JP2011070152A - カプセルトナーおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 カプセルトナーは、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、結晶性ポリエステル樹脂および非晶性樹脂を含み、前記トナー母粒子の表面を被覆する樹脂被覆層とを有する。
【選択図】 図1
Description
前記非晶性樹脂微粒子付着母粒子を流動状態とし、前記非晶性樹脂微粒子およびトナー母粒子を可塑化させる液体に結晶性ポリエステル樹脂微粒子を分散させた分散液を噴霧手段により噴霧する噴霧工程と、
衝撃力により前記非晶性樹脂微粒子および前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子を膜化させてトナー母粒子の表面に樹脂被覆層を形成させる膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
図1は、本発明のカプセルトナーの製造方法の第1の形態を示す工程図である。本発明のカプセルトナーの製造方法は、トナー母粒子を作製するトナー母粒子作製工程S1と、樹脂微粒子を調製する樹脂微粒子調製工程S2と、トナー母粒子を樹脂微粒子で被覆する被覆工程S3とを含む。
トナー母粒子作製工程S1では、樹脂被覆層によって被覆されるべきトナー母粒子を作製する。トナー母粒子は、結着樹脂および着色剤を含む粒子であり、その作製方法は特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。トナー母粒子の作製方法としては、たとえば、粉砕法などの乾式法、および、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融乳化法などの湿式法が挙げられる。以下、粉砕法によってトナー母粒子を作製する方法を説明する。
粉砕法によるトナー母粒子の作製では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含むトナー組成物を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練する。溶融混練によって得られる混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機によって粉砕する。その後必要に応じて分級などの粒度調整を行い、トナー母粒子を得る。
樹脂微粒子調製工程S2では、乾燥した樹脂微粒子を調製する。乾燥にはどのような方法を用いてもよく、たとえば熱風受熱式乾燥、伝導伝熱式乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波乾燥などの方法で乾燥樹脂微粒子を得られる。樹脂微粒子は、後の被覆工程S3において、トナー母粒子を被覆するシェル剤として用いられる。トナー母粒子を被覆することにより、たとえばトナー母粒子に含まれる離型剤などの低融点成分の溶融による、保存中のトナー凝集の発生を防止できる。また、たとえば樹脂微粒子を分散させた液体を噴霧してトナー母粒子を被覆した場合、樹脂微粒子の形状がトナー母粒子表面に残るので、表面が平滑なトナーに比べクリーニング性に優れるトナーを得られる。
温度、反応時間、冷却速度など)により調整することができる。
非晶性樹脂としては、たとえば、ポリスチレン樹脂などのスチレン系樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂が挙げられる。
結晶性樹脂としては、たとえば、上記の樹脂の結晶性を高めた、結晶性ポリエステルおよび結晶性ポリエチレンや、結晶性ポリプロピレンなどが挙げられる。
以上含有したアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られるものが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂とは、結晶性指数が0.6〜1.5、好ましくは0.8〜1.2であるポリエステル樹脂をいう。結晶性ポリエステル樹脂は、たとえば特開2006−113473号公報に開示されている公知の方法で製造でき、原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
カルボン酸成分中の脂肪族ジカルボン酸化合物含有量は、70モル%以上が好ましい。
被覆工程S3は、混合樹脂微粒子付着工程S3aと、温度調整工程S3bと、噴霧工程S3cと、膜化工程S3dと、回収工程S3eとを含む。
混合樹脂微粒子付着工程S3aでは、まず、樹脂微粒子調製工程S2で作製した非晶性樹脂微粒子と結晶性ポリエステル樹脂微粒子とをヘンシェルミキサなどの混合機で混合して、混合樹脂微粒子を得る。
図2は、本発明のカプセルトナーの製造方法の一例で用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。図3は、図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。被覆工程S3では、たとえば図2に示すトナーの製造装置201を用い、前記装置内での循環と撹拌の相乗効果による衝撃力でトナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成させる。トナーの製造装置201は回転撹拌装置であり、粉体流路202と、噴霧手段203と、回転撹拌手段204と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。回転撹拌手段204と、粉体流路202とは循環手段を構成する。
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。回転撹拌室である撹拌部208には、開口部210、211が形成される。開口部210は、撹拌部208の軸線方向一方側の面208aにおける略中央部において、撹拌部208の面208aを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される。また、開口部211は、撹拌部208の前記軸方向片側の面208aに垂直な側面208bにおいて、撹拌部208の側面208bを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。この粉体流路202を、樹脂微粒子付着母粒子および気体が流過する。粉体流路202は、樹脂微粒子付着母粒子が流動する方向である粉体流動方向が一定となるよう設けられる。
回転撹拌手段204は、回転軸部材218と、円盤状の回転盤219と、複数の撹拌羽根220とを含む。回転軸部材218は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向他方側の面208cに、面208cを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される貫通孔221に挿通されるように設けられ、図示しないモータによって軸線回りに回転する円柱棒状部材である。回転盤219は、その軸線が回転軸部材218の軸線に一致するように回転軸部材218に支持され、回転軸部材218の回転に伴い回転する円盤状部材である。複数の撹拌羽根220は、回転盤219の周縁部分によって支持され、回転盤219の回転に伴って回転する。
噴霧手段203は、粉体流路202の外壁に形成される開口に挿通されて設けられ、粉体流過部209において、樹脂微粒子付着母粒子の流動方向における開口部211に最も近い側の粉体流過部に設けられる。噴霧手段203は、液体を貯留する液体貯留部と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給部と、液体とキャリアガスとを混合し得られる混合物を粉体流路202内に存在するトナー母粒子に向けて噴射し、液体の液滴をトナー母粒子に噴霧する二流体ノズルとを備える。キャリアガスとしては、圧縮エアなどを用いることができる。送液ポンプによって一定流量で噴霧手段203に送液され、噴霧手段203によって噴霧された液体はガス化し、トナー母粒子および混合樹脂微粒子表面にガス化した液体が展延する。これによってトナー母粒子および混合樹脂微粒子が可塑化する。
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内と回転撹拌手段204を所定の温度に調整する。これによって、後述の温度調整工程S3bにおいて、粉体流路内および回転撹拌手段の外側の温度をトナー母粒子および混合樹脂微粒子が軟化変形しない温度以下に制御することができる。また噴霧工程S3cおよび膜化工程S3dにおいて、トナー母粒子、混合樹脂微粒子および液体にかかる温度のばらつきを少なくし、樹脂微粒子付着母粒子の安定な流動状態を保つことが可能となる。
粉体流路202の粉体流過部209には、粉体投入部206と、粉体回収部207とが接続される。図4は、粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す側面図である。
温度調整工程S3bでは、回転撹拌手段204を回転させながら、粉体流路202内および回転撹拌手段204をこれらの外側に配設した温度調整用ジャケットに媒体を通じて所定の温度に調整する。これにより粉体流路202内の温度を、後述する噴霧工程S3cで投入される樹脂微粒子付着母粒子が軟化変形しない温度以下に制御できる。
噴霧工程S3cでは、流動状態にある樹脂微粒子付着母粒子に、それらの粒子を溶解せずに可塑化する効果のある液体を、前述の噴霧手段203からキャリアガスによって噴霧する。
膜化工程S3dでは、トナー母粒子に付着した混合樹脂微粒子が軟化し膜化するまで、所定の温度で回転撹拌手段204の撹拌を続け樹脂微粒子付着母粒子を流動させ、樹脂層でトナー母粒子を被覆する。
回収工程S3eでは、噴霧手段からの液体噴霧と回転撹拌手段204の回転を停止し、粉体回収部207からカプセルトナーを装置外に排出し回収する。
非晶性樹脂微粒子付着工程S3fでは、トナー母粒子作製工程S1で作製したトナー母粒子と樹脂微粒子調製工程S2で作製した非晶性樹脂微粒子とを、混合樹脂微粒子付着工程S3aと同様にヘンシェルミキサなどの混合機で混合して、トナー母粒子表面に非晶性樹脂微粒子が付着した非晶性樹脂微粒子付着母粒子を得る。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液は、樹脂微粒子調製工程S2で作製した結晶性ポリエステル樹脂微粒子を、トナー母粒子および非晶性樹脂微粒子を可塑化させる効果のある液体に、たとえば市販のホモジナイザーで撹拌することで、分散させて調製する。
本発明の実施形態であるカプセルトナーは、上記のトナーの製造方法で製造される。上記のトナーの製造方法によって得られるカプセルトナーは、トナー母粒子表面に樹脂層が形成されることによって、内包成分が保護されるので、耐久性および保存安定性に優れる。また、このようなカプセルトナーを画像形成に用いると、高精細で、濃度むらのない画質の良好な画像を得られる。
本発明の実施形態である現像剤は、上記の実施形態であるカプセルトナーを含む。本実施形態の現像剤は、1成分現像剤としても2成分現像剤としても使用できる。1成分現像剤として使用する場合、キャリアを用いることなくトナー単体で使用する。また、ブレードおよびファーブラシを用い、現像スリーブで摩擦帯電させスリーブ上にトナーを付着させることでトナーを搬送し、画像形成を行う。2成分現像剤として使用する場合、上記の実施形態のカプセルトナーをキャリアとともに用いる。
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線において、吸熱ピークを測定する。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤の融点とした。
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下で測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径および体積粒度分布における標準偏差を求めた。変動係数(CV値、%)は、下記式に基づいて算出した。
CV値(%)=(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒子径)×100
ガラス転移温度の測定方法と同様にして、吸熱の最高ピーク温度に相当する温度(Tc)を測定した。上記に従って測定した軟化温度(Tm)と吸熱の最高ピーク温度に相当する温度(Tc)とを用い、下記式から、結晶性指数を算出した。
結晶性指数=Tm/Tc
樹脂微粒子の体積メジアン粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(商品名:LA−920、株式会社堀場製作所製)を用いて体積基準で50%頻度粒子径(メジアン径)として測定した。
〔トナー母粒子作製工程S1〕
ポリエステル樹脂(商品名:タフトン、花王株式会社製、ガラス転移温度60℃、軟化温度138℃) 85部
C.I.Pigment Blue 15:3 5部
離型剤(商品名:カルナウバワックス、東亜化成株式会社製、融点82℃) 8部
帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社) 2部
〈非晶性ポリエステル樹脂微粒子Aの作製〉
ポリオキシプロピレン(2,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、エチレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸、および無水トリメリット酸を反応させて、非晶性ポリエステル樹脂1を得た。
1,6−ヘキサンジオール300g、フマル酸812g、酸化ジブチル錫4gおよびハイドロキノン1gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した容積5リットルの四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに所望の結晶性指数に達するまで8.3kPaにて反応させて、結晶性ポリエステル樹脂1を得た。
〈混合樹脂微粒子の調製〉
非晶性ポリエステル樹脂微粒子A500gと結晶性ポリエステル樹脂微粒子B500gとをヘンシェルミキサ20B(三井鉱山株式会社製)に投入し、攪拌羽根の周速度40m/secにて3分間混合し、混合樹脂微粒子Aを調製した。この混合微粒子中の結晶性ポリエステル樹脂微粒子の含有量は、50重量%である。また、非晶性ポリエステル樹脂微粒子に対する結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積メジアン粒径の比は75%である。
トナー母粒子100部と混合樹脂微粒子A10部とをヘンシェルミキサ20B(三井鉱山株式会社製)に投入し、攪拌羽根の周速度40m/secにて3分間混合し、混合樹脂微粒子付着母粒子を作製した。
実施例1のトナーと、体積平均粒径60μmのフェライトコアキャリアとを、トナー濃度が7%になるように混合し、実施例1の二成分現像剤を作製した。
混合樹脂微粒子の調製において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子A800gと結晶性ポリエステル樹脂微粒子B200gとを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2のトナーおよび現像剤を得た。
混合樹脂微粒子の調製において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子A900gと結晶性ポリエステル樹脂微粒子B100gとを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3のトナーおよび現像剤を得た。
混合樹脂微粒子の調製において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子A400gと結晶性ポリエステル樹脂微粒子B600gとを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4のトナーおよび現像剤を得た。
〈非晶性スチレンアクリル共重合樹脂微粒子Cの作製〉
スチレンとアクリル酸とアクリル酸ブチルとを重合して、非晶性スチレンアクリル共重合樹脂微粒子C(体積メジアン粒径0.18μm、軟化温度138℃、吸熱の最高ピーク温度69℃、ガラス転移温度69℃、結晶性指数2.00)を得た。これをさらに凍結乾燥して、乾燥粉末とした。
エタノールを噴霧しなかった以外は実施例1と同様にして、実施例6のトナーおよび現像剤を得た。
混合樹脂微粒子を調製せず、トナー母粒子100部に対し、非晶性ポリエステル樹脂微粒子A5部と結晶性ポリエステル樹脂微粒子B5部とをヘンシェルミキサに直接投入した以外は実施例1と同様にして、実施例7のトナーおよび現像剤を得た。
〈結晶性ポリエステル微粒子Dの作製〉
乳化時間を短くした以外は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子Bの作製と同様にして結晶性ポリエステル樹脂微粒子D(体積メジアン粒径0.18μm、軟化温度109℃、吸熱の最高ピーク温度113℃、ガラス転移温度17℃、結晶性指数0.96)を得た。これをさらに凍結乾燥して、乾燥粉末とした。
〈結晶性ポリエステル微粒子Eの作製〉
乳化時間を短くした以外は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子Bの作製と同様にして結晶性ポリエステル樹脂微粒子E(体積メジアン粒径0.22μm、軟化温度109℃、吸熱の最高ピーク温度113℃、ガラス転移温度17℃、結晶性指数0.96)を得た。これをさらに凍結乾燥して、乾燥粉末とした。
被覆工程S3において、混合樹脂微粒子を作製せず、トナー母粒子100部と非晶性ポリエステル樹脂微粒子A5部とを混合して、混合樹脂微粒子付着母粒子の代わりに非晶性樹脂微粒子付着母粒子を作製した。混合は、ヘンシェルミキサ20B(三井鉱山株式会社製)を用い、攪拌羽根の周速度40m/secで3分間行った。
エタノール中に結晶性ポリエステル樹脂微粒子Bを分散させて、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液(結晶性ポリエステル樹脂微粒子含有量6.25重量%)を調製した。
被覆工程S3において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子A5部の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂微粒子A8部をトナー母粒子100部と混合して非晶性樹脂微粒子付着母粒子を作製し、結晶性ポリエステル樹脂微粒子含有量が2.5重量%となるよう結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液を調製し、トナー母粒子100部に対し結晶性ポリエステル樹脂微粒子2部を添加したこと以外は、実施例10と同様にして、実施例11のトナーおよび現像剤を得た。
被覆工程S3を行わず、トナー母粒子のみで比較例1のトナーおよび現像剤を得た。
混合樹脂微粒子を調製せず、トナー母粒子100部に対し結晶性ポリエステル樹脂微粒子B10部を投入した以外は実施例1と同様にして、比較例2のトナーおよび現像剤を得た。
混合樹脂微粒子を調製せず、トナー母粒子100部に対し非晶性スチレンアクリル共重合樹脂微粒子C10部を投入した以外は実施例1と同様にして、比較例3のトナーおよび現像剤を得た。
[耐ブロッキング性]
市販複写機(商品名:MX―2300G、シャープ株式会社製)に実施例1〜11および比較例1〜3で得られた2成分現像剤をそれぞれ充填し、画像が感光体上に現像されないように調整した状態で、20℃の恒温下で現像機のみを5時間連続運転し、現像剤の偏りおよび凝集物の発生の有無を確認した。現像剤の偏りは、トナーの流動性の低下に伴い現像槽中での現像剤の搬送性が低下することにより、現像剤の搬送軸に対して発生する。現像剤の偏りによって、搬送トルクが増大すると運転に伴う発熱が増加し、現像剤の一部が溶融固着することで凝集物が発生する。
○(良好):現像剤の偏りの発生なし
△(普通):現像剤の偏りの発生はあるが、凝集物の発生はない
×(不良):凝集物の発生あり
上記の複写機に実施例1〜11および比較例1〜3で得られた2成分現像剤をそれぞれ充填し、加熱ローラの表面温度を130℃から220℃まで5℃刻みで上げて画像を形成させ、低温オフセットの起こらない下限温度を最低定着温度とした。
◎(非常に良好):最低定着温度差が5℃以下
○(良好):最低定着温度差が5℃より大きく15℃以下
△(普通):最低定着温度差が15℃より大きく25℃以下
×(不良):最低定着温度差が25℃より大きい
耐ブロッキング性および低温定着性の評価結果を合わせて、以下の基準で総合評価を行った。
○(良好):いずれの結果も◎または○である
△(普通):いずれかの結果が△であるが、×はない
×(不良):いずれかの結果が×である
202 粉体流路
203 噴霧手段
204 回転撹拌手段
206 粉体投入部
207 粉体回収部
220 撹拌羽根
Claims (6)
- 結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、
結晶性ポリエステル樹脂および非晶性樹脂を含み、前記トナー母粒子の表面を被覆する樹脂被覆層とを有することを特徴とするカプセルトナー。 - 結晶性ポリエステル樹脂微粒子と非晶性樹脂微粒子とからなる混合樹脂微粒子を、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子の表面に付着させて、樹脂微粒子付着母粒子を形成させる混合樹脂微粒子付着工程と、
前記樹脂微粒子付着母粒子を流動状態とし、前記混合樹脂微粒子およびトナー母粒子を可塑化させる液体を噴霧する噴霧工程と、
衝撃力により混合樹脂微粒子を膜化させてトナー母粒子の表面に樹脂被覆層を形成させる膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。 - 前記混合樹脂微粒子付着工程は、前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子と前記非晶性樹脂微粒子とを混合して混合樹脂微粒子を調製する工程と、前記トナー母粒子と前記混合樹脂微粒子とを混合し、前記トナー母粒子の表面に混合樹脂微粒子が付着した樹脂微粒子付着母粒子を形成させる工程とを含むことを特徴とする請求項2に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積メジアン粒径が、前記非晶性樹脂微粒子の体積メジアン粒径より小さいことを特徴とする請求項2または3に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 前記混合樹脂微粒子が、結晶性ポリエステル樹脂微粒子を20重量%以上50重量%以下含むことを特徴とする請求項3または4に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 非晶性樹脂微粒子を、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子の表面に付着させて、非晶性樹脂微粒子付着母粒子を形成させる非晶性樹脂微粒子付着工程と、
前記非晶性樹脂微粒子付着母粒子を流動状態とし、前記非晶性樹脂微粒子およびトナー母粒子を可塑化させる液体に結晶性ポリエステル樹脂微粒子を分散させた分散液を噴霧手段により噴霧する噴霧工程と、
衝撃力により前記非晶性樹脂微粒子および前記結晶性ポリエステル樹脂微粒子を膜化させてトナー母粒子の表面に樹脂被覆層を形成させる膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。
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