JP2011073771A - 注出容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】壜体の胴部から底部にかけての形状を平断面形状が前後方向に扁平化した扁平筒状とし、また底部の形状を、下方に向けて、前後方向に扁平化した球弧殻状に膨出する形状としたものとし、注出キャップには合成樹脂製フィルムを、一端を開放端とした状態で袋綴じ状にして上下に積層した注出路部材を配設し、注出後には層間に残留する内容液の表面張力により上下のフィルムが密着して層間がシールされ、逆止弁機能が発揮される構成とする。
【選択図】 図7
Description
図5、6はこの種の注出容器の一例を示すもので、図5(a)は半縦断側面図、図5(b)は底部近傍の斜視図、図6は図5中のC−C線に沿った平断面図であり、壜体101(デラミボトル)の口筒部102に逆止弁を備えた注出キャップ31を配設したものである。
この壜体101は口筒部102、肩部103、胴部104、底部105を有し、外殻を形成する外層111と、この外層に剥離自在に積層し、萎み変形可能に内袋体112aを形成する内層112から構成されている。
また、図6に見られるように胴部104は円筒状である。
そして、内容液をほぼ使い切る段階では、内層112の萎み変形がさらに進行し、大部分で内層112が密着状に合わさり流路が閉塞した状態となる。
ここで、この種のデラミボトルでは上記のような内層112の萎み変形の態様を制御して、内容液の流動通路を最後まで確保して注出操作がスムーズ達成できるようにすると共に、内容液をほぼ最後まで使い切れるようにすることが重要な技術要素の一つである。
合成樹脂製ブロー成形壜体の口筒部に注出キャップを組付けて構成する注出容器において、
壜体は、筒状の胴部の上端から肩部を介して口筒部を起立設し、外殻を形成する外層と、この外層に剥離自在に積層し、萎み変形可能に内袋体を形成する内層とから成り、外層の所定位置に、外層と内層との層間に外部空気を導入するための吸気孔を開設し、胴部から底部にかけての形状を平断面形状が前後方向に扁平化した扁平筒状とし、底部の形状を、下方に向けて、前後方向に扁平化した球弧殻状に膨出する形状としたものとし、
注出キャップは、壜体の口筒部に組付き固定する有頂筒状のキャップ本体に形成される吐出口に外気が内袋体に侵入するのを阻止する逆止弁機能を有する注出路部材を配設する構成とし、
注出路部材は合成樹脂製フィルムを、一端を開放端とした状態で袋綴じ状にして上下に積層すると共に、下側に積層するフィルム片に流路となる層間に連通する連通孔を形成したものとし、
キャップ本体の吐出孔と注出路部材の連通孔を連通し、この連通孔を介し層間を経て開放端から内容液を注出可能に、また注出後には層間に残留する内容液の表面張力により上下のフィルム片が密着して層間がシールされ、逆止弁機能が発揮される構成とする、
と云うものである。
なお、上記構成では、壜体の方向を規定するために平断面形状が扁平化している方向を便宜上前後方向としている。
まず、上記本発明の主たる構成の壜体について説明する。
本願発明者らは、図5、6で示した従来の壜体101の底部105における内層112の萎み変形の挙動を検討するなかで、底部105が、単純な筒状の胴部104とは異なり、図5(b)に示されるように側周壁105pと底面壁105bから有底筒状に形成されていること、すなわち、ブロー成形品のため比較的厚肉で、側周壁105pに対して略垂直に形成される底面壁105bが障害となって、萎み変形において内層112の反転変形がスムーズに進展しないことが、底部105において萎み変形がスムーズにまた十分に進行しない主たる要因であることを見出し、この検討結果に基づき、上記構成を創出するに至った。
まず、胴部から底部にかけての形状を、平断面形状が前後方向に扁平化した扁平筒状とすることにより、内層の萎み変形を壜体の前後方向にさらに扁平化する変形態様に大まかに制御することができる。
すなわち、平断面形状でみると、当初、楕円状、長円状等に形成されている内層が、内容液の注出に伴い前後方向に反転変形を伴いながらさらに扁平化し、最終的には前後方向に二重に積層したような状態となる。
従来では前述したように側周壁と底面壁から構成されていた底部の形状を、謂わば、側周壁と底面壁の区別をなくし、胴部との境界から底部の下端(底面の中央部)に至るまで、その断面形状が縮径状に緩やかにスムーズに変化する形状とすることができ、
このような形状とすることにより、上記した前後方向に扁平化した扁平筒状とすることによる作用効果と相俟って、底部近傍における内層の萎み変形において内層の反転変形をスムーズに進展させることができ、内容液の注出に伴い、内層の萎み変形を、自然に、底部の下端から胴部を経て肩部に向けて順次、スムーズに進行させることができ、内容液の注出がスムーズに進行すると共に、内容液をほぼ全量使い切ることが可能となる。
なお、本発明の上記構成において、「球弧殻状」と云う形状には楕円球弧殻状、長円球弧殻状等の形状が含まれ、外観デザインや成形性も考慮して、適宜の膨出状の湾曲面形状を選択することができる。
上記構成の注出キャップは壜体の口筒部に組付き固定する有頂筒状のキャップ本体に形成される吐出口に外気が内袋体に侵入するのを阻止する逆止弁機能を有する注出路部材を配設したものであり、所望量の内容液の注出を終了させた時点で、外気が偏平に萎み変形した内層内に侵入しようとするが、注出路部材に配設した逆止弁機能によりこの外気の侵入を阻止することができ、内容液の外気による酸化等による品質劣化の発生を確実に防止する。
また、開放端を形成する前には外気の侵入を確実に防ぐことができ、使用開始前に鋏等で簡単に一端を切除して開放端を形成することができる。
勿論、注出路部材の作成方法には上記接着する方法の外にも、2枚のフィルム片の周縁部を熱溶着や超音波により接着する、さらにはチューブ状のフィルムを2枚重ね状に折り畳んで一端を熱シールする等の方法がある。
すなわち、底部の形状を下方に向けて前後方向に扁平化した球弧殻状に膨出する形状とすることにより、謂わば、側周壁と底面壁の区別をなくして、底部の形状を胴部との境界から下端(底面の中央部)に至るまで、その断面形状が縮径状にスムーズに変化する形状とすることができ、前後方向に扁平化した扁平筒状とすることによる作用効果と相俟って、底部近傍における内層の萎み変形において内層の反転変形をスムーズに進展させることができ、内容液の注出に伴い、内層の萎み変形を、自然に、底部の下端から胴部を経て肩部に向けて順次、スムーズに進行させることができ、内容液の注出がスムーズに進行すると共に、内容液をほぼ全量使い切ることができる。
注出路部材と云うフィルムを袋綴じ状に積層した簡単な構造の部材で、逆止弁機能を低コストでまた、容易に配設することができる。
図1〜3は本発明の注出容器に使用するデラミボトルである壜体の一例を示すもので、図1(a)、(b)は縦断正面図と底部近傍の斜視図であり、図2は側面図、図3(a)は図1中のA−A線、(b)はB−B線に沿って示す平断面図である。
なお、図2と図3(a)中に壜体1の前後左右方向を便宜上規定する符号F、B、L、Rを示している。
また、口筒部2の外層11部分には外層11と内層12との層間に外部空気を導入するための吸気孔21が開設されている。
また、ブロー成形時に底部5には底シール部22が形成されている。
上記実施例の底部5は従来の壜体105の側周壁105pと底面壁105bの区別を無くし、底部5の形状を胴部4との境界から下端(底面の中央部)に至るまで、その断面形状が縮径状にスムーズに変化する形状としている。
そして、図7は縦断正面図、図8は側面図、図9は注出キャップの平面図であり、図10は注出状態を示す断面図、図11は注出状態での注出路部材41の開放端の変形状態を示す側面図である。
なお、図7では、注出路部材41の先端部をカットして開放端44が形成された状態を示しているが、それまでは全周に亘って上下のフィルム片41t、41bが接着固定されているので、外気の侵入を確実に防ぐことができ、安心して保管することができる。
図7、8注出容器を正立姿勢で保持した状態を示すものであり、図7に見られるように、上下のフィルム片41t、41bの層間は、層間に残留する内容液の表面張力により密着し、その結果層間がシールされ、逆止弁機能が発揮され、外気の侵入を阻止することができ、内容液の外気のよる酸化等による品質劣化の発生を確実に防止することができる。
その結果、本実施例の壜体1では、底部5近傍における内層12の萎み変形において内層12の反転変形をスムーズに進展させることができ、水の注出に伴い、内層12の萎み変形を、外力を作用させること無く、自然に、底部5の下端から胴部4を経て肩部3に向けて順次、図3(a)中に二点鎖線で示したような変形態様で、スムーズに進行させることができ、内容液の注出がスムーズに進行すると共に、内容液を口筒部2近傍に若干残留する分を除いて、ほぼ全量注出することができた。
胴部4から底部5にかけての形状を扁平筒状とすること、
胴部4の上端位置から底部5にかけての領域でこの扁平筒の平断面形状の長径及び短径を緩やかに縮径する形状とすること、
そして底部5の形状を下方に向けて前後方向に扁平化した球弧殻状に膨出した形状とすることの作用効果が相俟って、実現できたものであるが、
特に、底部5の形状を下方に向けて前後方向に扁平化した球弧殻状に膨出した形状とすることにより、注出の初期段階で底部5近傍での内層12の萎み変形に伴う反転変形をスムーズに進展させることができた。
壜体において、外層と内層の組み合わせについてはポリエチレン/ナイロンの組み合わせの他にも、両層の剥離性を考慮してさまざまな組み合せのものを採用することができる。
また底部の膨出形状は、下方に向けて前後方向に扁平化した球弧殻状に膨出した形状と云う範疇のなかで、内層の萎み変形のし易さの他に、外観デザイン、そして成形性も考慮して、球弧殻状の湾曲面の湾曲の程度を変化させながら適宜選択ができるものである。
この底シール部22を外部から押圧力を作用させる等により、外層11が内層12から剥離して、所謂、底割れ状態となり間隙を形成することができ、この間隙を利用して吸気孔21とすることができる。
ここで、吸気孔21の開設位置は適宜選択することができ、実施例のように口筒部2であっても、上記のように底部5底面であってもよい。さらに口筒部2と底部5底面の両方に開設してもよい。
2、102:口筒部
3、103;肩部
4、104;胴部
5、105;底部
11、111;外層
12、112;内層
12a、112a;内袋体
21;吸気孔
22;シール部
31;注出キャップ
32;キャップ本体
33;装着筒片
34;吐出筒
34a;吐出口
35;天板部材
41;注出路部材
41t;(上側の)フィルム片
41b;(下側の)フィルム片
42;フィルム片
43;接着剤層
44;開放端
45;連結孔
53;外ケース
54;下ケース体
55;胴筒
56;窓孔
57;底板
58;係止押圧片
59;上ケース
60;肩筒
61;係止孔片
L ;内容液
Claims (5)
- 合成樹脂製ブロー成形壜体の口筒部に注出キャップを組付けて構成する注出容器であり、
前記壜体は、筒状の胴部の上端から肩部を介して口筒部を起立設し、外殻を形成する外層と、該外層に剥離自在に積層し、萎み変形可能に内袋体を形成する内層とから成り、前記外層の所定位置に、該外層と内層との層間に外部空気を導入するための吸気孔を開設し、前記胴部から底部にかけての形状を平断面形状が前後方向に扁平化した扁平筒状とし、前記底部の形状を、下方に向けて、前後方向に扁平化した球弧殻状に膨出する形状としたものとし、
前記注出キャップは、前記壜体の口筒部に組付き固定する有頂筒状のキャップ本体に形成される吐出口に外気が前記内袋体に侵入するのを阻止する逆止弁機能を有する注出路部材を配設する構成とし、
該注出路部材は合成樹脂製フィルムを、一端を開放端とした状態で袋綴じ状にして上下に積層すると共に、下側に積層するフィルム片に流路となる層間に連通する連通孔を形成したものとし、
前記キャップ本体の吐出孔と注出路部材の連通孔を連通し、該連通孔を介し層間を経て開放端から内容液を注出可能に、また注出後には層間に残留する内容液の表面張力により上下のフィルム片が密着して層間がシールされ、前記逆止弁機能が発揮される構成としたことを特徴とする注出容器。 - 比較的低粘度の内容液を収納し、傾斜姿勢あるいは倒立姿勢として内容液の自重で該内容液を注出する構成とした請求項1記載の注出容器。
- 注出路部材を、2枚のフィルム片の周縁部を接着剤により接着固定して袋綴じ状とし、使用開始時に一端を切除して開放端を形成する構成とした請求項1または2記載の注出容器。
- 注出路部材の連通孔の開口周縁をキャップ本体に形成される吐出口の開口周縁部に接着固定することにより、前記注出路部材を吐出口に連通状に固定する構成とした請求項1、2または3記載の注出容器。
- 壜体に外装体を装着し、該壜体をレフィル容器として使用する請求項1、2、3または4記載の合成樹脂製ブロー成形壜体。
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