JP2011070437A - 紙幣処理装置 - Google Patents

紙幣処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011070437A
JP2011070437A JP2009221449A JP2009221449A JP2011070437A JP 2011070437 A JP2011070437 A JP 2011070437A JP 2009221449 A JP2009221449 A JP 2009221449A JP 2009221449 A JP2009221449 A JP 2009221449A JP 2011070437 A JP2011070437 A JP 2011070437A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
banknote
unit
banknotes
storage
error
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009221449A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Miki
勇男 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Glory Ltd
Original Assignee
Glory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Glory Ltd filed Critical Glory Ltd
Priority to JP2009221449A priority Critical patent/JP2011070437A/ja
Publication of JP2011070437A publication Critical patent/JP2011070437A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】紙幣処理装置は、紙幣の払出指示を受け付けて、装置内に収納された紙幣から繰出す場合に、誤って繰出されるのを防止することができること。
【解決手段】挿入された紙幣を紙幣処理装置が識別し、識別結果に基づいて紙幣の収納属性を紙幣処理装置が決定し、紙幣処理装置で不具合が発生したことを紙幣処理装置で検知し、不具合が検知された場合に、不具合が検知された旨を収納属性に対して紙幣処理装置が関連付け、不具合が検知された旨が関連付けられた収納属性に対応する紙幣を紙幣処理装置が繰出対象から除外するように紙幣処理装置を構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、紙幣を収納し、収納した紙幣を繰出す紙幣処理装置に関するものである。
従来から、銀行等の金融機関には、ATM(Automatic Teller Machine)と呼ばれる現金自動預け払い機が設置されており、顧客は、通帳やキャッシュカードをATMに挿入して現金の預け入れ、または、引き出しを行っている。
かかる紙幣処理装置における紙幣の収納方式としては、テープに挟まれた紙幣をローラで巻き取ることによって収納するテープ方式がある。また、他の収納方式としては、紙幣処理装置内のスタッカと呼ばれる紙幣収納庫に紙幣を積層状態で収納するスタッカ方式もある。
たとえば、特許文献1には、テープ方式を採用した紙幣処理装置が開示されている。かかるテープ方式の紙幣処理装置では、顧客によって預け入れが行われる際に、入金された紙幣を1本または2本のテープとともにローラで巻き取って1枚ずつ収納する。また、顧客によって現金が引き出される際には、ローラを巻き戻すことによって、入金時に収納しておいた紙幣を1枚ずつ繰出して出金する。
ここで、テープ方式を採用した紙幣処理装置では、紙幣を収納する際に、紙幣の識別処理を行い、紙幣の属性(たとえば、金種)や収納順序の情報を記憶することとしている。そして、収納された紙幣を繰り出す際には、記憶しておいた金種や収納順序の情報を利用することで、識別処理を行うことなく該当する紙幣を出金することができる。
一方、スタッカ方式を採用した紙幣処理装置では、入金時に識別されて収納しておいた紙幣を、出金時に再度識別を行ってから出金する。これは、スタッカ方式では、積層状態の紙幣を1枚ずつに分離して繰り出す際に、2枚以上の紙幣が重なって繰り出されたり、集積に失敗して紙幣の順番が入れ替わる可能性があるためである。
このように、スタッカ方式の紙幣処理装置では、出金時の識別処理が不可欠となる。このため、出金時の識別処理が不要なテープ方式の紙幣処理装置のほうが出金処理を迅速に行うことができ、単位時間あたりの紙幣処理枚数を増やすことがきる。
特開2005−293389号公報
しかしながら、上述したテープ方式の紙幣処理装置は、記憶した属性および収納順序の情報に基づいて紙幣を繰出し、出金するようにしているため、記憶した情報の正確性が損なわれた場合に、誤出金してしまうという問題点があった。
たとえば、テープ方式の紙幣処理装置で、紙幣の搬送不良等のエラーが発生した場合、エラーを解除するには、エラーによって搬送路上に滞っていた紙幣を銀行の行員(以下、単に「行員」と記載する)が手動で紙幣処理装置内に収納することがある。
この場合、従来の紙幣処理装置は、紙幣を収納する際に記憶した属性および収納順序の情報と、行員によって収納された実際の紙幣の属性および収納順序とが不一致となり、誤出金を招いてしまう。
また、紙幣処理装置内で、エラー状態を回避するために自動復旧処理が行われこともあるが、この場合にも、属性および収納順序の情報と、行員によって収納された実際の紙幣の属性および収納順序との不一致が発生するおそれがある。
これらのことから、紙幣の誤出金を防止することができる紙幣処理装置をいかにして実現するかが課題となる。
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、紙幣の誤繰出しを防止することができる紙幣処理装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、紙幣を収納し、収納した前記紙幣を繰出す紙幣処理装置であって、挿入された前記紙幣を識別する紙幣識別部と、前記紙幣識別部による識別結果に基づいて前記紙幣の収納属性を決定する収納属性決定部と、前記紙幣処理装置で不具合が発生したことを検知する不具合検知部と、前記不具合検知部によって不具合が検知された場合に、不具合が検知された旨を前記収納属性に対して関連付ける関連付け部と、前記関連付け部によって前記不具合が検知された旨が関連付けられた前記収納属性に対応する前記紙幣を繰出対象から除外する除外部とを備えたことを特徴とする。このように、紙幣を収納する際に紙幣の収納属性と不具合情報とを関連付け、不具合情報が関連付けられた情報に基づいて紙幣を繰出すことによって、紙幣の誤繰出しを防止することができるという効果を奏する。
また、本発明は、前記関連付け部は、挿入された前記紙幣を収納する一連の処理を示す取引の期間中または完了後において前記不具合検知部によって不具合が検知された場合に、当該取引に属するすべての前記紙幣の前記収納属性に対して不具合が発生した旨を関連付けることを特徴とする。このように、不具合が発生した旨を関連付ける紙幣の数に幅を持たせることによって、たとえば、複数枚の紙幣が詰まってしまう等の不具合が発生した場合であっても、紙幣の誤繰出しを防止することができるという効果を奏する。
また、本発明は、前記関連付け部は、挿入されたすべての前記紙幣を複数のグループへ分割したうえで、各グループのそれぞれを前記取引として取り扱うことを特徴とする。このように、不具合が発生した旨を関連付ける紙幣の数を少なくすることによって、繰出対象から除外する紙幣を減らすことができ、より多くの紙幣を効率良く繰出し紙幣として利用することができるという効果を奏する。
また、本発明は、前記収納属性決定部によって決定された前記収納属性に基づき、前記紙幣をテープとともに巻き取って収納するテープ式収納部をさらに備えたことを特徴とする。このように、テープ式収納を採用することによって、収納された紙幣の繰出しを行う際に、複数の紙幣が重なって繰出されることを防止することができるという効果を奏する。
また、本発明は、前記除外部によって繰出対象から除外された前記紙幣を回収する回収部をさらに備えたことを特徴とする。このように、実際の紙幣の属性および収納順序との不一致が発生しているおそれがある紙幣を繰出さないことによって、紙幣の誤繰出しを防止することができるという効果を奏する。
また、本発明は、前記紙幣識別部は、前記除外部によって繰出対象から除外された前記紙幣を再識別することを特徴とする。このように、実際の紙幣の属性および収納順序との不一致が発生しているおそれがある紙幣を再度識別することによって繰出対象の紙幣を収納することができることによって、より多くの紙幣を効率良く繰出し紙幣として利用することができるという効果を奏する。
また、本発明は、挿入されたすべての前記紙幣を一時的に収納する第1の収納部と、前記紙幣の種別ごとに用意されており、前記第1の収納部から前記紙幣を受け付ける場合に作動する第2の収納部と、前記第1の収納部から前記第2の収納部へ前記紙幣を送出すると、同時に作動する前記第2の収納部の個数が所定の閾値を超える場合に、前記第1の収納部に対して前記紙幣の送出を待機するように指示する待機指示部とをさらに備えたことを特徴とする。このように、同時に作動する収納部の数を制限することによって、電源容量を節減するとともに、消費電力にかかるコストを削減することができるという効果を奏する。
本発明によれば、紙幣処理装置は、紙幣を収納する際に紙幣の収納属性と不具合情報とを関連付け、紙幣を繰出す際に、不具合情報が関連付けられた情報に基づいて紙幣を繰出すこととした。このようにすることで、紙幣の誤繰出しを防止することができるという効果を奏する。
図1は、本発明にかかる紙幣処理手法の概要を示す図である。 図2は、本実施例にかかる紙幣処理装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本実施例にかかる紙幣処理装置の構成図である。 図4は、エラー情報の一例を示す図である。 図5は、紙幣収納処理手順の一例を示す図である。 図6は、紙幣繰出し処理手順の一例を示す図である。 図7は、紙幣処理装置が実行する紙幣収納処理手順の概要を示すフローチャートである。 図8は、紙幣処理装置が実行する紙幣繰出し処理手順の概要を示すフローチャートである。 図9は、変形例にかかる紙幣処理装置の構成図である。 図10は、変形例にかかる紙幣収納処理手順の一例を示す図である。 図11は、変形例にかかる紙幣送出処理手順の一例を示す図である。 図12は、変形例にかかる紙幣送出処理手順の一例を示す図である。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる紙幣処理手法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明にかかる紙幣処理手法の概要について図1を用いて説明した後に、本発明にかかる紙幣処理手法を適用した紙幣処理装置についての実施例を図2〜図12を用いて説明することとする。
図1は、本発明にかかる紙幣処理手法の概要を示す図である。なお、同図では、テープ方式によって紙幣の収納および繰出しを行う紙幣処理装置を例にして説明を行う。また、同図では、紙幣を入金した際の識別処理によって「A金種」と識別された紙幣が、A金種用の収納部である「A金種収納部」へ収納される場合について示している。
同図の(A)に示すように、本発明にかかる紙幣処理手法では、識別済みの紙幣(同図の(1)参照)を収納部に収納する際(同図の(2)参照)、金種や収納順序といった収納属性と、搬送不良等のエラーが発生したか否かを示すエラー情報とを関連付けて記憶する。そして、本発明にかかる紙幣処理手法では、収納された紙幣を出金する際に、「エラーあり」である旨が関連付けられた収納属性に対応する紙幣を出金対象から除外する。
ここで、エラー発生の有無は、所定の「取引」ごとに判定される。たとえば、複数の金種を含んだ紙幣群が入金された場合に、かかる紙幣群が1つの「取引」に属すると呼ぶことができる。
たとえば、同図の(A)に示したように、1回目および3回目の取引においてエラー発生がなかったとすると、1回目および3回目の取引に属する紙幣の各収納属性に対して「エラーなし」である旨が関連付けられる。また、2回目の取引においてエラーが発生したとすると、2回目の取引に属する紙幣の各収納属性に対して「エラーあり」である旨が関連付けられる。
なお、図1では、一度に入金された紙幣群を1つの取引として取り扱う場合について示すが、後述するように、一度に入金された紙幣群を紙幣処理装置側で複数のグループへ分割し、各グループを1つの「取引」として取り扱うこととしてもよい。
このように、本発明にかかる紙幣処理手法では、紙幣を収納する場合に、各紙幣の収納属性と、エラー情報とを関連付ける。そして、収納された紙幣を出金する場合に、エラー情報が関連付けられた収納属性に基づき、該当する紙幣を出金対象とするか否かを判定する。
具体的には、図1の(B)に示したように、収納された紙幣を出金する場合、ローラを巻き戻すことによって、収納時の順序とは逆順で紙幣を繰り出す(同図の(3)参照)。同図に示した場合では、「エラーなし」である旨が関連付けられた3回目の取引に属する紙幣は、出金対象となる(同図の(4)参照)。一方、「エラーあり」である旨が関連付けられた2回目の取引に属する紙幣は、出金対象とはせず、再識別または回収の対象とする(同図の(5)参照)。
このように、本発明にかかる紙幣処理手法では、装置内に紙幣を収納する際に、各紙幣に対応する収納属性にエラー発生の有無を関連付ける。そして、収納された紙幣を出金する際には、エラーありである旨が関連付けられた収納属性に対応する紙幣を出金対象から除外する。
したがって、本発明に係る紙幣処理手法によれば、収納属性が実際の収納状況とは異なる可能性がある紙幣を確実に出金対象から除外することができるので、紙幣の誤出金を防止することが可能となる。
以下では、本発明にかかる紙幣処理手法を適用した紙幣処理装置についての実施例を詳細に説明する。図2は、本実施例にかかる紙幣処理装置10の構成を示すブロック図である。なお、図2では、紙幣処理装置10の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋して示している。
紙幣処理装置10は、エラー検知部11と、入金部12と、出金指示部13と、出金部14と、収納部15と、回収部16と、記憶部17と、制御部18とを備えている。また、制御部18は、エラー関連付け部18aと、収納属性決定部18bと、紙幣識別部18cと、出金判定部18dとをさらに備えており、記憶部17は、エラー情報17aを記憶する。
エラー検知部11は、各種センサで構成され、入金部12や搬送路等、紙幣処理装置10内で、搬送不良や紙幣詰まり等のエラーを検知して、エラー関連付け部18aへ通知する。また、エラー検知部11は、行員によって、手動でエラーの解除が行われた場合にも、紙幣処理装置10のドアが開けられたことを、センサで検知して、エラーが発生した旨を、エラー関連付け部18aへ通知する。
入金部12は、預け入れ紙幣を挿入する紙幣挿入口であり、入金部12にセットされた1枚または複数枚の紙幣を、1枚ずつ紙幣処理装置10内に取り込み、取り込んだ紙幣を紙幣識別部18cへ渡す。
出金指示部13は、出金指示、出金金額あるいはパスワードといった各種入力を受け付ける操作ボタン、たとえばテンキーを備えており、顧客によって入力された出金金額や出金許可の為のパスワード等の入力情報を出金判定部18dへ渡す。
なお、出金指示部13を、タッチパネルディスプレイなどの入出力デバイスで構成することとしてもよい。なお、タッチパネルディスプレイは、出金指示や数字が表示するとともに、表示画面に対してタッチされたディスプレイ上の座標位置情報を取得する。
出金部14は、出金処理が行われた際に、紙幣が出金される紙幣取出し口であり、出金判定部18dで、出金対象紙幣と判定された紙幣が、この出金部14に搬送されることになる。
収納部15は、紙幣をテープに挟み、テープとともに紙幣をローラで巻き取ることによって、紙幣を1枚ずつ収納し、また、ローラを巻き戻すことによって、紙幣を1枚ずつ繰出すことができるテープ方式の収納部である。また、収納部15は、複数の金種ごとに収納部が分類されており、収納属性決定部18bで決定された紙幣の金種および収納順序に基づいて所定の収納部に紙幣が収納される。
回収部16は、紙幣識別部18cで偽札である、または、汚れや破れがある損券であると識別された紙幣を回収しておく回収用の収納部である。また、出金判定部18dで、エラーありと判定された紙幣は出金対象紙幣とはしないで、いったん、この回収部16に回収される。
記憶部17は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、エラー情報17aを記憶する。エラー情報17aは、収納属性決定部18bで決定された紙幣の収納属性と、エラー検知部11で検知したエラーの情報とが関連付けられた情報である。
エラー関連付け部18aは、エラー検知部11から受け付けたエラーの情報を、収納属性決定部18bで決定された紙幣の収納属性と関連付けてエラー情報17aとして記憶部17へ記憶させる処理を行う処理部である。
また、エラー関連付け部18aは、エラー検知部11から受け付けたエラーの情報を、制御部18の図示しない自動復旧処理部へ渡す処理を併せて行う。なお、自動復旧処理部は、受け付けたエラーの情報に基づいて搬送不良や紙幣詰まり等を自動で復旧させる処理を行う処理部である。
収納属性決定部18bは、紙幣識別部18cで識別された金種に基づいて何れの収納部15に紙幣を収納するか、および、紙幣の収納順序を収納属性として決定し、エラー関連付け部18aへ渡す処理を行う処理部である。
紙幣識別部18cは、入金部12から受け付けた紙幣の金種の識別、偽札であるか否かの真偽判定および汚れや破れがあるか否かの正損判定等を行い、真券かつ正券であると判定した場合は、金種情報を収納属性決定部18bへ渡す処理を行う処理部である。
紙幣識別部18cにより、入金部12から受け付けた紙幣が、偽券または損券であると判定した場合は、制御部18は紙幣を回収部16へ渡す処理を行う。
出金判定部18dは、出金指示部13からの入力情報である出金金額を受け付けて、収納部15から何れの金種を何枚出金させるかを判定し、収納部15から所定の紙幣を繰出させる処理を行う処理部である。
また、出金判定部18dは、記憶部17に記憶されたエラー情報17aに基づいて紙幣が出金対象紙幣であるか否かを判定する処理を併せて行う。具体的には、出金判定部18dは、「エラーなし」である旨が関連付けられた紙幣を出金対象紙幣として、出金部14へ搬送させる。一方、出金判定部18dは、「エラーあり」である旨が関連付けられた紙幣を回収部16へ回収させる。
なお、出金判定部18dは、「エラーあり」である旨が関連付けられた紙幣を回収部16へ回収させる旨の説明を行ったが、紙幣識別部18cで、再識別を行うように一時的に収納しておく図示しない保留紙幣収納部へ収納させるようにしてもよい。この場合、紙幣識別部18cによる再識別の結果、エラーなしと判定された紙幣を出金対象紙幣として取り扱うことができ、紙幣の利用効率を向上させることができる。
つぎに、紙幣処理装置10の装置内部の構成について、図3を用いて説明する。図3は、本実施例にかかる紙幣処理装置10の構成図である。なお、図3では、紙幣処理装置10の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋して示しており、また、図2のブロック図で説明した部分については同一の符号を付し、説明を省略することとする。
図3に示すように、紙幣処理装置10は、上部ユニット20と、下部ユニット30とを備えている。また、上部ユニット20は、入金部12と、紙幣識別部18cと、搬送路21と、出金部14とをさらに備えており、下部ユニット30は、複数の金種ごとの収納部15と、回収部16と、搬送路21とをさらに備えている。さらに、各収納部15は、テープ32に挟まれた紙幣を収納する際、テープ32とともに紙幣を巻き取るローラ31と、テープ32と、テープ32を巻き取るテープリール33と、テープ32を案内するガイドローラ34とを備えている。なお、左上の収納部15にテープ32、テープリール33およびガイドローラ34を備えるよう図示したが、他の収納部15にも、上述したテープ32、テープリール33およびガイドローラ34が、それぞれ備えられているものとする。
ここで、紙幣処理装置10は、上部ユニット20と下部ユニット30とに分かれており、上部ユニット20内で、何らかのエラーが発生した場合には、行員が上部ユニット20に備えるドアを開けて、手動でエラーを解除することができる。
一方、下部ユニット30内で何らかのエラーが発生した場合には、手動でエラーを解除することが許可されていないことが通常である。これは、下部ユニット30は、入金された紙幣が収納されていることから、金庫としての機能をもつためである。このため、紙幣処理装置10は、ドアを開けることなく、自動でエラーを解除する機能を持ち合わせている。
ここで、紙幣処理装置10の装置内部を、処理および紙幣の流れとともに説明する。入金部12に紙幣が挿入され、図示しない入金指示部等から入金指示が行われると、紙幣は紙幣識別部18cに搬送される。そして、紙幣識別部18cでは、搬送された紙幣の識別が行われる。
つづいて、紙幣が真券かつ正券であると判定された場合には、紙幣は搬送路21経由で、識別された金種に対応する収納部15へ搬送され、収納される。紙幣が収納される際に、エラー関連付け部18aは、収納属性とエラーの有無とを関連付けてエラー情報17aとして記憶する。一方、紙幣が偽券または損券であると判定された場合には、紙幣は搬送路21経由で、回収部16へ回収されることとなる。
また、紙幣処理装置10は、出金指示を受け付けると、金種ごとに収納される収納部15から、所定の金種および枚数の紙幣を繰出すことになる。この場合、繰出された紙幣に対応するエラー情報17aに基づき、繰り出された紙幣を出金対象とするか否かを判定する。
そして、収納部15から繰出された紙幣が、エラーなしと判定された場合には、繰出された紙幣は搬送路21経由で、出金部14へ出金される。一方、収納部15から繰出された紙幣が、エラーありと判定された場合には、繰出された紙幣は搬送路21経由で、回収部16へ回収されることとなる。
つぎに、紙幣処理装置10の記憶部17が記憶するエラー情報17aについて、図4を用いて説明する。図4は、エラー情報17aの一例を示す図である。なお、図4の(A)には、従来技術にかかる収納属性を、図4の(B)には、エラー情報17aを、それぞれ示している。
図4の(A)に示すように、従来の属性情報は、紙幣が何れの収納部に収納されているかを示す「収納部ID」項目と、収納部IDで示す収納部に収納された紙幣の収納順序を示す「通番」項目および収納部に収納する紙幣の種類である「金種」項目を含む情報であった。
ここで、識別された紙幣の金種によって収納部を分類する場合、たとえば、収納部IDが「1」である収納部にA金種の紙幣を収納するのであれば、属性情報には、「収納部ID:1」、「金種:A」と記憶される。さらに、収納部別に紙幣が収納された順序で、属性情報の「通番」項目が採番されることとなる。
なお、所定の金種の紙幣を、複数の収納部に分割して収納することとしてもよい。たとえば、A金種の紙幣を、収納部IDが「1」および「4」である収納部に収納するよう、割り当てを行うこととしてもよい。
しかし、図4の(A)に示した従来の属性情報を用いた場合、属性情報が紙幣の実際の収納状況と食い違った場合に、誤出金を起こしてしまう。そこで、紙幣処理装置10では、図4の(B)に示したように、上述した「収納部ID」、「通番」および「金種」に加え、「取引番号」およびエラーが発生したか否かを示す「エラー」項目を付加し、紙幣の収納時にエラー情報17aとして記憶することとした。
ここで、1取引を顧客によって現金の預け入れが1回行われる単位とし、「取引番号」は取引単位で採番することとする。また、取引ごとにエラーが発生したか否かを「エラー」項目に記憶する。
具体的には、所定の収納部15に紙幣が収納される際、収納部ID、収納順序および金種とともに、「取引番号」と、1取引中または1取引の終了後にエラーが発生したか否かの「エラー」の情報とをエラー情報17aとして記憶する。
たとえば、1回目の預け入れが行われた際に、A金種の紙幣が2枚およびB金種の紙幣が1枚入金され、エラーが発生しなかった場合に、入金された3枚の紙幣に対応するエラー情報17aは、「取引番号:1、エラー:なし」と記憶される(同図の(B)の1、2および8行目参照)。
一方、2回目の預け入れが行われた際に、A金種の紙幣が3枚およびB金種の紙幣が1枚入金され、何らかのエラーが発生した場合に、入金された4枚の紙幣に対応するエラー情報17aは、「取引番号:2、エラー:あり」と記憶される(同図の(B)の3〜5および9行目参照)。このように、エラー情報17aには、取引番号およびエラー発生の有無が紙幣ごとに記録される。
そして、出金する際には、エラー情報17aに記憶される「エラー」項目に基づいて出金判定処理を行う。たとえば、A金種の紙幣を出金する場合、「収納部ID:1」の収納部から紙幣を繰出して、繰出した紙幣に対応する「エラー」項目が「なし」の場合は(同図の(B)の1行目参照)、繰出した紙幣を出金対象紙幣と判定する。そして、再度紙幣の識別を行うことなく出金部14へ搬送する。
一方、繰出した紙幣に対応する「エラー」項目が「あり」の場合は(同図の(B)の3行目参照)、繰出した紙幣を出金対象紙幣とは判定しないで、回収部16へ回収することとなる。
なお、ここでは、取引単位を顧客によって現金の預け入れが1回行われる単位とし、取引単位で取引番号を採番し、取引番号とともにエラーが発生したか否かを関連付ける旨の説明を行った。
しかし、1回の現金の預け入れで挿入された紙幣を所定の枚数からなる複数のグループに分割したうえで、分割した各グループを1つの取引として取り扱うこととしてもよい。そして、かかる1つの取引ごとに、エラーが発生したか否かを関連付けるようにしてもよい。たとえば、入金部12の額を超える紙幣が入金される場合、複数回に分割して入金処理を行うが、各回ごとの入金処理を本発明における1つの取引としてもよい。
以下では、1回の現金の預け入れで挿入された紙幣のうち10枚ずつ入金処理を行った場合に、1回目の処理のうち、A金種の紙幣が2枚で、その他の金種の紙幣が8枚あり、エラーが発生しなかった場合について図4の(C)を用いて説明する。
図4の(C)に示したように、収納部ID:1の収納部15には、2枚のA金種の紙幣が収納されるので、同図の(C)に示すように、2枚の紙幣の対応するエラー情報17aには、「取引番号:1−1、エラー:なし」と記憶される(同図の(C)の1、2行目参照)。その他の金種の紙幣についても、図示しないが、同様にエラー情報17aに「エラー:なし」と記憶される。
また、2回目の処理の10枚のうち、A金種の紙幣が3枚あり、エラーが発生した場合には、3枚の紙幣の対応するエラー情報17aに、「取引番号:1−2、エラー:あり」と記憶される(同図の(C)の3〜5行目参照)。
このように、取引単位の紙幣枚数を少なくすることで、ある時点でエラーが発生した場合、エラー情報17aに「エラー:あり」と記憶される紙幣枚数を少なくすることができる。したがって、出金する際には、逆に出金対象紙幣と判定される紙幣が多くなることから、効率良く、収納された紙幣を出金することができる。
つぎに、紙幣処理装置10が行う紙幣処理手順の詳細について、図5〜図6を用いて説明する。まず、紙幣処理装置10が行う紙幣収納処理手順について、図5を用いて説明する。図5は、紙幣収納処理手順の一例を示す図である。
同図に示すように、紙幣処理装置10は、A金種、B金種およびC金種の3種類の金種にそれぞれ対応する収納部15を備えており、それぞれの収納部15のローラ31を巻き取ることによって金種ごとに各紙幣を収納する。
収納属性決定部18bは、紙幣識別部18cで識別された金種に基づいて何れの収納部15に紙幣を収納するか、および、紙幣の収納順序を収納属性として決定し、決定された収納属性に基づいて各収納部15へ真券かつ正券と判定された紙幣のみが搬送され、収納される。
また、エラー関連付け部18aでは、エラー検知部11から受け付けたエラーの情報を、収納属性決定部18bで決定された紙幣の収納属性と関連付けて、エラー情報17aとして記憶する。
たとえば、紙幣処理装置10は、1回目の預け入れが行われた際に、A金種の紙幣が2枚、B金種の紙幣が1枚およびC金種の紙幣が3枚入金され、エラーが発生しなかった場合に、A金種収納部15に2枚のA金種紙幣が、B金種収納部15に1枚のB金種紙幣が、C金種収納部15に3枚のC金種紙幣が収納される。
そして、紙幣処理装置10は、入金された合計6枚の紙幣に対して、「エラー:なし」と関連付けてエラー情報17aに記憶する。なお、ここでは、取引単位を顧客によって現金の預け入れが1回行われる単位として説明する。
その後、紙幣処理装置10は、2回目の預け入れが行われた際に、A金種の紙幣が3枚およびB金種の紙幣が4枚入金され、何らかのエラーが発生したとする。この場合、入金された合計7枚の紙幣に対して、「エラー:あり」と関連付けてエラー情報17aに記憶し、各紙幣は金種に対応する各収納部15に収納される。
さらに、紙幣処理装置10は、3回目の預け入れが行われた際に、A金種の紙幣が1枚、B金種の紙幣が1枚およびC金種の紙幣が2枚入金され、エラーが発生しなかったとする。この場合、入金された合計4枚の紙幣に対して、「エラー:なし」と関連付けてエラー情報17aに記憶し、各紙幣は金種に対応する各収納部15に収納される。
つぎに、紙幣処理装置10が行う紙幣繰出し処理手順の詳細について、図6を用いて説明する。図6は、紙幣繰出し処理手順の一例を示す図である。
ここで、紙幣処理装置10は、出金指示を受け付けると、出金判定部18dでは、出金指示部13からの出金指示とともに、入力情報である出金金額を受け付けて、金種ごとに紙幣の出金枚数をそれぞれ判定する。
そして、出金判定部18dは、各収納部15から所定の枚数の紙幣を繰出す際、記憶部17に記憶されているエラー情報17aに基づいて出金対象紙幣か否かを判定する。出金判定部18dは、繰出された紙幣に、エラーなしと関連付けられている場合は、紙幣を出金部14へ搬送させ、一方、繰出された紙幣に、エラーありと関連付けられている場合は、繰出された紙幣を回収部16へ回収させる。
たとえば、出金判定部18dは、出金金額によってA金種の出金枚数を2枚と判定した場合、図6に示すように、A金種収納部15に備えるローラ31を巻き戻すことによって、入金時に収納しておいた紙幣を繰出す。
ここでは、エラーなしと関連付けられている1枚の紙幣が出金対象紙幣として、出金部14に搬送され、2枚のエラーありと関連付けられている紙幣が、回収部16に回収された図を示す。
その後、出金判定部18dでは、出金対象紙幣の出金枚数2枚に到達するまで、紙幣の繰出しを行い、エラー情報17aに基づいて出金対象紙幣か否かを判定し、判定結果に基づいて紙幣を出金部14または回収部16へ搬送されることとなる。
上述したように、複数の金種ごとに設けられた各収納部15に収納された紙幣を、金種ごとにそれぞれ出金枚数に到達するまで繰出して、出金指示とともに受け付けた出金金額を出金部14に搬送するよう、処理を繰り返す。
これまでは、紙幣処理装置10が行う紙幣処理手順の詳細を、紙幣の流れを図示して説明してきたが、つぎに、紙幣処理装置10が行う紙幣処理手順を、図7〜図8に示したフローチャートを用いて説明する。
まず、紙幣処理装置10が行う紙幣収納処理手順の概要について、図7を用いて説明する。図7は、紙幣処理装置10が実行する処理手順の概要を示すフローチャートである。なお、ここでは、取引単位ごとに本フローチャートで示した紙幣収納処理手順を行うこととする。
同図に示すように、紙幣識別部18cは、1枚ずつ紙幣の識別を行い(ステップS101)、紙幣が真券かつ正券であるか否かを判定する(ステップS102)。そして、紙幣が真券かつ正券であると判定された場合(ステップS102:Yes)、収納属性決定部18bは、識別された金種に基づいて収納属性を決定する(ステップS103)。
その後、エラー関連付け部18aは、エラーが発生したか否かを判定し(ステップS104)、エラーが発生していないと判定された場合(ステップS104:Yes)、紙幣収納処理を実行している取引のエラーの情報を「エラーなし」とする(ステップS105)。
一方、エラー関連付け部18aは、エラーが発生したと判定された場合(ステップS104:No)、紙幣収納処理を実行している取引のエラーの情報を「エラーあり」とする(ステップS106)。
また、紙幣識別部18cは、紙幣が偽券または損券であると判定された場合(ステップS102:No)、紙幣を回収部16へ回収して(ステップS107)、ステップS108へ処理を移行する。
そして、紙幣識別部18cは、識別する紙幣があるか否かを判定し(ステップS108)、識別する紙幣があると判定された場合(ステップS108:No)、識別する紙幣がなくなるまで、ステップS101〜ステップS105までの処理を繰り返す。
一方、識別する紙幣がなしと判定された場合(ステップS108:Yes)、エラー関連付け部18aは、エラーが発生したか否かを判定し(ステップS109)、エラーが発生していないと判定された場合(ステップS109:Yes)、紙幣収納処理を実行している取引のエラーの情報を「エラーなし」とする(ステップS110)。
一方、エラー関連付け部18aは、エラーが発生したと判定された場合(ステップS109:No)、紙幣収納処理を実行している取引のエラーの情報を「エラーあり」とする(ステップS111)。
その後、エラー関連付け部18aは、収納属性とエラーの有無である情報とを関連付けてエラー情報17aに記憶して(ステップS112)、金種ごとの各収納部15へ紙幣を収納して(ステップS113)、一連の紙幣収納処理を終了する。
つぎに、紙幣処理装置10が行う紙幣繰出し処理手順の概要について、図8を用いて説明する。図8は、紙幣処理装置が実行する紙幣繰出し処理手順の概要を示すフローチャートである。なお、ここでは、収納部15ごとに本フローチャートで示した紙幣繰出し処理手順を行うこととする。
同図に示すように、出金判定部18dは、収納部15で出金する紙幣の出金枚数を取得し(ステップS201)、総出金枚数を0に初期化し(ステップS202)、収納部15から紙幣を1枚繰出す(ステップS203)。
そして、出金判定部18dは、記憶部17から繰出された紙幣に対応するエラー情報17aを取得して(ステップS204)、エラーなしと関連付けられているか否かを判定する(ステップS205)。
出金判定部18dは、エラーなしと関連付けられていると判定された場合(ステップS205:Yes)、ステップS203で繰出した紙幣を、出金対象紙幣として出金部14に搬送し(ステップS206)、総出金枚数に1加算する(ステップS207)。
また、出金判定部18dは、エラーありと関連付けられていると判定された場合(ステップS205:No)、ステップS203で繰出した紙幣を、回収部16へ回収して(ステップS208)、ステップS209へ処理を移行する。
そして、出金判定部18dは、出金枚数と総出金枚数とが等しいか否かを判定し(ステップS209)、出金枚数と総出金枚数とが等しくないと判定された場合(ステップS209:No)、総出金枚数が出金枚数に到達するまで、ステップS203〜ステップS207までの処理を繰り返す。
一方、出金判定部18dは、出金枚数と総出金枚数とが等しいと判定された場合(ステップS209:Yes)、出金部14に搬送されたすべての出金対象紙幣を出金して(ステップS210)、一連の紙幣繰出し処理を終了する。
紙幣処理装置10では、出金指示を受け付けると、上述したように、金種ごとに設けられた各収納部15に収納された紙幣を、金種ごとに出金枚数に到達するまで繰出して、出金指示とともに受け付けた出金金額を出金するよう、処理を繰り返す。
なお、ここでは、ステップS209で出金枚数と総出金枚数とを比較したが、各収納部15で出金する紙幣の出金額と出金部14に搬送された出金対象紙幣の総額とを比較して、紙幣の出金終了の判定を行ってもよい。
上述してきたように、紙幣処理装置10は、装置内に紙幣を収納する際に、収納属性に関連付けてエラーが発生したか否かを記憶し、収納された紙幣を出金する際には、記憶されたエラーの情報に基づいて紙幣を出金するか否かを判定し、出金対象紙幣と判定された紙幣を出金することによって、紙幣の誤出金を防止することができる。
ところで、これまで本発明の実施例について説明してきたが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。本実施例においては、装置内に紙幣を収納する際に、「エラーなし」と関連付けられた紙幣とともに、「エラーあり」と関連付けられた紙幣も収納部15に収納するようにした。
しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。そこで、以下では、紙幣処理装置10に、一時保留部を備えるよう構成される変形例について図9を用いて説明する。図9は、変形例にかかる紙幣処理装置10aの構成図である。
なお、図9では、図3と比較して同様の機能を発揮する部分については同一の符号を用いており、異なる機能について説明することとする。
同図に示すように、紙幣処理装置10aは、上部ユニット20に、一時保留部22を備える点で図3に示した紙幣処理装置10とは異なる。さらに、一時保留部22には、テープに挟まれた紙幣を収納する際、テープとともに紙幣を巻き取るローラ23を備えている。
ここで、紙幣処理装置10aの装置内部を、処理および紙幣の流れとともに説明する。入金部12に紙幣が挿入されたら、紙幣は紙幣識別部18cに搬送されて、紙幣識別部18cでは、搬送された紙幣の識別が行われる。
そして、紙幣が真券かつ正券であると判定された場合に、紙幣は搬送路21経由で、一時保留部22へ搬送され、収納される。紙幣が収納される際に、エラー関連付け部18aは、収納属性とエラーの有無とを関連付けてエラー情報17aに記憶する。一方、紙幣が偽券または損券であると判定された場合には、紙幣は搬送路21経由で、回収部16へ回収されることとなる。
そして、所定のタイミングで、一時保留部22に収納されている紙幣は、識別された金種に対応する収納部15へ送出される。各収納部15へ紙幣が送出される際、一時保留部22から1枚ずつ紙幣が繰出され、制御部18は、繰出された紙幣に関連付けられたエラー情報17aに基づいてエラーが発生したか否かを判定する。
そして、繰出された紙幣が、エラーなしと判定された場合に、繰出された紙幣は出金対象紙幣として、搬送路21経由で識別された金種に対応する収納部15へ送出され、収納される。一方、収納部15から繰出された紙幣が、エラーありと判定された場合には、繰出された紙幣は搬送路21経由で、回収部16へ回収されることとなる。
このように、変形例にかかる紙幣処理装置10aは、顧客によって預け入れが行われる際に、一時保留部22に一時的に紙幣を収納して、その後、出金対象紙幣だけを、金種に対応する収納部15に収納する点で、紙幣処理装置10とは異なる。
つぎに、紙幣処理装置10aが行う紙幣処理手順の詳細について、図10〜図11を用いて説明する。まず、紙幣処理装置10aが行う紙幣収納処理手順について、図10を用いて説明する。図10は、変形例にかかる紙幣収納処理手順の一例を示す図である。
同図の(A)に示すように、紙幣処理装置10aは、一時的に紙幣を収納する一時保留部22を備えており、ローラ23を巻き取ることによって入金部12から挿入された紙幣を収納する。
収納属性決定部18bは、紙幣の一時保留部22に収納される収納順序を収納属性として決定する。また、エラー関連付け部18aでは、エラー検知部11から受け付けたエラーの情報を、収納属性決定部18bで決定された紙幣の収納属性と関連付けて、エラー情報17aとして記憶する。
そして、収納属性決定部18bは、決定された収納属性に基づいて一時保留部22へ真券かつ正券と判定された紙幣のみが搬送され、収納される。
たとえば、紙幣処理装置10aは、1回目の預け入れが行われた際に、A金種の紙幣が1枚およびB金種の紙幣が1枚入金され、エラーが発生しなかった場合に、一時保留部22に2枚の入金紙幣が収納される(同図の(A)参照)。
そして、紙幣処理装置10aは、入金された合計2枚の紙幣に対して、「エラー:なし」と関連付けてエラー情報17aに記憶する。なお、ここでは、取引単位を顧客によって現金の預け入れが1回行われる単位として説明する。
その後、紙幣処理装置10aは、2回目の預け入れが行われた際に、B金種の紙幣が1枚およびC金種の紙幣が1枚入金され、入金取引中に何らかのエラーが発生したとする。この場合、入金された合計2枚の紙幣に対して、「エラー:あり」と関連付けてエラー情報17aに記憶し、各紙幣は一時保留部22に収納される(同図の(B)参照)。
さらに、紙幣処理装置10aは、3回目の預け入れが行われた際に、B金種の紙幣が1枚、A金種の紙幣が1枚およびC金種の紙幣が1枚入金され、エラーが発生しなかった場合に、入金された合計3枚の紙幣に対して、「エラー:なし」と関連付けてエラー情報17aに記憶し、各紙幣は一時保留部22に収納される(同図の(C)参照)。
つぎに、紙幣処理装置10aが行う紙幣送出処理手順の詳細について、図11を用いて説明する。図11は、変形例にかかる紙幣送出処理手順の一例を示す図である。
同図に示すように、紙幣処理装置10aは、所定のタイミングで、一時保留部22に収納されていた紙幣のうち、エラー情報17aに基づいてエラーなしと判定された出金対象紙幣だけを、金種に対応する収納部15に送出して、収納する。
たとえば、紙幣処理装置10aは、入金や出金等の取引後に、一定時間取引が行われなかった場合、一時保留部22に収納されていた紙幣を、金種に対応する収納部15に送出する送出処理が行われる。また、紙幣処理装置10aは、入金や出金等の取引が開始されたら、送出処理を終了することとする。
具体的には、制御部18は、一時保留部22から紙幣を送出する際、記憶部17に記憶されているエラー情報17aに基づいて出金対象紙幣か否かを判定する。制御部18は、繰出された紙幣に、エラーなしと関連付けられている場合は、出金対象紙幣と判定して、金種に対応する収納部15へ送出させて、収納する。
ここで、一時保留部22から各収納部15に送出する際に、エラーが発生した場合には、上述した実施例で説明したように、エラー関連付け部18aは、収納属性とエラーの有無とを関連付けてエラー情報17aに記憶する。
一方、繰出された紙幣に、エラーありと関連付けられている場合は、繰出された紙幣を回収部16へ回収させる。ここでは、出金対象紙幣と判定された紙幣が、金種に対応する各収納部15へ収納され、エラーありと関連付けられているB金種の紙幣1枚およびC金種の紙幣1枚が、回収部16に回収された図を示す。
なお、ここでは、エラーありと関連付けられている紙幣を回収部16に回収されるようにしたが、紙幣識別部18cで、再識別を行うようにしてもよく、再度識別した際に、エラーなしと判定された場合、効率良く紙幣を出金対象紙幣として利用することができる。
そして、紙幣処理装置10aは、出金指示を受け付けると、出金判定部18dでは、出金指示部13からの出金指示とともに受け付けた出金金額になるよう、各金種の収納部15から紙幣を繰出して、出金する。
上述してきたように、変形例にかかる紙幣処理装置10aは、顧客によって預け入れが行われる際に、一時保留部22に一時的に紙幣を収納して、その後、出金対象紙幣だけを、金種に対応する収納部15に収納する。そして、出金の際は、エラーの判定をすることなく、各収納部15から出金をすることができる。
このようにすることで、変形例にかかる紙幣処理装置10aは、紙幣の誤出金を防止することができるとともに、出金処理にかかる処理時間を短縮することによって、顧客に対するサービスの向上をはかることができる。
なお、ここでは、送出処理を開始するタイミングを、入金や出金等の取引後に、一定時間取引が行われなかった場合としたが、取引後すぐに送出処理を開始するようにしてもよいし、一時保留部22に収納される紙幣が所定の枚数を超えた場合に、送出処理を開始するようにしてもよい。
また、紙幣処理装置10aは、テープ方式で紙幣を収納する一時保留部22が、紙幣を収納するために巻き取ったテープ長が所定の閾値を超えた場合に、送信処理を開始するようにしてもよいし、収納部15に収納されている紙幣が、所定枚数未満になった金種がある場合に、送信処理を開始するようにしてもよい。
また、紙幣処理装置10aは、入金や出金等の取引が開始されたら、送出処理を終了することとしたが、送出処理開始後、所定の時間が経過したら終了するようにしてもよいし、送出処理によって収納部15に送出された紙幣が所定の枚数を超えた場合に、送出処理を終了するようにしてもよい。
また、紙幣処理装置10aは、テープ方式で紙幣を収納する一時保留部22が、紙幣を送出するために巻き戻したテープ長が所定の閾値を超えた場合に、送出処理を終了するようにしてもよいし、収納部15に収納されている紙幣が、所定枚数を超えた金種がある場合に、送信処理を終了するようにしてもよい。
また、上述した変形例では、一時保留部22に収納されていた紙幣を、金種に対応する収納部15に送出する際、各収納部15のローラ23が同時に、テープを巻き取るために作動することによって、大容量の電源が必要となる。
そこで、電源容量を節減することができる紙幣処理装置10aが実行する紙幣送出処理手順の変形例について、図12を用いて説明する。図12は、変形例にかかる紙幣送出処理手順の一例を示す図である。
同図の(A)および(B)に示すように、紙幣処理装置10aは、A金種、B金種およびC金種の金種ごとに収納部15を備えており、この他に、図示しない金種に対応する複数の収納部15を備えているものとする。
一時保留部22は、ローラ23を巻き戻すことによって、紙幣を金種に対応する収納部15へ送出し、一方、各収納部15は、ローラ31を巻き取ることによって、一時保留部22から送出された紙幣を収納する。
以下では、一時保留部22に収納される紙幣を各収納部15へ送出する際、一時保留部22にA、BおよびCの金種の紙幣が収納されていた場合について説明する。ここで、紙幣処理装置10aには、予め、収納部15のローラ31を同時に作動することが可能な個数を設定しておくものとする。
そして、一時保留部22から紙幣を送出している間に、設定した個数のローラ31が同時に作動している場合には、一時保留部22を所定の時間、停止させて、紙幣を送出させないこととする。
以下では、まず図12(A)を用いて、ローラ31が3個同時に作動する場合を示した後、同図(B)を用いてローラ31を2個まで同時に作動することが可能であると設定した場合を示す。同図の(A)に示すように、一時保留部22に収納されているA金種の紙幣の先端101からB金種の紙幣の先端102までの距離が長さLであるとする。そして、一時保留部22に収納されているB金種の紙幣の先端102からC金種の紙幣の先端103までの距離もまた長さLであるとする。
また、同図の(A)に示すように、A金種収納部15の入口104からB金種収納部15の入口105までの搬送路21の距離およびB金種収納部15の入口105からC金種収納部15の入口106までの搬送路21の距離が長さLであるとする。
この場合、紙幣処理装置10aが一時保留部22から3種類の金種の紙幣の繰出を開始し(図12の(A)の(1)参照)、紙幣を搬送路21経由で各収納部15へ搬送すると(図12の(A)の(2)参照)、搬送路21上では、C金種の紙幣の先端103がC金種収納部15の入口106に到達すると同時に、A金種の紙幣の先端101はA金種収納部15の入口104に到達することとなる。さらに、B金種の紙幣の先端102はB金種収納部15の入口105に到達することとなる。
したがって、紙幣処理装置10aは同時に各収納部15の入口に到達した3種類の紙幣を、それぞれの収納部15に収納する際には(図12の(A)の(3)参照)、3個のローラ31を同時に作動させる必要がある。
しかし、同時に作動可能な個数は2個と設定されているため、一時保留部22から紙幣を送出する前に予め紙幣処理装置10aは上述したように3個以上のローラ31が同時に作動する場合があるか否かを予測する。
そして、3個以上のローラ31が同時に作動する場合があると予測されると、同図の(B)に示すように、紙幣処理装置10aは一時保留部22からC金種およびB金種の紙幣を送出したならば、一時保留部22を所定の時間、停止させる(図12の(B)の(1)参照)。
そして、紙幣処理装置10aは一時保留部22から送出されたC金種およびB金種の紙幣を搬送させる(図12の(B)の(2)参照)。そして、各収納部15の入口に到達したC金種およびB金種の紙幣を、2個のローラ31を作動させることによって各収納部15に収納する(図12の(B)の(3)参照)。
その後、紙幣処理装置10aはC金種収納部15またはB金種収納部15へ紙幣の収納が完了してから、A金種の紙幣の先端101がA金種収納部15の入口104に到達するようなタイミングで、再び一時保留部22を作動させて、A金種の紙幣の送出を行う。
このように、一時保留部22から紙幣を送出する際に、同時に作動するローラ31が設定された作動可能な個数を超える場合を予測して、一時保留部22を停止させることによって、電源容量を節減するとともに、消費電力にかかるコストを削減することができる。
また、電源容量を節減することにともない、電源設備自体も小さな形状でよくなることによって、紙幣処理装置10aの外形も小さくすることができ、装置にかかるコストを削減することができる。
なお、特許請求の範囲に記載の紙幣処理装置は紙幣処理装置10、紙幣識別部は紙幣識別部18c、収納属性決定部は収納属性決定部18b、不具合検知部はエラー検知部11、関連付け部はエラー関連付け部18a、除外部は出金判定部18dに相当するものである。
なお、上述した実施例では、紙幣識別部18cが、入金部12から受け付けた紙幣が、偽券または損券であると判定した場合は、紙幣を回収部16に回収するようにしたが、出金部14等から顧客に返却するようにしてもよい。
以上のように、本発明にかかる紙幣処理装置は、挿入された紙幣を収納し、紙幣の払出指示を受け付けた際、収納された紙幣から繰出す場合に有用であり、特に、収納された紙幣から誤って繰出されるのを防止したい場合に適している。
10 紙幣処理装置
10a 紙幣処理装置
11 エラー検知部
12 入金部
13 出金指示部
14 出金部
15 収納部
16 回収部
17 記憶部
17a エラー情報
18 制御部
18a エラー関連付け部
18b 収納属性決定部
18c 紙幣識別部
18d 出金判定部
20 上部ユニット
21 搬送路
22 一時保留部
23 ローラ
30 下部ユニット
31 ローラ
32 テープ
33 テープリール
34 ガイドローラ

Claims (7)

  1. 紙幣を収納し、収納した前記紙幣を繰出す紙幣処理装置であって、
    挿入された前記紙幣を識別する紙幣識別部と、
    前記紙幣識別部による識別結果に基づいて前記紙幣の収納属性を決定する収納属性決定部と、
    前記紙幣処理装置で不具合が発生したことを検知する不具合検知部と、
    前記不具合検知部によって不具合が検知された場合に、不具合が検知された旨を前記収納属性に対して関連付ける関連付け部と、
    前記関連付け部によって前記不具合が検知された旨が関連付けられた前記収納属性に対応する前記紙幣を繰出対象から除外する除外部と
    を備えたことを特徴とする紙幣処理装置。
  2. 前記関連付け部は、
    挿入された前記紙幣を収納する一連の処理を示す取引の期間中または完了後において前記不具合検知部によって不具合が検知された場合に、当該取引に属するすべての前記紙幣の前記収納属性に対して不具合が発生した旨を関連付けることを特徴とする請求項1に記載の紙幣処理装置。
  3. 前記関連付け部は、
    挿入されたすべての前記紙幣を複数のグループへ分割したうえで、各グループのそれぞれを前記取引として取り扱うことを特徴とする請求項2に記載の紙幣処理装置。
  4. 前記収納属性決定部によって決定された前記収納属性に基づき、前記紙幣をテープとともに巻き取って収納するテープ式収納部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の紙幣処理装置。
  5. 前記除外部によって繰出対象から除外された前記紙幣を回収する回収部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の紙幣処理装置。
  6. 前記紙幣識別部は、
    前記除外部によって繰出対象から除外された前記紙幣を再識別することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の紙幣処理装置。
  7. 挿入されたすべての前記紙幣を一時的に収納する第1の収納部と、
    前記紙幣の種別ごとに用意されており、前記第1の収納部から前記紙幣を受け付ける場合に作動する第2の収納部と、
    前記第1の収納部から前記第2の収納部へ前記紙幣を送出すると、同時に作動する前記第2の収納部の個数が所定の閾値を超える場合に、前記第1の収納部に対して前記紙幣の送出を待機するように指示する待機指示部と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の紙幣処理装置。
JP2009221449A 2009-09-25 2009-09-25 紙幣処理装置 Pending JP2011070437A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009221449A JP2011070437A (ja) 2009-09-25 2009-09-25 紙幣処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009221449A JP2011070437A (ja) 2009-09-25 2009-09-25 紙幣処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011070437A true JP2011070437A (ja) 2011-04-07

Family

ID=44015663

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009221449A Pending JP2011070437A (ja) 2009-09-25 2009-09-25 紙幣処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011070437A (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004157624A (ja) * 2002-11-05 2004-06-03 Hitachi Ltd 紙幣類取引装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004157624A (ja) * 2002-11-05 2004-06-03 Hitachi Ltd 紙幣類取引装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5821585B2 (ja) 紙幣処理装置
US9342942B2 (en) Bill-recycling ATM for teller with supplementary collection box and banknote transfer method applied thereto
JP5633456B2 (ja) 紙幣入出金機
JP2010108197A (ja) 自動取引装置
JP2014106791A (ja) 貨幣入出金装置及び貨幣入出金装置の貨幣管理方法
WO2013145600A1 (ja) 貨幣処理装置
JP5790450B2 (ja) 紙幣処理装置
JP2008027023A (ja) 現金処理装置
JP5870008B2 (ja) 紙幣取扱装置
JP2010267151A (ja) 紙幣処理装置
EP2690606B1 (en) Bill processing device
JP2014035674A (ja) 紙幣処理装置、及び紙幣処理方法
KR20160066164A (ko) 다권종 환류카세트가 구비된 금융자동화기기 및 그 운용방법
US11922782B2 (en) Medium handling method and medium handling device
JP2014232446A (ja) 現金処理装置
JP6401005B2 (ja) 紙幣処理装置
JP2008304991A (ja) 紙幣入出金装置
JP2021056554A (ja) 現金処理装置
KR102578670B1 (ko) 드럼식 지폐카세트 및 이를 구비한 계원용 환류식 금융자동화기기
JP2009230680A (ja) 釣銭機及び貨幣取扱方法
JP6500647B2 (ja) 紙幣処理装置
JP2011070437A (ja) 紙幣処理装置
JP6695651B2 (ja) 現金処理装置
JP3931165B2 (ja) 紙葉類取扱装置
JP6089977B2 (ja) 現金処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131022

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140318