JP2011074914A - 消音構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】消音構造1は、ガス(流体)の流路途中に設けられるものであり、前後の流路(入口管41の入口側流路41r、および、出口管42の出口側流路42r)に接続されている。また、消音構造1は、管10と、耐熱性粒状体20とを備える。管10の内側には流路空間1sが形成されている。耐熱性粒状体20は、平均粒径が5mmの天然の小石であり、管10の内側に収容されている。
【選択図】図2
Description
そこで、本発明が解決しようとする課題は、高温の流体中における、消音構造の消音性能の低下を防止することである。
「耐熱性粒状体」とは、融点が1000℃以上である材料の粒状体のことであり、材料の具体例としては、次の(i)乃至(iii)のようなものが該当する。
(i)天然材料;砂(砕屑性堆積物)、砂利、小石、石などのように、岩石が水流などによって小さくなったもの
(ii)金属材料;鉄、銅、鉛、アルミニウムなど
(iii)セラミックス材料;アルミナなど
また、仕切り壁の材料としては、金属、セラミックスなどを利用できる。
また、前記収容空間は、前記仕切り壁、及び、前記2つの蓋板によって囲まれた空間であり、前記収容空間の外側であって、かつ、前記管の内側に、前記流路空間が形成されていてもよい。
なお、支持板による収容体の「支持」とは、支持板によって、管に対する収容体の位置が固定されることを示している。
また、支持板の材料としては、金属、セラミックスなどを利用できる。
支持板と収容体とを固定する方法(または、支持体と管とを固定する方法)については、溶接、接着などであってもよいし、また、一方の凸部を他方の凹部に挿入する方法であってもよい。
なお、環状板と外周板との「結合」とは、溶接、接着などによって固定されている状態の他、両者が一体的に成形された状態をも含む。
以下、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態に係る消音構造1は、ガス(流体)の流路途中に設けられ、ガス(流体)中を伝播する音波を吸収するものである。図においては、流体の進行方向Gを、矢印G方向で表わしている。
消音構造1には、管10と、複数個の耐熱性粒状体20と、仕切り壁30とが含まれる。管10は、前後の流路(入口側流路41rおよび出口側流路42r)に接続されており、管10の内側には流路空間1sが形成されている。また、耐熱性粒状体20は、管10の内側に収容されている。以下、各部の詳細について説明する。
管10は、金属材料からなり、2つの環状板11と、円筒状の外周板12とを有する。環状板11は、円板であって、その中央に貫通孔(中央孔)が形成されたものである。環状板11は、流体の進行方向G(図の矢印G方向)に対して垂直に配置されている。また、外周板12の両端に、2つの環状板11の外周端が固定されている。
仕切り壁30は、金属製であり、円筒状に形成されている。また、仕切り壁30は多孔材から成る。すなわち、仕切り壁30には多数の貫通孔30hが形成されている。それぞれの貫通孔30hの内径は、耐熱性粒状体20の平均粒径よりも小さく、2mmである。そして、仕切り壁30における開口率は、約50%である。貫通孔30hの内径は、耐熱性粒状体20の平均粒径(後述)よりも小さい。
次に、耐熱性粒状体20について説明する。本実施形態の耐熱性粒状体20は、平均粒径5mm(ふるい分け法により測定)の、天然の小石である。耐熱性粒状体20は耐熱性であり、その融点は約1000℃である。また、耐熱性粒状体20は、小石(岩石の粒状体)であるために、化学的に安定している。
次に、消音構造1の作用について説明する。入口管41の内部を流れてきた高温(約400度)のガス(流体)は、消音構造1の流路空間1sを流れ、その後、出口管42の内部に送られる。ガスが流路空間1sを通過する際に、このガス中を伝播する音波が、貫通孔30hを通って耐熱性粒状体20に伝わり、耐熱性粒状体20によって吸収される。また、吸音材料(耐熱性粒状体20)が耐熱性を有しているため、高温の流体中においても、消音構造1により高い消音効果(吸音効果)が得られる。
次に、本実施形態に係る消音構造1により得られる効果について説明する。消音構造1は、ガス(流体)の流路途中に設けられるものであって、前後の流路(入口側流路41r、および、出口側流路42r)に接続され、内側に流路空間1sが形成された管10と、管10の内側に収容された、耐熱性粒状体20と、を備える。
その他の効果について説明する。上記の実施形態のように、耐熱性粒状体20として、小石、砂などの化学的に安定な材料を使用することにより、塩化水素などの腐食性ガスを含む流体に晒された場合であっても、耐熱性粒状体20の腐食が抑制される。
消音構造1においては、耐熱性粒状体20の平均粒径が、1mm以上、かつ、15mm以下であり、吸音材料の粒径が、上記の特許文献1の粉体に比べて大きく設定されている。その結果、特許文献1の粉体が使用される場合に比べて、消音構造1においては、耐熱性粒状体20が多孔材の孔を通りにくい。そのため、耐熱性粒状体20が、収容空間30sから外へ飛散し難い。
また、耐熱性粒状体20が硬い材料(小石)から成るため、吸音材料として軟らかく変形し易いもの(グラスウールなど)が用いられる場合に比べて、吸音材料が劣化しにくい。この観点においても、吸音材料の飛散が抑制される。
次に、第1実施例について説明する。ここでは、耐熱性粒状体20の垂直入射吸音率を、JIS A 1405「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定方法」に従って測定した。また、当試験では、耐熱性粒状体20の、入射方向に関する厚みを40mmとして試験を行なった。試験の結果、図3に示すように、1400Hz、及びその前後の周波数で、特に高い消音効果が得られた。
次に、消音構造の実施例(試験結果)について説明する。ここでは、図4に示す消音構造101を用いて、消音構造101を通過した音波の音圧レベルを測定した。
SPL=20log10(P1/Po) 式(1)
SPL:音圧レベル[dB]
P1:測定対象音の音圧[N/m2]
Po:基準音圧(2×10-5 N/m2)
次に、本発明の第2実施形態について、図6を用いて説明する。上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。
以下、上記の第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。図6において、符号201、201s、230、230h、及び230sを付した部分は、それぞれ、第1実施形態において、符号1、1s、30、30h、及び30sを付した部分に相当し、同様の機能を有する。なお、図6(a)は、図6(b)のC−C’断面図に相当する。
収容体230は、管10の内側に配置されている。収容体230は、金属製であり、仕切り壁231及び2つの蓋板232を有する。収容体230の軸方向は、管10の軸方向に一致している。また、収容体230の軸方向は、進行方向Gに一致している。
蓋板232は円板であり、蓋板232に貫通孔は形成されていない。また、2つの蓋板232の外周端は、仕切り壁231の両端に固定されている。
なお、D1及びD3の関係については、次の式が満たされていることが望ましい。
0.9D1< D3 < 0.95D1 式(2)
収容体230と管10との間には、8つの支持板10tが配置されている。それぞれの支持板10tは、板状に形成され、管10の径方向に沿って伸びるように配置されている(図7(b)参照)。そのため、支持板10tは、径方向に対して平行である。また、全ての支持板10tは、その表面が、進行方向Gに対して平行となるように配置されている。
収容体230を挟んで、2つの支持板10tが対向している。この対向する2つの支持板10tを、支持板対(一対の支持板)とする。一組の支持板対は、管10の、同一の直径線上に配置されている。そして、4つの支持板10tは、2組の支持板対の延長面同士が直交するように配置されている(図6(b)参照)。すなわち、2組の支持板対が配置される直径線同士は直交する。なお、支持板の配置はこのようなものには限られず、例えば、3つの支持板が、収容体230の外周に、等間隔(120°間隔)で配置されていてもよい。
入口管41から管10に流れ込んだガスは、流路空間201sへ流れ、その後、出口管42の内部に送られる。ガスが流路空間201sを通過する際に、このガス中を伝播する音波が、貫通孔230hを通って収容空間230sの耐熱性粒状体20に伝わり、耐熱性粒状体20によって吸収される。
本実施形態による効果について説明する。消音構造201においては、耐熱性粒状体20のための収容空間230sを有する収容体230が、管10の内側に配置されており、収容体230は、多孔材から成る円筒状の仕切り壁231と、2つの蓋板232と、を有している。
また、収容空間230sは、仕切り壁231、及び、2つの蓋板232によって囲まれた空間であり、収容空間230sの外側であって、かつ、管10の内側に、流路空間201sが形成されている。
この構成によると、簡素な構成により、収容体230を支持することができる。
次に、本発明の第3実施形態について、図7を用いて説明する。上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。
以下、上記の第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。図7において、符号301、301s、330、330h、330s、331、及び332を付した部分は、それぞれ、第2実施形態において、符号201、201s、230、230h、230s、231、及び232を付した部分に相当し、同様の機能を有する。なお、図7(a)は、図7(b)のC−C’断面図に相当する。
次に、本発明の第4実施形態について、図8を用いて説明する。上記の実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。
以下、上記の第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。図8において、符号401、401s、430、430h、430s、431、及び432を付した部分は、それぞれ、第3実施形態において、符号301、301s、330、330h、330s、331、及び332を付した部分に相当し、同様の機能を有する。
本実施形態による効果について説明する。消音構造401において、管10は、流体の進行方向Gに垂直な2つの環状板11と、円筒状の外周板12と、を有している。また、2つの環状板11の外周端と、外周板12の両端とが結合しており、仕切り壁431の両端は、2つの環状板に固定されている。
この構成によると、簡素な構成により、収容体430を支持することができる。
次に、本発明の第5実施形態について、図9を用いて説明する。図7に示した第3実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。以下、上記の第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第1消音用円筒管50と第2消音用円筒管52とは、同様の部品であるため代表して第1消音用円筒管50について説明する。第1消音用円筒管50は、有底の円筒管であり、その長さLは、低減(消音)対象周波数の1/4波長長さとされている。なお、両端が開放された円筒管の一端を蓋板332に固定することにより、一方の端面が閉じ他方の端面が開放された消音用円筒管としてもよい。
入口管41から管10に流れ込んだガスは、消音構造501の流路空間301sを流れ、その後、出口管42の内部に送られる。収容体330の外周位置をガスが通過する際に、このガス中を伝播する音波が、貫通孔330hを通って収容体330内の耐熱性粒状体20に伝わり、耐熱性粒状体20によって吸収される。耐熱性粒状体20の間を通り抜けた低周波数の音波は、貫通孔51hを通って消音用円筒管50・52入口に達する。消音用円筒管50・52内ではサイドブランチ型共鳴の効果が生じ、長さLが1/4波長長さに相当する周波数の音波に対して消音効果が得られる。すなわち、本実施形態によると、比較的広い周波数帯域にわたって効く耐熱性粒状体20による消音効果(吸音効果)と、特定の周波数の音波に対する消音効果が大きい共鳴型消音効果とを合わせて得ることができる。
次に、本発明の第6実施形態について、図10を用いて説明する。図2に示した第1実施形態および図9に示した第5実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。以下、上記の第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。
入口管41から管10に流れ込んだガスは、流路空間1sを流れ、その後、出口管42の内部に送られる。仕切り壁30の内周位置をガスが通過する際に、このガス中を伝播する音波が、貫通孔30hを通って収容空間30s内の耐熱性粒状体20に伝わり、耐熱性粒状体20によって吸収される。耐熱性粒状体20の間を通り抜けた低周波数の音波は、貫通孔51hを通って消音用円筒管50・52入口に達する。消音用円筒管50・52内ではサイドブランチ型共鳴の効果が生じ、長さLが1/4波長長さに相当する周波数の音波に対して消音効果が得られる。すなわち、本実施形態によると、第5実施形態と同様に、比較的広い周波数帯域にわたって効く耐熱性粒状体20による消音効果(吸音効果)と、特定の周波数の音波に対する消音効果が大きい共鳴型消音効果とを合わせて得ることができる。
次に、本発明の第7実施形態について、図11を用いて説明する。図6に示した第2実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。以下、上記の第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。
消音構造701によると、挿入管61と管10(外筒)との間の複数の仕切られた空間がサイドブランチ部となりサイドブランチ型共鳴器の効果が生じる。その結果、比較的広い周波数帯域にわたって効く耐熱性粒状体による消音効果(吸音効果)と、特定の周波数の音波に対する消音効果が大きい共鳴型消音効果と、膨張(拡張)型消音効果とを合わせて得ることができる。
次に、本発明の第8実施形態について、図12を用いて説明する。図6に示した第2実施形態および図11に示した第7実施形態と同様の部分については、図に同一の符号を付してその説明を省略する。以下、上記の第7実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本発明の実施の形態は、上記の実施形態には限られない。例えば、図13に示した消音構造901のように、収容体230の蓋板232に管64を取り付け、管64内の空間を円筒管60で複数の空間に分割してもよい。また、図14に示した消音構造1001のように、蓋板232に取り付けた管64内の空間を仕切り板62で複数の空間に分割してもよい。
1s 流路空間
10 管
10t 支持板
11 環状板
12 外周板
20 耐熱性粒状体
30 仕切り壁
230 収容体
231 仕切り壁
232 蓋板
Claims (8)
- 流体の流路途中に設けられる消音構造(1)であって、
前後の流路に接続され、内側に流路空間(1s)が形成された管(10)と、
前記管の内側に収容された、耐熱性粒状体(20)と、を備えることを特徴とする消音構造。 - 前記管の内側には、多孔材から成る円筒状の仕切り壁(30)が設置されており、
前記仕切り壁の内側に、前記流路空間が形成されており、
前記仕切り壁の外側であって、かつ、前記管の内側に、前記耐熱性粒状体が収容されていることを特徴とする、請求項1に記載の消音構造。 - 前記耐熱性粒状体のための収容空間(230s)を有する収容体(230)が、前記管の内側に配置されており、
前記収容体は、多孔材から成る円筒状の仕切り壁(231)と、2つの蓋板(232)と、を有しており、
前記収容空間は、前記仕切り壁、及び、前記2つの蓋板によって囲まれた空間であり、
前記収容空間の外側であって、かつ、前記管の内側に、前記流路空間が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の消音構造。 - 前記収容体と前記管との間には、前記管の径方向に沿って延びる複数の支持板(10t)が設けられており、
前記収容体は、前記複数の支持板によって支持されていることを特徴とする、請求項3に記載の消音構造。 - 前記管は、流体の進行方向に垂直な2つの環状板(11)と、円筒状の外周板(12)と、を有しており、
前記2つの環状板の外周端と、前記外周板の両端とが結合しており、
前記仕切り壁の両端は、前記2つの環状板に固定されていることを特徴とする、請求項3に記載の消音構造。 - 前記収容体の内側に、低減対象周波数の1/4波長長さであって一方の端面が閉じ他方の端面が開放された態様で消音用円筒管(50)が配置されていることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の消音構造。
- 前後の流路の径よりも大きい径に形成された前記管の流体入口部および流体出口部のうちの少なくともいずれか一方に、低減対象周波数の1/4波長長さの挿入管(61)が設置されており、
前記挿入管と前記管との間の空間が、円筒管(60)または仕切り板(62、63)によって複数の空間に分けられていることを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載の消音構造。 - 前記仕切り壁の外側であって、かつ、前記管の内側に、低減対象周波数の1/4波長長さであって一方の端面が閉じ他方の端面が開放された態様で消音用円筒管(50)がさらに配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の消音構造。
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