明によれば、全体領域から分割パターン候補を作成し、各分割パターン候補について、各局所領域に対する、過去の品質データと過去の品質予測値とから現在の品質予測値を計算する定数モデルである指数平滑関数と、活性度関数とに基づいて、全体領域における品質予測値を算出する関係式を導出する。そして、導出された関係式と過去の品質データと過去の品質予測値とに基づいて、品質予測の誤差が最小となる分割パターンを選択する。そして、選択された分割パターンについて十分な精度でデータを説明できるモデルとなっているか否かを判定し、当該モデルが構築されると当該分割パターンの関係式を用いて品質予測値を出力する。これにより、ほとんどデータの存在しない局所領域の発生を防止することができ、適切な最小の分割数で、十分な精度でデータを説明できるモデルを自動的に探索して獲得することができる。また、必要以上に領域が細分化されないため、精度が劣化したときのメンテナンス負荷を低減することができる。
指数平滑係数算出部は、複数の指数平滑係数について指数平滑計算を行い、当該計算結果から算出された予測誤差の最も小さい指数平滑係数を選択することもできる。
あるいは、学習誤差評価部により予測誤差の収束が十分であると判定される複数の分割パターンから一の分割パターンを選択する分割指数平滑モデル決定部をさらに備え、指数平滑係数算出部は、複数の指数平滑係数を設定し、各指数平滑係数について、分割パターン候補作成部により分割パターン候補を作成して、活性度関数算出部、最小誤差分割パターン選択部および学習誤差評価部により、予測誤差の収束が十分である分割パターンをそれぞれ決定し、分割指数平滑モデル決定部は、各指数平滑係数についてそれぞれ決定された分割パターンのうち、分割数が最も少ない分割パターンを選択するようにしてもよい。
また、分割パターン候補作成部は、操業変数からなる操業変数空間を分割する数値分割作成部と、コード変数からなるグループを分割するコード分割作成部と、を備え、数値分割作成部により作成された分割パターン候補およびコード分割作成部により作成された分割パターン候補を、全体領域の分割パターン候補とすることもできる。
活性度関数は、局所領域の重心に中心を持つ正規分布関数と、コード分割情報から算出される二値関数とを組み合わせて構成される関数とすることができる。また、コード分割作成部は、探索法を用いてコード変数からなるグループを分割するようにしてもよい。
あるいは、分割パターン候補作成部は、最適化手法を用いて、操業変数とコード変数とからなる分割パターン候補を一括して生成することもできる。
また、製造プロセスは、鉄鋼プロセスであって、このとき、品質データは、製品の表面疵、機械強度特性値、形状の平坦度、製品サイズ、内部応力、又はこれら品質に影響を及ぼすプロセス値とすることができる。
製造プロセスは、鉄鋼製品である薄鋼板の熱間圧延プロセスであり、品質予測装置による予測対象となる品質を、熱延ランアウトテーブル出側での捲き取り温度としたとき、製造プロセスの操業変数は、被圧延材が精錬工程を終了した時点での溶鋼内のC量、Si量、Mn量、P量、S量、Cu量、Ni量、Cr量、Mo量、Nb量、V量、Ti量、B量、Al量、N量、O量、Ca量、被圧延材の目標板幅、目標板厚、等価炭素量、仕上げ圧延出側目標温度、捲き取り目標温度、圧延速度、冷却水水量密度、冷却水温、及び材質コードから少なくとも一つ以上選択するようにしてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、製造プロセスにおける品質予測方法であって、複数の製品に関する操業データおよび品質データを記憶するデータベースから、所定の選択条件に該当する操業データおよび品質データを抽出するステップと、抽出された操業データについて、操業データに含まれる変数が値としてとる領域を全体領域として、当該全体領域を複数の局所領域に分割して分割パターン候補を複数個作成するステップと、各分割パターン候補について、各局所領域での品質予測値が全体領域内の予測値に寄与する割合である寄与率を表す活性度関数を算出するステップと、各分割パターン候補について、品質予測値の時系列データから各局所領域に対する現在の品質予測値を算出するための指数平滑関数の、現在の品質予測値に対する過去の品質予測の影響の強さを決定する指数平滑係数を、各局所領域に対応する品質データに基づいて算出するステップと、各分割パターン候補について、各局所領域に対する、指数平滑係数が設定された指数平滑関数と、活性度関数とに基づいて、全体領域における品質予測値を算出する関係式を導出し、該関係式と過去の品質データと過去の品質予測値とに基づいて全体領域における品質予測値を算出し、当該全体領域における品質予測値と品質データとの差である予測誤差が最小となる分割パターンを選択するステップと、選択された分割パターンの品質予測値と、予め設定された評価基準値との比較結果に基づいて、予測誤差の収束が十分であるか否かを判定するステップと、予測誤差の収束が十分であるか否かを判定するステップにより収束が十分であると判定された分割パターンの関係式を用いて、品質予測値を出力するステップと、を含むことを特徴とする、品質予測方法が提供される。
さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、製造プロセスにおける品質予測方法であって、複数の製品に関する操業データおよび品質データを記憶するデータベースから、所定の選択条件に該当する操業データおよび品質データを抽出するステップと、品質予測値の時系列データから各局所領域に対する現在の品質予測値を算出するための指数平滑関数の、現在の品質予測値に対する過去の品質予測の影響の強さを決定する指数平滑係数を複数個設定するステップと、抽出された操業データについて、操業データに含まれる変数が値としてとる領域を全体領域として、当該全体領域を複数の局所領域に分割して分割パターン候補を複数個作成するステップと、各分割パターン候補について、各局所領域での品質予測値が全体領域内の予測値に寄与する割合である寄与率を表す活性度関数を算出するステップと、各分割パターン候補について、各局所領域に対する、指数平滑係数のうちの1つが設定された指数平滑関数と、前記活性度関数とに基づいて、全体領域における品質予測値を算出する関係式を導出し、該関係式と過去の品質データと過去の品質予測値とに基づいて全体領域における品質予測値を算出し、当該全体領域における品質予測値と品質データとの差である予測誤差が最小となる分割パターンを選択するステップと、選択された分割パターンの品質予測値と、予め設定された評価基準値との比較結果に基づいて、予測誤差の収束が十分であるか否かを判定するステップと、各指数平滑関数について、予測誤差の収束が十分であるか否かを判定するステップにより収束が十分であると判定された分割パターンから、分割数が最も少ない分割パターンを選択するステップと、分割数が最も少ない分割パターンの関係式を用いて、品質予測値を出力するステップと、を含むことを特徴とする、品質予測方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに上記の品質予測装置として機能させるためのプログラムが提供される。かかるプログラムは、コンピュータが備える記憶装置に格納され、コンピュータが備えるCPUに読み込まれて実行されることにより、そのコンピュータを上記の品質予測装置として機能させる。また、当該プログラムが記録された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供される。記録媒体は、例えば磁気ディスクや光ディスクなどである。
以上説明したように本発明によれば、過去に製造された製品の品質情報を製造順番に並べた時系列品質データより指数平滑法にて品質予測を行う手法において、十分な精度を有し、かつメンテナンス負荷が軽減された品質予測装置、品質予測方法、プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる品質予測装置の機能構成を示すブロック図である。 同実施形態にかかる品質予測装置による品質予測処理を示すフローチャートである。 同実施形態にかかる分割パターン候補作成部による分割パターン候補の作成処理を示す説明図である。 二次元の操業変数空間において、分割パターン候補を作成する手順を模式的に示す説明図である。 3分割された二次元の操業変数空間において、分割パターン候補を作成する手順を模式的に示す説明図である。 本発明の第2の実施形態にかかる品質予測装置による品質予測方法を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態にかかる品質予測装置の機能構成を示すブロック図である。 同実施形態にかかる分割パターン候補作成部による分割パターン候補の作成処理を示す説明図である。 コード変数の分割パターン候補の作成処理を示すフローチャートである。 コード変数の分割パターン候補の作成処理におけるコード入れ替え処理を示す説明図である。 本発明の実施形態にかかる品質予測装置のハードウェア構成の一構成例を示すブロック図である。 薄鋼板の熱間圧延プロセスの概略を示す説明図である。 操業変数およびコード変数を用いて分割パターンを作成した場合の、分割数と予測誤差との関係を示すグラフである。 従来法を適用した場合の予測結果の誤差のヒストグラムを示す。 本発明の実施形態にかかる品質予測装置を適用した場合であって、コード変数を用いずに分割パターンを作成した場合の予測結果の誤差のヒストグラムを示す。 本発明の実施形態にかかる品質予測装置を適用した場合であって、コード変数を用いて分割パターンを作成した場合の予測結果の誤差のヒストグラムを示す。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.第1の実施形態>
[品質予測装置の構成]
まず、図1に基づいて、本発明の第1の実施形態にかかる品質予測装置の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態にかかる品質予測装置100の機能構成を示すブロック図である。
本実施形態にかかる製造プロセスにおける品質予測装置100は、品質予測を行う対象の品質を予測する装置である。品質予測装置100により予測する品質としては、例えば鉄鋼プロセスの場合では、薄板や厚板などの各種製品の、表面疵や内部欠陥の発生個数、抗張力や降伏応力、伸び率などの機械強度特性値、波高さなどの形状平坦度、板厚・板幅・板長さなどの製品サイズ、内部応力など、直接顧客から要求される最終製品の各種品質指標がある。また、これら最終品質に影響を及ぼすプロセス値も予測する品質となる。
このような品質予測装置100は、図1に示すように、データ抽出部110と、分割パターン候補作成部120と、活性度関数算出部130と、最小誤差分割パターン選択部140と、指数平滑係数算出部150と、学習誤差評価部160、分割指数平滑モデル決定部170と、品質予測値出力部180と、データベース190と、からなる。
データ抽出部110は、製品の種類を示すコード情報など外部より入力された品質予測を行う対象に関する選択条件に基づいて、データベース190より、所定の選択条件に該当する複数の操業データ及び品質データを抽出する。ここで、操業データは、取り得る値が数値である操業変数と、取り得る値が文字コード情報であるコード変数とからなる。本実施形態では、操業データのうち操業変数のみを用いて分割パターンを作成する。操業変数は、例えば鉄鋼プロセスでは、精錬工程で測定された溶鋼の各種元素の成分量や、連続鋳造工程における湯面変動量や鋳造速度、更には熱延工程での圧延荷重や捲き取り温度等である。データ抽出部110は、データベース190から抽出したデータを分割パターン候補作成部120へ出力する。
分割パターン候補作成部120は、取り得る値が数値である操業変数を全体領域として、全体領域から複数M個の局所領域に分割した分割パターン候補を複数個作成する処理を行う。分割パターン候補作成部120は、作成された複数の分割パターン候補について、操業変数空間を複数の局所領域に分けた分割パターンの分割座標情報を活性度関数算出部130へ出力する。なお、分割パターン候補作成部120は、各分割パターンの局所領域についての予測値を算出する際に用いる指数平滑係数が指数平滑係数算出部150によって設定される前に分割パターン候補の作成をしてもよく(第1の実施形態)、指数平滑係数が設定された後に分割パターン候補の作成をしてもよい(後述する第2の実施形態)。
活性度関数算出部130は、分割パターン候補作成部120にて作成された分割パターン候補すべてに対して、分割座標情報に基づき、活性度関数を算出する。活性度関数は、操業データと品質データとの関係を表す関係式を表すために用いられる。
最小誤差分割パターン選択部140は、分割パターン候補について、各局所領域における品質予測値を算出し、品質予測値に基づく予測誤差を計算して、さらに最も誤差の小さい分割パターンを選択する。本実施形態の最小誤差分割パターン選択部140は、過去の品質データと過去の品質予測値とから現在の品質予測値を計算する定数モデルとして、指数平滑法による指数平滑関数を用い、品質予測値を算出する。指数平滑法は、段落0006に記載したように、蓄積された時系列データを解析して、現在の状態を予測する方法である。本実施形態では、各分割パターンに対して指数平滑法を用いて品質予測値を算出することにより、適切に分割された分割パターンを選択することができる。
最小誤差分割パターン選択部140が、指数平滑法を用いて各局所領域の予測値を算出するときに、過去のデータの重み付けを行う指数平滑係数は、指数平滑係数算出部150により算出される。指数平滑係数算出部150は、例えば、指数平滑係数の取り得る0〜1の範囲の値から複数の値を設定し、設定した値について指数平滑計算のシミュレーションを行い、シミュレーション結果から最も予測誤差の小さい値を指数平滑係数として採用することにより指数平滑係数を決定することができる。
指数平滑計算のシミュレーションとは、品質の時系列データ[y1,y2,・・・,yN]と、それに対応する操業データ[x1,x2,・・・,xN]を用いて、例えば以下のような手順で品質予測値を計算することをいう。なお、操業データxiには、操業変数uおよびコード変数vが含まれるものとする。
まず、精度を評価したい分割パターンについて、M個の活性度関数を算出し、更に各局所領域について、定数モデルの初期値y^(yハット)を計算しておく。初期値としては、その局所領域に属する品質データの単純平均値を用いる方法等がある。次に、指数平滑係数の値を0〜1の範囲で、複数個設定しておく。
次いで、0〜1の範囲で、複数個設定された指数平滑係数から一つを取り出し、以下(A)〜(F)の処理を行い、シミュレーションによる評価を開始する。
(A)最初の時系列データx1で活性度関数から寄与率を計算し、後述する数式(2)を用いて品質予測値y^1を計算する。
(B)品質データy1および品質予測値y^1、更に操業データx1より算出された寄与率を用いて、後述する数式(7)により定数モデルを更新する。
(C)2番目の時系列データx2について、寄与率および品質予測値y^2を計算する。
(D)品質データy2と品質予測値y^2、操業x2より算出された寄与率を用い定数モデルを更新する。
(E)これをデータNまで繰り返す。
(F)N個の品質予測値と品質データより、予測誤差を計算する。
(G)準備段階にて設定された別の指数平滑係数について、上記(A)〜(F)の処理を行う。
(H)全ての指数平滑係数について、上記(A)〜(G)を行う。
あるいは、指数平滑係数算出部150は、例えば、特許文献1に記載された理論的な方法を用いて指数平滑係数を決定することもできる。最小誤差分割パターン選択部140は、指数平滑係数算出部150により算出された指数平滑係数を用いて各局所領域の予測値を算出すると、予測誤差を算出し、最も誤差の小さい分割パターンを選択する。
学習誤差評価部160は、最小誤差分割パターン選択部140により選択された分割パターンの予測誤差と予め設定された評価基準値とを比較して、十分な精度を有する関係式が構築されたか否かを判定する。本実施形態のように指数平滑係数が分割パターン候補を作成した後に設定される場合、学習誤差評価部160は、収束したと判定した場合には、得られた分割パターンを表現するための情報である活性度関数の係数を抽出し、品質予測値出力部180へ出力する。一方、収束が不十分であると判定した場合、学習誤差評価部160は、分割パターン候補作成部120に対して、最小誤差分割パターン選択部140において選択された分割パターンをさらに分割して新たな分割パターン候補を作成する指示を行う。
あるいは、後述する第2の実施形態にかかる品質予測方法を用いる場合には、指数平滑係数は分割パターン候補を作成する前に設定される。かかる場合には、学習誤差評価部160は、収束したと判定した場合には、現在設定されている指数平滑係数について得られた分割パターンを表現するための情報である活性度関数の係数を抽出し、分割指数平滑モデル決定部170へ出力する。一方、収束が不十分であると判定した場合には、段落0035に記載した本実施形態の処理と同様に、学習誤差評価部160は、分割パターン候補作成部120に対して、最小誤差分割パターン選択部140において選択された分割パターンをさらに分割して新たな分割パターン候補を作成する指示を行う。
分割指数平滑モデル決定部170は、後述する第2の実施形態にかかる品質予測方法を用いる場合に、指数平滑係数に対して得られた分割パターンから最も分割数の少ない指数平滑係数のモデルを選択し、決定する。すなわち、分割指数平滑モデル決定部170は、最も少ない分割数で十分な精度でデータを説明できる関係式で表わされる分割パターンを選択する。分割指数平滑モデル決定部170は、決定した分割パターンを表現するための情報である活性度関数の係数を抽出して、品質予測値出力部180へ出力する。
品質予測値出力部180は、学習誤差評価部160または分割指数平滑モデル決定部170から入力された分割パターンの情報と、別途、逐次入力される操業データと予測時点で判明している最新の品質データとに基づいて、操業データと品質データとの関係式より品質予測値を算出する。そして、品質予測値出力部180は、品質予測値を、オペレータへのガイダンスや、プロセス制御系への入力信号として用いるために外部に出力する。
データベース190は、製造プロセスにおける過去の操業データ及び品質データと、製品の種類を示すコード情報や、各製造工程での製造時刻、向け先などの注文情報、製品を特定するための製品番号などとを関連付けて記憶する記憶部である。これらの情報は、外部から所定のタイミングでデータベース190に入力され、記録される。データベース190に記憶された情報は、段落0030に記載のように、データベース抽出部110により抽出され、品質予測に用いられる。
[品質予測装置による品質予測処理]
次に、図2〜図5に基づいて、本実施形態にかかる品質予測装置100による品質予測処理について詳細に説明する。なお、図2は、本実施形態にかかる品質予測装置100による品質予測処理を示すフローチャートである。図3は、分割パターン候補作成部120による分割パターン候補の作成処理を示す説明図である。図4は、二次元の操業変数空間において、分割パターン候補を作成する手順を模式的に示す説明図である。図5は、3分割された二次元の操業変数空間において、分割パターン候補を作成する手順を模式的に示す説明図である。
今、品質の程度を数値で表す品質指標を変数yで表すとする。また、この製品を製造した際の操業条件の内、値が数値を取り得る操業変数を下記数式(1)からなる列ベクトルで表すとする。なお、数式(1)のtは行列の転置を表す。また、本実施形態で品質予測に用いる予測データは、各品質データに対して、製造された順番を識別するための情報、例えば製造時刻等が付されている。
Figure 2011085970
・・・数式(1)
本実施形態では、操業データの操業変数からなる全体領域を複数の局所領域に分割し、各局所領域にて品質予測値を算出する処理を行う。そして、この局所領域の予測値と、局所領域の予測値が全体領域内の予測値に寄与する割合を表す活性度関数Φiとの積の和である下記数式(2)によって、全体の操業データと品質データとの関係式yを表す。ここで、Σは項の和、Mは局所領域の個数を表す。
Figure 2011085970
・・・数式(2)
本実施形態において局所領域での予測値は、指数平滑法を用いて、定数モデルとして表わされる。このような定数モデルを用いた場合、例えば予測値を線形多項式で表した場合と比較して、十分な精度を有する所望の分割パターンを獲得するまでの収束性は劣るが、確実に所望のモデルを獲得することができる。また、定数モデルを用いた場合、従来は、所望の分割パターンを獲得するまでに多くの領域分割を行う必要があったが、本実施形態にかかる品質予測装置を用いることにより、少ない分割数で所望のモデルを獲得することができるようになる。なお、活性度関数は、全体空間の任意の位置で各関数値の総和が1となる数式(3)の正規条件を満たすように予め設定しておく。
Figure 2011085970
・・・数式(3)
本実施形態にかかる品質予測装置100による品質予測処理では、まず、データ抽出部110によりデータベース190から品質予測を行う対象に関する操業データおよび品質データを抽出する(ステップS100)。データ抽出部110は、製品の種類を示すコード情報など外部より入力された品質予測を行う対象に関する選択条件に基づいて、データベース190より、所定の選択条件に該当する複数の操業データ及び品質データを抽出する。データ抽出部110は、抽出した操業データおよび品質データを分割パターン候補作成部120へ出力する。
次いで、分割パターン候補作成部120は、操業データの操業変数が値としてとる領域を全体領域として、全体領域を複数の局所領域に分割して分割パターン候補を作成する(ステップS102)。すなわち、分割パターン候補作成部120は、まず、図3に示すように、分割されていない二次元の操業変数空間について当該空間を2つの局所領域(M=2)に分割する処理を行う。ここで、操業変数空間の分割は、各操業変数に平行な軸で、分割点が設定される。つまり、図4に示すように、二次元の操業変数空間は2つの操業変数u1、u2からなる。したがって、領域1−1に対して、操業変数u1軸に平行な分割と、操業変数u2軸に平行な分割とが行われる。このように、領域1−1が2つの局所領域2−1、2−2に分割される。分割パターン候補作成部120は、分割点の設定を変えて、図3に示すように複数の分割パターン候補を作成する。
また、分割パターン候補作成部120は、操業変数空間が既に幾つかの局所領域に分割されている場合は、活性度関数による重み付き誤差評価関数である下記数式(4)で各局所関係式の誤差を算出し、この中で最も誤差の大きな局所領域を2つに分割する。一例として、図5に、既に3分割された操業変数空間を4分割(M=4)する手順を示す。図5に示すように、最も誤差の大きい領域が領域3−2であるとすると、操業変数u1またはu2軸に平行な軸で領域3−2を2分するように分割点が設定される。このとき、残りの領域3−1および3−3は分割されない。
Figure 2011085970
・・・数式(4)
Figure 2011085970
図3において、操業変数空間を2分割したとき、最も誤差の大きい領域が領域2−1であったとすると、操業変数u1またはu2軸に平行な軸で領域2−1を2分するように分割点が設定される。このように、操業変数については、現在の分割パターンから新たな複数の分割パターン候補が生成される。
操業変数の分割パターン候補を作成するに際して必要となる分割候補点の値は、例えば一つの操業変数のデータを抽出して、このデータを複数のグループに分割し、各グループの境界となる操業変数の値を求めて、これを全ての操業変数について算出し、分割候補点に使用する方法がある。具体的には、例えばクラスタリング法を用いて操業変数データを複数のグループに分割し、各グループに含まれる操業変数の値の最小値及び最大値を算出する。そして、隣接するグループのうち、操業変数の値が小さい方のグループの最大値と、操業変数の値が大きい方のグループの最小値との平均値を分割点の値とする。或いは、操業変数のデータ値に対して、操業オペレータや担当者が、同一の操業水準とみなすことができるグループの範囲を設定できる場合は、人手で設定した分割候補点を用いても良い。
ステップS102にて分割パターン候補が作成されると、すべての分割パターン候補に対して活性度関数が算出される(ステップS104)。具体的な活性度関数として、本実施形態では、隣接する局所領域の境界を滑らかに接続する関数として、下記数式(5)に示すp次元の正規分布関数μを下記数式(6)に代入して得られる正規メンバシップ関数を活性度関数とする。ここで、c は局所領域の重心点、σ は正規分布関数の標準偏差を表しており、これらの重心点と正規分布関数の標準偏差とが正規メンバシップ関数における係数である。数式(6)の正規メンバシップ関数は、操業変数の値に応じた0〜1の範囲の値を有する。
Figure 2011085970
・・・数式(5)
Figure 2011085970
・・・数式(6)
(i=1,・・・,M)、(j=1,・・・,M)
その後、最小誤差分割パターン選択部140により、分割パターン候補から最も予測誤差の小さい分割パターンが選択される(ステップS106)。最小誤差分割パターン選択部140は、まず、分割パターン候補作成部120により作成された複数の分割パターン候補から分割パターン候補を1つ取り出し、その分割パターンの分割座標情報を用いて、個々のデータをその操業データの値に基づいてM個のグループに分割する。次いで、最小誤差分割パターン選択部140は、分割されたM個の各グループに対して、各局所領域の予測値を、下記数式(7)で表わされる指数平滑関数により算出する。
予測値[i]=予測値[i-1]+指数平滑係数×活性度関数×(実績値[i-1]−予測値[i-1])
・・・数式(7)
ここで、[i]は現在ステップの値であり、[i−1]は前回予測時の値である。このように、指数平滑関数は、前回予測時の予測値を、前回予測時の誤差に所定の重み付けをした補正値で補正して、現在ステップの予測値を算出するものである。指数平滑法を用いることにより、蓄積された時系列データを解析して現在ステップの品質予測を簡便に行うことができる。本実施形態では、活性度関数を用いて各局所領域の定数モデルの値を合成して予測を行っているため、定数モデルを指数平滑法により更新するときにも活性度関数に応じて更新する。数式(7)では、活性度関数の大きな局所領域の定数モデル(=予測値)は、誤差に応じて大きく修正されることになる。数式(7)の指数平滑係数は、指数平滑係数算出部150により算出される。指数平滑係数算出部150による指数平滑係数の算出方法としては、段落0034に記載の方法を用いることができる。
そして、最小誤差分割パターン選択部140は、数式(7)により算出した各局所領域の予測値を用いて、操業データと品質データとの関係式である数式(2)により全体の予測値を算出する。その後、最小誤差分割パターン選択部140は、下記数式(8)に示す誤差評価式により数式(2)で算出された全体の予測値と品質データとの誤差である予測誤差を算出する。かかる数式(8)で示す予測誤差の算出は、すべての分割パターンに対して行われる。
Figure 2011085970
・・・数式(8)
Figure 2011085970
最小誤差分割パターン選択部140は、各分割パターンに対して算出された予測誤差を比較して、誤差が最も小さい分割パターンを選択する。これにより、分割パターン候補作成部120により作成された複数の分割パターン候補から、数式(8)で定義される誤差の最も小さい関係式の分割パターンが選択されたことになる。
次いで、学習誤差評価部160は、最小誤差分割パターン選択部140で選択された誤差最小の関係式の誤差と、予め設定された評価基準値とを比較して、学習が十分であるか、すなわち誤差が収束したか否かを判定する(ステップS108)。収束判定の方法としては、例えば、関係式の誤差を収束判定因子(評価基準値)と比較する方法、局所領域分割の増分に対する関係式誤差の変化量を収束判定因子(評価基準値)と比較する方法、分割数と誤差を考慮した指標、例えば非特許文献1に記載された赤池の情報量指標など学習誤差のみならず局所領域の個数も評価に加えた指標を用い、分割の増加に対して該指標が増加した時点で分割を打ち切る方法などが用いられる。
学習誤差評価部160は、このような収束判定の方法を用いて誤差を評価し、該誤差が評価基準値より大きい場合には、十分な精度でデータを説明できる関係式はまだ構築されておらず、誤差の収束は不十分であると判定する。この場合、学習誤差評価部160は、分割パターン候補作成部120に対して、分割パターンの分割数Mを1つ増やして、ステップS102の処理を行うように指示する(ステップS110)。そして、ステップS108にて十分な精度でデータを説明できる関係式が構築されたと判定されるまで、ステップS102〜S110の処理を繰り返す。
一方、ステップS108にて、誤差が評価基準値以下であれば、学習誤差評価部160は、十分な精度でデータを説明できる関係式が構築されたと判定し、得られた関係式を表現するための情報である活性度関数の係数を抽出して、品質予測値出力部180へ出力する。品質予測値出力部180は、入力された関係式の情報と、逐次入力される操業データと、予測時点で判明している最新の品質情報とを用いて、数式(2)より品質予測値を算出し、外部へ出力する(ステップS112)。品質予測値出力部180により算出された品質予測値は、例えば、品質予測オペレータへのガイダンスや、プロセス制御系への入力信号として用いることができる。
以上、本発明の第1の実施形態にかかる品質予測装置100とこれによる品質予測方法について説明した。本実施形態によれば、複数の操業変数からなる全体領域から分割パターン候補を作成し、各分割パターンの活性度関数と、指数平滑法を用いて算出された各分割パターンの複数の局所領域に対する予測値とに基づいて、品質予測の誤差が最小となる関係式の分割パターンを選択する。そして、選択された分割パターンについて十分な精度でデータを説明できるモデルとなっているか否かを判定し、当該モデルが構築されるまで分割パターンの分割数を増加させていく。これにより、ほとんどデータの存在しない局所領域の発生を防止することができ、適切な最小の分割数で、十分な精度でデータを説明できるモデルを自動的に探索して獲得することができる。また、必要以上に領域が細分化されないため、精度が劣化したときのメンテナンス負荷を低減することができる。
<2.第2の実施形態>
次に、図6に基づいて、本発明の第2の実施形態にかかる品質予測装置による品質予測方法について説明する。なお、図6は、本実施形態にかかる品質予測装置による品質予測方法を示すフローチャートである。本実施形態にかかる品質予測装置は、図1に示す第1の実施形態の品質予測装置100と同様に構成することができる。このため、以下における本実施形態の品質予測装置の説明においても、図1と同一の符号を用いて説明する。本実施形態の品質予測装置100による品質予測方法は、最初に指数平滑係数を設定する点で第1の実施形態の方法と相違する。以下では、本実施形態にかかる品質予測装置100による品質予測方法について、第1の実施形態と異なる処理について重点的に説明していく。
本実施形態にかかる品質予測装置100による品質予測処理では、まず、データ抽出部110によりデータベース190から品質予測を行う対象に関する操業データおよび品質データを抽出する(ステップS200)。データ抽出部110は、品質予測を行う対象に関する選択条件に基づいて、データベース190より、所定の選択条件に該当する複数の操業データ及び品質データを抽出する。データ抽出部110は、抽出した操業データおよび品質データを分割パターン候補作成部120へ出力する。
次いで、指数平滑係数算出部150により、指数平滑係数が設定される(ステップS202)。指数平滑係数算出部150は、例えば、0〜1の範囲の値を取り得る指数平滑係数に対し、例えば、0.1、0.2、・・・、0.9のように複数種類の値を設定する。そして、指数平滑係数算出部150は、設定した複数の値から1つを抽出し、分割パターン候補作成部120へ出力する。
指数平滑係数が設定されると、設定されたすべての値について、ステップS204〜S212の処理が繰り返し行われる。まず、分割パターン候補作成部120は、操業データの操業変数が値としてとる領域を全体領域として、全体領域を複数の局所領域に分割して分割パターン候補を作成する(ステップS204)。ステップS204の処理は、第1の実施形態のステップS102の処理と同様に行うことができる。ステップS204にて分割パターン候補が作成されると、すべての分割パターン候補に対して活性度関数が算出される(ステップS206)。ステップS206の処理も、第1の実施形態のステップS104の処理と同様に行うことができる。活性度関数算出部130は、数式(5)を数式(6)に代入して得られる正規メンバシップ関数を活性度関数とする。
そして、最小誤差分割パターン選択部140により、分割パターン候補から最も予測誤差の小さい分割パターンが選択される(ステップS208)。最小誤差分割パターン選択部140は、ステップS202にて設定された指数平滑係数を各局所領域に適用して、指数平滑法による品質予測値を算出し、算出された品質予測値に基づく予測誤差を算出する。そして、最小誤差分割パターン選択部140は、算出した予測誤差のうち最も小さい予測誤差を有する分割パターンを選択する。
最小誤差分割パターン選択部140は、まず、分割パターン候補作成部120により作成された複数の分割パターン候補から分割パターン候補を1つ取り出し、その分割パターンの分割座標情報を用いて、個々のデータをその操業データの値に基づいてM個のグループに分割する。次いで、最小誤差分割パターン選択部140は、分割されたM個の各グループに対して、各局所領域の予測値を、上記数式(7)で表わされる指数平滑関数により算出する。ここで、数式(7)の指数平滑係数は、ステップS202により設定された値のうち、現在設定されている一の値が用いられる。
そして、最小誤差分割パターン選択部140は、数式(7)により算出した各局所領域の予測値を用いて、操業データと品質データとの関係式である数式(2)により全体の予測値を算出する。その後、最小誤差分割パターン選択部140は、上記数式(8)に示す誤差評価式により予測誤差を算出する。かかる数式(8)で示す予測誤差の算出は、すべての分割パターンに対して行われる。
最小誤差分割パターン選択部140は、各分割パターンに対して算出された予測誤差を比較して、誤差が最も小さい分割パターンの関係式を選択する。これにより、分割パターン候補作成部120により作成された複数の分割パターン候補から、数式(8)で定義される誤差の最も小さい分割パターンの関係式が選択されたことになる。
次いで、学習誤差評価部160は、最小誤差分割パターン選択部140で選択された誤差最小の関係式の誤差と、予め設定された評価基準値とを比較して、学習が十分であるか、すなわち誤差が収束したか否かを判定する(ステップS210)。ステップS210の処理は、第1の実施形態のステップS108の処理と同様に行うことができる。学習誤差評価部160は、誤差が評価基準値より大きい場合には、十分な精度でデータを説明できる関係式はまだ構築されておらず、誤差の収束は不十分であると判定する。この場合、学習誤差評価部160は、分割パターン候補作成部120に対して、分割パターンの分割数Mを1つ増やして、ステップS204の処理を行うように指示する(ステップS212)。そして、ステップS210にて十分な精度でデータを説明できる関係式が構築されたと判定されるまで、ステップS204〜S212の処理を繰り返す。
一方、ステップS210にて、誤差が評価基準値以下であれば、学習誤差評価部160は、十分な精度でデータを説明できる関係式が構築されたと判定し、ステップS202で設定された指数平滑係数のすべてについて上記ステップS204〜S212の処理が行われたか否かを判定する(ステップS214)。ステップS214にて、すべての指数平滑係数について上記処理が完了していないと判定された場合には、指数平滑係数算出部150は、まだ処理が行われていない指数平滑係数を1つ抽出して、次の指数平滑係数を設定する(ステップS216)。その後、ステップS204〜S216の処理を繰り返す。
ステップS214にて、すべての指数平滑係数について上記処理が完了したと判定された場合には、分割指数平滑モデル決定部170により、最も分割数の少ない最小分割数モデルを選択する(ステップS218)。上記ステップS204〜S216の処理により、指数平滑係数算出部150により設定された複数の指数平滑係数に対して、それぞれ分割パターンが決定されている。分割指数平滑モデル決定部170は、選択された複数の分割パターンのうち、最も分割数の少ない指数平滑関数のモデルを選択する。最小分割数モデルが複数存在する場合には、これらの予測誤差を比較して、最も誤差の小さいモデルを選択すればよい。これにより、分割数の少ない、十分な精度でデータを説明できるモデルを提供することができる。
その後、分割指数平滑モデル170は、得られた関係式を表現するための情報である活性度関数の係数を抽出して、品質予測値出力部180へ出力する。品質予測値出力部180は、入力された関係式の情報と、別途入力される操業データとを用いて、数式(2)より品質予測値を算出し、外部へ出力する(ステップS220)。品質予測値出力部180により算出された品質予測値は、第1の実施形態と同様に、例えば、品質予測オペレータへのガイダンスや、プロセス制御系への入力信号として用いることができる。
以上、本発明の第2の実施形態にかかる品質予測装置100とこれによる品質予測方法について説明した。本実施形態によれば、まず、分割パターンの複数の局所領域の予測値を算出する際に用いる複数の指数平滑係数を設定する。その後、各指数平滑係数をそれぞれ設定した場合について、複数の分割パターンを作成し、各分割パターンの活性度関数と、設定された指数平滑係数の指数平滑関数を用いて算出された各分割パターンの複数の局所領域に対する予測値とに基づいて、品質予測の誤差が最小となる分割パターンを選択する。そして、各指数平滑係数についてそれぞれ分割パターンが選択されると、これらの中から最も分割数の少ない分割パターンに対応する指数平滑係数を選択する。これにより、ほとんどデータの存在しない局所領域の発生を防止することができ、適切な最小の分割数で、十分な精度でデータを説明できるモデルを自動的に探索して獲得することができる。また、必要以上に領域が細分化されないため、精度が劣化したときのメンテナンス負荷を低減することができる。
<3.第3の実施形態>
次に、図7〜図10に基づいて、本発明の第3の実施形態にかかる品質予測装置200とこれによる品質予測方法について説明する。本実施形態にかかる品質予測装置は、品質予測に用いる操業データについて、数値情報からなる操業変数に加えて文字コード情報であるコード変数も用いる点で、第1および第2の実施形態にかかる品質予測装置100と相違する。これにより、より少ない分割数で十分な精度でデータを説明できるモデルを作成することが可能となる。以下では、本実施形態にかかる品質予測装置200とこれによる品質予測方法について、第1及び第2の実施形態と異なる処理部、処理を重点的に説明していく。なお、図7は、本実施形態にかかる品質予測装置200の機能構成を示すブロック図である。図8は、分割パターン候補作成部220による分割パターン候補の作成処理を示す説明図である。図9は、コード変数の分割パターン候補の作成処理を示すフローチャートである。図10は、コード変数の分割パターン候補の作成処理におけるコード入れ替え処理を示す説明図である。
[品質予測装置の構成]
本実施形態にかかる製造プロセスにおける品質予測装置200は、図7に示すように、データ抽出部210と、分割パターン候補作成部220と、活性度関数算出部230と、最小誤差分割パターン選択部240と、指数平滑係数算出部250と、学習誤差評価部260と、分割指数平滑モデル決定部270と、品質予測値出力部280と、データベース290と、からなる。ここで、データ抽出部210、活性度関数算出部230、最小誤差分割パターン選択部240、指数平滑係数算出部250、学習誤差評価部260、分割指数平滑モデル決定部270、品質予測値出力部280、およびデータベース290については、図1により説明した上記実施形態のデータ抽出部110、活性度関数算出部130、最小誤差分割パターン選択部140、指数平滑係数算出部150、学習誤差評価部160、分割指数平滑モデル決定部170、品質予測値出力部180、およびデータベース190とほぼ同様に機能する。本実施形態にかかる品質予測装置200では、操業データとして操業変数とコード変数とを用いるため、分割パターン候補作成部220による分割パターン候補の作成処理が、上記実施形態の分割パターン候補作成部120と相違する。
データ抽出部210は、製品の種類を示すコード情報など外部より入力された品質予測を行う対象に関する選択条件に基づいて、データベース290より、所定の選択条件に該当する複数の操業データ及び品質データを抽出する。段落0030に記載したように、操業データは、数値情報である操業変数と文字コード情報であるコード変数とからなる。本実施形態では、操業データの操業変数のみならず、コード変数も分割パターンの対象とする。コード変数は、例えば、製品記号や原料記号などの文字コード情報である。データ抽出部210は、データベース290から抽出したデータを分割パターン候補作成部220へ出力する。
分割パターン候補作成部220は、取り得る値が数値である操業変数、及び取り得る値が文字コード情報であるコード変数の両者からなる全体領域を、複数M個の局所領域に分割した分割パターン候補を複数個作成する処理を行う。すなわち、分割パターン候補作成部220は、データ抽出部210から入力された操業データに含まれる操業変数とコード変数とが混在する全体領域を分割して、複数の分割パターン候補を作成する。
本実施形態にかかる分割パターン候補作成部220は、全体領域のうち操業変数のみを分割対象として分割する数値分割作成部222と、全体領域のうちコード変数のみを分割対象として分割を行うコード分割作成部224から構成される。分割パターン候補作成部220は、数値分割作成部222により全体領域を構成する操業変数を分割して生成された複数の分割パターン候補と、コード分割作成部224により全体領域を構成するコード変数を分割して生成された複数の分割パターン候補と合わせて、全体領域の分割パターン候補とする。そして、分割パターン候補作成部220は、作成された複数の分割パターン候補を活性度関数算出部230へ出力する。
活性度関数算出部230は、分割パターン候補作成部220にて作成された分割パターン候補すべてに対して、操業変数の分割座標情報とコード変数のグループ分け結果とに基づき、活性度関数を算出する。活性度関数は、操業データと品質データとの関係を表す関係式を表すために用いられる。
最小誤差分割パターン選択部240は、分割パターン候補について、指数平滑法を用いて各局所領域における品質予測値を算出し、品質予測値に基づく予測誤差を計算して、さらに最も誤差の小さい分割パターンを選択する。最小誤差分割パターン選択部240が、指数平滑法を用いて各局所領域の予測値を算出するときに、過去のデータの重み付けを行う指数平滑係数は、指数平滑係数算出部250により算出される。指数平滑係数の算出は、例えば第1の実施形態にて説明した方法等を用いて行うことができる。最小誤差分割パターン選択部240は、指数平滑係数算出部250により算出された指数平滑係数を用いて各局所領域の予測値を算出すると、予測誤差を算出し、最も誤差の小さい分割パターンを選択する。
学習誤差評価部260は、最小誤差分割パターン選択部240により選択された分割パターンの予測誤差と予め設定された評価基準値とを比較して、十分な精度を有する関係式が構築されたか否かを判定する。本実施形態にかかる品質予測装置200においても、第1および第2の実施形態で示した2つの品質予測方法により品質予測を行うことができる。指数平滑係数が分割パターン候補を作成した後に設定される場合(後述する品質予測方法1の場合)、学習誤差評価部260は、収束したと判定した場合には、得られた分割パターンを表現するための情報である活性度関数の係数を抽出し、品質予測値出力部280へ出力する。一方、収束が不十分であると判定した場合、学習誤差評価部260は、分割パターン候補作成部220に対して、最小誤差分割パターン選択部240において選択された分割パターンをさらに分割して新たな分割パターン候補を作成する指示を行う。
あるいは、指数平滑係数が分割パターン候補を作成する前に設定される場合(後述する品質予測方法2の場合)には、学習誤差評価部260は、収束したと判定した場合には、現在設定されている指数平滑係数について得られた分割パターンを表現するための情報である活性度関数の係数を抽出し、分割指数平滑モデル決定部270へ出力する。一方、収束が不十分であると判定した場合には、学習誤差評価部260は、分割パターン候補作成部220に対して、最小誤差分割パターン選択部240において選択された分割パターンをさらに分割して新たな分割パターン候補を作成する指示を行う。
分割指数平滑モデル決定部270は、後述する品質予測方法2を用いる場合に、指数平滑係数に対して得られた分割パターンから最も分割数の少ない指数平滑係数のモデルを選択し、決定する。分割指数平滑モデル決定部270は、決定した分割パターンを表現するための情報である活性度関数の係数を抽出して、品質予測値出力部280へ出力する。
品質予測値出力部280は、学習誤差評価部260または分割指数平滑モデル決定部270から入力された分割パターンの情報と、別途、逐次入力される操業データと予測時点で判明している最新の品質データとに基づいて、操業データと品質データとの関係式より品質予測値を算出する。そして、品質予測値出力部280は、品質予測値を、オペレータへのガイダンスや、プロセス制御系への入力信号として用いるために外部に出力する。
データベース290は、製造プロセスにおける過去の操業データ及び品質データと、製品の種類を示すコード情報や、各製造工程での製造時刻、向け先などの注文情報、製品を特定するための製品番号などとを関連付けて記憶する記憶部である。これらの情報は、外部から所定のタイミングでデータベース290に入力され、記録される。データベース190に記憶された情報は、段落0080に記載したように、データベース抽出部210により抽出され、品質予測に用いられる。
[品質予測装置による品質予測処理]
次に、本実施形態にかかる品質予測装置200による品質予測処理について詳細に説明する。本実施形態による品質予測装置200では、図2に示した第1の実施形態における品質予測方法および図6に示した第2の実施形態における品質予測方法と同様に品質予測処理を行うことができる。以下、各場合の処理について説明する。なお、上記実施形態と同様の処理を行う部分については詳細な説明を省略する。
(品質予測方法1)
まず、図2に示す品質予測方法を用いた場合の処理について説明する。本実施形態にかかる品質予測装置200による品質予測処理では、まず、データ抽出部210によりデータベース290から品質予測を行う対象に関する操業データおよび品質データを抽出する(ステップS100)。データ抽出部210は、第1の実施形態と同様に、データベース290より所定の選択条件に該当する複数の操業データ及び品質データを抽出する。データ抽出部210は、抽出した操業データおよび品質データを分割パターン候補作成部220へ出力する。
次いで、分割パターン候補作成部220は、操業データの操業変数が値としてとる領域およびコード変数が値としてとる領域を全体領域として、全体領域を複数の局所領域に分割して分割パターン候補を作成する(ステップS102)。本実施形態では、操業変数とコード変数とが混在する全体領域から分割パターン候補を作成するため、操業変数空間のみに基づいて分割する数値分割作成部222と、コード変数のみに基づいて分割するコード分割作成部224とを用いて、操業変数とコード変数とについて別々に分割パターン候補を作成する。そして、両者で作成された分割パターン候補を合わせて、全体領域の分割パターン候補とする。
数値分割作成部222による操業変数空間の分割処理は、第1の実施形態で説明した分割パターン候補作成部220による処理と同様に行うことができる。すなわち、図8に示すように、数値分割作成部222は、最も誤差の大きい局所領域を順に分割する処理を行い、現在の分割パターンから新たな複数の分割パターン候補を生成する。ただし、局所領域の誤差を算出するための活性度関数による重み付き誤差評価関数は、上記数式(4)の代わりに、下記数式(9)により算出される。数式(9)は、活性度関数が操業変数およびコード変数の関数であることを明記したものである。
Figure 2011085970
・・・数式(9)
Figure 2011085970
一方、コード分割作成部224は、コード変数を2つのグループに分割することによりコード変数の分割パターン候補を作成する。ここで、コード変数の取り得る値は一般的に数百にも及ぶことから、これらを2つのグループに分割する組合せを全て評価するのは、計算時間の観点から現実的ではない。したがって、本実施形態では、例えば数理最適化の分野で提案された探索法を応用して、膨大な組合せの中から、分割の初期組合せを仮定し、次いで精度の高い関係式となるよう組合せを修正しながら探索することで、最適なグループへの分割を算出する方法を用いる。具体的には、探索法の一種であるローカルサーチ法を用いてコード分割を算出することができる。
ここで、図9および図10に基づいて、ローカルサーチ法によるコード変数の分割方法について説明する。まず、コード分割作成部224は、乱数を発生させてコード変数を初期分割し、操業データと品質データとの関係を表す関係式(以下、「品質予測モデル」ともいう。)を作成する(ステップS1021)。例えば、コード変数vがとり得る値の全ての種類Dに対して、1〜Dの番号を付与する。そして、0から1の間の乱数を発生する乱数発生器をi=1〜D回実行し、i回目の乱数の値が閾値(例えば0.5)を超えるか否かでi番のコード値のデータがグループV、若しくはVに属するコード変数の値以外のコード変数の値からなるグループV~のいずれに属するかを算出する。例えば、図7に示すように、コード変数vの取り得る値が8つあったとき、これらのデータは、2つのグループV、V~のいずれかに属するように分割される。
次いで、コード分割作成部224は、2つのグループに分けられたデータに対して、活性度関数算出部230から最小誤差分割パターン選択部240における処理と同一の手順にて品質予測モデルを作成し、予測誤差を計算する(ステップS1022)。ステップ1021、S1022は、コード変数の分割処理における初期処理として行われる。
上記初期分割後の品質予測モデルについて予測誤差を算出すると、コード分割作成部224は、1〜Dの値を発生し得る乱数発生器を一回実行し、得られた乱数値DRに対応したコード値のデータを現在とは異なるグループに入れ替える(ステップS1023)。例えば、図10に示す例において、乱数発生器により得られた乱数値DRに対応するコード値のデータが「2」であったとする。当該データは現在グループV~に属するが、ステップS1023の処理により、現在属するグループとは異なるグループVへ移動される。このように、コード分割作成部224は、データを入れ替えて、品質予測モデルを再作成する。
その後、コード分割作成部224は、入れ替えたデータにより品質予測モデルを作成し、予測誤差を計算する(ステップS1024)。ステップS1024の処理は、上記ステップS1022の処理と同様に行うことができる。
次いで、コード分割作成部224は、入れ替える前の予測誤差と入れ替えた後の予測誤差を比較して、精度評価を行う(ステップS1025)。そして、コード分割作成部224は、入れ替え後の予測誤差が入れ替え前の予測誤差よりも小さければステップS1023で行った入れ替えを確定し、ステップS1027の処理へ進む。一方、入れ替え後の予測誤差が入れ替え前の予測誤差以上である場合は、2つのグループを入れ替え前の状態に戻す(ステップS1026)。その後、ステップS1023に戻って処理を反復する。
ステップS1025において、ステップS1023でのグループの入れ替えを確定すると、コード分割作成部224は、反復停止条件を満たしているか否かを判定する(ステップS1027)。反復停止条件としては、例えば、反復回数の上限値に達した場合や、予測誤差の改善が見られない入れ替えの実施回数の上限値に達した場合等の条件を設定することができる。コード分割作成部224は、反復停止条件に合致した場合は、反復処理を停止し、コード変数の分割処理を終了する。すなわち、この時点で確定されている2つのグループがコード変数の分割パターン候補となる。一方、反復停止条件に合致しないと判定された場合は、ステップS1023に戻って処理を反復する。
以上、コード変数の分割処理について説明した。なお、コード変数が複数個(p個)ある場合には、それぞれのコード変数j=1〜pに対して上記処理を行い、q種類のコード変数に対する分割パターン候補をそれぞれ作成すればよい。
なお、分割パターン候補作成部220による分割パターン候補の作成方法としては、上記の方法に限定されるものではなく、操業変数とコード変数からなる分割パターン候補を、例えば遺伝的アルゴリズムなどの最適化手法を用いて一括で生成する方法も、本発明の範疇である。具体的には、分割パターン候補において分割点となる操業変数およびコード変数の値を配列に格納したものを複数個作成し、配列同士の一部を入れ替える交叉処理や、配列の一部の値を変更する突然変異処理を行い、活性度関数算出部230から最小誤差分割パターン選択部240における処理と同一の手順にて品質予測モデルを作成し、予測誤差を計算する。そして、上記の方法と同様に、予測誤差の大きさを評価して、分割パターン候補を決定することができる。
本実施形態における図2の品質予測方法の説明に戻り、ステップS102にて分割パターン候補が作成されると、すべての分割パターン候補に対して活性度関数が算出される(ステップS104)。具体的な活性度関数としては、例えば、数式(10)に示すp次元の正規分布関数と、コード分割情報より算出した数式(11)で表される二値関数とを、数式(12)に代入して得られるメンバシップ関数を活性度関数とすることができる。
Figure 2011085970
・・・数式(10)
Figure 2011085970
・・・数式(11)
Figure 2011085970
・・・数式(12)
(i=1,・・・,M)、(k=1,・・・,M)
ここで、c は局所領域の重心点、σ は正規分布関数の標準偏差、vはコード変数、Vはコード分割作成手段で得られたグループVに属するコード変数の値の集合である。数式(12)に示すように、本実施形態にかかる活性度関数は、操業変数及びコード変数の関数であることがわかる。このメンバシップ関数は、任意の操業データに対して、該操業データのコード変数値が集合Vに属していない場合は0値となり、属している場合は操業変数の値に応じた0〜1の範囲の値を有するものである。
その後、最小誤差分割パターン選択部240により、分割パターン候補から最も予測誤差の小さい分割パターンが選択される(ステップS106)。最小誤差分割パターン選択部240は、まず、分割パターン候補作成部220により作成された複数の分割パターン候補から分割パターン候補を1つ取り出し、その分割パターンの分割座標情報およびコード情報を用いて、個々のデータをその操業データの値に基づいてM個のグループに分割する。次いで、最小誤差分割パターン選択部240は、分割されたM個の各グループに対して、各局所領域の予測値を、上記数式(7)で表わされる指数平滑関数により算出する。数式(7)の指数平滑係数は、段落0034に記載の指数平滑係数の算出方法を用いて指数平滑係数算出部150により算出される。
そして、最小誤差分割パターン選択部240は、数式(7)により算出した各局所領域の予測値を用いて、操業データと品質データとの関係式である数式(2)により全体の予測値を算出する。その後、最小誤差分割パターン選択部240は、上記数式(8)に示す誤差評価式により予測誤差を算出する。かかる数式(8)で示す予測誤差の算出は、すべての分割パターンに対して行われる。そして、最小誤差分割パターン選択部140は、各分割パターンに対して算出された予測誤差を比較して、誤差が最も小さい分割パターンの関係式を選択する。本ステップの処理は、第1の実施形態とほぼ同様に行うことができる。
次いで、学習誤差評価部260は、最小誤差分割パターン選択部240で選択された誤差最小の関係式の誤差と、予め設定された評価基準値とを比較して、学習が十分であるか、すなわち誤差が収束したか否かを判定する(ステップS108)。本ステップの処理も、第1の実施形態と同様に行うことができる。該誤差が評価基準値より大きい場合には、学習誤差評価部260は、誤差の収束は不十分であると判定し、分割パターン候補作成部220に対して、分割パターンの分割数Mを1つ増やして、ステップS102の処理を行うように指示する(ステップS110)。そして、ステップS108にて十分な精度でデータを説明できる関係式が構築されたと判定されるまで、ステップS102〜S110の処理を繰り返す。
一方、ステップS108にて、誤差が評価基準値以下であれば、学習誤差評価部260は、十分な精度でデータを説明できる関係式が構築されたと判定し、分割指数平滑モデル270により当該関係式が決定される。その後、第1の実施形態と同様に、分割指数平滑モデル270は、得られた関係式を表現するための情報である活性度関数の係数を抽出して、品質予測値出力部280へ出力し、品質予測値出力部280は、入力された関係式の情報と、逐次入力される操業データと、予測時点で判明している最新の品質情報とを用いて、数式(2)より品質予測値を算出し、外部へ出力する(ステップS112)。
(品質予測方法2)
次に、図6に示す品質予測方法を用いた場合の処理について説明する。本実施形態にかかる品質予測装置200による品質予測処理では、まず、データ抽出部210によりデータベース290から品質予測を行う対象に関する操業データおよび品質データを抽出する(ステップS200)。データ抽出部210は、第2の実施形態と同様に、データベース290より、所定の選択条件に該当する複数の操業データ及び品質データを抽出する。データ抽出部210は、抽出した操業データおよび品質データを分割パターン候補作成部220へ出力する。
次いで、指数平滑係数算出部250により、指数平滑係数が設定される(ステップS202)。指数平滑係数算出部250は、第2の実施形態と同様に、例えば、0〜1の範囲の値を取り得る指数平滑係数に対し、例えば、0.1、0.2、・・・、0.9のように複数種類の値を設定する。そして、指数平滑係数算出部250は、設定した複数の値から1つを抽出し、分割パターン候補作成部220へ出力する。
指数平滑係数が設定されると、設定されたすべての値について、ステップS204〜S212の処理が繰り返し行われる。まず、分割パターン候補作成部220は、操業データの操業変数が値としてとる領域およびコード変数が値としてとる領域を全体領域として、全体領域を複数の局所領域に分割して分割パターン候補を作成する(ステップS204)。ステップS204の処理は、上述した本実施形態の品質予測方法1におけるステップS102の処理と同様に行うことができる。ステップS204にて分割パターン候補が作成されると、すべての分割パターン候補に対して活性度関数が算出される(ステップS206)。ステップS206の処理も、上述した本実施形態の品質予測方法1におけるステップS104の処理と同様に行うことができる。
そして、最小誤差分割パターン選択部240により、分割パターン候補から最も予測誤差の小さい分割パターンが選択される(ステップS208)。最小誤差分割パターン選択部240は、ステップS202にて設定された指数平滑係数を各局所領域に適用して、指数平滑法による品質予測値を算出し、算出された品質予測値に基づく予測誤差を算出する。そして、最小誤差分割パターン選択部240は、算出した予測誤差のうち最も小さい予測誤差を有する分割パターンを選択する。最小誤差分割パターン選択部240は、分割パターン候補作成部220により作成された複数の分割パターン候補から分割パターン候補を1つ取り出し、その分割パターンの分割座標情報およびコード情報を用いて、個々のデータをその操業データの値に基づいてM個のグループに分割した後、第2の実施形態のステップS208の処理と同様の処理を行うことにより、分割パターン候補作成部220により作成された複数の分割パターン候補から、数式(8)で定義される誤差の最も小さい関係式の分割パターンを選択する。
次いで、学習誤差評価部260は、最小誤差分割パターン選択部240で選択された誤差最小の関係式の誤差と、予め設定された評価基準値とを比較して、学習が十分であるか、すなわち誤差が収束したか否かを判定する(ステップS210)。学習誤差評価部260は、誤差が評価基準値より大きい場合には、十分な精度でデータを説明できる関係式はまだ構築されておらず、誤差の収束は不十分であると判定する。この場合、学習誤差評価部260は、分割パターン候補作成部220に対して、分割パターンの分割数Mを1つ増やして、ステップS204の処理を行うように指示する(ステップS212)。そして、ステップS210にて十分な精度でデータを説明できる関係式が構築されたと判定されるまで、ステップS204〜S212の処理を繰り返す。
一方、ステップS210にて、誤差が評価基準値以下であれば、学習誤差評価部260は、十分な精度でデータを説明できる関係式が構築されたと判定し、ステップS202で設定された指数平滑係数のすべてについて上記ステップS204〜S212の処理が行われたか否かを判定する(ステップS214)。ステップS214にて、すべての指数平滑係数について上記処理が完了していないと判定された場合には、指数平滑係数算出部250は、まだ処理が行われていない指数平滑係数を1つ抽出して、次の指数平滑係数を設定する(ステップS216)。その後、ステップS204〜S216の処理を繰り返す。
ステップS214にて、すべての指数平滑係数について上記処理が完了したと判定された場合には、分割指数平滑モデル決定部270により、最も分割数の少ない最小分割数モデルを選択する(ステップS218)。その後、分割指数平滑モデル270は、得られた関係式を表現するための情報である活性度関数の係数を抽出して、品質予測値出力部280へ出力する。品質予測値出力部280は、入力された関係式の情報と、別途入力される操業データとを用いて、数式(2)より品質予測値を算出し、外部へ出力する(ステップS220)。なお、上述したステップS210〜S218の処理は、第2の実施形態と同様に行うことができる。
以上、本発明の第3の実施形態にかかる品質予測装置200とこれによる品質予測方法について説明した。本実施形態によれば、品質予測に用いる操業データの数値情報である操業変数と文字コード情報であるコード変数とを全体領域として、当該全体領域から分割パターン候補を作成する。そして、第1または第2の実施形態と同様に、各分割パターンの活性度関数と、指数平滑法を用いて算出された各分割パターンの各局所領域の品質予測値とに基づいて、品質予測の誤差が最小となる分割パターンを選択する。これにより、ほとんどデータの存在しない局所領域の発生を防止することができ、上記実施形態の場合よりもさらに少ない分割数で、十分な精度でデータを説明できるモデルを自動的に探索して獲得することができる。また、必要以上に領域が細分化されないため、精度が劣化したときのメンテナンス負荷を低減することができる。
<4.ハードウェア構成図>
本発明の実施形態にかかる製造プロセスにおける品質予測装置100、200は、コンピュータにより実現可能である。図11に、本発明の実施形態にかかる品質予測装置として機能し得るコンピュータシステム400の構成例を示す。コンピュータシステム400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、キーボードコントローラ(KBC)405と、CRTコントローラ(CRTC)406と、ディスクコントローラ(DKC)407と、ネットワークインターフェースコントローラ(NIC)408とが、システムバス404を介して互いに通信可能に接続されている。
CPU401は、ROM402或いはHD411に記憶されたソフトウェア、或いはFD412より供給されるソフトウェアを実行し、システムバス404に接続された各構成部を総括的に制御する。すなわち、CPU401は、所定の処理シーケンスに従った処理プログラムを、ROM402、或いはHD411、或いはFD412から読み出して実行し、本実施形態での品質予測装置100、200の機能を実現するための制御を行う。
RAM403は、CPU401の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。KBC405は、KB409や図示しないポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。CRTC406は、表示部であるCRT410の表示を制御する。DKC407は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム、及び本実施形態における所定の処理プログラム等を記憶するHD411及びFD412とのアクセスを制御する。NIC408は、LAN420上の装置或いはシステムと双方向にデータをやりとりするものである。
なお、コンピュータに対し、本発明の実施形態である品質予測装置の手段、及び品質予測装置の各工程の機能を実現するための処理を記載したソフトウェアのプログラムを供給して、コンピュータに格納された該プログラムに従って各種デバイスを動作させることによって実施するものも本発明の範疇に含まれる。
また、この場合、ソフトウェアのプログラム自体が本発明の実施形態の品質予測装置100、200の処理機能を実現することになり、そのプログラム自体が、本発明の範疇に含まれる。なお、該プログラムコードの伝送媒体として、プログラムを電気信号として伝播させて供給するコンピュータネットワークシステムなどの通信媒体を用いることもできる。
さらにプログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを格納した記憶媒体も本発明の範疇に含まれる。かかるプログラムコードを記憶する記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
以下に、鉄鋼製品である薄鋼板の熱間圧延プロセスを対象として、捲取における鋼板温度を品質とし、操業変数には、被圧延材が精錬工程を終了した時点での溶鋼内のC量、Si量、Mn量、P量、S量、Cu量、Ni量、Cr量、Mo量、Nb量、V量、Ti量、B量、Al量、N量、O量、Ca量、被圧延材の目標板幅、目標板厚、等価炭素量、仕上げ圧延出側目標温度、捲き取り目標温度、圧延速度、冷却水水量密度、冷却水温、及びコード変数として材質コードを用いて品質予測を行った実施例について説明する。
図12は、薄鋼板の熱間圧延プロセスの概略を示す図である。スラブと呼ばれる被圧延材10の母材は、加熱炉から抽出された後に、粗圧延機510にて厚み40〜50mmのバー状に圧延される。粗圧延機510の出側には、粗出側板幅計540が設置されており、粗出側板幅計540によりこの時点での被圧延材10の板幅が測定される。次いで被圧延材10は、バックアップロール522によりサポートされた複数のワークロール521を直列に配置して構成された仕上げ圧延機520にて連続的に圧延され、その後捲取機530にてコイル状に巻き取られる。
捲取機530の直前には、放射温度計による非接触式の捲取温度計560が設置されており、捲取温度計560により薄鋼板の機械特性値などの材質特性に影響を及ぼす重要な管理指標である捲取時の鋼板温度が測温されている。鋼板温度を所定の範囲に制御するため、仕上げ圧延機520出側から捲取機530に至るまでのランナウトテーブル550上には、鋼板に水を散布する冷却設備が具備されている。
熱間圧延プロセスにおいては、鋼板の成分やサイズ、仕上げ圧延機520出側や捲き取り直前など各段階での目標温度を入力として、鋼板捲き取り温度を推定する予測モデルを作成している。さらに、仕上げ圧延機520入側に設置された温度計で測定された実績温度に従い、この予測モデルを用いて捲取温度が所定の範囲となる冷却水量密度を算出し、水量密度の設定値を変更する操業が行われる。
従来は、ランナウトテーブル550上で鋼板に水を散布した場合の冷却現象を、伝熱方程式に基づく物理モデルで推定し、さらにこの物理モデルによる計算結果を補正するための補正係数を指数平滑法によって求める処理を行っていた。このとき、補正精度を改善するための分割メッシュ数が4000分割に及ぶため、ほとんどデータが入力されないメッシュ(局所領域)があり、このようなメッシュでは品質予測値の精度が悪いという問題があった。
そこで、本発明の実施形態による品質予測装置を適用して、物理モデルによる計算結果を補正するための補正係数を品質指標yとする品質予測装置を構成した。本発明の実施形態の品質予測装置を適用した場合に十分な精度でデータを説明できる関係式が構築されるために必要な分割数を求めた。ここでは、約4.1万コイル分のデータを用い、従来法の誤差の標準偏差σ=151.5を誤差の判定変数として、これよりも精度が良好となったときの分割数を、十分な精度でデータを説明できる関係式が構築されるために必要な分割数とした。なお、補正係数は値を1000倍して記載しているため、値1000は、補正係数1を意味し、予測モデルの値に補正を掛けていない状態である。評価指標としては、実績温度との比較で得られた正確な補正係数の値と、予測で得られた補正係数の差で、予測誤差を定義し、この標準偏差を指標としている。
図13に、本発明の第3の実施形態にかかる品質予測装置200、すなわち、操業変数およびコード変数を用いて分割パターンを作成した場合の、分割数と予測誤差との関係を示すグラフを示す。図13より、全体領域の分割数が増加するにつれて急激に予測誤差が収束する挙動が見て取れる。そして、全体領域を50分割したときには、誤差の標準偏差はσ=149.0となり、従来の誤差相当値(σ=151.5)よりも精度がよい状態となった。なお、同様に、本発明の第1または第2の実施形態にかかる品質予測装置100、すなわち、操業変数のみを用いて分割パターンを作成した場合には、全体領域の分割数が100分割のときに誤差の標準偏差はσ=150.8となり、従来の誤差相当値よりも精度がよい状態となった。
このように、本発明の実施形態にかかる品質予測装置を適用することにより、コード変数を用いずに分割パターンを作成した場合は100分割、コード変数を用いて分割パターンを作成した場合は50分割と、従来法の4000分割に対し、各段に少ない分割数で同程度の精度を有するモデルを得ることができた。
また、図14〜図16に、予測結果の誤差のヒストグラムを示す。図14は従来法を適用した場合、図15は本発明の実施形態にかかる品質予測装置を適用した場合であって、コード変数を用いずに分割パターンを作成した場合、図16は本発明の実施形態にかかる品質予測装置を適用した場合であって、コード変数を用いて分割パターンを作成した場合である。
図14に示す従来法の誤差σ=151.5に対し、本発明の実施形態の手法を用いることにより、図15に示す100分割モデルの誤差がσ=150.8、図16に示すコード変数も用いた50分割モデルでσ=149.0と改善する良好な結果が得られることがわかった。このように、本発明の実施形態の品質予測装置を適用することにより、分割数を削減しつつ、精度が改善する効果が得られた。この結果、捲き取り温度の予測誤差の標準偏差が改善する効果が得られ、このモデルを継続して運用した結果、捲き取り温度不合の発生率が低減し、更に機械特性値のバラツキ低減による品質改善、歩留まり向上などの効果を得ることができた。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、いずれもコンピュータ上のプログラムとして品質予測装置を実現したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、演算装置、メモリ等を組み合わせたハードウェアによって構成されるものであっても良い。また、本発明の操業と品質の関連解析装置は、複数の機器から構成されるものであっても、一つの機器から構成されるものであっても良い。
また、上記実施形態では、分割パターン候補生成部による局所領域の分割は2分割するものであったが、本発明はかかる例に限定されず、例えば局所領域を3分割するものであってもよい。
100、200 品質予測装置
110、210 データ抽出部
120、220 分割パターン候補作成部
130、230 活性度関数算出部
140、240 最小誤差分割パターン選択部
150、250 指数平滑係数算出部
160、260 学習誤差評価部
170、270 分割指数平滑モデル決定部
180、280 品質予測値出力部
190、290 データベース
222 数値分割作成部
224 コード分割作成部

Claims (13)

  1. 製造プロセスにおける品質予測装置であって、
    複数の製品に関する操業データおよび品質データを記憶するデータベースから、所定の選択条件に該当する操業データおよび品質データを抽出するデータ抽出部と、
    抽出された前記操業データについて、前記操業データに含まれる変数が値としてとる領域を全体領域として、当該全体領域を複数の局所領域に分割する分割パターン候補を複数個作成する分割パターン候補作成部と、
    前記各分割パターン候補について、前記各局所領域での品質予測値が全体領域内の予測値に寄与する割合である寄与率を表す活性度関数を算出する活性度関数算出部と、
    前記各分割パターン候補について、前記各局所領域に対する、過去の品質データと過去の品質予測値とから現在の品質予測値を計算するための指数平滑法に基づき設定された指数平滑関数と、前記活性度関数とに基づいて、全体領域における品質予測値を算出する関係式を導出し、該関係式と過去の品質データと過去の品質予測値とに基づいて全体領域における品質予測値を算出し、当該全体領域における品質予測値と前記品質データとの差である予測誤差が最小となる分割パターンを選択する最小誤差分割パターン選択部と、
    前記最小誤差分割パターン選択部により選択された分割パターンの品質予測値と、予め設定された評価基準値との比較結果に基づいて、前記予測誤差の収束が十分であるか否かを判定する学習誤差評価部と、
    前記学習誤差評価部にて収束が十分であると判定された前記分割パターンの関係式を用いて、品質予測値を出力する品質予測値出力部と、
    前記指数平滑関数において、現在の品質予測値に対する過去の品質予測の影響の強さを決定する指数平滑係数を算出する指数平滑係数算出部と、
    を備えることを特徴とする、品質予測装置。
  2. 前記指数平滑係数算出部は、複数の指数平滑係数について前記指数平滑計算を行い、当該計算結果から算出された予測誤差の最も小さい指数平滑係数を選択することを特徴とする、請求項1に記載の品質予測装置。
  3. 前記学習誤差評価部により前記予測誤差の収束が十分であると判定される複数の分割パターンから一の前記分割パターンを選択する分割指数平滑モデル決定部をさらに備え、
    前記指数平滑係数算出部は、複数の指数平滑係数を設定し、
    前記各指数平滑係数について、前記分割パターン候補作成部により分割パターン候補を作成して、前記活性度関数算出部、前記最小誤差分割パターン選択部および前記学習誤差評価部により、前記予測誤差の収束が十分である前記分割パターンをそれぞれ決定し、
    前記分割指数平滑モデル決定部は、前記各指数平滑係数についてそれぞれ決定された前記分割パターンのうち、分割数が最も少ない前記分割パターンを選択することを特徴とする、請求項1に記載の品質予測装置。
  4. 前記分割パターン候補作成部は、
    操業変数からなる操業変数空間を分割する数値分割作成部と、
    コード変数からなるグループを分割するコード分割作成部と、
    を備え、
    前記数値分割作成部により作成された分割パターン候補および前記コード分割作成部により作成された分割パターン候補を、全体領域の分割パターン候補とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の品質予測装置。
  5. 前記活性度関数は、前記局所領域の重心に中心を持つ正規分布関数と、前記コード分割情報から算出される二値関数とを組み合わせて構成される関数であることを特徴とする、請求項4に記載の品質予測装置。
  6. 前記コード分割作成部は、探索法を用いて前記コード変数からなるグループを分割することを特徴とする、請求項4または5に記載の品質予測装置。
  7. 前記分割パターン候補作成部は、最適化手法を用いて、前記操業変数と前記コード変数とからなる分割パターン候補を一括して生成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の品質予測装置。
  8. 前記製造プロセスは、鉄鋼プロセスであって、
    前記品質データは、製品の表面疵、機械強度特性値、形状の平坦度、製品サイズ、内部応力、又はこれら品質に影響を及ぼすプロセス値であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の品質予測装置。
  9. 前記製造プロセスは、鉄鋼製品である薄鋼板の熱間圧延プロセスであり、
    前記品質予測装置による予測対象となる品質を、熱延ランアウトテーブル出側での捲き取り温度としたとき、
    前記製造プロセスの操業変数は、被圧延材が精錬工程を終了した時点での溶鋼内のC量、Si量、Mn量、P量、S量、Cu量、Ni量、Cr量、Mo量、Nb量、V量、Ti量、B量、Al量、N量、O量、Ca量、被圧延材の目標板幅、目標板厚、等価炭素量、仕上げ圧延出側目標温度、捲き取り目標温度、圧延速度、冷却水水量密度、冷却水温、及び材質コードから少なくとも一つ以上選択することを特徴とする、請求項8に記載の品質予測装置。
  10. 製造プロセスにおける品質予測方法であって、
    複数の製品に関する操業データおよび品質データを記憶するデータベースから、所定の選択条件に該当する操業データおよび品質データを抽出するステップと、
    抽出された前記操業データについて、前記操業データに含まれる変数が値としてとる領域を全体領域として、当該全体領域を複数の局所領域に分割して分割パターン候補を複数個作成するステップと、
    前記各分割パターン候補について、前記各局所領域での品質予測値が全体領域内の予測値に寄与する割合である寄与率を表す活性度関数を算出するステップと、
    前記各分割パターン候補について、品質予測値の時系列データから前記各局所領域に対する現在の品質予測値を算出するための指数平滑関数における、現在の品質予測値に対する過去の品質予測の影響の強さを決定する指数平滑係数を、前記各局所領域に対応する前記品質データに基づいて算出するステップと、
    前記各分割パターン候補について、前記各局所領域に対する、前記指数平滑係数が設定された指数平滑関数と、前記活性度関数とに基づいて、全体領域における品質予測値を算出する関係式を導出し、該関係式と過去の品質データと過去の品質予測値とに基づいて全体領域における品質予測値を算出し、当該全体領域における品質予測値と前記品質データとの差である予測誤差が最小となる分割パターンを選択するステップと、
    前記選択された分割パターンの品質予測値と、予め設定された評価基準値との比較結果に基づいて、前記予測誤差の収束が十分であるか否かを判定するステップと、
    前記予測誤差の収束が十分であるか否かを判定するステップにより収束が十分であると判定された前記分割パターンの関係式を用いて、品質予測値を出力するステップと、
    を含むことを特徴とする、品質予測方法。
  11. 製造プロセスにおける品質予測方法であって、
    複数の製品に関する操業データおよび品質データを記憶するデータベースから、所定の選択条件に該当する操業データおよび品質データを抽出するステップと、
    品質予測値の時系列データから前記各局所領域に対する現在の品質予測値を算出するための指数平滑関数における、現在の品質予測値に対する過去の品質予測の影響の強さを決定する指数平滑係数を複数個設定するステップと、
    抽出された前記操業データについて、前記操業データに含まれる変数が値としてとる領域を全体領域として、当該全体領域を複数の局所領域に分割して分割パターン候補を複数個作成するステップと、
    前記各分割パターン候補について、前記各局所領域での品質予測値が全体領域内の予測値に寄与する割合である寄与率を表す活性度関数を算出するステップと、
    前記各分割パターン候補について、前記各局所領域に対する、前記複数の指数平滑係数のうちの1つが設定された指数平滑関数と、前記活性度関数とに基づいて、全体領域における品質予測値を算出する関係式を導出し、該関係式と過去の品質データと過去の品質予測値とに基づいて全体領域における品質予測値を算出し、当該全体領域における品質予測値と前記品質データとの差である予測誤差が最小となる分割パターンを選択するステップと、
    前記選択された分割パターンの品質予測値と、予め設定された評価基準値との比較結果に基づいて、前記予測誤差の収束が十分であるか否かを判定するステップと、
    前記各指数平滑係数について、前記予測誤差の収束が十分であるか否かを判定するステップにより収束が十分であると判定された前記分割パターンから、分割数が最も少ない前記分割パターンを選択するステップと、
    前記分割数が最も少ない分割パターンの関係式を用いて、品質予測値を出力するステップと、
    を含むことを特徴とする、品質予測方法。
  12. コンピュータを、
    複数の製品に関する操業データおよび品質データを記憶するデータベースから、所定の選択条件に該当する操業データおよび品質データを抽出するデータ抽出手段と、
    抽出された前記操業データについて、前記操業データに含まれる変数が値としてとる領域を全体領域として、当該全体領域を複数の局所領域に分割する複数の分割パターン候補を複数個作成する分割パターン候補作成手段と、
    前記各分割パターン候補について、前記各局所領域での品質予測値が全体領域内の予測値に寄与する割合である寄与率を表す活性度関数を算出する活性度関数算出手段と、
    前記各分割パターン候補について、前記各局所領域に対する、過去の品質データと過去の品質予測値とから現在の品質予測値を計算するための指数平滑法に基づき設定された指数平滑関数と、前記活性度関数とに基づいて、全体領域における品質予測値を算出する関係式を導出し、該関係式と過去の品質データと過去の品質予測値とに基づいて全体領域における品質予測値を算出し、当該全体領域における品質予測値と前記品質データとの差である予測誤差が最小となる分割パターンを選択する最小誤差分割パターン選択手段と、
    前記最小誤差分割パターン選択手段により選択された分割パターンの品質予測値と、予め設定された評価基準値との比較結果に基づいて、前記予測誤差の収束が十分であるか否かを判定する学習誤差評価手段と、
    前記学習誤差評価手段にて収束が十分であると判定された前記分割パターンの関係式を用いて、品質予測値を出力する品質予測値出力手段と、
    前記指数平滑関数において、現在の品質予測値に対する過去の品質予測の影響の強さを決定する指数平滑係数を算出する指数平滑係数算出手段と、
    を備えることを特徴とする、品質予測装置として機能させるためのプログラム。
  13. コンピュータに、
    複数の製品に関する操業データおよび品質データを記憶するデータベースから、所定の選択条件に該当する操業データおよび品質データを抽出するデータ抽出手段と、
    抽出された前記操業データについて、前記操業データに含まれる変数が値としてとる領域を全体領域として、当該全体領域を複数の局所領域に分割する分割パターン候補を複数個作成する分割パターン候補作成手段と、
    前記各分割パターン候補について、前記各局所領域での品質予測値が全体領域内の予測値に寄与する割合である寄与率を表す活性度関数を算出する活性度関数算出手段と、
    前記各分割パターン候補について、前記各局所領域に対する、過去の品質データと過去の品質予測値とから現在の品質予測値を計算するための指数平滑法に基づき設定された指数平滑関数と、前記活性度関数とに基づいて、全体領域における品質予測値を算出する関係式を導出し、該関係式と過去の品質データと過去の品質予測値とに基づいて全体領域における品質予測値を算出し、当該全体領域における品質予測値と前記品質データとの差である予測誤差が最小となる分割パターンを選択する最小誤差分割パターン選択手段と、
    前記最小誤差分割パターン選択手段により選択された分割パターンの品質予測値と、予め設定された評価基準値との比較結果に基づいて、前記予測誤差の収束が十分であるか否かを判定する学習誤差評価手段と、
    前記学習誤差評価手段にて収束が十分であると判定された前記分割パターンの関係式を用いて、品質予測値を出力する品質予測値出力手段と、
    前記指数平滑関数において、現在の品質予測値に対する過去の品質予測の影響の強さを決定する指数平滑係数を算出する指数平滑係数算出手段と、
    を備えることを特徴とする、品質予測装置として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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