〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態について、図1を参照して説明する。図1は、機器間の優先接続装置の実施の形態を示すブロック図である。
この実施の形態では、本発明の電子機器及び電子機器を用いた優先接続装置の一例として動的優先接続システム2が構築されている。この動的優先接続システム2では、Bluetooth 等の近距離無線通信機能を有する電子機器の一例として携帯電話機4が設置され、この携帯電話機4と同様の近距離無線通信機能を有する機器として例えば、機器61、62、63・・・6Nが設置されている。即ち、携帯電話機4の近距離無線通信による接続先は複数の機器61、62、63・・・6Nから選択される1又は複数の機器である。各機器61、62、63・・・・6Nは例えば、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等の情報端末機器、テレビジョン受像機等の家電機器、自動車等の移動機器、時計、GPS(Global Positioning System )装置又はGPS搭載機器等から選択される機器であり、この場合、携帯電話機4とBluetooth 等の近距離無線通信機能を用いて通信接続が可能であればどのような機器でもよい。また、機器61、62、63・・・・6Nは、ユーザーが携帯する携帯電話機4に対して接続可能な機器であって、携帯電話機4の接続先は、機器61、62、63・・・・6Nから選択された1又は複数の機器に対する優先付け、受信信号のレベル、家庭や職場等の滞在位置、時刻等の動的な情報により、これら機器61、62、63・・・・6Nから選択された1又は複数の機器であって、特定の機器に固定されるものではない。その意味から携帯電話機4の接続先は動的であり、固定的ではない。
携帯電話機4には、プロセッサ8、近距離無線通信部10、機器登録受付部12、優先付リスト受付部14、接続機器数受付部16、データベース18、時刻管理部20、位置検出部22、電話無線通信部24、表示部26、音声入力部28、音声出力部30等が備えられている。
プロセッサ8は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)等を備えるコンピュータで構成された制御部であって、後述の動的優先接続制御、通話制御、表示制御、接続先情報の登録処理や検索処理、近距離無線通信制御、測位制御、計時制御、各種制御情報等の表示制御等の処理を実行する。
近距離無線通信部10は、アンテナ32を通じて送受信される無線信号として例えば、Bluetooth 通信規格等による電磁波や、その他の通信規格による伝送媒体により、接続先である機器61、62、63・・・・6Nと無線通信により接続される。携帯電話機4と接続先の機器61、62、63・・・・6Nとは無線信号を用いて接続され、データ授受や音声の授受が行われる。そして、この実施の形態では、近距離無線通信部10から所定時間毎に無線信号が発せられ、その受信信号により所定時間毎に接続先の機器との通信による検索が行われ、その検索結果を表す情報がプロセッサ8に取り込まれる。
機器登録受付部12には、ユーザーインターフェイス(UI)34から加えられる接続先機器として例えば、機器61、62、63・・・・6Nの機器アドレス等の登録指示が受け付けられる。UI34は、キーボードや表示部26に表示されたカーソルやアイコン等で構成される。優先付リスト受付部14には、位置や時間等の情報に依存する優先付リストや、位置や時間等の情報に依存しない優先付リストが受け付けられ、また、接続機器数受付部16には、接続機器数が受け付けられる。なお、UI34からプロセッサ8に操作情報等が入力される。
データベース18には、接続先情報、位置情報として地名や地図情報等が格納されているとともに、機器登録部182、優先付リスト登録部184、接続機器数登録部186等が設定され、対応する情報が格納される。機器登録部182には接続先の機器61、62、63・・・・6Nを表す情報として例えば、Bluetooth 規格を基礎とした機器アドレスが格納され、優先付リスト登録部184には優先付リストとして優先度が付された機器アドレスが格納され、また、接続機器数登録部186には同時に接続される接続機器数N(=1又はn、但し、n=2、3・・・)が格納される。
時刻管理部20にはタイマー等が設置され、接続先の選択情報としての時刻が管理される。この時刻情報は、ユーザーの行動様式や移動エリアの時間的な接続先の接続情報として用いられる。
位置検出部22には、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System )やナビゲーションシステム(Navigation System )等を用いて携帯電話機4の移動位置として地名や地図情報等の位置情報が検出される。この位置情報は、プロセッサ8に取り込まれ、データベース18に格納される。
電話無線通信部24は、通常の電話回線と接続され、電話局を介して相手先電話機との通話に用いられる。即ち、音声入力部28に加えられた音声がプロセッサ8を通して電話無線通信部24から送信され、電話無線通信部24の着信音声が音声出力部30から出力される。
表示部26には接続先情報や着信通知等の各種の情報が表示される。また、この表示部26にはカーソルやアイコンが表示され、UI34から加えられる操作情報を通してカーソルの移動やアイコンによる情報選択が行われる。
また、この実施の形態では、機器61には近距離無線通信部612及び通知部614、機器62には近距離無線通信部622及び通知部624、機器63には近距離無線通信部632及び通知部634、・・・・・機器6Nには近距離無線通信部6N2及び通知部6N4が備えられている。通知部614、624、634・・・6N4は、表示部及び/又は音声通知部で構成され、着信通知や相手先等の情報が表示される。そして、機器61には送受話部616が設置され、近距離無線通信部612を通して携帯電話機4との音声通話等が可能である。同様に、機器6Nにも送受話部6N6が設置され、近距離無線通信部6N2を通して携帯電話機4との音声通話等が可能である。
このような動的優先接続システム2によれば、機器登録受付部12の指示に基づき、近距離無線通信部10から無線信号を機器61〜6Nに送信することにより、その存在を機器61〜6Nからの近距離無線通信による応答信号、即ち、受信信号により確認し、応答のあった機器61〜6Nの1又は複数の機器を表す機器アドレスをデータベース18の機器登録部182に登録することができる。また、登録された機器との通信の同期をとることにより、機器61〜6Nからの受信信号レベルが近距離無線通信部10により監視される。また、登録される機器が携帯電話機の場合、携帯電話機との通信の同期をとり、通信を行うことで、携帯電話機の基地局からの受信信号レベルや、携帯電話機の電池残量や、通話状態を電子機器に通知してもらうことで、登録された携帯電話機の受信信号レベルや、電池残量、通話状態を管理できる。
また、優先付リスト受付部14の指示に基づき、優先付リストをデータベース18の優先付リスト登録部184に登録することができる。この優先付リストの登録に関し、
a 任意の優先付リストの登録
b 位置毎の優先付リストの登録
c 時間毎の優先付リストの登録
があり、また、この登録は任意である。
任意の優先付リストの登録(a)は、ユーザーが希望する所望の機器61〜6Nから選択される1又は複数の機器について、接続順位を登録するものである。ユーザーや携帯電話機4の近傍に存在し、利用性の高い機器の登録について順位付けが行える。また、位置毎の優先付リストの登録(b)は、ユーザーや携帯電話機4の移動先に対応し、位置情報をパラメータ情報に用いることにより、機器61〜6Nから選択される1又は複数の機器について、接続順位を登録するものである。ユーザーや携帯電話機4の移動位置に動的に対応し、利用性の高い機器の登録について順位付けが行える。また、時間毎の優先付リストの登録(c)は、ユーザーや携帯電話機4の時間毎に対応し、時間情報をパラメータ情報に用いることにより、機器61〜6Nから選択される1又は複数の機器について、接続順位を登録するものである。ユーザーや携帯電話機4の行動形態等に動的に対応し、利用性の高い機器の登録について順位付けが行える。
また、このような優先付リストの登録に加え、接続機器数受付部16の指示に基づき、機器61〜6Nから選択される1又は複数の機器について、同時に接続すべき機器数の登録を可能にするものである。順位付けを行うと、選択される機器を単一とすることなく、複数の機器を同時に接続させることにより、認識性や利便性が向上する。
優先付リストに登録された機器61〜6Nから選択された1又は複数の機器に接続する一例として、近距離無線通信の受信信号レベルの監視により、最も受信信号レベルの高い機器との接続も可能である。また、一例として、登録された機器が携帯電話機の場合、その携帯電話機の基地局からの受信信号レベルや、その携帯電話機の電池残量や、通話状態を通知してもらうことで、電池残量があり、通話状態でない携帯電話機を選択し、その中で最も基地局からの受信信号レベルが高い携帯電話機との接続が可能である。このような接続形態により、接続の信頼性の向上や、通話の了解度を高めることができる。
そして、電話やメールの通信に関し、携帯電話機4から機器61〜6Nの通知部614、624・・・6N4への着信通知、メール表示だけでなく、送受話部616、6N6による近距離無線通信を媒介とした送受話を行える。また、携帯電話機4と優先接続される機器61〜6Nからの通信や制御に関し、機器61〜6Nから定型文のメール送信、携帯電話機4のマナーモード等の各種のモード設定やその解除等の制御を行うこともできる。
次に、携帯電話機4の構成例について、図2を参照して説明する。図2は既述の携帯電話機4の構成例を示す図である。図2において、図1に示す携帯電話機4と同一部分又は対応部分には同一符号を付してある。
図2に示すように、この携帯電話機4は、第1及び第2の筐体部36、38を備え、ヒンジ部40でこれら筐体部36、38を開閉可能に構成したものである。筐体部36には既述のプロセッサ8、近距離無線通信部10、機器登録受付部12、優先付リスト受付部14、接続機器数受付部16、データベース18等が搭載され、筐体部38には表示部26、アンテナ32、42等が搭載されている。アンテナ42は電話無線通信部24の無線信号の送受に用いられる。この実施の形態の携帯電話機4では、既述のUI34が複数のキーによって構成されており、これらのキーには例えば、カーソルキー44や文字キー46が含まれている。
次に、データベース18の格納情報について、図3、図4、図5及び図6を参照して説明する。図3は、優先付リスト登録部184に登録された優先付リストの構成例を示す図、図4は、接続機器数登録部186に登録された接続機器数の登録例を示す図、図5は、位置情報をパラメータとした優先付リストの構成例を示す図、図6は、時間情報をパラメータとした優先付リストの構成例を示す図である。
優先付リストの登録例について、図3の(A)に示す登録例では、接続先の第1〜第3の優先度を表す優先付情報「1」、「2」、「3」が設定され、第1の優先度「1」には例えば、機器61の近距離無線通信のアドレス、第2の優先度「2」には例えば、機器62の近距離無線通信のアドレス、第3の優先度「3」には例えば、機器63の近距離無線通信のアドレスが設定されている。
また、優先付リストの他の登録例について、図3の(B)に示す登録例では、第1及び第2の優先度を表す優先付情報「1」、「2」が設定され、第1の優先度「1」には例えば、機器61の近距離無線通信のアドレス、第2の優先度「2」には2つの機器として例えば、機器62、63の近距離無線通信のアドレスが同一優先度に設定されている。
また、接続機器数の登録例について、図4の(A)に示す登録例では、接続数として「1」が登録され、この接続数「1」は、接続先の機器数が1台であることを表している。また、図4の(B)に示す登録例では、接続数として「2」が登録され、この接続数「2」は、接続先の機器数が2台であることを表している。
また、位置情報をパラメータとした優先付リストの登録例について、図5に示す登録例では、接続先の第1及び第2の上位優先度I、IIを表す優先付情報「1」、「2」が登録され、上位優先度Iには自宅の位置座標を基準に半径10〔m〕の範囲が設定され、上位優先度IIには他の位置として例えば、自宅の位置座標を基準に半径10〔m〕以外の範囲が設定されている。上位優先度Iには下位優先度を表す優先付情報「1」、「2」、「3」が登録され、その上位優先度IIには下位優先度を表す優先付情報「1」、「2」が登録されている。この例では、Iの「1」には例えば、機器61の近距離無線通信のアドレス、Iの「2」には例えば、機器62の近距離無線通信のアドレス、Iの「3」には例えば、機器63の近距離無線通信のアドレスが登録されている。また、IIの「1」には例えば、機器62の近距離無線通信のアドレス、IIの「2」には例えば、機器61、63の近距離無線通信のアドレスが同一優先付で登録されている。
また、時間情報をパラメータとした優先付リストの登録例について、図6に示す登録例では、接続先の第1及び第2の上位優先度I、IIを表す優先付情報「1」、「2」が登録され、上位優先度Iには例えば、7:00〜23:00の時間帯が登録され、上位優先度IIにはそれ以外の時間幅が登録されている。上位優先度Iには下位優先度を表す優先付情報「1」、「2」、「3」が登録され、その上位優先度IIには下位優先度を表す優先付情報「1」、「2」が登録されている。この例では、Iの「1」には例えば、機器61の近距離無線通信のアドレス、Iの「2」には例えば、機器62の近距離無線通信のアドレス、Iの「3」には例えば、機器63の近距離無線通信のアドレスが登録されている。また、IIの「1」には例えば、機器62の近距離無線通信のアドレス、IIの「2」には例えば、機器61の近距離無線通信のアドレスが登録されている。
次に、携帯電話機4(図1)と機器との第1の登録方法について、図7を参照して説明する。図7は、機器の登録処理を示すフローチャートである。
この登録処理では、事前に接続先の機器61、62・・・6Nの検索が行われ(ステップS11)、その検索の結果、登録の対象である機器が存在すれば、その機器を表す機器アドレスの登録が行われる(ステップS12)。この機器アドレスは例えば、近距離無線通信における機器アドレスであり、データベース18の機器登録部182に登録される。
この機器登録の後、位置にも時間にも依存しない優先付リストの登録を行うか否かの問い合わせが発せられ(ステップS13)、その優先付リストの登録を行う場合には、その優先付リストの登録処理が実行され(ステップS14)、同時に接続する機器数Nの登録について問い合わせを行う(ステップS15)。優先付リストの登録を行わない場合にも、ステップS15に移行する。そして、機器数Nの登録を行わない場合には、強制的にN=1が登録され(ステップS16)、機器数Nの登録を行う場合には、所望の機器数N(=n)を登録する(ステップS17)。
この登録処理について、携帯電話機4に例えば、機器61、62、63(図1)の登録を行う場合を詳述すると、携帯電話機4の機器登録受付部12では機器登録の指示を受け付け、その指示は機器登録受付部12からプロセッサ8に加えられ、プロセッサ8を通して近距離無線通信部10に伝達される。この近距離無線通信部10により無線信号が発せられ、周辺に存在する機器61、62、63・・・6Nの検索が行われる。この検索は、機器61〜6Nからの応答信号により存在が確認される。この結果、接続先である機器として例えば、機器61、62、63が検索されると、近距離無線通信部10からプロセッサ8に各機器61、62、63の近距離無線通信の機器アドレスが通知される。通知を受けたプロセッサ8により、各機器61、62、63を表す機器アドレスがデータベース18の機器登録部182に登録される。
任意登録(ステップS14)では、優先付リスト受付部14に位置や時間に依存しない優先付リストの登録が要求され、優先付リスト受付部14はそれをプロセッサ8に通知し、プロセッサ8は、データベース18の機器登録部182から機器アドレスを読み出し、その機器アドレスを優先付リスト受付部14に通知する。この場合、表示部26にそれを表示する。UI34から優先付リスト受付部14を通して機器アドレスに優先付を行う。この場合、例えば、表1に示すように、優先付を行う。
また、例えば、表2に示すように、優先付を行ってもよい。
このような優先付リストは優先付リスト受付部14を経てプロセッサ8に通知され、プロセッサ8によりデータベース18の優先付リスト登録部184に格納される。
そして、機器数Nの登録処理(ステップS15、S17)では、接続先の機器数N=nの登録を行う。この登録は、接続機器数受付部16に通知される。接続機器数として例えば、N=2と登録される。このN=2は、接続機器数受付部16を通してプロセッサ8に通知され、データベース18の接続機器数登録部186に登録される。接続先の機器数Nを登録しない場合には(ステップS15、S16)、強制的にデフォルト値としてN=1が格納される。
次に、携帯電話機4(図1)と機器との第1の接続方法について、図8を参照して説明する。図8は、機器の接続処理を示すフローチャートである。
この接続処理では、データベース18の機器登録部182に登録されている機器アドレスを読み出し(ステップS21)、近距離無線通信部10を動作させ、その機器アドレスに対応する機器61〜6Nに対して定期的に近距離無線通信によって自動的に接続される(ステップS22)。この接続により、近距離無線通信部10が受信する無線信号の受信信号レベルが近距離無線通信部10によって定期的に計測され(ステップS23)、その機器アドレスに対応する機器61〜6Nの受信信号レベルがプロセッサ8に取り込まれる。接続中の機器が存在している場合には、接続中の受信信号レベルを定期的に計測し、その計測結果をプロセッサ8に通知し、また、接続できない機器は無視する。
接続先を選択するため、プロセッサ8により、データベース18の優先付リスト登録部184が検索され、優先付リストの登録の有無が確認される(ステップS24)。優先付リストが存在する場合には、接続機器数登録部186から接続機器数Nが読み出され(ステップS25)、登録されている機器アドレスの中から優先度の高いN=1又は複数の機器61〜6Nが選択され、もし同じ優先度に複数の機器アドレスが存在して、その中から幾つかの機器を接続する場合には、その中から受信信号レベルの高いN=1又は複数の機器が選択され、その機器を接続することが近距離無線通信部10に通知され、近距離無線通信部10が、接続先として、受信信号レベルの高い1又は複数の機器61〜6Nに接続される(ステップS26)。
また、優先付リストが存在しない場合にも、接続機器数登録部186から接続機器数Nが読み出され(ステップS27)、受信信号レベルの高いN=1又は複数の機器が選択され、その機器が近距離無線通信部10に通知され、近距離無線通信部10が、受信信号レベルの高い1又は複数の機器に接続される(ステップS28)。
この場合、近距離無線通信部10は、未接続状態にある機器とを自動接続するものであり、接続しようとする機器アドレスとは異なる機器と接続が確立されている場合には、その接続を解除した後、受信信号レベルの高い機器に変更して接続する。
次に、携帯電話機4(図1)と携帯電話機との第2の接続方法について、図9を参照して説明する。図9は、機器の接続処理を示すフローチャートである。
この場合、説明を容易にするため、機器61〜6Nの一例として携帯電話機61〜6Nとして説明する。この接続処理では、データベース18の機器登録部182に登録されている機器アドレスを読み出し(ステップS201)、近距離無線通信部10を動作させ、その機器アドレスに対応する携帯電話機61〜6Nに対して定期的に近距離無線通信によって自動的に接続される(ステップS202)。この接続により、通信を行うことで、その機器アドレスに対応する携帯電話機61〜6Nの基地局からの受信信号レベル、その携帯電話機61〜6Nの電池残量、通話状態が近距離無線通信部10で受信され、プロセッサ8に取り込まれる(ステップS203)。接続中の携帯電話機が存在している場合には、接続中の通信により、基地局からの受信信号レベル、その携帯電話機の電池残量、通話状態が、その接続時、又はそれらの状態が変わる度に、近距離無線通信部10に通知され、プロセッサ8に取り込まれる。また、接続できない携帯電話機は無視する。
接続先を選択するため、プロセッサ8により、データベース18の優先付リスト登録部184が検索され、優先付リストの登録の有無が確認される(ステップS204)。優先付リストが存在する場合には、接続機器数登録部186から接続機器数Nが読み出され(ステップS205)、登録されている機器アドレスの中から優先度の高いN=1又は複数の携帯電話機61〜6Nが選択され、もし同じ優先度に複数の機器アドレスが存在して、その中から幾つかの携帯電話機を接続する場合には、その中から、通話状態でなく、電池残量が充電を促すレベルでなく、基地局からの受信信号レベルの高いN=1又は複数の携帯電話機61〜6Nが選択され、その携帯電話機を接続することが近距離無線通信部10に通知され、近距離無線通信部10が、接続先として、その選択された1又は複数の携帯電話機61〜6Nに接続される(ステップS206)。
また、優先付リストが存在しない場合にも、接続機器数登録部186から接続機器数Nが読み出され(ステップS207)、通話状態でなく、電池残量が充電を促すレベルでなく、基地局からの受信信号レベルの高いN=1又は複数の携帯電話機61〜6Nが選択され、その携帯電話機が近距離無線通信部10に通知され、近距離無線通信部10が、接続先として、その選択された1又は複数の携帯電話機61〜6Nに接続される(ステップS208)。
この場合、近距離無線通信部10は、未接続状態にある携帯電話機とを自動接続するものであり、接続しようとする機器アドレスとは異なる携帯電話機と接続が確立されている場合には、その接続を解除した後、通話状態でなく、電池残量が充電を促すレベルでなく、基地局からの受信信号レベルの高い携帯電話機に変更して接続する。
次に、携帯電話機4(図1)と機器との第2の登録方法について、図10を参照して説明する。図10は、位置毎の優先付リストの登録を含む登録処理を示すフローチャートである。
既述の登録処理(図7)では、機器アドレスの登録の後、任意の優先付リストの登録を行っているが、この登録処理(図10)は、機器登録(ステップS11、S12:図7)の後、又は、優先付リストの登録(ステップS14:図7)の後、位置毎の優先付リストを登録する場合である。
そこで、この登録処理では、優先付リスト受付部14には、位置毎の優先付リストの登録を行うか否かが受け付けられる(ステップS31)。斯かる登録を行う場合には、優先付リスト受付部14からその登録要求がプロセッサ8に通知され、位置毎の優先付リストの登録が行われる(ステップS32)。この場合、UI34から地名等の位置情報が入力されると、この地名が優先付リスト受付部14に通知されるとともに、表示部26に表示され、それをユーザーが確認する。この地名を表す位置情報はプロセッサ8に通知され、プロセッサ8により、データベース18に予め格納されている地図情報が読み出されるか、電話無線通信部24と接続されるネットワークを通してサーバから地図情報が読み出され、優先付リスト登録部184に通知される。この地図情報は表示部26に表示され、ユーザーは、地図上に優先付リストに登録したいエリアをカーソル指示等により選択する。そのエリアの登録には例えば、その中心から半径rの距離範囲を選択すればよい。例えば、自宅を中心に、半径r=10〔m〕内の場合には、表3に示すように、優先順位を設定すればよい。
また、自宅を中心に、半径r=半径10〔m〕以外の場合には、表4に示すように、優先順位を設定すればよい。
このように設定される、位置毎の優先付リストは優先付リスト受付部14からプロセッサ8に通知されるとともに、プロセッサ8に登録指示が発せられ、データベース18の優先付リスト登録部184に位置毎の優先付リストが格納される(ステップS32)。
この位置毎の優先順位を付した機器登録の後、同時に接続する機器数Nの登録について問い合わせが行われ(ステップS33)、位置毎の優先付リストの登録を行わない場合にも、ステップS33に移行する。そして、機器数Nの登録を行わない場合には、強制的にN=1が登録され(ステップS34)、機器数N=nの登録を行う場合には、所望の機器数N=nを登録する(ステップS35)。この場合、優先度毎に接続機器数Nが登録される。
次に、携帯電話機4(図1)と機器との第3の接続方法について、図11を参照して説明する。図11は、位置毎の優先付リストを備えた場合の機器の接続処理を示すフローチャートである。
この接続処理では、データベース18の機器登録部182に登録されている機器アドレスを読み出し(ステップS41)、近距離無線通信部10を動作させ、その機器アドレスに対応する機器61〜6Nに対して定期的に近距離無線通信によって自動的に接続される(ステップS42)。この接続により、近距離無線通信部10が受信する無線信号の受信信号レベルが近距離無線通信部10によって定期的に計測され(ステップS43)、その機器アドレスに対応する機器61〜6Nの受信信号レベルがプロセッサ8に取り込まれる。接続中の機器が存在している場合には、接続中の受信信号レベルを定期的に計測し、その計測結果をプロセッサ8に通知し、また、接続できない機器は無視する。
接続先を選択するため、プロセッサ8により、データベース18の優先付リスト登録部184が検索され、位置毎の優先付リストの登録の有無が確認される(ステップS44)。位置毎の優先付リストが存在する場合には、接続機器数登録部186から接続機器数Nが読み出され(ステップS45)、登録されている機器アドレスの中から優先度の高いN=1又は複数の機器61〜6Nが選択され、もし同じ優先度に複数の機器アドレスが存在して、それらの中から幾つかの機器を接続する場合には、その中から受信信号レベルの高いN=1又は複数の機器61〜6Nが選択され、その機器を接続することが近距離無線通信部10に通知され、近距離無線通信部10が、接続先として、受信信号レベルの高い1又は複数の機器61〜6Nに接続される(ステップS46)。
また、位置毎の優先付リストが存在しない場合にも、接続機器数登録部186から接続機器数Nが読み出され(ステップS47)、受信信号レベルの高いN=1又は複数の機器が選択され、その機器が近距離無線通信部10に通知され、近距離無線通信部10が、受信信号レベルの高い1又は複数の機器に接続される(ステップS48)。
この場合、近距離無線通信部10は、未接続状態にある機器とを自動接続するものであり、接続しようとする機器アドレスとは異なる機器と接続が確立されている場合には、その接続を解除した後、受信信号レベルの高い機器に変更して接続する。
次に、携帯電話機4(図1)と機器との第3の登録方法について、図12を参照して説明する。図12は、時間毎の優先付リストの登録を含む登録処理を示すフローチャートである。
既述の登録処理(図7)では、機器アドレスの登録の後、任意の優先付リストの登録を行っているが、この登録処理(図12)は、機器登録(ステップS11、S12:図7)、優先付リストの登録(ステップS14:図7)、又は位置毎の優先付リストの登録(ステップS32:図10)の後、時間毎の優先付リストを登録する場合である。
そこで、この登録処理では、優先付リスト受付部14には、時間毎の優先付リストの登録を行うか否かが受け付けられる(ステップS51)。斯かる登録を行う場合には、優先付リスト受付部14からその登録要求がプロセッサ8に通知され、時間毎の優先付リストの登録が行われる(ステップS52)。この場合、UI34から時間情報が入力されると、この時間が優先付リスト受付部14に通知されるとともに、表示部26に表示され、それをユーザーが確認する。この時間情報はプロセッサ8に通知され、データベース18の優先付リスト登録部184にその時間毎の優先付リストが登録される(ステップS52)。例えば、時間帯7:00〜23:00 の場合には、表5に示すように、優先順位を設定すればよい。
また、時間帯7:00〜23:00 以外の場合には、表6に示すように、優先順位を設定すればよい。
このように設定される、時間帯毎の優先付リストは優先付リスト受付部14からプロセッサ8に通知されるとともに、プロセッサ8に登録指示が発せられ、データベース18の優先付リスト登録部184に時間帯毎の優先付リストが格納される(ステップS52)。
この時間毎の優先順位を付した機器登録の後、同時に接続する機器数Nの登録について問い合わせが行われ(ステップS53)。時間毎の優先付リストの登録を行わない場合にも、ステップS53に移行する。そして、機器数Nの登録を行わない場合には、強制的にN=1が登録され(ステップS54)、機器数N=nの登録を行う場合には、所望の機器数N=nを登録する(ステップS55)。この場合、優先度毎に接続機器数Nが登録される。
次に、携帯電話機4(図1)と機器との第4の接続方法について、図13を参照して説明する。図13は、時間帯毎の優先付リストを備えた場合の機器の接続処理を示すフローチャートである。
この接続処理では、データベース18の機器登録部182に登録されている機器アドレスを読み出し(ステップS61)、近距離無線通信部10を動作させ、その機器アドレスに対応する機器61〜6Nに対して定期的に近距離無線通信によって自動的に接続される(ステップS62)。この接続により、近距離無線通信部10が受信する無線信号の受信信号レベルが近距離無線通信部10によって定期的に計測され(ステップS63)、その機器アドレスに対応する機器61〜6Nの受信信号レベルがプロセッサ8に取り込まれる。接続中の機器が存在している場合には、接続中の受信信号レベルを定期的に計測し、その計測結果をプロセッサ8に通知し、また、接続できない機器は無視する。
接続先を選択するため、プロセッサ8により、データベース18の優先付リスト登録部184が検索され、時間帯毎の優先付リストの登録の有無が確認される(ステップS64)。時間帯毎の優先付リストが存在する場合には、接続機器数登録部186から接続機器数Nが読み出され(ステップS65)、登録されている機器アドレスの中から優先度の高いN=1又は複数の機器61〜6Nが選択され、もし同じ優先度に複数の機器アドレスが存在して、それらの中から幾つかの機器を接続する場合には、その中から受信信号レベルの高いN=1又は複数の機器61〜6Nが選択され、その機器を接続することが近距離無線通信部10に通知され、近距離無線通信部10が、接続先として、受信信号レベルの高い1又は複数の機器61〜6Nに接続される(ステップS66)。
また、時間帯毎の優先付リストが存在しない場合にも、接続機器数登録部186から接続機器数Nが読み出され(ステップS67)、受信信号レベルの高いN=1又は複数の機器が選択され、その機器が近距離無線通信部10に通知され、近距離無線通信部10が、受信信号レベルの高い1又は複数の機器に接続される(ステップS68)。
この場合、近距離無線通信部10は、未接続状態にある機器とを自動接続するものであり、接続しようとする機器アドレスとは異なる機器と接続が確立されている場合には、その接続を解除した後、受信信号レベルの高い機器に変更して接続する。
次に、接続イベントの生起による接続処理について、図14を参照して説明する。図14は、接続イベントの生起による接続処理を示すフローチャートである。
携帯電話機4では、待機状態において、電話着信やメール着信等の接続イベントが生起したか否かを監視している(ステップS71)。接続イベントが生起すると、電話無線通信部24からの通知により、プロセッサ8では、データベース18の優先付リスト登録部184が検索され、優先付リストの存在を確認する(ステップS72)。優先付リストの登録がなければ、近距離無線通信の受信信号レベルに基づき、接続機器数登録部186の接続機器数Nに応じた数の機器に接続する(ステップS73)。この処理は、図8に示すフローチャートに記載した通り、機器アドレスの読出し(ステップS21)、近距離無線通信部10による接続(ステップS22)、受信信号レベルの計測(ステップS23)、接続機器数Nの読出し(ステップS27)、受信信号レベルの高い1又は複数の機器に接続(ステップS28)の処理である。
また、優先付リストがあれば、その優先付リストを検索し、その優先付リストが、
a 任意登録の優先付リスト
b 位置に依存する優先付リスト
c 時間に依存する優先付リスト
のいずれかを判別し、その優先付リストに応じた接続が行われる(ステップS74)。
この優先付リストに応じた接続(ステップS74)について、任意登録の優先付リストの場合には、既述のフローチャート(図8)の接続機器数Nの読出し(ステップS25)、優先度が高く、受信信号レベルの高い1又は複数の機器に接続(ステップS26)の処理が行われる。
また、位置に依存する優先付リストの場合には、既述のフローチャート(図11)の接続機器数Nの読出し(ステップS45)、位置毎に優先度が高く、受信信号レベルの高い1又は複数の機器に接続(ステップS46)の処理が行われる。
また、時間に依存する優先付リストの場合には、既述のフローチャート(図13)の接続機器数Nの読出し(ステップS65)、時間毎に優先度が高く、受信信号レベルの高い1又は複数の機器に接続(ステップS66)の処理が行われる。
これらの携帯電話機4と接続された機器61等に着信通知が通知部614等に表示されて告知される。この場合、例えば、機器61では近距離無線通信を介在して送受話部616を通して通話をすることができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について、図15を参照して説明する。図15は、機器間の優先接続装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。図15において、図1の優先接続装置と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
第1の実施の形態では、特定の機器として携帯電話機4を例示したが、携帯電話機以外の電子機器60として構成し、他の機器61〜6Nと近距離無線通信による優先接続を行うように構成してもよい。電子機器60としては、他の機器61〜6Nと同様に、情報処理端末、家電機器等で構成できる。
このように構成しても、既述した通りの優先付リスト、受信信号レベルでの優先性等の登録及び接続を行うことができ、情報の授受やイベントの告知等の処理に活用することができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態について、図16を参照して説明する。図16は、機器間の優先接続装置の第3の実施の形態を示すブロック図である。図16において、図1の優先接続装置と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施の形態の携帯電話機4には、スケジュール管理部48が備えられ、暦日情報と時刻情報とを参照し、UI34から登録されたスケジュール表示や予告アラームの告知情報を出力する。この告知情報は、表示部26に表示されるとともに、近距離無線通信部10を通じて近距離無線信号により機器61〜6Nから選択された1又は複数の機器との接続により通知される。
次に、接続イベントの生起として例えば、スケジュール予告の生起による接続処理について、図17を参照して説明する。図17は、スケジュール予告の生起による接続処理を示すフローチャートである。
携帯電話機4では、待機状態において、スケジュール表示や予定告知が生起したか否かを監視している(ステップS81)。スケジュール表示や予定告知の場合には、スケジュール管理部48からの通知により、プロセッサ8では、データベース18の検索により、優先付リストの存在を確認する(ステップS82)。優先付リストの登録がなければ、近距離無線通信の受信信号レベルに基づき、接続機器数登録部186の接続機器数Nに応じた数の機器に接続する(ステップS83)。この処理は、図8に示すフローチャートに記載した通り、機器アドレスの読出し(ステップS21)、近距離無線通信部10による接続(ステップS22)、受信信号レベルの計測(ステップS23)、接続機器数Nの読出し(ステップS27)、受信信号レベルの高い1又は複数の機器に接続(ステップS28)の処理である。
また、優先付リストがあれば、その優先付リストを検索し、既述した通り、その優先付リストが、任意登録の優先付リストか、位置に依存する優先付リストか、時間に依存する優先付リストかのいずれかを判別し、その優先付リストに応じた接続が行われる(ステップS84)。
この優先付リストに応じた接続(ステップS84)について、任意登録の優先付リストの場合には、既述のフローチャート(図8)の接続機器数Nの読出し(ステップS25)、優先度が高く、受信信号レベルの高い1又は複数の機器に接続(ステップS26)の処理が行われる。
また、位置に依存する優先付リストの場合には、既述のフローチャート(図11)の接続機器数Nの読出し(ステップS45)、位置毎に、優先度が高く、受信信号レベルの高い1又は複数の機器に接続(ステップS46)の処理が行われる。
また、時間に依存する優先付リストの場合には、既述のフローチャート(図13)の接続機器数Nの読出し(ステップS65)、時間帯毎に、優先度が高く、受信信号レベルの高い1又は複数の機器に接続(ステップS66)の処理が行われる。
この接続により、接続された機器には、スケジュール表示や予定告知が行われ、ユーザーは身辺にある機器からその内容を知ることができる。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態について、図18、図19及び図20を参照して説明する。図18〜図20は、機器間の優先接続装置の第4の実施の形態を示すブロック図であって、図18は、移動通信部を備える通信機器を用いた場合を示すブロック図、図19は、固定通信部を備える通信機器を用いた場合を示すブロック図、図20は、移動通信部を備える通信機器と固定通信部を備える通信機器の双方を用いた場合を示すブロック図である。図18〜図20において、図1の優先接続装置と同一部分には同一符号を付してある。
この第4の実施の形態では、近距離無線通信機能として例えば、Bluetooth 通信機能を備える電子機器からBluetooth 通信機能を備える通信機器を経由させて緊急通報する構成である。その緊急通報を経由させる通信機器の電池残量、受信信号レベル、公衆回線網との連携等、通報を経由させる機器として適正か否かを選択要素としている。この場合、電子機器は携帯電話機、車載機、パーソナルコンピュータ等の情報端末機器、テレビジョン受像機、腕時計、冷蔵庫等の家電機器であってもよい。また、通信機器は携帯電話機、固定電話機等、通信機能を備える機器であればどのようなものでもよい。
そして、動的優先接続システム2は、図18に示すように、Bluetooth 通信機能を備える既述の電子機器として携帯電話機402と、この携帯電話機402から発せられる緊急通報を経由させる複数の通信機器711、712・・・71Nを備え、各通信機器711〜71Nに移動通信部702を備えるものを用いて構成し、また、図19に示すように、各通信機器721、722・・・72Nに固定通信部704を備えるものを用いて構成し、また、図20に示すように、移動通信部702を備える各通信機器711〜71N、固定通信部704を備える通信機器721〜72Nの双方を用いて構成してもよい。換言すれば、図18に示すシステムでは携帯電話機等の通信機器群から緊急発信の経由機として最適な通信機器を選択する例であり、図19に示すシステムでは固定電話機等の通信機器群から緊急発信の経由機として最適な通信機器を選択する例であり、また、図20に示すシステムでは移動電話機及び固定電話機を含む通信機器群から緊急発信の経由機として最適な通信機器を選択する例である。ここで、固定通信部704は、有線接続又は無線接続による通信機能部である。そして、これら通信機器711〜71N又は通信機器721〜72Nから通信先が選択され、その通信先との緊急発信が行われる構成である。動的優先接続システム2において、通信機器711〜71Nは、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等、通信機能を備えた機器であり、通信機器721〜72Nは固定電話機や公衆電話機等の据置型の電話機であり、Bluetooth 機能を用いて緊急発信が可能な機器であればよい。
動的優先接続システム2において、携帯電話機402には、プロセッサ404、移動通信部406、Bluetooth (BT)通信部408、ユーザーインターフェース(UI)部410、データベース412、電源管理部414、アンテナ416、418が備えられている。
この携帯電話機402において、プロセッサ404は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)等を備えるコンピュータで構成されており、緊急通報に最適な機器からの発信を実現するための最適な機器の検出や発信を制御する。
移動通信部406は、移動通信網の検索や、接続や切断等の通信制御や通信を行う。BT通信部408は、通信機器711〜71Nや、通信機器721〜72Nの検索や、接続や切断等の通信制御や通信を行う。
また、UI部410は、ユーザーから緊急発信時に経由可能な機器の登録を受け付ける機器登録部420や、ユーザーからの緊急発信を受け付ける緊急発信受付部422等を備えている。機器登録部420には、1又は複数の通信機器を緊急発信時に経由可能な機器として登録するとともに、登録された通信機器711〜71N、又は通信機器721〜72N毎に受信した電池残量(固定電話機の場合、電源供給がなく、電池で作動している場合は電池残量、電源供給があれば、電池残量は十分な状態として受信される)や受信信号レベル(固定電話機の場合で、無線通信で公衆網と接続できる場合は、その受信信号レベル、有線通信で公衆網と接続できる場合は例えば、定期的に公衆網と接続できるかを監視したりして、接続できる場合、受信信号レベルを良好として受信される)を登録する。
データベース412は、緊急発信時に経由可能な通信機器のアドレスや、Bluetooth 通信により、通信機器711〜71N、又は通信機器721〜72Nと通信できる場合、各通信機器711〜71N、又は通信機器721〜72Nの電池残量や受信信号レベル等を登録する。
電源管理部414は、携帯電話機402に搭載されている電池について、電池残量を管理するとともに、その状態をプロセッサ404に通知する。
図18及び図20において、通信機器711〜71Nには、プロセッサ705、BT通信部706、移動通信部702、電源管理部708、アンテナ730、732が備えられている。制御部としてのプロセッサ705は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータで構成されており、BT通信部706、移動通信部702等の制御を行う。携帯電話機402のプロセッサ404は、1又は複数の通信機器711〜71Nに定期的に通信を確立させて一時的に自動接続するか、接続待状態から自動接続することにより、又は接続中であれば、その接続により、それらの通信機器に電池残量と受信信号レベルを打診してその結果を受信し、また、緊急発信時には、携帯電話機402の電池残量が少ない場合や受信信号レベルが低い場合、その情報から、電池残量が多く、受信信号レベルが高い通信機器711〜71Nに自動で接続し、その通信機器を経由先に用いて緊急発信する。
また、図19及び図20において、通信機器721〜72Nには、プロセッサ705、BT通信部706、固定通信部704、電源管理部708、アンテナ730、732が備えられている。制御部としてのプロセッサ705は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータで構成されており、BT通信部706、固定通信部704等の制御を行う。携帯電話機402のプロセッサ404は、1又は複数の通信機器721〜72Nに定期的に通信を確立させて一時的に自動接続するか、接続待状態から自動接続することにより、又は接続中であれば、その接続により、それらの通信機器に、電池残量や受信信号レベルを打診し、その結果を受信し、緊急発信時には、携帯電話機402の電池残量が少ない場合や受信信号レベルが低い場合、その結果から、電池残量が多く、受信信号レベルが高い通信機器721〜72Nに自動接続し、その通信機器を経由先に用いて緊急発信する。
携帯電話機402と各通信機器711〜71N、721〜72Nとの通信を定期的に行い、一時的な接続をすることにより、例えば、ハンズフリープロファイルで接続することにより、各通信機器711〜71N、721〜72Nの電池残量レベルや受信信号レベルを打診し、その検知結果を得ることができる。そして、プロセッサ404経由でデータベース412に通信機器711〜71N、721〜72N毎の電池残量レベルや受信信号レベルを定期的に保存する。このような定期的な通信において、通信できない通信機器は無視する。
ユーザーが緊急呼を発信すると、UI部410の緊急発信受付部422からプロセッサ404にその発信が通知される。プロセッサ404は、自機である携帯電話機402の電池残量レベルや受信信号レベルを電源管理部414や移動通信部406に打診し、それぞれ良好な状態であれば、携帯電話機402から緊急通報の発信を行う。
この場合、携帯電話機402の電池残量レベルや受信信号レベルが低い状態であれば、データベース412に周囲の通信機器711〜71N、721〜72Nの電池残量レベルや受信信号レベルを問い合わせ、電池残量レベルが不足していない通信機器の中で、受信信号レベルが一番良好な通信機器を選出し、その通信機器への接続をBT通信部408に指示することにより、その接続後、その通信機器を経由させて緊急発信を行う。
選出した通信機器が何らかの理由で接続できない場合には、受信信号レベルが高い通信機器を選出し、その通信機器に接続して緊急発信を行う。また、その通信機器が接続できない場合には、次に受信信号レベルが高い通信機器を選出して接続を試み、接続できれば、その通信機器を経由させて緊急発信を行うことができる。
この実施の形態では、Bluetooth 通信機能を有する電子機器として携帯電話機402を例示したが、Bluetooth 通信機能を有する電子機器には、車載機、パソコン等の情報端末機器、テレビジョン受像機、腕時計、冷蔵庫等の家電機器であってもよい。
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態について、図21、図22及び図23を参照して説明する。図21〜図23は、機器間の優先接続装置の第5の実施の形態を示すブロック図であって、図21は、移動通信部を備える通信機器を用いた場合を示すブロック図、図22は、固定通信部を備える通信機器を用いた場合を示すブロック図、図23は、移動通信部を備える通信機器と固定通信部を備える通信機器の双方を用いた場合を示すブロック図である。図21〜図23において、図18〜図20の優先接続装置と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施の形態の携帯電話機等の電子機器740及び通信機器751〜75N、761〜76Nでは電源管理部414、708を設置していないが、通信機器751、761には位置情報付与部734が設置されている。この位置情報付与部734は、通信機器751、761の位置を測定できる機能を備え、その位置情報をプロセッサ705に付与する。位置情報付与部734は、既述のGPS等の位置情報の取得を行う機能部である。斯かる位置情報はプロセッサ705からBT通信部706を経て電子機器740のBT通信部408に通知され、データベース412に登録されている通信機器751〜75N、761〜76N毎に位置情報測定機能の有無が登録される。
このような位置測定できる機能の有無をデータベース412に登録すれば、緊急通信の経由先の判断項目にし、優先的に経由先に選定することが可能である。
なお、このような位置情報付与機能を持つ通信機器751、761について、これらを経由先に選出するか否か、又は、優先経由先とするか、非優先経由先とするかの指定判断項目をオンデマンドで指定できる構成としてもよい。
〔第6の実施の形態〕
次に、本発明の第6の実施の形態について、図24、図25及び図26を参照して説明する。図24〜図26は、機器間の優先接続装置の第6の実施の形態を示すブロック図であって、図24は、移動通信部を備える通信機器を用いた場合を示すブロック図、図25は、固定通信部を備える通信機器を用いた場合を示すブロック図、図26は、移動通信部備える通信機器と固定通信部を備える通信機器の双方を用いた場合を示すブロック図である。図24〜図26において、図18〜図20の優先接続装置と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施の形態の電子機器742には電源管理部414が備えられており、また、通信機器771、781には電源管理部708及び位置情報付与部734が設置されている。電源管理部708の機能は既述の通りであり、また、位置情報付与部734の機能も既述の通りである。
このような電池残量レベルや位置測定機能の有無をデータベース412に登録すれば、これらを判断項目に用いて経由先を選定することができる。
〔第1の実施例〕
本発明の機器間の優先接続装置による第1の実施例について、図27を参照して説明する。図27は、携帯電話機4と機器61〜65の接続関係を示す図である。
この実施例では、機器61は、ハンズフリー機能を持つナビゲーション装置610であって、自動車等に搭載される。機器62はテレビジョン受像機(TV)620、機器63は冷蔵庫630、機器64は腕時計640、機器65はノートパーソナルコンピュータ(PC)650であり、これらが接続先として想定されている。
これら登録されている各機器61〜65に携帯電話機4からの着信通知を表示する場合について、(1) 〜(4) の各場合について説明する。
(1) 優先付リストが登録されていない場合
データベース18の機器登録部182にはナビゲーション装置610、TV620、冷蔵庫630の機器アドレスが登録されている場合であって、優先付リストが存在しない場合には、近距離無線通信の受信信号レベルに基づいて順位付けが行われ、接続が確立する。即ち、図8のステップS21〜S24、ステップS27、S28による接続が行われる。
例えば、居間に設置されたTV620の画面72上に着信情報74が表示され、キッチンでは冷蔵庫630のディスプレイ76に着信情報78が表示され、自動車走行中のナビゲーション装置610の画面80に着信情報82が表示される。この場合の着信情報74、78、82は例えば、「メール着信」及び「発信者名・・・・」等である。
(2) 任意登録の優先付リストが登録されている場合
この場合、データベース18の優先付リスト登録部184には、第1優先としてTV620、第2優先として腕時計640及びナビゲーション装置610が登録されている。
そこで、着信があった場合には、第1優先の接続先としてTV620に着信情報74、第2優先の接続先として腕時計640のディスプレイ84に着信情報86、ナビゲーション装置610に着信情報82が表示される。即ち、居間やキッチンでTV620に着信情報74が表示され、自動車走行中のナビゲーション装置610の表示部80に着信情報82が表示され、屋外では、腕時計640に着信情報86が表示される。
(3) 位置毎の優先付リストが登録されている場合
この場合、データベース18の優先付リスト登録部184には、自宅の場合には、第1優先としてノートPC650及び腕時計640が登録され、自宅以外の場合には、第1優先として腕時計640、第2優先としてノートPC650が登録されている。
このような位置毎の優先付リストの登録情報を参照し、自宅ではノートPC650の表示部87に着信情報88が表示され、自宅以外では、腕時計640に着信情報86が表示される。
(4) 時間毎の優先付リストが登録されている場合
この場合、データベース18の優先付リスト登録部184には、7:00〜24:00 の時間帯では、第1優先として腕時計640、第2優先としてノートPC650が登録され、24:00 〜7:00の時間帯には登録はない。
このような時間毎の優先付リストの登録情報を参照し、7:00〜24:00 では、腕時計640に着信情報86、ノートPC650に着信情報88が表示され、24:00 〜7:00では、携帯電話機4の表示部26のみに着信情報89が表示される。
〔第2の実施例〕
本発明の機器間の優先接続装置による第2の実施例について、図28を参照して説明する。図28は、携帯電話機4と機器61〜65の接続関係を示す図である。図28において、図27と同一部分には同一符号を付してある。
登録されている各機器61〜65に携帯電話機4からのスケジュール予告を表す予告情報を表示する場合について、(5) 〜(8) の各場合について説明する。
(5) 優先付リストが登録されていない場合
データベース18の機器登録部182にはナビゲーション装置610、TV620、冷蔵庫630の機器アドレスが登録されている場合であって、優先付リストが存在しない場合には、近距離無線通信の受信信号レベルに基づいて順位付けが行われ、接続が確立する。即ち、図8のステップS21〜S24、ステップS27、S28による接続が行われる。
例えば、居間に設置されたTV620の画面72上に予告情報90が表示され、キッチンでは冷蔵庫630のディスプレイ76に予告情報92が表示され、自動車走行中のナビゲーション装置610の画面80に予告情報94が表示される。これら予告情報90、92、94は例えば、「14時、商店街セール、15分前」等である。
(6) 任意登録の優先付リストが登録されている場合
この場合、データベース18の優先付リスト登録部184には、第1優先としてTV620、第2優先として腕時計640及びナビゲーション装置610が登録されている。
そこで、スケジュール予告を表示する場合には、第1優先の接続先としてTV620に予告情報90、第2優先の接続先として腕時計640に予告情報96、ナビゲーション装置610に予告情報94が表示される。即ち、居間やキッチンでTV620に予告情報90が表示され、自動車走行中のナビゲーション装置610に予告情報94が表示され、屋外では、腕時計640に予告情報96が表示される。この場合の予告情報90、94、96は例えば、「19時、サークルの時間、今15分前」等である。
(7) 位置毎の優先付リストが登録されている場合
この場合、データベース18の優先付リスト登録部184には、自宅の場合には、第1優先としてノートPC650及び腕時計640が登録され、自宅以外の場合には、第1優先として腕時計640、第2優先としてノートPC650が登録されている。
このような位置毎の優先付リストの登録情報を参照し、自宅ではノートPC650に予告情報100が表示され、自宅以外では、腕時計640に予告情報96が表示される。この場合、腕時計640やノートPC650に予告情報96、100が表示されないのは、受信信号レベルによる。この場合の予告情報96、100は例えば、「12時、チケット販売開始、今15分前」等である。
(8) 時間毎の優先付リストが登録されている場合
この場合、データベース18の優先付リスト登録部184には、7:00〜24:00 の時間帯では、第1優先として腕時計640、第2優先としてノートPC650が登録され、24:00 〜7:00の時間帯には登録はない。
このような時間毎の優先付リストの登録情報を参照し、7:00〜24:00 では、腕時計640及びノートPC650に予告情報96、100が表示され、24:00 〜7:00では、携帯電話機4のみに予告情報102が表示される。この場合の予告情報96、100は例えば、「14時、会合、今15分前」等である。携帯電話機4の予告情報102は例えば、「7時起床、今15分前」である。
〔第3の実施例〕
次に、本発明の機器間の優先接続装置による第3の実施例について、図29を参照して説明する。図29は、携帯電話機4と機器64、65の接続関係を示す図である。図29において、図27と同一部分には同一符号を付してある。
この実施例は、接続された機器64、65側から携帯電話機4の設定モードの変更等の制御をする場合である。
この場合、データベース18の優先付リスト登録部184に位置毎の優先付リストが登録されている。この場合の動的な自動接続について、例えば、職場では、第1優先としてノートPC650及び腕時計640が登録され、職場以外では、第1優先として腕時計640、第2優先としてノートPC650が登録されている。
このような優先付接続により、職場ではノートPC650から携帯電話機4の例えば、マナーモードの設定又はその解除を可能にし、職場以外では、腕時計640から携帯電話機4の例えば、マナーモードの設定又はその解除を可能にしている。画像104、106には、制御内容である「マナーモード設定解除」が表示されている。
〔第4の実施例〕
次に、本発明の機器間の優先接続装置による第4の実施例について、図30を参照して説明する。図30は、携帯電話機4と機器64、65の接続関係を示す図である。図30において、図27と同一部分には同一符号を付してある。
この実施例は、機器64、65側から携帯電話機4に定型文メールを送信させる場合である。
この場合、データベース18の優先付リスト登録部184に位置毎の優先付リストが登録されている。この場合の動的な自動接続について、例えば、職場では、第1優先としてノートPC650及び腕時計640が登録され、職場以外では、第1優先として腕時計640、第2優先としてノートPC650が登録されている。
このような優先付接続により、職場ではノートPC650から携帯電話機4に定型文のメールを送信し、職場以外では、腕時計640から携帯電話機4に定型文メールを送信する。この場合、画像108、110には、定型文メールの定型文の一例である、「今から帰ります」が表示されている。
〔第5の実施例〕
次に、本発明の機器間の優先接続装置による第5の実施例について、図31を参照して説明する。図31は、携帯電話機4と接続される機器として例えば、携帯電話機791、792、793の接続関係を示す図である。図31において、図27と同一部分には同一符号を付してある。
この実施例では、携帯電話機4から電話を携帯電話機791、792、793に発信させる場合である。
この場合、データベース18の機器登録部182に携帯電話機791、792、793が登録されている場合であって、定期的に携帯電話機4は携帯電話機791、792、793と接続し、その接続により、携帯電話機791、792、793の基地局からの受信信号レベル、それらの携帯電話機791、792、793の電池残量、通話状態が通知されている。
そこで、携帯電話機4から緊急通報を発する場合において、携帯電話機4が十分な基地局からの受信信号レベルが無く、又は、基地局との通信に必要となる電池残量が無い場合には、通話状態でなく、電池残量が有り、基地局からの受信信号レベルが高い携帯電話機791、792、793のいずれかが選択されて近距離無線通信により携帯電話機4と接続され、緊急通報が発せられる。
この場合、これら携帯電話機791、792、793について、例えば、携帯電話機791では、電池残量:少、受信信号レベル:低、通話状態:無、携帯電話機792では、電池残量:有、受信信号レベル:高、通話状態:無、携帯電話機793では、電池残量:有、受信信号レベル:低、通話状態:無の場合を想定すると、携帯電話機792が選択されることになる。そこで、携帯電話機4からの緊急通報が携帯電話機792を経由させて発せられることになる。
〔第6の実施例〕
次に、本発明の機器間の優先接続装置による第6の実施例について、図32及び図33を参照して説明する。図32は、携帯電話機4に対する経由先機器の事前登録を示す図、図33は、携帯電話機4に事前登録された機器との近距離通信を示す図である。図32及び図33において、図31と同一部分には同一符号を付してある。
(1) 通信機器の事前登録
携帯電話機4には、事前登録として、近距離無線通信が可能な緊急通報の経由先機器の登録を行う。即ち、携帯電話機4が緊急通報に相応しくない状態例えば、受信信号レベルが低い、電池残量レベルが低い等の場合を想定し、緊急通報の経由先機器として携帯電話機4と近距離無線通信が可能な機器を登録する。図32において、599は登録内容の一覧を示している。この場合、経由先の機器として、携帯電話機4の近傍に位置する携帯電話機等の機器のアドレスを登録する。このアドレスの選択により、近距離無線通信が確立し、緊急通報の経由先として利用できる。
このように登録した機器のみに緊急通報の発信を許容すれば、未登録機器が緊急通報の経由先となることがなく、緊急通報の信頼性が確保される。
(2) 通常時の通信確認
携帯電話機4に各種通信機器を登録した場合において、定期的に、周囲に登録したアドレスに合う通信機器があるか否かの確認を近距離無線通信を用いて行う。この近距離無線通信により、登録したアドレスに合う通信機器として例えば、図33に示すように、携帯電話機791、792や、その他の通信機器794がある場合には、近距離無線通信により、緊急通報の経由先の選定項目に関する情報として電池残量レベル、受信信号レベル、緊急発信時の位置情報付与機能の有無等を打診する。携帯電話機791、792や、その他の通信機器794から情報に変更が生じた場合には、その情報の通知を受け、その変更を、登録された通信機器のアドレス毎に登録し、通信機器を選択する場合に参照する。
(3) 緊急通報
事件、事故、災害、遭難等の緊急通報が必要な場合には、携帯電話機4から緊急通報の操作を契機として、情報を記憶した通信機器中の緊急通報に最適な状態例えば、固定通信の機能があるか、受信信号レベルが高く、電池残量レベルが高く、位置測定できて位置を通知できる等を参照して通信機器を選択し、選択した通信機器を通して緊急通報を行えばよい。
通信中に緊急通報が途切れた場合には、登録されている通信機器について再選択を行い、選択された同一又は他の通信機器に自動接続して再発信する構成とすればよい。
ところで、登録されている通信機器の自動選択について、判断指標である受信信号レベルや、電池残量レベルや、位置測定通知機能等の各指標に重み付けを行うようにしてもよく、また、この重み付けを事前設定できる構成とすれば、特殊な場合として例えば、耳や目の不自由な人等、自己の位置を通知し難い場合には、位置を通知できることを最優先にし、又は、その他の場合には、電池残量レベル、受信信号レベルの双方が高い場合を第1優先、電池残量レベルが低く、受信信号レベルが高い場合を第2優先、電池残量レベルが高く、受信信号レベルが低い場合を第3優先とする等、優先設定の指標をカスタマイズできるように構成してもよい。この場合、緊急事態の通知であれば、電池残量はある程度あればいいという設定や、緊急事態の通知を口頭で行う場合、ある程度の電池残量レベルが必要である等、個々の状況に応じてカスタマイズする構成としてもよい。
次に、以上述べた本発明の各実施の形態から抽出される技術的思想を請求項の記載形式に準じて付記として列挙する。本発明に係る技術的思想は上位概念から下位概念まで、様々なレベルやバリエーションにより把握できるものであり、以下の付記に本発明が限定されるものではない。
(付記1) 近距離無線通信機能を備える電子機器であって、
近距離無線通信機能を備える1又は複数の機器と近距離無線信号の送受信をする通信部と、
前記複数の機器に優先度を付与し、該優先度により仕分けされた1又は複数の機器を表す優先付リストを登録する登録部と、
前記優先付リストに基づいて、1又は複数の機器を動的に選択し、選択された1又は複数の機器と前記通信部を通じて接続制御させる制御部と、
を含むことを特徴とする電子機器。
斯かる構成とすれば、電子機器と他の1又は複数の機器とは近距離無線通信機能により接続することが可能であり、電子機器では、通信部を通じて行われる。そして、電子機器には、接続先である複数の機器に対し、優先度が付与され、その優先度により仕分けされた1又は複数の機器が優先付リストとして登録部に登録される。そこで、この登録部の優先付リストに基づき1又は複数の機器を動的に選択し、選択された1又は複数の機器と前記通信部を通じて接続させることができる。そこで、電子機器は、他の機器を通じて情報の授受や操作等が可能になる。
(付記2) 付記1に記載の電子機器において、
前記制御部は、前記登録部に登録された機器から、接続することで得られる近距離無線信号の受信信号レベルにより、接続先の機器を選択し、選択された1又は複数の機器と前記通信部を通じて自動接続させる構成としたことを特徴とする電子機器。
斯かる構成とすれば、近距離無線信号の受信信号レベル等により接続先の機器が選択されるので、接続の信頼性が高められ、情報の授受等に有益である。
(付記3) 付記1に記載の電子機器において、
前記登録部に登録される前記機器が携帯電話機の場合、前記制御部は、基地局との通信接続により得られる受信信号レベルに応じて、前記電子機器から接続先として1又は複数の携帯電話機を選択し、該携帯電話機に前記通信部を通じて自動接続させる構成としたことを特徴とする電子機器。
(付記4) 付記1に記載の電子機器において、
前記登録部に登録される前記機器が携帯電話機の場合、前記制御部は、電池残量に応じて、前記電子機器から接続先として1又は複数の携帯電話機を選択し、該携帯電話機に前記通信部を通じて自動接続させる構成としたことを特徴とする電子機器。
(付記5) 付記1に記載の電子機器において、
前記登録部に登録される前記機器が携帯電話機の場合、前記制御部は、通話状態に応じて、前記電子機器から接続先として1又は複数の携帯電話機を選択し、該携帯電話機に前記通信部を通じて自動接続させる構成としたことを特徴とする電子機器。
(付記6) 付記1に記載の電子機器において、
前記登録部に同時に接続する機器数を登録し、該機器数に応じた数の機器と同時に接続する構成としたことを特徴とする電子機器。
(付記7) 付記1に記載の電子機器において、
前記優先付リストに、前記電子機器の移動先である1又は複数の位置情報とともに、各位置情報毎に優先度が付与された1又は複数の機器を登録し、該優先付リストから検索された1又は複数の機器を選択し、選択された1又は複数の機器に前記通信部を通じて自動接続させる構成としたことを特徴とする電子機器。
(付記8) 付記1に記載の電子機器において、
前記優先付リストに、1又は複数の時間情報とともに、各時間情報毎に優先度が付与された1又は複数の機器を登録し、該優先付リストから検索された1又は複数の機器を選択し、選択された1又は複数の機器に前記通信部を通じて自動接続させる構成としたことを特徴とする電子機器。
(付記9) 付記1に記載の電子機器において、
前記電子機器又は前記機器は、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等の情報端末機器、テレビジョン受像機等の家電機器、自動車等の移動機器、時計、ナビゲーション装置であることを特徴とする電子機器。
(付記10) 近距離無線通信機能を備える電子機器であって、
近距離無線通信機能を備える1又は複数の通信機器と近距離無線通信信号により通信する通信部と、
緊急発信時に経由可能な機器として前記1又は複数の通信機器を登録するとともに、前記1又は複数の通信機器との通信により、前記通信機器からの電池残量又は通信状態又は基地局からの受信信号レベル又は前記近距離無線通信信号の受信信号レベルのいずれか一つ又は幾つかを、前記通信機器毎に登録する登録部と、
緊急発信時、前記電池残量が多く、通話状態でなく、基地局からの受信信号レベルが高く、前記近距離無線通信信号の受信信号レベルが高い通信機器に接続して、該通信機器を経由させて緊急発信させる制御部と、
を含むことを特徴とする電子機器。
(付記11)付記10に記載の電子機器において、
前記通信機器は、固定通信の機能を持つ機器を含み、前記登録部には、固定通信の機能の有無を前記通信機器毎に登録することを特徴とする電子機器。
(付記12) 付記10に記載の電子機器において、
前記通信機器は、位置測定機能を持つ機器を含み、前記制御部は、該位置測定機能を備えるか否かを緊急経由先の選択判断要素にすることを特徴とする電子機器。
(付記13) 付記10に記載の電子機器において、
前記通信機器は、前記電池残量、前記受信信号レベル又は位置測定機能を持つ機器を含み、前記制御部は、前記電池残量、前記受信信号レベル又は位置測定機能を緊急経由先の選択判断要素にすることを特徴とする電子機器。
(付記14) 付記10に記載の電子機器において、
前記通信機器は、前記電池残量、前記受信信号レベル又は位置測定機能を持つ機器を含み、前記制御部は、前記電池残量、前記受信信号レベル又は位置測定機能を緊急経由先の優先順位付けに用いるとともに、優先順位付けを任意に設定可能にしたことを特徴とする電子機器。
(付記15) 近距離無線通信機能を備える携帯電話機であって、
近距離無線通信機能を備える1又は複数の通信機器と近距離無線通信信号により通信する通信部と、
緊急発信時に経由可能な機器として前記1又は複数の通信機器を登録するとともに、前記1又は複数の通信機器との通信により、前記通信機器からの電池残量又は通信状態又は基地局からの受信信号レベル又は前記近距離無線通信信号の受信信号レベルのいずれか一つ又は幾つかを、前記通信機器毎に登録する登録部と、
緊急発信時、前記電池残量が多く、通話状態でなく、基地局からの受信信号レベルが高く、前記近距離無線通信信号の受信信号レベルが高い通信機器に接続して、該通信機器を経由させて緊急発信させる制御部と、
を含むことを特徴とする携帯電話機。
(付記16) 付記15に記載の携帯電話機において、
前記通信機器は、固定通信の機能を持つ機器を含み、前記登録部には、固定通信の機能の有無を前記通信機器毎に登録することを特徴とする携帯電話機。
(付記17) 付記15に記載の携帯電話機において、
前記通信機器は、位置測定機能を持つ機器を含み、前記制御部は、該位置測定機能を備えるか否かを緊急経由先の選択判断要素にすることを特徴とする携帯電話機。
(付記18) 付記15に記載の携帯電話機において、
前記通信機器は、前記電池残量、前記受信信号レベル又は位置測定機能を持つ機器を含み、前記制御部は、前記電池残量、前記受信信号レベル又は位置測定機能を緊急経由先の選択判断要素にすることを特徴とする携帯電話機。
(付記19) 付記15に記載の携帯電話機において、
前記通信機器は、前記電池残量、前記受信信号レベル又は位置測定機能を持つ機器を含み、前記制御部は、前記電池残量、前記受信信号レベル又は位置測定機能を緊急経由先の優先順位付けに用いるとともに、優先順位付けを任意に設定可能にしたことを特徴とする携帯電話機。
(付記20) 近距離無線通信により接続する機能を持つ電子機器と前記近距離無線通信により接続される機器であって、
前記電子機器と近距離無線信号の送受信をする通信部と、
前記通信部が受信した前記電子機器からの通知情報を通知する通知部と、
を含むことを特徴とする機器。
斯かる構成とすれば、電子機器と接続される機器側に電子機器からの通知情報を通知することにより、電子機器が持つ情報を接続先で知ることができる。
(付記21) 付記20に記載の機器において、
前記電子機器に対し、前記通信部を通して前記電子機器の制御情報を送信する構成したことを特徴とする機器。
(付記22) 近距離無線通信機能を備える電子機器と機器とを無線通信により接続する優先接続装置であって、
前記電子機器が、近距離無線通信機能を備える1又は複数の機器と近距離無線信号の送受信をする通信部と、
前記複数の機器に優先度を付与し、該優先度により仕分けされた1又は複数の機器を表す優先付リストを登録する登録部と、
前記優先付リストに基づいて、1又は複数の機器を動的に選択し、選択された1又は複数の機器と前記通信部を通じて接続制御させる制御部と、
を含むことを特徴とする優先接続装置。
斯かる構成によれば、既述の電子機器と機器との近距離無線通信機能により、優先付リストに登録された1又は複数の機器との動的な接続が可能である。
(付記23) 近距離無線通信機能を備える電子機器と機器とを無線通信により接続する優先接続装置であって、
前記機器が、前記電子機器と近距離無線信号の送受信をする通信部と、
前記通信部が受信した前記電子機器からの通知情報を通知する通知部と、
を備えることを特徴とする優先接続装置。
(付記24) 近距離無線通信機能を備える電子機器と他の機器とを接続する優先接続方法であって、
近距離無線通信機能を備える1又は複数の機器と近距離無線信号の送受信をする処理と、
前記複数の機器に優先度を付与し、該優先度により仕分けされた1又は複数の機器を表す優先付リストを登録部に登録する処理と、
前記優先付リストに基づいて、1又は複数の機器を動的に選択し、選択された1又は複数の機器を近距離無線通信により接続制御させる処理と、
を含むことを特徴とする優先接続方法。
斯かる接続方法により、優先付リストに登録された1又は複数の機器との接続が可能になる。
(付記25) 付記24に記載の優先接続方法において、
前記登録部に登録された機器から、接続することで得られる近距離無線信号の受信信号レベルにより、接続先の機器を選択し、選択された1又は複数の機器を近距離無線通信により自動接続させる処理を含むことを特徴とする優先接続方法。
(付記26) 付記24に記載の優先接続方法において、
前記登録部に同時に接続する機器数を登録する処理と、
前記機器数に応じた数の機器と同時に接続する処理と、
を含むことを特徴とする優先接続方法。
(付記27) 付記24に記載の優先接続方法において、
前記優先付リストに、前記電子機器の移動先である1又は複数の位置情報とともに、各位置情報毎に優先度が付与された1又は複数の機器を登録する処理と、
前記優先付リストに基づいて、1又は複数の機器を動的に選択し、選択された1又は複数の機器を近距離無線通信により接続制御させる処理と、
を含むことを特徴とする優先接続方法。
(付記28) 付記24に記載の優先接続方法において、
前記優先付リストに、1又は複数の時間情報とともに、各時間情報毎に優先度が付与された1又は複数の機器を登録する処理と、
前記優先付リストに基づいて、1又は複数の機器を動的に選択し、選択された1又は複数の機器を近距離無線通信により接続制御させる処理と、
を含むことを特徴とする優先接続方法。
(付記29) 近距離無線通信機能を備える電子機器の優先接続方法であって、
近距離無線通信機能を備える1又は複数の通信機器と近距離無線通信信号により通信する処理と、
緊急発信時に経由可能な機器として前記1又は複数の通信機器を登録するとともに、前記1又は複数の通信機器との通信により、前記通信機器からの電池残量又は通信状態又は基地局からの受信信号レベル又は前記近距離無線通信信号の受信信号レベルのいずれか一つ又は幾つかを、前記通信機器毎に登録する処理と、
緊急発信時、前記電池残量が多く、通話状態でなく、基地局からの受信信号レベルが高く、前記近距離無線通信信号の受信信号レベルが高い通信機器に接続して、該通信機器を経由させて緊急発信させる処理と、
を含むことを特徴とする電子機器の優先接続方法。
(付記30) 近距離無線通信機能を備える携帯電話機の優先接続方法であって、
近距離無線通信機能を備える1又は複数の通信機器と近距離無線通信信号により通信する処理と、
緊急発信時に経由可能な機器として前記1又は複数の通信機器を登録するとともに、前記1又は複数の通信機器との通信により、前記通信機器からの電池残量又は通信状態又は基地局からの受信信号レベル又は前記近距離無線通信信号の受信信号レベルのいずれか一つ又は幾つかを、前記通信機器毎に登録する処理と、
緊急発信時、前記電池残量が多く、通話状態でなく、基地局からの受信信号レベルが高く、前記近距離無線通信信号の受信信号レベルが高い通信機器に接続して、該通信機器を経由させて緊急発信させる処理と、
を含むことを特徴とする携帯電話機の優先接続方法。
(付記31) 近距離無線通信機能を備える電子機器と他の機器とを接続するため、コンピュータにより実行される優先接続プログラムであって、
近距離無線通信機能を備える1又は複数の機器と近距離無線信号の送受信をするステップと、
前記複数の機器に優先度を付与し、該優先度により仕分けされた1又は複数の機器を表す優先付リストを登録部に登録するステップと、
前記優先付リストに基づいて、1又は複数の機器を動的に選択し、選択された1又は複数の機器を近距離無線通信により接続制御させるステップと、
を含むことを特徴とする優先接続プログラム。
斯かる接続プログラムにより、優先付リストに登録された1又は複数の機器との接続がコンピュータ処理により実現される。
(付記32) 付記31に記載の優先接続プログラムにおいて、
前記登録部に登録された機器から、接続することで得られる近距離無線信号の受信信号レベルにより、接続先の機器を選択し、選択された1又は複数の機器を近距離無線通信により自動接続させるステップを含むことを特徴とする優先接続プログラム。
(付記33) 付記31に記載の優先接続プログラムにおいて、
前記登録部に同時に接続する機器数を登録するステップと、
前記機器数に応じた数の機器と同時に接続するステップと、
を含むことを特徴とする優先接続プログラム。
(付記34) 付記31に記載の優先接続プログラムにおいて、
前記優先付リストに、前記電子機器の移動先である1又は複数の位置情報とともに、各位置情報毎に優先度が付与された1又は複数の機器を登録するステップと、
前記優先付リストに基づいて、1又は複数の機器を動的に選択し、選択された1又は複数の機器を近距離無線通信により接続制御させるステップと、
を含むことを特徴とする優先接続プログラム。
(付記35) 付記31に記載の優先接続プログラムにおいて、
前記優先付リストに、1又は複数の時間情報とともに、各時間情報毎に優先度が付与された1又は複数の機器を登録するステップと、
前記優先付リストに基づいて、1又は複数の機器を動的に選択し、選択された1又は複数の機器を近距離無線通信により接続制御させるステップと、
を含むことを特徴とする優先接続プログラム。
(付記36) コンピュータにより実行される、近距離無線通信機能を備える電子機器の優先接続プログラムであって、
近距離無線通信機能を備える1又は複数の通信機器と近距離無線通信信号により通信するステップと、
緊急発信時に経由可能な機器として前記1又は複数の通信機器を登録するとともに、前記1又は複数の通信機器との通信により、前記通信機器からの電池残量又は通信状態又は基地局からの受信信号レベル又は前記近距離無線通信信号の受信信号レベルのいずれか一つ又は幾つかを、前記通信機器毎に登録するステップと、
緊急発信時、前記電池残量が多く、通話状態でなく、基地局からの受信信号レベルが高く、前記近距離無線通信信号の受信信号レベルが高い通信機器に接続して、該通信機器を経由させて緊急発信させるステップと、
を含むことを特徴とする電子機器の優先接続プログラム。
(付記37) コンピュータにより実行される、近距離無線通信機能を備える携帯電話機の優先接続プログラムであって、
近距離無線通信機能を備える1又は複数の通信機器と近距離無線通信信号により通信するステップと、
緊急発信時に経由可能な機器として前記1又は複数の通信機器を登録するとともに、前記1又は複数の通信機器との通信により、前記通信機器からの電池残量又は通信状態又は基地局からの受信信号レベル又は前記近距離無線通信信号の受信信号レベルのいずれか一つ又は幾つかを、前記通信機器毎に登録するステップと、
緊急発信時、前記電池残量が多く、通話状態でなく、基地局からの受信信号レベルが高く、前記近距離無線通信信号の受信信号レベルが高い通信機器に接続して、該通信機器を経由させて緊急発信させるステップと、
を含むことを特徴とする携帯電話機の優先接続プログラム。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。