JP2011079083A - 加工装置および製造装置ならびにシート加工方法 - Google Patents

加工装置および製造装置ならびにシート加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 薄膜状のシート材から製品を分割形成する際に、前記製品の形成に関する不要な部分として前記シート材から分割される不要物の飛散を防止することができる加工装置および製造装置ならびにシート加工方法を提供することである。
【解決手段】 加工装置1は、予備加工工程と本加工用工程とを経て、薄膜状のシート材11から製品12を分割する。予備加工工程において、シート材11に、予備加工用切断刃によって、互いに角度を成す2方向に2つの端がそれぞれ延びて形成される切込みが形成される。本加工工程において、本加工用切断刃5を用いて、予備加工工程後のシート材11から製品12が分割される。予備加工時切込み15の垂直方向両側の浮上がり量が相互に非対称になるので、加工装置1は本加工工程後の不要物13の飛散を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、略直線状の切断刃を用いて薄膜状のシート材を加工する加工装置およびシート加工方法、ならびに長尺のシート材を分割して製品を形成する工程において、製品とともに残留する不要物を除去しつつ製品を製造する製造装置に関する。
従来、紙およびフィルムなどの薄膜状の製品の製造工程において、材料となる長尺のシート材は、予めウェブ状に巻取られている。ウェブ状シート材(以下、単に「シート材」と称する)を加工して目的の形状の製品を製造するためには、たとえば、切断刃を用いてシート材を打抜く手法が一般的である。切断刃は、トムソン刃、ピナクル刃、または彫刻刃等の刃を用いた打抜き型、あるいはプレス金型によって実現される。これによって、安価で寸法精度の高い製品が、短時間で製造される。
また、前記製品内部に孔がさらに形成される構成の製品が製造される場合、製品の外観形状と内部の孔とを一度に打抜き可能な形状の切断刃が、打抜き加工に用いられる。また、製品の外観形状の切断刃でシート材を打抜いた後、打抜かれた部材を孔の形状の切断刃でさらに打抜く手法が用いられることもある。
上述のような構成の製品の打抜き加工において、製造された製品の上方または近傍に、製品とは無関係な不要物が残留する。したがって、前記製品の完成には、前記不要物を製品から除去する必要がある。前記不要物の除去に際し、打抜き加工に打抜き型が用いられる場合、シート材の下方にいわゆる刃当てシートが配置されるため、製品の上方から近付いて不要物を除去する必要がある。このため、製品の上方から除去機構のノズル部材を近接させて不要物を吸引除去する手法が、特許文献1に提案されている。
特許文献1のプラスチックフィルムの製造装置において、まず、前記製品の原料となるワークを打抜き可能なトムソン型を用いて、シート材であるワークが打抜かれる。この結果、前記製品である打抜きワークと前記不要物である抜きカスとが、前記ワークから同時に切断される。次いで、打抜き時の位置にある打抜きワークに、トムソン型の位置する方向と同じ方向から、除去機構のノズル部材である吸引箱が近接移動する。次いで、前記除去機構内の集塵機の吸引駆動が開始されると、前記打抜きワークが前記吸引箱の吸着板に吸着され、同時に、前記抜きカスが前記吸引箱を通って前記集塵機に回収される。続いて、前記打抜きワークを吸着させたまま、前記ワークに対して前記吸引箱が離反移動する。この結果、前記抜きカスの回収と平行して、前記打抜き時の位置から打抜きワークが移動する。
また近年、シート材51が複数の形成層を有する積層体で実現され、複数の形成層を有する製品52が該シート材51から分割製造されることもある。さらに、積層体である製品52は、一部の形成層の一部分が除かれている構成を有することがある。図7は、従来技術の加工装置によって加工されたシート材51の状態を示す上面図である。図7の場合、たとえば、略直線状の予備加工用切断刃を用いて積層体であるシート材51の一部の形成層に切込み55が入れられた後、製品52の外観と同形状の本加工用切断刃を用いて予備加工工程後のシート材51の全形成層が打抜かれる。シート材51において本加工用切断刃による切込み56によって切断された部分の全形成層のうち、予備加工用切断刃による切込み55が入れられている一部の形成層の一部分が不要物53として除去され、該一部の形成層の残余の部分および残余の形成層が製品52を構成する。
特開2000−326295号公報
従来技術において、製品製造時に単一のシート材に対して複数の処理が施される際には、いわゆるトランスファ加工が用いられる。トランスファ加工とは、打抜き等の加工を行う処理機構の位置を固定し、被処理物であるシート材を各処理機構に順次搬送させながら、必要な加工を該シート材に対して順次行う手法である。たとえば、複数の形成層のうちの一部の形成層の、さらにその一部分が除かれる構成である上述の製品の製造時では、予備加工用切断刃を用いる打抜き機構と、本加工用切断刃を用いる打抜き機構と、不要物回収用の除去機構とに、シート材が順次搬送される。
トランスファ加工時に打抜き機構と除去機構が離れていると、シート材が打抜かれてから除去機構に製品等が搬送されるまで間に、不要物が飛散してしまうことがある。この場合、不要物が所定位置から外れると除去機構が不要物を吸引除去することが難しいため、製品に不要物が付着したまま残留してしまう問題があった。特に、複数の形成層が重ね合わされた積層体で実現されるシート材が打抜かれる場合、および不要物が非常に小さい形状である場合、不要物が飛散しやすいため、不要物の残留を防ぐことが難しい。
特許文献1の製造装置は、製品および不要物を打抜き時の位置から動かさずに、除去機構の吸引箱を製品に近接させる。しかしながら、特許文献1の製造装置においては、吸引箱が製品に近接離反移動するだけでなく、吸引箱の待機位置から打抜き時の位置の上方へ水平移動する必要があるため、吸引箱の移動機構が複雑化する。
また、図7の製品52が製造される場合、予備加工用切断刃による略直線状の切込み55の長手方向がシート材51の搬送方向58と直交していれば、シート材51に付与される張力の作用する方向は、搬送方向58と平行であるので、前記切込み55の長手方向に対して垂直となる。ゆえに、搬送に伴い、予備加工用切断刃による切込み55の長手方向両端に応力集中が生じる。これによって、シート材51において、予備加工用切断刃による切込み55の搬送方向58両側の領域が該切込み55を対称軸として対称に浮上がるように、シート材51が変形することがある。切込み55の延びる方向に垂直な方向を、以下「垂直方向」と称する。図7に示す従来技術の場合には、切込み55に関する垂直方向は、搬送方向58に一致する。
シート材51の予備加工用切断刃による切込み55の垂直方向両側の領域は、本加工用切断刃による打抜きによって一時的に平らに戻されるが、本加工用切断刃の離反に伴って再び浮上がる。このような応力集中に起因するシート材51の変形復元は、本加工工程後に製品52から不要物53が飛散する原因になる。また、前記シート材51の変形復元は、前記本加工用切断刃に不要物53が付着する原因にもなる。
本発明の目的は、薄膜状のシート材から製品を分割形成する際に、前記製品の形成に関する不要な部分として前記シート材から分割される不要物の飛散を防止することができる加工装置および製造装置ならびにシート加工方法を提供することである。
本発明は、積層された複数の形成層を含む積層体として形成されるシート材のうち、少なくとも一部の形成層に切込みを形成するための予備加工用切断刃であって、前記切込みの2つの端を互いに角度を成す2方向にそれぞれ延びて形成する予備加工用切断刃と、
前記切込みが形成された前記シート材から前記シート材のうちの必要部分を分割するための切断を行う本加工用切断刃と、
前記予備加工用切断刃および前記本加工用切断刃を前記シート材に対して押圧する押圧手段とを含むことを特徴とする加工装置である。
このように、本発明の加工装置において、予備加工用切断刃による切込みは、その両端が、互いに角度を成す2方向にそれぞれ延びるように形成される。すなわち、予備加工用切断刃による切込みの少なくとも一部は、シート材の面方向のいずれかの向きに凸を成す形状に形成される。これによって、予備加工用切断刃は、予備加工用切断刃による切込みに対するいずれかの接線を含み、かつシート材に垂直な仮想平面のうち、いずれの仮想平面に対しても非対称な形状に、前記切込みを形成することができる。これによって、予備加工用切断刃を用いる予備加工工程後にシート材に発生する応力集中箇所は、前記いずれの仮想平面に関しても非対称な位置に生じる。
この結果、本発明では、予備加工した後のシート材は、予備加工用切断刃による切込みの端近傍において、各端における切込みの接線を含みシート材に垂直な平面に関して、両側の部分の浮上がり量に差異が生じる。これによって、本発明の加工装置は、予備加工した後のシート材において、切込みの両側の浮上がり量を相互に非対称にすることができるため、切込みを境界としてシート材の各部が互いに押圧し合うことを防止し、不要物の飛散を防止することができる。
また本発明は、前記本加工用切断刃が、前記シート材内の全ての形成層のうちの少なくとも2層の形成層を切断し、
前記予備加工用切断刃は、前記本加工用切断刃によって切断されるべき少なくとも2層のうちの一部の形成層を切断することを特徴とする。
これによって、予備加工工程と本加工工程とで切断される形成層の数が異なる構成の加工手法であっても、本発明の加工装置は、両端が互いに角度を成す2方向にそれぞれ延びる切込みを予備加工用切断刃が前記シート材に形成しているため、予備加工した後のシート材における切込みの両側において、浮上がり量を非対称化することができる。したがって、本発明の加工装置は、上述の加工工程であっても、シート材の浮上がりに起因する不具合の発生を防止することができる。
また本発明は、前記予備加工用切断刃は、前記シート材のうち製品の少なくとも一部分となるべき前記必要部分と製品の形成に関する不要物の少なくとも一部分となるべき不要部分とを分割し、かつ、前記予備加工用切断刃によって形成される切込みの少なくとも一部分は、前記不要部分側に凸を成す形状に形成されることを特徴とする。
このように、本発明の加工装置において、前記予備加工用切断刃による切込みは、少なくとも一部分が前記不要部分側に凸を成す形状に、形成される。これによって、前記予備加工工程後のシート材において、前記予備加工用切断刃による切込みの垂直方向両側のうち、前記不要部分側の反対側の浮上がり量よりも前記不要部分側の浮上がり量の方が小さくなるため、本加工工程時に分割される前記不要物が飛散しにくくなる。したがって、本発明の加工装置は、前記不要物の飛散に起因する製品の歩留まりを改善することができる。
また本発明は、前記予備加工用切断刃は、前記シート材のうち製品の少なくとも一部分となるべき前記必要部分と製品の形成に関する不要物の少なくとも一部分となるべき不要部分とを分割し、かつ、前記予備加工用切断刃によって形成される切込みの少なくとも一部分は、前記不要部分側の反対側に凸を成す形状に形成されており、
前記本加工用切断刃による分割に先立って、前記シート材の前記必要部分および不要部分を除く残余の余白部分となるべき領域内の前記切込み近傍であって前記不要部分となるべき領域が存在する側の位置で、前記シート材内の少なくとも2層の形成層を相互に固定する固定機構をさらに含むことを特徴とする。
このように、本発明の加工装置において、前記予備加工用切断刃による切込みは、少なくとも一部分が前記不要部分側の反対側に凸を成す形状に、形成される。これによって、前記予備加工工程後のシート材において、前記予備加工用切断刃のよる切込みの垂直方向両側のうち、前記不要部分側の浮上がり量よりも前記不要部分側の反対側の浮上がり量の方が大きくなるため、本加工工程時に前記反対側の領域の浮上がりに起因する不具合が発生し難くなる。したがって、本発明の加工装置は、前記反対側の領域の浮上がりに起因する製品の歩留まりを改善することができる。
また、本発明の加工装置において、前記シート材が複数の形成層を有する積層体である場合、本加工に先立って、前記余白部分となるべき領域内の前記切込み近傍であってかつ前記不要部分側の位置で、少なくとも2層の形成層が相互に固定される。これによって、本加工工程後の不要物の飛散が抑制されるため、本発明の加工装置は、前記不要物の飛散に起因する製品の歩留まりをも改善することができる。
特に、少なくとも一部分が前記不要部分側の反対側に凸を成す形状に前記予備加工用切断刃による切込みが形成されている場合、前記余白部分となるべき領域の該不要部分となるべき領域が存在する側の位置で形成層が予め相互に固定されることによって、予備加工用切断刃による切込みよりも該不要部分側の浮上がり量が大幅に小さくなる。また、上述の場合では、前記不要部分側だけでなく前記不要部分側の反対側の浮上がり量も小さくなるため、シート材全体の浮上がりが抑えられる。したがって、本発明の加工装置は、予備加工工程後のシート材の浮上がりに起因する不都合をより確実に抑制することができる。
また本発明は、前記予備加工用切断刃の稜線は、中央の稜線に対して端近傍部の稜線の成す角度が45度以上に選ばれることを特徴とする。
このように、本発明の加工装置において、中央の稜線から見て端近傍部の稜線が45度以上曲がっているように、前記予備加工用切断刃の稜線が湾曲している。これによって、予備加工工程後のシート材は、前記予備加工用切断刃による切込みの中央部の垂直方向両側のうち、該切込みの端の位置する側の浮上がり量が、反対側の浮上がり量よりも充分に小さくなる。したがって本発明の加工装置は、予備加工工程後のシート材における前記切込みの端が位置する側の浮上がりに起因する不具合を、確実に抑制することができる。
また本発明は、薄膜状のシート材の一部分を分割することによって、薄膜状の製品を形成する上述の加工装置と、
前記加工装置による前記製品の形成時に前記製品の形成に関する不要部分として前記シート材から分割された不要物を、前記製品近傍から除去する除去機構とを含むことを特徴とする製造装置である。
このような製造装置において、前記加工装置の予備加工用切断刃による切込みが該切込みの長手方向の両端が互いに角度を成す2方向にそれぞれ延びるように形成されるため、予備加工工程後のシート材の浮上がりに起因して不要物の除去が難しくなる不具合が防止される。これによって、本発明の製造装置は、シート材の浮上がりに起因する製品の歩留まりを従来よりも向上させることができる。
また本発明は、積層された複数の形成層を含む積層体として形成されるシート材のうち、少なくとも一部の形成層に対して、互いに角度を成す2方向に2つの端がそれぞれ延びて形成される切込みを形成する予備加工工程と、
予備加工工程後の前記シート材から前記シート材のうちの必要部分である薄膜状の製品を分割する本加工工程とを含むことを特徴とするシート加工方法である。
このように、本発明のシート加工方法において、予備加工工程時にシート材に形成される切込みは、長手方向の両端が互いに角度を成す2方向にそれぞれ延びるように形成される。これによって、本発明のシート加工方法が用いられる場合、予備加工工程後のシート材における切込みの垂直方向両側の浮上がり量が相互に非対称になるため、シート材の浮上がりに起因する不具合の発生を防止することができる。
以上のように本発明によれば、本発明の加工装置は、張力が付与される薄膜状のシート材に対して、予備加工用切断刃を用いる予備加工工程と本加工用切断刃を用いる本加工工程とを実行する。予備加工用切断刃は、長手方向の2つの端が互いに角度を成す2方向にそれぞれ延びるように形成される切込みを、前記シート材に形成する。これによって、本発明の加工装置は、予備加工工程後のシート材の切込みの垂直方向両側の浮上がり量を相互に非対称にして従来技術よりも抑えることができるため、シート材の浮上がりに起因する不要物の飛散を防止することができる。
本発明の実施の一形態である加工装置1の構成を示す概略断面図である。 図1の加工装置1を含む製造装置2を示す概略図である。 図1の加工装置1によって加工されたシート材11の状態を示す上面図である。 図1の加工装置1によって加工されたシート材11の他の形態を示す上面図である。 図1の加工装置1によって加工されたシート材11のさらに他の形態を示す上面図である。 図1の加工装置1によって加工されたシート材11のさらに他の形態を示す上面図である。 従来技術の加工装置によって加工されたシート材51の状態を示す上面図である。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。説明している実施形態は、本発明に係る技術を具体化するために例示するものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明に係る技術内容は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。以下の説明は、加工装置1およびシート加工方法ならびに製造装置2についての説明をも含む。
図1は、本発明の実施の一形態である加工装置1の構成を示す概略断面図である。図2は、図1の加工装置1を含む製造装置2を示す概略図である。図3は、図1の加工装置1によって加工されたシート材11の状態を示す上面図である。図1〜図3を併せて説明する。
加工装置1は、薄膜状のシート材11の一部分を分割することによって、該シート材11の必要部分である薄膜状の製品12を形成する。すなわち、製品12は、シート材11の必要な部分を不必要な部分から分割したものである。加工装置1は、予備加工用切断刃4と、本加工用切断刃5と、押圧源6とを少なくとも含み、好ましくは固定機構7をさらに含む。図2の製造装置2は、薄膜状の製品12を製造するために、加工装置1の他に、除去機構9をさらに含む。除去機構9は、加工装置1による製品12の形成時に該製品12の形成に関する不要な部分としてシート材11から分割された不要物13を、該製品12近傍から除去する。
加工装置1において、予備加工用切断刃4は、薄膜状のシート材11に切込みを形成するための切断刃である。本加工用切断刃5は、予備加工工程後のシート材11から薄膜状の製品12を分割するための切断刃である。押圧源6は、予備加工用切断刃4および本加工用切断刃5を、それぞれ、シート材11の所定位置に対して、シート材11の厚み方向に沿って、相対的に押圧する。固定機構7は、シート材11が複数の形成層を有する積層体で実現される場合に、シート材11内の少なくとも2層の形成層の一部を相互に固定する。
予備加工用切断刃4および本加工用切断刃5によって形成される予備加工時切込み15および本加工時切込み16は、それぞれ予備加工用切断刃4および本加工用切断刃5の各稜線が成す形状と同じ形状に形成される。予備加工用切断刃4および本加工用切断刃5について「稜線」というとき、刃先が成す線を意味する。したがって、稜線の角度については、刃先の鋭利さの程度を問題とするのではなく、刃先が成す線の形状を問題としたときの、線が成す角度を意味するものとする。
加工装置1におけるシート加工方法は、予備加工工程と本加工工程とを含む。加工装置1は、予備加工工程時に、張力が付与されている薄膜状のシート材11の所定位置に、予備加工用切断刃4を用いて、予備加工時の切込み15を形成する。加工装置1は、本加工工程時に、予備加工工程後のシート材11の所定位置に、本加工用切断刃5を用いて、本加工時の切込み16をさらに形成する。シート材11は、積層された複数の形成層を含む積層体として形成され、予備加工用切断刃4は、シート材11のうち、少なくとも一部の形成層に予備加工時の切込み15を形成する。本実施形態では、本加工時の切込み16は全ての形成層に形成され、予備加工時の切込み15は、複数の形成層の一部のみに形成される。
本加工時切込み16だけ、または予備加工時切込み15および本加工時切込み16の両方によって、シート材11内の製品12として分割すべき領域である製品領域17が、製品12としてシート材11から分割される。また、加工装置1の本加工工程時に、シート材11の製品12以外の部分の一部分が、製品12に伴う不要物13として、製品12と共に分割されることがある。予備加工用切断刃4および本加工用切断刃5の形状は、予備加工時切込み15および本加工時切込み16が製品12をシート材11から分割可能なように、選ばれる。シート材11から製品12として必要な必要部分18および不要物13が取り除かれると、余白部分が残る。余白部分からは、さらに必要部分18および不要物13が分割によって取出されてもよい。
予備加工用切断刃4によって形成される予備加工時切込み15は、その両端が、互いに角度を成す2方向に延びた形状に形成される。互いに角度を成す2方向とは、互いに交差する方向である。これによって、予備加工用切断刃4は、シート材11に付与される張力の作用する方向に垂直ないずれの平面に対しても非対称な形状に、予備加工時切込み15を形成することができる。したがって、予備加工工程後にシート材11に発生する応力集中箇所が、予備加工時切込み15の長手方向中央部21の延長線上からずれた位置に、遷移する。
すなわち、予備加工時切込み15は、2つの端を有する開曲線状に形成され、かつ、少なくとも一方の端は、予備加工時切込み15の垂直方向両側のいずれか一方側に凸を成す形状に、形成される。本明細書において、「開曲線状」とは、環状を成すことなく「直線状」または「曲線状」に形成された形状を意味する。また本明細書において、予備加工時切込み15の垂直方向は、該予備加工時切込み15の長手方向と直交し、かつ、シート材11の面方向に平行である。また、予備加工時切込み15は、直線状の長手方向中央部21がシート材11の製品領域17に位置し、凸を成す形状に形成される長手方向端近傍部22がシート材11の製品領域17から外れるように、形状が定められる。
予備加工時切込み15のうち、製品領域17に位置する切込みを「長手方向中央部」(21)と称し、製品領域17外の余白部分に位置する切込みを「長手方向端近傍部」(22)と称する。本明細書本文中において、長手方向中央部21を単に、「切込み中央部」(21)と称することもある。また長手方向端近傍部22を単に、「切込み端近傍部」(22)と称することもある。長手方向中央部21の延びる方向に垂直な方向を、単に「垂直方向」と称する。本実施の形態において、垂直方向は、搬送方向28に一致する。また本明細書本文中において、長手方向中央部21に関して「直線状」は、理想的な直線状および略直線状の両方を含み、直線状に対して製造時の誤差および熱変形など意図せぬ変形が生じた場合の略直線状を含む。
従来技術では、図7で示したように、予備加工用切断刃によって形成される切込み55の長手方向端近傍部22が凸形状を成さないので、該切込み55の長手方向中心軸線を軸として対称な位置に応力集中箇所が発生する。ゆえに、予備加工工程後のシート材51の該切込み55の垂直方向両側の部分が打抜き台34から浮上がる。具体的には、該切込み55を対称軸として対称に浮上がる。これに対し、図1の加工装置1では、予備加工時切込み15の長手方向端近傍部22が垂直方向のいずれか一方側に凸を成す形状に形成されるため、予備加工工程後のシート材11は、打抜き台34からの浮上がり量として、切込み中央部21の垂直方向両側のうち、切込み中央部21よりも切込み端近傍部22が位置する側のシート材11の浮上がり量が、反対側の浮上がり量よりも大きくなる。
これによって、加工装置1は、予備加工工程後のシート材11における予備加工時切込み15の垂直方向両側の浮上がり量を相互に非対称にして片方を従来技術よりも抑えることができるため、シート材11の浮上がりに起因する不具合の発生を防止することができる。たとえば、本加工工程後にシート材11を加工装置1から除去機構9へ移動させる際に、不要物13の飛散を防止することができる。
本加工用切断刃5は、予備加工工程後の切込み15の形成されるシート材11から、製品12を分割する。たとえば、本加工用切断刃5は、予備加工工程後のシート材11の予備加工時切込み15の切込み中央部21の垂直方向両側の部分を、製品12を含む分割物としてシート材11から分割する。このような条件下において、従来技術の加工装置は、予備加工工程後のシート材51が切込み55を対称軸として対称に浮上がるので、両分割物の飛散し易さが均等になる。これに対し、上述の条件下において、図1の加工装置1は、予備加工工程後のシート材11が切込み中央部21を対称軸として非対称に浮上がるので、両分割物の飛散し易さが不均等になる。これによって、加工装置1は、本加工工程後の分割物の飛散を抑制することができる。
特に、加工装置1がいわゆるトランスファ加工を行う場合、加工装置1は、シート材11を順次移動させながら、予備加工用切断刃4を用いる予備加工工程と本加工用切断刃5を用いる本加工工程とをシート材11に対して順次実行する。この場合、シート材11の搬送方向28の両側からシート材11に張力が作用することになる。ゆえに、シート材11に予備加工時切込み15がシート材11の搬送方向28と平行ではない場合、予備加工時切込み15の両端に応力集中が発生する。搬送方向28は、シート材11の面方向と平行であり、本実施形態ではシート材11の長手方向と平行である。
従来技術では、図7で説明したように、直線状の予備加工時切込み55の長手方向がシート材51の搬送方向58と直交するため、応力集中箇所が予備加工時切込み55の長手方向を対称軸として対称に分布し、予備加工工程後のシート材51が予備加工時切込み55の搬送方向58両側で対称に浮上がる。特にシート材51の搬送方向58に張力が付与されていることによって、シート材51の面方向に平行かつ搬送方向58に垂直な幅方向に、シート材51の幅が狭められる力が付与される。シート材51の面方向に垂直な仮想一平面であって、シート材51の幅方向に延びる境界線を含む仮想一平面に関して、切込み55の形状が対称である場合に、予備加工によって形成された切込み55を境界線として、シート材51の各部分が互いに押圧されると、不要物13は搬送方向58に逃げ場がなくなり、張力を駆動力として飛散する。
これに対し、本実施形態では、図3〜図6で説明するように、予備加工時切込み15の長手方向がシート材11の搬送方向28と直交するが、予備加工時切込み15の長手方向端近傍部22が搬送方向28の上流側および下流側のうちのいずれか片側に凸を成す形状に形成される。ゆえに、応力集中箇所が予備加工時切込み15の搬送方向28の片側に遷移するため、予備加工工程後のシート材11が予備加工時切込み15の搬送方向28両側で非対称に浮上がる。したがって、従来技術と異なり、本実施形態の加工装置1は、本加工工程後の分割物の飛散を抑制することができる。
特に製品領域17における長手方向中央部21の切込みが直線状に形成される場合に、製品領域17外の余白部分において切込み端近傍部22の形状が、垂直方向両側の何れか一方に凸の形状を成すことによって、長手方向中央部21の切込みを直線状に形成しながらも、不要物13の飛散を防止することができる。
図1の加工装置1において、具体的には、予備加工工程において、予備加工用切断刃4は、シート材11のうちの製品12の少なくとも一部分となるべき必要部分18と不要物13の少なくとも一部分となるべき不要部分19とを分割する。本加工工程において、本加工用切断刃5は、製品12だけでなく、製品12形成に伴う不要物13を、シート材11から分割する。予備加工工程後のシート材11において、不要部分19は、予備加工時切込み15の長手方向中央部21の垂直方向両側のうちのいずれか片側に位置する。予備加工工程後のシート材11において、必要部分18は、予備加工時切込み15の長手方向中央部21の不要部分19側の反対側に位置する。
予備加工工程後のシート材11において製品12として分割されるべき製品領域17は、予備加工時切込み中央部21の必要部分18側の領域を少なくとも含む。後述するように、シート材11が積層体である場合、製品領域17は、必要部分18側の領域の全形成層だけでなく、不要部分19側の領域の不要部分19よりも下部の形成層を含む。
図1の加工装置1において、好ましくは、製品12および不要物13の両方がシート材11から分割される場合、予備加工時切込み15の垂直方向両側のうちの不要部分19側に予備加工時切込み15の少なくとも一部分が凸を成すように、予備加工用切断刃4が予備加工時切込み15を形成する。切込みの形状が所定の向きに凸を成す場合、この所定の向きを、切込みの形状に関して「曲げ方向」と称する。すなわち、図1の場合には、予備加工用切断刃4の端近傍部22の曲げ方向が、不要部分19側の反対側に向いている。これによって、予備加工工程後のシート材11において、予備加工時切込み15の垂直方向両側のうち、必要部分18側の浮上がり量よりも不要部分19側の浮上がり量の方が小さくなるため、本加工工程時に不要物13が飛散しにくくなる。したがって、図1の加工装置1は、不要物13の飛散に起因する製品12の歩留まりを改善することができる。
図1の加工装置1において、製品12および不要物13がシート材11から分割される上述の場合、予備加工時切込み15の垂直方向両側のうちの不要部分19側の反対側に予備加工時切込み15の少なくとも一部分が凸を成すように、予備加工用切断刃4が予備加工時切込み15を形成してもよい。すなわち、予備加工用切断刃4の端近傍部22の曲げ方向が、必要部分18側に向いている。これによって、予備加工工程後のシート材11において、予備加工時切込みの垂直方向両側のうち、不要部分19側の浮上がり量よりも必要部分18側の浮上がり量の方が大きくなるため、本加工工程時に不要部分19の反対側の浮上がりに起因する不具合が発生し難くなる。したがって、本発明の加工装置は、不要部分19の反対側の浮上がりに起因する製品12の歩留まりを改善することができる。
図2の製造装置2において、加工装置1の予備加工用切断刃4による切込み15が該切込み15の少なくとも一部が凸を成すように形成されているため、予備加工工程後のシート材11の浮上がりに起因する不具合が防止される。これによって、図2の製造装置2は、シート材11の浮上がりに起因する製品12の歩留まりを従来技術よりも向上させることができる。特に、製造装置2がいわゆるトランスファ加工を行う場合、加工装置1においてシート材11の浮上がり量を抑制していれば、加工装置1から除去機構9までの移送時の不要物13の飛散が防止されるので、不要物13に起因する製品12の歩留まりが向上する。
たとえば、長手方向端近傍部22が不要部分19側に凸を成すように予備加工時切込み15が形成されている場合、不要部分19が浮上がりにくくなる。ゆえに、本加工工程終了から不要物13の除去工程開始までの間の不要物13の飛散が抑制されるため、除去機構9による不要物13の除去が困難になる不具合が少なくなる。これによって、製造装置2は、製品12上に不要物13が付着することが少なくなるため、製品12の歩留まりが向上する。
図4〜図6は、図1の加工装置1によって加工されたシート材11の他の形態を示す上面図である。予備加工時切込み15の形状について、図3〜図6の上面図を参照して、以下に説明する。本明細書において、「湾曲」とは、端で連なる2つの線分または半直線の形状と、滑らかな曲線状の形状との両方の意味を含む。端で角度を成して連なる2つの線分または半直線の形状とは、理想的には、連続かつ微分不可能な形状を指し、例としては、鋭角形状あるいは鈍角形状を指す。滑らかな曲線状の形状とは、理想的には、微分可能な形状を指し、例としては、円弧形状を指す。
予備加工時切込み15が形成されたシート材11を厚み方向に見て、端近傍部22の接線方向と、製品領域17の外縁部における長手方向中央部21の接線方向とが成す角度を、「湾曲角度」(θ)と称する。湾曲角度θならびに長手方向中央部21および端近傍部22の長さは、予備加工工程後のシート材11において、予備加工時切込み15の端に生じる応力集中箇所が製品領域17に掛からず、かつ予備加工時切込み15の垂直方向片側の部分の浮上がり量が充分抑制されるように、選ばれる。本実施形態において湾曲角度θは、予備加工時切込み15の端近傍部22の接線方向と、切込み中央部21の中心軸線とが成す角度に一致する。すなわち、予備加工時切込み15の端近傍部22が凸形状を成さない場合の仮想の端近傍部の中心軸線と、凸形状を成す実際の端近傍部22の接線との成す角度である。
図3の上面図の予備加工時切込み15に示すように、湾曲角度θが45度以上であれば、予備加工工程後、シート材11の長手方向中央部21の垂直方向両側において、打抜き台34からの浮上がり量の差異が顕著になる。特に、予備加工時切込み15の長手方向の端の位置におけるシート材11の部分的な浮上がり量は、図3において左側に位置する部分の浮き上がり量が、反対側の浮上がり量よりも充分に小さくなる。これによって、加工装置1は、予備加工工程後のシート材11における予備加工時切込み15の端の位置する側の浮上がりに起因する不具合を、確実に抑制することができる。ゆえに、湾曲角度θは、好ましくは、45度以上である。
また、図4の上面図の予備加工時切込み15に示すように、湾曲角度θが90度以下であれば、予備加工工程後のシート材11の予備加工時切込み15の切込み中央部21よりも端近傍部22の方が製品領域17から遠ざかる。これによって、加工装置1は、予備加工工程後のシート材11の予備加工時切込み15の一部が鋭角形状を成して応力集中箇所がさらに生じることを防止することができる。ゆえに、湾曲角度θは、好ましくは、90度以下である。
予備加工時切込み形状が、複数の線分が端で連なる形状に形成され、前記湾曲角度θが0度以上90度以下に設定される場合、切込み中央部22の延びる方向と端近傍部22の延びる方向とは、鈍角を成す。予備加工時切込み形状が複数の線分が端で連なる形状に形成され、かつ湾曲角度θが90度を超えてかつ180度以下である場合、切込み中央部22の延びる方向と端近傍部22の延びる方向とは、鋭角を成す。予備加工時切込み15の両端の凸形状の部分は、鋭角形状を成す場合よりも、鈍角形状を成す場合の方が、切断歯をシート材11へ押圧した後、予備加工用切断刃4がシート材11から離反する際に、予備加工用切断刃4をスムーズにシート材11から抜取ることができる。ゆえに、予備加工時切込み15は、端近傍部22が鈍角形状を成すことが好ましく、湾曲角度θが45度以上90度以下の鈍角形状を成すことが、より好ましい。
予備加工時切込み15は、図3および図4の上面図に示すように、長手方向の端近傍部22が鈍角形状を成す。これに限らず、図5の上面図に示すように、予備加工時切込み15の端近傍部22が円弧形状を成していてもよい。これによっても、加工装置1は、予備加工工程後のシート材11の予備加工時切込み15の凸形状の部分に応力集中箇所がさらに生じることを防止することができ、かつ、予備加工工程時に予備加工用切断刃4をシート材11からスムーズに離反させることができる。
図3〜図5の上面図は、予備加工時切込み15の切込み中央部21の垂直方向両側のうちの不要部分19側に端近傍部22が凸を成す場合を例として、予備加工時切込み15の詳細な形状を説明している。これに限らず、図3〜図5で説明した予備加工時切込み15の詳細な形状は、図6に示すように、予備加工時切込み15の切込み中央部21の垂直方向両側のうちの不要部分19側とは反対側に端近傍部22が凸を成す場合に適用されても良い。すなわち、後者の場合であっても、予備加工時切込み15は、端近傍部22が湾曲角度θが45度以上90度以下の鈍角形状を成すことが好ましく、また端近傍部22が円弧形状を成してもよい。
シート材11に対する切断刃4,5を用いる加工工程において、具体的には、シート材11の厚み方向からシート材11を押切るように、形成すべき切込み15,16と同形状の稜線を有する切断刃4,5がシート材11に対して押圧される。これによって、切断刃4,5の稜線の形状と同形状の切込み15,16が、シート材11に容易に形成される。切断刃4,5の稜線とは、切断刃4,5の最も尖った部分が連続することで形成される線であり、いわゆる切断刃4,5のエッジに等しい。
これに限らず、前記加工工程において、形成すべき切込み15,16よりも稜線が小さい切断刃4,5がシート材11の厚み方向から突刺され、該切込み15,16と同形状の軌跡を描くように、該切断刃4,5がシート材11の面方向に移動してもよい。これによって、加工装置1は、前記切込み15,16よりも稜線が小さい切断刃4,5を用いても、所定の形状の切込みを形成することができる。
図1の加工装置1において、シート材11の厚み方向から切断刃4,5を押圧することでシート材11に切込み15,16が形成される場合、切断刃4,5の刃形は、図3〜図5の本加工工程後のシート材11の上面図における切込み15,16の形状と同等である。この場合、予備加工用切断刃4の稜線の構成は、予備加工時切込み15の構成と同等である。すなわち、予備加工用切断刃4の稜線は、好ましくは、中央の稜線に対して端近傍の稜線の成す角度が45度以上に選ばれる。より好ましくは、予備加工用切断刃4の稜線は、該稜線の長手方向の端近傍部が湾曲角度θが45度以上90度以下の鈍角形状を成すことが好ましく、また該端近傍部が円弧形状を成してもよい。
図1の加工装置1において、シート材11は、たとえば、複数の形成層が積層された積層体で実現される。この場合、本加工用切断刃5は、シート材11内の全形成層のうちの少なくとも2層の形成層を切断し、予備加工用切断刃4は、本加工用切断刃5によって切断されるべき少なくとも2層のうちの一部の形成層を切断する。本明細書において、シート材11が積層体である場合、「シート材11の一部分を分割する」とは、「厚み方向に見たときのシート材11の一部の領域を分割する」ことだけでなく、「シート材11を形成する複数の形成層のうちの一部の層を分割する」ことも含む概念である。
このように本実施形態においては、複数の形成層を有するシート材11に対し、本加工用切断刃5が切断する形成層の数よりも予備加工用切断刃4が切断する形成層の数の方が少ない。これによって、予備加工工程時と本加工工程時とで切断される形成層の数が異なる構成の加工工程であっても、図1の加工装置1は、少なくとも一部分が凸形状を成す切込み15を予備加工用切断刃4がシート材11に形成しているため、予備加工工程後のシート材11における予備加工時切込み15の切込み中央部21の垂直方向両側の浮上がりを非対称化することができる。したがって、加工装置1は、上述の加工工程であっても、シート材11の浮上がりに起因する不具合の発生を防止することができる。
すなわち、図1の加工装置1は、複数の形成層を有する積層体で実現されるシート材11に対し、予備加工工程時にいわゆるハーフカット加工を施し、かつ本加工工程時にいわゆるフルカット加工を施す。加工装置1は、ハーフカット加工とフルカット加工とが組合される加工工程であっても、ハーフカット加工時に形成される予備加工時切込み15の端近傍部22が凸形状を成すため、ハーフカット加工後のシート材11における予備加工時切込み15の垂直方向両側の浮上がり量を非対称化することができる。したがって、加工装置1は、上述の加工工程であっても、シート材11の浮上がりに起因する不具合の発生を防止することができる。
また、シート材11が複数の形成層を有する積層体である場合、好ましくは、図1の加工装置1は、固定機構7をさらに含む。固定機構7は、本加工用切断刃5による分割に先立って、シート材11の必要部分18および不要部分19を除く残余の余白部分となるべき領域内の予備加工時切込み15近傍であって、予備加工時切込み15よりも不要部分19となるべき領域側の位置で、シート材11内の少なくとも2層の形成層を相互に固定する。これによって、本加工工程後の不要物13の飛散が抑制されるため、加工装置1は、不要物13の飛散に起因する製品12の歩留まりをも改善することができる。なお、固定機構7は、2層の形成層を接着して固定する接着剤そのものではなく、2層の形成層の固定のために接着または溶着を行う手段である。
特に、シート材11が積層体である条件下において、予備加工時切込み15の少なくとも一部分が不要部分19側とは反対側に凸を成すように予備加工時切込み15が形成されている場合、より好ましくは、図6に示すように、前記余白部分となるべき領域内の予備加工時切込み15の近傍であってかつ不要部分19となるべき領域側の位置にある固定箇所24において、不要物13として分割されるべき形成層の一部分が相互に固定される。
予備加工時切込み15が形成される場合、予備加工時切込み15の凸が向かう先の浮上がり量は小さくなるが、溶着などによる固定箇所24から近い側の浮上がり量は、予備加工時切込み15の形状に関わらず小さくなる。図6に示す実施の形態では、不要部分19近傍の形成層が予め固定されることによって、該不要部分19側の浮上がり量は、大幅に小さくなり、製品領域17側よりも小さくなる。また、上述の場合では、不要部分19だけでなく不要部分19の反対側の必要部分18の浮上がり量も小さくなるため、シート材11全体の浮上がりが抑えられる。したがって、加工装置1は、予備加工工程後のシート材11の浮上がりに起因する不都合をより確実に抑制することができる。
図1の加工装置1は、具体的には、予備加工用切断刃4の長手方向の両端の近傍部22が垂直方向片側にそれぞれ凸形状を成している。これによって、予備加工用切断刃4は、いわゆるコの字型になる。予備加工用切断刃4がコの字型であるため、予備加工工程後に発生する応力集中箇所が、コの字型の予備加工時切込み15の端近傍部22に遷移する。
予備加工用切断刃が直線型である従来技術の場合は応力集中箇所が予備加工時切込み55に対し垂直方向両側で線対称に分布するため、予備加工工程後のシート材51が予備加工時切込み55の垂直方向両側で対称に浮上がる。これに対し、予備加工用切断刃4がコの字型である図1〜図5に示す実施形態の場合は、予備加工時切込み15の垂直方向両側のうち、シート材11の凸形状に形成される側の浮上がり量よりも、凹形状に切込まれる側、すなわち凸が向かう先の浮上がり量の方が小さくなる。ゆえに、予備加工工程後のシート材11において、予備加工時切込み15の垂直方向両側の浮上がり量を相互に非対称にすることができる。
また図1〜図5に示す実施の形態の加工装置1において、より具体的には、予備加工時切込み15の垂直方向両側のうち不要部分19側が凹形状となるように、コの字型の予備加工用切断刃4が配置される。換言すれば、予備加工時切込み15の凸の向かう先に不要部分19が位置する。これによって、予備加工工程後のシート材11において不要部分19側の部分の浮上がり量が、凸形状に形成される必要部分18の浮上がり量よりも小さくなるため、本加工工程後のシート材11において不要部分19が飛散しにくくなる。
さらにまた図6に示す実施の形態の加工装置1において、より具体的には、予備加工時切込み15の垂直方向両側のうち必要部分18側が凹形状となるように、コの字型の予備加工用切断刃4が配置される。かつ、加工装置1は、不要部分19側である凸形状部分において、シート材の複数の形成層のうちの不要物13として分割される少なくとも2層を固定する。
これによって、予備加工工程後のシート材11において予備加工時切込み15の垂直方向両側のうち不要部分19側が凸形状に形成されていると、不要部分19の浮上がり量が凹形状に形成される側の浮上がり量よりも大きくなる筈だが、該凸形状の部分が固定されるので、凸形状である不要部分19側の浮上がり量が従来技術よりも大幅に小さくなり、凹形状に形成される側の浮上がり量よりもさらに小さくなる。また、凹形状である必要部分18側の浮上がり量も小さいため、シート材11全体の浮上がりが抑えられる。
加工装置1および製造装置2の詳細な構成について、図1および図2を参照して、以下に説明する。以下の説明では、材料であるシート材11が、単層かつ長尺の薄膜を複数枚重ね合わせた構成である光学積層シートで実現され、かつ、図3に示す構成の製品12が生成される場合を例にしている。また、図2の製造装置2は、いわゆるトランスファ加工を行う。
図1および図2の例において、製品12は、予備加工用切断刃4および本加工用切断刃5によってシート材11から打抜かれた製品形状のシート状部材である。図3の製品12は、略矩形状のシート状部材であって、かつ、最下層の形成層だけが他の形成層と比べて長辺側が長尺に形成されている。製品12は、本実施形態で説明する形状および材質に限らず、様々な形状および材質で実現されてでもよい。
不要物13は、予備加工用切断刃4および本加工用切断刃5によってシート材11から打抜かれた不要な部分である。図3の製品12の製造時には、前記他の形成層のうち、製品12の最下層の上部に当たる一部分が、不要物13として分割される。この場合、不要物13は、製品12の最下層の長尺の形成層の上に存在しているので、除去する必要がある。不要物13は、本実施形態で説明する形状および位置に限らず、様々な形状および位置で実現されてもよい。
図2の製造装置2は、加工装置1と除去機構9との他に、積層機構30をさらに含む。積層機構30は、長尺の原シート材31を複数枚重ね合わせて、原シート材31の積層体であってかつ長尺のシート材11を生成する。複数の長尺の原シート材31は、それぞれロール状に巻取られた状態で用意されている。
原シート材31は、製品12の材料である材料シートを少なくとも含み、製品12の製造を補助する副資材シートをさらに含むことがある。前記材料シートは、たとえば、光を拡散する拡散シート、および光を集光するプリズムシートなどで実現される。また前記材料シートは、前記光学シートのみならず、製品12に用いられる各種の薄膜状のシート材であってもよい。前記副資材シートは、たとえば、搬送用のキャリアシート、および打抜き工程で使用される刃当てシートなどで実現される。本実施形態では、シート材11は、2枚の拡散シートと2枚のプリズムシートと1枚の刃当てシートとを重ね合わせた積層体で実現されるが、この組合わせに限らずどんな種類の原シート材の組合わせでもよく、重ね合わせる枚数も任意である。
加工装置1は、予備加工用切断刃4と本加工用切断刃5と押圧源6との他に、打抜き型33と打抜き台34とを含む。打抜き型33は製品12をシート材11から打抜くものであって、予備加工用切断刃4および本加工用切断刃5を有している。また、打抜き型33は、複数の切断刃を有することができ、複雑な形状の製品12を打抜くことができる。押圧源6は、シート材11に対して打抜き型33をシート材11の厚み方向に沿って押圧離反させることによって、シート材11の異なる位置を予備加工用切断刃4および本加工用切断刃5によって同時に打抜くことができる。
予備加工用切断刃4および本加工用切断刃5は、直線状に延びた帯状の形状を有した刃がそれぞれ所定の形状に湾曲させられた形状になっている。両切断刃4,5は、シート材11の面方向に対し略垂直に突出するように、配置される。予備加工用切断刃4および本加工用切断刃5としては、具体的には、例えばトムソン刃、ピナクル刃、または彫刻刃等で実現されてもよい。
予備加工用切断刃4は、図4〜図6に示す形状の予備加工時切込み15を形成するために、製品12の形状の一部分を打抜く長手方向中央部とシート材11の廃棄すべき余白部分を打抜く端近傍部とを含み、かつ端近傍部の稜線が直線状ではなく凸形状を成す。予備加工用切断刃4の形状は図4〜図6の切込み15を形成可能な形状に限らず、他の形状を成していてもよい。ただし、効果を向上させるため、予備加工用切断刃4は、長手方向中央部21を形成する部分の稜線の延長線に対して、端近傍部の稜線が45度以上の湾曲角度θを成すことが望ましい。
打抜き台34は、シート材11を両切断刃4,5によって打抜く際に、シート材11を載置する為の基台である。打抜き台34は、シート材11を挟んで打抜き型33と対向する位置に、配置される。打抜き台34の載置面は、平面形状であって、かつ、シート材11の面方向に対し平行である。
固定機構7は、図2の例では、シート材11の形成層の固定に、溶着を用いている。このために、固定機構7は、超音波溶着機36と溶着台37とを含む。固定機構7による形成層の固定手法としては、溶着の他に、熱圧着、粘着剤を用いる接着、または両面テープを用いる接着が選ばれても良い。
超音波溶着機36は、シート材11の少なくとも2層の形成層を、超音波を用いて相互に溶着する。溶着台37は、シート材11を溶着する際に、シート材11を載置する為の基台である。溶着台37は、シート材11を挟んで超音波溶着機36と対向する位置に、配置される。溶着台37の載置面は、平面形状であって、かつ、シート材11の面方向に対し平行である。
除去機構9は、図2の例では、不要物13を吸引除去している。このために、除去機構9は、吸引源40と、吸引ノズル41と、吸引台42とを含む。吸引ノズル41は、不要物13を吸引除去するための中空のノズル部材である。吸引ノズル41には、不要物13を除去するための吸引口と、吸引した空気および不要物13を排出するための排気口とが設けられる。
吸引源40は、吸引ノズル41の排気口に接続されており、吸引ノズル41内の気体を吸引する。吸引源40による気体吸引に伴って、吸引ノズル41の吸引口から吸引ノズル41内部に流入する気流が発生する。吸引口に流入する気流によって、不要物13が吸引ノズル41内部に回収除去される。吸引台42は、不要物13を吸引ノズル41によって吸引除去する際に、シート材11を載置する為の基台である。吸引台42は、シート材11を挟んで吸引ノズル41と対向する位置に、配置される。吸引台42の載置面は、平面形状であって、シート材11の面方向に対し平行である。
図2の製造装置2においては、溶着台37と打抜き台34と吸引台42とが、搬送されるシート材11の厚み方向両側のうちの同じ側に配置されている。本明細書の説明では、積層体であるシート材11を基準として、打抜き台34に近い側を「下」側と称し、打抜き型33に近い側を「上」側と称する。図2の製造装置2は、もちろん、単層のシート材11の打抜き加工に用いることもできる。
図2の製造装置2における製品12の製造工程を、以下に説明する。製造工程は、重ね合わせ工程、形成層の固定工程、予備加工工程、本加工工程、および不要物の除去工程を含む。
まず、積層機構30において、重ね合せ工程として、複数枚の原シート材31が、巻取られているロールからそれぞれ供給され、相互に重ね合わされる。重ね合わせの際、製品12の材料となる材料シートよりも副資材シートの方が下側に配置される。積層機構30によって生成された積層体状のシート材11が、加工装置1の固定機構7の溶着台37の上方に順次搬送される。
長尺のシート材11には、複数の製品領域17が、シート材11の長手方向に沿って間隔を空けて並べられている、シート材11の長手方向は、シート材11の搬送方向28と等しく、各製品領域17は該搬送方向28に向かって送られる。以後の説明では、長尺のシート材11の任意の単一の製品領域17に対する処理について説明する。製造装置2はトランスファ加工を用いているので、複数の製品領域17に対して製造装置2の内部機構がそれぞれ並列に処理を施すことになる。
シート材11の未加工の製品領域17が超音波溶着機36の直下に搬送されると、固定機構7において、形成層の固定工程として、超音波溶着機36が下降して、シート材11の所定の形成層間を溶着し、相互に固定する。溶着を用いて形成層同士を強固に固定することによって、打抜き時や吸引時にシート材11の形成層が相互にずれることが少なくなる。また、加工工程後に両切断刃4,5に付着する異物の量が減るという効果もある。
固定機構7によるシート材11の固定箇所の位置は、たとえば、シート材11の必要部分18および不要部分19を除く残余の余白部分になるべき領域内に選ばれる。具体的には、シート材11の製品領域17の周辺であって必要部分18の四隅の外側が、固定箇所に選ばれる。また前記固定箇所に応力集中が生じることがあるため、応力集中箇所が製品領域17に掛からないように、前記固定箇所は製品領域17から充分に離される。さらにまた、前述したように、予備加工時切込み15の端近傍部22が不要部分側に凸を成す場合、余白部分となるべき領域内の不要部分19近傍の位置で、シート材11の形成層の少なくとも2層が、相互に溶着される。溶着後のシート材11は、加工装置1の打抜き台34の上に搬送される。
図1の加工装置1は、溶着後のシート材11の単一の製品領域17に対して、予備加工用切断刃4を用いる予備加工工程と、本加工用切断刃5を用いる本加工工程とを、この順で順次実行する。図1の例では、予備加工用切断刃4と本加工用切断刃5とは単一の打抜き型33に固定されているので、打抜き型33の1回の押圧離反動作によって2つの製品領域17に対して予備加工工程および本加工工程がそれぞれ実行されることになる。
まず、溶着後のシート材11の製品領域17が、加工装置1の予備加工用切断刃4の直下に搬送される。搬送後、予備加工工程として、押圧源6が打抜き型33をシート材11の厚み方向に沿って下降させることによって、予備加工用切断刃4がシート材11の製品領域17の所定位置を押圧しながら打抜く。これによって、シート材11に予備加工時切込み15が形成される。このとき、シート材11内の打抜かれる形成層は、シート材11内の全材料シートのうちの最下層の材料シートを除く残余の材料シートだけである。また予備加工用切断刃4は、シート材11内の副資材シートも打抜かない。予備加工用切断刃4によって打抜かれた予備加工時切込み15の切込み中央部21の長手方向は、シート材11の搬送方向28に直交している。
シート材11の搬送に伴ってシート材11が搬送方向28の両側から引っ張られているために、シート材11内の予備加工時切込み15の長手方向両端に応力集中が生じる。この様な状況下において、従来技術のような直線形状の切断刃が用いられる場合、打抜かれた切込みの長手方向両端に応力集中箇所が生じ、かつ、該切込みの長手方向中心軸線を対称軸として応力集中箇所が線対称に分布する。このため、前記切込みの搬送方向両側の部分が該切込みを対称軸として対称に変形するため、シート材が前記切込みの搬送方向両側で対称に浮上がる。
これに対し、本実施形態のようなコの字型の予備加工用切断刃4が用いられる場合、予備加工時切込み15の長手方向中央部21がシート材11の搬送方向28と直交し、かつ、予備加工時切込み15の形状が長手方向中央部21を対称軸として非対称である。ゆえに、本実施形態でも、予備加工時切込み15の長手方向両端に応力集中箇所が生じるが、予備加工時切込み15が非対称なので、シート材11の予備加工時切込み15の切込み中央部21の搬送方向両側のうちの一方側だけが大きく浮上がり、他方側の浮上がりが小さくなる。
ゆえに、図3〜図5に示す実施形態の加工装置1において、予備加工用切断刃4の長手方向端近傍部22が、不要部分19側に凸を成す形状に形成する場合には、必要部分18側の浮上がり量は図7に示す従来技術の場合よりも大きくなるけれども、不要部分19側の浮上がり量が必要部分18側よりも小さくなる。これによって、本加工工程後に不要物13が飛散することが少なくなる。また逆に、予備加工用切断刃4の端近傍部22が不要部分19側とは反対側に凸を成すことによって、不要領域19側の浮上がり量を大きくし、必要部分18側の浮上がり量を小さくする。かつ、このままでは不要物13が飛散しやすくなるため、図6のようにシート材11の不要部分19近傍の余白部分となるべき領域を溶着する。これらによって、加工装置1は、不要部分19側の浮上がり量を必要部分18側よりも抑えつつ、必要部分18側の浮上がり量をも小さくすることができる。
予備加工工程後のシート材11の製品領域17は、本加工用切断刃5の直下に搬送される。搬送後、本加工工程として、押圧源6がシート材11の厚み方向に沿って打抜き型33を下降させることによって、本加工用切断刃5がシート材11の製品領域17の外周を押圧しながら打抜く。このとき、シート材11内の打抜かれる形成層は、総ての材料シートである。また予備加工用切断刃4は、シート材11内の副資材シートは打抜かない。
これら2回の加工工程によって、シート材11から製品12および不要物13が打抜かれる。また、1回目の打抜きにコの字型の予備加工用切断刃4を用いることによって、製品12および不要物13が除去機構9に搬送されるまでに、不要物13が飛散して除去機構9で除去できなくなることが少なくなる。
製品12および不要物13の分割後のシート材11の製品領域17は、除去機構9の吸引ノズル41の直下に搬送される。搬送後、不要物除去工程として、除去機構9は、シート材11の余白部分および製品12を押さえ付けつつ、吸引ノズル41の吸引口へ流入する気流の流速を上昇させる。これによって押さえ付けられていない不要物13だけが吸引口に吸引されるので、シート材11上から除去される。除去後、除去機構9は、吸引ノズル41の吸引口へ流入する気流の流速を低下させ、かつシート材11の余白部分および製品12の押さえ付けを解除する。この結果、製品12だけがシート材11上に残る。製造装置2がトランスファ加工を用いているため、除去機構9の吸引ノズル41の移動機構が従来技術よりも簡略化されている。
不要物13の除去後、製品12は、シート材11の余白部分と共に除去機構9から搬送され、ロボットハンド等の回収機構によって、シート材11の余白部分から分離して回収される。また、不要物除去工程後のシート材11は、ロール等によって製品12と分断されて回収される。以上の工程によって、長尺のシート材11から製品12が分割され、かつ不要物13が除去される。これによって、製造装置2は、トランスファ加工を用いる製品12の製造時に、不要物13の飛散に起因する製品12の歩留まりを改善することができる。
上述の実施形態の加工装置1および製造装置2は、本発明の構成要素の最良の実施形態の1つである。本発明の構成要素の詳細構成は、上述の作用効果が発揮可能な構成であれば、上述した構成に限らず、他の様々な構成が用いられてもよい。また、本発明の加工装置およびシート加工方法は、光学積層シートはもちろん、あらゆる薄膜状のシート材11の加工有効な手法であり、用途の広いものである。また本発明の製造装置もまた、光学積層シートを含むあらゆる薄膜状の製品の製造に有効な手法であって、用途の広いものである。
1 加工装置
2 製造装置
4 予備加工用切断刃
5 本加工用切断刃
6 押圧源
7 固定機構
9 除去機構
11 シート材
12 製品
13 不要物
15 予備加工時切込み
16 本加工時切込み
17 製品領域
18 必要部分
19 不要部分
21 予備加工時切込みの長手方向の中央部
22 予備加工時切込みの長手方向の端近傍部
24 シート材の固定箇所
28 シート材の搬送方向
30 積層機構
31 原シート材
33 打抜き型
34 打抜き台
36 超音波溶着機
37 溶着台
40 吸引源
41 吸引ノズル
42 吸引台
θ 予備加工時切込みの湾曲角度

Claims (7)

  1. 積層された複数の形成層を含む積層体として形成されるシート材のうち、少なくとも一部の形成層に切込みを形成するための予備加工用切断刃であって、前記切込みの2つの端を互いに角度を成す2方向にそれぞれ延びて形成する予備加工用切断刃と、
    前記切込みが形成された前記シート材から前記シート材のうちの必要部分を分割するための切断を行う本加工用切断刃と、
    前記予備加工用切断刃および前記本加工用切断刃を前記シート材に対して押圧する押圧手段とを含むことを特徴とする加工装置。
  2. 前記本加工用切断刃は、前記シート材内の全ての形成層のうちの少なくとも2層の形成層を切断し、
    前記予備加工用切断刃は、前記本加工用切断刃によって切断されるべき少なくとも2層のうちの一部の形成層を切断することを特徴とする請求項1記載の加工装置。
  3. 前記予備加工用切断刃は、前記シート材のうち製品の少なくとも一部分となるべき前記必要部分と製品の形成に関する不要物の少なくとも一部分となるべき不要部分とを分割し、かつ、前記予備加工用切断刃によって形成される切込みの少なくとも一部分は、前記不要部分側に凸を成す形状に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の加工装置。
  4. 前記予備加工用切断刃は、前記シート材のうち製品の少なくとも一部分となるべき前記必要部分と製品の形成に関する不要物の少なくとも一部分となるべき不要部分とを分割し、かつ、前記予備加工用切断刃によって形成される切込みの少なくとも一部分は、前記不要部分側の反対側に凸を成す形状に形成されており、
    前記本加工用切断刃による分割に先立って、前記シート材の前記必要部分および不要部分を除く残余の余白部分となるべき領域内の前記切込み近傍であって前記不要部分となるべき領域が存在する側の位置で、前記シート材内の少なくとも2層の形成層を相互に固定する固定機構をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の加工装置。
  5. 前記予備加工用切断刃の稜線は、中央の稜線に対して端近傍部の稜線の成す角度が45度以上に選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加工装置。
  6. 薄膜状のシート材の一部分を分割することによって、薄膜状の製品を形成する請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の加工装置と、
    前記加工装置による前記製品の形成時に前記製品の形成に関する不要部分として前記シート材から分割された不要物を、前記製品近傍から除去する除去機構とを含むことを特徴とする製造装置。
  7. 積層された複数の形成層を含む積層体として形成されるシート材のうち、少なくとも一部の形成層に対して、互いに角度を成す2方向に2つの端がそれぞれ延びて形成される切込みを形成する予備加工工程と、
    予備加工工程後の前記シート材から前記シート材のうちの必要部分である薄膜状の製品を分割する本加工工程とを含むことを特徴とするシート加工方法。
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