JP2011080736A - 熱交換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮機1と、凝縮器2と、膨張弁3と、冷媒貯溜タンク4と、上記各要素を順次接続して冷媒を循環させる冷媒配管6と、凝縮部52が冷媒貯溜タンク内に挿入され蒸発部51が冷媒貯溜タンク外に露出したヒートパイプ5と、からなる冷凍サイクルを少くとも備えた熱交換装置であって、蒸発部51において被冷却体との熱交換を行う様構成されており、さらに、冷媒貯溜タンクは、液状の冷媒と、上記熱交換を通じ液状の冷媒が蒸発して得られたガス状の冷媒とを内部に貯溜しており、入力側41からは膨張弁を経た冷媒を流入させ得る一方、出力側からは冷媒貯溜タンク内の上方に設けられたガス状冷媒取出部42からガス状の前記冷媒を取り出し得る様構成された熱交換装置100とする。
【選択図】図1
Description
図4に示される冷凍サイクルは、コンプレッサ(圧縮機)1とコンデンサ(凝縮器)2を中心として構成される冷凍機を使用し、冷媒ガスの蒸発潜熱を利用する冷媒直接冷却方式(直膨方式)と言われるものである。
また、ブライン冷却方式では直膨方式の構成に加えて冷水(ブライン液)で被冷却物である空気を冷やす構成要素がさらに必要となり、装置全体が複雑化するという新たな問題も生じる。
このように、ブライン冷却方式もやはり大容量設備への適用に十分値するものとは言えなかった。
前記ヒートパイプの前記蒸発部において、被冷却体との熱交換を行う様構成されており、さらに、前記冷媒貯溜タンクは、液状の前記冷媒と、前記熱交換を通じ液状の前記冷媒が蒸発して得られたガス状の前記冷媒とを内部に貯溜しており、入力側からは前記膨張弁を経た前記冷媒を流入させ得る一方、出力側からは前記冷媒貯溜タンク内の上方に設けられたガス状冷媒取出部からガス状の前記冷媒を取り出し得る様構成されている、ことを特徴とするものである。
本明細書において「液バック」とは、冷凍(サイクルを備えた)装置において蒸発器等から液状冷媒が圧縮機に戻ってくることがある状況のことを指し示すものとする。液バックが起こり冷媒が液状のまま圧縮機に入ると、液圧縮を起こして異常圧力を生じ、圧縮機が損傷する。
まず、特許文献1(特開2000−320909号公報)では、断熱膨張後、蒸発器内の熱交チューブで熱交換を行う典型的な冷凍サイクルを備えたシステムが開示されているものの、冷媒液溜タンク内にヒートパイプを嵌合接続する構成(図4)が開示されている。ただ、特許文献1ではヒートパイプの両端は高圧或いは低圧ライン中に埋設されているに過ぎない。本発明ではヒートパイプの一端(負荷側)は空気、他端は冷媒貯溜タンクにさらされており、構成が相違する。また、特許文献1の目的は、低圧側冷媒の低温を利用して、凝縮器からの高温冷媒を低温化することで蒸発器の冷却性能を上げることであり、本発明の目的と相違する。
しかしながら、特許文献2の装置は冷凍サイクルでなく、コンプレッサを使用せず、熱(冷)媒送流ポンプ7及びボイラ9を使用する点で本願と相違する。また対象も本願とは相違する。
さらに、特許文献2の熱(冷)媒貯溜槽6は、熱(冷)媒リキッドを摘出して、ボイラ9へ送出する構造となっており、本願の冷媒貯溜タンクとは目的が相違する。本願は冷凍サイクルで、コンプレッサを使用するものであるため、液バックが起きてはいけない構造とする必要がある。すなわち、必ず冷媒貯溜タンクのガス状冷媒取出部から冷媒ガスを摘出して、コンプレッサへ送出する構造となっている。
図1は、本発明の一実施形態につき説明する図である。はじめに前提として、本実施形態に係る熱交換装置100は、ヒートパイプ5の蒸発部51が不図示の送風ファン及び熱交換室を有するエアークーラー12の熱交換室(気体冷却部にあたる)内に設けられ、それによって被冷却体たる空気A1の冷却を行うことを目的とした装置である。
冷媒については従来知られた冷凍サイクルを備えた装置同様、適当なものを用い得るが、本実施形態ではR22(HCFC)、R407C等の冷媒を採用している。
ヒートパイプ5自体の構成及び作動原理は次の通りである。
作動流体fも従来知られたものと同様であり、本実施形態では例えばアンモニアやブタンを用いている。但し、これらには限定されず、例えば0〜5℃の範囲で蒸発するものも使用し得る。
まずはじめに、ヒートパイプ5の蒸発部51で、コンテナ54の管壁を介して空気A1より入熱を受けた作動流体fは、潜熱を吸収し蒸気となって凝縮部52へと移動する。潜熱を奪われた空気A1は、冷気A2となってエアークーラー12の外部へ出力される。以上の要領で本発明では、ヒートパイプ5の作動流体fを介して、空気A1と冷媒貯溜タンク4内の冷媒との熱交換が行われる。
このように、本実施形態に係る熱交換装置も、冷媒の循環が確保され、冷凍サイクルを構成する様になっている。
以下では、上記概略構成を備えた本実施形態に係る熱交換装置の制御及び運転要領の一例を説明する。
本実施形態では、エアークーラー12から出力される冷気A2の温度制御は、上記ヒートパイプ5の伝熱量制御を通じて実現されている。
そして本実施形態では、ヒートパイプ5の伝熱量を、冷媒の過熱度又は冷媒貯溜タンク4内における液状の冷媒の液面レベルに応じて制御する様に構成されている。
より具体的には、本実施形態では以下の各センサを用いて、ヒートパイプ5の伝熱量制御を行っている。
液面レベルセンサ8は、それぞれ電磁弁10に接続されている。液面レベルセンサ8は冷媒貯溜タンク4に貯溜された蒸発前の冷媒の液面レベルを監視しており、液面レベルがあらかじめ設定されたレベルよりも高くなると電磁弁10の駆動量(電磁弁10からの液状冷媒r2の吐出量)を減少させ、膨張弁3を経て冷媒貯溜タンク4内へと流れ込む冷媒の量を減少させる構成となっている一方、液面レベルがあらかじめ設定されたレベルよりも低くなると電磁弁10の駆動量を増大させ、膨張弁3を経て冷媒貯溜タンク4内へと流れ込む冷媒の量を増大させる構成となっている。
内圧センサ9は冷媒貯溜タンク4の内圧を監視しており、内圧があらかじめ設定されたレベルよりも高くなると電磁弁10の駆動量を減少させ、膨張弁3を経て冷媒貯溜タンク4内へと流れ込む冷媒の量を減少させる構成となっている一方、内圧があらかじめ設定されたレベルよりも低くなると電磁弁10の駆動量を増大させ、膨張弁3を経て冷媒貯溜タンク4内へと流れ込む冷媒の量を増大させる構成となっている。
なお、上で説明した構成と重複する箇所については、以下説明を省略する。
このように配置することで、エアークーラー12における熱交換の結果、蒸発部51の周りに設けられたフィン7表面に生ずる凝縮水dの落下が容易となる。なお、熱交面すなわち蒸発部51の氷結も容易に防止できることは上述した通りである。
また、冷媒貯溜タンク4側においても、潜熱放出が繰り返される結果、冷媒貯溜タンク4内の冷媒温度が上昇、蒸発が進むことによって凝縮部52付近で顕在化する冷媒中の潤滑油oの落下が容易となる。
以上、本発明の内容を一実施形態及び実施例を通じて詳細に説明したが、本発明は以上の態様に限定されず、種々の態様で変形実施することが可能である。
したがって、冷媒貯溜タンク4内における液状の冷媒の液面レベルを直接又は間接的に監視する手段を講じて、ガス状冷媒取出部42から冷媒配管6及び圧縮機1に液状冷媒が流入する液バック状況を防止する態様が採られていれば同態様は本発明の主旨に包含される。
A2 冷気
d 凝縮水
f 作動流体
o 潤滑油
r2 液状冷媒
r1 ガス状冷媒
1 圧縮機
2 凝縮器
3 膨張弁
4 冷媒貯溜タンク
5 ヒートパイプ
6 冷媒配管
7 フィン
8 液面レベルセンサ
9 内圧センサ
10 電磁弁
11 温度センサ
12 エアークーラー
13 排水口
41 入力部
42 ガス状冷媒取出部
51 蒸発部
52 凝縮部
53 断熱部
54 コンテナ
55 ウィック
100、100’、101 熱交換装置
200 熱交チューブ
Claims (7)
- ガス状冷媒を圧縮するための圧縮機と、
圧縮された前記冷媒を液化するための凝縮器と、
液化した前記冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、
前記膨張弁を経た前記冷媒を貯溜する冷媒貯溜タンクと、
凝縮部が前記冷媒貯溜タンク内に挿入され、蒸発部が前記冷媒貯溜タンク外に露出した単数又は複数のヒートパイプと、
前記圧縮機、前記凝縮器、前記膨張弁及び前記冷媒貯溜タンクを順次接続して前記冷媒を循環させる冷媒配管と、
からなる冷凍サイクルを少なくとも備えた熱交換装置であって、
前記ヒートパイプの前記蒸発部において、被冷却体との熱交換を行う様構成されており、さらに、
前記冷媒貯溜タンクは、液状の前記冷媒と、前記熱交換を通じ液状の前記冷媒が蒸発して得られたガス状の前記冷媒とを内部に貯溜しており、入力側からは前記膨張弁を経た前記冷媒を流入させ得る一方、出力側からは前記冷媒貯溜タンク内の上方に設けられたガス状冷媒取出部からガス状の前記冷媒を取り出し得る様構成されている、
ことを特徴とする熱交換装置。 - 前記ヒートパイプの前記凝縮部或いは前記蒸発部の一方又は双方を水平に配置したことを特徴とする請求項1に記載の熱交換装置。
- 前記ヒートパイプの前記蒸発部を前記凝縮部よりも上方に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換装置。
- 前記冷媒貯溜タンクに、前記冷媒と共に前記冷媒貯溜タンク内に流入した前記圧縮機潤滑用オイルの回収機構をさらに備え設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換装置。
- 前記ヒートパイプの伝熱量を、前記冷媒の過熱度又は前記冷媒貯溜タンク内における液状の前記冷媒の液面レベルに応じて制御する様にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換装置。
- 前記ヒートパイプの前記蒸発部が送風ファン及び熱交換室を有するエアークーラーの前記熱交換室内に設けられ、それによって被冷却体たる空気の冷却を行わしめることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱交換装置。
- 前記エアークーラーの前記熱交換室の底部に水抜き用の排水口をさらに備え設けたことを特徴とする請求項6に記載の熱交換装置。
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