JP2011071045A - 積層式電池および組電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の内部抵抗を上げることなく内部短絡等で異常電流が流れた場合の電池の安全性を確保することが可能な積層式電池を提供すること。
【解決手段】複数枚の正極板1と負極板とをセパレータを介して交互に積層し、各極板から延出した正極リード11および負極リードを正極集電端子および負極集電端子にそれぞれ積層し接合して積層式電池とし、正極リード11に切れ込み35を形成し、リード11を通過する電流C11が切れ込み35によって複数(2つ)の経路D1、D2に分岐して流れ、複数の経路D1、D2のうちの一方の経路D1における最大電流密度が他方の経路D2における最大電流密度の1.5倍以上となるようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明は積層式電池に関し、特に、ロボット、電気自動車、バックアップ電源などに使用される大容量でハイレート特性を有する積層式電池に関する。
特に、軽量で安全性を重視した電池であって高負荷特性に優れ、高い信頼性が要求されるリチウムイオン電池に関する。
また、本発明は、複数の電池よりなる組電池に関し、特に軽量かつ安全であって高負荷特性に優れ、信頼性の高い組電池に関する。
近年、電池は、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の電源のみならず、ロボット、電気自動車、バックアップ電源などに使用されるようになってきており、さらなる高容量化が要求されるようになってきている。このような要求に対し、リチウムイオン電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような駆動電源として広く利用されている。
このようなリチウムイオン電池の電池形態としては、大別して、渦巻状の電極体を外装体に封入した渦巻式のものと、方形状電極を複数積層した積層電極体を外装体またはラミネートフィルムを溶着することにより作製したラミネート外装体に封入した積層式のもの(積層タイプの角型リチウムイオン電池)とがある。
これらリチウムイオン電池のうち、積層電極体をラミネート外装体に封入した積層式電池の積層電極体の具体的な構成は、正極集電リードを有するシート状の正極板と、負極集電リードを有するシート状の負極板とを、セパレータを介して必要な数だけ積層するような構成である。
ここで、上述の如く、リチウムイオン電池は高容量、高出力のために、積層電極内の一部で内部短絡が起きると短絡部へ積層電極から大電流が流れ込むおそれがあり、この大電流が流れ込んだときは、このリチウムイオン電池自体が損傷する等の不良が生ずると共にこのリチウムイオン電池自体に発熱が起こり、多量の熱を周囲に放出する不都合があった。
そこで、特許文献1および特許文献2では、電極本体およびリード部の少なくとも一方に、電流経路を制限する幅狭のヒューズ部(抵抗部)を設け、短絡時に該ヒューズ部が溶解して短絡部分が電気的に隔離されることにより、短絡電流の局所集中を抑えるようにすることが提案されている。
また、特許文献3では、リード部にスリットを設けることで、リードの曲げ加工を容易にしている。
特開2005−149794号公報 特開平8−185850号公報 特開2007−103218号公報
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に記載の構成では、異常電流が流れた際にリードを確実に溶断させるには、ヒューズ部を狭小として断面積を小さくし、これにより抵抗値を上げる必要があるため、ハイレート充放電時のレート特性が低下することとなってしまう。
一方、特許文献3は、捲回式(渦巻式)の電池における極板を捲回する工程において、リード取付部の極板が剛性が高くて湾曲し難いとリードのエッジがセパレータを貫通して短絡を生じるといった問題を解決するために、リード部に縦方向(即ち電流方向)のスリットを設けてリードを曲がりやすくなるようにしたものであり、リードにヒューズ機能を付与することを意図したものではない。実際、同文献では、例えば段落[0024]にあるように、スリットの間隔として好適な範囲が開示されているが、スリットにより画される各部の幅を異なるようにすることはなんら開示されていない。この場合、縦方向のスリットによりリードを複数部分に分割しただけであってこれら複数部分の幅に差がないとすれば、異常電流が流れた場合のヒューズ効果はあまり高くはならないので、リードの湾曲を容易にする手段としてならばともかく、異常電流が流れた場合の電池の安全性を確保する手段としては十分とはいえない。さらに付言すれば、特許文献3で考慮されているような、極板を捲回する工程においてリード取付部の極板が湾曲し難いという問題は、捲回式電池に特有の問題であって積層式電池の場合にはほぼ無縁であり、したがって特許文献3の開示内容は、積層式電池において異常電流が流れた場合の電池の安全性をいかに確保するかについて示唆を与えるものとはいえない。
したがって、本発明は、電池の内部抵抗を上げることなく内部短絡等で異常電流が流れた場合の電池の安全性を確保することが可能な積層式電池を提供することを目的とする。
また、本発明は、電池の抵抗を上げることなく内部短絡等で異常電流が流れた場合の電池の安全性を確保することが可能な組電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の積層式電池は、
複数枚の正極板と負極板とがセパレータを介して交互に積層され、各極板から延出した正極リードおよび負極リードが正極集電端子および負極集電端子にそれぞれ複数枚積層して接合された積層式電池であって、
上記正極リードおよび負極リードのうちの少なくとも一方のリードに切れ込みが形成され、当該リードを通過する電流が該切れ込みによって複数の経路に分岐して流れ、該複数の経路のうちのいずれかの経路における最大電流密度が、他のいずれかの経路における最大電流密度の1.5倍以上となっていることを特徴とする。
上記本発明の構成によれば、切れ込みを形成することによって、最大電流密度の差が1.5倍以上となっている一対の電流経路を含む、電流密度の不均一な複数の経路がリードに形成されているため、内部短絡が生じて大電流が流れ込んだ場合、電流が部分的に集中して流れ、その結果、電流密度が最も高い部位でリードが溶断し、この後、電流密度が次に高い部位に電流が集中することとなってこの部位でもリードが溶断することとなる。こうして、電流密度が最も高い部位から順次リードが溶断していくようにすることで、リードの断面積を小として抵抗値を上げたりすることなく、低い電流値でリードを溶断させることが可能となる。
またこのとき、リードに切れ込みを形成するだけであるため、簡潔な構成で容易に電池の安全性が確保される。
前記切れ込みが、リードの一方側縁近傍から他方側縁近傍まで、内部短絡が生じたときにリードを流れる電流を横断する方向に延びる横断部と、該横断部の一方端部から、内部短絡が生じたときに電流が流れる方向に対し実質的に反対方向へ延びる縦断部とを有して実質的に鉤形状となるように形成されていることが望ましい。
本発明において、「電流を横断する方向」とは、具体的には例えば電流方向に対し45°〜90°、より望ましくは70°〜90°程度の角度をなして交差する方向のことである。
また、「電流が流れる方向に対し実質的に反対方向」とは、具体的には例えば電流方向を0°とした場合の±160°〜±180°、より望ましくは±170°〜±180°の方向のことである。
また、「実質的に鉤形状」とは、直線状であると曲線状であるとを問わず、また屈曲の度合いを問わず、線が鉤状、くの字状等に一方側へ屈曲した形状を広汎に含意する。また、横断部および縦断部の少なくとも一方が屈曲部(交差角部)よりも多少延出したもの、換言すれば、横断部および縦断部を構成する2本の線が、横断部の一方端部において略T字状、略十字状等の形状で交差しているものであってもよい。
上記構成によれば、切れ込みとリードの両側縁との間にそれぞれ経路が形成され、リードを通過する電流がこれら両経路に分岐して流れることとなるが、このとき、切れ込みにおける横断部の一方端部には縦断部が形成されているため、この縦断部が形成された側の経路は他方側の経路よりも狭小に延びて、抵抗も高く電流が流れ込み難いものとなる。したがって、リードを通過する電流が他方側の経路に優先的に流れてこの他方側の部位でリードが溶断しやすくなり、これによりリードが容易かつ確実に溶断できることとなる。
前記切れ込みの横断部および縦断部が直線状に延び、該切れ込みが全体として実質的にL字形状となるように形成されていることが望ましい。
本発明において、「実質的にL字形状」とは、前記「実質的に鉤形状」のうち、直線が1点で一方側へ屈曲した形状を意味し、その屈曲角度は直角に限定されない。即ち、L字形状の切れ込みを構成する直線状の横断部および縦断部のそれぞれの方向は例えば前述した範囲内で変動し得る。
上記構成によれば、両経路への電流の流れ込みやすさの差がより大きくなり、したがってリードをより容易かつ確実に溶断させることができる。
前記切れ込みにおける横断部と縦断部との交差角部が曲線状に形成されていてもよい。
切れ込みが上記のように交差角部に曲線部を含むものであっても、横断部と縦断部とが形成されていれば、前述の通りリードが容易かつ確実に溶断することができる。
また、本発明の組電池は、
複数の電池が並列に接続されてなる組電池であって、
上記各電池間で正極同士を電気的に接続する導体および負極同士を電気的に接続する導体のうちの少なくとも一つの導体に切れ込みが形成され、当該導体を通過する電流が該切れ込みによって複数の経路に分岐して流れ、該複数の経路のうちのいずれかの経路における最大電流密度が、他のいずれかの経路における最大電流密度の1.5倍以上となっていることを特徴とする。
なお本発明の組電池において、「正極同士を電気的に接続する導体」および「負極同士を電気的に接続する導体」とは、組電池を構成する電池(素電池または単電池)における正負極集電リード、正負極集電端子等や素電池(単電池)同士を接続する導体等のように、各素電池(単電池)間で、発電要素である正極同士および負極同士をそれぞれ電気的に接続する導通部分であればいずれも含意する。
また、組電池を構成する電池(素電池または単電池)には、各電池内で複数の正極と複数の負極とが並列に接続された構成を有するものと、これ以外の構成を有するものとがいずれも含まれる。
複数の電池が並列に接続されてなる組電池の場合には、積層式電池の場合と同様に内部短絡等で異常電流が流れるので、この組電池を構成する各電池(素電池)間で正極同士を電気的に接続する導体および負極同士を電気的に接続する導体のうちの少なくとも一つの導体に切れ込みを形成し、当該導体を通過する電流が該切れ込みによって複数の経路に分岐して流れ、該複数の経路のうちのいずれかの経路における最大電流密度が、他のいずれかの経路における最大電流密度の1.5倍以上となるようにすると、上記積層式電池の場合と同様に、簡潔な構成により、抵抗を上昇させることなく、短絡により異常電流が生じた際に効果的に電流を遮断し得る機構を構成することができる。
上記本発明の組電池において、前記切れ込みが、導体の一方側縁近傍から他方側縁近傍まで、内部短絡が生じたときに導体を流れる電流を横断する方向に延びる横断部と、該横断部の一方端部から、内部短絡が生じたときに電流が流れる方向に対し実質的に反対方向へ延びる縦断部とを有して実質的に鉤形状となるように形成されていることが望ましい。
上記構成によれば、切れ込みと導体の両側縁との間にそれぞれ経路が形成され、導体を通過する電流がこれら両経路に分岐して流れることとなるが、このとき、切れ込みにおける横断部の一方端部には縦断部が形成されているため、この縦断部が形成された側の経路は他方側の経路よりも狭小に延びて、抵抗も高く電流が流れ込み難いものとなる。したがって、導体を通過する電流がこの他方側の経路に優先的に流れてこの他方側の部位で導体が溶断しやすくなり、これにより導体が容易かつ確実に溶断できることとなる。
上記本発明の組電池において、前記切れ込みの横断部および縦断部が直線状に延び、該切れ込みが全体として実質的にL字形状となるように形成されていることが望ましい。
上記構成によれば、両経路への電流の流れ込みやすさの差がより大きくなり、したがって導体をより容易かつ確実に溶断させることができる。
上記本発明の組電池において、前記切れ込みにおける横断部と縦断部との交差角部が曲線状に形成されていてもよい。
切れ込みが上記のように交差角部に曲線部を含むものであっても、横断部と縦断部とが形成されていれば、前述の通り導体が容易かつ確実に溶断することができる。
本発明によれば、リード(または導体)の断面積を小として抵抗値を上げたりすることなく、低い電流値でリード(または導体)を溶断させることが可能となり、したがって、電池の内部抵抗を上げることなくハイレート充放電性能を維持したままで、内部短絡等で異常電流が流れた場合の電池の安全性を確保することができる。
本発明の積層式電池の一部を示す図であって、同図(a)は正極の平面図、同図(b)はセパレータの斜視図、同図(c)は正極が内部に配置された袋状セパレータを示す平面図である。 本発明の積層式電池に用いる負極板の平面図である。 本発明の積層式電池に用いる正極板の正極リードを示す拡大図である。 本発明の積層式電池に用いる積層電極体の分解斜視図である。 本発明の積層式電池に用いる積層電極体の平面図である。 正負極リードと正負極集電端子とを溶着した状態を示す平面図である。 本発明の積層式電池の斜視図である。 積層式電池の正極リードが溶断する原理を示す概略回路図である。 積層式電池の正極リードにおける電流経路を模式的に示す概念図である。 アルミニウム箔の通電試験に用いた試験片を示す平面図である。 切れ込みの他の例を示す模式平面図である。 本発明の組電池の斜視図である。 本発明の組電池に用いる電池の正極集電端子を示す拡大図である。
以下、本発明に係る積層式電池を以下に説明する。なお、本発明における積層式電池は、下記の形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
〔正極の作製〕
正極活物質としてのLiCoOを90質量%と、導電剤としてのカーボンブラックを5質量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを5質量%と、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液とを混合して正極用スラリーを調製した後、この正極用スラリーを、正極集電体としてのアルミニウム箔(厚み:15μm)の両面に塗布した。その後、溶剤を乾燥し、ローラーで厚み0.1mmにまで圧縮した後、図1(a)に示すように、幅L1=95mm、高さL2=95mmになるように切断して、両面に正極活物質層1aを有する正極板1を作製した。この際、正極板1における幅方向に延びる一辺の一方端部(図1(a)では左端部)から幅L3=30mm、高さL4=20mmの活物質未塗布部を延出させて正極リード11とした。
〔正極板が内部に配置された袋状セパレータの作製〕
図1(b)に示すように、2枚の方形状のポリプロピレン(PP)製のセパレータ3a(幅L5=100mm、高さL6=100mm、厚み30μm)の間に正極板1を配置した後、図1(c)に示すように、セパレータ3aの周辺部を融着部4で熱溶着して、正極板1が内部に収納・配置された袋状セパレータ3を作製した。
〔負極の作製〕
負極活物質としての黒鉛粉末を95質量%と、結着剤としてのポリフッ化ピニリデンを5質量%と、溶剤としてのNMP溶液とを混合して負極用スラリーを調製した後、この負極用スラリーを負極集電体としての銅箔(厚み:10μm)の両面に塗布した。その後、溶剤を乾燥し、ローラーで厚み0.08mmにまで圧縮した後、図2に示すように、幅L7=100mm、高さL8=100mmになるように切断して、両面に負極活物質層2aを有する負極板2を作製した。この際、負極板2の幅方向に延びる一辺において上記正極板1の正極リード11形成側端部と反対側となる端部(図2では右端部)から幅L9=30mm、高さL10=20mmの活物質未塗布部を延出させて負極リード12とした。
〔切れ込みの形成〕
上記正極板1の正極リード11には、図1(a)に示すように、切れ込み35を形成しておくようにした。具体的には、図3に示すように、正極リード11における正極板1側端縁から距離L11=4mm、該正極リード11における外側端縁(正極板1の高さ方向に延びる一端縁に連続する側端縁;図3では左側端縁)から距離L12=5mmの位置E1と、正極リード11における正極板1側端縁から距離L11=4mm、該正極リード11における内側端縁(図3では右側端縁)から距離L13=5mmの位置E2と、正極リード11における延出側端縁(図3では上側端縁)から距離L14=8mm、該正極リード11における内側端縁(図3では右側端縁)から距離L13=5mmの位置E3と、の3点を結ぶようにしてL字形状(図3ではL字を反時計回りに90°回転した形状)の切れ込み35を入れた。この切れ込み35における位置E1から位置E2までを構成する横断部35Tの長さL15は20mm、位置E2から位置E3までを構成する縦断部35Lの長さL16は8mmである。
〔積層電極体の作製〕
上記正極板1が内部に配置された袋状セパレータ3を50枚、負極板2を51枚調製し、図4に示すように、該袋状セパレータ3と負極板2とを交互に積層した。その際、両端面部に負極板2が位置するようにした。ついで、図5に示すように、この積層体の両端面を形状保持のための絶縁テープ26で接続して、積層電極体10を得た。
〔集電端子の溶接〕
図6に示すように、積層された正極リード11および負極リード12のそれぞれの延出端部に、厚み0.5mmのアルミニウム板よりなる正極集電端子15ならびに厚み0.5mmの銅板よりなる負極集電端子16を、それぞれ超音波溶接法により溶接点31W、32Wで接合した。
〔外装体への封入〕
図7に示すように、あらかじめ電極体が設置できるように成形した2枚のラミネートフィルム17で構成した外装体18に、上記積層電極体10を挿入し、正極集電端子15および負極集電端子16のみが外装体18より外部に突出するよう正極集電端子15および負極集電端子16がある辺を熱融著するとともに、残りの3辺の内、2辺を熱融着した。
〔電解液の封入、密封化〕
上記外装体18の熱溶着していない1辺から、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とが体積比で30:70の割合で混合された混合溶媒に、LiPFが1M(モル/リットル)の割合で溶解された電解液を注入し、最後に熱溶着していない1辺を熱溶着することにより電池を作製した。
<本発明電池の効果>
1.上記発明を実施するための形態で説明した電池(以下、本発明電池Aと称する)は、50枚の正極板1と51枚の負極板2とがセパレータ3aを介して交互に積層され、各極板1、2から延出した正極リード11および負極リード12が正極集電端子15および負極集電端子16にそれぞれ積層して接合された積層式電池であって、図3に示すように、上記正極リード11に切れ込み35が形成され、当該リード11を通過する電流が該切れ込み35によって複数(2つ)の経路D1、D2に分岐して流れ、該複数の経路D1、D2のうちの一方の経路D1における最大電流密度が、他方の経路D2における最大電流密度の1.5倍以上となっている構成となっている。上記のように一方の経路D1における最大電流密度が他方の経路D2における最大電流密度の1.5倍以上となることは、後述するアルミニウム箔の通電試験の結果からも明らかである。
上記本発明電池Aの構成によれば、切れ込み35を形成することによって、最大電流密度の差が1.5倍以上となっている一対の電流経路D1、D2、即ち電流密度の不均一な複数(2つ)の経路D1、D2がリード11に形成されているため、内部短絡が生じて図3に矢印Y1で示す方向に大電流が流れ込んだ場合、電流が部分的に経路D1に集中して流れ、その結果、電流密度が最も高い部位(経路D1)でリード11が溶断し、この後、電流密度が次に高い部位(経路D2)に電流が集中することとなってこの部位(経路D2)でもリード11が溶断することとなる。こうして、電流密度が最も高い部位(経路D1)から順次リード11が溶断していくようにすることで、リード11の断面積を小として抵抗値を上げたりすることなく、低い電流値でリード11を溶断させることが可能となっている。
またこのとき、正極リード11に切れ込み35を形成しただけとなっているため、簡潔な構成で容易に本発明電池Aの安全性が確保されている。
図8は、本発明電池Aと同様の積層式電池の正極リードが溶断する原理を示す概略回路図である。同図に示す積層式電池においては、多数枚の正極板P1、P2、・・・、Pnが全て接続されるとともに、多数枚の負極板N1、N2、・・・、Nnが全て接続された並列接続となっている。ここで、仮に、これらのうちの1対である正極板P2と負極板N2とが図中の×印で示す箇所S1で短絡したとすると、他の全ての正極板P1、P3、・・・、Pnと負極板N1、N3、・・・、Nnとの間でも、この短絡箇所S1で短絡して環状に閉じたショート回路がそれぞれ形成され、その結果、これら他の全ての正極板P1、P3、・・・、Pnから電流C1、C3、・・・Cnが一斉に集中し大電流となって短絡箇所S1を流れること(回り込み電流)となり、これにより、はじめに短絡した正極板P2の正極リードPL2が切れ込みにより溶断して(図中の●印)、この短絡箇所S1における電流が遮断される。
2.また、切れ込み35が、リード11の一方(左)側縁近傍から他方(右)側縁近傍まで、内部短絡が生じたときにリードを流れる電流を横断する方向(即ち電流方向Y1に対し90°の角度をなして交差する幅L3方向)に延びる横断部35Tと、該横断部35Tの一方端部(図3では右端部)E2から、内部短絡が生じたときに電流が流れる方向Y1に対し実質的に反対方向(即ち電流方向Y1を0°とした場合の180°の方向;図3では直上方)へ延びる縦断部35Lとを有して実質的に鉤形状となるように形成されているので、図9の概念図に示すように、切れ込み35とリード11の両側縁との間にそれぞれ経路D1、D2が形成され、リード11を通過する電流C11がこれら両経路D1、D2に分岐して流れるようになっているが、このとき、切れ込み35における横断部35Tの一方端部(図9では右端部)E2には縦断部35Lが形成されているため、この縦断部35Lが形成された側の経路D2は他方側の経路D1よりも狭小に延びており、抵抗も高くて電流C11が流れ込み難いものとなっている。したがって、図9(a)に示すように、リード11を通過する電流C11が他方側の経路D1に優先的に流れてこの他方側の部位S11すなわち切れ込み35における横断部35Tの他方端部(図9では左端部)E1とリード11の一方(左)側縁との間の部位S11でリード11が溶断しやすくなっており、これによりリード11が容易かつ確実に溶断できるようになっている。図9(b)に示すように、上記部位S11でリード11が溶断した後は、縦断部35Lが形成された側の経路D2が唯一の経路となってこの経路D2に電流C11が集中して流れ込み、この経路D2内の部位でリード11が溶断して、電流C11が遮断されることとなる。
3.また、切れ込み35の横断部35Tおよび縦断部35Lが直線状に延び、該切れ込み35が全体としてL字形状、即ち直線が1点E2で一方側へ直角に屈曲した形状となるように形成されているので、両経路D1、D2への電流C11の流れ込みやすさの差がより大きくなっており、したがってリード11がより容易かつ確実に溶断し得るようになっている。
<アルミニウム箔の通電試験>
電池の正極リードないし負極リードに大電流が流れることを模擬し、アルミニウム箔よりなる試験片に電流を流してアルミニウム箔の溶断しやすさを以下のようにして調べた。
[試験片の調製]
図10(a)〜(e)に示すように、5種類のアルミニウム箔(厚み:10μm)よりなる試験片F11〜F15を調製した。
試験片F11:図10(a)の試験片F11は、幅L17=30mm、長さL18=150mmの短冊形(長方形)状であり、切れ込みは形成していない。
試験片F12:図10(b)の試験片F12は、上記試験片F1と同じく幅L17=30mm、長さL18=150mmの短冊形(長方形)状であるが、一方端から距離L19=75mm、一方長辺から距離L20=5mmの位置E4から、上記一方端から距離L19=75mm、他方長辺から距離L21=5mmの位置E5まで、試験片F12の幅L17方向に沿って直線状に延びる長さL22=20mmの切れ込みM11を入れた。
試験片F13:図10(c)の試験片F13は、上記試験片F1と同じく幅L17=30mm、長さL18=150mmの短冊形(長方形)状であるが、一方端から距離L23=75mm、一方長辺から距離L24=10mmの位置E6から、一方端から距離L23=75mmで他方長辺上にある位置E7まで、試験片F3の幅L17方向に沿って直線状に延びる長さL25=20mmの切れ込みM12を入れた。
試験片F14:図10(d)の試験片F14は、上記試験片F1と同じく幅L17=30mm、長さL18=150mmの短冊形(長方形)状であるが、一方端から距離L26=66.3mm、一方長辺から距離L27=5mmの位置E8から、他方端から距離L28=53.7mm、上記一方長辺から距離L27=5mmの位置E9まで、試験片F14の長さL18方向に沿って直線状に延びる長さL29=30mmの縦断部M13Lと、該縦断部M13Lにおける後者の位置E9から、上記他方端から距離L28=53.7mm、他方長辺から距離L30=5mmの位置E10まで、試験片F14の幅L17方向に沿って直線状に延びる長さL31=20mmの横断部M13Tと、から構成されるL字形状の切れ込みM13を入れた。
試験片F15:図10(e)の試験片F15は、上記試験片F1と同じく幅L17=30mm、長さL18=150mmの短冊形(長方形)状であるが、一方端から距離L32=66.3mm、一方長辺から距離L33=5mmの位置E11から、試験片F15の長さL18方向にほぼ沿って内側に僅かに湾曲するように緩やかに傾斜しながら延びて縦断部M14Lを形成した後、該縦断部M14Lに対し直角よりやや大きい鈍角をなす方向に向かって湾曲するように屈曲し、試験片F15の幅L17方向にほぼ沿って、他方端から距離L34=53.7mm、他方長辺から距離L35=5mmの位置E12まで、内側に僅かに湾曲するように緩やかに傾斜しながら延びて横断部M14Tを形成し、全体的に曲線で構成され中央部で丸く屈曲した概略J字形状をなす、実質的に鉤形状の切れ込みM14を入れた。即ち、上記切れ込みM14においては、横断部M14Tと縦断部M14Lとの交差角部が曲線状に形成されている。
[通電試験]
上記5種類の試験片F11〜F15のそれぞれにおける両端の幅方向中央に端子を接続し、図10に矢印Y11で示すように、各試験片F11〜F15の一方端から他方端へ(図10では左端から右端へ)電流が流れるようにして、電流値を40A、50A、80Aと段階的に上げていきながら通電した。また、これらの試験片F11〜F15の両端での1kHzの抵抗値を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2011071045
表1に示す通り、短冊形状で切れ込みを形成していない試験片F11は、抵抗値は15.6mΩと最も低いが、溶断する電流値も80Aと最も高い。切れ込みM11〜M14をそれぞれ入れた試験片F12〜F15は、抵抗値はそれぞれ16.5mΩ〜16.8mΩの範囲内にあってあまり変わらないが、溶断する電流値は、実質的に鉤形状の切れ込みM13、M14をそれぞれ入れた試験片F14、F15が40Aと最も低い。したがってこれら試験片F14、F15のほうが、切れ込みM11、M12によって単に断面積を狭くした構成の試験片F12、F13よりも、異常電流が流れた場合にいっそう確実に溶断することができる。また上述の通り、切れ込みM11〜M14をそれぞれ入れた試験片F12〜F15の抵抗値は同等であるから、これらのうち実質的に鉤形状の切れ込みM13、M14とした試験片F14、F15の構成によっても、ハイレート充放電特性は低下しない。
表2に、試験片F11〜F15に40Aの電流値で通電したときの、以下の各部位D11〜D18を通過する電流値および電流密度を示す。
D11:試験片F11の中央部
D12、D13:試験片F12における切れ込みM11の両端E4、E5と両長辺との間の部位
D14:試験片F13における切れ込みM12と一方長辺との間の部位
D15、D16:試験片F14における切れ込みM13の横断部M13Tの両端E9、E10と両長辺との間の部位
D17、D18:試験片F15における切れ込みM14の両端E11、E12と両長辺との間の部位
Figure 2011071045
表2に示す通り、切れ込みを形成していない試験片F11では電流密度は133A/mmと最も低くなっている。また、試験片F12においては、切れ込みM11の両側の部位D12、D13のそれぞれには同一幅L20=L21=5mmの電流経路が形成されているから、各部位D12、D13における電流密度はいずれも400A/mmで均等となっている。また、試験片F13においては、切れ込みM12と一方長辺との間の部位D14に形成された幅L24=10mmの電流経路に全電流40Aが集中して流れるため、電流密度は400A/mmとなっている。
一方、実質的に鉤形状の切れ込みM13、M14をそれぞれ入れた試験片F14、F15においては、縦断部M13L、M14Lが形成された側の部位D16、D18におけるよりも、その反対側の部位D15、D17におけるほうが電流密度が高くなっている。具体的には、L字形状の切れ込みM13を入れた試験片F14においては、縦断部M13L形成側と反対側の部位D15における電流密度は560A/mmで最も高く、縦断部M13L形成側の部位D16における電流密度240A/mmの約2.3倍となっている。曲線状で概略J字形をなす実質的に鉤形状の切れ込みM14を入れた試験片F15においては、縦断部M14L形成側と反対側の部位D17における電流密度は480A/mmであり、縦断部M14L形成側の部位D18における電流密度320A/mmの1.5倍となっている。
(その他の事項)
(1)上記本発明電池Aでは、切れ込み35が、リード11の一方側縁近傍から他方側縁近傍まで、内部短絡時の電流を直角に横断する方向(幅L3方向)に直線状に延びる横断部35Tと、該横断部35Tの一方端部E2から、内部短絡時の電流方向Y1に対し反対方向(図3では直上方)へ直線状に延びる縦断部35Lとを有してL字形状となるように形成されているが、横断部ないし縦断部が延びる方向は上記のような方向に限定されない。即ち、例えば図11に示す正極板36の正極リード37に形成されたL字形状の切れ込み38において、横断部38Tが内部短絡時の電流方向Y21に対してなす角度θ21は、45°〜90°、より望ましくは70°〜90°程度であればよく、また、電流方向Y21を0°とした場合の縦断部38Lの方向をθ22とすると、θ22は±160°〜±180°、より望ましくは±170°〜±180°程度であればよい。
また、切れ込みの形状としては上記のようなL字形状以外にも、例えば前記試験片F15の切れ込みM14のように、曲線で構成された鉤形状としてもよく、さらには、当該切れ込みを入れることによりリードに複数の電流経路が形成されてこれら電流経路における電流密度が不均一となるようなものであれば、鉤形状以外にも任意の形状が可能である。
(2)上記本発明電池Aでは、正極リード11のみに切れ込み35が形成されているが、切れ込みは負極リードのみに形成するようにしても、あるいは正極リードおよび負極リードの両方に形成するようにしてもよい。ただし、正極リードおよび負極リードの材質や厚みにより溶断しやすさに相違がある場合には、より溶断しやすいリードのみに切れ込みを入れるのが好ましい。
(3)上記本発明電池Aは、複数(50枚)の正極板1および複数(51枚)の負極板2が電池内で並列に接続された積層式電池となっており、この積層式電池では、前記図8の概略回路図を参照して説明した通り、いずれか1箇所で正極板1と負極板2との間に短絡が生じると回り込み電流が生じるため、正極リード11に切れ込み35を形成しておくことによって効果的に電池の安全性が確保されるようになっている。これに対し、例えば渦巻状の電極体を有底筒状の外装体に封入した渦巻式の電池等の場合には、正極と負極が電池内で並列に接続された構成とはなっていないため、回り込み電流が生じることはない。しかしながら、このように正極と負極が電池内で並列に接続された構成とはなっていない電池であっても、この電池を複数個並列に接続して組電池として構成した場合には、この組電池を構成する素電池(単電池)のうちのいずれかに短絡が生じると、これ以外の素電池(単電池)からの回り込み電流が生じ得るので、この組電池の素電池(単電池)における正負極集電リード、正負極集電端子等や素電池(単電池)同士を接続する導体等のうちの少なくとも1箇所、即ち、各素電池(単電池)間で正極同士を電気的に接続する導体および負極同士を電気的に接続する導体のうちの少なくとも一つの導体に切れ込みを形成し、当該導体を通過する電流が該切れ込みによって複数の経路に分岐して流れ、該複数の経路のうちのいずれかの経路における最大電流密度が、他のいずれかの経路における最大電流密度の1.5倍以上となるようにすると、1個の積層式電池の場合と同様に、簡潔な構成により、抵抗を上昇させることなく、短絡により回り込み電流が生じた際に効果的に電流を遮断し得る機構を構成することができる。
組電池の場合、切れ込みは、上記積層式電池の場合と同様にして導体に形成すればよい。この場合、例えば、導体の適宜な箇所にアルミニウム箔等の金属箔よりなる薄層部を設け、この薄層部に切れ込みを入れるようにしてもよい。
図12は、組電池の一例を示す斜視図である。同図に示す組電池A1は、素電池(単電池)である複数(5個)の積層式電池A10が並列に接続された構成となっている。上記複数(5個)の積層式電池A10の正極集電端子A11は正極導体41により電気的に接続され、負極集電端子A12は負極導体42により電気的に接続されている。なお、図中の43は、各積層式電池A10の間に介装されたスペーサである。
上記正極集電端子A11には、切れ込み44が形成されている。該切れ込み44は、図13に示すように、幅L51=30mm、長さL52=40mm、厚み0.5mmの矩形(長方形)状のアルミニウム板よりなる正極集電端子A11における積層式電池A10側端縁から距離L53=20mm、該正極集電端子A11における外側端縁(積層式電池A10の高さ方向に延びる一側端縁に近接する側端縁;図13では左側端縁)から距離L54=5mmの位置E20と、正極集電端子A11における積層式電池A10側端縁から距離L53=20mm、該正極集電端子A11における内側端縁(図13では右側端縁)から距離L55=5mmの位置E21と、正極集電端子A11における延出側端縁(図13では上側端縁)から距離L56=12mm、該正極集電端子A11における内側端縁(図13では右側端縁)から距離L55=5mmの位置E22と、の3点を結ぶようにして、L字形状(図13ではL字を反時計回りに90°回転した形状)の切れ込みとした。この切れ込み44における位置E20から位置E21までを構成する横断部44Tの長さL57は20mm、位置E21から位置E22までを構成する縦断部44Lの長さL58は8mmである。なお図13に示す矢印Y41は、内部短絡が生じたときに電流が流れる方向(図13では下方)である。
上記のように切れ込みを形成した組電池の構成は、渦巻式の電池等のように正極と負極が電池内で並列に接続された構成とはなっていない電池を素電池(単電池)として構成される組電池の安全性を確保するのに特に有用である。ただし、正極と負極が電池内で並列に接続された積層式電池を素電池(単電池)として構成される組電池の場合にも、同様にして切れ込みを形成するようにしてもよい。この組電池において、正極集電端子および負極集電端子のうちの少なくとも一方の集電端子に切れ込みを形成し(以下、このような切れ込みを「集電端子切れ込み」とも称す)、各素電池(単電池)における正極リードおよび負極リードのうちの少なくとも一方のリードに切れ込みを形成(以下、このような切れ込みを「リード切れ込み」とも称す)しない場合、素電池(単電池)1個につき1つの切れ込みを形成するだけでもよく、そのぶん加工の手間が大幅に少なくて済むものの、内部短絡が生じたときに集電端子が溶断することにより、この短絡を生じた素電池(単電池)全体が絶縁されて機能を喪失するのに対し、リード切れ込みのみを形成した場合には、内部短絡が生じたときにリードが溶断することにより、短絡した極板のみが絶縁されるので、これ以外の極板は発電要素として機能を喪失することがなく、したがって素電池(単電池)全体としては機能を維持することができる。しかしながら、リード切れ込みおよび集電端子切れ込みの双方を形成しておくようにすれば、切れ込みが二重に形成されることとなるので、安全性の点で確実性がより高い構成とすることができる。
(4)正極活物質としては、上記LiCoO2に限定するものではなく、LiNiO2、LiMn24或いはこれらの複合体等であっても良い。また、負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛等が好適に用いられる。
(5)上記実施例では、全ての負極板2につき、負極集電体の両面に負極活物質層を形成したが、正極板と対向していない部位の負極活物質層(具体的には、最外に配置された負極板の外側に存在する負極活物質層)はなくても良い。このような構造とすれば、積層電極体の厚みが小さくなるので、電池をより高容量密度化できる。
本発明は、例えば、ロボット、電気自動車、バックアップ電源等に用いる電池に好適に適用することができる。
1 正極板
11 正極リード
35 切れ込み
C11 電流
D1、D2 電流経路

Claims (8)

  1. 複数枚の正極板と負極板とがセパレータを介して交互に積層され、各極板から延出した正極リードおよび負極リードが正極集電端子および負極集電端子にそれぞれ複数枚積層して接合された積層式電池であって、 上記正極リードおよび負極リードのうちの少なくとも一方のリードに切れ込みが形成され、当該リードを通過する電流が該切れ込みによって複数の経路に分岐して流れ、該複数の経路のうちのいずれかの経路における最大電流密度が、他のいずれかの経路における最大電流密度の1.5倍以上となっていることを特徴とする積層式電池。
  2. 前記切れ込みが、リードの一方側縁近傍から他方側縁近傍まで、内部短絡が生じたときにリードを流れる電流を横断する方向に延びる横断部と、該横断部の一方端部から、内部短絡が生じたときに電流が流れる方向に対し実質的に反対方向へ延びる縦断部とを有して実質的に鉤形状となるように形成されている、請求項1に記載の積層式電池。
  3. 前記切れ込みの横断部および縦断部が直線状に延び、該切れ込みが全体として実質的にL字形状となるように形成されている、請求項2に記載の積層式電池。
  4. 前記切れ込みにおける横断部と縦断部との交差角部が曲線状に形成されている、請求項2に記載の積層式電池。
  5. 複数の電池が並列に接続されてなる組電池であって、
    上記各電池間で正極同士を電気的に接続する導体および負極同士を電気的に接続する導体のうちの少なくとも一つの導体に切れ込みが形成され、当該導体を通過する電流が該切れ込みによって複数の経路に分岐して流れ、該複数の経路のうちのいずれかの経路における最大電流密度が、他のいずれかの経路における最大電流密度の1.5倍以上となっていることを特徴とする組電池。
  6. 前記切れ込みが、導体の一方側縁近傍から他方側縁近傍まで、内部短絡が生じたときに導体を流れる電流を横断する方向に延びる横断部と、該横断部の一方端部から、内部短絡が生じたときに電流が流れる方向に対し実質的に反対方向へ延びる縦断部とを有して実質的に鉤形状となるように形成されている、請求項5に記載の組電池。
  7. 上記本発明の組電池において、前記切れ込みの横断部および縦断部が直線状に延び、該切れ込みが全体として実質的にL字形状となるように形成されている、請求項6に記載の組電池。
  8. 前記切れ込みにおける横断部と縦断部との交差角部が曲線状に形成されている、請求項6に記載の組電池。
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